植物栽培装置
【課題】植物に照射する光強度を調節することが可能な植物栽培装置を提供する。
【解決手段】植物栽培装置１は、植物が植えられた栽培槽２を載せる載置棚４を有する栽培ラック３と、載置棚４の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置５とを備えている。栽培ラック３は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数の垂直枠7a、7Bを備えている。栽培ラック３の隣り合う垂直枠7a、7B間に複数の載置棚４を上下方向に間隔をおいて設け、隣り合う垂直枠7a、7Bの相対向する部分にＬＥＤ照明装置５の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置５を支持する支持部６を設ける。支持部６は、垂直枠7a、7Bの前後方向の全幅にわたり、かつ垂直枠7A,7Bに上下方向に間隔をおいて固定されてＬＥＤ照明装置５の左右両側縁部を受ける複数の受けレール32からなる。
【解決手段】植物栽培装置１は、植物が植えられた栽培槽２を載せる載置棚４を有する栽培ラック３と、載置棚４の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置５とを備えている。栽培ラック３は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数の垂直枠7a、7Bを備えている。栽培ラック３の隣り合う垂直枠7a、7B間に複数の載置棚４を上下方向に間隔をおいて設け、隣り合う垂直枠7a、7Bの相対向する部分にＬＥＤ照明装置５の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置５を支持する支持部６を設ける。支持部６は、垂直枠7a、7Bの前後方向の全幅にわたり、かつ垂直枠7A,7Bに上下方向に間隔をおいて固定されてＬＥＤ照明装置５の左右両側縁部を受ける複数の受けレール32からなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ＬＥＤ照明装置を光源として使用し、かつたとえば植物工場、野菜工場、育苗装置などで用いられる植物栽培装置に関する。
【０００２】
この明細書および特許請求の範囲において、図１の上下、左右を上下、左右といい、図２の左側を前、これと反対側を後というものとする。
【０００３】
また、この明細書において、「アルミニウム」という用語には、「純アルミニウム」と表現する場合を除いて、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【背景技術】
【０００４】
ＬＥＤ照明装置を用いた植物栽培装置として、植物が植えられた栽培槽を載せる載置棚を有する栽培ラックと、載置棚の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置とを備えたものが知られている（特許文献１参照）。
【０００５】
ところで、植物栽培装置においては、植物の種類や植物の成育状況に応じて植物に照射する光強度を調節することが求められるが、特許文献１記載の植物栽培装置においては、植物に照射される光強度は常に一定であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２０００−２０７９３３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
この発明の目的は、上記問題を解決し、植物の種類や植物の成育状況に応じて植物に照射する光強度を調節することが可能な植物栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【０００９】
1)植物が植えられた栽培槽を載せる載置棚を有する栽培ラックと、載置棚の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置とを備えた植物栽培装置において、
栽培ラックに、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている植物栽培装置。
【００１０】
2)栽培ラックが、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数の垂直部を備えており、栽培ラックの隣り合う垂直部間に複数の載置棚が上下方向に間隔をおいて設けられ、隣り合う垂直部の相対向する部分に、ＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている上記1)記載の植物栽培装置。
【００１１】
