検査装置及びこの検査装置を備えた搬送システム
【課題】適切な位置で被検査物を加振できるようにし、被検査物から発生される振動や音波を確実に検知することが可能となる検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置29は、支持台22で被検査物Wを支持し、加振装置20で被検査物Wを振動させるものである。そして、検査装置29は、被検査物Wの振動により発生した信号(音波、音圧及び振動等を)信号検出装置21で検知し、信号検出装置21の検知信号に基づいて解析装置23が被検査物Wを検査するものである。支持台22は昇降装置22bを備えており、検査装置29は昇降装置22bによって被検査物Wと加振装置20との間の距離を制御する。
【解決手段】検査装置29は、支持台22で被検査物Wを支持し、加振装置20で被検査物Wを振動させるものである。そして、検査装置29は、被検査物Wの振動により発生した信号(音波、音圧及び振動等を)信号検出装置21で検知し、信号検出装置21の検知信号に基づいて解析装置23が被検査物Wを検査するものである。支持台22は昇降装置22bを備えており、検査装置29は昇降装置22bによって被検査物Wと加振装置20との間の距離を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の検査を行う検査装置及びこの検査装置を備えた搬送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、被検査物の不良検査を行う検査装置として、加振装置によって被検査物(測定対象物)に振動を与え、発生した音圧や振動を解析することにより被検査物の欠陥を検知するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、検査装置を備えた従来の搬送システムとしては、搬送装置であるコンベアを停止させ、コンベアを上下方向に移動させることによって被検査物を検査位置に搬送するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−333436号公報(要約、図1)
【特許文献2】特開平6−160533号公報(段落0004、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置(例えば特許文献1)は、被検査物の支持手段や加振装置の高さが常に一定の状態で、被検査物の検査が行われている。このため、従来の検査装置は、被検査物の支持手段や加振装置の高さによっては被検査物を適切に加振できないことがあり、被検査物を適切に検査できるだけの特徴量をもつ音圧や振動を得ることができないという課題があった。
【0006】
また、被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置(例えば特許文献1参照)を従来の搬送システム(例えば特許文献2参照)に採用した場合、以下のような課題があった。
【0007】
つまり、被検査物に振動を与えて検査を行う場合、加振装置と支持手段によって被検査物を挟み込み、加振装置によって被検査物を振動させる必要がある。このため、従来の搬送システムにおいては、被検査物と一体となって上下に移動するコンベアが支持手段となるため、加振装置と支持手段であるコンベアによって被検査物を挟み込むこととなる。したがって、被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置を従来の搬送システムに採用した場合、加振装置によって被検査物を振動させても、被検査物から発生する振動や音波がコンベアに吸収されて信号が減衰してしまうという課題があった。また、被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置を従来の搬送システムに採用した場合、被検査物の加振に伴ってコンベアも加振され、コンベアから発生する振動や音波をノイズとして信号検出装置が拾ってしまい、被検査物を精度良く検査することができないという課題もあった。
【0008】
本発明は、上述のような課題のうちの少なくとも1つを解決するためになされたものであり、被検査物から発生する振動や音波等をより確実に検知することができ、被検査物の検査精度を向上させることが可能な検査装置及びこの検査装置を備えた搬送システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る検査装置は、被検査物を支持する支持装置と、支持装置の上方に設けられ、被検査物を振動させる加振装置と、被検査物の振動により発生した音波、音圧及び振動のうちの少なくとも1つを検知する信号検出装置と、信号検出装置の検知信号を解析し、被検査物を検査する解析装置と、支持装置及び加振装置のうちの少なくとも1つを昇降させる第1の昇降装置と、解析装置で解析された結果に基づいて第1の昇降装置を制御し、支持装置と加振装置との間の距離を調整する制御装置と、を備えたものである。
【0010】
また、本発明に係る搬送システムは、上記の検査装置と、被検査物を検査装置に搬送し、検査装置で検査された被検査物を次工程へ搬送する搬送装置と、を備え、検査装置の支持装置は少なくとも3つの凸部により被検査物を支持し、検査装置の昇降装置は少なくとも支持装置を昇降させ、制御装置は、支持装置を所定高さ上昇させた後、支持装置と加振装置との間の距離を調整するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る検査装置においては、制御装置は、解析装置で解析された結果に基づいて第1の昇降装置を制御し、支持装置と加振装置との間の距離を調整する。このため、本発明に係る検査装置は、加振装置と被検査物との距離を好適な状態にして、被検査物を加振することができる。したがって、本発明に係る検査装置は、被検査物を確実に振動させることができるので、被検査物から発生する音波、音圧及び振動等をより確実に検知することができ、被検査物の検査精度を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る搬送システムにおいては、支持装置と加振装置との間の距離を調整する前に、支持装置を所定高さ上昇させる。つまり、本発明に係る搬送システムは、被検査物を検査する前に被検査物を持ち上げ、被検査物と搬送装置を非接触状態にすることができる。また、本発明に係る搬送システムにおいては、検査装置の支持装置は少なくとも3つの凸部により被検査物を支持している。このため、本発明に係る搬送システムは、被検査物から発生する音波、音圧及び振動等がコンベア等の搬送装置に吸収されることを防止できる。また、搬送装置の振動等を検出装置が検出してしまうことも防止できる。したがって、本発明に係る搬送システムは、被検査物から発生する音波、音圧及び振動等をより確実に検知することができ、被検査物の検査精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る検査装置を備えた搬送システムの上流部分を側方から示した概念図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る検査装置が備えた支持台を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図5】図4に続く、本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図9】図8に続く、本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係る搬送システムの別の一例を上方から示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。図2は、この搬送システムの上流部分(より詳しくは、検査装置よりも上流側の部分)を側方から示した概念図である。また、図3は、この検査装置が備えた支持台を示す概略斜視図である。以下、これら図1〜図3を用いて、本実施の形態1に係る検査装置29及びこの検査装置29を備えた搬送システム1について説明する。
【0015】
搬送システム1は、搬送装置10と、検査装置29と、分別装置30と、不良判定品回収所31と、判定不可品回収所32とを備えている。
【0016】
搬送装置10は、水平方向に並行して走る1組のコンベア11を備えている。この搬送装置10は、上流側の前工程等から検査装置29へ被検査物Wを搬送するものである。また、搬送装置10は、被検査物Wの検査終了後、検査装置29から下流側の次工程等へ被検査物Wを搬送するものである。
【0017】
なお、本実施の形態1では、搬送装置10をコンベア11で構成したが、搬送装置10の構成はこれに限定されるものではない。例えば、搬送装置10を、把持アームで被検査物Wを接触保持して搬送する構成や、ベルヌーイチャック方式の非接触保持アーム等で被検査物Wを接触保持して搬送する構成にしてもよい。
【0018】
このような搬送装置10の途中には、被検査物Wを検査する検査装置29が設けられている。この検査装置29は、加振装置20と、信号検出装置21と、解析装置23と、支持台22と、位置検知センサー22aとを備えている。
【0019】
加振装置20は、被検査物Wに振動を与えて被検査物Wから音波や音圧、振動を発生させるものである。本実施の形態1では、加振装置20として、音波や超音波による放射圧により非接触で被検査物Wを振動させる方法を採用している。なお、本実施の形態1に係る加振装置20は、このような方式のものに限定されるものではなく、例えば、圧電素子による振動や打検用の棒や板による打撃を被検査物Wに直接あてて振動させる方法や、加振装置20表面からエアー等の流体を直接または非接触により放出する方法等、任意の方法を採用できる。また、本実施の形態1では、加振装置20のON・OFF等を解析装置23で制御している。しかしながら、これに限らず、加振装置20の制御装置と解析装置23を別体で構成しても勿論よい。なお、本実施の形態1では、部品点数を削減することができ、信号の授受も容易となるため、これらを一体で形成している。
【0020】
信号検出装置21は、被検査物Wから発生した音波、音圧及び振動のうちの少なくとも1つを検出するものである。本実施の形態1では、信号検出装置21は、並行して走る1組のコンベア11の間から被検査物Wの音波、音圧及び振動等を検出できるように配置されている。つまり、信号検出装置21は、平面視(図1)においてコンベア11の間となる位置に設けられている。
【0021】
支持台22は、検査時に被検査物Wを載せ、所定の高さに上昇させる昇降機能を持つものである。本実施の形態1では、支持台22は、被検査物Wの四隅を支持できるように、平面視においてコンベア11の外側となる位置に4つ配置されている。これら各支持台22は、昇降装置22bと、土台22dと、脚22cと、接触部22eとを備えている。昇降装置22bは、可動部を上下方向に移動させる直動アクチュエーターである。なお、昇降装置22bの構成は、特に限定されるものではない。例えば、回動自在に設けられたネジ部、該ネジ部を駆動するモーター等の駆動源、及び該ネジ部に螺合したナット部で昇降装置22bを構成し、ネジ部を回動させることにより可動部であるナットを昇降させてもよい。
