説明

検体のパラメータを決定する方法及び装置

【解決課題】 本発明は,少なくとも1つの検体結合領域を有する検出領域の検体の検体パラメータを決定する方法を提供する。
【解決手段】 本方法は,結合領域で結合した検体要素の存在を検出するステップと,検体要素数を増加又は減少させるステップと,絶対的な定量化を得るために要素のリカウントを防止するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,検体のパラメータを決定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在,マイクロアレイ上の単一分子を検出するための多様な分析システムが存在している。これらのアプローチは,低プローブ濃度の配列と単一分子分光を利用する。例えば,国際公開WO02/074988号パンフレットでは,DNAなどの検体のごく一部を捕捉し,単一分子を光学技術により可視化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO02/074988号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし,既知のシステムは,特異的に結合した検体とランダムに拡散する検体を区別することができないこと,高コピー数のタンパク質及び高タンパク質濃度のサンプルに制限されること,捕捉した検体を確実に定量化することができないことなど,さまざまな問題を抱えている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は,請求項で定められている。結合領域で結合した検体要素の存在を検出し,この要素のリカウントを防止することにより,要素の絶対数が得られる。さらに,マイクロフルイディクス領域などの拘束領域で処理する検体において,検体の大部分を結合させ,質量分析レジーム(mass assay regime)によって検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の図面を参照して,本発明の態様の例を説明する。
【図1】図1は,本発明の検体のパラメータを決定する装置を示す概略図である。
【図2a】図2a及び図2bは,本発明の態様の詳細図である。
【図2b】図2a及び図2bは,本発明の態様の詳細図である。
【図3】図3は,サンプル上の入射光及び反射光を示している。
【図4】図4は,対物レンズを用いた場合の入射光及び反射光を示している。
【図5a】図5aから図5cは,連続的な画像フレームを示している。
【図5b】図5aから図5cは,連続的な画像フレームを示している。
【図5c】図5aから図5cは,連続的な画像フレームを示している。
【図6a】図6aは,単一の細胞を安定して捕捉できるジオメトリで捕捉した単一の細胞を示している。
【図6b】図6bは,複数の細胞を安定して捕捉できるジオメトリで捕捉した複数の細胞を示している。
【図7a】図7aは,単一分子をブリーチする実験における,時間関数としてカウントした分子の数を示すトレースである。
【図7b】図7bは,図7aの実験において,10秒間隔で連続するフレームを,以前のフレーム(y軸)と比較して,各フレームで減少した分子の数を示している。
【図7c】図7cは,連続するフレームにおける,図7a及び図7bの実験でカウントした分子の数の累計を示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概要すると,本発明は単一分子を高感度でカウントでき,絶対的な定量化が行えるように,バイオセンサーなどの分析装置を提供する。図1を参照すると,大まかに示される分析装置100は,例えば,検体受入チャンバーである静的ハイブリダイゼーションチャンバー104を有するマイクロ流体デバイス102に,検出領域を含む。1つ以上の結合領域,例えば親和性パッチ(affinity patches)106は,例えば抗体,DNAプローブ又はレクチンを含むように提供する。この親和性パッチに結合した単一分子などの検体要素の存在は,例えば,レーザー誘起蛍光108などの励起素子を含む検出器,及びカメラ110などの検出光学素子によって検出する。プロセッサ112で検出した各分子について,カウントを行う。各カウント後,分子のリカウントを防止する。これは,例えば,カウント時に分子を不可逆的にブリーチすることによって達成させるか,又はカメラ110で撮影した画像を時分割多重化し,すでに撮影した一連の分子画像から減算することによって達成させることができる。複数の様々な生体分子は,例えば親和性パッチを様々な結合特性で使用することにより,定量化することができる。この装置は,空間的な走査が行えるように,X軸又はXY軸方向に可動する可動ステージ(図示せず)を使用して,水平面方向に移動してもよい。
【0008】