3)ＬＥＤ照明装置を支持する支持部が、上下方向に間隔をおいて設けられ、かつＬＥＤ照明装置の左右両側縁部を受ける複数の受け部からなる上記2)記載の植物栽培装置。
【００１２】
4)ＬＥＤ照明装置を支持する支持部を構成する受け部が、垂直部の前後方向の全幅にわたる受けレールからなる上記3)記載の植物栽培装置。
【発明の効果】
【００１３】
上記1)〜4)の植物栽培装置によれば、栽培ラックに、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられているので、植物の種類や植物の成育状況に応じて載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更することによって、植物に照射する光強度を調節することが可能になる。
【００１４】
上記2)および3)の植物栽培装置によれば、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部を、栽培ラックに比較的簡単に設けることができる。
【００１５】
上記4)の植物栽培装置によれば、栽培棚の重量が比較的大きい場合であっても、栽培棚の左右両側縁部を受けレール上に載せる作業、および栽培棚を受けレール上から引っ張り出す作業を比較的小さな力で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】この発明の植物栽培装置を示す正面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。
【図３】図１の植物栽培装置の栽培ラックの一部を示す分解斜視図である。
【図４】図２の部分拡大図である。
【図５】図１の植物栽培装置の載置棚の一部を示す分解斜視図である。
【図６】図１の植物栽培装置のＬＥＤ照明装置を示す底面図である。
【図７】一部を省略した図６のＢ−Ｂ線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【００１８】
図１および図２はこの発明の植物栽培装置の全体構成を示し、図３〜図７はその要部の構成を示す。
【００１９】
図１および図２において、植物栽培装置(1)は、植物が植えられた栽培槽(2)を載せる複数の載置棚(4)を有する栽培ラック(3)と、各載置棚(4)の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置(5)とを備えており、栽培ラック(3)に、載置棚(4)に対するＬＥＤ照明装置(5)の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置(5)を支持する支持部(6)が設けられている。
【００２０】
栽培ラック(3)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数、ここでは４つの垂直枠(7A)(7B)（垂直部）を備えており、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)間に、複数の載置棚(4)が上下方向に間隔をおいて設けられている。
【００２１】
図２〜図５に示すように、垂直枠(7A)(7B)は、前後方向に間隔をおいて配置された３つのアルミニウム押出形材製垂直支柱(8)と、前後方向に隣り合う垂直支柱(8)の上端間、上下方向の中程よりも上側部分間、上下方向の中程部分間および下端寄りの部分間に配置され、かつ前後両端部が垂直支柱(8)に固定された前後方向にのびる複数、ここでは４つのアルミニウム押出形材製横部材(9)と、各垂直支柱(8)の下端に固定されたアルミニウム製ベースプレート(11)とを有している。
【００２２】
載置棚(4)は、垂直枠(7A)(7B)における上端の横部材(9)を除いた横部材(9)と同一高さ位置に設けられており、下端の載置棚(4)と上下方向中程の載置棚(4)との間隔は、上下方向中程の載置棚(4)と上下方向の中程よりも上側部分の載置棚(4)との間隔よりも大きくなっている。載置棚(4)は、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)における各垂直支柱(8)間に配置された前後方向に長い横断面横長方形の角筒状アルミニウム押出形材製第１棚構成部材(12)と、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)の前後の横部材(9)における前後方向の中央部間に配置された横断面横長方形の角筒状アルミニウム押出形材製第２棚構成部材(13)とよりなる。第２棚構成部材(13)の上面には、左右方向にのびる複数の滑り止め用凸条(13a)が前後方向に間隔をおいて一体に設けられている。
【００２３】
