説明

植物部分上のワックス状コーティング

【課題】植物の部分が消費者による購入および/または消費の前に過熟とならないように成熟を遅らせる方法を提供する。
【解決手段】植物の表面を、(a)1種以上のワックスおよび(b)1種以上のシクロプロペン化合物を含むコーティング組成物で処理し、コーティング層を形成させる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
植物の部分をシクロプロペン化合物に曝露させることが望まれる場合がある。例えば、いくつかの場合においては、植物の部分のシクロプロペン化合物への曝露はエチレンの効果を抑制し、そのような抑制が場合によっては望ましい。例えば、ある植物の部分は、それを消費することが最も望ましい成熟の段階にある際に、その成熟の段階の前に収穫される。別の例については、ある植物の部分は、それを消費することが最も望ましい段階またはその直前である成熟の段階で収穫される。いずれの例においても、このような植物の部分は場合によっては貯蔵されおよび/または輸送され、そしてその植物の部分が消費者による購入および/または消費の前に過熟とならないのを確実にするために輸送および/または貯蔵中のさらなる成熟を遅らせることが望ましい。
【0002】
ある場合においては、特定の果実または野菜には、通常、輸送および/または貯蔵前にコーティングが付与される。米国特許第6,165,529号は新鮮な農産物のための、加水分解ポリビニルアルコール、可溶性デンプンおよび界面活性剤を含むコーティングを記載する。これらのコーティングのいくつかは果実から水が蒸発するのを妨げ、これにより果実の品質を維持し重量の損失を妨げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,165,529号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シクロプロペン化合物での処理によって提供される利点も提供しつつ、そのようなコーティングが提供する利点を有する、植物の部分のための処理を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の形態においては、植物の部分の表面にコーティング組成物の層を適用することによって植物の部分の表面上にコーティングを形成することを含み、
前記コーティング組成物が(a)1種以上のワックスおよび(b)1種以上のシクロプロペン化合物を含む、植物の部分を処理する方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において下記の定義が使用される。「植物の部分」は植物全体から分けられる植物の部分である。植物の部分の「処理」とは、その植物の部分を組成物と接触させることを意味する。植物全体からの有用な植物の部分の採取が「収穫」である。「脂肪鎖」は8以上の炭素原子を有する炭化水素鎖である。1以上の脂肪鎖を含む化合物は「脂肪」化合物である。脂肪鎖を含まない化合物は「非脂肪」化合物である。「炭化水素鎖」は炭素および水素の原子のみを含む共有結合した原子の基である。「液体組成物」は15℃〜40℃の温度範囲にわたって液体である。ある物質が1マイクロメートル以上の分離粒子として存在する場合、およびこれら粒子が連続媒体にわたって分布している場合には、その物質は連続媒体中に「分散」されている。組成物中のある成分の「無視できる量」は、その組成物の重量を基準にして0.05重量%以下であるその成分の量である。
【0007】
展着可能な固体組成物は、本明細書においては、植物の部分上に層として広げられることができ、かつそれらが適用プロセスの機械的応力下にない場合に15℃〜40℃の温度範囲にわたって機械的に安定である組成物として定義される。すなわち、そのような組成物の層が表面上に存在し、そして重力以外の機械的力の影響を受けていない場合には、その層は15℃〜40℃の温度範囲にわたってその形状を5日間以上保持する。展着可能な固体組成物の1つの種類は溶融可能な固体であり、これは40℃より高い温度で液体になり、その液体が植物の部分上に広げられることができ、その後冷却し、機械的に安定になる。別の種類の展着可能な固体組成物は半固体組成物である。
【0008】
半固体組成物は、本明細書においては、15℃〜40℃の温度範囲にわたって以下の特性を有する組成物として定義される。これらの組成物はアプリケーターを用いて広げられうるが、それらが適用プロセスの機械的応力下にない場合には機械的に安定である。すなわち、このような組成物の層が表面上に存在し、そして重力以外のいかなる機械的力の影響も受けていない場合には、この層は5日間以上その形状を保持する。半固体コーティング組成物は0.01秒−1で10Pa*s(100ポイズ)以上の粘度を有する。同じ組成物が、ブラッシングのような機械的応力下にある場合には、その組成物は流動し、表面上に層を形成することができる。半固体コーティング組成物は1,000秒−1で1Pa*s(10ポイズ)以下の粘度を有する。
