説明

植物成長調節

本発明は植物成長調節剤の新規クラスに関する。特に、本発明は一般式(I)の2,4−ジアミノ−5−置換−チアゾール誘導体;および成長調節応答を誘導するために上記化合物により植物を処理する方法に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物成長調節のために農業に使用される農薬および方法の技術分野に関する。特に、本発明は、処理された植物、その植物の特定の部分、またはより一般的には、収穫量の優れた増加を生じる成長調節応答を誘導するための、植物の処理のための植物成長調節剤の新規クラスに関する。
【背景技術】
【0002】
用語「植物成長調節のための方法」または用語「成長調節方法」または語「植物成長調節」の使用または本明細書中に使用される語「調節する」を使用する他の用語は、植物のいくつかの特性を改善する種々の植物応答に関する。「植物成長調節剤」は、植物の1またはそれ以上の成長調節方法において活性を有する化合物である。
【0003】
植物成長調節のこのタイプは、ときどき植物成長調節としても定義されるが、しかし、植物の成長を破壊または止めることを意図する、農薬作用または成長抑制とは区別される。そういうわけで、本発明の実施に使用される化合物は、処理される植物に関して非植物毒性であるが、植物またはその特定の部分の成長を刺激する量で使用される。したがって、このような化合物はまた「植物刺激剤」と称してもよく、それらの作用は「植物成長刺激」と称してもよい。
【0004】
植物成長調節は、植物およびそれらの作付を改善し、非処理植物と比較して改善された植物成長および農業実施のより良い条件を得る、所望の方法である。この種の分子は、しばしば動物ホルモンと比較してより低い特異性により、細胞活性を阻害または促進し得る。これは、ほとんどの場合、植物において同定される植物成長調節剤が、ほとんどの場合、それらが植物において複数の効果を有するように、植物細胞の分裂、伸長および分化を調節することを意味する。
【0005】
分子的機序において、植物成長調節剤は、膜特性に作用するか、遺伝子発現を制御するか、または酵素活性に影響するか、または相互作用の上記タイプの少なくとも2つの組み合わせにおいて活性であることにより、働き得る。
【0006】
植物成長調節剤は、植物ホルモン(例えば、非ペプチドホルモン、例えばオーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、ブラシノステロイドまたはアブシジン酸、およびサリチル酸)、リポオリゴ糖(例えばNod因子)、ペプチド(例えばシステミン)、脂肪酸誘導体(例えばジャスモネート)、およびオリゴ糖とも呼ばれる天然起源の化学物質であるか(レビューのため以下を参照のこと: Biochemistry & Molecular Biology of the Plant (2000); 編 Buchanan, Gruissem, Jones, pp. 558-562;および850-929)、またはそれらは合成により製造された化合物であり得る(例えば天然に存在する植物成長ホルモンの誘導体、エテフォン)。
【0007】
非常に低濃度で働く植物成長調節剤が、多くの細胞および組織において見出され得るが、それらは分裂組織および芽に集中しているようである。
【0008】
適切な化合物の選択に加えて、最適な環境条件を探すこともまた関連する。なぜなら、成長ホルモンの作用に影響し得ることが公知のいくつかの因子が存在するからであり、例えば(a)植物成長調節剤自体の濃度、(b)植物に施用される量、(c)開花日に関連した施用の時期、(d)処理前および後の温度および湿度、(e)植物含水量、ならびにいくつかの他の因子である。
【0009】
植物成長調節剤は植物に有益であるが、ときどき雑草防除のため、または落葉を誘導するために使用され得る(例えば合成オーキシン2,4-Dおよび2,4,5-T)。
【0010】
多くの場合、既存の植物成長調節剤の作用様式は知られていない。種々の標的が議論され、そしてとりわけ、影響を及ぼされる分子のほとんどは、G1期またはG2期それぞれにおいて細胞周期を停止させるような細胞分裂調節、干ばつストレス応答のシグナル伝達のための他のものに関係する(Biochemistry & Molecular Biology of the Plant (2000); 編Buchanan, Gruissem, Jones, pp. 558-560)。いずれの場合も、ホルモン制御は、例えば、植物のある器官または細胞型の成長刺激をもたらし得るが、さらにその同じ植物の他の器官または細胞型の抑制ももたらし得るアップ及びダウンレギュレーションの極めて複雑なカスケードであるとみなすことができる。
【0011】
多くの場合、キナーゼは植物ホルモン制御に直接的または間接的に関与し、そしてキナーゼのうち、プロテインキナーゼが細胞周期制御に関する、主要かつ非常に特異的な制御分子である。このようなキナーゼはいくつかの植物ホルモンのための標的として議論され、例えばオーキシンおよびアブシジン酸の場合である(Biochemistry & Molecular Biology of the Plant (2000); 編Buchanan, Gruissem, Jones, pp. 542-565およびpp. 980-985; Morgan (1997), Annu. Rev. Cell. Dev. Biol., 13, 261-291; Amonら(1993)、Cell, 74, pp. 993-1007; Dynlachtら(1997)、Nature, 389, pp. 149-152; HuntおよびNasmyth (1997)、Curr. Opin. Cell. Biol., 9, pp. 765-767; ThomasおよびHall (1997)、Curr. Opin. Cell. Biol., 9, pp. 782-787)。
【0012】
細胞周期調節は、動物においても中心的役割を果たす(Cooper (2000), The Cell: A Molecular Approach, 第2版、Sinauer Associates Inc. ASM Press)。いくつかの2,4ジアミノ−チアゾール誘導体が哺乳動物における特異的プロテインキナーゼの阻害剤であり、そして哺乳動物、および特にヒトにおける疾患の治療のための医薬として使用され得ることが、WO 01/56567から公知である。
【0013】
これらのプロテインキナーゼのうち、GSK-3は、グリコーゲンシンターゼ(これは哺乳動物におけるグリコーゲン合成の調節酵素である)をリン酸化および不活性化するその能力を介するような、いくつかの調節タンパクのホルモン制御に関与するプロテイン−セリンキナーゼである(Embi他(1980), Eur. J. Biochem, 107, pp 519-527)。
【0014】
WO01/56567は2,4−ジアミノチアゾール誘導体がGSK 3の阻害剤であることを教示する一方、植物成長がこのクラスの化合物による任意の他の方法において調節または刺激または影響され得ることについては教示も示唆もしていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、好ましくは、植物成長調節に有効な量であって、好ましくは非植物毒性量において、植物、植物に生育する種子、またはそれらが生育する場所に、化合物を施用することによる、植物成長調節のための化合物の使用に関し、この化合物は式(I)
【化1】

の2,4−ジアミノ−5−置換−チアゾール誘導体またはその農業上許容される塩である。
式中:
Eは(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C3−C6)アルキニル、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルキル]カルボニルオキシ−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル、フルフリル、テトラヒドロフルフリルまたはイソオキサゾリル[イソオキサゾリ
ル基は非置換であるかまたは1または2個の(C1−C6)アルキル基で置換される];または式(A):
【化2】