載置棚(4)が設けられている高さ位置において、左右両端の垂直枠(7A)の垂直支柱(8)の左右方向内面、および左右方向中間部の垂直枠(7B)の垂直支柱(8)の左右両面に、それぞれ垂直支柱(8)に面接触する垂直部(14a)および垂直部(14a)の上端に一体に設けられて隣り合う垂直枠(7A)(7B)側に突出した水平部(14b)よりなるＬ型金具(14)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により固定されている。そして、第１棚構成部材(12)の両端部が外側からＬ型金具(14)に嵌め被せられ、第１棚構成部材(12)の上方から第１棚構成部材(12)の上壁とＬ型金具の水平部(14b)とをリベット止めすることにより、Ｌ型金具(14)を介して第１棚構成部材(12)と垂直支柱(8)とが固定されている。また、載置棚(4)が設けられている高さ位置において、左右両端の垂直枠(7B)における横部材(9)の前後方向中間部の左右方向内面、および左右方向中間部の垂直枠(7B)における横部材(9)の前後方向中間部の左右両面に、それぞれ横部材(9)に面接触する垂直部(15a)および垂直部(15a)の上端に一体に設けられて隣り合う垂直枠(7A)(7B)側に突出した水平部(15b)よりなるＬ型金具(15)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により固定されている。そして、第２棚構成部材(13)の両端部がＬ型金具(15)の水平部(15b)に載せられるとともに、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段によりＬ型金具(15)に固定されており、Ｌ型金具(15)を介して第２棚構成部材(13)と横部材(9)とが固定されている。第１および第２棚構成部材(12)(13)は、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)を連結し、かつ栽培ラック(3)の強度を向上させる働きもする。
【００２４】
左右両端に位置する前後両第１棚構成部材(12)と、左右両端の垂直枠(7A)の前後両垂直支柱(8)とは、前側第１棚構成部材(12)の前面および後側第１棚構成部材(12)の後面と前後両垂直支柱(8)の前後方向外面に跨って配置され、かつ第１棚構成部材(12)および垂直支柱(8)にリベット止めされたアルミニウム製垂直連結板(16)により連結されている。さらに、左右方向に隣り合う前後両第１棚構成部材(12)と、左右方向に隣り合う第１棚構成部材(12)間に位置する中間部の垂直枠(7B)の前後両垂直支柱(8)とは、垂直支柱(8)を挟んで左右方向に隣り合う前後両第１棚構成部材(12)の前後方向外面に跨って配置され、かつ第１棚構成部材(12)および垂直支柱(8)にリベット止めされたアルミニウム製垂直連結板(17)により連結されている。
【００２５】
左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)の各垂直支柱(8)の上端どうしの間には左右方向にのびる角筒状のアルミニウム押出形材製連結部材(18)が配置され、連結部材の左右両端部が垂直支柱(8)に固定されている。すなわち、左右両端の垂直枠(7A)における垂直支柱(8)の左右方向内面の上端部、および中間の垂直枠(7B)における垂直支柱(8)の左右両面の上端部に、それぞれ前後両端の第１棚構成部材(12)を垂直支柱(8)に固定するＬ型金具(14)と同様なＬ型金具(14)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により固定されており、連結部材(18)の両端部がＬ型金具(14)の外側から嵌め被せられ、連結部材(18)の上方から連結部材(18)の上壁とＬ型金具(14)の水平部(14b)とをリベット止めすることにより、Ｌ型金具(14)を介して連結部材(18)と垂直支柱(8)とが固定されている。
【００２６】
図６および図７に示すように、ＬＥＤ照明装置(5)は、アルミニウム製取付枠(21)と、取付枠(21)の下面に前後方向に間隔をおいて着脱自在に取り付けられかつ左右方向にのびる複数の直管型ＬＥＤランプ(22)とよりなる。取付枠(21)は、左右枠部材(23)(24)および左枠部材(23)の右側に間隔をおいて配置された前後方向にのびる取付部材(25)を備えており、直管型ＬＥＤランプ(22)は、左端部が取付部材(24)に固定された取付金具(26)に着脱自在に取り付けられ、右端部が右枠部材(24)に固定された取付金具(26)に着脱自在に取り付けられている。なお、左枠部材(23)と取付部材(25)とに跨るように、補強部材が配置されていてもよい。直管型ＬＥＤランプ(22)の左端部に設けられた通電用ピン(22a)が、給電用配線(27)に取り付けられたコネクタ(28)に接続されている。すべてのコネクタ(28)の給電用配線(27)は、取付枠(21)の左枠部材(23)に形成された１つの貫通穴(29)を通して上方に延ばされ、図示しない電源に接続されている。そして、取付枠(21)の左枠部材(23)と取付部材(25)との間に形成された間隙(31)が、直管型ＬＥＤランプ(22)の着脱や配線作業をする際に用いられる。
