説明

植物生長調節剤添加剤

本発明は、追加の農業化学的に許容される添加剤と組み合わせた、限定されないが、特にアントラニル酸の使用による、植物生長調節剤の効能を改善するための方法及び組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合によってそれらを互いに組み合わせた、及び場合によって農業化学的に許容される添加剤と組み合わせた、限定されないが、特にアントラニル酸又はアセトアミノフェンの使用による、植物生長調節剤の効能を改善するための方法及び組成物に関する。本発明は、場合によって追加の農業化学的に許容される添加剤と組み合わせた、限定されないが、特にアントラニル酸及び/又はアセトアミノフェンの使用による、植物生長調節剤の効能を改善するための方法及び組成物にも関する。
【0002】
発明の背景
植物生長及び発育の制御における植物生長調節剤の重要性は十分に立証されている。上記化合物は、収量を高めるために、品質を改善するために、又は収穫を促進するために有益な方法で植物の生命過程又は構造を改変するために有用である。
【0003】
農業におけるそれらの重要性を考慮すると、植物生長調節剤の使用によって得られる利益を増加する方法及び組成物を提供するニーズが存在することは理解されよう。
【0004】
発明の概要
本発明は、アントラニル酸又はその誘導体の新規な使用に関する。
【0005】
アントラニル酸は、染料、顔料及びサッカリンの製造用の中間体として使用される。アントラニル酸及びそのエステルは、ジャスミン及びオレンジを模倣した香料、医薬品(フロセミドなどのループ利尿薬)及び紫外線吸収剤、並びに金属の腐食防止剤及び醤油のかび防止剤の調製においても使用される。植物生長調節剤パッケージの一部としてのその有用性は驚くべきものである。
【0006】
本発明は、アセトアミノフェン又はその誘導体の使用にも関する。アセトアミノフェンは、市販鎮痛剤及び解熱剤として広く使用されている。植物生長調節剤パッケージの一部としてのその効能は驚くべきものであることは理解されよう。
【0007】
発明の説明
本発明は、植物生長調節剤(「PGR」とも称される)の効果を改善するための農業化学的に許容される添加剤と組み合わせた、ANの類似体及び有効なその塩、エステル及びアミドを包含する、有効量の化合物のアントラニル酸(「AN」とも称される)又は有効なその塩、エステル、又はアミドによる植物の処理を対象としている。
【0008】
本発明の一態様によれば、アントラニル酸又はその誘導体及びa)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む農業化学的に許容される添加剤を含む、植物生長調節剤の効能を改善する使用のための組成物が提供される。言い換えると、本発明は、1種又は2種以上のアントラニル酸又はその誘導体、及びa)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む農業化学的に許容される添加剤を含む、又はそれらから本質的になる、又はそれらからなるPGRの効果を改善するための組成物である。
【0009】
本発明者らは、アントラニル酸又はその誘導体及び上記に定義された農業化学的に許容される添加剤の使用は、(追加の)植物生長調節剤の効果の増強に関する相乗効果を生じ得ることを見出した。
【0010】
類似体によって、本発明者らは、例えばANについて、類似の構造、即ち、同じ活性部分、及び類似の化学特性を有し、PGR活性の改善を生じ得る化合物を包含する。
【0011】
一態様において、AN又はその類似体の誘導体は、この酸の塩、エステル、若しくはアミド、又は前述のもののいずれかのコンジュゲートである。
【0012】
一態様において、本発明において使用される誘導化合物はコンジュゲートの形態にある、例えば、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている。
【0013】
一態様において、ANの類似体は、図1に示された構造を有する化合物である。
【0014】
参照を容易にするために、本発明者らは、上述されたAN、その類似体及び誘導体の全てを、「AN関連化合物」と呼ぶ。
【0015】
一態様において、農業化学的に許容される添加剤は、c)ビタミン若しくは補酵素、若しくはその前駆体;d)プリン若しくはピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド若しくはその代謝前駆体、又はf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0016】
本発明の1つのさらなる態様によれば、場合によるが好ましくは上記に定義された農業化学的に許容される添加剤を有する、植物生長調節剤の効能を改善する使用のための、アセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体と一緒に本発明によるアントラニル酸又はその誘導体を含む組成物が提供される。
【0017】
本発明者らは、本発明によるアントラニル酸又はその誘導体の、アセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体との組合せは、(追加の)植物生長調節剤の効果の増強に関する相乗効果を生じ得ることを見出した。
【0018】
本発明者らは、本発明によるアントラニル酸又はその誘導体の、アセトアミノフェン又はその類似体又は誘導体と、上記に定義された農業化学的に許容される添加剤との組合せは、(追加の)植物生長調節剤の効果の増強に関する相乗効果を生じ得ることを見出した。
【0019】
一態様において、アセトアミノフェン誘導体は、図3に示された化合物の1つである。
【0020】
好ましくは、本発明は、アセトアミノフェンを使用する。
【0021】
好ましい一態様において、本発明の組成物は、植物生長調節剤をさらに含む。植物生長調節剤は、組成物の他の構成成分と異なるべきであることは理解されよう。
【0022】
好ましい一態様において、植物生長調節剤は、自然発生の植物ホルモン以外である。
【0023】
好ましい一態様において、植物生長調節剤は、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体以外である。
【0024】
植物生長調節剤が、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体から選択される場合、植物生長調節剤は、本発明によるアントラニル酸又はその誘導体ではない。
【0025】
オーキシンを含んでよい態様において、それは、インドールオーキシン又はフェノールオーキシンであってよい。
【0026】
一態様において、オーキシン誘導体は、オーキシンの酸、コンジュゲート、塩、エステル、若しくはアミド、又はアルキル化若しくはハロゲン化オーキシンである。
【0027】
一態様において、オーキシンは、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている。
【0028】
一態様において、オーキシン前駆体は、コリスメート、ホスホリボシルアントラニレート、1−(O−カルボキシフェニルアミノ)−1−デオキシリブロース−5−ホスフェート、インドール−3−グリセロール−ホスフェート、インドール、インドール−3−酢酸、トリプトファン、トリプタミン、N−ヒドロキシトリプタミン、インドール−3−アセトアルドキシム、1−アシ−ニトロ−2−インドリルエタン、インドールグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル(IAN)、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−乳酸、インドール−3−ピルビン酸、又はインドール−3−エタノールである。
【0029】
オーキシンは、海草及び藻類から得られるもののように天然、又は合成オーキシンであってよい。
【0030】
一態様において、天然オーキシンは、インドール−3−酢酸(IAA)、4−クロロ−インドール−3−酢酸(4−Cl−IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−アセチル−1−O−β−D−グルコース(IAAglc)である。
【0031】
一態様において、天然オーキシンのコンジュゲートは、IAA−イノシトール、IAA−イノシトール−アラビノース、IAP1、IAA−ペプチド、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン、IAA−アスパルテート、IAA−グルコース、IAA−1−O−グルコース、IAA−ミオ−イノシトール、IAA−4−O−グルコース、IAA−6−O−グルコース、IAA−イノシトール−ガラクトース、IAAアミドコンジュゲート、又はIAA−アミノ酸コンジュゲートである。
【0032】
別の態様において、合成オーキシンは、1−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ)、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−クロロ−2メチルフェノキシ酢酸(MCPA)又はN,N−ジメチルエチルチオカルバメートである。
【0033】
別の態様において、代謝産物は、インドール−3−乳酸又はインドール−3−エタノールである。
【0034】
別の態様において、植物生長調節剤は、アブシジン酸又はその誘導体、サイトカイニン、エチレン又はジベレリンである。
【0035】