【0022】
昇降装置22bの可動部には、土台22dが設けられている。昇降装置22bを制御することにより、土台22dを昇降させることができる。この土台22dの上部には、例えばコイルバネである脚22cが設けられている。そして、脚22cの上部には、上部がドーム形状に形成された接触部22eが設けられている。接触部22eは、被検査物Wを接触する部材であり、衝撃吸収材で形成されている。
【0023】
つまり、昇降装置22bを制御して土台22dを上昇させることにより、コンベア11の上面(搬送面)よりも下方に配置されている接触部22eが土台22d及び脚22cとともに上昇することとなる。これにより、接触部22eが被検査物Wの下面に当接して、コンベア11によって支持台22の上方まで運ばれた被検査物Wを持ち上げ、コンベア11と被検査物Wを非接触状態とすることができる。そして、昇降装置22bを制御して被検査物Wをさらに持ち上げることにより、被検査物Wを検査位置24(加振された被検査物Wが発生する振動や音波、音圧を検出するのに最適な高さ)に配置することができる。
ここで、土台22d、脚22c及び接触部22eの集合体が、本発明における支持装置に相当する。また、昇降装置22bが、本発明における第1の昇降装置に相当する。また、接触部22eが、本発明における凸部に相当する。
【0024】
なお、本実施の形態1で示した支持台22の構成は、あくまでも一例である。例えば、接触部22eの上部形状は、ドーム形状に限らず、被検査物Wとの接触範囲が小さい形状であればよい。また、接触部22eの上部形状は、被検査物W及び接触部22eが傷つきにくい形状であればよい。つまり、接触部22eの上部形状は、直方体形状や円錐形状等であってもよい。接触部22eの材料については、ゴム、ゼラチン、エラストマー、プラスチック、ゲル、繊維、タンパク質等の弾性体を用いてもよい。例えば、シリコン、スチレンブタジエン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンストラマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール樹脂等の重合体や、その組合せなどが挙げられる。また例えば、脚22cは、コイルバネに限らず、ゴム等の弾力性がありバネのような働きをする材料で形成すればよい。つまり、接触部22eが被検査物Wと接触した際の衝撃を吸収できる材料で脚22cを形成すればよい。また、支持台22の数も任意であり、少なくとも3つの支持台22が設けられていれば、被検査物Wを支持することができる。また、検査位置24の高さ(換言すると、支持台22が被検査物Wを上昇させる高さ)も特に限定するものではない。被検査物Wを検査する際に、被検査物Wが発生する音波、音圧及び振動等の信号以外の雑音を信号検出装置21が検出しない高さであればよい。このとき、信号検出装置21の上方や周囲に、被検査物Wが発生する音波、音圧及び振動等を妨げる障害物がないようにすることが好ましい。
【0025】
解析装置23は、信号検出装置21で検出された信号を解析し、被検査物Wの良否を検査するものである。本実施の形態1では、解析装置23は、上述の昇降装置22bの制御装置としても機能している。換言すると、解析装置23と昇降装置22bの制御装置は一体で形成されている。なお、これらを別体で構成しても勿論よい。本実施の形態1では、部品点数を削減することができ、信号の授受も容易となるため、これらを一体で形成している。この解析装置23は、例えばマイクロコンピュータで構成され、CPU、RAM及びROM等を備えており、ROMには制御プログラム及び後述のフローチャートに対応した搬送制御プログラム等が記憶されている。
【0026】
位置検知センサー22aは、被検査物Wが支持台22の上部に配置されたことを検知するものである。本実施の形態1においては、位置検知センサー22aは、支持台22の接触部22eの内部に設けられている。接触部22eには、位置検知センサー22aから接触部22eの上部にかけて貫通した孔が形成されており、位置検知センサー22aはこの孔を介して被検査物Wを検知している。
【0027】
本実施の形態1においては、位置検知センサー22aが被検査物Wを検知すると、位置検知センサー22aからの信号を受け取った図示しないコントローラーが直ちにコンベア11を停止させる。このとき、上述のように位置検知センサー22aを設けることにより、搬送されてきた被検査物Wを支持台22の上方に正確に停止させることができる。
【0028】
なお、本実施の形態1では位置検知センサー22aを支持台22に内蔵させているが、支持台22の外部に位置検知センサー22aを設け、支持台22とは別の位置から被検査物Wを検知してもよい。このように位置検知センサー22aを設けても、搬送されてきた被検査物Wを支持台22の上方に停止させることができる。また、本実施の形態1では、解析装置23とは別にコンベア11のコントローラーを設けているが、昇降装置22bの制御装置と同様に、このコントローラーを解析装置23や昇降装置22bの制御装置と一体形成しても勿論よい。
【0029】
分別装置30は、上述した検査装置29よりも下流側に設けられている。この分別装置30は、コンベア11によって搬送された検査後の被検査物Wを検査装置29の検査結果に応じて分別するものである。詳細は後述するが、本実施の形態1に係る検査装置29の検査結果は、良品Wa、不良品Wb、または判定不可品Wcとなる。このため、本実施の形態1に係る分別装置30は、被検査物Wを、良品Wa、不良品Wb、または判定不可品Wcに分別する。
【0030】
より詳しくは、分別装置30はコンベア11上の不良品Wbを把持して持ち上げる把持アームを備えており、分別装置30の制御部(図示せず)は、当該把持アームを制御して、コンベア11上の不良品Wbを不良判定品回収所31へ搬送する。また、分別装置30はコンベア11上の判定不可品Wcを把持して持ち上げる把持アームも備えており、分別装置30の制御部(図示せず)は、当該把持アームを制御して、コンベア11上の判定不可品Wcを判定不可品回収所32へ搬送する。そして、良品Waのみが、そのままコンベア11によって搬送され、次工程に送られることとなる。なお、分別装置30による不良品Wbや判定不可品Wcの搬送方法は、接触保持する把持アームを用いたものに限らず、例えば、吸着式のロボットハンドを用いた搬送方法や、ベルヌーイチャック方式による非接触保持アームを用いた搬送方法を採用することができる。また、分別装置30による不良品Wbや判定不可品Wcの搬送方法は、コンベア11上からこれらを一端持ち上げて搬送する方法に限らず、不良品Wbや判定不可品Wcを水平方向にコンベア11上から押し出す方法を採用することも可能である。
【0031】
[検査手順の説明]
続いて、本実施の形態1に係る搬送システム1の検査手順について説明する。
図4及び図5は、本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。また、図6は、本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。なお、図4及び図5は、搬送システム1を側方から示した図となっている。
以下、これら図4〜図6を参照して、本実施の形態1に係る搬送システム1の検査手順について説明する。なお、以下で示す検査手順は、ある1つの被検査物Wをコンベア11で検査装置29へ搬送し、検査装置29で検査後のこの被検査物Wが分別装置30を通過するまでの流れを示している。
【0032】
まず、検査工程が開始されると、図4(a)に示すように、コントローラーは、コンベア11により、被検査物Wを検査装置29へ向かって搬送する。そして、コントローラーは、検査装置29の位置検知センサー22aが被検査物Wを検知するまで、被検査物Wをコンベア11で搬送させる。位置検知センサー22aが支持台22上に被検査物Wが到着したことを検知すると、コントローラーは、位置検知センサー22aから信号を受信し、コンベア11を停止させる(S1)。
【0033】
図4(b)に示すように、被検査物Wが支持台22上に配置されたところで、解析装置23は、各支持台22の昇降装置22bを制御して、各支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eを上昇させる。そして、解析装置23は、被検査物Wを予め設定された検査位置24まで上昇させる(S2a)。
【0034】
被検査物Wを予め設定された検査位置24に配置すると、解析装置23は、加振装置20の出力をONにし、被検査物Wを振動させる(S3)。すると、搬送システム1(より詳しくは、検査装置29)は、図5(c)に示す状態となる。なお、本実施の形態1では、被検査物Wが検査位置24に搬送されてから加振装置20の出力をONにしているが、被検査物Wが検査位置24に搬送される前から加振装置20の出力をONの状態にしておき、被検査物Wが加振された状態で検査位置24に搬送する方法をとってもよい。
【0035】
ステップS3の後、解析装置23は、信号検出装置21によって得た検出信号が、良品、不良品の判定に適した信号であるかを判別する(S4)。信号が良品、不良品の判定に適切な信号であれば、解析装置23において被検査物Wが良品であるかどうかの検査が行われ、終了次第、次の工程へと移行する(S5)。なお、解析装置23は、解析装置23に予め記憶されている所定の信号と、信号検出装置21から得られた信号とを比較して、信号検出装置21から得られた信号が適切な信号か否かを判別する。
【0036】
ステップS4において良品、不良品の判定に適切な信号が得られない場合、解析装置23は、ステップS7において被検査物Wの高さ(つまり、支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eの高さ)を微調整し、再び被検査物Wの検査を試みることとなる。ここで、本実施の形態1では、1つの被検査物Wの検査にかけられる最大時間である制限時間、又は被検査物Wの高さを微調整ができる最大回数である制限回数が、例えば解析装置23に予め記憶されている。このため、ステップS4において良品、不良品の判定に適切な信号が得られない場合、解析装置23は、ステップS7に進む前に、制限時間または制限回数以内であるか否かを判断する(S6)。
【0037】
ステップS6において、制限時間以内であると判断した場合や、制限回数以内であると判断した場合、解析装置23は、昇降装置22bを制御して、被検査物Wの高さ(つまり、支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eの高さ)を上下方向に微調整し(S7)、再度良品、不良品の判定に適切な信号であるかを判断する(S4)。
【0038】
