説明

業務プロセス構築支援システム、業務プロセス構築支援方法、及び業務プロセス構築支援プログラム

【課題】業務プロセスモデルの作成及び管理を支援するシステムを提供する。
【解決手段】作成する業務プロセスモデルの業務の選択を受け付け、業務プロセスモデルのテンプレートであって、業務ごとに処理内容が一定である基本領域と業務要素に基づいて処理内容が変動する変動領域とを含む業務プロセステンプレート、及び業務プロセスモデルに含まれる業務要素を含む業務要素一覧表から、選択された業務に基づいて、選択された業務に対応する業務プロセステンプレート及び業務要素を取得し、取得された業務要素の選択を受け付け、選択された業務要素に基づいて、業務プロセスモデルの一部を構成する業務プロセス部品を検索し、取得された業務プロセステンプレートに含まれる変動領域に検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務において遂行される一連の作業、当該作業の詳細、及び業務構造を含む業務プロセスを蓄積し、蓄積された業務プロセスの再利用を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
業務プロセスモデルとは、業務を構成する作業内容、作業の流れ、及び作業で使用されるデータによって、業務プロセスの内容を表現したものである。
【0003】
設計者は、業務のコンサルティング又は業務のシステム化を検討するにあたり、顧客の業務内容を正確に把握するために、業務プロセスモデルの作成を短時間で完了させる必要がある。また、初期段階においては、顧客の業務内容に近似する業務プロセスモデルを提示すれば十分であるため、設計者は、できるだけ早く顧客の業務プロセスモデルの初版を作成し、顧客に提示すべきである。
【0004】
業務プロセスモデルの初版を迅速に作成する手段としては、過去に作成された業務プロセスを再利用することが有効である。そこで、短期間で顧客の望む業務に近づけるためには、業務プロセスモデルを構成する要素の一部を変更可能とし、当該部分に設定される部品をあらかじめ用意しておく。そして、変更可能部分に割り当てる部品を変更することによって、業務の細かな変更に対応することができる。
【0005】
そのため、例えば、業務プロセスと当該業務プロセスを構成する部分との関係を階層化して蓄積及び管理し、階層構造の情報を用いて業務プロセスを検索する業務プロセス作成支援方法が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−285313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示された業務プロセス蓄積・検索システムでは、下階層に設定される部品を作成する場合に、部品を作成するための規則が定められていないため、業務の細かな変化に対しても対応する部品を独立して作成する必要があった。その結果、作成される部品の数が非常に多くなってしまった。
【0007】
また、複数の設計者が部品を作成する場合には、類似する部品を別々に作成する可能性がある。別の設計者がこれらの部品を使用する場合に、どの部品を利用すべきか判断しにくいという問題があった。
【0008】
上記の状況を鑑みると、設計者は、非常に多くの候補の中から類似する部品を選択する必要があり、設計者の選択作業について知識的及び時間的な負荷が増大し、多くの類似する候補が検出されるために部品の選択が困難になる可能性もあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の代表的な一形態では、業務プロセスの作成を支援する業務プロセス構築支援システムであって、プロセッサ、前記プロセッサに接続されるメモリ、入力装置、及び記憶装置を備え、前記記憶装置は、前記業務プロセスのテンプレートである業務プロセステンプレートと前記業務プロセスに含まれる業務要素を含む業務要素一覧表、及び前記業務要素に対応し、前記業務プロセスの一部を構成する業務プロセス部品を含む業務プロセス部品情報を格納し、前記業務プロセステンプレートは、業務ごとに一定の処理が定義される基本領域と、前記業務要素によって定義される処理が変動する変動領域とを含み、前記プロセッサは、前記作成される業務プロセスの業務の選択を受け付け、前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応する業務プロセステンプレート及び業務要素を取得し、前記取得された業務要素の選択を受け付け、前記選択された業務要素に基づいて、前記業務プロセス部品情報から前記業務プロセス部品を検索し、前記取得された業務プロセステンプレートの変動領域に前記検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一形態によれば、業務プロセスを構成する要素のうち、固定要素と変動要素とに分類し、変動要素のみを部品化することによって、類似する部品が複数作成されること防止することができる。また、類似する部品を減らすことによって、設計の負担を低減することできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の業務プロセス構築システムのハードウェア構成図である。業務プロセス構築システムは、表示装置101、CPU103、メモリ105、記憶装置106及び入力装置107を備える。
【0012】
表示装置101は、業務プロセスなどの情報を表示するための出力装置である。表示装置101は、例えば、ディスプレイ102である。
【0013】
CPU103は、メモリ105に記憶されたプログラムを実行することによって、各種処理を実行する。メモリ105は、CPU103によって実行されるプログラム及びプログラムの実行に必要なデータを記憶する。記憶装置106は、業務プロセスを作成するために必要なデータなどが格納される。
【0014】
入力装置107は、業務プロセスを作成するために、利用者が必要な情報を入力するための装置である。入力装置107は、例えば、キーボード又はマウスなどである。
【0015】
図1に示した構成の業務プロセス構築システムは、一台の計算機によって実装されているが、図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば、業務プロセスを構築する処理をサーバ計算機によって実行させ、入力及び表示については、クライアント計算機で行われる構成としてもよい。この場合、サーバ計算機及びクライアント計算機は、ネットワークを介して接続される。また、記憶装置106は、業務プロセスを構築する処理を実行する計算機の外部に設置されていてもよく、ネットワークを介してデータを読み書きされてもよい。