有用であり得る植物生長調節剤の限定されない例には、p−クロロフェノキシ酢酸(4−CPA)、2−CPA、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸ナトリウム塩、インドール−3−酢酸遊離酸(IAA)、インドール−3−酢酸ナトリウム塩、インドール−3−酢酸メチルエステル、インドール−3−アセチル−L−アスパラギン酸、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−酪酸カリウム塩(K−IBA)、アルファ−ナフタレン酢酸遊離酸(NAA)、ベータ−ナフトキシ酢酸遊離酸(NOA)、フェニル酢酸(PAA)、ピクロラム、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,5−トリヨード安息香酸遊離酸(TIBA)、アデニン遊離塩基、アデニンヘミ硫酸塩、6−ベンジルアミノプリン(BA)、6−ベンジルアミノプリン塩酸塩、N−ベンジル−9−(2−テトラヒドロピラニル)アデニン(BPA)、N−(2−クロロ−4−ピリジル)N’−フェニル尿素(4−CPPU)、6−(ガンマ,ガンマ−ジメチルアリルアミノ)プリン(2iP)、1,3−ジフェニル尿素(DPU)、カイネチン、カイネチン塩酸塩、1−フェニル−3−(1,2,3−チアジアゾール−5−イル)尿素、トランス−ゼアチン遊離塩基、ゼアチン、トランス−ゼアチン塩酸塩、トランス−ゼアチンリボシド、(±)−シス,トランス−アブシジン酸(ABA)、アンシミドール、クロロコリンクロリド(CCC)、クロルメコートクロリド+コリンクロリド(5Cクロルメコート)、3,6−ジクロロ−o−アニス酸(ジカンバ)、ジベレリン酸(GA)、ジベレリン酸カリウム塩(K−GA)、ジベレリンA遊離酸(GA)、(±)−ジャスモン酸、フロログルシノール、N−(ホスホノメチル)グリシン(グリホセート)、コハク酸2,2−ジメチルヒドラジド、トリネキサパック−エチル及びメトコナゾールが包含される。
【0036】
好ましくは、植物生長調節剤は、自然発生の植物ホルモン以外である。
【0037】
一態様において、植物生長調節剤は、抗オーキシン、例えば、クロフィブリン酸及び2,3,5−トリ−ヨード安息香酸;4−CPA、2,4−D、2,4−DB、2,4−DEP、ジクロルプロップ、フェノプロップ、IAA、IBA、ナフタレンアセトアミド、α−ナフタレン酢酸、1−ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム、2,4,5−Tなどのオーキシン;2iP、ベンジルアデニン、キネチン、ゼアチンなどのサイトカイニン;カルシウムシアナミド、ジメチピン、エンドタール、エテホン、メルホス、メトキスロン、ペンタクロロフェノール、チジアズロン、トリブホスなどの落葉剤;アビグリシン、1−メチルシクロプロペンなどのエチレン阻害剤;ACC、エタセラシル、エテホン、グリオキシムなどのエチレン放出剤;ジベレリン、ジベレリン酸などのジベレリン;アブシジン酸、アンシミドール、ブトラリン、カルバリル、クロルホニウム、クロルプロファム、ジケグラック、フルメトラリン、フルオリダミド、ホサミン、グリホシン、イソピリモル、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコート、メピコート、ピプロクタニル、プロヒドロジャスモン、プロファム、2,3,5−トリ−ヨード安息香酸などの生長抑制剤;クロルフルレン、クロルフルレノール、ジクロルフルレノール、フルレノールなどのモルファクチン;クロルメコート、ダミノジド、フルルプリミドール、メフルイジド、パクロブトラゾール、テトシクラシス、ユニコナゾールなどの矮化剤;ブラシノリド、ホルクロルフェヌロン、ヒメキサゾールなどの生長促進剤;及びベンゾフルオル、ブミナホス、カルボン、シオブチド、クロフェンセット、クロキシホナック、シアナミド、シクラニリド、シクロヘキシミド、シプロスルファミド、エポコレオン、エチクロゼート、エチレン、フェンリダゾン、ヘプトパルギル、ホロスルフ、イナベンフィド、カレタザン、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ、プロヘキサジオン、ピダノン、シントフェン、トリアペンテノール、トリネキサパックなどの未分類植物生長調節剤から選択される。
【0038】
一態様において、本発明の化合物又は組成物は、アジュバントと共に施用される。
【0039】
本発明のさらに別の態様によれば、本発明の組成物を植物生長調節剤に適用するステップを含む、植物生長調節剤の効能を改善する方法が提供される。
【0040】
本発明の1つのさらなる態様によれば、本発明の組成物を植物又はその周囲に施用するステップを含む、植物生長を調節する方法が提供される。
【0041】
本発明者らは、植物生長調節剤の効果を改善するために、有効量のオーキシン関連化合物を、アセトアミノフェン若しくはその類似体若しくは誘導体及び/又は植物生長調節剤の同時又は逐次的施用と組み合わせて植物に施用する方法を記載する。
【0042】
本発明は、さらに、植物生長調節剤の効果を改善するために、有効量のオーキシン関連化合物を、本発明の農業化学的に許容される添加剤及び/又は植物生長調節剤の同時又は逐次的施用と組み合わせて植物に施用する方法に関する。
【0043】
したがって、本発明者らは、本発明の組成物の構成成分の少なくともいくつかが、別々の容器に入っていることがある部品のキットを記載する。
【0044】
PGRの効果の改善における使用のためのアントラニル酸又はその類似体若しくは誘導体も記載される。
【0045】
植物生長調節剤の効能を改善するための使用のための、本発明によるアントラニル酸又はその誘導体を、アセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体と一緒に含む組成物がさらに記載される。
【0046】
植物生長調節剤の効能を改善するための使用のための、アセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体がさらに記載される。
利点
【0047】
本発明者らは、本発明の組成物は、広範囲の生長調節剤に添加された場合、植物生長操作を著しく改善することを見出した。提示されたデータは、作物の例として、大豆、白インゲンマメ、小麦及び大麦に施用した場合の、生長調節剤の異なるクラスの例としてクロルメコートクロリド、トリネキサパック−エチル及びトリアゾールについての結果を示している。いかなる理論によっても拘束されることを望まないが、本発明の化合物及び組成物は、例えば、頂芽優勢(例えば、大きな芽/枝の増加した数)をさらに抑制すること、発根を増加すること、植物バイオマスを増すこと及び最終収量を改善することによって植物生長調節剤の作物調整効果を改善すると考えられている。例えば、小麦及び大麦において、生長調節剤に添加された場合に、これらの化合物の劇的に増加した発根(例えば、g単位の根の重量)は、収穫における根の倒伏の著しい減少をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1(1)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(2)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(3)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(4)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(5)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(6)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図2】自然発生のオーキシン及びコンジュゲートの例の構造を示した図である。
【図3(1)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(2)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(3)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(4)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(5)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(6)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(7)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図4】コリスメートからIAA及びトリプトファンを導く反応の概要を示した図である。
【図5】いくつかの合成オーキシンの構造を示した図である。発明の詳細な説明
【0049】
ここで、本発明の様々な好ましい特徴及び態様を、限定されない例を用いて記載する。
【0050】
本発明は、PGRの活性を改善するための方法及び化合物又は組成物を提供する。本発明の方法は、有効量の化合物又は組成物を植物に施用するステップを包含する。
【0051】
「有効量」によって、本発明者らは、所望のPGR改善効果を達成するために十分な本発明の化合物又は組成物の量を包含する。改善効果は、PGRの施用によって誘発されるあるクラスの植物応答を意味する。誘発された応答は、例えば、果実、根、塊茎、葉、種子などの、例えば、所望の植物器官の総重量によって測定された増加した総収量などの植物の望ましい特徴の増強によって特徴付けられる。
【0052】
本発明は、アントラニル酸(AN):
【化1】