【００２７】
上記ＬＥＤ照明装置(5)において、取付枠(21)に対する直管型ＬＥＤランプ(22)の取付位置や取付数は適宜変更可能である。また、上記ＬＥＤ照明装置(5)には直管型ＬＥＤランプ(22)が用いられているが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。たとえば、基板およびＬＥＤチップを有するＬＥＤユニットや、他の形式のＬＥＤランプなどのＬＥＤを利用した種々のＬＥＤ灯具を使用することも可能であり、取付枠(21)にねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により取り付けられる。さらに、取付枠(21)の構成は、用いられるＬＥＤを利用したＬＥＤ灯具の種類に合わせて適宜変更される。
【００２８】
栽培ラック(3)に設けられ、かつ載置棚(4)に対するＬＥＤ照明装置(5)の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置(5)を支持する支持部(6)は、各載置棚(4)よりも上方において、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)の相対向する部分に設けられている。支持部(6)は、上下方向に間隔をおいて垂直枠(7A)(7B)の垂直支柱(8)に固定され、かつ垂直枠(7A)(7B)の前端から後端に至るとともにＬＥＤ照明装置(5)の左右両側縁部を受ける複数の受けレール(32)（受け部）からなる。受けレール(32)は、垂直枠(7A)(7B)の垂直支柱(8)に面接触する垂直部(32a)および垂直部(32a)の下端に一体に形成されて隣り合う垂直枠(7A)(7B)側に突出した水平部(32b)とよりなる横断面Ｌ字形のアルミニウム押出形材からなり、垂直部(32a)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により垂直支柱(8)に固定されている。
【００２９】
栽培槽(2)は、各載置棚(4)の前後両側部分に左右方向に並んで複数載せられている。すなわち、前側の栽培槽(2)は、各載置棚(4)の前側および前後方向中央部の第１棚構成部材(12)と前側の第２棚構成部材(13)に載せられ、後側の栽培槽(2)は、各載置棚(4)の後側および前後方向中央部の第１棚構成部材(12)と後側の第２棚構成部材(13)に載せられている。
【００３０】
ＬＥＤ照明装置(5)の取付枠(21)の左右両枠部材(23)(24)は、栽培槽(2)に植えられた植物の種類や植物の成育状況に応じて、各載置棚(4)の上方に設けられた支持部(6)のいずれかの高さ位置の受けレール(32)の水平部(32b)に載せられる。そして、載置棚(4)に載せられた栽培槽(2)の植物に対するＬＥＤ照明装置(5)の高さ位置を変更されることによって、植物の種類や植物の成育状況に応じて、植物に照射する光強度を調節することが可能になる。
【００３１】
また、上記において、取付枠(21)への直管型ＬＥＤランプ(22)の取付位置や取付数を変更することによっても、植物の種類や植物の成育状況に応じて、植物に照射する光強度を調節することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【００３２】
この発明による植物栽培装置は、ＬＥＤ照明装置を人工光源とする植物工場、野菜工場、育苗装置などにおいて好適に用いられる
【符号の説明】
【００３３】
(1)：植物栽培装置
(2)：栽培槽
(3)：栽培ラック
(4)：載置棚
(5)：ＬＥＤ照明装置
(6)：支持部
(7A)(7B)：垂直枠（垂直部）
(32)：受けレール（受け部）
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ＬＥＤ照明装置を光源として使用し、かつたとえば植物工場、野菜工場、育苗装置などで用いられる植物栽培装置に関する。
【０００２】
この明細書および特許請求の範囲において、図１の上下、左右を上下、左右といい、図２の左側を前、これと反対側を後というものとする。
【０００３】
また、この明細書において、「アルミニウム」という用語には、「純アルミニウム」と表現する場合を除いて、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【背景技術】
【０００４】