ステップS5において被検査物Wが良品であるかどうかの検査をした後、解析装置23はステップS8bへ進む。ステップS6において制限時間を超えていると判断した場合や、制限回数を超えていると判断した場合も、解析装置23は、同様にステップS8bへ進む。
そして、ステップS8bにおいて、解析装置23は、図5(d)に示すように、昇降装置22bを制御して接触部22eを降下させて、被検査物Wを検査位置24からコンベア11上へと戻す(S8b)。このとき、被検査物Wが傷ついたり破損したりしない程度の降下速度にして、丁寧に下ろすようにする。被検査物Wがコンベア11上に戻されると、コントローラーは再びコンベア11を動作させ、被検査物Wを分別位置へと搬送させる(S9a)。
【0039】
被検査物Wが分別位置に搬送されると、分別装置30の制御部は、ステップS5,6で示した解析装置23の検査結果に基づき、搬送されてきた被検査物Wが良品Waであるか否かを判断する(S10)。被検査物Wが良品Waの場合、分別装置30の制御部は、良品Waを良品搬送順路に搬送する(S11)。なお、本実施の形態1の場合、良品Waが送られる次工程はコンベア11の下流側となっている。このため、分別装置30の制御部は、コンベア11から良品Waを取り除かず、そのままコンベア11の下流側へ搬送させている。
【0040】
ステップS10において被検査物Wが良品Waでなかった場合、分別装置30の制御部は、ステップS5,6で示した解析装置23の検査結果に基づき、当該被検査物Wが不良品Wbであるか否かを判断する(S12)。被検査物Wが不良品Wbの場合、図5(e)に示すように、分別装置30の制御部は、把持アームによって不良品Wbを把持して浮上させ、コンベア11から不良判定品回収所31へ不良品Wbを搬送する(S13)。一方、被検査物Wが不良品Wbでない場合(つまり、被検査物Wが判定不可品Wcの場合)、分別装置30の制御部は、把持アームによって判定不可品Wcを把持して浮上させ、コンベア11から判定不可品回収所32へ判定不可品Wcを搬送する(S14)。
【0041】
以上、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、解析装置23で解析された結果に基づいて昇降装置22bを制御し、被検査物Wと加振装置20との間の距離(つまり、支持台22の接触部22eと加振装置20との間の距離)を調整している。このため、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、被検査物Wと加振装置20との距離を好適な状態にして被検査物Wを加振することができるので、被検査物Wを確実に振動させることができる。
【0042】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、解析装置23が、昇降装置22bの制御装置としても機能している。このため、部品点数を削減することができ、信号の授受も容易となる。したがって、装置の小型化、設置位置の省スペース化、外部電源からの電力供給量と配線の削減、及びメンテナンスの簡略化を図ることができる。また、信号授受のエラー数低減、制御精度や、制御速度の向上及び安定を見込むことができる。
【0043】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、支持台22の接触部22eで被検査物Wを4点支持し、被検査物Wを振動させている。つまり、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、被検査物Wとコンベア11とを非接触状態にして、被検査物Wを振動させることができる。このため、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、被検査物Wから発生する音波、音圧及び振動等がコンベア11に吸収されることを防止できる。また、加振装置20が被検査物Wを振動させる際にコンベア11も振動してしまうことを防止でき、よって、信号検出装置21がコンベア11の当該振動(又は当該振動に相当する音波や音圧)を検出してしまうことも防止できる。
【0044】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、支持台22の接触部22eを衝撃緩衝材で形成し、これら接触部22eをバネで構成された脚22cで支持している。このため、接触部22eが被検査物Wを支持する際、被検査物Wの損傷を防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、信号検出装置21が良品、不良品の判定に適切な信号を検出できなかった場合、被検査物Wの高さを再調整し、被検査物Wを再検査している。このため、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、より高精度に被検査物Wの良否判定を行うことができる。
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、検査時間が制限時間を超えた場合や、検査回数が制限回数を超えた場合、被検査物Wの再検査を行わなず、被検査物Wを判定不可品Wcとしている。このため、被検査物Wの再検査が繰り返されることによって生じる処理能力の低下を防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、非接触で被検査物Wを振動させる加振装置20を採用している。このため、加振装置20が被検査物Wを加振する際、被検査物Wが損傷することを防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、支持台22の接触部22eの内部に位置検知センサー22aを設けている。このため、コンベア11によって搬送されてきた被検査物Wを支持台22の上方に正確に停止させることができる。
【0048】
また、本実施の形態1に係る搬送システム1は、検査装置29の検査結果に基づいて被検査物Wを分別する分別装置30を備えている。このため、本実施の形態1に係る搬送システム1は、被検査物Wの品質状態に応じた管理を容易にすることができる。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1で示した検査装置29に以下の構成を追加することにより、被検査物Wの検査精度をより向上させることが可能となる。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0050】
図7は、本発明の実施の形態2に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。
図7に示すように、本実施の形態2に係る検査装置29は、実施の形態1で示した検査装置29(図1参照)の構成に加え、支持台22を水平移動させる移動装置25が設けられている。つまり、移動装置25は、可動部を水平方向に移動させる直動アクチュエーターであり、支持台22が可動部に設けられている。この移動装置25は、制御装置26で制御されている。ここで、移動装置25の構成は、特に限定されるものではない。例えば、回動自在に設けられたネジ部、該ネジ部を駆動するモーター等の駆動源、及び該ネジ部に螺合したナット部で移動装置25を構成し、ネジ部を回動させることにより可動部であるナットを水平移動させてもよい。また、制御装置26を、加振装置20の制御装置と同様に、解析装置23と一体で形成しても勿論よい。
なお、図7及び後述する図8,図9では、搬送システム1及び検査装置29の理解を容易にするため、移動装置25は可動部のみを表示している。
【0051】
また、コンベア11の構成も、実施の形態1と本実施の形態2では異なっている。詳しくは、実施の形態1に係るコンベア11は、検査装置29の上流側から下流側まで連なった構成となっていた。一方、本実施の形態1に係るコンベア11は、検査装置29の上流側に設けられたコンベア11aと、検査装置29の下流側に設けられたコンベア11bとで構成されている。
【0052】
すなわち、実施の形態1に係る搬送システム1は、検査前の被検査物Wをコンベア11によって加振装置20の真下まで搬送させていた。一方、本実施の形態2に係る搬送システム1は、コンベア11aによって搬送されてきた検査前の被検査物Wを、移動装置25によってコンベア11aの下流部まで移動した支持台22で受け取る構成となっている。そして、移動装置25を移動させ、検査前の被検査物Wを加振装置20の真下まで搬送する構成となっている。また、本実施の形態2に係る搬送システム1は、被検査物Wを検査した後、当該被検査物Wを移動装置25によって、検査装置29の下流側に設けられたコンベア11bに受け渡す構成となっている。なお、本実施の形態2では、コンベア11aで搬送されてきた被検査物Wが検査装置29への受け渡し前に落下することを防止するため、コンベア11aの下流端に落下防止装置12を設けている。
【0053】
[検査手順の説明]
続いて、本実施の形態2に係る搬送システム1の検査手順について説明する。
図8及び図9は、本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。また、図10は、本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。なお、図8及び図9は、搬送システム1を側方から示した図となっている。また、図10は、実施の形態1の図6で示したフローチャートに対して、ステップS2bとステップS8aを追加し、ステップS9aをステップS9bに変更したものである。
以下、これら図8〜図10を参照して、本実施の形態1に係る搬送システム1の検査手順について説明する。なお、以下で示す検査手順は、ある1つの被検査物Wをコンベア11で検査装置29へ搬送し、検査装置29で検査後のこの被検査物Wが分別装置30を通過するまでの流れを示している。
【0054】
まず、検査工程が開始されると、図8(a)に示すように、コントローラーは、コンベア11aにより、被検査物Wを下流側へ搬送し始める。また、制御装置26は、移動装置25によって支持台22を移動させ、コンベア11aの下流部に支持台22を待機させる。そして、コントローラーは、検査装置29の位置検知センサー22aが被検査物Wを検知するまで、被検査物Wをコンベア11aで搬送させる。位置検知センサー22aが支持台22上に被検査物Wが到着したことを検知すると、コントローラーは、位置検知センサー22aから信号を受信し、コンベア11aを停止させる(S1)。
【0055】
図8(b)に示すように、被検査物Wが支持台22上に配置されたところで、解析装置23は、各支持台22の昇降装置22bを制御して、各支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eを上昇させる。そして、解析装置23は、被検査物Wを予め設定された高さまで上昇させる(S2a)。このとき、被検査物Wを検査位置24と同じ高さまで上昇させることが好ましい。被検査物Wを予め設定された高さまで上昇させた後、制御装置26は、移動装置25を移動させて被検査物Wを加振装置20の下方に移動させる(S2b)。このとき、ステップS2aで被検査物Wを検査位置24と同じ高さまで上昇させていた場合、移動装置25の可動部の移動のみで、被検査物Wを検査位置24に配置することができる。