の使用に関する。
【0053】
ANは、アントラニレートとしても知られており、CAS番号118−92−3を有する。
【0054】
本発明者らは、上記にANの有用な誘導体を記載した。好ましくは、このような誘導体は水溶性である。代表的な塩には、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩などの無機塩並びにトリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン及びエタノールアミン塩などの有機アミン塩が包含される。
【0055】
本発明は、いくつかの態様においてアセトアミノフェンの使用を含んでよい。
【0056】
アセトアミノフェンは、IUPAC名称、N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドを有し、パラセタモールと一般的に称される。それはCAS番号103−90−2を有する。
【0057】
その化学式は
【化2】


である。
【0058】
上に記載の通り、アセトアミノフェンの誘導体も本発明において有用である。
【0059】
本発明の態様は、同じ又は異なるクラスの2種又は3種以上のこのような添加剤が使用され得るが、以下のクラス(a)から(f)の1種又は2種以上に属するとして定義された添加剤の使用も含んでよい:
(a)通常、10から10,000g/ha(ヘクタール当たりのグラム)で施用される、D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリトロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを含有する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを含有する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物。いかなる理論によっても拘束されることを望まないが、上記構成成分は、
(1)アデノシン三リン酸(ATP)生成におけるような高エネルギー結合の生成の供給源、
(2)還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)及び還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)の形成のため及び
(3)アミノ酸及びヌクレオチドの前駆体として;
(b)通常、炭水化物源と同様の施用量で施用され炭水化物源と類似した機能のために使用される、Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酢酸及びフマル酸を包含する);
(c)酵素作用に依存する代謝プロセスを刺激するために、通常、0.01から500g/haで施用される、ビタミン又は補酵素、例えば、チアミン、リボフラビン、ピリドジン(pyridozine)、ピリドキサミン、ピリドキサール、ニコチンアミド、葉酸、又はニコチン酸を包含するそれらの前駆体;
(d)通常、核酸合成のための構造前駆体として作用するために1から500g/haで施用される、プリン又はピリミジンヌクレオシド、そのヌクレオチド又は代謝前駆体、例えば、アデニン、アデノシン、チミン、チミジン、シトシン、グアニン、グアノシン、ヒポキサンチン、ウラシル、ウリジン又はイノシン;
(e)生きている微生物によって脂肪酸に分解され得る、通常、10から10,000g/haで施用される、オリーブ油、大豆油、ヤシ油及びトウモロコシ油を包含する自然発生の脂肪又は油;
(f)通常、新しく形成されたタンパク質のための構造単位として作用するために、又はその分解によって脂肪酸及び炭水化物と同様に機能するために1から500g/haで施用される、植物タンパク質に自然発生するタイプのアミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン又はヒドロキシプロリン
として機能し得る。
【0060】
本発明は、PGRの効果を改善することを目標としている。PGRは、植物生長を調節する化学物質である。PGRは、種子生長、開花時期、花の性別、葉及び果実の老化に影響を与えて、植物を形づくる。それらは、どの組織が上に向けて生長し、どの組織が下に向けて生長するかに影響を与え、葉の形成及び茎の生長、果実の発育及び成熟、植物の寿命及びさらに植物の死に影響を与える。
【0061】
植物ホルモンの5つの主要なクラスが存在し、これらのいくつかは、植物毎に構造が異なり得る多くの異なる化学物質から構成されていることは一般的に認められている。化学物質は、それらの構造的類似性及び植物生理機能へのそれらの効果に基づいてこれらのクラスの1つにそれぞれ分類される。他の植物ホルモン及び生長調節剤は、これらのクラスに容易には分類されず、それらは自然に存在するか、人工的に又は他の微生物によって合成される。
【0062】
PGRの5つの主要なクラスは以下の通りである:
A.オーキシン
オーキシンは、生物検定において植物組織部分に低濃度で施用された場合、細胞の伸長生長を促進する有機物質である。オーキシンファミリーの最も研究されているメンバーは、インドール−3−酢酸(IAA)である。IAAに加えて、これまで記載されているいくつかの自然発生のオーキシン:即ち、IAA、IBA、PAA及び4−Cl−IAAがある。自然発生のオーキシンは、遊離酸として及びコンジュゲート形態で植物中に見出される。
【0063】
オーキシンは、草の子葉鞘湾曲(又は生長)試験において湾曲を生じさせる化合物として定義されている。このような検定は、1926年及び1928年にFritz Wentによって記載されている。この生物検定において、草の苗の子葉鞘の先を、検定する物質を含有する寒天プレート上に置く。オーキシン応答が存在する場合、子葉鞘が暗闇で曲がり、湾曲の角度を測定することができる。Wentの結果は、茎の湾曲は寒天中の生長物質の量に比例することを示した。この試験は、アベナ湾曲試験とも称される。オーキシン活性を決定するために使用し得る他の機能試験は、茎挿しで発根を生じさせる能力及び組織又は細胞培養において細胞分裂を促進する能力を包含する。
【0064】
オーキシンの概要、それらの合成及び代謝は、例えば、Normanly、Slovin及びCohen「Plant Hormones,Biosynthesis,Signal Transduction and Action!」、Peter J.Davies編、[2004年]章「B1.オーキシン生合成及び代謝(B1.Auxin Biosynthesis and Metabolism)」36〜62頁に見出すことができる。
【0065】
インドールオーキシンに加えて、様々なフェノールオーキシンがオーキシン活性を有する。
【0066】
本発明で使用し得る自然発生のオーキシンのいくつかの例及び低分子量コンジュゲートのいくつかの例が図2に示されている。
【0067】
本発明は、コンジュゲートも使用することができる。植物は、貯蔵目的及び/又は植物中で利用可能な遊離オーキシンの量を調節するためにコンジュゲートを使用すると考えられる。IAAは、主としてアミノ酸アスパルテートにコンジュゲートされる。
【0068】
IAA−Inos、IAA−Inos−アラビノース及び他のアミノ酸とのコンジュゲートなどの関連の低分子量コンジュゲート、並びにIAAタンパクIAP1、IAA−ペプチド、IAA糖タンパク質及びIAA−グルカンなどの高分子量コンジュゲートも植物から単離されている。
【0069】
IAA及びその前駆体は、インドール−3−乳酸、インドール−3−エタノール及びIBAへの代謝変換を受ける。いくつかの参考文献は、それを合成オーキシンと称するが、IBAは植物中に自然発生することが見出されている。いくらかの解説者は、それ自体オーキシンと称するが、他はIAAの前駆体と称する。
【0070】
コンジュゲート形態の1つの一般的なクラスは、炭素−酸素−炭素架橋を介して連結されたものから構成される。1−O−IAA−Glucなどのいくつかの1−O糖コンジュゲートは、アシルアルキルアセタール結合で実際に連結されているが、これらの化合物は、一般的に「エステル連結された」と称されている。一般的なエステル連結された部分には、6−O−IAGluc、IAA−Inos、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン及び単純なメチル及びエチルエステルが包含される。植物に存在する他のタイプのコンジュゲートは、IAA−アミノ酸及びタンパク質及びペプチドコンジュゲート(図2参照)におけるように、炭素−窒素−炭素アミド結合(「アミド連結された」と称される)を介して連結されている。