【0009】
本発明の方法は植物の部分を処理することを伴う。好ましい植物の部分は食用および非食用の花、つぼみ、ブルーム(bloom)、種、挿し木、根、球根、果実、野菜、葉およびこれらの組み合わせである。より好ましいのは食用の植物の部分であり、より好ましくは果実および野菜である。
【0010】
本発明の実施に使用するのに好適である植物の部分の多くはカテゴリーもしくはグループに有用に分けられうる。そのようなグループを特定するのに有用な方法の1つは国連食糧農業機関(FAO)によって草案として2006年3月23日以前に発表された「Definition and Classification of Commodities(商品の定義および分類)」にある。
【0011】
農作物グループ1は穀類である。農作物グループ2は根および塊茎である。農作物グループ3は糖料作物である。農作物グループ4は豆類、例えば、豆およびサヤエンドウなどである。農作物グループ5はナッツ類である。農作物グループ6は油含有作物、例えば、ダイズ、落花生、オリーブおよび菜種などである。
【0012】
農作物グループ7は野菜であり、キャベツ、アーティチョーク、アスパラガス、レタス、ホウレンソウ、キャッサバの葉、トマト、カリフラワー、ウリ科植物(例えば、カボチャ、キュウリおよびガーキン、スカッシュ、スイカ、マスクメロン、ハニーデューおよび他の交雑種メロン)、ナス、チリおよびトウガラシ、ネギ、タマネギ、ニンニク、西洋ネギ、他のネギ属の野菜、サヤマメ、グリーンピース、ソラマメ、サヤインゲン、ニンジン、オクラ、青トウモロコシ、マッシュルーム、タケノコ、ビート、チャード、ケイパー、カルドン、セロリ、チャービル、クレス、フェンネル、セイヨウワサビ、マジョラム、オイスタープラント、パセリ、パースニップ、ラディッシュ、ルバーブ、ルタバガ、セイボリー、スコルツォネラ、ソレル、クレソンおよび他の野菜が挙げられる。
【0013】
農作物グループ8は果実であり、例えば、バナナおよびプランタン、かんきつ類、仁果類、核果類、ベリー、ブドウ、トロピカルフルーツ、各種の果実、および他の果実が挙げられる。仁果類には、例えば、リンゴ、ナシ、マルメロ、および他の仁果類が挙げられる。トロピカルフルーツには、例えば、イチジク、カキ、キウイフルーツ、マンゴ、アボカド、パインアップル、デーツ、カシューアップル、パパイヤ、ブレッドフルーツ、スターフルーツ、チェリモヤ、ドリアン、フェイジョア、グアバ、モンビン、ジャックフルーツ、ロンガン、マメー、マンゴスチン、ナランジロ、パッションフルーツ、ランブータン、サポテ、サポジラ、スターアップルおよび他のトロピカルフルーツが挙げられる。
【0014】
農作物グループ9は繊維である。農作物グループ10はスパイスである。農作物グループ11は家畜用農作物である。農作物グループ12は刺激性農作物、例えば、コーヒーおよび茶が挙げられる。農作物グループ13はタバコおよびゴム、並びに他の農作物である。
【0015】
好ましいのは農作物グループ7および8である。農作物グループ7のなかでは、好ましいのはトマトおよびウリ科植物であり;より好ましいのはトマト、メロンおよびキュウリであり;より好ましいのはトマトおよびメロンである。農作物グループ8のなかでは、好ましいのは仁果類およびトロピカルフルーツであり;より好ましいのはリンゴ、アボカドおよびグアバであり;より好ましいのはアボカドである。
【0016】
本発明の実施においては、植物の部分はそれが収穫された後で処理される。
【0017】
本発明の実施は1種以上のワックスの使用を伴う。本明細書において使用される場合、ワックスは15℃〜40℃を含む温度範囲にわたって固体もしくは半固体である脂肪化合物である。それぞれの脂肪鎖は飽和もしくは不飽和であることができる。1以上の脂肪鎖に加えて、好適なワックスは様々な他の化学基のいずれを有していても良い。好ましいワックスは炭化水素、モノエステル、多エステル、ケトン、アルコール、アルデヒド、酸、酸の塩、ステロールエステル、テルペンおよびこれらの混合物から選択される。
【0018】
炭化水素ワックスには、12〜120個の炭素原子を有する炭化水素が挙げられる。炭化水素ワックス中の炭化水素分子は直鎖、分岐、非芳香族環式、もしくはその組み合わせであることができる。炭化水素ワックスは通常2種以上の異なる炭化水素分子の混合物として存在する。炭化水素ワックスには石油ワックスが挙げられ、これはクルードの石油から分離される。石油ワックスにはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびペトロラタムが挙げられる。パラフィンワックスはパラフィンの重量を基準にして60重量%以上の直鎖炭化水素を有し、パラフィンワックス中の直鎖炭化水素のほとんどが典型的には、それぞれ、18〜45個の炭素原子を有する。マイクロクリスタリンワックスはパラフィンワックスよりも高い割合で分岐および環式炭化水素を有する。ペトロラタムは鉱油と良好に混ざるマイクロクリスタリンワックスの1種である。炭化水素ワックスにはポリエチレンワックスも挙げられ、これは20,000以下の数平均分子量を有するポリエチレンポリマーである。炭化水素ワックスの中で好ましいのは石油ワックス、ポリエチレンおよびその混合物である。