の基であり、
ここでX、Y、ZおよびVは各々独立して、CまたはNであり、但し、X、Y、ZおよびVの少なくとも2つはCであり;
【0016】
(A)の結合手は環炭素原子に結合され;
(R1)uは同一または異なってもよいu個のR1置換基であり、各R1は環炭素原子に結合され、そしてH、R2、(C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルコキシ、[(C3−C8)シクロアルキル]カルボニル、(C3−C8)シクロアルキルオキシ、(C3−C8)シクロアルキル−S(O)m、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニル[ここで直前に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1またはそれ以上のR2基により置換される];
またはアリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、アリール−(C1−C6)アルコキシ、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルコキシ、アリール−カルボニル、ヘテロシクリル−カルボニル、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリール−S(O)nまたはヘテロシクリル−S(O)p[ここで直前に挙げた12個の基のアリールまたはヘテロシクリル部分は、非置換であるかまたはR2、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルからなる群より選択される1〜3個の基により置換され、ここで直前に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1または2個のR2基により置換される]であるか;
【0017】
または(A)は1,3−ジオキソラニルまたは1,4−ジオキサニル環[ここで直前に挙げた2つの環の各々は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシおよびOHからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換される]に縮合し;
各R2は、他のR2基とは独立してヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、OCONR3R4、OCH2CONR3R4、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、NHCO2R3、S(O)qR5、SO2NH2またはR6であり;
R3は水素、(C1−C6)−アルキルまたはCH2R6であり;
R4は水素または(C1−C6)−アルキルであるか;またはR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄および窒素から選択されるさらに1または2個のヘテロ原子を場合により含む3〜8員の環式環を形成し;
R5は(C1−C6)アルキルまたは(C1−C6)ハロアルキルであり;
WはOまたはN−OR7であり;
R6は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)ハロアルキルおよび(C1−C6)アルコキシからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されたフェニルであり;
R7は水素、(C1−C6)アルキルまたはアリール−(C1−C6)アルキルであり;
Qは(C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル[ここで直
前に挙げた2つの基は非置換であるかまたはシクロアルキルにおいて(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシおよびハロゲンにより置換される]、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニル[ここで直前に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1または2個のR2基により置換される];または
【0018】
アリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキルまたはヘテロシクリル−(C1−C6)アルキルであり、ここで直前に挙げた4つの基のアリールまたはヘテロシクリル部分は非置換であるかまたは以下により置換され:
i) R2、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルからなる群より選択される1〜3個の基(ここで直前に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1または2個のR2基により置換される);または
ii) (C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルコキシ、[(C3−C8)シクロアルキル]カルボニル、(C3−C8)シクロアルキルオキシ、(C3−C8)シクロアルキル−S(O)r、アリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、アリール−(C1−C6)アルコキシ、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルコキシ、アリール−カルボニル、ヘテロシクリル−カルボニル、アリールオキシ、(C3−C8)−ヘテロシクリルオキシ、アリール−S(O)sまたはヘテロシクリル−S(O)t[ここで直前に挙げた12個の基は非置換であるかまたは(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニルおよびR2からなる群より選択される1または2個の基により置換される];
m、n、p、q、r、sおよびtは各々独立して、0、1または2であり;
uは式(A)中の環炭素原子−1の数であり;
そして上記基における各ヘテロシクリルは独立して、3〜7個の環原子およびN、OおよびSからなる群より選択される環中の1、2または3個のヘテロ原子を有する複素環式基である。
【0019】
これらの化合物は有益な植物成長調節特性を有する。
【0020】
式(I)はまた、任意の立体異性体、エナンチオマー、幾何異性体または互変異性体、および式(I)の化合物の混合物を包含する。
【0021】
用語「農業上許容される塩」は、アニオンまたはカチオンが農業用途の塩の形成のために当該分野で公知であり、そして許容される塩を意味する。
【0022】
例えば、カルボン酸基を含む式(I)の化合物により形成される塩基との適当な塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウムおよびカリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウムおよびマグネシウム)ならびにアンモニウム塩が挙げられる。このアンモニウム塩としては、アンモニウム(NH4+)および有機アミンのアンモニウム塩(例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン、オクチルアミン、モルホリンおよびジオクチルメチルアミン塩)、および第4級アンモニウム塩 (NR4+)、例えばテトラメチルアンモニウム塩が挙げられる。例えばアミノ基を含む式(I)の化合物により形成される適当な酸付加塩としては、無機酸との塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩および硝酸塩ならびに有機酸、例えば酢酸との塩が挙げられる。
【0023】
式(A)に示されるR1基は環炭素原子にのみ結合されることが理解されるべきである。
【0024】
添付の特許請求の範囲を含む本特許明細書において、上記置換基は以下の意味を有する:
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
基の名称の前にある用語「ハロ」は、この基が部分的または完全にハロゲン化される、すなわち、F、Cl、Br、またはIの任意の組み合わせにより置換されることを意味する。
【0025】
表現「(C1−C6)アルキル」は、(丸括弧中のC原子の範囲により示される)1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する非分枝鎖または分枝鎖の非環状飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチルプロピルまたはtert−ブチル基を意味する。これは複合基、例えば「アルコキシアルキル」中のアルキル基にも適用される。
アルキル基および複合基中のアルキル基も、特に定義されない限り、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する。
【0026】
「(C1−C6)ハロアルキル」は、表現「(C1−C6)アルキル」のもとで挙げられるアルキル基を意味し、ここで1またはそれ以上の水素原子は、同数の同一または異なるハロゲン原子により置換され、例えばモノハロアルキル、パーハロアルキル、CF3、CHF2、CH2F、CHFCH3、CF3CH2、CF3CF2、CHF2CF2、CH2FCHCl、CH2Cl、CCl3、CHCl2またはCH2CH2Clである。
「(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル」は、(C1−C6)アルコキシにより置換された(C1−C6)アルキルを意味する。
「(C1−C6)アルキル−S(O)n」は(C1−C6)アルキルチオ、アルキルスルフィニルまたはアルキルスルホニル基、例えばメチルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルを意味する。
【0027】
「(C1−C6)アルキルカルボニル」はカルボニル基に結合する(C1−C6)アルキル基を意味する。
「(C1−C6)アルコキシカルボニル」はカルボニル基に結合する(C1−C6)アルコキシ基を意味する。
【0028】
「(C1−C6)アルコキシ」は、炭素鎖が表現「(C1−C6)アルキル」のもとで与えられた意味を有するアルコキシ基を意味する。「ハロアルコキシ」は、例えばOCF3、OCHF2、OCH2F、CF3CF2O、OCH2CF3またはOCH2CH2Clである。
「[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル−(C1−C6)アルキル」は[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル基により置換された(C1−C6)アルキル、例えばエトキシカルボニルメチルを意味する。
【0029】
「(C2−C6)アルケニル」は、この定まった範囲に対応するいくらかの炭素原子を有し、かつそれぞれの不飽和基の任意の位置に配置され得る少なくとも1つの二重結合を含む非分枝鎖または分枝鎖非環状炭素鎖を意味する。したがって、「(C2−C6)アルケニル」は、例えばビニル、アリル、2−メチル−2−プロペニル、2−ブテニル、ペンテニル、2−メチルペンテニルまたはヘキセニル基を表す。
【0030】
「(C2−C6)アルキニル」は、この定まった範囲に対応するいくらかの炭素原子を有し、かつそれぞれの不飽和基の任意の位置に配置され得る少なくとも1つの三重結合を含む非分枝鎖または分枝鎖非環状炭素鎖を意味する。したがって、「(C2−C6)アルキニル」は例えばプロパルギル、1−メチル−2−プロピニル、2−ブチニルまたは3−ブチニル基を表す。
【0031】
「(C3−C6)シクロアルキル」は単環式アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロへキシル基を表す。好ましくは、シクロアルキル基は環中に3〜7個の炭素原子を有する。
「(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル」は(C3−C8)シクロアルキルにより置換された(C1−C6)アルキルを意味する。
「(C3−C8)シクロアルキルオキシ」はO原子に結合された(C3−C8)シクロアルキル基、例えばシクロプロピルオキシまたはシクロへキシルオキシを意味する。
【0032】
用語「アリール」は炭素環式芳香族環系、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、ビフェニレニル等を意味する。アリールはまた、上記列挙された炭素環式芳香族系の部分的に水素化された誘導体を含むことも意図され、これは少なくとも1つの芳香族炭素環式環を含む。上記部分的に水素化された誘導体の非限定的な例は、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、1,4−ジヒドロナフチル等である。
【0033】
「ヘテロシクリル」基は、飽和、不飽和または複素環式芳香族であることができ;好ましくは、複素環式環中、1またはそれ以上の、特に1、2または3個のヘテロ原子を含み、好ましくはN、OおよびSからなる群より選択され;好ましくは、3〜7個の環原子を有する脂肪族ヘテロシクリル基または5〜7個の環原子を有する複素環式芳香族基である。複素環式基は、例えば、複素環式芳香族基または環(ヘテロアリール)、例えば、少なくとも1個の環が1またはそれ以上のヘテロ原子を含む単環式、二環式または多環式芳香族系、例えばピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、チエニル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリルおよびトリアゾリルであってよく、または部分的または完全に水素化された基、例えばオキシラニル、オキセタニル、オキソラニル(=テトラヒドロフリル)、オキサニル、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、ジオキソラニル、オキサゾリニル、イソオキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニルおよびモルホリニルである。「ヘテロシクリル」基は非置換であっても、または好ましくはハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、カルバモイル、モノ−およびジアルキルアミノカルボニル、置換アミノ、例えばアシルアミノ、モノ−およびジアルキルアミノ、ならびにアルキルスルフィニル、ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニル、アルキルおよびハロアルキル、ならびにさらにまたオキソからなる群より選択される1またはそれ以上の基(好ましくは1、2または3基)により置換されてもよい。オキソ基はまた、ヘテロ環原子に存在してもよく、ここで種々の酸化数が、例えばNおよびSの場合において可能である。
【0034】
「(C3−C8)−ヘテロシクリルオキシ」は3〜8個の環原子を含み、酸素原子に結合されたヘテロシクリル基を意味する。
【0035】
「アリール−(C1−C6)アルキル」、「ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル」および同様の基は、上記で定義されたアリールまたはヘテロシクリルにより置換された、上記で定義された(C1−C6)アルキル、例えばベンジルまたはピリジルメチルを意味する。
【0036】
「アリールオキシ」は、O原子に結合されたアリール基、例えばフェノキシを意味する。
【0037】
「アリール−カルボニル」は、カルボニル基に結合されたアリール基、例えばベンゾイルを意味する。
【0038】
好ましくは、(A)は、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)または(A5):
【化3】

(式中、R1およびuは上記で定義される)
である。
【0039】
好ましくは、Eは(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキルまたは基(A):
【化4】

であり、
X、Y、ZおよびVは各々Cであり;
各R1は、同一または異なってよく、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR5、SO2NH2、(C1−C3)アルキルまたは(C1−C3)ハロアルキルであり、ここでR3およびR4は各々独立して、水素または(C1−C3)−アルキルであり、そしてR5は(C1−C3)アルキルもしくは(C1−C3)ハロアルキル;
またはフェニルもしくはピリジルであり、ここで直前に挙げた2つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキルおよび(C1−C3)ハロアルキルからなる群より選択される1〜3個の基により置換され、そして
uは5である。
【0040】
より好ましくは、Eは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキル、[(C1−C3)アルコキシ]カルボニル−(C1−C3)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキルまたは式(A):
【化5】

の基であり、
X、YおよびZは全てCであり;VはCまたはNであり;R1はHまたはハロゲンであり、そしてuは4または5である。
【0041】
もっとも好ましくは、Eは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキル、[(C1−C3)アルコキシ]カルボニル−(C1−C3)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキルまたは基(A):
【化6】

であり、
X、Y、ZおよびVは全てCであり;R1はHまたはハロゲンであり;そしてuは5である。
【0042】
好ましくは、WはOである。
【0043】
好ましくは、Qは(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、(C3−C4)アルケニルもしくは(C3−C4)アルキニル;または
アリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキルもしくはヘテロシクリル−(C1−C6)アルキルであり、ここで直前に挙げた4つの基のアリールまたはヘテロシクリル部分は非置換であるかまたは以下により置換される:
i) ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR5、SO2NH2、(C1−C6)アルキルおよび(C1−C3)ハロアルキルからなる群より選択される1〜3個の基;または
ii) フェニル、ヘテロシクリル、ベンジル、フェノキシまたはベンジルオキシ[ここで直前に挙げた5つの基は非置換であるかまたは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR5およびSO2NH2からなる群より選択される1または2個の基により置換される];
R3およびR4は各々独立して、水素または(C1−C3)−アルキルであり;そして
R5は(C1−C3)アルキルまたは(C1−C3)ハロアルキルである。
【0044】
より好ましくは、Qは(C3−C6)シクロアルキル、(C1−C3)アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで直前に挙げた2つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C3)アルキル、OH、NO2、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、フェニルおよびベンジルオキシからなる群より選択される1〜3個の基により置換される。
【0045】
もっとも好ましくは、Qはシクロプロピル、(C1−C3)アルキル、フェニル、ナフチル、ピリジニル、テトラヒドロピリジニル、チエニルまたはベンゾ[b]チエニルであり、ここで直前に挙げた6つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C3)アルキル、OH、NO2、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、フェニルおよびベンジルオキシからなる群より選択される1〜3個の基により置換される。
【0046】
本発明における使用のための式(I)の化合物の好ましいクラスは以下である:
Eは(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル−(C1−C6)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C6)アルキルまたは基(A):
【化7】

(式中、X、Y、ZおよびVは各々Cである)
であり;
各R1は、同一または異なってよく、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR3R4、−CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR6、SO2NH2、(C1−C3)アルキルもしくは(C1−C3)ハロアルキル[ここでR3およびR4は各々独立して、水素または(C1−C3)−アルキルであり、そしてR5は(C1−C3)アルキルまたは(C1−C3)ハロアルキルである];
またはフェニルもしくはピリジル[ここで直前に挙げた2つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキルおよび(C1−C3)ハロアルキルからなる群より選択される1〜3個の基により置換される]であり;
WはOであり;
Qは(C3−C6)シクロアルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、(C3−C4)アルケニルもしくは(C3−C4)アルキニル;またはアリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキルもしくはヘテロシクリル−(C1−C6)アルキルであり、ここで直前に挙げた4つの基のアリールまたはヘテロシクリル部分は非置換であるかまたは以下により置換され:
i) ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−NR3R4、−CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR5、SO2NH2、(C1−C6)アルキルおよび(C1−C3)ハロアルキルからなる群より選択される1〜3個の基;または
ii) フェニル、ヘテロシクリル、ベンジル、フェノキシもしくはベンジルオキシ[直前に挙げた5つの基は非置換であるかまたは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR5およびSO2NH2からなる群より選択される1または2個の基により置換される];
R3およびR4は各々独立して、水素または(C1−C3)−アルキルであり、そしてR5は(C1−C3)アルキルまたは(C1−C3)ハロアルキルであり;そして
uは5である。
【0047】
本発明における使用のための式(I)の化合物のより好ましいクラスは以下である:
Eは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキル、[(C1−C3)アルコキシ]カルボニル−(C1−C3)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキルまたは基(A):
【化8】