【0071】
植物組織内のIAA生成をもたらす生化学経路には、(A)トリプトファン[Trp依存性(Trp−D)IAA合成と称される]からの、又はTrpのインドール前駆体[これらの経路はTrpを回避するので、Trp非依存性(Trp−I)IAA合成と称される]からのデノボ合成;(B)アミド結合IAAコンジュゲート及びエステル連結IAAコンジュゲートの両方の加水分解;(C)植物のある部位から別の部位への移動;並びに(D)IBAのIAAへの変換が包含される。IAA代謝回転の機構には、(E)酸化的代謝、(F)コンジュゲート合成、(G)所与の部位からの移動、及び(H)IAAのIBAへの変換が包含される。本発明は、この経路に沿ってこのような前駆体及び代謝物を使用する。本発明は、オーキシンの異化から生じるもののような不活性代謝物を使用しない。
【0072】
通常、本発明は、トリプトファン依存性経路を使用する。コリスメートからIAA及びトリプトファンを導く反応−インドール代謝の最初に明らかにされたステップ−の概要は、図4に示されている。
【0073】
本発明は、合成オーキシンの使用も包含している。合成オーキシンのいくつかの例は、図5に示されている。
【0074】
オーキシン活性を有する化合物の比較は、中性pHにおいて、それらは全て、環構造上のより弱い正電荷から約0.5nmの距離で隔てられている側鎖のカルボキシル基に強い負電荷を有することを明らかにしている。インドールは活性に必須ではないが、類似の大きさの芳香族又は縮合芳香族環であってよいことが提案されている。平面の芳香族環結合プラットフォーム、カルボン酸結合部位及び2つの結合部位を隔てる疎水性移行領域であるモデルが提案されている。
【0075】
B.アブシジン酸
アブシジン酸は、オーキシン、ジベレリン、及びサイトカイニンと異なる単一化合物である。
【0076】
C.サイトカイニン
2つのタイプのサイトカイニン:即ち、キネチン、ゼアチン及び6−ベンジルアミノプリンによって代表されるアデニン型サイトカイニン、並びにジフェニル尿素又はチジアズロン(TDZ)のようなフェニル尿素型サイトカイニンが存在する。海草及び藻類から得られるものを包含する、キネチンなどの全てのタイプのサイトカイニンを、本発明において使用することができる。
【0077】
D.エチレン
エチレンは、メチオニンの分解から形成される気体であり、全ての細胞にある。エチレンは果実の成熟に影響を与えることが見出されている。
【0078】
E.ジベレリン
機能に基づいて分類されているオーキシンの分類と異なり、ジベレリンは、機能のみならず構造にも基づいて分類される。全てのジベレリンは、ent−ジベレラン骨格から誘導される。ジベレリンは、発見の順にGA...GAと名付けられている。構造的に特徴付けられた最初のジベレリンであったジベレリン酸は、GAである。現在、植物、菌類及び細菌から確認された136のGAが存在する。
【0079】
本発明を有用に適用し得るPGRの例には、p−クロロフェノキシ酢酸(4−CPA)、2−CPA、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸ナトリウム塩、インドール−3−酢酸遊離酸(IAA)、インドール−3−酢酸ナトリウム塩、インドール−3−酢酸メチルエステル、インドール−3−アセチル−L−アスパラギン酸、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−酪酸カリウム塩(K−IBA)、アルファ−ナフタレン酢酸遊離酸(NAA)、ベータ−ナフトキシ酢酸遊離酸(NOA)、フェニル酢酸(PAA)、ピクロラム、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,5−トリヨード安息香酸遊離酸(TIBA)、アデニン遊離塩基、アデニンヘミ硫酸塩、6−ベンジルアミノプリン(BA)、6−ベンジルアミノプリン塩酸塩、N−ベンジル−9−(2−テトラヒドロピラニル)アデニン(BPA)、N−(2−クロロ−4−ピリジル)N’−フェニル尿素(4−CPPU)、6−(ガンマ,ガンマ−ジメチルアリルアミノ)プリン(2iP)、1,3−ジフェニル尿素(DPU)、カイネチン、カイネチン塩酸塩、1−フェニル−3−(1,2,3−チアジアゾール−5−イル)尿素、トランス−ゼアチン遊離塩基、ゼアチン、トランス−ゼアチン塩酸塩、トランス−ゼアチンリボシド、(±)−シス,トランス−アブシジン酸(ABA)、アンシミドール、クロロコリンクロリド(CCC)、クロルメコートクロリド+コリンクロリド(5Cクロルメコート)、3,6−ジクロロ−o−アニス酸(ジカンバ)、ジベレリン酸(GA)、ジベレリン酸カリウム塩(K−GA)、ジベレリンA遊離酸(GA)、(±)−ジャスモン酸、フロログルシノール、N−(ホスホノメチル)グリシン(グリホセート)、コハク酸2,2−ジメチルヒドラジド、トリネキサパック−エチル又はメトコナゾールが包含される。
【0080】
本発明を有用に適用し得るPGRのさらなる例には、
クロフィブリン酸及び2,3,5−トリ−ヨード安息香酸などの抗オーキシン;
4−CPA、2,4−D、2,4−DB、2,4−DEP、ジクロルプロップ、フェノプロップ、IAA、IBA、ナフタレンアセトアミド、α−ナフタレン酢酸、1−ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム、2,4,5−Tなどのオーキシン(好ましくない);2iP、ベンジルアデニン、キネチン、ゼアチンなどのサイトカイニン;カルシウムシアナミド、ジメチピン、エンドタール、エテホン、メルホス、メトキスロン、ペンタクロロフェノール、チジアズロン、トリブホスなどの落葉剤;
アビグリシン、1−メチルシクロプロペンなどのエチレン阻害剤;ACC、エタセルシル、エテホン、グリオキシムなどのエチレン放出剤;
ジベレリン、ジベレリン酸などのジベレリン;
アブシジン酸、アンシミドール、ブトラリン、カルバリル、クロルホニウム、クロルプロファム、ジケグラック、フルメトラリン、フルオリダミド、ホサミン、グリホシン、イソピリモル、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコート、メピコートクロリド、ピプロクタニル、プロヒドロジャスモン、プロファム、2,3,5−トリ−ヨード安息香酸などの生長抑制剤;
クロルフルレン、クロルフルレノール、ジクロルフルレノール、フルレノールなどのモルファクチン;クロルメコート、ダミノジド、フルルプリミドール、メフルイジド、パクロブトラゾール、テトシクラシス、ユニコナゾールなどの矮化剤;ブラシノリド、ホルクロルフェヌロン、ヒメキサゾールなどの生長促進剤;及び
ベンゾフルオル、ブミナホス、カルボン、シオブチド、クロフェンセット、クロキシホナック、シアナミド、シクラニリド、シクロヘキシミド、シプロスルファミド、エポコレオン、エチクロゼート、エチレン、フェンリダゾン、ヘプトパルギル、ホロスルフ、イナベンフィド、カレタザン、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ、プロヘキサジオン、ピダノン、シントフェン、トリアペンテノール、トリネキサパックなどの未分類植物生長調節剤が包含される。
【0081】