したがって,平衡時にすべての検体が結合していなくても,静止系や固定系において検体の量を決定することが可能である。例えば,各親和性パッチ及びチャンバーの静的体積中の抗体数の情報によって,検体が検出面に結合する割合,及び平衡時又は平衡付近での量が,静的チャンバー内のサンプルの量についての情報を提供する。あるいは,表面に結合する時の各分子をカウントし,経時的に再度現れないようにこの分子を不可逆的にブリーチすること(蛍光の消失)によって,各分子は親和性パッチに結合し,カウントされ,不可逆的にブリーチされることとなり,これによりサンプル中の検体分子の絶対数が得られることになる。
【0009】
拘束静的ハイブリダイゼーション技術は,蛍光標識検体に適用することができ,又は必要に応じて検体のどんな固有の検出特性にも依存することができる。検出技術は例えば,定形し固定化した物質をハイブリダイゼーションチャンバー内に放射させる低入射角のエバネセント光に依存してもよい。この光は,結合領域の近傍で低滞留時間を有していることから,結合していない検体は,カウントに影響しないことになる。このアプローチは,わずかな体積,例えばマイクロ流体の体積を使用することにより,物質移動レジーム(mass transfer regime)において採用することができるため,検体の大部分を結合することができ,一定期間にわたって検出を行うことができ,これにより絶対定量技術を高めることになる。
【0010】
より詳細に装置の性質に着目すると,図2aには平面図,図2bには側断面図が示されている。本態様におけるこの配置は,静的ハイブリダイゼーションチャンバーであるチャンバー204が示されているが,必要に応じて動的フローチャンバーでもよい。チャンバーは,例えば直径が約6mmの方眼であり,高さが約100μmである。ここには,サンプル注入口210から供給することができる。チャンバーは,例えば厚さ1mmのスライド208,及び他の表面と固着する厚さ100μmのカバーガラス206によって閉じられ,さらに例えば厚さ4mmの軟質ポリマーのPDMS212によって間隔を空けることができる。マイクロフルイディクスを利用することによって,静的ハイブリダイゼーションチャンバー204内に検体を拘束することができる。チャンバーは,特定のあらかじめ定義した位置で固定された抗体のような親和剤と共に,ガラス又は石英カバースリップのいずれかを含む1つ以上の検出面206有する。単一細胞は,定義した座標や領域に,選択的又は受動的に(マイクロ流体デバイスやフローデバイスにおいて光学的又は流体力学的のいずれかで)捕捉してもよい。この座標や領域は,抗体パッチやその他の親和性パッチとともに共局在化してもよい。さらに,細胞(又は複数の細胞)を,溶解レーザー又は光学的又は化学的手法などの他の溶解技法といわれる,マイクロキャビテーション誘発レーザー,例えば通常,532/1064mmのナノ秒パルス光で溶解してもよい。細胞の統合性を失わせ,その中身を生理的溶液に遊離させ,本明細書に記載の装置及び方法により,情報を読み取る。
【0011】
生体サンプルに共有結合的な反応性の蛍光体を加えることによって,タンパク質などを多重標識する。その後これは,サンプルからタンパク質を区別するために,チャンバー内の検出表面上の親和性パッチ,例えば独特なパッチ内で表面と共有結合で固定化され得る抗体などと,静的ハイブリダイゼーション用のチャンバー内で,インキュベートされる。蛍光標識した検体又は本質的に検出可能な検体は結合し,個々の親和性のパッチ毎に単一分子レベルでカウントされる。1つのアプローチとして,蛍光色素や他の標識がタンパク質を標識化するために提供されているが,蛍光剤の特性又は他の検出器の特性に依存する標識のない手法を用いて達成することもできる。
【0012】
1つの態様において,現在の単一分子検出プラットフォーム108,110は,スライドの様々な領域を走査する必要性に加えて,単一分子レベルで自動調整し適正な焦点を維持するパーフェクトフォーカスシステム(PFS)を搭載したニコンTi−Eの顕微鏡が中心である。スライドの走査は,顕微鏡のZ軸の制御及びマイクロ流体デバイスを保持するXYステージの制御によって行われる。親和性パッチ106の位置があらかじめ決められているので,スライド全体を走査する必要はない。これは,単一分子の蓄積データ収集における各親和性パッチの解析を容易にする。
【0013】
Andor社製EMCCDカメラなどの高感度カメラを高い量子効率で使用することにより,蛍光標識した単一分子を容易に分析することができる。全反射顕微鏡(TIRFM)のオプティカルセクショニング特性を利用して,ハイブリダイゼーションチャンバーの検出面上で親和性パッチに結合する分子をリアルタイムにモニタリングすることができる。
【0014】
検体が低濃度であっても,本発明の装置により定量化が可能であり,例えば,9.6ナノリットル以内で固定した場合,ナノモル親和性の16 100マイクロメートル親和性パッチで,検体の90%が結合する。以下で詳細に説明するように,較正した親和性パッチ内の抗体親和性と数が変化しない平衡点の情報により,他の検体要素の分子の絶対数を事象検出数から得ることができる。親和性のパッチは,必要に応じて,抗体,ヌクレオチド,レクチン又はアプタマーを含むあらゆる適切な形を取ることができることに留意されたい。
【0015】