【0016】
図2は、第1の実施形態の業務プロセス構築システムの処理フローと、処理部及びデータとの関係を説明する図である。
【0017】
業務プロセス構築システムは、業務プロセステンプレート取得部201、業務要素選択部202、関連部品検索部203、業務プロセス部品割当部204、業務プロセステンプレート作成部209、業務要素一覧表作成部210、業務関連情報作成部212、及び業務プロセス部品作成部213を備える。業務プロセステンプレート取得部201、業務要素選択部202、関連部品検索部203、業務プロセス部品割当部204、業務プロセステンプレート作成部209、業務要素一覧表作成部210、業務関連情報作成部212、及び業務プロセス部品作成部213は、メモリ105に記憶され、CPU103によって実行されるプログラムである。これらのプログラムは、メモリ105にあらかじめ記憶されていてもよいし、記憶装置106に格納されたプログラムを実行時にメモリ105にロードされてもよい。
【0018】
以下、各処理部の概要を説明する。なお、各処理の詳細は、処理フローの説明とともに後述する。
【0019】
業務プロセステンプレート取得部201は、利用者200によって指定された条件に適合する業務プロセステンプレートを、記憶装置106に格納された業務プロセステンプレート情報205から取得する。業務プロセステンプレートは、おおまかな業務ごとに処理内容が一定である基本領域と、後述する業務要素に基づいて処理内容が変動する変動領域によって構成される。基本領域には、一定の業務内容があらかじめ定義される。変動領域には、処理の開始及び終了のみが定義され、後述する業務プロセス部品を当該変動領域に割り当てることによって、業務プロセスが完成する。
【0020】
業務要素選択部202は、指定された業務に基づいて、後述する業務要素一覧表206に格納された業務要素の選択を受け付ける。業務要素とは、業務プロセステンプレートの変動領域に対応し、業務の詳細ごとに処理内容が変動する要因である。
【0021】
関連部品検索部203は、業務プロセステンプレート取得部201によって取得された業務プロセステンプレートと、業務要素選択部202によって選択された業務要素に基づいて、業務プロセステンプレートに含まれる変動領域に割り当てられる業務プロセス部品を検索する。業務プロセス部品とは、業務プロセスの一部の処理を部品化したものである。前述したように、業務プロセステンプレートに含まれるすべての変動領域に、業務プロセス部品を割り当てることによって業務プロセスが完成する。
【0022】
業務プロセス部品割当部204は、関連部品検索部203によって検索された部品を業務プロセステンプレートに割り当てる。
【0023】
業務プロセステンプレート作成部209は、業務プロセステンプレートを作成し、記憶装置106に格納された業務プロセステンプレート情報205に追加する。また、業務プロセステンプレート作成部209は、作成済の業務プロセステンプレートを編集し、更新することも可能である。
【0024】
業務要素一覧表作成部210は、業務要素一覧表206にデータを追加及び更新する。業務関連情報作成部212は、業務関連情報207にデータを追加及び更新する。
【0025】
業務プロセス部品作成部213は、業務プロセス部品を新たに作成し、記憶装置106に格納された業務プロセス部品情報208に作成された業務プロセス部品を追加する。また、業務プロセス部品作成部213は、作成された業務プロセス部品を更新することも可能である。
【0026】
続いて、前述した各処理部の実行時に使用される記憶装置106に格納されたデータについて説明する。業務プロセス構築システムは、業務プロセステンプレート情報205、業務要素一覧表206、業務関連情報207、及び業務プロセス部品情報208を含む。
【0027】
業務プロセステンプレート情報205は、さまざまな業務に応じた業務プロセステンプレートを格納する。業務プロセステンプレートは、前述のように、業務内容によって処理が変動しない基本領域と、業務内容によって処理が変動しやすい変動領域とを含む。業務プロセステンプレートの詳細については、図3にて後述する。
【0028】
業務要素一覧表206は、業務要素一覧表として業務と業務要素の一覧を示す情報を格納する。業務要素一覧表206の詳細は図4にて後述する。
【0029】
業務関連情報207は、業務プロセステンプレート、業務要素一覧表206、及び業務プロセステンプレートの変動領域に設定される業務プロセス部品の関連情報を格納する。業務関連情報207の詳細は、図5にて後述する。
【0030】
業務プロセス部品情報208は、業務プロセス部品の実体を格納する。業務プロセス部品情報208の詳細は、図6Aから図8Bにて後述する。
【0031】
次に、記憶装置106に格納されているデータの詳細を説明する。
【0032】
図3は、第1の実施形態の業務プロセステンプレートの一例を示す図である。業務プロセステンプレートは、業務において遂行される処理及びデータ、当該処理及びデータの流れを記述する業務プロセスモデルの雛型である。業務プロセステンプレートは、基本領域501、変動領域502、業務情報503及び業務プロセステンプレート情報504を含む。
【0033】
基本領域501は、業務プロセステンプレートによって記述される処理及びデータの流れのうち、顧客及び販売する製品などに応じて変動されにくい要素によって構成される。例えば、見積業務では、通常、顧客又は販売する製品によらず、顧客から見積を依頼されてから業務が開始される。このように顧客から見積の依頼を受ける処理は、基本領域501に属する処理となる。
【0034】
変動領域502は、業務プロセステンプレートによって記述される処理及びデータの流れのうち、顧客及び販売する製品などに応じて変動しやすい要素によって構成される。また、変動領域502は、基本領域501とは異なり、具体的な処理又はデータが含まれずに、業務プロセス部品が割り当てられる。そこで、変動領域502に業務プロセス部品を割り当てることによって、変動要因に応じた業務プロセスを作成することができる。
【0035】
業務プロセステンプレート情報504は、業務プロセスモデルを業務プロセステンプレートとして識別するための識別子である。例えば、業務プロセステンプレートの名称としてもよい。
【0036】
業務情報503は、業務プロセステンプレート情報504によって識別される業務プロセステンプレートが適用される業務の識別子である。このように、業務プロセステンプレートと業務とを関連付けることによって、指定された業務に基づいて、候補となる業務プロセステンプレートを検索することができる。