【0056】
被検査物Wを予め設定された検査位置24に配置すると、解析装置23は、加振装置20の出力をONにし、被検査物Wを振動させる(S3)。すると、搬送システム1(より詳しくは、検査装置29)は、図9(c)に示す状態となる。その後、解析装置23は、実施の形態1と同様に、ステップS4〜ステップS7の動作を繰り返す。
【0057】
ステップS5において被検査物Wが良品であるかどうかの検査をした後、解析装置23はステップS8aへ進む。ステップS6において制限時間を超えていると判断した場合や、制限回数を超えていると判断した場合も、解析装置23は、同様にステップS8aへ進む。そして、ステップS8aにおいて、制御装置26は、図9(d)に示すように移動装置25を制御し、コンベア11bの上流部に被検査物Wを移動させる。そして、解析装置23は、図9(e)に示すように、昇降装置22bを制御して接触部22eを降下させて、被検査物Wをコンベア11b上へと戻す(S8b)。このとき、被検査物Wが傷ついたり破損したりしない程度の降下速度にして、丁寧に下ろすようにする。被検査物Wがコンベア11上に戻されると、コントローラーはコンベア11bを動作させ、被検査物Wを分別位置へと搬送する。また、制御装置26は、移動装置25を制御して、支持台22を初期位置(例えば、コンベア11aの下流部の待機位置)へ移動させる(S9b)。
【0058】
その後、分別装置30は、実施の形態1と同様に、ステップS10〜ステップS14の動作を行う。
【0059】
以上、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、コンベア11aで検査前の被検査物Wを受け取った後、当該被検査物Wを水平移動して検査位置24に移動させる。また、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、検査後の被検査物Wを水平移動してコンベア11b上に搬送し、当該被検査物Wをコンベア11bに受け渡す。このため、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、図9(c)に示すように、検査装置29の構成要素を除き、検査位置24の周囲には被検査物Wしかない状態にすることができる。したがって、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、実施の形態1で示した効果に加え、信号検出装置21の信号検出時に周囲からのノイズの影響を最小限に留めることができるという効果を得ることもできる。
【0060】
なお、上記の実施の形態1及び実施の形態2で示した検査装置29の構成や搬送システム1の構成は、あくまでも一例であり、本発明を限定するものではない。
【0061】
例えば、実施の形態1に係る搬送システム1のコンベア11は、検査装置29の上流側から下流側まで連なった構成となっていたが、このコンベア11を例えば図11に示すような構成にしてもよい。つまり、並行して走る1組のコンベア11を検査装置29の位置だけ分断して構成し、当該位置のコンベア11の間隔を大きくしてもよい。そして、平面視において、検査装置29の支持台22を、当該位置のコンベア11の内側に設けてもよい。このようにコンベア11を構成することにより、信号検出装置21とコンベア11との距離を大きくすることができ、信号検出装置21の信号検出時にコンベア11に起因するノイズの影響を抑制することができる。
【0062】
また例えば、上記の実施の形態1及び実施の形態2においては、昇降装置22bは本発明に係る支持装置(支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22e)を昇降する構成となっていたが、本発明に係る昇降装置は、この昇降装置22bの構成に限定されるものではない。つまり、本発明に係る昇降装置は、少なくとも本発明に係る支持装置を昇降できるものであればよい。より詳しくは、本発明に係る昇降装置は、本発明に係る搬送装置(上記の実施の形態1,2のコンベア11)から被検査物Wを受け取るために本発明に係る支持装置を所定量上昇させることができれば、その後の被検査物Wと加振装置との間の距離の調整は加振装置20を昇降させて行ってもよい。被検査物Wと加振装置20との間の距離の調整に、本発明に係る支持装置と加振装置の双方を昇降させても勿論よい。
【0063】
また例えば、上記の実施の形態1及び実施の形態2においては信号検出装置21が固定配置された構成となっていたが、信号検出装置21を昇降させる昇降装置(本発明における第2の昇降装置に相当)を設けてもよい。被検査物Wと信号検出装置21との間の距離を調整することができ、信号検出精度が向上する。
【0064】
また例えば、上記の実施の形態1及び実施の形態2で示した検査装置29に被検査物Wを手動で供給する等して、検査装置29を単体で使用することも勿論できる。この場合、本発明に係る昇降装置は、支持装置及び加振装置のうちの少なくとも一方を昇降できるものであればよい。また、昇降装置が加振装置を昇降させるものの場合は、支持装置を所定量上昇させる機能を有する必要は特にない。支持装置を所定量上昇させる機能は、搬送装置と検査装置が被検査物Wを受け渡す際に必要な構成だからである。検査装置29を単体で使用する場合、このように昇降装置を構成しても、解析装置の検査結果に基づいて被検査物Wと加振装置との間の距離を調整することができ、本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 搬送システム、10 搬送装置、11(11a,11b) コンベア、12 落下防止装置、20 加振装置、21 信号検出装置、22 支持台、22a 位置検知センサー、22b 昇降装置、22c 脚、22d 土台、22e 接触部、23 解析装置、24 検査位置、25 移動装置、26 制御装置、29 検査装置、30 分別装置、31 不良判定品回収所、32 判定不可品回収所、W 被検査物、Wa 良品、Wb 不良品、Wc 判定不可品。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の検査を行う検査装置及びこの検査装置を備えた搬送システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、被検査物の不良検査を行う検査装置として、加振装置によって被検査物(測定対象物)に振動を与え、発生した音圧や振動を解析することにより被検査物の欠陥を検知するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、検査装置を備えた従来の搬送システムとしては、搬送装置であるコンベアを停止させ、コンベアを上下方向に移動させることによって被検査物を検査位置に搬送するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−333436号公報(要約、図1)
【特許文献2】特開平6−160533号公報(段落0004、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置(例えば特許文献1)は、被検査物の支持手段や加振装置の高さが常に一定の状態で、被検査物の検査が行われている。このため、従来の検査装置は、被検査物の支持手段や加振装置の高さによっては被検査物を適切に加振できないことがあり、被検査物を適切に検査できるだけの特徴量をもつ音圧や振動を得ることができないという課題があった。
【0006】
また、被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置(例えば特許文献1参照)を従来の搬送システム(例えば特許文献2参照)に採用した場合、以下のような課題があった。
【0007】
つまり、被検査物に振動を与えて検査を行う場合、加振装置と支持手段によって被検査物を挟み込み、加振装置によって被検査物を振動させる必要がある。このため、従来の搬送システムにおいては、被検査物と一体となって上下に移動するコンベアが支持手段となるため、加振装置と支持手段であるコンベアによって被検査物を挟み込むこととなる。したがって、被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置を従来の搬送システムに採用した場合、加振装置によって被検査物を振動させても、被検査物から発生する振動や音波がコンベアに吸収されて信号が減衰してしまうという課題があった。また、被検査物を振動させることによって被検査物の検査を行う従来の検査装置を従来の搬送システムに採用した場合、被検査物の加振に伴ってコンベアも加振され、コンベアから発生する振動や音波をノイズとして信号検出装置が拾ってしまい、被検査物を精度良く検査することができないという課題もあった。
【0008】
本発明は、上述のような課題のうちの少なくとも1つを解決するためになされたものであり、被検査物から発生する振動や音波等をより確実に検知することができ、被検査物の検査精度を向上させることが可能な検査装置及びこの検査装置を備えた搬送システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る検査装置は、被検査物を支持する支持装置と、支持装置の上方に設けられ、被検査物を振動させる加振装置と、被検査物の振動により発生した音波、音圧及び振動のうちの少なくとも1つを検知する信号検出装置と、信号検出装置の検知信号を解析し、被検査物を検査する解析装置と、支持装置及び加振装置のうちの少なくとも1つを昇降させる第1の昇降装置と、解析装置で解析された結果に基づいて第1の昇降装置を制御し、支持装置と加振装置との間の距離を調整する制御装置と、を備えたものである。
【0010】