ＬＥＤ照明装置を用いた植物栽培装置として、植物が植えられた栽培槽を載せる載置棚を有する栽培ラックと、載置棚の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置とを備えたものが知られている（特許文献１参照）。
【０００５】
ところで、植物栽培装置においては、植物の種類や植物の成育状況に応じて植物に照射する光強度を調節することが求められるが、特許文献１記載の植物栽培装置においては、植物に照射される光強度は常に一定であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２０００−２０７９３３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
この発明の目的は、上記問題を解決し、植物の種類や植物の成育状況に応じて植物に照射する光強度を調節することが可能な植物栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【０００９】
1)植物が植えられた栽培槽を載せる載置棚を有する栽培ラックと、載置棚の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置とを備えた植物栽培装置において、
栽培ラックに、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている植物栽培装置。
【００１０】
2)栽培ラックが、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数の垂直部を備えており、栽培ラックの隣り合う垂直部間に複数の載置棚が上下方向に間隔をおいて設けられ、隣り合う垂直部の相対向する部分に、ＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている上記1)記載の植物栽培装置。
【００１１】
3)ＬＥＤ照明装置を支持する支持部が、上下方向に間隔をおいて設けられ、かつＬＥＤ照明装置の左右両側縁部を受ける複数の受け部からなる上記2)記載の植物栽培装置。
【００１２】
4)ＬＥＤ照明装置を支持する支持部を構成する受け部が、垂直部の前後方向の全幅にわたる受けレールからなる上記3)記載の植物栽培装置。
【発明の効果】
【００１３】
上記1)〜4)の植物栽培装置によれば、栽培ラックに、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられているので、植物の種類や植物の成育状況に応じて載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更することによって、植物に照射する光強度を調節することが可能になる。
【００１４】
上記2)および3)の植物栽培装置によれば、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部を、栽培ラックに比較的簡単に設けることができる。
【００１５】
上記4)の植物栽培装置によれば、栽培棚の重量が比較的大きい場合であっても、栽培棚の左右両側縁部を受けレール上に載せる作業、および栽培棚を受けレール上から引っ張り出す作業を比較的小さな力で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１６】
【図１】この発明の植物栽培装置を示す正面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線拡大断面図である。
【図３】図１の植物栽培装置の栽培ラックの一部を示す分解斜視図である。
【図４】図２の部分拡大図である。
【図５】図１の植物栽培装置の載置棚の一部を示す分解斜視図である。
【図６】図１の植物栽培装置のＬＥＤ照明装置を示す底面図である。
【図７】一部を省略した図６のＢ−Ｂ線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１７】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【００１８】
図１および図２はこの発明の植物栽培装置の全体構成を示し、図３〜図７はその要部の構成を示す。
【００１９】
図１および図２において、植物栽培装置(1)は、植物が植えられた栽培槽(2)を載せる複数の載置棚(4)を有する栽培ラック(3)と、各載置棚(4)の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置(5)とを備えており、栽培ラック(3)に、載置棚(4)に対するＬＥＤ照明装置(5)の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置(5)を支持する支持部(6)が設けられている。