であり、
X、YおよびZは全てCであり;
VはCまたはNであり;
R1はHまたはハロゲンであり;
WはOであり;
Qは(C3−C6)シクロアルキル、(C1−C3)アルキル、(C1−C3)ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで直前に挙げた2つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C3)アルキル、OH、NO2、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、フェニルおよびベンジルオキシからなる群より選択される1〜3個の基により置換され;そして
uは4または5である。
【0048】
本発明における使用のための式(I)の化合物のもっとも好ましいクラスは、以下である:
Eは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキル、[(C1−C3)アルコキシ]カルボニル−(C1−C3)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキルまたは基(A):
【化9】

であり、
X、Y、ZおよびVは全てCであり;
WはOであり;
R1はHまたはハロゲンであり;
Qはシクロプロピル、(C1−C3)アルキル、フェニル、ナフチル、ピリジニル、テトラヒドロピリジニル、チエニルまたはベンゾ[b]チエニルであり、ここで直前に挙げた6つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C3)アルキル、OH、NO2、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、フェニルおよびベンジルオキシからなる群より選択される1〜3個の基により置換され;そして
uは5である。
【0049】
式(I)の化合物はWO 01/56567から部分的に公知であり、そしてWO 01/56567および/または公知の方法(すなわち、これまでに使用されたかまたは文献に記載された方法)に類似の方法に従って製造し得る。
【0050】
式中に出てくる記号が具体的に定義されない以下の記載において、それらは明細書中の各記号の最初の定義に従って、「上記で定義されたとおり」であることが理解されるべきである。
【0051】
以下の方法の記載において、手順は異なる順序で実施することができ、そして適当な保護基は、求められる化合物を得るために必要とされ得る。
【0052】
本発明の特徴にしたがって、EおよびQが上記で定義され、そしてWがOである式(I)の化合物は、式(II):
【化10】

(ここでEは上記で定義されるとおりであり、そしてLは脱離基である)
の化合物を、式(III):
【化11】

(式中、Qは上記で定義されるとおりであり、そしてL1は脱離基、例えば塩素または好ましくは臭素である)
の化合物と、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。広範な種々の脱離基Lを用いることができ、そしていくつかの好ましいこれらの例としてはN−結合基、例えばNH2、1−ピラゾリル、1,3−ジメチルピラゾール−1−イルまたは1,2,4−トリアゾール−1−イル、またはOもしくはS結合基、例えばメトキシまたはチオメトキシが挙げられる。好ましくは、非求核塩基、例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンまたはピリジンが用いられる。好ましくは、この反応は、溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、またはケトン、例えばアセトン、またはアルコール、例えばエタノールの存在下、50℃〜150℃の温度で、より好ましくは80℃〜120℃で、実施される。
【0053】
手順は、例えばK.N.RajasekharanによりSynthesis, 5, 1986, 頁353-355において記載される。
【0054】
本発明のさらに別の特徴にしたがって、式(I)の化合物(ここでE、およびQは上記で定義されるとおりであり、そしてWはN−OR7であり、ここでR7は上記で定義されるとおりである)は、式(I)の対応する化合物を、式(IV):
7O−NH2 (IV)
の化合物またはその塩、例えば塩酸塩または酢酸塩と反応させることにより製造し得る。一般的に、この反応は、塩基、例えばピリジンまたはトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンの存在下、溶媒、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン中、20℃〜100℃、好ましくは30℃〜70℃の温度で実施する。
【0055】
式(II)の化合物を、式(V):
E−N=C=S (V)
(式中、Eは上記で定義されるとおりである)
の化合物を、式(VI):
【化12】

(式中、Lは上記で定義されるとおりである)
の化合物またはその塩と、塩基の存在下で反応させることにより製造し得る。好ましくは、使用される塩は強酸から生成される塩、例えば硝酸塩またはハロゲン化水素酸の塩である。広範な種々の塩基を用いることができ、例えばアルカリ金属水酸化物またはアルコキシド、例えば水酸化ナトリウムもしくはエトキシド、またはアルカリ金属炭酸塩または重炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、または有機塩基例えばトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンである。一般的に、使用される塩基の量は1当量より大きく、好ましくは1.1〜1.5当量である。一般的に、反応は、溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランまたはジオキサン中、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜70℃の温度で実施される。一般的に、式(II)の化合物が単離されるが、代わりに式(I)の化合物の製造のための1−ポットプロセスにおけるインサイチュで、反応させることができる。
【0056】
式(III)の化合物は公知であるか、または例えばJ. Organic. Chemistry, 29, 1964, 頁3459-3461に記載される公知の方法に従って製造され得る。式(IV)、(V)および(VI)の化合物は公知であるか、または公知の方法に従って製造し得る。
【0057】
さらに、上記方法により合成され得る式(I)の化合物の一群は、パラレルな方法で製造することができ、これは手動で行っても、部分的に自動化しても、または完全に自動化してもよい。この背景において、生成物または中間体の反応、後処理(work-up)または精製の手順を自動化することが可能である。全体で、これは例えばS. H. DeWitt、「Annual Reports in Combinatorial Chemistry and Molecular Diversity: Automated Synthesis」、第1巻、出版元Escom、1997、第69〜77頁により記載される手順を意味するとして理解される。
【0058】
パラレルな方法における反応および後処理を実施するために、一連の市販の装置を、例えばStem Corporation, Woodrolfe Road, Tollesbury, Essex、CM9 8SE, EnglandまたはRadleys Discovery Technologies、Saffron Walden, Essex、CB11 3AZ, Englandから入手できることから、使用することができる。製造の際に得られる式(I)の化合物または中間体のパラレルな精製を実施するために、とりわけ、例えばISCO, Inc., 4700 Superior Street, Lincoln、NE 68504, USAからのクロマトグラフィー装置が利用できる。上記装置はモジュラー手順を可能にし、ここで個々の工程が自動化されるが、手動操作が工程間で行われなければならない。これは部分的または完全に統合された自動化システムを用いることにより回避することができ、ここで問題の自動化モジュールは、例えばロボットにより操作される。このような自動化システムは、例えばZymark Corporation, Zymark Center, Hopkinton, MA 01748, USAから得ることができる。
【0059】
上記方法に加え、式(I)の化合物を固相支持された方法により、完全にまたは部分的に製造することができる。この目的を達するために、合成の、または問題の手順に適合された合成の個々の中間体または全ての中間体を、合成樹脂に結合する。固相支持された合成方法は専門文献、例えば: Barry A. Bunin「The Combinatorial Index」、出版元Academic Press、1998に広範囲にわたって記載される。
【0060】
固相支持された合成方法の使用は、手動または自動化された方法で順に実施され得る、文献から公知の一連のプロトコルを可能にする。例えば、「ティーバッグ法」(Houghten,
US 4,631,211; Houghten他, Proc. Natl. Acad. Sci., 1985, 82, 5131-5135)は、IRORI, 11149 North Torrey Pines Road, La Jolla、CA 92037, USAの製品を用いて部分的に自動化され得る。固相支持されたパラレルな合成は、例えばArgonaut Technologies, Inc., 887 Industrial Road、San Carlos、CA 94070, USAまたはMultiSynTech GmbH, Wullener Feld 4, 58454 Witten, Germanyによる装置を用いて、首尾よく自動化され得る。
【0061】
本明細書に記載の方法に従う製造は、物質コレクションまたは物質ライブラリーの形態で、式(I)の化合物を生じる。したがって、本発明の主題は式(I)の化合物のライブラリーでもあり、これは式(I)の化合物、およびそれらの前駆体のうちの少なくとも2つの化合物を含む。
【0062】
以下の非限定的実施例は、式(I)の化合物の製造を例示する。
【実施例】
【0063】
A. 化学実施例
以下の実施例において、量(また百分率も)は特に記載しない限り、質量に基づく。
実施例1
[4−アミノ−2−(ピリジン−3−イル−アミノ)−チアゾール−5−イル]−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−メタノン(化合物1.60)
N,N−ジメチルホルムアミド (2ml)中の1−[(3,5−ジメチルピラゾール−1−イル)−イミノメチル]−3−ピリジン−3−イル−チオウレア(170mg, 0.62mmol)、4−ジフルオロメトキシ−α−ブロモアセトフェノン(160mg, 6.2mmol)およびトリエチルアミン (100μl, 0.72mmol)の混合物を、60℃で4時間加熱した。後に、アンモニア水溶液(33%, 80ml)を添加し、そして撹拌を50℃で4時間続けた。20℃まで冷却後、反応混合物を水(1000ml)で希釈し、そして酢酸エチル (3×)で抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、シリカ上で濾過し、そして蒸発乾固させた。残留物をクロロホルムで摩砕し、白色結晶として表題化合物を得た(化合物1.60, 126mg, 56%収率)。mp 143 ℃, 1H NMR (DMSO-d6): 7.27 and 7.75 (AB-システム, 4H), 7.36 (t, 1H), 7.40 (m, 1H), 8.16 (m, 1H), 8.35 (m, 1H), 8.24 (bs, 2H), 8.83 (m, 1H),および10.96 (bs, 1H)。
【0064】
以下の参照実施例は、上記実施例の合成に使用される中間体の製造を例示する。
参照実施例1
1−[(3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル)−イミノ−メチル]−3−ピリジン−3−イル−チオウレア(化合物2.8)
0℃のN,N−ジメチルホルムアミド(70ml)中の水酸化カリウム (85%, 4.50g, 68.2mmol)の撹拌混合物に、3,5−ジメチルピラゾール−カルボキサミジンニトレート(14.0, 68.2mmol)を添加した。反応混合物を20℃まで温め、その際、混合物は透明になった。後に、3−ピリジルイソチオシアネート(9.46g, 68.0mmol)を添加し、そして反応混合物を60℃で1時間加熱した。20℃に冷却後、氷水を添加し(約750ml)、そして生じた沈殿物を吸引濾過により回収した。濾過ケーキをヘプタンで洗浄し、そして水/エタノール(1:1)で摩砕し、淡黄色結晶として表題化合物を得た(13.1g, 47.7mmol, 70%収率)、mp 132℃。
【0065】
表1に示された以下の好ましい式(I)の化合物もまた、本発明の一部を形成し、そして上記実施例または上記一般法により、またはそれに類似の方法により得られる。
【0066】
以下の略語が表1および2に用いられる:
「Cpd」は化合物番号を意味する。化合物番号は、参照目的のためのみに与えられる。表において、Phはフェニルを意味する。
Rfは、溶出液として酢酸エチルを用いるシリカゲルの薄層クロマトグラフィーから決定される保持時間を意味する。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
【表3】