本態様において,静的ハイブリダイゼーションを導入しているが,つまり,検体は閉じられ,拘束された体積内にあるが,連続フローレジーム(continuous flow regime)において,検体は親和性レジーム(affinity regime)に流れ出し,結合できることが理解される。
【0016】
サンプルの希釈及び表面での最大分子濃度の計算により,単一分子を可視化することができる。さらに,単一及び多段階のフォトブリーチングは,単一分子の観察に加えて,緑色蛍光タンパク質(GFP)の蛍光間欠(点滅),つまり単一分子の可視化をサポートするすべてについて,強力に支持する。
【0017】
単一分子検出へのアプローチは,例えば,ニコン社から入手可能な,全反射(TIRF)顕微鏡装置(http://www.nikon.com/products/instruments/lineup/biological-microscopes/application/tirf2/index.htm)を使用する,図3及び図4を参照して理解することができる。検体が水性溶液中に存在することで,親和性パッチとの界面でのTIRFは,特に固定化された単一分子の検出を可能にする。カメラの露光時間によって表面に滞留する蛍光分子のみがカウントされる。
【0018】
検出器として,TIRF顕微鏡及び電子倍増型電荷結合素子(EMCCD)を使用することにより,ガラスと水性媒体の界面で全体的に内部に反射するレーザービームとして生成されるエバネッセント波を介して蛍光物質の励起を伴うことで,ガラス表面から0〜200nmの単一蛍光分子を可視化することができる。画像解析と組み合わせることで,表面に特異的に結合する分子と,表面に過渡的に結合する分子との間にはっきりとした区別をつけることができる。ブラウン運動によってTIRFの照明量を入射する蛍光分子は,およそ10^8cm2s−1である分子種の高い拡散係数によって,バックグラウンド蛍光を大幅には増加させない(したがって,信号対雑音比は低い)。TIRFの効果的な侵入深さを限定することで,バックグラウンド蛍光を最小限に抑え,単に表面に結合した分子のみを照らす。様々な光の周波数や様々なTIRF角度によって,様々な侵入深さを可能にする。
【0019】
ガラスと培養液(検体溶液)の屈折率差は,角度に応じて,どのように光を界面で屈折させ,反射させるかに影響する。臨界角を越えると,光は界面から全反射する。反射光は,反射光と同一の周波数を有する媒体中に電磁界,つまりエバネッセント場を生成する。これは,界面からの距離に応じて急激に減衰する。エバネッセント電界強度の指数関数的減衰は,カバーガラスに極めて近接(通常は<200nm)する蛍光色素分子のみを励起することができる。特徴的な距離/深さは,波長,偏光及び界面における光の入射角と屈折率の差に依存している。
【0020】
検体の親和定数に比例するマイクロ流体デバイスのチャンバーの既知の体積と,捕捉試薬の組み合わせにより,サンプル中の特定した全検体の直接的な定量化が可能になる。これは,平衡状態で表面に結合する大部分の検体に起因しており,表面に結合する割合を本質的に支配する検体に対する捕捉剤の高い親和性によって可能になる。
【0021】
図3を詳しく参照すると,一般的に低屈折率を有する結合した検体300は,高屈折率カバーガラス302との試料界面で,エバネッセント波が侵入している。侵入は,通常200nm以下である。入射光304は,306で反射し,プロテクター110で検出される。図4に示すように,TIRF顕微鏡に基づく対物レンズにおいて,TIRFに基づくプリズム又は導波管(適切,均等に)と対立するように置かれた,1つ以上の対物レンズ400は,試料カバーガラス404で結合した検体402に入射している。レーザー照射と反射が406で示されている。現在,ニコン1.49NA60倍の油浸対物レンズを使用しているが,水浸対物レンズ(油浸はステージ上のデバイスの解釈で問題を引き起こす)など,様々に変更しても単一分子を検出することができる。この構成により,高い信号対雑音比で読み取れるマイクロ流体チップの定義領域における,複数の親和性パッチを単一分子レベルで,迅速で,偏りなく読み出すことができる。
【0022】
溶液中に存在する個々の分子の総量の観点から,絶対定量化を実現する方法について説明する。溶液から抗原の主要な割合を捕捉するために,検体を最小限の体積のチャンバーでインキュベートする必要がある。以下で示す質量作用方程式を巧みに扱うことによって,100μmの単一抗体スポットを起源として,静的チャンバー内で一定濃度の抗体に結合する検体の割合を概算することができる。このようなサイズのスポットの場合,約16nmの抗体を有し,完全な配向はおよそ5×10−17モルの抗体に適合し,これは二価のため,スポットごとに活性結合部位の1.02E−16Mを与える。平均抗体の解離定数を10−9kdとして,拘束チャンバー内の抗体[B]の濃度を仮定する時,結合(AB)と非結合の割合を見積もることができる。これは,比較的低い検体レベル(例えば単一細胞で見られるような)のため,抗体濃度は,濃度の初期近似により平衡状態で多少変化することを想定している。
【0023】
【数1】

【0024】