【0019】
モノエステルワックスには、厳密に1つのエステル基を有するあらゆるワックスが挙げられる。好ましいモノエステルワックスは脂肪酸と、脂肪アルコール、ステロール、テルペノイド、ヒドロカロテノイド、ビタミンA、およびその混合物から選択されるアルコールとのエステルである。好ましいモノエステルワックスは脂肪酸と脂肪アルコールとのエステルである。好ましいモノエステルワックスは15〜19個の炭素原子の炭化水素鎖を有する脂肪酸と29〜33個の炭素原子の炭化水素鎖を有する脂肪アルコールとのエステルである。
【0020】
多エステルワックスは各分子に2以上のエステル基を含むワックスである。これらは、例えば、ヒドロキシル化脂肪酸が酸およびアルコールと2つのエステル結合を形成する場合に形成されうる。2以上のヒドロキシル基を有する分岐鎖アルコールが2以上のカルボン酸と2以上のエステル結合を形成する場合に、他の多エステルワックスが形成される。
【0021】
脂肪酸ワックスには、15〜34個の炭素原子を有する炭化水素鎖を有する脂肪酸が挙げられる。脂肪酸は多くの場合2種以上の異なる脂肪酸の混合物で認められる。脂肪酸は多くの場合モノエステルワックスとの混合物でも認められる。脂肪酸の塩および脂肪酸とアミン化合物のような塩基性化合物との酸−塩基複合体も脂肪酸に含まれる。好ましい脂肪酸ワックスは1種以上の脂肪酸と1種以上のアミン化合物とを含む。より好ましい脂肪酸ワックスはモルホリンオレアートである。
【0022】
アルコールワックスには、1個、2個もしくはそれより多いヒドロキシル基を有するアルコールが挙げられる。あるアルコールワックスは19〜33個の炭素原子を有する炭化水素を有する。ケトンワックスは1以上のケトン基をそれぞれの分子内に有する。
【0023】
ある生物的に生産されるワックスは2種以上のワックスの混合物を含む。生物的に生産されるワックスには、植物もしくは動物から直接得られるワックス、植物もしくは動物から得られた材料の変化(例えば、水素化など)によって生じるワックスが挙げられる。好ましい生物的に生産されるワックスは蜜ろう、昆虫ワックス、シェラックワックス、鯨ろう、ラノリン、カルナウバワックス、他の植物ワックスおよびその混合物である。
【0024】
好ましいワックスは石油ワックス、脂肪酸ワックス、モノエステルワックス、ポリエチレンワックスおよびその混合物である。
【0025】
本発明の実施は1種以上のシクロプロペン化合物の使用を伴う。本明細書において使用される場合、シクロプロペン化合物は下記式:
【化1】

(式中、各R、R、RおよびRは独立して、Hおよび式:
−(L)−Z
の化学基からなる群から選択され;nは0〜12の整数である)
を有するあらゆる化合物である。各Lは2価の基である。好適なL基には、例えば、H、B、C、N、O、P、S、Siまたはこれらの混合から選択される1種以上の原子を含む基が挙げられる。L基内の原子は互いに、単結合、二重結合、三重結合またはこれらの混合によって連結されうる。各L基は線状、分岐、環式、またはこれらの組み合わせであることができる。いずれか1つのR基(すなわち、R、R、RおよびRのいずれか1つ)においては、ヘテロ原子(すなわち、HでもCでもない原子)の総数は0〜6である。独立して、いずれか1つのR基においては、非水素原子の総数が50以下である。各Zは1価の基である。各Zは独立に、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラート(chlorate)、ブロマート(bromate)、ヨーダート(iodate)、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオおよび化学基G(Gは3〜14員環系である)からなる群から選択される。
【0026】
、R、RおよびR基は、独立に、好適な基から選択される。R、R、RおよびRの1以上として使用するのに好適な基には、例えば、脂肪族基、脂肪族−オキシ基、アルキルホスホナト基、環式脂肪族基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルアミノ基、ヘテロ環式基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、シリル基、他の基、並びにこの混合および組み合わせがある。R、R、RおよびRの1以上として使用するのに好適な基は置換されていても良いし、置換されていなくても良い。
【0027】
好適なR、R、RおよびR基には、例えば、脂肪族基がある。いくつかの好適な脂肪族基には、例えば、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基が挙げられる。好適な脂肪族基は線状、分岐、環式もしくはこの組み合わせであることができる。独立して、好適な脂肪族基は置換されていても良いし、置換されていなくても良い。