【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
【表8】

【0075】
【表9】

【0076】
【表10】

【0077】
【表11】

【0078】
【表12】

【0079】
【表13】

【0080】
【表14】

【0081】
【表15】

【0082】
【表16】

【0083】
本発明の別の局面は植物成長調節のための方法であり、この植物とは単子葉植物または双子葉植物の作物であり、好ましくは経済的に重要な農作物、例えば小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、イネ、トウモロコシ、テンサイ、綿または大豆、特にトウモロコシ、小麦および大豆、ならびに野菜および観賞植物の群から選択され、当該方法は、上記植物、植物に成長する種子、またはそれらが成長する場所に、非植物毒性の、植物成長調節に有効な量の1またはそれ以上の式(I)の化合物を施用することからなる。
【0084】
本発明のさらに別の局面は植物成長調節の方法であり、この植物とは単子葉植物または双子葉植物の作物であり、好ましくは経済的に重要な農作物、例えば小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、イネ、トウモロコシ、テンサイ、綿または大豆、特にトウモロコシ、小麦および大豆、ならびに野菜および観賞植物の群から選択され、当該方法は、上記植物、植物に成長する種子、またはそれらが成長する場所に、担体および/または界面活性剤を含む混合物中の非植物毒性の、植物成長調節に有効な量の式(I)で表される化合物を施用することからなる。
【0085】
本発明のさらに別の局面は植物成長調節の方法であり、この植物とは単子葉植物または双子葉植物の作物であり、好ましくは経済的に重要な農作物、例えば小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、イネ、トウモロコシ、テンサイ、綿または大豆、特にトウモロコシ、小麦および大豆、ならびに野菜および観賞植物から選択され、当該方法は、上記植物、植物に成長する種子、またはそれらが成長する場所に、非植物毒性の、植物成長調節に有効な量の式(I)で表される化合物を、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤または式(I)により定義される化合物と同一でない植物成長調節物質からなる群より選択されるさらに別の活性な化合物と一緒に、施用することからなる。
【0086】
式(I)で表される化合物を、単独または更に別の活性化合物と共に種子に直接施用することが意図される場合、このような種子の処理の行い方にはいくつかの方法があり、例えば、種子に施用し、それによって種子上の化合物の付着、被覆および分布を改善する適切なポリマーを含有する液体製剤の製造により特徴付けられる「フィルムコーティング」による。
【0087】
式(I)で表される化合物と共に施用されるさらに別の活性化合物の中で、それは1種のさらに別の活性化合物として施用されるかまたはいくつかのさらに別の活性化合物の組み合わせにおいて施用されるが、以下の化合物がそのようなさらに別の活性化合物の例として、具体的に挙げられる:
2−フェニルフェノール; 8−ヒドロキシキノリンサルフェート; アシベンゾラル (Acibenzolar)−S−メチル;アクチノベート(Actinovate);アルジモルフ(Aldimorph);アミドフルメト(Amidoflumet);アムプロピルホス(Ampropylfos);アムプロピルホス−カリウム;アンドプリム(Andoprim);アニラジン(Anilazine);アザコナゾール(Azaconazole);アゾキシストロビン(Azoxystrobin);ベナラキシル(Benalaxyl);ベノダニル(Benodanil);ベノミル(Benomyl);ベンチアバリカルブ(Benthiavalicarb)−イソプロピル;ベンザマクリル(Benzamacril);ベンザマクリル−イソブチル;ビラナホス(Bilanafos);ビナパクリル(Binapacryl);ビフェニル(Biphenyl);ビテルタノール(Bitertanol);ブラスチシジン−S (Blasticidin−S);ボスカリド(Boscalid);ブロムコナゾール(Bromuconazole);ブピリメート(Bupirimate);ブチオベート(Buthiobate);ブチルアミン(Butylamine);ポリ硫化カルシウム(Calcium polysulfide);カプシマイシン(Capsimycin);カプタホール(Captafol);カプタン(Captan);カルベンダジム(Carbendazim);カルボキシン(Carboxin);カルプロパミド(Carpropamid);カルボン(Carvone);キノメチオネート(Chinomethionat);クロベンチアゾン(Chlobenthiazone);クロルフェナゾール(Chlorfenazole);クロロネブ(Chloroneb);クロロタロニル(Chlorothalonil);クロゾリネート(Chlozolinate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−シクロヘプタノール;クロジラコン(Clozylacon);シアゾファミド(Cyazofamid);シフルフェナミド(Cyflufenamid);シモキサニル(Cymoxanil);シプロコナゾール(Cyproconazole);シプロジニル(Cyprodinil);シプロフラム(Cyprofuram);ダガーG(Dagger G);デバカルブ(Debacarb);ジクロフルアニド(Dichlofluanid);ジクロン(Dichlone);ジクロロフェン(Dichlorophen);ジクロシメト(Diclocymet);ジクロメジン(Diclomezine);ジクロラン(Dicloran);ジエトフェンカルブ(Diethofencarb);ジフェノコナゾール(Difenoconazole);ジフルメトリム(Diflumetorim);ジメチリモル(Dimethirimol);ジメトモルフ(Dimethomorph);ジモキシストロビン(Dimoxystrobin);ジニコナゾール(Diniconazole);ジニコナゾール−M;ジノカップ(Dinocap);ジフェニルアミン;ジピリチオン (Dipyrithione);ジタリムホス(Ditalimfos);ジチアノン(Dithianon);ドジン(Dodine);ドラゾキソロン(Drazoxolon);エジフェンホス(Edifenphos);エポキシコナゾール(Epoxiconazole);エタボキサム(Ethaboxam);エチリモル(Ethirimol);エトリジアゾール(Etridiazole);ファモキサドン(Famoxadone);フェナミドン(Fenamidone);フェナパニル(Fenapanil);フェナリモル(Fenarimol);フェンブコナゾール(Fenbuconazole);フェンフラム(Fenfuram);フェンヘキサミド(Fenhexamid);フェニトロパン(Fenitropan);フェノキサニル(Fenoxanil);フェンピクロニル(Fenpiclonil);フェンプロピジン(Fenpropidin);フェンプロピモルフ(Fenpropimorph);フェルバム(Ferbam);フルアジナム(Fluazinam);フルベンジミン(Flubenzimine);フルジオキソニル(Fludioxonil);フルメトベル(Flumetover);フルモルフ(Flumorph);フルオロミド(Fluoromide);フルオキサストロビン(Fluoxastrobin);フルキンコナゾール(Fluquinconazole);フルルプリミドール(Flurprimidol);フルシラゾール(Flusilazole);フルスルファミド(Flusulfamide);フルトラニル(Flutolanil);フルトリアフォル(Flutriafol);ホルペット(Folpet);ホセチル−Al(Fosetyl−Al);ホセチル−ナトリウム;フベリダゾール(Fuberidazole);フララキシル(Furalaxyl);フラメトピル(Furametpyr);フルカルバニル(Furcarbanil);フルメシクロックス(Furmecyclox);グアザチン(Guazatine);ヘキサクロロベンゼン(Hexachlorobenzene);ヘキサコナゾール(Hexaconazole);ヒメキサゾール(Hymexazol);イマザリル(Imazalil);イミベンコナゾール(Imibenconazole);イミノクタジントリアセテート(Iminoctadine triacetate);イミノクタジントリス(Iminoctadine tris)(アルベシレート(albesilate));ヨードカルブ(Iodocarb);イプコナゾール(Ipconazole);イプロベンホス(Iprobenfos);イプロジオン(Iprodione);イプロバリカルブ(Iprovalicarb);イルママイシン(Irumamycin);イソプロチオラン(Isoprothiolane);イソバレジオン(Isovaledione);カスガマイシン(Kasugamycin);クレソキシム(Kresoxim)−メチル;マンコゼブ(Mancozeb);マネブ(Maneb);メフェリムゾン(Meferimzone);メパニピリム(Mepanipyrim);メプロニル(Mepronil);メタラキシル(Metalaxyl);メタラキシル−M;メトコナゾール(Metconazole);メタスルホカルブ(Methasulfocarb);メトフロキサム(Methfuroxam);メチル1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボキシレート;メチル2−[[[シクロプロピル[(4−メトキシフェニル)イミノ]メチル]チオ]メチル]−α−(メトキシメチレン)−ベンゼンアセテート;メチル2−[2−[3−(4−クロロ−フェニル)−1−メチル−アリリデンアミノオキシメチル]−フェニル]−3−メトキシ−アクリレート;メチラム(Metiram);メトミノストロビン(Metominostrobin);メトラフェノン(Metrafenone);メトスルホバックス(Metsulfovax);ミルディオマイシン(Mildiomycin);炭酸1カリウム(monopotassium carbonate);ミクロブタニル(Myclobutanil);ミクロゾリン(Myclozolin);N−(3−エチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシル)−3−ホルミルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアミド;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン; ナタマイシン(Natamycin);ニトロタール(Nitrothal)−イソプロピル;ノビフルムロン(Noviflumuron);ヌアリモル(Nuarimol);オフレース(Ofurace);オリサストロビン(Orysastrobin);オキサジキシル(Oxadixyl);オキソリン酸(Oxolinic acid);オキシポコナゾール(Oxpoconazole);オキシカルボキシン(Oxycarboxin);オキシフェンチイン(Oxyfenthiin);パクロブトラゾール(Paclobutrazol);ペフラゾエート(Pefurazoate);ペンコナゾール(Penconazole);ペンシクロン(Pencycuron);ペンチオピラド(Penthiopyrad);ホスジフェン(Phosdiphen);フタリド(Phthalide);ピコベンズアミド(Picobenzamid);ピコキシストロビン(Picoxystrobin);ピペラリン(Piperalin);ポリオキシン(Polyoxins);ポリオキソリム(Polyoxorim);プロベナゾール(Probenazole);プロクロラズ(Prochloraz);プロシミドン(Procymidone);プロパモカルブ(Propamocarb);プロパノシン (Propanosine)−ナトリウム;プロピコナゾール(Propiconazole);プロピネブ(Propineb);プロキナジド(Proquinazid);プロチオコナゾール(Prothioconazole);ピラクロストロビン(Pyraclostrobin);ピラゾフォス(Pyrazophos);ピリフェノックス(Pyrifenox);ピリメタニル(Pyrimethanil);ピロキロン(Pyroquilon);ピロキシフル(Pyroxyfur);ピロールニトリン(Pyrrolnitrine);キンコナゾール(Quinconazole);キノキシフェン(Quinoxyfen);キントゼン(Quintozene);シルチオファム(Silthiofam);シメコナゾール(Simeconazole);ナトリウムテトラチオカルボネート;スピロキサミン(Spiroxamine);サルファ(Sulfur);テブコナゾール(Tebuconazole);テクロフタラム(Tecloftalam);テクナゼン(Tecnazene);テトシクラシス(Tetcyclacis);テトラコナゾール(Tetraconazole);チアベンダゾール(Thiabendazole);チシオフェン(Thicyofen);チフルザミド(Thifluzamide);チオファネート−メチル(Thiophanate−methyl);チラム(Thiram);チアジニル(Tiadinil);チオキシミド(Tioxymid);トルクロホス−メチル(Tolclofos−methyl);トリルフルアニド(Tolylfluanid);トリアジメホン(Triadimefon);トリアジメノール(Triadimenol);トリアズブチル(Triazbutil);トリアゾキシド(Triazoxide);トリシクラミド(Tricyclamide);トリシクラゾール(Tricyclazole);トリデモルフ(Tridemorph);トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin);トリフルミゾール(Triflumizole);トリホリン(Triforine);トリチコナゾール(Triticonazole);ウニコナゾール(Uniconazole);バリダマイシンA(Validamycin A);ビンクロゾリン(Vinclozolin);ジネブ(Zineb);ジラム(Ziram);ゾキサミド(Zoxamide);(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−ブタンアミド; 1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン; 