チャンバーの体積は抗体親和性に比例し,これによりサンプルのタンパク質含有量の全体を定量化できる技術を設計可能にする。チャンバーは,高さが10μm〜50μm,直径が2〜3mmの極端な薄型であってもよい。直径が3mmで高さが10μmのチャンバーの体積は約1nlである。チャンバーの片側は,各スポットの間隔を100μmとする15 100μmのスポットによってコーティングされても良い。ウェル/チャンバーが150μmのガラスのカバースリップの上で加工されている場合,それはチップの両側に抗体を有することも可能である。
【0025】
質量作用の式と低アスペクト比のマイクロ流体チャンバーの寸法の操作によって,単一の検出面では,100μmの間隔で,直径が100μmの抗体スポットを含む。特に,バイオセンサーとして使用するために,検体の大部分が常に結合するように,チャンバーの高さを低くすることもできる。二価抗体の5×10−17モルの定量が,拘束チャンバー内の特定の検体への単一スポットに存在してもよい。スポット間は,様々なタンパク質に対する抗体をチャンバー内で行と列に間隔を空けるよりもむしろ,チャンバー内の無駄な空間を減らすために,真直ぐ1列に抗体をプリントする方が妥当である。
【0026】
ブリーチングモードの定量化において,不可逆的で複数の段階的なブリーチをカウントすることにより,1度ブリーチされた分子は再び検出されないことが確実になる。したがって,検体と平衡状態にある飽和した親和性パッチを,T1/2のような時間をかけて捕捉剤と検体とに分離させることにより,ブリーチした分子は,解離/交換し,未読の標識検体は結合することになる。
【0027】
【数2】

【0028】
これは,全ての検体が時間の経過とともに結合し,カウントされるまで,カウント及びブリーチングが繰り返される。抗体が10−7〜10−10の範囲のKd値を有している場合,上述した関係により,抗体抗原複合物の所定量の半分は解離することになる。これは平衡状態に達した時に有用であって,単に,既に結合した分子をブリーチし,所定の期間後に分子の半分を解離させるだけでよく,そして以前にカウントされていない分子をカウントするように,親和性パッチ上のスポットをリカウントする。このおかげで,多くのスポットを大規模なチャンバーで使用することができる。ここでは,それほど検体は結合しないが,潜在的な可能性として,高さが20μmで長さ及び幅が3.1mmのチャンバー(192nL)において,256の対象物を配列することができ,約20%の検体が常に結合する。1つの態様において,毎時5時間,平衡状態を達成させ,カウントし,さらにブリーチする。この場合,システム内のすべての利用可能な分子を,時間枠でカウントし,不可逆的にブリーチすることができる。溶液中の結合度と自由度の割合の計算とともに,双曲線の初期の速度論的状態(early kinetic phase)を追跡することにより,平衡点を事実上推定することができる可能性がある。解離速度定数のばらつきは,考慮することができる。
【0029】
図7a〜図7cは,本明細書に記載の反復ブリーチング法を使用して,実験で得られたいくつかのデータを示している。図7aに示される検量線は,時間をかけて単一分子をブリーチングして読み出した検体の量を定義してナノリットルのチップを用いることにより,単一分子のカウントに備えた。
【0030】
データは,マイクロ流体チャンバーに検体を導入し,30分待つことによって得られた。レーザーを照らし,連続的な検体の画像を数秒ごとに撮影した。レーザーでのブリーチングによる,連続する画像間の単一分子の各損失は,連続したフレームを減算し,単一分子の損失に関連付けられる特徴を識別する標準的な単一分子のアルゴリズムを用いて決定した。したがって,差分とブリーチングの両方を組み合わせて,それぞれの連続するフレームで観測された多数の分子を減少させた。
【0031】
実験中に減少した分子の総数は,総分子数を取得するまで,30分間以上追加した。図7a〜図7cに示されるように,結果は,5桁に及ぶ。これは本発明の利点の1つを実証しており,非常に高いダイナミックレンジを達成することができる。図7a〜図7cに示すように,カウントした分子数は,実験用チャンバーに入れた検体の分子数と等しくないが,それでも検量線を作成することができた。
【0032】
他の手段によりリカウントを防止する方法として,絶対的定量化への時間多重化アプローチが,図5a〜5cから理解することができる。A,B,Cの各画像は生のビデオデータから得られたフレームを示す。これは,抗体親和性パッチにおける単一分子の蓄積を表わし,視界は制限されている。これらのフレームは,約12分間の内の,映像の始まり,中間,末尾から得た。最初のフレームAでは,抗体パッチの自家蛍光のハローをはっきりと見ることができる。
【0033】
静止した単一分子の画像から入手可能な情報性を高めるために,低速度撮影による抗原(蛍光体):抗体の複合体の蓄積の画像を記録した。質量作用の法則の操作によって観測された反応速度(kinetics)(kobs)は,二分子反応の会合と解離の速度に関する情報を与えることができるだけでなく,単に初期の速度論的状態での反応を追跡することにより,平衡点を定義することもできる。分析は,単一分子のカウントによって,単一分子のスケールで行うことができる。抗体の濃度がKd程度になるように,体積を収縮するため,サンプルの大半は,溶液中よりも親和性パッチに結合する。