また、本発明に係る搬送システムは、上記の検査装置と、被検査物を検査装置に搬送し、検査装置で検査された被検査物を次工程へ搬送する搬送装置と、を備え、検査装置の支持装置は少なくとも3つの凸部により被検査物を支持し、検査装置の昇降装置は少なくとも支持装置を昇降させ、制御装置は、支持装置を所定高さ上昇させた後、支持装置と加振装置との間の距離を調整するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る検査装置においては、制御装置は、解析装置で解析された結果に基づいて第1の昇降装置を制御し、支持装置と加振装置との間の距離を調整する。このため、本発明に係る検査装置は、加振装置と被検査物との距離を好適な状態にして、被検査物を加振することができる。したがって、本発明に係る検査装置は、被検査物を確実に振動させることができるので、被検査物から発生する音波、音圧及び振動等をより確実に検知することができ、被検査物の検査精度を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る搬送システムにおいては、支持装置と加振装置との間の距離を調整する前に、支持装置を所定高さ上昇させる。つまり、本発明に係る搬送システムは、被検査物を検査する前に被検査物を持ち上げ、被検査物と搬送装置を非接触状態にすることができる。また、本発明に係る搬送システムにおいては、検査装置の支持装置は少なくとも3つの凸部により被検査物を支持している。このため、本発明に係る搬送システムは、被検査物から発生する音波、音圧及び振動等がコンベア等の搬送装置に吸収されることを防止できる。また、搬送装置の振動等を検出装置が検出してしまうことも防止できる。したがって、本発明に係る搬送システムは、被検査物から発生する音波、音圧及び振動等をより確実に検知することができ、被検査物の検査精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る検査装置を備えた搬送システムの上流部分を側方から示した概念図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る検査装置が備えた支持台を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図5】図4に続く、本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図9】図8に続く、本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態1に係る搬送システムの別の一例を上方から示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。図2は、この搬送システムの上流部分(より詳しくは、検査装置よりも上流側の部分)を側方から示した概念図である。また、図3は、この検査装置が備えた支持台を示す概略斜視図である。以下、これら図1〜図3を用いて、本実施の形態1に係る検査装置29及びこの検査装置29を備えた搬送システム1について説明する。
【0015】
搬送システム1は、搬送装置10と、検査装置29と、分別装置30と、不良判定品回収所31と、判定不可品回収所32とを備えている。
【0016】
搬送装置10は、水平方向に並行して走る1組のコンベア11を備えている。この搬送装置10は、上流側の前工程等から検査装置29へ被検査物Wを搬送するものである。また、搬送装置10は、被検査物Wの検査終了後、検査装置29から下流側の次工程等へ被検査物Wを搬送するものである。
【0017】
なお、本実施の形態1では、搬送装置10をコンベア11で構成したが、搬送装置10の構成はこれに限定されるものではない。例えば、搬送装置10を、把持アームで被検査物Wを接触保持して搬送する構成や、ベルヌーイチャック方式の非接触保持アーム等で被検査物Wを接触保持して搬送する構成にしてもよい。
【0018】
このような搬送装置10の途中には、被検査物Wを検査する検査装置29が設けられている。この検査装置29は、加振装置20と、信号検出装置21と、解析装置23と、支持台22と、位置検知センサー22aとを備えている。
【0019】
加振装置20は、被検査物Wに振動を与えて被検査物Wから音波や音圧、振動を発生させるものである。本実施の形態1では、加振装置20として、音波や超音波による放射圧により非接触で被検査物Wを振動させる方法を採用している。なお、本実施の形態1に係る加振装置20は、このような方式のものに限定されるものではなく、例えば、圧電素子による振動や打検用の棒や板による打撃を被検査物Wに直接あてて振動させる方法や、加振装置20表面からエアー等の流体を直接または非接触により放出する方法等、任意の方法を採用できる。また、本実施の形態1では、加振装置20のON・OFF等を解析装置23で制御している。しかしながら、これに限らず、加振装置20の制御装置と解析装置23を別体で構成しても勿論よい。なお、本実施の形態1では、部品点数を削減することができ、信号の授受も容易となるため、これらを一体で形成している。
【0020】
信号検出装置21は、被検査物Wから発生した音波、音圧及び振動のうちの少なくとも1つを検出するものである。本実施の形態1では、信号検出装置21は、並行して走る1組のコンベア11の間から被検査物Wの音波、音圧及び振動等を検出できるように配置されている。つまり、信号検出装置21は、平面視(図1)においてコンベア11の間となる位置に設けられている。
【0021】
支持台22は、検査時に被検査物Wを載せ、所定の高さに上昇させる昇降機能を持つものである。本実施の形態1では、支持台22は、被検査物Wの四隅を支持できるように、平面視においてコンベア11の外側となる位置に4つ配置されている。これら各支持台22は、昇降装置22bと、土台22dと、脚22cと、接触部22eとを備えている。昇降装置22bは、可動部を上下方向に移動させる直動アクチュエーターである。なお、昇降装置22bの構成は、特に限定されるものではない。例えば、回動自在に設けられたネジ部、該ネジ部を駆動するモーター等の駆動源、及び該ネジ部に螺合したナット部で昇降装置22bを構成し、ネジ部を回動させることにより可動部であるナットを昇降させてもよい。
【0022】
昇降装置22bの可動部には、土台22dが設けられている。昇降装置22bを制御することにより、土台22dを昇降させることができる。この土台22dの上部には、例えばコイルバネである脚22cが設けられている。そして、脚22cの上部には、上部がドーム形状に形成された接触部22eが設けられている。接触部22eは、被検査物Wを接触する部材であり、衝撃吸収材で形成されている。
【0023】
つまり、昇降装置22bを制御して土台22dを上昇させることにより、コンベア11の上面(搬送面)よりも下方に配置されている接触部22eが土台22d及び脚22cとともに上昇することとなる。これにより、接触部22eが被検査物Wの下面に当接して、コンベア11によって支持台22の上方まで運ばれた被検査物Wを持ち上げ、コンベア11と被検査物Wを非接触状態とすることができる。そして、昇降装置22bを制御して被検査物Wをさらに持ち上げることにより、被検査物Wを検査位置24(加振された被検査物Wが発生する振動や音波、音圧を検出するのに最適な高さ)に配置することができる。
ここで、土台22d、脚22c及び接触部22eの集合体が、本発明における支持装置に相当する。また、昇降装置22bが、本発明における第1の昇降装置に相当する。また、接触部22eが、本発明における凸部に相当する。
【0024】
なお、本実施の形態1で示した支持台22の構成は、あくまでも一例である。例えば、接触部22eの上部形状は、ドーム形状に限らず、被検査物Wとの接触範囲が小さい形状であればよい。また、接触部22eの上部形状は、被検査物W及び接触部22eが傷つきにくい形状であればよい。つまり、接触部22eの上部形状は、直方体形状や円錐形状等であってもよい。接触部22eの材料については、ゴム、ゼラチン、エラストマー、プラスチック、ゲル、繊維、タンパク質等の弾性体を用いてもよい。例えば、シリコン、スチレンブタジエン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンストラマー、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール樹脂等の重合体や、その組合せなどが挙げられる。また例えば、脚22cは、コイルバネに限らず、ゴム等の弾力性がありバネのような働きをする材料で形成すればよい。つまり、接触部22eが被検査物Wと接触した際の衝撃を吸収できる材料で脚22cを形成すればよい。また、支持台22の数も任意であり、少なくとも3つの支持台22が設けられていれば、被検査物Wを支持することができる。また、検査位置24の高さ(換言すると、支持台22が被検査物Wを上昇させる高さ)も特に限定するものではない。被検査物Wを検査する際に、被検査物Wが発生する音波、音圧及び振動等の信号以外の雑音を信号検出装置21が検出しない高さであればよい。このとき、信号検出装置21の上方や周囲に、被検査物Wが発生する音波、音圧及び振動等を妨げる障害物がないようにすることが好ましい。
【0025】
解析装置23は、信号検出装置21で検出された信号を解析し、被検査物Wの良否を検査するものである。本実施の形態1では、解析装置23は、上述の昇降装置22bの制御装置としても機能している。換言すると、解析装置23と昇降装置22bの制御装置は一体で形成されている。なお、これらを別体で構成しても勿論よい。本実施の形態1では、部品点数を削減することができ、信号の授受も容易となるため、これらを一体で形成している。この解析装置23は、例えばマイクロコンピュータで構成され、CPU、RAM及びROM等を備えており、ROMには制御プログラム及び後述のフローチャートに対応した搬送制御プログラム等が記憶されている。
【0026】
位置検知センサー22aは、被検査物Wが支持台22の上部に配置されたことを検知するものである。本実施の形態1においては、位置検知センサー22aは、支持台22の接触部22eの内部に設けられている。接触部22eには、位置検知センサー22aから接触部22eの上部にかけて貫通した孔が形成されており、位置検知センサー22aはこの孔を介して被検査物Wを検知している。
【0027】
本実施の形態1においては、位置検知センサー22aが被検査物Wを検知すると、位置検知センサー22aからの信号を受け取った図示しないコントローラーが直ちにコンベア11を停止させる。このとき、上述のように位置検知センサー22aを設けることにより、搬送されてきた被検査物Wを支持台22の上方に正確に停止させることができる。
【0028】
なお、本実施の形態1では位置検知センサー22aを支持台22に内蔵させているが、支持台22の外部に位置検知センサー22aを設け、支持台22とは別の位置から被検査物Wを検知してもよい。このように位置検知センサー22aを設けても、搬送されてきた被検査物Wを支持台22の上方に停止させることができる。また、本実施の形態1では、解析装置23とは別にコンベア11のコントローラーを設けているが、昇降装置22bの制御装置と同様に、このコントローラーを解析装置23や昇降装置22bの制御装置と一体形成しても勿論よい。
【0029】
分別装置30は、上述した検査装置29よりも下流側に設けられている。この分別装置30は、コンベア11によって搬送された検査後の被検査物Wを検査装置29の検査結果に応じて分別するものである。詳細は後述するが、本実施の形態1に係る検査装置29の検査結果は、良品Wa、不良品Wb、または判定不可品Wcとなる。このため、本実施の形態1に係る分別装置30は、被検査物Wを、良品Wa、不良品Wb、または判定不可品Wcに分別する。
【0030】