【００２０】
栽培ラック(3)は、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数、ここでは４つの垂直枠(7A)(7B)（垂直部）を備えており、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)間に、複数の載置棚(4)が上下方向に間隔をおいて設けられている。
【００２１】
図２〜図５に示すように、垂直枠(7A)(7B)は、前後方向に間隔をおいて配置された３つのアルミニウム押出形材製垂直支柱(8)と、前後方向に隣り合う垂直支柱(8)の上端間、上下方向の中程よりも上側部分間、上下方向の中程部分間および下端寄りの部分間に配置され、かつ前後両端部が垂直支柱(8)に固定された前後方向にのびる複数、ここでは４つのアルミニウム押出形材製横部材(9)と、各垂直支柱(8)の下端に固定されたアルミニウム製ベースプレート(11)とを有している。
【００２２】
載置棚(4)は、垂直枠(7A)(7B)における上端の横部材(9)を除いた横部材(9)と同一高さ位置に設けられており、下端の載置棚(4)と上下方向中程の載置棚(4)との間隔は、上下方向中程の載置棚(4)と上下方向の中程よりも上側部分の載置棚(4)との間隔よりも大きくなっている。載置棚(4)は、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)における各垂直支柱(8)間に配置された前後方向に長い横断面横長方形の角筒状アルミニウム押出形材製第１棚構成部材(12)と、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)の前後の横部材(9)における前後方向の中央部間に配置された横断面横長方形の角筒状アルミニウム押出形材製第２棚構成部材(13)とよりなる。第２棚構成部材(13)の上面には、左右方向にのびる複数の滑り止め用凸条(13a)が前後方向に間隔をおいて一体に設けられている。
【００２３】
載置棚(4)が設けられている高さ位置において、左右両端の垂直枠(7A)の垂直支柱(8)の左右方向内面、および左右方向中間部の垂直枠(7B)の垂直支柱(8)の左右両面に、それぞれ垂直支柱(8)に面接触する垂直部(14a)および垂直部(14a)の上端に一体に設けられて隣り合う垂直枠(7A)(7B)側に突出した水平部(14b)よりなるＬ型金具(14)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により固定されている。そして、第１棚構成部材(12)の両端部が外側からＬ型金具(14)に嵌め被せられ、第１棚構成部材(12)の上方から第１棚構成部材(12)の上壁とＬ型金具の水平部(14b)とをリベット止めすることにより、Ｌ型金具(14)を介して第１棚構成部材(12)と垂直支柱(8)とが固定されている。また、載置棚(4)が設けられている高さ位置において、左右両端の垂直枠(7B)における横部材(9)の前後方向中間部の左右方向内面、および左右方向中間部の垂直枠(7B)における横部材(9)の前後方向中間部の左右両面に、それぞれ横部材(9)に面接触する垂直部(15a)および垂直部(15a)の上端に一体に設けられて隣り合う垂直枠(7A)(7B)側に突出した水平部(15b)よりなるＬ型金具(15)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により固定されている。そして、第２棚構成部材(13)の両端部がＬ型金具(15)の水平部(15b)に載せられるとともに、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段によりＬ型金具(15)に固定されており、Ｌ型金具(15)を介して第２棚構成部材(13)と横部材(9)とが固定されている。第１および第２棚構成部材(12)(13)は、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)を連結し、かつ栽培ラック(3)の強度を向上させる働きもする。
【００２４】
左右両端に位置する前後両第１棚構成部材(12)と、左右両端の垂直枠(7A)の前後両垂直支柱(8)とは、前側第１棚構成部材(12)の前面および後側第１棚構成部材(12)の後面と前後両垂直支柱(8)の前後方向外面に跨って配置され、かつ第１棚構成部材(12)および垂直支柱(8)にリベット止めされたアルミニウム製垂直連結板(16)により連結されている。さらに、左右方向に隣り合う前後両第１棚構成部材(12)と、左右方向に隣り合う第１棚構成部材(12)間に位置する中間部の垂直枠(7B)の前後両垂直支柱(8)とは、垂直支柱(8)を挟んで左右方向に隣り合う前後両第１棚構成部材(12)の前後方向外面に跨って配置され、かつ第１棚構成部材(12)および垂直支柱(8)にリベット止めされたアルミニウム製垂直連結板(17)により連結されている。