【0034】
さらに,結合反応速度(binding kinetics)を制御又は分析することで,結合反応速度を調節するようにチップの温度を制御できることが理解される。
【0035】
したがって,検体の絶対的定量化は,拘束空間で総ての検体がカウントされ,不可逆的にブリーチされるまで,蛍光標識した検体の連続的なブリーチにより,周知の比率のチャンバーから実現できる。あるいは,上記と下記で述べるように,蛍光標識検体の蓄積物をモニタリングすることによって,サンプル中の検体の絶対量をもたらし,固定した静的体積中の検体の結合反応速度を推定し,これによりサンプルの絶対的な質量を産出することができる。また,例えば低コピー数のタンパク質との結合速度を正確に推定することもできる。検出面に対する検体の蓄積に関する結合曲線を定式化するために,親和性パッチ間でタイムシェアリングを行うことができ,多数の検体の量を決定することができる。検体と親和性試薬は,タンパク質間相互作用,抗体―抗原,ハイブリダイゼーションオリゴとRNA及びレクチン―糖タンパク質などの幅広い生物剤を包含できることに留意されたい。
【0036】
上記では,親和性パッチが提案されているが,代わりに,表面全体を親和性試薬でコーティングすることができることに留意されたい。多重化アプローチにより,ユーザは,静的ハイブリダイゼーションチャンバー内に含まれる特定の親和性パッチに対する検体の質量移動によって,サンプルから複数の検体を捕捉し,定量化することができる。これは,検体に特異的な親和性試薬の少量が検出面に存在することを意味し,最終的にこの検体はいずれかの地点で表面と結合することになる。ほとんどのマイクロアレイに共通する旧来の環境検体レジーム(classical ambient analyte regime)を利用すると,親和性パッチは増え,チャンバーは大きくなるが,結合する検体は少量である。現在,マイクロ流体デバイスの検出面のあらかじめ定義された位置に親和性パッチを堆積するのに,ゲノム解から得られたマイクロアレイであるOmnigridマイクロアレイが使用されている。親和性パッチの使用は,より迅速な平衡状態を提供する。特に,制限した体積と小さなパッチを採用することで,平衡状態の急速な形成が可能になる。迅速な平衡は,順に,検体のかなりの部分がすぐに結合し,定量化がより迅速に行われることを確立する。上述したように,画像解析の1つの方法は,新しい検出事象のみをカウントするように,連続する画像を減算することにより,デバイスのダイナミックレンジの拡張を可能にする。これによりリカウントを防止し,個々の分子をもはや区別できなくなっているところで,付加速度を計算することができるようになる。
【0037】
親和性パッチを拘束する顕微鏡の視野に追加された検体をモニタリングすることにより,親和性試薬に対する検体の結合曲線を定式化することができる。これは以下に示すような方程式が適しており,拡散反応成分を組み込むように作ることもできる。したがって,静的なハイブリダイゼーションチャンバー内の検体の濃度を高い精度で見積もることができる。また,これは上記のブリーチング方法の結果と直接比較することもできる。
【0038】
【数3】

【0039】
検出面に対する検体の蓄積に関する結合曲線を定式化するように親和性パッチ間のタイムシェアリングを実現することができ,これにより多数の検体の量を決定することができる。焦点を単一分子レベル,約200nm以内のTIRFM侵入深さに維持するシステムを有する顕微鏡の使用により,チップの寸法による制限だけで,チップの検出面に沿って移動することができる。上述のように結合反応速度の外挿法に関して,カメラは親和性パッチ間を移動することができ,タイムシェアリング方式で各パッチから画像を撮影することができる。効果的に結合曲線を生成するために,限られた数の画像が必要となり,速度論的状態速度から定常状態速度に沿って10点程度必要とする。画素の重複を完全にするための,親和性パッチを再訪するステージの再現性は,親和性パッチのそれぞれの読み出し後に分子をカウントし,ブリーチングしている場合,又は前の画像から減算している場合は,必要とされない。
【0040】
本明細書に記載の手法は,あらゆる適切な検体との関係に適用できることが理解されるだろう。1つの例として,化学療法の初診癌患者からの循環腫瘍細胞をFDA承認された磁気ビーズ法で単離し,さらに200個の細胞を患者から単離する場合があり,これは臨床的に重要であり,患者の血流内を循環するがん細胞の表現型を明らかにする。運動を制御するシグナル伝達タンパク質の発現レベルと細胞の攻撃性を,明らかにする必要があるが,本発明の絶対的な定量化によって,細胞を遅らせるための正しい薬剤を選択する情報を提供することができる。
【0041】
本発明はさらに,創薬,バイオマーカーの同定,臨床検体におけるより小さな細胞の集団への研究を可能にする。独断的で関連性のない応答ユニットよりもむしろ,実際のセル当たりのタンパク質の数値を用いて,不可避的に混在した細胞集団及び特有の細胞集団による汚染を減少させる。