より詳しくは、分別装置30はコンベア11上の不良品Wbを把持して持ち上げる把持アームを備えており、分別装置30の制御部(図示せず)は、当該把持アームを制御して、コンベア11上の不良品Wbを不良判定品回収所31へ搬送する。また、分別装置30はコンベア11上の判定不可品Wcを把持して持ち上げる把持アームも備えており、分別装置30の制御部(図示せず)は、当該把持アームを制御して、コンベア11上の判定不可品Wcを判定不可品回収所32へ搬送する。そして、良品Waのみが、そのままコンベア11によって搬送され、次工程に送られることとなる。なお、分別装置30による不良品Wbや判定不可品Wcの搬送方法は、接触保持する把持アームを用いたものに限らず、例えば、吸着式のロボットハンドを用いた搬送方法や、ベルヌーイチャック方式による非接触保持アームを用いた搬送方法を採用することができる。また、分別装置30による不良品Wbや判定不可品Wcの搬送方法は、コンベア11上からこれらを一端持ち上げて搬送する方法に限らず、不良品Wbや判定不可品Wcを水平方向にコンベア11上から押し出す方法を採用することも可能である。
【0031】
[検査手順の説明]
続いて、本実施の形態1に係る搬送システム1の検査手順について説明する。
図4及び図5は、本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。また、図6は、本発明の実施の形態1に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。なお、図4及び図5は、搬送システム1を側方から示した図となっている。
以下、これら図4〜図6を参照して、本実施の形態1に係る搬送システム1の検査手順について説明する。なお、以下で示す検査手順は、ある1つの被検査物Wをコンベア11で検査装置29へ搬送し、検査装置29で検査後のこの被検査物Wが分別装置30を通過するまでの流れを示している。
【0032】
まず、検査工程が開始されると、図4(a)に示すように、コントローラーは、コンベア11により、被検査物Wを検査装置29へ向かって搬送する。そして、コントローラーは、検査装置29の位置検知センサー22aが被検査物Wを検知するまで、被検査物Wをコンベア11で搬送させる。位置検知センサー22aが支持台22上に被検査物Wが到着したことを検知すると、コントローラーは、位置検知センサー22aから信号を受信し、コンベア11を停止させる(S1)。
【0033】
図4(b)に示すように、被検査物Wが支持台22上に配置されたところで、解析装置23は、各支持台22の昇降装置22bを制御して、各支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eを上昇させる。そして、解析装置23は、被検査物Wを予め設定された検査位置24まで上昇させる(S2a)。
【0034】
被検査物Wを予め設定された検査位置24に配置すると、解析装置23は、加振装置20の出力をONにし、被検査物Wを振動させる(S3)。すると、搬送システム1(より詳しくは、検査装置29)は、図5(c)に示す状態となる。なお、本実施の形態1では、被検査物Wが検査位置24に搬送されてから加振装置20の出力をONにしているが、被検査物Wが検査位置24に搬送される前から加振装置20の出力をONの状態にしておき、被検査物Wが加振された状態で検査位置24に搬送する方法をとってもよい。
【0035】
ステップS3の後、解析装置23は、信号検出装置21によって得た検出信号が、良品、不良品の判定に適した信号であるかを判別する(S4)。信号が良品、不良品の判定に適切な信号であれば、解析装置23において被検査物Wが良品であるかどうかの検査が行われ、終了次第、次の工程へと移行する(S5)。なお、解析装置23は、解析装置23に予め記憶されている所定の信号と、信号検出装置21から得られた信号とを比較して、信号検出装置21から得られた信号が適切な信号か否かを判別する。
【0036】
ステップS4において良品、不良品の判定に適切な信号が得られない場合、解析装置23は、ステップS7において被検査物Wの高さ(つまり、支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eの高さ)を微調整し、再び被検査物Wの検査を試みることとなる。ここで、本実施の形態1では、1つの被検査物Wの検査にかけられる最大時間である制限時間、又は被検査物Wの高さを微調整ができる最大回数である制限回数が、例えば解析装置23に予め記憶されている。このため、ステップS4において良品、不良品の判定に適切な信号が得られない場合、解析装置23は、ステップS7に進む前に、制限時間または制限回数以内であるか否かを判断する(S6)。
【0037】
ステップS6において、制限時間以内であると判断した場合や、制限回数以内であると判断した場合、解析装置23は、昇降装置22bを制御して、被検査物Wの高さ(つまり、支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eの高さ)を上下方向に微調整し(S7)、再度良品、不良品の判定に適切な信号であるかを判断する(S4)。
【0038】
ステップS5において被検査物Wが良品であるかどうかの検査をした後、解析装置23はステップS8bへ進む。ステップS6において制限時間を超えていると判断した場合や、制限回数を超えていると判断した場合も、解析装置23は、同様にステップS8bへ進む。
そして、ステップS8bにおいて、解析装置23は、図5(d)に示すように、昇降装置22bを制御して接触部22eを降下させて、被検査物Wを検査位置24からコンベア11上へと戻す(S8b)。このとき、被検査物Wが傷ついたり破損したりしない程度の降下速度にして、丁寧に下ろすようにする。被検査物Wがコンベア11上に戻されると、コントローラーは再びコンベア11を動作させ、被検査物Wを分別位置へと搬送させる(S9a)。
【0039】
被検査物Wが分別位置に搬送されると、分別装置30の制御部は、ステップS5,6で示した解析装置23の検査結果に基づき、搬送されてきた被検査物Wが良品Waであるか否かを判断する(S10)。被検査物Wが良品Waの場合、分別装置30の制御部は、良品Waを良品搬送順路に搬送する(S11)。なお、本実施の形態1の場合、良品Waが送られる次工程はコンベア11の下流側となっている。このため、分別装置30の制御部は、コンベア11から良品Waを取り除かず、そのままコンベア11の下流側へ搬送させている。
【0040】
ステップS10において被検査物Wが良品Waでなかった場合、分別装置30の制御部は、ステップS5,6で示した解析装置23の検査結果に基づき、当該被検査物Wが不良品Wbであるか否かを判断する(S12)。被検査物Wが不良品Wbの場合、図5(e)に示すように、分別装置30の制御部は、把持アームによって不良品Wbを把持して浮上させ、コンベア11から不良判定品回収所31へ不良品Wbを搬送する(S13)。一方、被検査物Wが不良品Wbでない場合(つまり、被検査物Wが判定不可品Wcの場合)、分別装置30の制御部は、把持アームによって判定不可品Wcを把持して浮上させ、コンベア11から判定不可品回収所32へ判定不可品Wcを搬送する(S14)。
【0041】
以上、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、解析装置23で解析された結果に基づいて昇降装置22bを制御し、被検査物Wと加振装置20との間の距離(つまり、支持台22の接触部22eと加振装置20との間の距離)を調整している。このため、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、被検査物Wと加振装置20との距離を好適な状態にして被検査物Wを加振することができるので、被検査物Wを確実に振動させることができる。
【0042】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、解析装置23が、昇降装置22bの制御装置としても機能している。このため、部品点数を削減することができ、信号の授受も容易となる。したがって、装置の小型化、設置位置の省スペース化、外部電源からの電力供給量と配線の削減、及びメンテナンスの簡略化を図ることができる。また、信号授受のエラー数低減、制御精度や、制御速度の向上及び安定を見込むことができる。
【0043】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、支持台22の接触部22eで被検査物Wを4点支持し、被検査物Wを振動させている。つまり、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、被検査物Wとコンベア11とを非接触状態にして、被検査物Wを振動させることができる。このため、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、被検査物Wから発生する音波、音圧及び振動等がコンベア11に吸収されることを防止できる。また、加振装置20が被検査物Wを振動させる際にコンベア11も振動してしまうことを防止でき、よって、信号検出装置21がコンベア11の当該振動(又は当該振動に相当する音波や音圧)を検出してしまうことも防止できる。
【0044】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、支持台22の接触部22eを衝撃緩衝材で形成し、これら接触部22eをバネで構成された脚22cで支持している。このため、接触部22eが被検査物Wを支持する際、被検査物Wの損傷を防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、信号検出装置21が良品、不良品の判定に適切な信号を検出できなかった場合、被検査物Wの高さを再調整し、被検査物Wを再検査している。このため、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、より高精度に被検査物Wの良否判定を行うことができる。
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、検査時間が制限時間を超えた場合や、検査回数が制限回数を超えた場合、被検査物Wの再検査を行わなず、被検査物Wを判定不可品Wcとしている。このため、被検査物Wの再検査が繰り返されることによって生じる処理能力の低下を防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、非接触で被検査物Wを振動させる加振装置20を採用している。このため、加振装置20が被検査物Wを加振する際、被検査物Wが損傷することを防止することができる。
【0047】
また、本実施の形態1に係る検査装置29及び搬送システム1は、支持台22の接触部22eの内部に位置検知センサー22aを設けている。このため、コンベア11によって搬送されてきた被検査物Wを支持台22の上方に正確に停止させることができる。
【0048】
また、本実施の形態1に係る搬送システム1は、検査装置29の検査結果に基づいて被検査物Wを分別する分別装置30を備えている。このため、本実施の形態1に係る搬送システム1は、被検査物Wの品質状態に応じた管理を容易にすることができる。
【0049】
実施の形態2.