【0037】
図4は、第1の実施形態の業務要素一覧表206を示す図である。業務要素一覧表206は、業務301及び業務要素302を含む。
【0038】
業務301は、業務に関する情報を格納する。具体的には、業務名303を含む。
【0039】
業務要素302は、業務プロセスの変動要因304を格納する。図4には、例として、「人」、「物」及び「販売方法」を変動要因とする業務要素が格納されている。
【0040】
具体的には、「人」による変動では、「物」を販売する顧客によって業務プロセスが変動する。例えば、販売先が「関連会社」である場合には、見積を依頼され、所定の処理が完了した後、見積稟議書が営業担当者によって作成され、見積稟議書が承認者によって承認された後、見積書が顧客に送付される。一方、販売先が「国内会社」である場合には、さらに、事業部の商品を受ける必要がある点で相違する。
【0041】
また、業務要素302の分類の一例として、業務プロセスの変動要因304に、「人」、「物」、及び「販売方法」による変動を挙げているが、分類は設計者が自由に決定することができ、図4に示した例に限られない。
【0042】
図5は、第1の実施形態の業務関連情報207を示す図である。業務関連情報207は、業務プロセステンプレートごとに保持される。業務関連情報207は、業務301、業務要素302、業務プロセステンプレート401、変動領域404、及び業務プロセス部品402を含む。
【0043】
業務301は、図4にて説明した業務要素一覧表206に含まれる業務301と同じく、業務名303を含む。業務要素302は、図4にて説明した業務要素一覧表206に含まれる業務要素302と同じく、変動要因304を含む。
【0044】
業務プロセステンプレート401には、業務301によって特定される業務に対応する業務プロセステンプレートの識別子、具体的には、業務プロセステンプレートの名称が格納される。
【0045】
変動領域404は、後述する業務プロセス部品402が割り当てられる業務プロセステンプレートの変動領域である。また、変動領域404は、業務要素302に含まれる変動要因304に対応する。
【0046】
業務プロセス部品402は、変動領域404に割り当てる業務プロセス部品である。また、業務プロセス部品402は、業務要素302と対応する。業務プロセス部品402の内容の具体例は、図6Aから図8Bにて後述する。業務プロセス部品は、業務プロセスモデル情報及び業務プロセス部品の識別子を含む。
【0047】
なお、図5では、変動要因304と変動領域404とが1対1となっている例を示しているが、変動要因304と変動領域404との関係が1対多又は多対多になるように業務関連情報207を設定してもよい。
【0048】
図6A及び図6Bは、見積業務において、「人」による変動要因に基づいて、図3の変動領域Aに割り当てられる業務プロセス部品の一例を示す図である。図3を参照すると、変動領域Bに割り当てられた処理の後に、変動領域Aに割り当てられる業務プロセス部品に定義された処理が実行されることがわかる。
【0049】
図6Aは、第1の実施形態の「関連会社パターン」の業務プロセス部品を示す図である。「関連会社パターン」は、見積業務において、顧客が関連会社である場合の業務プロセス部品である。業務プロセスモデル601は、顧客が関連会社の場合の業務プロセスモデルを示している。業務プロセス部品の識別子603には、部品名「関連会社パターン」が格納される。
【0050】
図6Aを参照しながら「関連会社パターン」の業務プロセスモデル601を説明すると、まず、営業部の担当者が見積稟議書を作成する。そして、営業部の承認者によって当該見積稟議書が許可されると、業務プロセスモデル601に定義された処理を終了する。また、営業部の承認者によって見積稟議書が許可されなかった場合には、営業部の担当者が見積稟議書を作成する処理に戻る。
【0051】
図6Bは、第1の実施形態の「国内会社パターン」の業務プロセス部品を示す図である。「国内会社パターン」は、見積業務において、顧客が関連会社でない国内会社である場合の業務プロセス部品である。業務プロセスモデル602は、顧客が関連会社の場合の業務プロセスモデルを示している。業務プロセス部品の識別子604には、部品名「国内会社パターン」が格納される。
【0052】
図6Bを参照しながら「国内会社パターン」の業務プロセスモデル602を説明すると、まず、「関連会社パターン」と同様に、営業部の担当者が見積稟議書を作成する。そして、営業部の承認者によって当該見積稟議書が許可されると、さらに、事業部によって見積稟議書の承認を受ける必要がある。事業部によって見積稟議書が承認されると、業務プロセスモデル602に定義された処理が終了する。また、営業部の承認者又は事業部によって見積稟議書が許可されなかった場合には、営業部の担当者が見積稟議書を作成する処理に戻る。
【0053】
図7A及び図7Bは、見積業務において、販売する「物」による変動要因に基づいて、図3の変動領域Bに割り当てられる業務プロセス部品の一例を示す図である。図3を参照すると、営業部の担当者によって案件作成が処理された後に変動領域Bに割り当てられる業務プロセス部品に定義された処理が実行されることがわかる。
【0054】
図7Aは、第1の実施形態の「機器販売パターン」の業務プロセス部品を示す図である。「機器販売パターン」は、見積業務において、販売する「物」が機器である場合の業務プロセス部品である。業務プロセスモデル701は、販売する「物」が機器である場合の業務プロセスモデルを示している。業務プロセス部品の識別子703には、部品名「機器販売パターン」が格納される。
【0055】
図7Aを参照しながら「機器販売パターン」の業務プロセスモデル701を説明すると、まず、事業部が見積案を作成する。その後、見積システムによって在庫を確認する。在庫を有する場合には、業務プロセスモデル701に定義された処理を終了する。また、在庫が有さない場合には、製造元等に問い合わせする。
【0056】
図7Bは、第1の実施形態の「コンサル業務パターン」の業務プロセス部品を示す図である。「コンサル業務パターン」は、見積業務において、「物」を販売するのではなく、サービスを提供する場合の業務プロセス部品である。業務プロセスモデル702は、サービスを提供する場合の業務プロセスモデルを示している。業務プロセス部品の識別子704には、部品名「コンサル業務パターン」が格納される。
【0057】
図7Bを参照しながら「コンサル業務パターン」の業務プロセスモデル702を説明すると、まず、「機器販売パターン」と同様に、事業部が見積案を作成する。「コンサル業務パターン」では、実際に「物」を販売するのではないため、在庫確認等は必要なく、見積案作成後、業務プロセスモデル702に定義された処理を終了する。