【0042】
さらに,応用として,単一細胞のプロテオミクス,分析診断,非増幅mRNAの定量化,酵素免疫吸着アッセイ(ELISA)に関連する酵素,さらに低コピー数のタンパク質及びタンパク質間相互作用の同定と検出のためのバイオマーカーの検出の定量化に利用できる。
【0043】
定量化に加えて,検体のかなりの部分が表面に結合しているチャンバー内の検体の速度論的分析に関するパラメータへの単一分子データのデジタル化に基づくこのような技術から,より多くのデータを得ることができる。構成の汎用性は,高解像度と量子効率のEMCCDと,マイクロ流体デバイスの機能やソースと,調整可能なデータ収集及び解析プログラムによって,実験室での顕微鏡アプローチを促進する。
【0044】
それゆえ,この技術の応用は,単一分子レベルへのプロテオミクス技術の進歩を可能にし,サンプル中の全検体の絶対的定量化を可能にする。現在の技術は検体の発現レベルに関連しており,例えばタンパク質であっても,mRNAであっても,他の検体の発現レベルは細胞ごとにほぼ一貫性がある。もう一つのよく使用される方法論は,通常のサンプルとは違った標識を1つのサンプルに付し,アレイ上で両方をインキュベートすることであり,これは検体の捕捉剤の様々な親和性がデータに示されていないという欠点を有する。
【0045】
本明細書に記載された技術は,幹細胞のような独特な起源の細胞から単一細胞(mRNAとタンパク質レベルの両方)の分析を実行するのに十分な感度を有している。ここで,表現形態論は,低コピーレベルの転写産物や数が限られている生体試料に依存しており,この技術自体を当該技術分野の現在の状態で十分に調査することはできない。本発明は,細胞内の特有の事象や予期しえない事象を明らかにする機能がある。またこの技術は,細胞の検体のスナップショットを生成する機能があり,加えて細胞内からのタンパク質などのノイズと変動性により,タンパク質プロファイルを決定する能力が得られる。
【0046】
単一細胞に基づく検体の量を分析する能力の最大の利点は,手操作,分類,捕捉,および単一細胞を溶解することができるマイクロ流体デバイスに測定システムを組み込むことにより得ることができる。図6aは,単一細胞を安定して捕捉できるジオメトリで捕捉した単一細胞を示している。捕捉した細胞は,デバイスに高流量ある時でさえも,安定的に含むまれ得る。図6bは,複数の細胞を安定して捕捉できるジオメトリで捕捉した複数の細胞を示している。
【0047】
血液サンプルや針生検などの臨床サンプルは,一部分のみが分析対象となる様々な細胞型を一般的に含む。対象となる分集団の例は,癌細胞と幹細胞を含む。分類段階では,各細胞のパラメータを測定し,物理的に集団を分離することにより,対象の細胞を選択することができる。1つの可能なパラメータの測定は,蛍光標識抗体を用いて染色することによって得ることができる。対象となる分集団は,流体力学的フローの切り換えに基づく圧力,光ピンセットの使用,又は誘電泳動若しくは他の適当な力によって分離してもよい。このような技術は,マイクロ流体フロー血球計算と細胞選別の分野でよく知られている。しかし今までそれらは,分類した個体群のタンパク質,RNA又は他の分子を単一細胞レベルで分析できる段階に統合されていない。本態様は,親和性パッチの近傍で対象の1つ以上の細胞を捕捉する可能性を提供する。捕捉した細胞は,分離段階で同定及び分離される細胞であってもよい。細胞捕捉のメカニズムは,フローから細胞をフィルタリングできるマイクロ流体デバイスを含む,周知の物理的障壁であってもよい。
【0048】
本発明の遊離方法により細胞の内容物を分析するために,その内容物が必要となる。細胞は,特定した区画のみ又は複数の区画を遊離することによって,完全に又はある程度溶解していてもよい。例えば,核が変化せずそのままの間に,細胞質ゾルの成分が遊離できる程度に溶解していてもよい。音響的,化学的,機械的,電気的及び光学的を含む細胞を溶解する方法が多く存在する。高焦点レーザーパルス又は高電圧パルスを使用するような超高速溶解技術は,翻訳後修飾の研究などの高い時間分解能を必要とする用途に適している。
【0049】
マイクロ流体デバイスに統合されたこれらの追加のステージの特定の態様について説明する。マイクロ流体デバイスは,ソフトリソグラフィーによってポリジメチルシロキサンで製造し,全反射顕微鏡を容易にするガラスのカバースリップで封止する。光励起の導入と蛍光体の検出を容易にするためにニコンのTi−E倒立顕微鏡上にデバイスを置く。
【0050】
細胞のサンプル,蛍光標識抗体に結合した亜集団は,KDS200シリンジポンプによって駆動するフローでデバイスに導入される。細胞は,検出体積内を移送する際に,流体力学的に焦点が当てられる。検出体積内では,レーザーが標識抗体の蛍光体を励起する。蛍光体は光電子増倍管によって検出され,電磁スイッチの開放をトリガーするのに使用する。スイッチが閉じているとき,細胞は廃棄チャネルに流れる。スイッチの開放により,対象の細胞は,細胞が捕捉され,溶解され,分析されるチップの領域に流入することができる。
【0051】