実施の形態1で示した検査装置29に以下の構成を追加することにより、被検査物Wの検査精度をより向上させることが可能となる。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0050】
図7は、本発明の実施の形態2に係る検査装置を備えた搬送システムの全体構成を上方から示した概念図である。
図7に示すように、本実施の形態2に係る検査装置29は、実施の形態1で示した検査装置29(図1参照)の構成に加え、支持台22を水平移動させる移動装置25が設けられている。つまり、移動装置25は、可動部を水平方向に移動させる直動アクチュエーターであり、支持台22が可動部に設けられている。この移動装置25は、制御装置26で制御されている。ここで、移動装置25の構成は、特に限定されるものではない。例えば、回動自在に設けられたネジ部、該ネジ部を駆動するモーター等の駆動源、及び該ネジ部に螺合したナット部で移動装置25を構成し、ネジ部を回動させることにより可動部であるナットを水平移動させてもよい。また、制御装置26を、加振装置20の制御装置と同様に、解析装置23と一体で形成しても勿論よい。
なお、図7及び後述する図8,図9では、搬送システム1及び検査装置29の理解を容易にするため、移動装置25は可動部のみを表示している。
【0051】
また、コンベア11の構成も、実施の形態1と本実施の形態2では異なっている。詳しくは、実施の形態1に係るコンベア11は、検査装置29の上流側から下流側まで連なった構成となっていた。一方、本実施の形態1に係るコンベア11は、検査装置29の上流側に設けられたコンベア11aと、検査装置29の下流側に設けられたコンベア11bとで構成されている。
【0052】
すなわち、実施の形態1に係る搬送システム1は、検査前の被検査物Wをコンベア11によって加振装置20の真下まで搬送させていた。一方、本実施の形態2に係る搬送システム1は、コンベア11aによって搬送されてきた検査前の被検査物Wを、移動装置25によってコンベア11aの下流部まで移動した支持台22で受け取る構成となっている。そして、移動装置25を移動させ、検査前の被検査物Wを加振装置20の真下まで搬送する構成となっている。また、本実施の形態2に係る搬送システム1は、被検査物Wを検査した後、当該被検査物Wを移動装置25によって、検査装置29の下流側に設けられたコンベア11bに受け渡す構成となっている。なお、本実施の形態2では、コンベア11aで搬送されてきた被検査物Wが検査装置29への受け渡し前に落下することを防止するため、コンベア11aの下流端に落下防止装置12を設けている。
【0053】
[検査手順の説明]
続いて、本実施の形態2に係る搬送システム1の検査手順について説明する。
図8及び図9は、本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示した説明図である。また、図10は、本発明の実施の形態2に係る搬送システムの検査手順を示したフローチャートである。なお、図8及び図9は、搬送システム1を側方から示した図となっている。また、図10は、実施の形態1の図6で示したフローチャートに対して、ステップS2bとステップS8aを追加し、ステップS9aをステップS9bに変更したものである。
以下、これら図8〜図10を参照して、本実施の形態1に係る搬送システム1の検査手順について説明する。なお、以下で示す検査手順は、ある1つの被検査物Wをコンベア11で検査装置29へ搬送し、検査装置29で検査後のこの被検査物Wが分別装置30を通過するまでの流れを示している。
【0054】
まず、検査工程が開始されると、図8(a)に示すように、コントローラーは、コンベア11aにより、被検査物Wを下流側へ搬送し始める。また、制御装置26は、移動装置25によって支持台22を移動させ、コンベア11aの下流部に支持台22を待機させる。そして、コントローラーは、検査装置29の位置検知センサー22aが被検査物Wを検知するまで、被検査物Wをコンベア11aで搬送させる。位置検知センサー22aが支持台22上に被検査物Wが到着したことを検知すると、コントローラーは、位置検知センサー22aから信号を受信し、コンベア11aを停止させる(S1)。
【0055】
図8(b)に示すように、被検査物Wが支持台22上に配置されたところで、解析装置23は、各支持台22の昇降装置22bを制御して、各支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22eを上昇させる。そして、解析装置23は、被検査物Wを予め設定された高さまで上昇させる(S2a)。このとき、被検査物Wを検査位置24と同じ高さまで上昇させることが好ましい。被検査物Wを予め設定された高さまで上昇させた後、制御装置26は、移動装置25を移動させて被検査物Wを加振装置20の下方に移動させる(S2b)。このとき、ステップS2aで被検査物Wを検査位置24と同じ高さまで上昇させていた場合、移動装置25の可動部の移動のみで、被検査物Wを検査位置24に配置することができる。
【0056】
被検査物Wを予め設定された検査位置24に配置すると、解析装置23は、加振装置20の出力をONにし、被検査物Wを振動させる(S3)。すると、搬送システム1(より詳しくは、検査装置29)は、図9(c)に示す状態となる。その後、解析装置23は、実施の形態1と同様に、ステップS4〜ステップS7の動作を繰り返す。
【0057】
ステップS5において被検査物Wが良品であるかどうかの検査をした後、解析装置23はステップS8aへ進む。ステップS6において制限時間を超えていると判断した場合や、制限回数を超えていると判断した場合も、解析装置23は、同様にステップS8aへ進む。そして、ステップS8aにおいて、制御装置26は、図9(d)に示すように移動装置25を制御し、コンベア11bの上流部に被検査物Wを移動させる。そして、解析装置23は、図9(e)に示すように、昇降装置22bを制御して接触部22eを降下させて、被検査物Wをコンベア11b上へと戻す(S8b)。このとき、被検査物Wが傷ついたり破損したりしない程度の降下速度にして、丁寧に下ろすようにする。被検査物Wがコンベア11上に戻されると、コントローラーはコンベア11bを動作させ、被検査物Wを分別位置へと搬送する。また、制御装置26は、移動装置25を制御して、支持台22を初期位置(例えば、コンベア11aの下流部の待機位置)へ移動させる(S9b)。
【0058】
その後、分別装置30は、実施の形態1と同様に、ステップS10〜ステップS14の動作を行う。
【0059】
以上、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、コンベア11aで検査前の被検査物Wを受け取った後、当該被検査物Wを水平移動して検査位置24に移動させる。また、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、検査後の被検査物Wを水平移動してコンベア11b上に搬送し、当該被検査物Wをコンベア11bに受け渡す。このため、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、図9(c)に示すように、検査装置29の構成要素を除き、検査位置24の周囲には被検査物Wしかない状態にすることができる。したがって、本実施の形態2に係る検査装置29及び搬送システム1は、実施の形態1で示した効果に加え、信号検出装置21の信号検出時に周囲からのノイズの影響を最小限に留めることができるという効果を得ることもできる。
【0060】
なお、上記の実施の形態1及び実施の形態2で示した検査装置29の構成や搬送システム1の構成は、あくまでも一例であり、本発明を限定するものではない。
【0061】
例えば、実施の形態1に係る搬送システム1のコンベア11は、検査装置29の上流側から下流側まで連なった構成となっていたが、このコンベア11を例えば図11に示すような構成にしてもよい。つまり、並行して走る1組のコンベア11を検査装置29の位置だけ分断して構成し、当該位置のコンベア11の間隔を大きくしてもよい。そして、平面視において、検査装置29の支持台22を、当該位置のコンベア11の内側に設けてもよい。このようにコンベア11を構成することにより、信号検出装置21とコンベア11との距離を大きくすることができ、信号検出装置21の信号検出時にコンベア11に起因するノイズの影響を抑制することができる。
【0062】
また例えば、上記の実施の形態1及び実施の形態2においては、昇降装置22bは本発明に係る支持装置(支持台22の土台22d、脚22c及び接触部22e)を昇降する構成となっていたが、本発明に係る昇降装置は、この昇降装置22bの構成に限定されるものではない。つまり、本発明に係る昇降装置は、少なくとも本発明に係る支持装置を昇降できるものであればよい。より詳しくは、本発明に係る昇降装置は、本発明に係る搬送装置(上記の実施の形態1,2のコンベア11)から被検査物Wを受け取るために本発明に係る支持装置を所定量上昇させることができれば、その後の被検査物Wと加振装置との間の距離の調整は加振装置20を昇降させて行ってもよい。被検査物Wと加振装置20との間の距離の調整に、本発明に係る支持装置と加振装置の双方を昇降させても勿論よい。
【0063】
また例えば、上記の実施の形態1及び実施の形態2においては信号検出装置21が固定配置された構成となっていたが、信号検出装置21を昇降させる昇降装置(本発明における第2の昇降装置に相当)を設けてもよい。被検査物Wと信号検出装置21との間の距離を調整することができ、信号検出精度が向上する。
【0064】