【0028】
本明細書において使用される場合、対象の化学基の1以上の水素原子が置換基で置き換えられている場合には、その対象の化学基は「置換」されていると称される。
【0029】
また、好適なR、R、RおよびR基には、例えば、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基またはスルホニル基を介してシクロプロペン化合物に結合される置換および非置換のヘテロサイクリル基があり;そのようなR、R、RおよびR基の例には、ヘテロサイクリルオキシ、ヘテロサイクリルカルボニル、ジヘテロサイクリルアミノおよびジヘテロサイクリルアミノスルホニルがある。
【0030】
また、好適なR、R、RおよびR基には、例えば、介在するオキシ基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基、チオアルキル基またはアミノスルホニル基を介してシクロプロペン化合物に結合される置換および非置換の複素環式基があり;そのようなR、R、RおよびR基の例には、ジへテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオアルキル、およびジへテロアリールアミノスルホニルがある。
【0031】
また、好適なR、R、RおよびR基には、例えば、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、シアノ、ニトロ、ニトロソ、アジド、クロラト、ブロマト、ヨーダト、イソシアナト、イソシアニド、イソチオシアナト、ペンタフルオロチオ;アセトキシ、カルボエトキシ、シアナト、ニトラト、ニトリト、ペルクロラト、アレニル、ブチルメルカプト、ジエチルホスホナト、ジメチルフェニルシリル、イソキノリル、メルカプト、ナフチル、フェノキシ、フェニル、ピペリジノ、ピリジル、キノリル、トリエチルシリル、トリメチルシリル;およびこれらの置換類似体がある。
【0032】
本明細書において使用される場合、化学基Gは3〜14員環系である。化学基Gとして好適な環系は置換されていても、または非置換であってもよく;それらは、芳香族(例えば、フェニルおよびナフチルなど)であっても、または脂肪族(例えば、不飽和脂肪族、部分飽和脂肪族、または飽和脂肪族)であってもよく;かつ、それらは炭素環式であっても、または複素環式であってもよい。複素環式G基においては、いくつかの好適なヘテロ原子は、例えば、窒素、硫黄、酸素およびこれらの組み合わせである。化学基Gとして好適な環系は単環式、二環式、三環式、多環式、スピロまたは縮合であってよく;二環式、三環式または縮合である好適な化学基G環系においては、1つの化学基Gにおける様々な環がすべて同じ種類であり得るか、または2以上の種類のもの(例えば、芳香族環が脂肪族環と縮合されうる)であり得る。
【0033】
好ましくは、R、R、RおよびRの1以上が水素または(C−C10)アルキルである。より好ましくは、R、R、RおよびRのそれぞれが水素または(C−C)アルキルである。ある実施形態においては、R、R、RおよびRのそれぞれが水素または(C−C)アルキルである。より好ましくは、R、R、RおよびRのそれぞれが水素またはメチルである。より好ましくは、Rが(C−C)アルキルであり、かつR、RおよびRのそれぞれが水素である。より好ましくは、Rがメチルであり、かつR、RおよびRのそれぞれが水素であり、このシクロプロペン化合物は本明細書において「1−MCP」と称される。
【0034】
好ましくは、1気圧で50℃以下;または25℃以下;または15℃以下の沸点を有するシクロプロペン化合物が使用される。独立に、好ましくは、1気圧で−100℃以上;−50℃以上;または−25℃以上;または0℃以上の沸点を有するシクロプロペン化合物が使用される。
【0035】
本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも1種の分子封入剤(molecular encapsulating agent)を含む。より好ましくは、少なくとも1種の分子封入剤は1以上のシクロプロペン化合物もしくは1以上のシクロプロペン化合物の一部分を封入する。分子封入剤の分子に封入されたシクロプロペン化合物分子もしくはシクロプロペン化合物分子の一部分を含む複合体は、本明細書においては「シクロプロペン化合物複合体」と称される。
【0036】
好ましくは、包接複合体である少なくとも1種のシクロプロペン化合物複合体が存在する。このような包接複合体においては、分子封入剤は空洞を形成し、シクロプロペン化合物もしくはシクロプロペン化合物の一部分がその空洞内に配置される。
【0037】
独立して、そのような包接複合体のいくつかにおいては、分子封入剤の空洞の内側は実質的に無極性もしくは疎水性またはその両方であり、シクロプロペン化合物(またはその空洞内に配置されるシクロプロペン化合物の部分)も実質的に無極性もしくは疎水性またはその両方である。本発明は何らかの特定の理論またはメカニズムに限定されるものではないが、そのような無極性シクロプロペン化合物複合体においては、ファンデルワールス力もしくは疎水性相互作用、またはその両方はシクロプロペン化合物分子またはその部分が分子封入剤の空洞内にとどまるようにすると考えられる。