2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)−ピリジン; 2,4−ジヒドロ−5−メトキシ−2−メチル−4−[[[[1−[3−(トリフルオロメチル)−フェニル]−エチリデン]−アミノ]−オキシ]−メチル]−フェニル]−3H−1,2,3−トリアゾール−3−オン; 2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド; 2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド; 3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル; 3−[(3−ブロモ−6−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−1−イル)スルホニル]−N,N−ジメチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−スルホンアミド; 銅塩および銅製剤、例えばボルドー混合物(Bordeaux mixture);水酸化銅(Copper hydroxide);ナフテン酸銅(Copper naphthenate);塩基性塩化銅(Copper oxychloride);硫酸銅(Copper sulfate);クフラネブ(Cufraneb);亜酸化銅(Cuprous oxide);マンコッパー(Mancopper);オキシン−銅(Oxine−copper);アラニカルブ(Alanycarb)、アルジカルブ(Aldicarb)、アルドキシカルブ(Aldoxycarb)、アリキシカルブ(Allyxycarb)、アミノカルブ(Aminocarb)、ベンジオカルブ(Bendiocarb)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)、ブフェンカルブ(Bufencarb)、ブタカルブ(Butacarb)、ブトカルボキシム(Butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(Butoxycarboxim)、カルバリル(Carbaryl)、カルボフラン(Carbofuran)、カルボスルファン(Carbosulfan)、クロエトカルブ(Cloethocarb)、ジメチラン(Dimetilan)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、フェノチオカルブ(Fenothiocarb)、ホルメタネート(Formetanate)、フラチオカルブ(Furathiocarb)、イソプロカルブ(Isoprocarb)、メタム−ナトリウム(Metam−sodium)、メチオカルブ(Methiocarb)、メトミル(Methomyl)、メトルカルブ(Metolcarb)、オキサミル(Oxamyl)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、プロメカルブ(Promecarb)、プロポキスル(Propoxur)、チオジカルブ(Thiodicarb)、チオファノックス(Thiofanox)、トリメタカルブ(Trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(Xylylcarb)、アセフェート(Acephate)、アザメチホス(Azamethiphos)、アジンホス(Azinphos)(−メチル, −エチル)、ブロモホス(Bromophos)−エチル、ブロムフェンビンホス(Bromfenvinfos)(−メチル)、ブタチオホス(Butathiofos)、カズサホス(Cadusafos)、カルボフェノチオン(Carbophenothion)、クロルエトキシホス(Chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(Chlorfenvinphos)、クロルメホス(Chlormephos)、クロルピリホス(Chlorpyrifos)(−メチル/−エチル)、クマホス(Coumaphos)、シアノフェンホス(Cyanofenphos)、シアノホス(Cyanophos)、クロルフェンビンホス(Chlorfenvinphos)、デメトン(Demeton)−S−メチル、デメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス(Dialifos)、ジアジノン(Diazinon)、ジクロフェンチオン(Dichlofenthion)、ジクロルボス(Dichlorvos)/DDVP、ジクロトホス(Dicrotophos)、ジメトエート(Dimethoate)、ジメチルビンホス(Dimethylvinphos)、ジオキサベンゾホス(Dioxabenzofos)、ジスルホトン(Disulfoton)、EPN、エチオン(Ethion)、エトプロホス(Ethoprophos)、エトリムホス(Etrimfos)、ファムフール(Famphur)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、フェンスルホチオン(Fensulfothion)、フェンチオン(Fenthion)、フルピラゾホス(Flupyrazofos)、ホノホス(Fonofos)、ホルモチオン(Formothion)、ホスメチラ
ン(Fosmethilan)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ヘプテノホス(Heptenophos)、ヨードフェンホス(Iodofenphos)、イプロベンホス(Iprobenfos)、イサゾホス(Isazofos)、イソフェンホス(Isofenphos)、イソプロピル O−サリチラート、イソキサチオン(Isoxathion)、マラチオン(Malathion)、メカルバム(Mecarbam)、メタクリホス(Methacrifos)、メタミドホス(Methamidophos)、メチダチオン(Methidathion)、メビンホス(Mevinphos)、モノクロトホス(Monocrotophos)、ナレド(Naled)、オメトエート(Omethoate)、オキシデメトン(Oxydemeton)−メチル、パラチオン(Parathion)(−メチル/−エチル)、フェントエート(Phenthoate)、ホレート(Phorate)、ホサロン(Phosalone)、ホスメット(Phosmet)、ホスファミドン(Phosphamidon)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、ホキシム(Phoxim)、ピリミホス(Pirimiphos)(−メチル/−エチル)、プロフェノホス(Profenofos)、プロパホス(Propaphos)、プロペタンホス(Propetamphos)、プロチオホス(Prothiofos)、プロトエート(Prothoate)、ピラクロホス(Pyraclofos)、ピリダフェンチオン(Pyridaphenthion)、ピリダチオン(Pyridathion)、キナルホス(Quinalphos)、セブホス(Sebufos)、スルホテップ(Sulfotep)、スルプロホス(Sulprofos)、テブピリンホス(Tebupirimfos)、テメホス(Temephos)、テルブホス(Terbufos)、テトラクロルビンホス(Tetrachlorvinphos)、チオメトン(Thiometon)、トリアゾホス(Triazophos)、トリクロルホン(Triclorfon)、バミドチオン(Vamidothion)、アクリナトリン(Acrinathrin)、アレトリン(Allethrin)(d−シス−トランス、d−トランス)、β−シフルトリン(Beta−Cyfluthrin)、ビフェントリン(Bifenthrin)、ビオアレトリン(Bioallethrin)、ビオアレトリン(Bioallethrin)−S−シクロペンチル−イソマー、ビオエタノメトリン (Bioethanomethrin)、ビオペルメトリン (Biopermethrin)、ビオレスメトリン (Bioresmethrin)、クロバポルトリン (Chlovaporthrin)、シス−シペルメトリン (Cis−Cypermethrin)、シス−レスメトリン (Cis−Resmethrin)、シス−ペルメトリン (Cis−Permethrin)、クロシトリン (Clocythrin)、シクロプロトリン (Cycloprothrin)、シフルトリン (Cyfluthrin)、シハロトリン (Cyhalothrin)、シペルメトリン (Cypermethrin)(α−, β−, θ−, ζ−)、シフェノトリン (Cyphenothrin)、デルタメトリン (Deltamethrin)、エンペントリン (Empenthrin)(1R−イソマー)、エスフェンバレレート (Esfenvalerate)、エトフェンプロックス (Etofenprox)、フェンフルトリン (Fenfluthrin)、フェンプロパトリン (Fenpropathrin)、フェンピリトリン (Fenpyrithrin)、フェンバレレート (Fenvalerate)、フルブロシトリネート (Flubrocythrinate)、フルシトリナート (Flucythrinate)、フルフェンプロックス (Flufenprox)、フルメトリン (Flumethrin)、フルバリネート (Fluvalinate)、フブフェンプロックス (Fubfenprox)、γ−シハロトリン (Gamma−Cyhalothrin)、イミプロトリン (Imiprothrin)、カデトリン (Kadethrin)、λ−シハロトリン (Lambda−Cyhalothrin)、メトフルトリン (Metofluthrin)、ペルメトリン (Permethrin)(シス−, トランス−)、フェノトリン(Phenothrin)(1R−トランスイソマー)、プラレトリン(Prallethrin)、プロフルトリン (Profluthrin)、プロトリフェンブート (Protrifenbute)、ピレスメトリン (Pyresmethrin)、レスメトリン(Resmethrin)、RU 15525、シラフルオフェン (Silafluofen)、τ−フルバリネート (Tau−Fluvalinate)、テフルトリン (Tefluthrin)、テラレトリン (Terallethrin)、テトラメトリン (Tetramethrin)(−1R−イソマー)、トラロメトリン (Tralomethrin)、トランスフルトリン (Transfluthrin)、ZXI 8901、ピレトリン (Pyrethrins)(ピレスラム (pyrethrum))、DDT、インドキサカルブ (Indoxacarb)、アセタミプリド (Acetamiprid)、クロチアニジン (Clothianidin)、ジノテフラン (Dinotefuran)、イミダクロプリド (Imidacloprid)、ニテンピラム (Nitenpyram)、ニチアジン (Nithiazine)、チアクロプリド (Thiacloprid)、チアメトキサム (Thiamethoxam)、ニコチン (Nicotine)、ベンスルタップ(Bensultap)、カルタップ (Cartap)、カンフェクロル (Camphechlor)、クロルダン (Chlordane)、エンドスルファン (Endosulfan)、γ−HCH、HCH、ヘプタクロル (Heptachlor)、リンダン (Lindane)、メトキシクロルスピノサド (Methoxychlor Spinosad)、アセトプロール (Acetoprole)、エチプロール (Ethiprole)、フィプロニル (Fipronil)、バニリプロール (Vaniliprole)、アベルメクチン (Avermectin)、エマメクチン (Emamectin)、エマメクチン−ベンゾエート(Emamectin−benzoate)、イベルメクチン(Ivermectin)、ミルベマイシン (Milbemycin)、ジオフェノラン (Diofenolan)、エポフェノナン (Epofenonane)、フェノキシカルブ (Fenoxycarb)、ヒドロプレン (Hydroprene)、キノプレン (Kinoprene)、メトプレン (Methoprene)、ピリプロキシフェン (Pyriproxifen)、トリプレン (Triprene)、クロマフェノジド (Chromafenozide)、ハロフェノジド (Halofenozide)、メトキシフェノジド (Methoxyfenozide)、テブフェノジド (Tebufenozide)、ビストリフルロン (Bistrifluron)、クロフルアズロン (Chlofluazuron)、ジフルベンズロン (Diflubenzuron)、フルアズロン (Fluazuron)、フルシクロクスロン (Flucycloxuron)、フルフェノクスロン (Flufenoxuron)、ヘキサフルムロン (Hexaflumuron)、ルフェヌロン (Lufenuron)、ノバルロン (Novaluron)、ノビフルムロン (Noviflumuron)、ペンフルロン (Penfluron)、テフルベンズロン (Teflubenzuron)、トリフルムロン (Triflumuron)、ブプロフェジン (Buprofezin)、シロマジン (Cyromazine)、ジアフェンチウロン (Diafenthiuron)、アゾシクロチン (Azocyclotin)、シヘキサチン (Cyhexatin)、フェンブタチン−オキシド (Fenbutatin−oxide)、クロルフェナピル (Chlorfenapyr)、ビナパクリル (Binapacyrl)、ジノブトン (Dinobuton)、ジノカップ (Dinocap)、DNOC、フェナザキン (Fenazaquin)、フェンピロキシメート (Fenpyroximate)、ピリミジフェン (Pyrimidifen)、ピリダベン (Pyridaben)、テブフェンピラド (Tebufenpyrad)、トルフェンピラド (Tolfenpyrad)、ヒドラメチルノン(Hydramethylnon)、ジコホル (Dicofol)、ロテノン (Rotenone)、アセキノシル