アジュバントなどの他の成分を、希釈溶液に添加してよい。アジュバントは、展着及び効能を促進し、組成物の接着性を改善する場合があり、一般的に油、消泡剤及び界面活性剤を包含する。本発明において有用であるこのような構成成分には、それだけには限らないが、テルペン、Uniqema(Castle、DE)製のBrijファミリー(ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル);Uniqema(Castle、DE)製のTweenファミリー(ポリオキシエチレンソルビタンエステル)の界面活性剤;Union Carbide(Lisle、IL)製のSilwetファミリー(オルガノシリコーン);The Dow Chemical Company(Midland、MI)製のTritonファミリー(オクチルフェノールエトキシレート);Tomah3 Products,Inc.(Milton、WI)製のTomadolファミリー(エトキシル化直鎖アルコール);Uniqema(Castle、DE)製のMyrjファミリー(ポリオキシエチレン(POE)脂肪酸エステル);Uniqema(Castle、DE)製のSpanファミリー(ソルビタンエステル);及びCognis Corporation(Cincinnati、OH)製のTryloxファミリー(エトキシル化ソルビトール及びエトキシル化ソルビトールエステル)及びRohm & Haas(Philadelphia、PA)製の市販の界面活性剤Latron B−1956(77.0%変性フタル酸/グリセロールアルキル樹脂及び23.0%ブチルアルコール);Aquatrols(Paulsboro、NJ)製のCaspil(ポリエーテル−ポリメチルシロキサン共重合体及び非イオン性界面活性剤のブレンド);Norac Concept,Inc.(Orleans、Ontario、Canada)製のAgral 90(ノニルフェノールエトキシレート);Setre Chemical Company(Memphis、TN)製のKinetic(99.00%ポリアルキレンオキシドで改変されたポリジメチルシロキサン及び非イオン性界面活性剤の独自ブレンド);及びKALO,Inc.(Overland Park、KS)製のRegulaid(90.6% 2−ブトキシエタノール、ポロキサレン、モノプロピレングリコール)が包含される。
【0082】
最終溶液が、それらの毛で覆われた又は蝋の多い表面のために、濡らすのが難しいことがある植物に施用される場合、界面活性剤、湿潤剤、展着剤及び粘着剤などの、農業化学産業で一般的に知られている他の添加剤を包含することが特に有利であり得る。(湿潤剤の例には、シリコーン界面活性剤、アルキルエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤、リン酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤及び脂肪酸アミドアルキルベタインなどの両性又は陽イオン界面活性剤が包含される。)
【0083】
本発明の化合物は、組成物の単独の活性成分であってもよく、又はそれらを、適切な場合に、殺線虫剤、殺虫剤、共力剤、除草剤、殺菌剤、肥料又は化学的間引き剤(chemical thinner)などの1種又は2種以上の追加の活性成分と混合することもできる。
【0084】
1つの特に好ましい態様において、本発明の1種又は2種以上の化合物は、場合によって1種又は2種以上の活性剤と一緒に投与される。このような場合、本発明の化合物は、互いに又は1種若しくは2種以上の活性剤と共に、連続的に、同時に又は逐次的に投与することができる。化合物を組み合わせることの主要な利点は、それが、例えば生化学的相互作用によって付加的な又は可能な相乗効果を促進し得ることである。有益な組合せは、試験化合物の活性を研究することによって提案することができる。この手法は、薬剤の投与の順序、即ち、投与前、投与と同時又は投与後を決定するためにも使用することができる。
【0085】
植物又は植物の周囲に上記組成物を施用するために、上記組成物を、濃厚物として使用することもでき、又はより一般的には、好適な不活性希釈剤、担体物質及び/又は界面活性剤と一緒に、本発明の組成物の有効量を包含する組成物に配合する。好ましくは、上記組成物は、濃厚物から調製され得る水溶液の形態にある。有効量によって、本発明者らは、上記組成物(及び/又はその個別の構成成分)が改善された効果を提供することを意味する。
【0086】
化学物質の施用濃度は、植物に施用される水の体積並びに植物齢及びサイズなどの他の要因、及び製品に対する植物の感受性に応じて広く変わり得る。AN関連化合物の一般的な施用量は、1〜10g/haであり(好ましくは、及びこれらのトライアルで使用された際、1ヘクタール当たり1gが施用された)、アセトアミノフェン又はその誘導体の一般的な施用量は、1〜10g/haである(好ましくは、及びこれらのトライアルで使用された際、1ヘクタール当たり3gが施用された)。本発明の農業化学的に許容される添加剤の一般的な施用量は、1〜10g/haである(好ましくは、及びこれらのトライアルで使用された際、1ヘクタール当たり3g未満が施用された)。展着剤及び粘着剤などの他の構成成分の施用量は、1ha当たり50〜200mlであり得る。
【0087】
施用の用量及びタイミングは、種のタイプなどの当業者に知られている多数の要因によって決まる。必要に応じて、第二の又はさらなる施用(単数又は複数)を行うことができる。各施用の間のタイミングは、5日以上の近辺であってよい。
【0088】
本発明の組成物は、保護すべき土壌、植物、種子、又は他の区域に施用することができる。好ましくは、本発明は、植物の茎葉に施用される。上記組成物は、散布剤、水和剤、粒剤(持続放出又は急速放出)、水分散性粒剤、乳濁又は懸濁濃厚物、溶液、乳濁液、種子粉衣、又はマイクロカプセル化された粒剤又は懸濁液などの制御放出製剤、土壌潅注、潅水構成成分、又は好ましくは葉面散布の形態で施用することができる。
【0089】
散布剤は、活性成分を、1種又は2種以上の微粉砕された固体担体及び/又は希釈剤、例えば、自然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、多孔質珪藻土、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク並びに他の有機及び無機固体担体と混合することによって製剤化される。
【0090】
粒剤は、多孔質の粒状物質、例えば、軽石、アタパルジャイトクレイ、フラー土、多孔質珪藻土、珪藻土、トウモロコシ穂軸粉などに、又は砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの硬い心材に活性成分を吸収するステップによって形成される。活性成分で固体担体を含浸、結合又は被覆するのを助けるために一般的に使用される薬剤には、脂肪族及び芳香族石油系溶剤、アルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エーテル、ケトン、エステル、デキストリン、砂糖及び植物油が包含される。乳化剤、湿潤剤又は分散剤などの他の添加剤も包含され得る。
【0091】
マイクロカプセル化された製剤(マイクロカプセル懸濁液 CS)又は他の制御放出製剤を、特にある期間にわたる持続放出のために、及び種子処理のために使用することもできる。
【0092】
別法として好ましくは、上記組成物は、一般的に1種又は2種以上の既知の湿潤剤、分散剤又は乳化剤(界面活性剤)の存在下の活性成分の水性分散液又は乳濁液である、浸液、潅水添加剤又は散布液として使用される液体配合剤の形態であり得る。水性分散液又は乳濁液の形態で使用される組成物は、一般的に、高い割合の活性成分(単数又は複数)を含有する乳濁濃厚物(EC)又は懸濁濃厚物(SC)の形態で供給される。ECは、一般的に、実質的に不揮発性の有機溶媒に溶解された活性成分を含有する均一な液体組成物である。SCは、水中の固体活性成分の微細な粒径の分散液である。上記濃厚物を施用するためには、それらは、水に希釈され、一般的に、処理すべき区域に散布を用いて施用される。
【0093】
ECに適した液体溶媒には、メチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、パラフィン、ケロセン、ホワイトオイル、アルコール(例えば、ブタノール)、メチルナフタレン、トリメチルベンゼン、トリクロロエチレン、N−メチル−2−ピロリドン及びテトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)が包含される。
【0094】
これらの濃厚物は、長期間の貯蔵に耐えること、及びこのような貯蔵後に、それらが通常の散布機器によって施用されるようにするために十分な時間、均一なままでいる水性配合物を形成するための水による希釈が可能であることがしばしば求められる。上記濃厚物は、1〜85重量%の活性成分(単数又は複数)を含有し得る。水性配合物を形成するために希釈された場合、このような配合物は、それらが使用される目的に応じて様々な量の活性成分を含有し得る。
【0095】
上記組成物は、種子処理における使用のために、粉末(乾燥種子処理DS若しくは水和剤WS)又は液体(流動性濃厚剤FS、液体種子処理LS)、又はマイクロカプセル懸濁液CSとしても製剤化し得る。上記製剤は、標準の技術で、従来の種子処理装置によって種子に施用することができる。使用に際して、上記組成物は、肥料組成物の施用の既知の手段、例えば、散粉、散布、又は粒剤の混和のいずれかで、植物に、植物の部位に施用される。