【0038】
分子カプセル化剤の量はシクロプロペン化合物のモル数に対する分子カプセル化剤のモル数の比率によって有用に特徴づけられうる。好ましくは、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子カプセル化剤のモル数の比率は0.1以上;より好ましくは0.2以上;より好ましくは0.5以上;より好ましくは0.9以上;より好ましくは1.0以上である。独立して、このような実施形態のいくつかにおいては、シクロプロペン化合物のモル数に対する分子カプセル化剤のモル数の比率は10以下;より好ましくは5以下;より好ましくは2以下;より好ましくは1.5以下である。
【0039】
好適な有機分子封入剤には、例えば、有機および無機分子封入剤が挙げられる。好適な有機分子封入剤には、例えば、置換シクロデキストリン、非置換シクロデキストリン、およびクラウンエーテルが挙げられる。好適な無機分子封入剤には、例えば、ゼオライトが挙げられる。好適な分子封入剤の混合物も好適である。好ましくは、封入剤はアルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ガンマ−シクロデキストリン、またはこの混合物である。本発明のある実施形態においては、アルファ−シクロデキストリンが使用される。好ましい封入剤は使用されるシクロプロペン化合物(単一種もしくは複数種)の構造に応じて変わるであろう。1−MCPが使用される場合には、好ましい分子カプセル化剤はアルファ−シクロデキストリンである。シクロデキストリンもしくはシクロデキストリンの混合物、シクロデキストリンポリマー、修飾シクロデキストリン、またはこの混合物が本発明に従って使用されても良い。
【0040】
本発明の実施はコーティング組成物を伴う。コーティング組成物は植物の部分の表面上に層で適用されうる組成物である。この層は連続もしくは不連続であることができる。好ましいのは、表面に適用された直後に10マイクロメートル〜1mmの厚みを有する層である。
【0041】
コーティング組成物はワックスおよび1種以上のシクロプロペン化合物を含む。全てのワックスの全重量に対する、全てのシクロプロペン化合物の全重量の比率(CP/ワックス比)を特徴付けることが有用である。この比率のための有用な単位は「ppm」であり、ワックスの100万重量部あたりのシクロプロペンの重量部を示す。この比率についての別の有用な単位は「%」であり、ワックスの100重量部あたりのシクロプロペンの重量部を示す。0.2ppm以上のCP/ワックス比を有するコーティング組成物が好ましく;0.5ppm以上がより好ましく;1ppm以上がより好ましい。独立して、0.5%以下、または0.2%以下のCP/ワックス比を有するコーティング組成物が好ましい。
【0042】
好ましいコーティング組成物は液体組成物であるか、または展着可能な固体組成物である。より好ましいのは液体組成物であるかまたは半固体組成物である。
【0043】
好ましい液体コーティング組成物は組成物の重量を基準にして40重量%〜99重量%の連続液体媒体を含む。成分は連続液体媒体中で溶解されているかまたは分散されている。好ましい連続液体媒体は水を含み、より好ましいのは水の量が連続液体媒体の重量を基準にして50重量%以上;より好ましくは80重量%以上;より好ましくは95重量%以上である連続液体媒体である。
【0044】
液体コーティング組成物においては、連続液体媒体が50重量%以上の水を含む場合には、ワックスの一部分もしくは全部が連続液体媒体中に分散されることが好ましい。ワックスがこのように分散される場合には、1種以上の界面活性剤が液体コーティング組成物中に存在することが好ましい。
【0045】
連続液体媒体が水を含む場合には、液体コーティング組成物は好ましくは1種以上のキレート剤を含む。「キレート剤」は金属原子と配位結合を形成することができる電子供与原子を2個以上含む化合物であり、キレート剤の1つの分子は1つの金属原子と2以上の配位結合を形成することができる。好ましいキレート剤はアミノカルボン酸、1,3−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ポリアミン、アミノアルコール、芳香族複素環式塩基、フェノール、アミノフェノール、オキシム、シッフベース、硫黄化合物およびその混合物である。より好ましいのは、1種以上のアミノカルボン酸、1種以上のヒドロキシカルボン酸、1種以上のオキシムまたはこの混合物である。好ましいアミノカルボン酸には、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸(HEDTA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、N−ジヒドロキシエチルグリシン(2−HxG)、エチレンビス(ヒドロキシフェニルグリシン)(EHPG)、およびその混合物がある。好ましいヒドロキシカルボン酸には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、5−スルホサリチル酸、およびその混合物がある。より好ましいのはEDTAである。