(Acequinocyl)、フルアクリピリム (Fluacrypyrim)、バチルスチューリンゲンシス菌株 (Bacillus thuringiensis strains)、スピロジクロフェン (Spirodiclofen)、スピロメシフェン (Spiromesifen)、3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルカルボネート(別名: 炭酸, 3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルエステル、CAS-Reg.-No.: 382608-10-8)および炭酸, シス−3−(2,5−ジメチルフェニル)−8−メトキシ−2−オキソ−1−アザスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イルエチルエステル(CAS-Reg.-No.: 203313-25-1)、フロニカミド (Flonicamid)、アミトラズ (Amitraz)、プロパルギット (Propargite)、N2−[1,1−ジメチル−2−(メチルスルホニル)エチル]−3−ヨード−N1−[2−メチル−4−[1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]−1,2−ベンゼンジカルボキサミド(CAS-Reg.-No.: 272451-65-7)、チオシクラムシュウ酸塩 (Thiocyclam hydrogen oxalate)、チオスルタップ−ナトリウム (Thiosultap−sodium)、アザジラクチン (Azadirachtin)、バチルス種 (Bacillus spec.)、ボーベリア種 (Beauveria spec.)、コドレモン(Codlemone)、メタリジウム種 (Metarrhizium spec.)、パエキロミケス種 (Paecilomyces spec.)、チューリンゲンシン (Thuringiensin)、ベルチシリウム種 (Verticillium spec.)、リン化アルミニウム、臭化メチル、フッ化スルフリル、クリオライト (Cryolite)、フロニカミド (Flonicamid)、ピメトロジン (Pymetrozine)、クロフェンテジン (Clofentezine)、エトキサゾール (Etoxazole)、ヘキシチアゾックス (Hexythiazox)、アミドフルメット (Amidoflumet)、ベンクロチアズ (Benclothiaz)、ベンゾキシメート (Benzoximate)、ビフェナゼート (Bifenazate)、ブロモプロピレート (Bromopropylate)、ブプロフェジン (Buprofezin)、キノメチオネート (Chinomethionat)、クロルジメホルム (Chlordimeform)、クロロベンジレート (Chlorobenzilate)、クロロピクリン (Chloropicrin)、クロチアゾベン (Clothiazoben)、シクロプレン (Cycloprene)、ジシクラニル (Dicyclanil)、フェノキサクリム (Fenoxacrim)、フェントリファニル (Fentrifanil)、フルベンズイミン (Flubenzimine)、フルフェネリム (Flufenerim)、フルテンジン (Flutenzin)、ゴシップラー (Gossyplure)、ヒドラメチルノン (Hydramethylnone)、ジャポニラー (Japonilure)、メトキサジアゾン (Metoxadiazone)、ペトロリウム (Petroleum)、ピペロニルブトキシド (Piperonyl butoxide)、シュウ酸カリウム、ピリダリル (Pyridalyl)、スルフルラミド (Sulfluramid)、テトラジホン (Tetradifon)、テトラスル (Tetrasul)、トリアラセン (Triarathene)、ベルブチン
(Verbutin)。
【0088】
本発明の別の形態は、単子葉植物または双子葉植物の植物組織培養における成長調節のための方法であり、該方法は、適当な量の式(I)で表される化合物を、単独または植物成長調節剤または植物ホルモンの群から選択される少なくとも1種のさらに別の活性化合物と共に施用することからなる。
【0089】
好ましくは、式(I)の化合物は、有用な単子葉植物または双子葉植物の作物において植物成長調節剤として使用することができ、上記作物は、例えば遺伝的操作により与えられる、経済的に重要な農作物、例えば小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、イネ、トウモロコシ、テンサイ、綿または大豆、特にトウモロコシ、小麦および大豆、ならびに野菜および観賞植物の群から選択される。
【0090】
既存の植物と比較して改変された特徴を有する新規な植物を作成する伝統的な方法は、例えば伝統的育種法および変異体の作成からなる。しかし、遺伝子工学的方法を用いて変更された特徴を有する新規な植物を作成することも可能である(例えばEPA0221044, EPA-0131624を参照のこと)。例えば、以下のいくつかのケースが記載されている:
- 植物で合成されるデンプンを改変する目的の、作物の遺伝子工学的改変(例えばWO92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
- グルホシナート型(例えばEP-A-0242236、EPA242246を参照のこと)またはグリホサート型(WO92/00377)またはスルホニルウレア型(EPA-0257993、US-A-5013659)の特定の除草剤に抵抗性であるトランスジェニック作物、
- 植物を特定の害虫に対して抵抗性にする、バチルス・チューリンゲンシストキシン(Btトキシン)を産生することができるトランスジェニック作物、例えば綿(EP-A-0142924、EPA0193259)、
- 脂肪酸スペクトルが改変されるトランスジェニック作物(WO91/13972)。
【0091】
変更された特性を有する新規なトランスジェニック植物が作成され得る分子生物学における多数の技術が、原則として公知である; 例えば、Sambrook他, 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY; またはWinnacker 「Gene und Klone」 [Genes and Clones], VCH Weinheim第2版 1996, またはChristou, 「Trends in Plant Science」 1 (1996) 423-431)を参照のこと。
【0092】
このような遺伝子工学的操作を実行するために、核酸分子をプラスミドに導入することができ、これが突然変異またはDNA配列の組み換えによる配列変化を可能にする。例えば、上記標準的な方法を用いて、塩基交換を実行するか、サブシークエンスを除去するか、または天然または合成の配列を付加することができる。互いにDNAフラグメントを結合するために、アダプターまたはリンカーをフラグメントに結合することができる。
【0093】
例えば、遺伝子産物の低減した活性を有する植物細胞を、同時抑制効果を得るための少なくとも1つの対応するアンチセンスRNA、センスRNAを発現することにより、または上記遺伝子産物の転写物を特異的に切断する適当な構造の少なくとも1つのリボザイムを発現することにより、生成することができる。
【0094】
この目的を達成するために、一方では存在し得る任意のフランキング配列を含む遺伝子産物の全コード配列を包含するDNA分子、他方ではコード配列の一部を包含するだけのDNA分子を利用することができるが、これらの部分は細胞中においてアンチセンス効果をもたらすために十分長くなければならない。遺伝子産物のコード配列に対して高度に相同性を示すが、完全には同一でないDNA配列を利用することもできる。
【0095】
核酸分子が植物において発現される場合、合成されたタンパクは植物細胞の任意の所望の区画に位置し得る。しかし、特定の区画における局在を得るために、例えば、特定の区画における局在を保障するDNA配列を有するコード領域を結合させることが可能である。このような配列は当業者に公知である(例えばBraun他, EMBO J. 11 (1992), 3219-3227;Wolter他, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988), 846-850; Sonnewald他, Plant J. 1
(1991), 95-106を参照のこと)。
【0096】
トランスジェニック植物細胞を完全な植物を得るために公知の技術により再生させることができる。原則として、トランスジェニック植物は、任意の所望の植物種の植物、すなわち、単子葉植物およびまた双子葉植物であることができる。
【0097】
これは、相同(=天然)遺伝子もしくは遺伝子配列の過剰発現、抑制もしくは阻害による、または非相同(=異種)遺伝子もしくは遺伝子配列の発現による、変更された特性を示すトランスジェニック植物を得ることを可能にする。
【0098】
好ましくは、式(I)の化合物は、スルホニルウレア、グルホシナート−アンモニウムまたはグリホサート−イソプロピルアンモニウムおよび類似の活性物質の群からの除草剤に抵抗性であるトランスジェニック作物において、または変更された表現型、例えばこれらに限定されないが、含有量の改変(content modification)、変更された開花期、雄性または雌性不稔植物、トランスジェニック作物における内因性または外因性遺伝子の発現または抑制による環境抵抗性植物に関する特徴、を示す類似物において、用いられ得る。
【0099】
植物成長調節のための本発明による使用はまた、式(I)の化合物が、植物にそれを施用後にのみ、前駆体(「プロドラッグ」)から、植物または土において生成される場合も含む。
【0100】
式(I)の化合物は、水和剤、乳剤、スプレー液剤、粉剤または粒剤として、従来の製剤において使用することができる。したがって、本発明はまた、式(I)の化合物を含有する植物成長調節組成物に関する。
【0101】
本発明のさらに別の特徴にしたがって、1またはそれ以上の適合する農業上許容される希釈剤または担体および/または界面活性剤 [すなわち、除草組成物における使用に適当で、かつ本発明の化合物と適合する当該分野で一般的に許容されるタイプの希釈剤または担体および/または界面活性剤]と組み合わせた、および好ましくはその中に均一に分散させた、上記で定義される有効量の式(I)の化合物またはその農業上許容される塩を含有する植物成長調節組成物を提供する。用語「均一に分散」は、式(I)の化合物が他の成分中に溶解された組成物を含むために使用される。用語「成長調節組成物」は広い意味で用いられ、除草剤としてすぐに使用できる状態にある組成物だけでなく、使用の前に希釈しなければならない濃縮物(タンク混合物を含む)も含む。
【0102】
式(I)の化合物は、一般的な、生物学的および/または物理化学的パラメータにより、種々の方法で処方され得る。適当である可能な処方物の例は:水和剤(WP)、水溶剤(SP)、水溶性濃縮物、乳剤(EC)、エマルジョン製剤(EW)、例えば水中油および油中水エマルジョン製剤、スプレー液剤、懸濁製剤(SC)、油または水基剤の分散剤、油と混和性の液剤、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣製品、ブロードキャスティングおよび土壌施用のための粒剤、微粒剤の形態の粒剤(GR)、スプレー粒剤、コーティングされた粒剤および吸着粒剤、顆粒水和剤(WG)、顆粒水和剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤およびワックス剤である。
【0103】
これらの個々の製剤タイプは基本的に公知であり、例えば以下に記載される:Winnacker-Kuechler, 「Chemische Technologie」 [Chemical Technology], 第7巻, C. Hauser Verlag, Munich, 第4版 1986; Wade van Valkenburg, 「Pesticide Formulations」, Marcel Dekker、N.Y., 1973; K. Martens, 「Spray Drying Handbook」, 第3版. 1979, G. Goodwin Ltd. London。
【0104】
必要な製剤助剤、例えば不活性物質、界面活性剤、溶媒および他の添加剤もまた公知であり、そして例えば以下に記載される:Watkins, 「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」, 第2版, Darland Books, Caldwell N.J.; H.v. Olphen, 「Introduction to Clay Colloid Chemistry」, 第2版, J. Wiley & Sons、N.Y.; C. Marsden, 「Solvents Guide」, 第2版, Interscience、N.Y. 1963; McCutcheon's 「Detergents and Emulsifiers Annual」, MC Publ. Corp.、Ridgewood N.J.; Sisley and Wood, 「Encyclopedia of Surface Active Agents」, Chem. Publ. Co. Inc.、N.Y. 1964; Schonfeldt, 「Grenzflachenaktive Aethylenoxidaddukte」 [Surface-active ethylene oxide adducts], Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart 1976; Winnacker-Kuechler, 「Chemische Technologie」 [Chemical Technology], 第7版, C. Hauser Verlag, Munich, 第4版. 1986。
【0105】
これらの製剤に基づいて、農薬活性物質、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤との、および薬害軽減剤、肥料および/または成長調節剤との組み合わせを、例えばレディーミックスまたはタンクミックスの形態で製造することも可能である。
【0106】
水和剤は、水中に均一に分散し、そして式(I)の化合物の他に、希釈剤または不活性物質に加え、イオン性および/または非イオン性界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えばポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪アルコール、ポリオキシエチル化脂肪族アミン、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、アルカンスルホナートまたはアルキルベンゼンスルホナート、ナトリウムリグノスルホナート、ナトリウム2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホナート、ナトリウムジブチルナフタレンスルホナートまたはその他にナトリウムオレオイルメチルタウリネートもまた含む、製剤である。水和剤を製造するために、式(I)の化合物は、例えば、従来の装置、例えばハンマー・ミル、ブロア・ミルおよびエア−ジェット・ミルにおいて細かく粉砕され、そして同時にまたはその後に、製剤助剤と混合される。