【0096】
上に示されたように、本発明により製造された肥料を、通常、植物の茎葉に施用するが、土壌に施用し、又は潅漑用水に添加することもできる。
【0097】
本発明は、果実作物に関して有用である。作物は特に高木、低木、及びつる植物を含み得る。
【0098】
本発明は、以下の限定されない植物に使用することができる:
アーモンド(プルヌス・デュルキス(Prunus dulcis))、リンゴ(マルス・ドメスチカ(Malus domestica))、アンズ(プルヌス・アルメニアカ(Prunus armeniaca))、アボカド(ペルセア・アメリカナ(Persea americana))、バナナ、料理用バナナ(ムサ属種(Musa spp.))、セイヨウヤブイチゴ(ルブス属種(Rubus spp))、ブルーベリー(ワッキニウム属種(Vaccinium spp))、カカオ又はココア(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、カシュー(アナカルディウム・オッキデンタレ(Anacardium occidentale))、サクランボ(プルヌス・ケラスス(Prunus cerasus)、P.アウィウム(P.avium))、クリ(カスタネア属種(Castanea spp.))、ココナツ(ココス・ヌキフェラ(Cocos nucifera))、コーヒー(コッフェア・アラビカ(Coffea arabica)、C.カネポラ(C.canephora))、ツルコケモモ(ワッキニウム・マクロカルポン(Vaccinium macrocarpon))、スグリ(リベス属種(Ribes spp))、ナツメヤシ(ポエニクス・ダクチュリフェラ(Phoenix dactylifera))、イチジク(フィクス・カリカ(Ficus carica))、グズベリー(リベス・グロッスラリア(Ribes grossularia);R.ヒルテッルム(R.hirtellum))、グレープフルーツ(キトルス・パラディシ(Citrus paradisi))、ブドウ(ウィチス・ウィニフェラ(Vitis vinifera)、他のウィチス属種(Vitis spp))、グアバ(プシディウム・グアヤワ(Psidium guajava)及び関連の属種)、ヘーゼルナッツ又はハシバミ(コリュルス・アウェッラナ(Corylus avellana))、ジューンベリー(アメランキエル・アルニフォリア(Amelanchier alnifolia))、キーウィフルーツ(アクチニディア・デリキオサ(Actinidia deliciosa))、キンカン(フォルツネッラ属種(Fortunella spp))、レモン(キトルス・リモン(Citrus limon))、ライム(キトルス・アウランチフォリア(Citrus aurantifolia))、ビワ(エリオボトリュア・ヤポニカ(Eriobotrya japonica))、マカダミア(マカダミア・インテグリフォリア(Macadamia integrifolia))、マンゴー(マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica))、サンザシ(クラタエグス属種(Crataegus spp.))、アブラヤシ(エラエイス・グイネエンシス(Elaeis guineensis))、オリーブ(オレア・エウロパエア(Olea europaea))、オレンジ(キトルス・シネンシス(Citrus sinensis))、パパイヤ(カリカ・パパヤ(Carica papaya))、モモ(プルヌス・ペルシカ(Prunus persica))、セイヨウナシ(ピュルス・コッムニス(Pyrus communis)、P.ピュリフォリア(P.pyrifolia))、ペカン(カリュア・イッリノエンシス(Carya illinoensis))、パイナップル(アナナス・コモスス(Ananas comosus))、ピスタチオ(ピスタキア・ウェラ(Pistacia vera))、スモモ(プルヌス・ドメスチカ(Prunus domestica)、P.サリキナ(P.salicina))、ザクロ(プニカ・グラナツム(Punica granatum))、マルメロ(キュドニア・オブロンガ(Cydonia oblonga))、ラズベリー(ルブス・イダエウス(Rubus idaeus)、R.オッキデンタリス(R.occidentalis))、イチゴ(フラガリア・クサナナッサ(Fragaria Xananassa))、タンジェリン(キトルス・レチクラタ(Citrus reticulata))、クルミ(ユグランス・レギア(Juglans regia))、キク及びアザレア(アザレアストルム(Azaleastrum))などのシャクナゲ。
【0099】
本発明は、トマト、スカッシュ、カボチャ、豆、ブロッコリー、青いサヤインゲン、アスパラガス、エンドウマメ、トウモロコシ、ニンジン、ホウレンソウ、カリフラワー、ライマメ、ソラマメ、サヤインゲン、ベニバナインゲン、白インゲンマメ、インゲンマメ、レンズマメ、キャベツ、タマネギ、ズッキーニ、ナス、スウィートバジル、ニラネギ、チョウセンアザミ、レタス、キャッサバの葉、トマト、キュウリ及びガーキン、マロー、ヒョウタン、スカッシュ、チリ及びコショウ、シャロット、ドライオニオン(dry onion)、レッドオニオン、ワケギ、ニンニク、チャイブ、他のネギ属の野菜、オクラ、マッシュルーム、スイカ、カンタロープメロン、他のメロン、タケノコ、ビート、チャード、ケイパー、カルドン、セロリ、チャービル、コショウソウ、ウイキョウ、セイヨウワサビ、マヨラナ、オイスタープラント、パセリ、パースニップ、ジャガイモ、ダイコン、ダイオウ、ルタバガ、セイバリー、フタナミソウ、スイバ、もやし、スウェーデンカブ、カブ、オランダガラシ及び他の野菜などの収穫前植物及び収穫後作物にも使用することができる。
【0100】
本発明は、トウモロコシ、小麦、ライ麦、エンバク、ライコムギ、米、大麦、大豆、ラッカセイ、綿、アブラナ、サトウキビ、竹、アワ、ゴマ、ジュート、カノーラ、ココナツ、カサバ、ヒマワリ、タバコ、アメリカホドイモ、ラッカセイ、モロコシ、アブラヤシ、バラ、大麻、亜麻、ルーサン、ムラサキウマゴヤシ、茶及び多年生牧草などの収穫前植物及び収穫後作物にも使用することができる。
【0101】
本発明の化合物又は組成物の次の混合物に特に言及される:
1.アントラニル酸(AN)の添加。
2.アセトアミノフェン(AC)のアントラニル酸(AN)への添加。
3.添加剤(ADD)のANへの添加。
4.ADDのACへの添加。
5.ADDのAN+ACへの添加。
【0102】
本発明のこのような組合せは、付加的な又は相乗効果を生じ得る。
【0103】
添加剤は、上記のクラス(a)から(f)として記載されたものであってよい。
【0104】
添加剤が、クラス(a)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のグルコース、スクロース、フルクトース又はグリセロールである。
【0105】
添加剤が、クラス(b)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のクエン酸又はコハク酸である。
【0106】
添加剤が、クラス(c)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のチアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ニコチンアミド、葉酸、アスコルビン酸、ビオチン又はビタミンB12である。
【0107】
添加剤が、クラス(d)から選択される場合、それは、好ましくは、アデニン、アデノシン及びチミンである。
【0108】
添加剤が、クラス(e)から選択される場合、それは、好ましくは、トウモロコシ油である。
【0109】
添加剤が、アミノ酸から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン、アスパラギン又はリシンである。
【0110】
以下の例は、本発明をさらに明らかにするが、本発明を制限するものではない。
【0111】
POL:ポリマー添加剤
ADDの例:各<3g/lにおけるクラス(f)からの少なくとも1つの添加剤、加えてクラス(c)からの少なくとも1つの添加剤。
【0112】
植物生長調節剤に対する利点:
表1、2及び3についての統計分析:
【表1】