【0046】
キレート剤が使用される場合には、キレート剤の好ましい量は、水の重量部を基準にしたキレート剤の重量で、1ppm以上;より好ましいのは5ppm以上である。独立して、キレート剤の好ましい量は、水の重量部を基準にしたキレート剤の重量で、200ppm以下;より好ましいのは100ppm以下;より好ましいのは50ppm以下である。
【0047】
液体コーティング組成物においては、ワックスの好ましい量は、液体コーティング組成物の重量を基準にして5重量%以上;より好ましくは10重量%以上;より好ましくは15重量%以上である。独立して、液体コーティング組成物においては、ワックスの好ましい量は、液体コーティング組成物の重量を基準にして60重量%以下;より好ましくは50重量%以下;より好ましくは40重量%以下である。
【0048】
半固体コーティング組成物においては、ワックスの好ましい量は、半固体コーティング組成物の重量を基準にして61重量%以上;より好ましくは75重量%以上;より好ましくは90重量%以上;より好ましくは95重量%以上である。
【0049】
半固体コーティング組成物を果実もしくは野菜に適用する場合には、適用量は、果実もしくは野菜のキログラムあたりのコーティング組成物のミリグラムで、好ましくは1mg/kg以上;より好ましくは2mg/kg以上;より好ましくは5mg/kg以上;より好ましくは10mg/kg以上である。独立して、半固体コーティング組成物を果実もしくは野菜に適用する場合には、適用量は、果実もしくは野菜のキログラムあたりのコーティング組成物のミリグラムで、好ましくは200mg/kg以下;より好ましくは100mg/kg以下である。
【0050】
コーティング組成物は、ワックスおよびシクロプロペン化合物に加えて、1種以上の任意成分を含むことができる。好ましいコーティング組成物は、1種以上の分子カプセル化剤も含み、より好ましいのは1以上のシクロプロペン化合物を封入する分子封入剤である。
【0051】
コーティング組成物は1種以上の任意のアジュバントを含むことができる。好適なアジュバントには、例えば、界面活性剤、油、キレート剤およびその混合物が挙げられる。好適なオイルには鉱物油が挙げられる。
【0052】
好ましいコーティング組成物はデンプンを含まないか、そうでなければ多くても無視できる量しかデンプンを含まない。より好ましいコーティング組成物はデンプンを含まない。好ましいコーティング組成物はポリビニルアルコールを含まないか、そうでなければ多くても無視できる量しかポリビニルアルコールを含まない。より好ましいコーティング組成物はポリビニルアルコールを含まない。好ましいコーティング組成物は非脂肪ポリマーを含まないか、そうでなければ無視できる量しか非脂肪ポリマーを含まない。より好ましいコーティング組成物は非脂肪ポリマーを含まない。好ましいコーティング組成物は、5,000以上の分子量を有する非脂肪化合物を含まないか、そうでなければ多くても無視できる量しか5,000以上の分子量を有する非脂肪化合物を含まない。より好ましいコーティング組成物は5,000以上の分子量を有する非脂肪化合物を含まない。
【0053】
コーティング組成物はあらゆる方法によって植物の部分の表面に適用されうる。好ましい方法には、植物の部分をコーティング組成物に浸すこと;コーティング組成物を植物の部分の表面上に噴霧すること;アプリケーターを用いてコーティング組成物を植物の部分の表面上に適用すること;およびこの組み合わせがある。好ましいアプリケーターはブラシ、ブレード、ロッド、布、およびこの組み合わせであり;最も好ましいのはブラシである。
【0054】
コーティング組成物を植物の部分の表面に適用する好ましい方法は以下の通りである:方法1、植物の部分が液体コーティング組成物中に浸される;方法2、半固体コーティング組成物が植物の部分の表面上にブラシ塗りされる。
【0055】
本実施例の目的のために、ここで開示されるそれぞれの操作は他に示されなければ25℃で行われることが理解されるべきである。
【実施例】
【0056】
以下の実施例において、これらの略語が使用される:
MCP=1−メチルシクロプロペン
DL231=DeccoLustr商標231コーティング、Decco Cerexagri Inc.からのモルホリンオレアート、カルナウバワックスおよびシェラックの水性エマルション。
DL202=DeccoLustr商標220コーティング、Decco Cerexagri Inc.からのモルホリンオレアート、パラフィンおよびポリエチレンの水性エマルション。