【0107】
乳剤を、例えば、1またはそれ以上のイオン性および/または非イオン性界面活性剤(乳化剤)を添加して、有機溶媒、例えばブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、または高沸点芳香族化合物もしくは炭化水素またはこれらの混合物中に、式(I)の化合物を溶解することにより製造する。使用し得る乳化剤は、例えばアルキルアリールスルホン酸のカルシウム塩、例えばカルシウムドデシルベンゼンスルホナートまたは非イオン性乳化剤、例えば脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、ソルビタンエステル、例えばソルビタン脂肪酸エステルまたはポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである。
【0108】
粉剤は、活性物質を、微粉化した固形物質、例えばタルクもしくは天然のクレー、例えばカオリン、ベントナイトもしくは葉蝋石、または珪藻土と粉砕することにより得られる。
【0109】
懸濁製剤は水性または油性でもよい。懸濁製剤は、例えば、市販のビーズミルによる湿式粉砕により、適当な場合、例えば他の製剤タイプの場合ですでに上述したような界面活性剤を添加して製造することができる。
【0110】
エマルジョン製剤、例えば水中エマルジョン製剤(EW)は、例えば撹拌器、コロイドミルおよび/またはスタティック・ミックスチャーにより、水性有機溶媒および、適切な場合、他の製剤タイプの場合ですでに上述したような界面活性剤を用いて、製造することができる。
【0111】
粒剤は、吸着性粒状不活性物質上に式(I)の化合物をスプレーすることにより、またはバインダー、例えばポリビニルアルコール、ナトリウムポリアクリレートまたは代わりに鉱油を用いて、担体、例えばサンド、カオリナイトの表面もしくは粒状不活性物質の表面上に活性物質濃縮物を塗布することにより、製造することができる。適当な活性物質はまた、肥料顆粒の製造のための従来の方法において、所望の場合、肥料との混合物として粒状化され得る。
【0112】
顆粒水和剤は、一般的に、慣例の方法、例えばスプレー−乾燥、流動床造粒、ディスク造粒、高速ミキサーにおける混合および固形不活性物質なしの押出し成形により製造される。ディスク顆粒、流動床顆粒、押出顆粒およびスプレー顆粒を製造するために、例えば、「Spray-Drying Handbook」 第3版. 1979, G. Goodwin Ltd., London; J.E. Browning, 「Agglomeration」、Chemical and Engineering 1967, 第147頁以下参照; 「Perry's Chemical Engineer's Handbook」, 第5版, McGraw-Hill、New York 1973, p. 857における方法を参照のこと。
【0113】
作物保護製品の製剤に関するさらなる詳細について、例えばG.C. Klingman, 「Weed Control as a Science」, John Wiley and Sons, Inc.、New York, 1961, 第8196頁およびJ.D. Freyer、S.A. Evans, 「Weed Control Handbook」, 第5版, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1968, 第101103頁を参照のこと。
【0114】
一般的に、農芸化学製剤は、0.1〜99質量%、特に0.1〜95質量%の式(I)の化合物を含む。
【0115】
水和粉剤中の式(I)の化合物の濃度は、例えばおよそ10〜90質量%であり、100質量%までの残りは、慣例の製剤成分からなる。乳剤の場合、式(I)の化合物の濃度は、およそ1〜90、好ましくは5〜80質量%に達し得る。粉剤の形態における製剤は、通常、1〜30質量%の式(I)の化合物、好ましくはほとんどの場合、5〜20質量%の式(I)の化合物からなるが、スプレー液剤はおよそ0.05〜80、好ましくは2〜50質量%の式(I)の化合物からなる。顆粒水和剤の場合、式(I)の化合物の含有量は、式(I)の化合物が液体形態であるかまたは固形形態であるか、および顆粒助剤、充填剤等のいずれが使用されるかによって部分的に決まる。この顆粒水和剤は、例えば、1〜95質量%の活性物質、好ましくは10〜80質量%からなる。
【0116】
さらに、上記式(I)の化合物の製剤は、適当な場合、接着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、防腐剤、不凍化剤、溶媒、充填剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発阻害剤、pH調節剤および粘性調節剤を含み、これらは各場合において、従来通りである。
【0117】
植物成長調節組成物についての適当な製剤が公知である。本発明の方法に使用され得る適当な製剤の記載は、国際特許公開WO 87/3781、WO 93/6089、およびWO 94/21606において、ならびに欧州特許出願EP 295117、およびUS特許第5,232,940号に見出すことができる。植物成長調節使用のための製剤または組成物は、施用がされるべき植物または土壌に対してより適当にするために、必要に応じて成分を適合させ、同様の方法で製造し得る。
【0118】
式(I)の化合物またはそれらの塩は、それ自体または他の農薬活性物質、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、殺菌剤、薬害軽減剤、肥料および/またはさらに別の成長調節剤との組み合わせとして、例えばプレミックスとしてまたはタンクミックスとして、それらの製剤(処方剤)の形態において使用し得る。
【0119】
驚くべきことに、式(I)の化合物およびその中でも特に、化合物1.1; 1.27; 1.53; 1.54; 1.55; 1.56; 1.57; 1.58; 1.59; 1.60; 1.61; 1.62; 1.81; 1.82; 1.83; 1.84; 1.85; 1.86; 1.87; 1.88; 1.89; 1.90; 1.91; 1.92; 1.93; 1.94; 1.105; 1.106; 1.107; 1.108; 1.109; 1.110; 1.111; 1.112; 1.113; 1.114; 1.115; 1.116; 1.117; 1.118; 1.119; 1.120; 1.133; 1.144; 2.1; 2.2; 2.3; 2.4; 2.5; 2.6; 2.7; 2.8; 2.9; 2.10; 2.11; 2.12; 2.13; 2.14; 2.15; および2.16は、植物成長特性に関して顕著な役割を示し、これは種々の作物における施用に起因して異なり得ることが見出された。例えば、化合物1.53; 1.58は、トウモロコシおよび小麦において、異なる濃度で、植物成長調節剤として使用されることにより、優れた効果を示す。化合物1.105; 1.106; 1.108は、種々の濃度で小麦に対して少なくとも優れた効果を示すのに対し、化合物1.60; 1.79は、トウモロコシに関して優れた効果を示す。
【0120】
本発明の実施によって、以下(順位付けされない列挙)を含む広範な種々の植物成長応答が誘導され得る:
a) より発達した根系
b) 分げつの増加
c) 植物の高さの増加
d) 葉身の増大
e) 枯れた根出葉の減少
f) 分げつの強化
g) より緑色の葉
h) 必要な肥料の減少
i) 必要な種子の減少
j) より生産的分げつ
k) 非生産的な第3分げつの減少
l) より早い開花
m) 早い子実の成熟
n) プラントバース(plant verse)(倒伏)の減少
o) より長い穂
p) 芽の成長の増加
q) 草勢の改善
r) 早い発芽
s) 果実の増加およびより良い収量。
【0121】
本明細書で使用される場合、用語「植物成長調節のための方法」または「植物成長調節」は、最終結果が、任意の農薬作用(但し、本発明が農薬、例えば除草剤と共に、またはその存在下で実施される場合を除く)とは区別されるような、植物、種子、果実もしくは野菜の成長を増加させるか、またはそれらの任意の特性の役に立つ限り、上記19のカテゴリーの反応のいずれか、または植物、種子、果実もしくは野菜の任意の他の改変(果実または植物が収穫されるかされないかにかかわらず)の達成を意味する。本明細書中に使用される用語「果実」は、植物により生産される経済価値のあるものを意味すると理解される。
好ましくは、少なくとも10%増加した、1またはそれ以上のそれぞれの植物成長応答が得られる。
【0122】
式(I)の2,4−ジアミノ−5−置換−チアゾール誘導体は、植物成長調節の目的のために、植物の葉におよび/または当該植物が成長する土壌に施用することができる。しばしば、土壌への施用は、活性成分約0.001kg/ha〜約0.5kg/ha、好ましくは0.01〜0.1kg/haの割合を与える十分量で通常施用される、顆粒の形態における。
【0123】
本発明の好ましい実施形態は、植物に成長する種子に、その播種前に、非植物毒性の、植物成長調節に有効な量の式(I)で表される化合物を施用することからなる、植物成長調節の方法である。種子を、特に、それ自体公知でありそしてその後に乾燥させる液体またはペースト製剤において、コーティングまたは包埋または含浸または浸漬またはディッピングにより処理し得る。式(I)の化合物100kgあたり2〜1000グラム、好ましくは100kgあたり5〜800g、最も好ましくは100kgあたり5〜250gからなる種子が、この目的にのために特に適当である。
【0124】
使用される2,4−ジアミノ−5−置換−チアゾール誘導体化合物の正確な量は、とりわけ、処理される特定の植物種に依存する。適当な用量は、慣例の実験により、当業者によって決定され得る。植物応答は、使用される化合物の総量、ならびに処理される特定の植物種に依存する。もちろん、2,4−ジアミノ−5−置換−チアゾール誘導体の量は、処理される植物に関して非植物毒性であるべきである。
【0125】
本発明の方法に使用される化合物の施用の好ましい方法は、植物の葉および茎に直接であるが、この化合物は、植物が成長する土壌に施用してもよい。
【0126】
材料および方法の改変は当業者に明らかであるから、以下の実施例は、本発明に従う植物成長調節の方法の例示であるが、本発明を限定するものと理解すべきでない。植物成長調節効果の全ての測定は、プロトプラストスクリーニングアッセイを使用することにより、および/または根の成長アッセイを使用することにより、および/または圃場試験における天然の成長条件下で、事前選択された化合物を前に規定されたアッセイ系に施用することにより、決定した。全ての場合において、未処理の、プロトプラスト、植物もしくは植物部分、または種子をコントロールとして用いた。
【0127】
B. 生物学的実施例
実施例1. 植物プロトプラスト系
本発明は、細胞成長を調節する化合物の迅速なスクリーニングのためのいわゆるハイスループットアッセイを特徴とする。一般的にこのアッセイは、a) 液体培地中で成長する植物プロトプラスト、b) 化合物のライブラリー、およびc) 細胞成長および分化に有意に影響する化合物を同定するためのプロトプラストのスクリーニングを含む。
【0128】
プロトプラスト調製:
好ましくは、プロトプラストをトウモロコシカルスに由来する細胞懸濁液から調製した。プロトプラストを懸濁液中の細胞集合の酵素消化により得た。細胞を室温で、セルラーゼ−ペクトリアーゼ・ミックス中、3〜6時間消化した。プロトプラストを穏やかな振盪により解離し、45μmメッシュに通して濾過し、そして遠心分離により回収した。消化後、プロトプラストを数回洗浄して細胞の破片および酵素残留物を除去し、次いで培養培地中に再懸濁した。このプロトプラストを1mlあたり100.000〜2,000.000個のプロトプラストの範囲の密度で、好ましくは800.000個のプロトプラスト/mlの濃度で、マイクロタイターウェル中、50〜100μlアリコートでプレートした。
【0129】
スクリーニングアッセイ:
細胞成長を調節する化合物を同定するために、トウモロコシプロトプラストを、96−ウェルマイクロタイタープレート中で、化合物のライブラリーと共にインキュベートした。25℃で、1〜14日間、好ましくは7〜10日間インキュベート後、タンパク質含量をクマシー色素ベースの比色アッセイにより測定した。試験に関与する化合物で処理された細胞の成長は、未処理のプロトプラストとの比較により検出した。
式(I)に由来する化合物の一部の処理は、未処理のコントロールに対して50%を超える増加を示す。
【0130】
実施例2. 根の成長アッセイ
植物の根は、簡単に利用でき、安価かつ短期間でできる植物成長調節剤のスクリーニング方法を可能にする高増殖性組織である。得られた結果は、上記系により同定される植物成長調節剤の植物に対する全般的な効果に容易に変換することができる。この根のアッセイを用いることにより、根の成長および/または発芽および/または発芽した植物の生育地における変化に対する種子処理の効果を決定し、収量のエンハンサーとしての可能な使用を同定することができる。
【0131】
8×13個の穴の構造を含むプラスチックトレイにおいて、1穴あたり2個の小麦種子(Triticum aestivum, 品種「TRISO」)または1個のトウモロコシ種子(Zea mays, 品種「LORENZO」)を、砂で覆って配合土に置いた。これらの種子を100μl/穴で処理し、これはロボット利用の施用システム(Lizzy Spray Robotics)を用いて、各化合物100、10および1g a.i./haに相当する活性成分の割合で、化合物溶液およそ1200L/haの施用容量を作成した。
【0132】
各化合物および濃度の列の6つの複製を行った。上記定義されたプラスチックトレイの外縁は、偽陰性効果を回避するために未処理とし、そして中央の列(No. 7)を未処理のコントロールとして使用した。処理された種子はおよそ4時間乾燥させ、後に砂で覆い、そして給水した。このトレイを14時間の明期と、昼間24℃ (±2)および夜間16℃ (±2)の温度で、および相対湿度(rH)60%の人工気象室において保管し、そして毎日給水した。評価を、処理後16(±2)日に、発芽した植物をカウントし、そして薬害症状および割合を算定することにより行った。さらに、根を洗浄し、そして芽を種子上で直接切断し、そして湿った根を乾燥したペーパータオルにおよそ30分間置き、そして後に重量測定した。この手順は根に対する類似の水分度を提供し、その結果重さの比較を可能とする。
【0133】
表3はトウモロコシに関する植物成長調節に有効であることが主張される化合物(Cpd)のいくつかの結果を示す。2列目に与えられる根の成長に関して観察される効果(「100」の根の成長が標準として示される)は、各々100、10、1g a.i./haに相当する濃度に関する。
【表17】