【表2】


【表3】

【0113】
A.大豆−トライアル1−9cmポット中のpH6.5の標準の苗床用の土に2008年5月5日に播種し、1ポット当たり1本の植物に間引いた。2〜3葉期(V2〜V3)において6月18日に散布した。植物を、7月17日に発根について評点/評価し、他の測定は作物成熟期に行った。
【表4−1】


【表4−2】

【0114】
実験結果2
B.白インゲンマメ−トライアル2−cv Primel。9cmポット中のpH6.5の標準の苗床用の土に2008年5月5日に播種し、1ポット当たり1本の植物に間引いた。2〜3葉期(V2〜V3)において6月23日に散布した。植物を、7月18日に発根について評点/評価し、他の測定は作物成熟期に行った。
【表5−1】


【表5−2】

【0115】
実験結果3
C.冬小麦−トライアル3−cv Limerick。9cmポット中のpH6.5の標準の苗床用の土に2008年5月4日に播種し、1ポット当たり8本の植物に間引いた。GS23(早期〜中期分げつ)において6月10日に散布した。植物を、GS33において7月12日に評点/評価し、他の測定は作物成熟期に行った。
【表6−1】


【表6−2】

【0116】
実験結果4
D.冬小麦トライアル4−圃場トライアル、2007年10月18日に播種。9品種の平均−Solstice、Battalion、Duxford、Marksman、Gallant、Panorama、Qplus、Cassius、Alchemy品種からの平均値。場所:Great Dunmow、Essex、UK、2008。種子施用量400個の種子/平方メートル。中期分げつ(GS23)に製剤を施用し、GS33及び成熟期に評価した。
【表7】

【0117】
実験結果5
E.冬大麦トライアル5−圃場トライアル、2007年10月14日に播種。9品種の平均−Pearl、Flagon、Cassata、Wintmalt、Saffron、Suzuka、Marcorel、Sequel、Volume品種からの平均値。場所:Great Dunmow、Essex、UK、2008。400個の種子/平方メートルの種子施用量。中期分げつ(GS23)に製剤を施用し、GS33及び成熟期に評価した。
【表8】

【0118】
以下の結果は、生長調節剤の組合せの施用からの相乗利益を示している。
【0119】
実験結果6
F.冬小麦品種−英国圃場トライアル。製剤を中期分げつに施用し、第3節期(GS33)に測定した。
【0120】
比較された処理:
A.対照
B.1ヘクタール当たり250リットルの水中の1.0リットルで施用されたクロルメコートクロリド(620g/リットル)。
C.1ヘクタール当たり250リットルの水中のアントラニル酸(1g/ha)+アセトアミノフェン(3g/ha)。
B.+C.1ヘクタール当たり250リットルの水中の上記のB.及びC.の組合せ。
【0121】
植物当たりの根の重量の平均(g)−3種の冬小麦品種:個別の反復測定値及び平均値。植物当たりの根の重量の平均(g)は、1画地当たり代表的な20本の植物試料から採取された10本の中位の植物からの平均値である。
【表9】

【0122】
実験結果7
G.冬大麦品種−英国圃場実験。製剤を中期分げつにおいて施用し、第3節期(GS33)に測定した。
【0123】
比較された処理:
A.対照
B.1ヘクタール当たり250リットルの水中の1.0リットルで施用されたクロルメコートクロリド(620g/リットル)。
C.1ヘクタール当たり250リットルの水中のアントラニル酸(1g/ha)+アセトアミノフェン(3g/ha)。
B.+C.1ヘクタール当たり250リットルの水中の上記のB.及びC.の組合せ。
【0124】
植物当たりの根の重量の平均(g)−3種の冬大麦品種:個別の反復測定値及び平均値。
【表10】