【0058】
なお、業務プロセスモデル702は、コンサルタント業務に必要な人員を確保する必要がある場合には、「機器販売パターン」の在庫確認と同じタイミングで必要な人員の確保が可能か否かを確認する処理を業務プロセスモデル702に追加してもよい。
【0059】
図8A及び図8Bは、見積業務において、「販売方法」による変動要因に基づいて、図3の変動領域Cに割り当てられる業務プロセス部品の一例を示す図である。図3を参照すると、顧客による見積依頼の後に変動領域Cに割り当てられる業務プロセス部品によって定義される処理が実行されることがわかる。
【0060】
図8Aは、第1の実施形態の「窓口販売パターン」の業務プロセス部品を示す図である。「窓口販売パターン」は、見積業務において、販売店などの窓口にて直接見積を依頼される場合の業務プロセス部品である。業務プロセスモデル801は、「販売方法」が窓口における販売である場合の業務プロセスモデルを示している。業務プロセス部品の識別子703には、部品名「窓口販売パターン」が格納される。業務プロセスモデル801を参照すると、窓口販売パターンでは、変動領域Cにおいて特に実行される処理はない。
【0061】
図8Bは、第1の実施形態の「国内代理店販売パターン」の業務プロセス部品を示す図である。「国内代理店販売パターン」は、見積業務において、国内の代理店にて販売される場合の業務プロセス部品である。業務プロセスモデル802は、「販売方法」が国内代理店における販売である場合の業務プロセスモデルを示している。業務プロセス部品の識別子804には、部品名「国内代理店販売パターン」が格納される。
【0062】
図8Bを参照しながら「国内代理店販売パターン」の業務プロセスモデル702を説明すると、まず、代理店において見積の依頼を受け付ける。その後、営業部の担当者に通知し、業務プロセスモデル802に定義された処理を終了する。
【0063】
以上、業務プロセス構築システムの構成を説明した。次に、利用者が業務プロセスモデルを構築する作業の流れを、図2の処理フローを参照しながら説明する。
【0064】
まず、CPU103は、構築する業務プロセスに対応する業務について、利用者200による選択を入力装置107から受け付ける(S211)。このとき、CPU103は、業務プロセステンプレート取得部201を実行することによって、業務を選択する画面をディスプレイ102に表示する。業務を選択する画面の一例を図9に示す。
【0065】
図9は、第1の実施形態の業務及び業務要素を選択する画面の一例を示す図である。ここでは、業務選択部1911について説明し、業務要素選択部1912については後述する。
【0066】
業務選択部1911は、業務を選択する業務選択コンボボックス1902及び業務決定ボタン1903を含む。業務選択コンボボックス1902には、見積業務などの業務名が格納されている。業務選択コンボボックス1902には、例えば、業務プロセステンプレート情報に格納されている業務テンプレートの業務名を抽出して格納してもよい。さらに、業務要素一覧表206から抽出してもよいし、記憶装置106に別途、業務要素一覧表を保持していてもよい。
【0067】
利用者200は、業務選択コンボボックス1902から構築する業務プロセスに対応する業務を選択する。その後、業務決定ボタン1903を操作し、選択される業務を決定する。なお、第1の実施形態では、図9を参照すると、「見積」業務が選択されている。
【0068】
ここで、図2の処理フローの説明に戻る。
【0069】
CPU103は、利用者200による業務の選択を受け付けると、記憶装置106に格納された業務プロセステンプレート情報205から選択された業務に対応する業務プロセステンプレートを取得する。取得された業務プロセステンプレートは、一時的にメモリ105に記憶される。ここで、見積業務が選択されたとすると、例えば、図3に示した業務プロセステンプレートが取得される。
【0070】
続いて、CPU103は、利用者200による業務要素の選択を入力装置107から受け付ける(S212)。CPU103は、業務要素選択部202を実行することによって、S211の処理で選択された業務に基づいて、記憶装置106に格納された業務要素一覧表206から業務要素を検索する。そして、業務要素の選択を受け付けるインタフェースが表示され、検索された業務要素の選択を受け付ける。
【0071】
ここで、図9を用いてさらに具体的に説明する。図9に示した選択ダイアログ1901には、業務要素の選択を受け付ける業務要素選択部1912が含まれている。業務要素選択部1912は、業務要素一覧1904及び変動要素決定ボタン1905を含む。
【0072】
選択ダイアログ1901は、S211の処理によって見積業務が選択されている場合には、図4に示した見積業務の業務要素一覧表206に含まれる情報が業務要素一覧1904に表示される。
【0073】
業務要素一覧1904は、変動要因ごとに業務要素を表示する。また、業務要素一覧1904には、業務要素の選択を受け付ける選択欄が設けられている。図9を参照すると、「人による変動」では、変動要素として、「国内会社」が選択されている。同様に「物による変動」では「機器販売」、「販売方法による変動」では「窓口販売」が選択されている。なお、業務要素は、変動要因ごとに一つ以上選択される必要があるが、一つの変動要因について、複数の業務要素が選択される場合については、第2の実施形態にて説明する。
【0074】
以上のように、業務要素一覧1904から業務要素が選択されると、利用者200は、変動要素決定ボタン1905を操作して、選択する業務要素を決定する。
【0075】
なお、図9に示す図では、一つの選択ダイアログ1901に業務選択部1911及び業務要素選択部1912が含まれているが、別々の画面であってもよく、さらに、同様の操作を実行できるインタフェースであれば、図9に示した画面に限られない。
【0076】
ここで、図2の処理フローの説明に戻る。
【0077】
CPU103は、業務要素の選択が完了すると、選択された業務及び業務要素に基づいて、業務プロセステンプレートの変動要素に割り当てる業務プロセス部品を検索する(S213)。具体的には、CPU103は、関連部品検索部203を実行し、選択された業務及び業務要素に基づいて、記憶装置106に格納された業務関連情報207を検索する。そして、業務関連情報207から業務プロセス部品及び当該業務プロセス部品を割り当てる変動領域を取得する。
【0078】