【００２５】
左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)の各垂直支柱(8)の上端どうしの間には左右方向にのびる角筒状のアルミニウム押出形材製連結部材(18)が配置され、連結部材の左右両端部が垂直支柱(8)に固定されている。すなわち、左右両端の垂直枠(7A)における垂直支柱(8)の左右方向内面の上端部、および中間の垂直枠(7B)における垂直支柱(8)の左右両面の上端部に、それぞれ前後両端の第１棚構成部材(12)を垂直支柱(8)に固定するＬ型金具(14)と同様なＬ型金具(14)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により固定されており、連結部材(18)の両端部がＬ型金具(14)の外側から嵌め被せられ、連結部材(18)の上方から連結部材(18)の上壁とＬ型金具(14)の水平部(14b)とをリベット止めすることにより、Ｌ型金具(14)を介して連結部材(18)と垂直支柱(8)とが固定されている。
【００２６】
図６および図７に示すように、ＬＥＤ照明装置(5)は、アルミニウム製取付枠(21)と、取付枠(21)の下面に前後方向に間隔をおいて着脱自在に取り付けられかつ左右方向にのびる複数の直管型ＬＥＤランプ(22)とよりなる。取付枠(21)は、左右枠部材(23)(24)および左枠部材(23)の右側に間隔をおいて配置された前後方向にのびる取付部材(25)を備えており、直管型ＬＥＤランプ(22)は、左端部が取付部材(24)に固定された取付金具(26)に着脱自在に取り付けられ、右端部が右枠部材(24)に固定された取付金具(26)に着脱自在に取り付けられている。なお、左枠部材(23)と取付部材(25)とに跨るように、補強部材が配置されていてもよい。直管型ＬＥＤランプ(22)の左端部に設けられた通電用ピン(22a)が、給電用配線(27)に取り付けられたコネクタ(28)に接続されている。すべてのコネクタ(28)の給電用配線(27)は、取付枠(21)の左枠部材(23)に形成された１つの貫通穴(29)を通して上方に延ばされ、図示しない電源に接続されている。そして、取付枠(21)の左枠部材(23)と取付部材(25)との間に形成された間隙(31)が、直管型ＬＥＤランプ(22)の着脱や配線作業をする際に用いられる。
【００２７】
上記ＬＥＤ照明装置(5)において、取付枠(21)に対する直管型ＬＥＤランプ(22)の取付位置や取付数は適宜変更可能である。また、上記ＬＥＤ照明装置(5)には直管型ＬＥＤランプ(22)が用いられているが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。たとえば、基板およびＬＥＤチップを有するＬＥＤユニットや、他の形式のＬＥＤランプなどのＬＥＤを利用した種々のＬＥＤ灯具を使用することも可能であり、取付枠(21)にねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により取り付けられる。さらに、取付枠(21)の構成は、用いられるＬＥＤを利用したＬＥＤ灯具の種類に合わせて適宜変更される。
【００２８】
栽培ラック(3)に設けられ、かつ載置棚(4)に対するＬＥＤ照明装置(5)の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置(5)を支持する支持部(6)は、各載置棚(4)よりも上方において、左右方向に隣り合う垂直枠(7A)(7B)の相対向する部分に設けられている。支持部(6)は、上下方向に間隔をおいて垂直枠(7A)(7B)の垂直支柱(8)に固定され、かつ垂直枠(7A)(7B)の前端から後端に至るとともにＬＥＤ照明装置(5)の左右両側縁部を受ける複数の受けレール(32)（受け部）からなる。受けレール(32)は、垂直枠(7A)(7B)の垂直支柱(8)に面接触する垂直部(32a)および垂直部(32a)の下端に一体に形成されて隣り合う垂直枠(7A)(7B)側に突出した水平部(32b)とよりなる横断面Ｌ字形のアルミニウム押出形材からなり、垂直部(32a)が、ねじ止め、リベット止め、溶接などの適当な手段により垂直支柱(8)に固定されている。
【００２９】
栽培槽(2)は、各載置棚(4)の前後両側部分に左右方向に並んで複数載せられている。すなわち、前側の栽培槽(2)は、各載置棚(4)の前側および前後方向中央部の第１棚構成部材(12)と前側の第２棚構成部材(13)に載せられ、後側の栽培槽(2)は、各載置棚(4)の後側および前後方向中央部の第１棚構成部材(12)と後側の第２棚構成部材(13)に載せられている。