【0125】
上記の明細書に記載された全ての刊行物は、本明細書に参照により組み込まれている。記載された本発明の方法及びシステムの様々な改変及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者に明らかになろう。本発明が、特定の好ましい態様に関連して記載されたが、請求の範囲に記載されている本発明は、このような特定の態様に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者に明らかである、本発明を実施する記載された様式の様々な変更は、以下の特許請求の範囲に含まれるよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アントラニル酸又はその誘導体並びにa)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む農業化学的に許容される添加剤を含む、植物生長調節剤の効能を改善するための使用のための組成物。
【請求項2】
農業化学的に許容される添加剤が、c)ビタミン若しくは補酵素、若しくはその前駆体;d)プリン若しくはピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド若しくはその代謝前駆体、又はf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アントラニル酸誘導体が、アルキル又はハロゲン基で場合によって置換されている、前記酸のコンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
化合物が、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
アントラニル酸の誘導体が、図1に示された化合物の1つである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
アセトアミノフェン又はその誘導体をさらに含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
アセトアミノフェン誘導体が、図3に示された化合物の1つである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
化合物が、アセトアミノフェンである、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
植物生長調節剤をさらに含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
植物生長調節剤が、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体から選択され、但し、前記植物生長調節剤は、請求項1から5までのいずれか一項に記載のアントラニル酸又はその誘導体ではないことを条件とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
オーキシンが、インドールオーキシン又はフェノールオーキシンである、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
誘導体が、オーキシン、又はアルキル化若しくはハロゲン化オーキシンの酸、コンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
オーキシンが、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前駆体が、コリスメート、ホスホリボシルアントラニレート、1−(O−カルボキシフェニルアミノ)−1−デオキシリブロース−5−ホスフェート、インドール−3−グリセロール−ホスフェート、インドール、インドール−3−酢酸、トリプトファン、トリプタミン、N−ヒドロキシトリプタミン、インドール−3−アセトアルドキシム、1−アシ−ニトロ−2−インドリルエタン、インドールグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル(IAN)、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−乳酸、インドール−3−ピルビン酸、又はインドール−3−エタノールである、請求項10から13までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
オーキシンが、天然又は合成オーキシンである、請求項10から14までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
天然オーキシンが、インドール−3−酢酸(IAA)、4−クロロ−インドール−3−酢酸(4−Cl−IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−アセチル−1−O−β−D−グルコース(IAAglc)である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
天然オーキシンのコンジュゲートが、IAA−イノシトール、IAA−イノシトール−アラビノース、IAP1、IAA−ペプチド、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン、IAA−アスパルテート、IAA−グルコース、IAA−1−O−グルコース、IAA−ミオ−イノシトール、IAA−4−O−グルコース、IAA−6−O−グルコース、IAA−イノシトール−ガラクトース、IAAアミドコンジュゲート、又はIAA−アミノ酸コンジュゲートである、請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
合成オーキシンが、1−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ)、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−クロロ−2メチルフェノキシ酢酸(MCPA)又はN,N−ジメチルエチルチオカルバメートである、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
代謝産物が、インドール−3−乳酸又はインドール−3−エタノールである、請求項10から13までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
植物生長調節剤が、アブシジン酸又はその誘導体、サイトカイニン、エチレン又はジベレリンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項21】
植物生長調節剤が、p−クロロフェノキシ酢酸(4−CPA)、2−CPA、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸ナトリウム塩、インドール−3−酢酸遊離酸(IAA)、インドール−3−酢酸ナトリウム塩、インドール−3−酢酸メチルエステル、インドール−3−アセチル−L−アスパラギン酸、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−酪酸カリウム塩(K−IBA)、アルファ−ナフタレン酢酸遊離酸(NAA)、ベータ−ナフトキシ酢酸遊離酸(NOA)、フェニル酢酸(PAA)、ピクロラム、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,5−トリヨード安息香酸遊離酸(TIBA)、アデニン遊離塩基、アデニンヘミ硫酸塩、6−ベンジルアミノプリン(BA)、6−ベンジルアミノプリン塩酸塩、N−ベンジル−9−(2−テトラヒドロピラニル)アデニン(BPA)、N−(2−クロロ−4−ピリジル)N’−フェニル尿素(4−CPPU)、6−(ガンマ,ガンマ−ジメチルアリルアミノ)プリン(2iP)、1,3−ジフェニル尿素(DPU)、カイネチン、カイネチン塩酸塩、1−フェニル−3−(1,2,3−チアジアゾール−5−イル)尿素、トランス−ゼアチン遊離塩基、ゼアチン、トランス−ゼアチン塩酸塩、トランス−ゼアチンリボシド、(±)−シス,トランス−アブシジン酸(ABA)、アンシミドール、クロロコリンクロリド(CCC)、クロルメコートクロリド+コリンクロリド(5Cクロルメコート)、3,6−ジクロロ−o−アニス酸(ジカンバ)、ジベレリン酸(GA)、ジベレリン酸カリウム塩(K−GA)、ジベレリンA遊離酸(GA)、(±)−ジャスモン酸、フロログルシノール、N−(ホスホノメチル)グリシン(グリホセート)、コハク酸2,2−ジメチルヒドラジド、トリネキサパックエチル又はメトコナゾールである、請求項9に記載の組成物。
【請求項22】
植物生長調節剤が、自然発生の植物ホルモン以外である、請求項9に記載の組成物。
【請求項23】
植物生長調節剤が、抗オーキシン、例えば、クロフィブリン酸及び2,3,5−トリ−ヨード安息香酸;4−CPA、2,4−D、2,4−DB、2,4−DEP、ジクロルプロップ、フェノプロップ、IAA、IBA、ナフタレンアセトアミド、α−ナフタレン酢酸、1−ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム、2,4,5−Tなどのオーキシン;2iP、ベンジルアデニン、キネチン、ゼアチンなどのサイトカイニン;カルシウムシアナミド、ジメチピン、エンドタール、エテホン、メルホス、メトキスロン、ペンタクロロフェノール、チジアズロン、トリブホスなどの落葉剤;アビグリシン、1−メチルシクロプロペンなどのエチレン阻害剤;ACC、エタセラシル、エテホン、グリオキシムなどのエチレン放出剤;ジベレリン、ジベレリン酸などのジベレリン;アブシジン酸、アンシミドール、ブトラリン、カルバリル、クロルホニウム、クロルプロファム、ジケグラック、フルメトラリン、フルオリダミド、ホサミン、グリホシン、イソピリモル、ジャスモン酸、マレイン酸ヒドラジド、メピコート、メピコートクロリド、ピプロクタニル、プロヒドロジャスモン、プロファム、2,3,5−トリ−ヨード安息香酸などの生長抑制剤;クロルフルレン、クロルフルレノール、ジクロルフルレノール、フルレノールなどのモルファクチン;クロルメコート、ダミノジド、フルルプリミドール、メフルイジド、パクロブトラゾール、テトシクラシス、ユニコナゾールなどの矮化剤;ブラシノリド、ホルクロルフェヌロン、ヒメキサゾールなどの生長促進剤;及びベンゾフルオル、ブミナホス、カルボン、シオブチド、クロフェンセット、クロキシホナック、シアナミド、シクラニリド、シクロヘキシミド、シプロスルファミド、エポコレオン、エチクロゼート、エチレン、フェンリダゾン、ヘプトパルギル、ホロスルフ、イナベンフィド、カレタザン、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ、プロヘキサジオン、ピダノン、シントフェン、トリアペンテノール、トリネキサパックなどの未分類植物生長調節剤から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項24】
アジュバントをさらに含む、請求項1から23までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
請求項1から9までのいずれか一項に記載の組成物を植物生長調節剤に適用するステップを含む植物生長調節剤の効能を改善する方法。
【請求項26】
請求項1から24までのいずれか一項に記載の組成物を植物又はその周囲に施用するステップを含む植物生長を調節する方法。

【図1(1)】
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【図1(2)】
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【図1(3)】
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【図1(4)】
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【図1(5)】
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【図1(6)】
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【図2】
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【図3(1)】
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【図3(2)】
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【図3(3)】
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【図3(4)】
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【図3(5)】
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【図3(6)】
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【図3(7)】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−522832(P2012−522832A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504096(P2012−504096)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000968
【国際公開番号】WO2010/116259
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(507416850)
【Fターム(参考)】