なお、業務関連情報207を検索した結果、複数の業務プロセス部品が検索された場合には、CPU103は、検索された業務プロセス部品の選択をさらに受け付ける画面を表示してもよい。また、後述するS214の処理の後に構築された業務プロセスモデルが表示された時点で、選択可能としてもよい。
【0079】
図9を参照しながら、具体的に説明すると、業務として「見積業務」が選択され、業務要素として「国内会社」、「機器販売」、及び「窓口販売」が選択されている。したがって、図5に示した業務関連情報207を参照すると、選択された業務要素に基づいて、変動領域Aには「国内会社パターン」の業務プロセス部品が検索され、同様に、変動領域Bには「機器販売パターン」、変動領域Cには「窓口販売パターン」が検索される。
【0080】
CPU103は、業務プロセス部品の検索が完了すると、検索された業務プロセス部品を取得済みの業務プロセステンプレートに割り当てる(S214)。具体的には、CPU103は、業務プロセス部品割当部204を実行し、記憶装置106に格納された業務プロセス部品情報208からS213の処理で検索された業務プロセス部品の実体を取得する。
【0081】
さらに、CPU103は、取得済みの業務プロセステンプレートの変動領域に、取得された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスモデルを構築する。
【0082】
最後に、CPU103は、構築された業務プロセスモデルを、表示装置101を介して表示する。利用者200は、表示された業務プロセスモデルを参照し、変更するか否かを判定する。変更する必要がある場合には、S212の業務要素を選択する処理から再度実行する。
【0083】
なお、前述のように、S213の処理で業務関連情報207を検索した結果、複数の業務プロセス部品が検索された場合には、表示された業務プロセスモデルの変動領域を指定し、業務プロセス部品を選択可能としてもよい。
【0084】
図10は、第1の実施形態の業務プロセス構築システムによって構築された見積業務の業務プロセスモデル901を示す図である。業務プロセスモデル901は、図9に示した選択ダイアログに設定された情報に基づいて、構築されている。
【0085】
S211の処理では、業務として「見積業務」が選択され、対応する業務プロセステンプレート「見積プロセステンプレート」が取得される。なお、第1の実施形態では、「見積プロセステンプレート」は、図3に示した業務プロセステンプレートとする。
【0086】
次に、図9を参照すると、S212の処理で業務要素として「国内会社」、「機器販売」、及び「窓口販売」が選択されている。このとき、変動要素決定ボタンを操作すると、CPU103によってS213の処理が実行され、対応する業務プロセス部品が検索される。具体的に検索される業務プロセス部品は、図4を参照すると、前述のように、変動領域Aに「国内会社パターン」、変動領域Bに「機器販売パターン」、変動領域Cに「窓口販売パターン」となる。
【0087】
さらに、S214の処理では、S213の処理の検索結果に基づいて、各変動領域502に業務プロセス部品が割り当てられる。具体的には、図3に示した見積プロセステンプレートの変動領域Aに「国内会社パターン」、変動領域Bに「機器販売パターン」、変動領域Cに「窓口販売パターン」がそれぞれ割り当てられる。なお、検索された業務プロセス部品の具体例として、図6Bに「国内会社パターン」が、図7Aに「機器販売パターン」が、さらに、図8Aに「窓口販売パターン」が示されている。
【0088】
以上の処理によって、図10に示した業務プロセスモデル901を作成することができる。作成された業務プロセスモデルは、記憶装置106などに格納される。
【0089】
第1の実施形態によれば、業務プロセスの一部を実業務において変動しやすい要素として定義された業務要素で部品化することによって、設計者は、業務及び業務要素を選択することで容易に業務プロセスを構築することができる。
【0090】
さらに、第1の実施形態によれば、業務プロセステンプレートの変動領域にあらかじめ作成された業務プロセス部品を割り当てて業務プロセスモデルを作成することによって、業務プロセスモデルの作成に要する時間を短縮することができる。また、業務に変更が生じた場合であっても迅速に対応することが可能である。
【0091】
また、第1の実施形態によれば、業務プロセステンプレートの変動領域に対応するように部品化ことによって、類似する部品を重複して作成することを防止することができ、業務プロセス部品の総数を減らすことができる。したがって、設計者の選択作業にかかる知識的、時間的な負荷を低減することができる。
【0092】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、一つの変動領域に一つの業務プロセス部品が割り当てられていたが、第2の実施形態では、一つの変動領域に複数の業務プロセス部品が割り当てることを可能とする点を特徴とする。以下、第1の実施形態と共通する構成及び処理については、説明を省略し、相違する点のみを説明する。
【0093】
第2の実施形態のハードウェア構成は、図1に示すように、第1の実施形態と同じである。また、第2の実施形態の業務プロセス構築システムを構成する処理部及びデータについても、第1の実施形態と同じである。
【0094】
さらに、図2に示した処理フローについても、概ね同じであるが、業務プロセス部品を割り当てる処理の一部が相違する。
【0095】
図11は、第2の実施形態の処理フローの詳細を示すフローチャートである。
【0096】
CPU103は、まず、利用者200による業務の選択を受け付ける(S211、S1101)。このとき、業務の選択を受け付けるために、例えば、図9に示した画面を表示する。そして、選択された業務に基づいて、業務プロセステンプレート情報205から業務プロセステンプレートを取得する(S1102)。以上の処理は、第1の実施形態と同じであり、図2のS211の処理は、図11のS1101の処理と、S1102の処理をあわせた処理と同じである。
【0097】
次に、CPU103は、利用者による業務要素の選択を受け付ける(S212)。このとき、CPU103は、業務要素選択部202を実行し、選択された業務に基づいて、図9に示した画面に業務要素一覧表206から取得された業務要素の一覧を表示する(S1103)。そして、利用者200による業務要素の選択を受け付ける(S212、S1104)。以上の処理も、第1の実施形態と同じであり、図2のS212の処理は、図11のS1103の処理と、S1104の処理をあわせた処理と同じである。
【0098】
このとき、第2の実施形態では、図9の業務要素選択部1912にて、同じ変動要因に含まれる業務要素を複数選択することができる。