分類ステージにより選択した複数の細胞は,チャンバーに流入し,チャンバーにおいて,流れの下に存在する細胞を捕捉することを目的とする固定機能(solid feature)を使用することにより,マイクロ流体デバイス内で機械的にそれらを捕捉する。続いて光学的に溶解し,単一分子を読み出す。ジオメトリ機能(feature geometry)は,図6aに示すように,単一細胞を捕捉することができるが,図6bに示すように,複数の細胞を捕捉するように変更されてもよい。流体の送達を停止し,細胞(複数可)と細胞溶解物の封じ込めを阻害する可能性のある不要な圧力駆動流を防ぐために,入口と出口を可逆的にブロックする。細胞は選択的に光学的溶解により溶解する。これは,40×,0.90NAの対物レンズを経由して,6ns,λ=532nm,QスイッチNd:YAGレーザーパルスを細胞の上部〜10μmの位置に送ることにより達成する。レーザーは,ローカライズしたプラズマの形成が起こる小さなスポットに焦点を当てる。これは衝撃波を発生させ,続いて拡張により細胞を破壊するキャビテーション気泡が発生する。通常この方法は,パルスのエネルギーに比例した半径の範囲内の多くの細胞を完全に破壊するために使用される。細胞膜は,低いパルスエネルギーで穴をあけてもよい。細胞質成分をチャンバーに注ぎ,親和性パッチに結合する特定のタンパク質の定量化,単一分子化,TIRF読み出しによって,分析する。
【0052】
上記態様では,以前に本明細書に記載した方法によりタンパク質レベルを測定することができる。
【0053】
上記態様に係る,生物学的サンプルからのmRNA分析及びタンパク質分析の両方にとってさらに重要なことは,細胞集団のアンサンブル平均が存在しないことであり,これにより細胞ニッチ内の離散事象が不明瞭になる。低コピー数の転写産物におけるこのような多重アンサンブルフリー測定は,現在の最先端技術では不可能である。
【0054】
したがって,この技術の潜在的な用途は,分子生物学の分野や製薬業界全体に広まっている。このような例の1つとして,研究者が,今まで入手されていないデータに関する,絶対的なレベルでの,低コピー数のmRNAの転写産物や生物源からのタンパク質に関する何かの情報を得たい場合がある。これは,細胞機能と運命を決定する低コピー数での短寿命又は過渡種となる細胞のシグナル伝達カスケードのような一般的な生物学的システムと関するものである。この技術は,外因性の刺激や細胞の状態と相関させることができるタンパク質又はmRNAプロファイルの“スナップショット”の制作を可能にする。
【0055】
本明細書に記載の構成の結果として,デジタル化された単一分子の測定,単一分子をカウントする絶対的定量化,絶対的タンパク質発現のプロファイル,高感度と,低コピー数のタンパク質及び低濃度のサンプルの使用だけでなく高濃度のサンプルの使用を含む,複数の利点が実現する。データは,視覚的に表すことができ,結合事象を識別する,特に結合した検体とランダムに拡散する検体が識別される。検出領域での検体のパラメータを決定するための既知のアプローチとは異なり,本態様は,決定ステップの前に検体の乾燥を必要としない。代わりに,検体が,液相の物質との境界に位置しているときに,検出領域における結合領域で結合した検体要素の決定と検出を行うことができる。したがって,より柔軟でユーザーフレンドリーなアプローチを提供する。
【0056】
当業者には明らかなように,本明細書に記載のアプローチは,適切に対立又は交換させることができ,ソフトウェア又はハードウェアに実装された,他の適切なカウント方法論を実行できることが理解されるであろう。
【0057】
上記態様は,絶対的な定量化(例えば抵抗装置からバックグラウンド変動まで)に達する時の,単一分子の検出,自動校正やさらなるロバスト性について主に記載しているが,他の適切な検体の要素に適応できることが理解されるであろう。
【0058】
さらに,他の適切な,マイクロフルイディクスデバイス,親和性パッチや検出カウントメカニズムでも実行できることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの検体結合領域を有する検出領域中の検体に関して検体のパラメータを決定する方法であって,
前記結合領域で結合した検体要素の存在を検出するステップと,
検体要素数を増加又は減少させるステップと,
前記要素のリカウントを防止するステップとを含む,