また例えば、上記の実施の形態1及び実施の形態2で示した検査装置29に被検査物Wを手動で供給する等して、検査装置29を単体で使用することも勿論できる。この場合、本発明に係る昇降装置は、支持装置及び加振装置のうちの少なくとも一方を昇降できるものであればよい。また、昇降装置が加振装置を昇降させるものの場合は、支持装置を所定量上昇させる機能を有する必要は特にない。支持装置を所定量上昇させる機能は、搬送装置と検査装置が被検査物Wを受け渡す際に必要な構成だからである。検査装置29を単体で使用する場合、このように昇降装置を構成しても、解析装置の検査結果に基づいて被検査物Wと加振装置との間の距離を調整することができ、本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 搬送システム、10 搬送装置、11(11a,11b) コンベア、12 落下防止装置、20 加振装置、21 信号検出装置、22 支持台、22a 位置検知センサー、22b 昇降装置、22c 脚、22d 土台、22e 接触部、23 解析装置、24 検査位置、25 移動装置、26 制御装置、29 検査装置、30 分別装置、31 不良判定品回収所、32 判定不可品回収所、W 被検査物、Wa 良品、Wb 不良品、Wc 判定不可品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を支持する支持装置と、
支持装置の上方に設けられ、前記被検査物を振動させる加振装置と、
前記被検査物の振動により発生した音波、音圧及び振動のうちの少なくとも1つを検知する信号検出装置と、
前記信号検出装置の検知信号を解析し、前記被検査物を検査する解析装置と、
前記支持装置及び前記加振装置のうちの少なくとも1つを昇降させる第1の昇降装置と、
前記解析装置で解析された結果に基づいて前記第1の昇降装置を制御し、前記支持装置と前記加振装置との間の距離を調整する制御装置と、
を備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記解析装置が、前記制御装置を兼ねたことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記支持装置は、少なくとも3つの凸部により前記被検査物を支持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記支持装置は、前記凸部に対応した数の弾性体を備え、
前記凸部は、衝撃吸収材で形成され、各弾性体の上部に配置されて前記被検査物を支持することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記信号検出装置において検出された信号が所定の検知信号でない場合には、
前記第1の制御装置は、前記第1の昇降装置を制御して前記支持装置と前記加振装置との間の距離を変更し、
前記解析装置は、前記支持装置と前記加振装置との間の距離の変更後に、前記被検査物を再度検査することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記解析装置は、
前記支持装置と前記加振装置との間の距離を変更する度に検査を繰り返し、
当該検査を所定の回数繰り返しても前記信号検出装置から所定の検知信号が得られない場合には検査を終了することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記解析装置は、
前記支持装置と前記加振装置との間の距離を変更する度に検査を繰り返し、
当該検査を所定の時間繰り返しても前記信号検出装置から所定の検知信号が得られない場合には検査を終了することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項8】
前記加振装置は、前記被検査物を非接触で振動させるものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記支持装置は、上部に前記被検査物が配置されたことを検知する検知センサーを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記信号検出装置を昇降させる第2の昇降装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記第1の昇降装置は、少なくとも前記支持装置を昇降させるものであり、
前記制御装置は、前記支持装置を所定高さ上昇させた後、前記支持装置と前記加振装置との間の距離を調整することを特徴とする請求項3、請求項4、又は請求項3に従属する請求項5〜請求項10のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項12】
前記支持装置及び前記第1の昇降装置を水平方向に移動させる移動装置を備えたことを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
請求項11に記載の検査装置と、
前記被検査物を前記検査装置に搬送し、前記検査装置で検査された被検査物を次工程へ搬送する搬送装置と、
を備えたことを特徴とする搬送システム。
【請求項14】
請求項12に記載の検査装置と、
前記被検査物を前記検査装置に搬送する第1の搬送装置と、
前記検査装置で検査された被検査物を次工程へ搬送する第2の搬送装置と、
を備え、
前記移動装置によって前記支持装置を前記第1の搬送装置側へ移動させて、前記第1の搬送装置から前記被検査物を受け取り、
前記移動装置によって前記支持装置を前記第2の搬送装置側へ移動させて、検査後の前記被検査物を前記第2の搬送装置へ受け渡すことを特徴とする搬送システム。
【請求項15】
前記検査装置の検査結果に基づいて前記被検査物を分別する分別装置を備えたことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の搬送システム。
【請求項1】
被検査物を支持する支持装置と、
支持装置の上方に設けられ、前記被検査物を振動させる加振装置と、
前記被検査物の振動により発生した音波、音圧及び振動のうちの少なくとも1つを検知する信号検出装置と、
前記信号検出装置の検知信号を解析し、前記被検査物を検査する解析装置と、
前記支持装置及び前記加振装置のうちの少なくとも1つを昇降させる第1の昇降装置と、
前記解析装置で解析された結果に基づいて前記第1の昇降装置を制御し、前記支持装置と前記加振装置との間の距離を調整する制御装置と、
を備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記解析装置が、前記制御装置を兼ねたことを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記支持装置は、少なくとも3つの凸部により前記被検査物を支持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記支持装置は、前記凸部に対応した数の弾性体を備え、
前記凸部は、衝撃吸収材で形成され、各弾性体の上部に配置されて前記被検査物を支持することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記信号検出装置において検出された信号が所定の検知信号でない場合には、
前記第1の制御装置は、前記第1の昇降装置を制御して前記支持装置と前記加振装置との間の距離を変更し、
前記解析装置は、前記支持装置と前記加振装置との間の距離の変更後に、前記被検査物を再度検査することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記解析装置は、
前記支持装置と前記加振装置との間の距離を変更する度に検査を繰り返し、
当該検査を所定の回数繰り返しても前記信号検出装置から所定の検知信号が得られない場合には検査を終了することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項7】
前記解析装置は、
前記支持装置と前記加振装置との間の距離を変更する度に検査を繰り返し、
当該検査を所定の時間繰り返しても前記信号検出装置から所定の検知信号が得られない場合には検査を終了することを特徴とする請求項5に記載の検査装置。
【請求項8】
前記加振装置は、前記被検査物を非接触で振動させるものであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記支持装置は、上部に前記被検査物が配置されたことを検知する検知センサーを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記信号検出装置を昇降させる第2の昇降装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記第1の昇降装置は、少なくとも前記支持装置を昇降させるものであり、
前記制御装置は、前記支持装置を所定高さ上昇させた後、前記支持装置と前記加振装置との間の距離を調整することを特徴とする請求項3、請求項4、又は請求項3に従属する請求項5〜請求項10のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項12】
前記支持装置及び前記第1の昇降装置を水平方向に移動させる移動装置を備えたことを特徴とする請求項11に記載の検査装置。
【請求項13】
請求項11に記載の検査装置と、
前記被検査物を前記検査装置に搬送し、前記検査装置で検査された被検査物を次工程へ搬送する搬送装置と、
を備えたことを特徴とする搬送システム。
【請求項14】
請求項12に記載の検査装置と、
前記被検査物を前記検査装置に搬送する第1の搬送装置と、
前記検査装置で検査された被検査物を次工程へ搬送する第2の搬送装置と、
を備え、
前記移動装置によって前記支持装置を前記第1の搬送装置側へ移動させて、前記第1の搬送装置から前記被検査物を受け取り、
前記移動装置によって前記支持装置を前記第2の搬送装置側へ移動させて、検査後の前記被検査物を前記第2の搬送装置へ受け渡すことを特徴とする搬送システム。
【請求項15】
前記検査装置の検査結果に基づいて前記被検査物を分別する分別装置を備えたことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の搬送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−7686(P2013−7686A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141234(P2011−141234)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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