【0099】
続いて、CPU103は、選択された業務要素に基づいて、業務に関連する部品、すなわち、業務プロセス部品を検索する(S214、S1105)。また、本処理についても、第1の実施形態と同じである。
【0100】
最後に、CPU103は、S213の処理で検索された情報に基づいて、業務プロセス部品情報から業務プロセス部品の実体を取得し、S1102の処理で取得された業務プロセステンプレートの変動領域に割り当てる(S214)。
【0101】
CPU103は、S1104の処理で選択された業務要素について、複数の業務プロセス部品が同じ変動領域に割り当てられるか否かを判定する(S1106)。複数の業務プロセス部品が同じ変動領域に割り当てられる場合には(S1106の結果が「YES」)、業務プロセス部品を業務プロセステンプレートと組合せる際に、分岐条件を追加して業務プロセス部品を並列に配置する(S1107)。一方、同じ変動領域に一つの業務プロセス部品が割り当てられる場合には(S1106の結果が「NO」)、第1の実施形態と同様に、指定された変動領域に業務プロセス部品を割り当てる(S1108)。以上のように、図2の処理フローのS214の処理は、図11のフローチャートでは、S1106、S1107及びS1108の処理に相当する。
【0102】
図12は、第2の実施形態の分岐条件を追加した業務プロセスモデルの一例を示す図である。
【0103】
図12に示した業務プロセスモデル1001は、変動領域Bに「機器販売」及び「コンサル」の業務要素を重複して割り当てた場合である。なお、変動領域A及び変動領域Cについては、第1の実施形態と同じである。
【0104】
第2の実施形態では、図11のS1104の処理で業務要素の選択を受け付けるとき、「物」による変動要因に「機器販売」及び「コンサル」の両方を選択する。
【0105】
このように、一つの変動領域に二つの業務プロセス部品を割り当てられた場合には(図11のS1106の結果が「YES」)、分岐条件(図12の1002)を追加して、それぞれの業務プロセス部品が割り当てられる(S1107)。
【0106】
図12を参照しながら説明すると、まず、変動領域Bに分岐条件1002が追加され、分岐先に「機器販売パターン」の業務プロセス部品1003及び「コンサルパターン」の業務プロセス部品1004が並列に割り当てられる。「機器販売パターン」の業務プロセス部品1003は図7Aに、「コンサルパターン」の業務プロセス部品1004は図7Bに示された内容である。
【0107】
なお、分岐条件を示す形として、分岐条件1002では、UML(Unified Modeling Language)の表記法に従ったひし形の記号を用いて表現したが、UML以外の他の表記法又はUMLによる表記法の別の表現でも同じ意味を示す表記であれば、別の記号を用いてもよい。
【0108】
第2の実施形態によれば、一つの変動領域に複数の業務プロセス部品を割り当てることができる。したがって、複数の変動領域を有する業務プロセステンプレートを用いて業務プロセスモデルを作成する場合に、一部の変動領域を除いて割り当てる業務プロセス部品が等しい場合であっても、一つの業務プロセスモデルに集約することができる。このように、類似する業務プロセスモデルを集約することによって、業務プロセスモデルの管理コストを低減することができる。
【0109】
(第3の実施形態)
第1の実施形態及び第2の実施形態では、図10及び図12に示した業務プロセスモデルを作成する業務プロセス構築システムを提示したが、第3の実施形態では、設計モデル及びプログラムコード(以下、「コード」)を作成する機能を有する点を特徴とする。
【0110】
設計モデルとは、業務プロセスモデルなどの分析モデルに基づいて、システムを実装するソフトウェアを作成するためのモデルである。成果物は、例えば、プログラムコードを作成するために使用されるシステム設計書である。具体的には、UMLに従って記述されたクラス図などが該当する。
【0111】
プログラムコードは、計算機によって実際に実行可能な処理を記載したプログラムである。例えば、JAVA(登録商標、以下同じ)などのプログラム言語によって記述される。
【0112】
第3の実施形態のハードウェア構成は、図1に示した第1の実施形態と同じである。以下、第3の実施形態の業務プロセス構築システムの処理部及びデータについて、第1の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0113】
図13は、第3の実施形態の業務プロセス構築システムの処理フローと処理部及びデータとの関係を説明する図である。図2に示した図と共通する構成については、図2と同じ符号を付して説明を省略する。
【0114】
第3の実施形態の業務プロセス構築システムの処理部は、業務プロセスモデルなどを作成する処理フローを実行するための処理が定義されたプログラムと、テンプレート及び部品を作成するための処理が定義されたプログラムが含まれる。なお、業務プロセスモデルを作成するために用いられるプログラムは、第1の実施形態と同じである。
【0115】
処理フローを実行するための処理が定義されたプログラムは、業務プロセスモデルを作成するための構成に加えて、設計モデル及びコードを作成するためのプログラムが含まれる。具体的には、設計モデルテンプレート取得部2101、コードテンプレート取得部2102、設計モデル部品割当部2103、及びコード部品割当部2104が含まれる。
【0116】
設計モデルテンプレート取得部2101は、指定された条件に適合する設計モデルテンプレートを、記憶装置106に格納された設計モデルテンプレート情報2105から取得する。コードテンプレート取得部2102は、指定された条件に適合するコードテンプレートを、記憶装置106に格納されたコードテンプレート情報2106から取得する。
【0117】
設計モデル部品割当部2103は、関連部品検索部203によって検索された部品を設計モデルテンプレートに割り当てる。コード部品割当部2104は、関連部品検索部203によって検索された部品をコードテンプレートに割り当てる。
【0118】
一方、テンプレート及び部品を作成するための処理が定義されたプログラムは、業務プロセスモデルを作成するための構成に加えて、設計モデル及びコードを作成するためのプログラムが含まれる。
【0119】
設計モデルテンプレート作成部2110は、設計モデルテンプレートを作成し、記憶装置106に格納された設計モデルテンプレート情報2105に追加する。また、設計モデルテンプレート作成部2110は、作成済の設計モデルテンプレートを編集し、更新することも可能である。