PNPL251=Peach,Nectarine&Plum Lustr商標コーティング、Decco Cerexagri Inc.からのモルホリンオレアート、パラフィン、鉱油およびカルナウバワックスの水性エマルション。
RH=相対湿度
P1=アルファ−シクロデキストリンとMCPの封入複合体を含む粉体で、デキストロースおよびアミノ酸塩も含む。
P2=アルファ−シクロデキストリンとMCPとの封入複合体を含む粉体で、デキストロースも含む。
P3=アルファ−シクロデキストリンとMCPの封入複合体を含む。
【0057】
実施例1:アボカド上のワックスコーティング
ハースアボカドはプレミアム等級であり、色段階1(100%明るい緑色)がカリフォルニア州オックスナードにおける商業的生産者からカリフォルニア州デービスの試験研究所に運ばれた。処理は到着の日に行われた。
【0058】
EDTA(水100万重量部あたり10重量部)、次いでワックスエマルション(使用される場合)を、製造者によって供給されるままで添加し、5分間混合することによりコーティング組成物が製造された。ワックスエマルションに対する水の比率は次の通りであった:
【0059】
【表1】

【0060】
サンプル1−1Cは比較例であった(乾燥対照、全くディップされなかった)。サンプル1−2Cはワックスを含まないが粉体P2を含み、ディッピング溶液1リットルあたり300マイクログラムの1−MCPを生じさせる粉体P2の量でのディッピング溶液であった。
【0061】
サンプル1−3、1−4、および1−5を製造するために、水がコーティング剤とおよびアミノ酸塩と混合されて、1−2Cにおけるのと同じ濃度のアミノ酸塩を生じさせた。次いで、粉体P1が添加されて、ディッピング溶液1リットルあたり300マイクログラムの1−MCPを生じさせ、この組成物は2分間混合され、次いで5分間静置した。次いで、アボカドがこのディッピング溶液に浸され、5分間保持し、室温で棚の上に置いて乾燥させた。乾燥アボカドは21℃で、65〜75%RHのクーラー内に入れられた。対照のアボカドは浸されずに、同じ温度および相対湿度の別のクーラー内に入れられた。
【0062】
3日後、1=100%緑色、2=75%緑色、3=50%緑色−紫色、および4=100%紫色の嗜好尺度を用いて、果実の色が1日ごとに評価された。果実の硬さ(ニュートンおよびポンド)が5日目および10日目に果実テクスチャ分析器(Fruit Texture Analyzer;FTA)を用いて、5mmの深さまで侵入した8−mmプローブを用いて測定した。硬さが測定される前に皮が除かれ、果実1つあたり2回の測定値が採用された。
【0063】
成熟度は、手で触った硬さおよび外観に従って、処理後毎日記録された。この観察から、成熟に至る日数が計算された。
【0064】
アボカドは色の発現について評価された。サンプル1−3および1−5は乾燥対照よりもゆっくりであるが、MCPのみに浸したサンプルよりもより素早く色を発現した。サンプル1−4は全ての中で最も遅く色を発現した。
【0065】
アボカドは硬さについて評価された。結果は以下の通りであった。実施例の処理の全ては比較の処理よりも良好な硬さをもたらした。
【0066】
【表2】

【0067】
アボカドは成熟に至る日数についても評価された。全ての実施例は比較例のと同じかもしくはより長い成熟に至る日数を有していた。よって、実施例はコーティングの利点を有しており、かつ少なくとも1−2Cと同じ程度に成熟を遅延させた。
【0068】
【表3】

【0069】
比較例2:非ワックス状コーティング
カリフォルニア州のカンツアクリークでタスカン(Tuscan)メロンが収穫され、冷却され、次いで次の日にカリフォルニア州のデービスの試験施設に輸送された。到着時の果肉温度は11℃〜12℃であった。この果実は一晩5℃で冷却され、次いで次の日に、品質評価がなされ、処理された。処理の後で、果実は5℃、80%〜90%RHで8日間貯蔵され、次いで、8日間室温に移され、次いで評価された。
【0070】
BASFからのFreshseal商標コーティングは非脂肪ポリマーを含んでいると考えられる水性コーティングである。
【0071】
処理は以下の通りであった。液体コーティング組成物は以下に示される成分で製造された。果実はこのコーティング組成物に浸され、以下に示される時間の間保持された。「コーティング固形分」は、コーティング組成物の全重量を基準にしたコーティング組成物の固形分の重量パーセントである。MCPの量がコーティング組成物の100万重量部あたり1重量部のMCPであるように、粉体P1がコーティング組成物に添加された。サンプルは以下の基準について評価された:
重量損失
外側の色、5点スケールを用いる(1=100%緑色、および5=100%黄色)
陥没変色領域(sunken discolored area;SDA)の平均数
硬さ、実施例1で試験される通り。
【0072】
結果は以下の通りであった:
【表4】

【0073】
試験されたサンプル間で重量損失に有意な差はなかった。外側の色、SDAおよび硬さにおいては、全てのコーティングされた例は、コーティングを使用せずにMCPを使用したサンプルである2−2Cよりも悪かった。