【0134】
表4は小麦に関する植物成長調節に有効であることが主張される化合物(Cpd)のいくつかの結果を示す。2列目に与えられる根の成長に関して観察される効果(「100」の根の成長が標準として示される)は、各々100、10、1g a.i./haに等しい濃度に関する。
【表18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物成長調節のための式(I)
【化1】

の化合物またはその農業上許容される塩の使用。
式中、
Eは(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C3−C6)アルキニル、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルキル]カルボニルオキシ−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル、フルフリル、テトラヒドロフルフリルまたはイソオキサゾリル[イソオキサゾリル基は非置換であるかまたは1または2個の(C1−C6)アルキル基で置換される]であるか;または式(A):
【化2】

の基であり、
ここでX、Y、ZおよびVは各々独立して、CまたはNであり、但し、X、Y、ZおよびVの少なくとも2つはCであり;
(A)の結合手は環炭素原子に結合され;
(R1)uは同一または異なってもよいu個のR1置換基であり、各R1は環炭素原子に結合され、そしてH、R2、(C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルコキシ、[(C3−C8)シクロアルキル]カルボニル、(C3−C8)シクロアルキルオキシ、(C3−C8)シクロアルキル−S(O)m、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニル[ここで最後に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1またはそれ以上のR2基により置換される];
またはアリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、アリール−(C1−C6)アルコキシ、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルコキシ、アリール−カルボニル、ヘテロシクリル−カルボニル、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、アリール−S(O)nまたはヘテロシクリル−S(O)p[ここで最後に挙げた12個の基のアリールまたはヘテロシクリル部分は、非置換であるかまたはR2、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルからなる群より選択される1〜3個の基により置換され、ここで最後に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1または2個のR2基により置換される]であるか;
または(A)は1,3−ジオキソラニルまたは1,4−ジオキサニル環[ここで最後に挙げた2つの環の各々は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシおよびOHからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換される]に縮合し;
各R2は、他のR2基とは独立してヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、OCONR3R4、OCH2CONR3R4、(C1−C6)アルコキシ、(C1−C6)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、NHCO2R3、S(O)qR5、SO2NH2またはR6であり;
R3は水素、(C1−C6)−アルキルまたはCH2R6であり;
R4は水素または(C1−C6)−アルキルであるか;またはR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄および窒素から選択されるさらに1または2個のヘテロ原子を場合により含む3〜8員の環式環を形成し;
R5は(C1−C6)アルキルまたは(C1−C6)ハロアルキルであり;
WはOまたはN−OR7であり;
R6は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)ハロアルキルおよび(C1−C6)アルコキシからなる群より選択される1またはそれ以上の基により置換されたフェニルであり;
R7は水素、(C1−C6)アルキルまたはアリール−(C1−C6)アルキルであり;
Qは(C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル[ここで最後に挙げた2つの基は非置換であるかまたはシクロアルキルにおいて(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシおよびハロゲンにより置換される]、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルまたは(C2−C6)アルキニル[ここで最後に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1または2個のR2基により置換される];または
アリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキルまたはヘテロシクリル−(C1−C6)アルキルであり、ここで最後に挙げた4つの基のアリールまたはヘテロシクリル部分は非置換であるかまたは以下:
i) R2、(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニルおよび(C2−C6)アルキニルからなる群より選択される1〜3個の基(ここで最後に挙げた3つの基の各々は非置換であるかまたは1または2個のR2基により置換される);または
ii) (C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルコキシ、[(C3−C8)シクロアルキル]カルボニル、(C3−C8)シクロアルキルオキシ、(C3−C8)シクロアルキル−S(O)r、アリール、ヘテロシクリル、アリール−(C1−C6)アルキル、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルキル、アリール−(C1−C6)アルコキシ、ヘテロシクリル−(C1−C6)アルコキシ、アリール−カルボニル、ヘテロシクリル−カルボニル、アリールオキシ、(C3−C8)−ヘテロシクリルオキシ、アリール−S(O)sまたはヘテロシクリル−S(O)t[ここで最後に挙げた12個の基は非置換であるかまたは(C1−C6)アルキル、(C2−C6)アルケニル、(C2−C6)アルキニルおよびR2からなる群より選択される1または2個の基により置換される]
により置換され;
m、n、p、q、r、sおよびtは各々独立して、0、1または2であり;
uは式(A)中の環炭素原子−1の数であり;
そして上記基における各ヘテロシクリルは独立して、3〜7個の環原子およびN、OおよびSからなる群より選択される環中の1、2または3個のヘテロ原子を有する複素環式基である。
【請求項2】
式(I)の(A)は、式(A1)、(A2)、(A3)、(A4)または(A5):
【化3】

であり、そして式中、R1およびuは請求項1で定義されたとおりである、
請求項1記載の化合物の使用。
【請求項3】
Eは(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ−(C1−C6)アルキル、[(C1−C6)アルコキシ]カルボニル−(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シクロアルキル−(C1−C6)アルキルまたは基(A):
【化4】

であり、
X、Y、ZおよびVは各々Cであり;
各R1は、同一または異なってよく、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、NR3R4、CONR3R4、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、CO2R3、COR3、NHCOR3、S(O)qR5、SO2NH2、(C1−C3)アルキルまたは(C1−C3)ハロアルキルであり、ここでR3およびR4は各々独立して、水素または(C1−C3)−アルキルであり、そしてR5は(C1−C3)アルキルもしくは(C1−C3)ハロアルキル;
またはフェニルもしくはピリジルであり、ここで最後に挙げた2つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C6)アルキルおよび(C1−C3)ハロアルキルからなる群より選択される1〜3個の基により置換され;そして
uは5である、
請求項1記載の化合物の使用。
【請求項4】
Eは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキル、[(C1−C3)アルコキシ]カルボニル−(C1−C3)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキルまたは式(A):
【化5】

の基であり、
X、YおよびZは全てCであり;VはCまたはNであり;R1はHまたはハロゲンであり、そして
uは4または5である、
請求項1記載の化合物の使用。
【請求項5】
Eは(C1−C3)アルキル、(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキル、[(C1−C3)アルコキシ]カルボニル−(C1−C3)アルキル、(C3−C6)シクロアルキル−(C1−C3)アルキルまたは基(A):
【化6】

であり、
X、Y、ZおよびVは全てCであり;
WはOであり;
R1はHまたはハロゲンであり;
Qはシクロプロピル、(C1−C3)アルキル、フェニル、ナフチル、ピリジニル、テトラヒドロピリジニル、チエニルまたはベンゾ[b]チエニルであり、ここで最後に挙げた6つの基は非置換であるかまたはハロゲン、(C1−C3)アルキル、OH、NO2、(C1−C3)アルコキシ、(C1−C3)ハロアルコキシ、フェニルおよびベンジルオキシからなる群より選択される1〜3個の基により置換され;そして
uは5である、
請求項1記載の化合物の使用。
【請求項6】
1またはそれ以上の、請求項1〜5のいずれか1項記載の式(I)の化合物またはその農業上許容される塩、植物保護製剤に有用な担体および/または界面活性剤を含有する、植物成長調節のための組成物。
【請求項7】
殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、殺虫剤、殺線虫剤または請求項1記載の式(I)により定義される化合物と同一でない植物成長調節物質からなる群より選択されるさらに別の活性化合物を含有する、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
植物が単子葉植物または双子葉植物の作物である、植物成長調節のための、請求項6または7に記載の組成物の使用。
【請求項9】
植物が小麦、大麦、ライ麦、ライ小麦、イネ、トウモロコシ、テンサイ、綿または大豆からなる群より選択される、請求項8記載の使用。
【請求項10】
有効量の、請求項1〜5に定義される式(I)の化合物を、作用が所望される部位に施用することからなる、農作物における成長調節の方法であって、植物、植物に成長する前の種子、または植物が成長する場所に、非植物毒性の、植物成長調節に有効な量の1またはそれ以上の式(I)の化合物を施用することを含む上記方法。
【請求項11】
適用される植物に対して少なくとも10%の収量の増加を生じさせる、請求項10記載の方法。

【公表番号】特表2007−516989(P2007−516989A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545992(P2006−545992)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014262
【国際公開番号】WO2005/063022
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(500137954)バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー (31)
【Fターム(参考)】