【0120】
コードテンプレート作成部2111は、コードテンプレートを作成し、記憶装置106に格納されたコードテンプレート情報2106に追加する。また、コードテンプレート作成部2111は、作成済のコードテンプレートを編集し、更新することも可能である。
【0121】
設計モデル部品作成部2112は、設計モデル部品を新たに作成し、記憶装置106に格納された設計モデル部品情報2108に追加する。また、設計モデル部品作成部2112は、作成済の設計モデル部品を編集し、更新することも可能である。
【0122】
コード部品作成部2113は、設計モデル部品を新たに作成し、記憶装置106に格納されたコード部品情報2109に追加する。また、コード部品作成部2113は、作成済のコード部品を編集し、更新することも可能である。
【0123】
また、業務要素一覧表作成部210は、第1の実施形態と同じである。業務関連情報作成部212は、第3の実施形態の業務関連情報2107が第1の実施形態の業務関連情報207に設計モデル及びコードの情報が追加された構成となっているため、設計モデル及びコードに関する業務関連情報の追加及び更新が可能となっている。
【0124】
なお、業務プロセス構築システムの処理部には、さらに、共通・差分情報検出部211及び推奨組合せ情報設定部214が含まれる。共通・差分情報検出部211は、第4の実施形態にて詳細を説明する。また、推奨組合せ情報設定部214は、第5の実施形態にて詳細を説明する。
【0125】
続いて、前述した各処理部の実行時に使用される記憶装置106に格納されたデータについて説明する。業務プロセス構築システムは、第1の実施形態の構成に加え、設計モデル及びコードを作成するための情報が含まれる。具体的には、設計モデルテンプレート情報2105、コードテンプレート情報2106、設計モデル部品情報2108、コード部品情報2109、及び推奨組合せ情報2114が含まれる。なお、推奨組合せ情報2114については、第5の実施形態にて説明する。
【0126】
また、業務関連情報2107は、業務プロセス構築システムの作成対象に設計モデル及びコードが追加されたため、第1の実施形態とは別の符号が付されている。業務関連情報2107は、第1の実施形態の業務関連情報207に、業務と設計モデル及びコードとの関連情報が加えられている。詳細については、図14にて後述する。
【0127】
設計モデルテンプレート情報2105は、業務に応じた設計モデルテンプレートを格納する。設計モデルテンプレートは、業務プロセステンプレートと同様に、業務内容によって設計要素が変動しない基本領域と、業務内容によって設計要素が変動しやすい変動領域によって構成される。設計モデル部品情報2108は、設計モデルテンプレートの変動領域に割り当てる部品を格納する。
【0128】
具体的には、見積業務について設計モデルを作成する場合では、成果物として作成される設計モデルをクラス図とした場合には、必ず作成される「見積案」クラスを基本領域に属するとすることができる。一方、「機器販売」では使用されるが、「コンサル」サービスを提供する場合には使用されない「在庫」クラスの場合には、変動領域に割り当てる設計モデル部品とすればよい。
【0129】
コードテンプレート情報2106は、業務に応じたコードテンプレートを格納する。コードテンプレートは、業務プロセステンプレートと同様に、業務内容によって処理が変更されにくい基本部分と、業務内容に応じて処理が特定される変動部分によって構成される。コード部品情報2109は、コードテンプレートの変動領域に割り当てる部品を格納する。
【0130】
具体的には、JAVAによってプログラムコードが作成される場合には、各業務で共通して使用されるクラスなどが基本部分に該当する。さらに、業務内容に応じて特定の処理が定義されたプログラムコードと、当該プログラムコードで使用される変数の宣言部などをコード部品とすることができる。
【0131】
なお、作成されるプログラムコードのみで完全に実行可能とする必要はなく、業務に関連する部分を作成するだけであってもよい。また、コードを作成する場合には、業務内容だけでなく、実行環境などに応じてコードテンプレート又はコード部品を定義してもよい。
【0132】
図14は、第3の実施形態の業務関連情報2107を示す図である。業務関連情報2107は、業務ごとに保持される。
【0133】
業務関連情報2107は、業務301、業務要素302、及び業務プロセスに関連する情報に加え、設計モデル及びコードに関連する情報を含む。業務関連情報2107は、図5にて説明した第1の実施形態の業務関連情報207を内包する。なお、第1の実施形態の業務関連情報207と共通する部分の説明を省略する。
【0134】
設計モデルに関連する情報は、設計モデルテンプレート2201、変動領域2204及び設計モデル部品2202を含む。
【0135】
設計モデルテンプレート2201は、業務301によって特定される業務に対応する設計モデルテンプレートの識別子、具体的には、設計モデルテンプレートの名称が格納される。
【0136】
変動領域2204は、設計モデル部品2202が割り当てられる設計モデルテンプレートの変動領域である。設計モデル部品2202は、設計モデルテンプレートの変動領域2204に割り当てられる設計モデル部品である。
【0137】
コードに関連する情報は、コードテンプレート2205、変動部分2207及びコード部品2206を含む。
【0138】
コードテンプレート2205は、業務301によって特定される業務に対応するコードテンプレートの識別子が格納される。具体的には、コードテンプレートの名称が格納される。
【0139】
変動部分2207は、コード部品2206が割り当てられるコードテンプレートの変動領域である。コード部品2206は、コードテンプレートの変動部分2207に割り当てられるコード部品である。
【0140】
なお、業務要素の変動要因304は、業務プロセステンプレートの変動領域404、設計モデルテンプレートの変動領域2204又はコードテンプレートの変動部分2207と完全に一致する必要はない。例えば、業務プロセスを作成する場合には変動領域に含まれるが、設計モデルを作成する場合には、基本領域に含まれていてもよい。具体的には、業務プロセスでは、フローが異なるために変動領域に含まれるが、設計プロセスでは、定義されるクラスが共通するため、基本領域に含まれてもよい。
【0141】
図15は、第3の実施形態の処理フローの詳細を示すフローチャートである。業務プロセスを作成する手順については、第2の実施形態と同じであるため、共通する処理には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0142】