【0074】
実施例3:トマト上のワックスコーティング
トマトがTriwax商標コーティング(Tri−Pak Machinery,Inc.)でコーティングされた。「MCP」サンプルについては、粉体P3がTriwax商標コーティングに添加され、コーティング組成物の重量を基準にして0.09重量%のMCPをもたらした。コーティング組成物は布に適用され、トマトの上にこすりつけられた。
【0075】
トマトは室温で貯蔵され、色相が測定された。この色相測定においては、高い数値は色がより緑色である(すなわち、そのトマトがより低い成熟度である)ことを意味する。結果は以下の通りであった。実施例の処理(3−3)は比較例よりも成熟を望ましく遅らせた。
【0076】
【表5】

【0077】
実施例4:トマトおよびグアバ上のワックス状コーティング
コーティング組成物が製造された。ワックスが存在する場合には、ワックスはコーティング組成物の重量を基準にして3.6重量%のカルナウバワックスであった。MCPが存在する場合には30.7mgMCP/リットルをもたらすのに充分なP1が添加された。対照の組成物は水のみであった。コーティング組成物は1分間かけてゆっくりと混合された。果実はこのコーティング組成物に30秒間浸漬された。処理は以下の通りであった:
【0078】
【表6】

果実は処理した後で22℃、80%RHで14日目まで貯蔵された。
【0079】
トマトの品種はデボラ(Debora)であった。このトマトが試験されたときに、サンプル4−3Cおよび4−4は互いに同程度であって、4−1および4−2と比較して、両方とも望ましく遅延した成熟を示した。4−3Cおよび4−4はワックスコーティングによってもたらされる重量損失に対する抵抗性を示したと推定される。よって、サンプル4−4は、それがたった1回の浸漬処理を受けただけであったとしても、ワックス状コーティングの利点と、1−MCPでの処理の利点とを有していた。
【0080】
グアバの品種はペドロサト(Pedro Sato)であった。処理および結果はトマトについてのと同じであった。
【0081】
実施例5:ハースアボカド上のワックス状コーティング
処理は実施例4におけるのと同じであった。果実は外側の色について評定スケール(「0」は100%緑色を意味し、「5」は100%黒色を意味する)を用いて評価された。黒色の果実のパーセントが観察された。外部腐敗(全部で40個の中から、少なくとも1つの損傷を有する果実の数)が観察された。内部腐敗は評定スケール(「0」=腐敗なし、「1」=軽度の腐敗、「2」=中程度の腐敗、「3」=重度の腐敗)で評価された。40個の果実がそれぞれの処理を受けた。14日後の平均の結果は以下の通りであった:
【0082】
【表7】

サンプル5−4は、全ての他のサンプルと比較して成熟の望ましい遅延を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の部分の表面にコーティング組成物の層を適用することによって植物の部分の表面上にコーティングを形成することを含み、
前記コーティング組成物が
(a)1種以上のワックスおよび
(b)1種以上のシクロプロペン化合物を含む、
植物の部分を処理する方法。
【請求項2】
前記コーティング組成物が1種以上の分子封入剤をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シクロプロペンの一部分もしくは全部が分子封入剤に封入されている請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワックスに対する前記シクロプロペン化合物の重量比が0.2ppm〜0.2%である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記植物の部分が果実および野菜からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記植物の部分がリンゴ、アボカド、トマト、グアバおよびメロンからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記植物の部分がトマトおよびアボカドからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ワックスがモルホリンオレアート、石油ワックスおよびその混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記シクロプロペンが1−メチルシクロプロペンを含む請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2011−246463(P2011−246463A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−100290(P2011−100290)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】