【００３０】
ＬＥＤ照明装置(5)の取付枠(21)の左右両枠部材(23)(24)は、栽培槽(2)に植えられた植物の種類や植物の成育状況に応じて、各載置棚(4)の上方に設けられた支持部(6)のいずれかの高さ位置の受けレール(32)の水平部(32b)に載せられる。そして、載置棚(4)に載せられた栽培槽(2)の植物に対するＬＥＤ照明装置(5)の高さ位置を変更されることによって、植物の種類や植物の成育状況に応じて、植物に照射する光強度を調節することが可能になる。
【００３１】
また、上記において、取付枠(21)への直管型ＬＥＤランプ(22)の取付位置や取付数を変更することによっても、植物の種類や植物の成育状況に応じて、植物に照射する光強度を調節することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【００３２】
この発明による植物栽培装置は、ＬＥＤ照明装置を人工光源とする植物工場、野菜工場、育苗装置などにおいて好適に用いられる
【符号の説明】
【００３３】
(1)：植物栽培装置
(2)：栽培槽
(3)：栽培ラック
(4)：載置棚
(5)：ＬＥＤ照明装置
(6)：支持部
(7A)(7B)：垂直枠（垂直部）
(32)：受けレール（受け部）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
植物が植えられた栽培槽を載せる載置棚を有する栽培ラックと、載置棚の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置とを備えた植物栽培装置において、
栽培ラックに、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている植物栽培装置。
【請求項２】
栽培ラックが、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数の垂直部を備えており、栽培ラックの隣り合う垂直部間に複数の載置棚が上下方向に間隔をおいて設けられ、隣り合う垂直部の相対向する部分に、ＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている請求項１記載の植物栽培装置。
【請求項３】
ＬＥＤ照明装置を支持する支持部が、上下方向に間隔をおいて設けられ、かつＬＥＤ照明装置の左右両側縁部を受ける複数の受け部からなる請求項２記載の植物栽培装置。
【請求項４】
ＬＥＤ照明装置を支持する支持部を構成する受け部が、垂直部の前後方向の全幅にわたる受けレールからなる請求項３記載の植物栽培装置。
【請求項１】
植物が植えられた栽培槽を載せる載置棚を有する栽培ラックと、載置棚の上方に間隔をおいて配置されたＬＥＤ照明装置とを備えた植物栽培装置において、
栽培ラックに、載置棚に対するＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている植物栽培装置。
【請求項２】
栽培ラックが、左右方向に間隔をおいて配置されかつ前後方向に所定の奥行きを有する複数の垂直部を備えており、栽培ラックの隣り合う垂直部間に複数の載置棚が上下方向に間隔をおいて設けられ、隣り合う垂直部の相対向する部分に、ＬＥＤ照明装置の高さ位置を変更しうるようにＬＥＤ照明装置を支持する支持部が設けられている請求項１記載の植物栽培装置。
【請求項３】
ＬＥＤ照明装置を支持する支持部が、上下方向に間隔をおいて設けられ、かつＬＥＤ照明装置の左右両側縁部を受ける複数の受け部からなる請求項２記載の植物栽培装置。
【請求項４】
ＬＥＤ照明装置を支持する支持部を構成する受け部が、垂直部の前後方向の全幅にわたる受けレールからなる請求項３記載の植物栽培装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１３−１７３９７（Ｐ２０１３−１７３９７Ａ）
【公開日】平成２５年１月３１日（２０１３．１．３１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１５０８４９（Ｐ２０１１−１５０８４９）
【出願日】平成２３年７月７日（２０１１．７．７）
【出願人】（５０５０１４０５２）昭和電工アルミ販売株式会社 (9)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月３１日（２０１３．１．３１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月７日（２０１１．７．７）
【出願人】（５０５０１４０５２）昭和電工アルミ販売株式会社 (9)
【Ｆターム（参考）】
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