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって,前記検体要素は,単一分子を含む,方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の方法であって,前記検体要素は,タンパク質,糖タンパク質,タンパク質の後翻訳修飾体,DNA及びmRNAといった生体分子を含む,方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法であって,前記検出領域は,拘束領域を含む,方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって,前記検出領域は,マイクロ流体デバイス上に提供される,方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法であって,前記検体結合領域は,親和性パッチを含む,方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって,複数の親和性パッチが提供され,前記検体要素の存在はそれぞれの親和性パッチで検出される,方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法であって,前記検体は,細胞のタンパク質を含む,方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって,前記細胞を前記検出領域で捕捉し,前記細胞のタンパク質を遊離するために光学的又は化学的に溶解する,方法。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法であって,前記検体のパラメータは,検出した前記検体要素の数を含む,方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法であって,検出した前記検体要素をブリーチングすることによって,前記リカウントが防止される,方法。
【請求項12】
請求項1から請求項10のいずれかに記載の方法であって,画像比較によって前記リカウントが防止される,方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって,前記画像比較のステップは,連続画像を減算するステップを含む,方法。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法であって,前記検体要素の蛍光体が検出される,方法。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法であって,前記検体は,静的ハイブリダイゼーション又は連続フローレジームのいずれかの結合領域に存在する,方法。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法であって,前記検体は,前記結合領域で液相の物質に結合している,方法。
【請求項17】
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載した方法を含み,経時的に結合速度をモニタリングするステップをさらに含む,検体の濃度を外挿法によって推定する方法。
【請求項18】
少なくとも1つの備え付けの検体結合領域を有する検体のチャンバーを含む,分析デバイス。
【請求項19】
請求項18に記載のデバイスであって,前記検体結合領域は,親和性パッチを含む,デバイス。
【請求項20】
請求項18又は請求項19に記載のデバイスであって,マイクロ流体デバイスをさらに含む,デバイス。
【請求項21】
請求項18から請求項20のいずれか1項に記載のデバイスを含み,前記結合領域で結合した検体要素の存在を検出するように配置した検出器をさらに含む,分析装置。
【請求項22】
請求項21に記載の分析装置であって,検体要素の存在を示す前記検出器からの信号を受信し,前記信号の受信でカウントした検体要素を増加させるように配置されるプロセッサをさらに含む,装置。
【請求項23】
請求項22に記載の分析装置であって,前記プロセッサは,画像比較ステップによって前記要素のリカウントを防ぐように配置される,装置。
【請求項24】
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法を実施するための命令を含む,コンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項24のコンピュータプログラムを格納する,コンピュータ読取可能媒体。
【請求項26】
生物学的血清からバイオマーカーを検出するステップを含み,
単一細胞プロテオミクスを実行するか,又は
タンパク質間相互作用をモニタリングするステップを含み,
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法を含む,
非増幅mRNAの単一分子をカウントする方法。
【請求項27】
実質的に本明細書に記載される方法,デバイス又は装置。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図7c】
image rotate


【公表番号】特表2012−533077(P2012−533077A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520088(P2012−520088)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001343
【国際公開番号】WO2011/007138
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(511312481)インペリアル イノベ−ションズ リミテッド (4)