CPU103は、まず、利用者による業務の選択を受け付ける(S1101)。第3の実施形態では、作成対象の入力を受け付ける(S1201)。具体的には、業務プロセス、設計モデル、又はコードのいずれかを作成するかの入力を受け付ける。なお、業務プロセスモデル、設計モデル、コードのうち複数又は全部を選択可能としてもよい。
【0143】
CPU103は、S1201の処理において選択された内容に基づいて、指定された対象を作成する。業務プロセスを作成する場合には、第2の実施形態にて説明した内容と同じである。設計モデルを作成する場合には設計モデル作成処理S1202、コードを作成する場合にはコード作成処理S1203を実行する。設計モデル作成処理S1202については、図16にて説明する。また、コード作成処理S1203は、図17にて説明する。
【0144】
図16は、第3の実施形態の設計モデル作成処理S1202の手順を示すフローチャートである。基本的な手順は、業務プロセスを作成する手順と同様である。
【0145】
CPU103は、設計モデルテンプレート取得部2101を実行し、選択された業務に基づいて、設計モデルテンプレートを取得する(S1301)。具体的には、選択された業務に対応する設計モデルテンプレートを記憶装置106に格納された設計モデルテンプレート情報2105から取得する。取得された設計モデルテンプレートは、一時的にメモリ105に記憶される。ここで、見積業務が選択されたとすると、例えば、図14に示した設計モデルテンプレート2201(見積りモデルテンプレート)が取得される。
【0146】
CPU103は、業務要素選択部202を実行し、業務要素一覧表206にから業務要素の一覧を表示する(S1302)。このとき、業務プロセスモデルを作成する処理と同様に、図9に示すような業務要素の選択を受け付ける画面を表示し、利用者200による業務要素の選択を受け付ける(S212、S1303)。
【0147】
次に、CPU103は、関連部品検索部203を実行し、選択された業務要素に基づいて、業務関連情報2107に格納されている関連情報を取得し、当該業務要素と関連する設計モデル部品及び当該設計モデル部品を割り当てる変動領域を検索する(S213、S1304)。
【0148】
最後に、CPU103は、設計モデル部品割当部2103を実行し、検索された設計モデル部品及び割り当てる変動領域の情報に基づいて、設計モデル部品情報2108から設計モデル部品の実体を取得する。そして、取得された設計モデルテンプレートの変動領域に設計モデル部品を割り当てることによって設計モデルを作成する(S1307)。
【0149】
なお、複数の設計モデル部品を同じ変動領域に割り当てる場合には(S1305の結果が「YES」)、検索された設計モデル部品を設計モデルテンプレートに割り当てる際に、分岐条件を追加して設計モデル部品を並列に配置する(S1306)。
【0150】
なお、設計モデルと、設計モデルを構成する部分情報である設計モデルテンプレート及び設計モデル部品は、ソフトウェアのプログラム構造をモデル化したものを示す情報であって、前述のように、UML等の設計言語を用いて記述したものを想定しているが、ソフトウェアのプログラム構造が表現可能であれば、この限りではない。また、設計モデルにおける分岐条件の表現についても、ソフトウェアのプログラム構造の分岐を示すものであれば、特に限定するものではないものとする。
【0151】
図17は、第3の実施形態のコード作成処理S1203の手順を示すフローチャートである。基本的な手順は、業務プロセスを作成する手順と同様である。
【0152】
CPU103は、コードテンプレート取得部2102を実行し、選択された業務に基づいて、コードテンプレートを取得する(S1401)。具体的には、選択された業務に対応するコードテンプレートを記憶装置106に格納されたコードテンプレート情報2106から取得する。取得されたコードテンプレートは、一時的にメモリ105に記憶される。ここで、見積業務が選択されたとすると、例えば、図14に示したコードテンプレート2205(見積コードテンプレート)が取得される。
【0153】
CPU103は、業務要素選択部202を実行し、業務要素一覧表206にから業務要素の一覧を表示する(S1402)。このとき、業務プロセスモデルを作成する処理と同様に、図9に示すような業務要素の選択を受け付ける画面を表示し、利用者200による業務要素の選択を受け付ける(S212、S1403)。
【0154】
次に、CPU103は、関連部品検索部203を実行し、選択された業務要素に基づいて、業務関連情報2107に格納されている関連情報を取得し、当該業務要素と関連するコード部品及び当該コード部品を割り当てる変動部分を検索する(S213、S1404)。
【0155】
最後に、CPU103は、コード部品割当部2104を実行し、検索された設計モデル部品及び割り当てる変動領域の情報に基づいて、コード部品情報2109からコード部品の実体を取得する。そして、取得されたコードテンプレートの変動領域にコード部品を割り当てることによってコードを作成する(S1407)。
【0156】
なお、複数のコード部品を同じ変動領域に割り当てる場合には(S1405の結果が「YES」)、検索されたコード部品をコードテンプレートに割り当てる際に、if文等の分岐条件コードを追加してコード部品を並列に配置する(S1406)。
【0157】
コード、コードを構成する部分情報であるコードテンプレート及びコード部品は、ソフトウェアのソースコードであって、JAVA等のプログラム言語を用いて記述されていることを想定しているが、他のプログラム言語であってもよい。また、分岐条件の表現の例としてif文を挙げているが、使用するプログラム言語に応じて定めればよい。
【0158】
第3の実施形態によれば、業務プロセスだけでなく、設計モデル又はプログラムコードを作成することも可能である。したがって、業務の分析だけでなく、システム開発の効率を向上させることができる。また、業務分析の結果である業務プロセスと、システムの設計に対応する設計モデル及びシステムの実装に対応するプログラムコードとの関連が明確になるため、分析結果と実装されたシステムとが乖離することを防ぐことができる。
【0159】
(第4の実施形態)
第1の実施形態から第3の実施形態では、業務プロセスモデルなど作成する例について説明したが、第4の実施形態では、作成済みの複数の業務プロセスモデルに基づいて、業務プロセステンプレート及び業務プロセス部品を作成する例について説明する。さらに、設計モデルテンプレート及び設計モデル部品、コードテンプレート及びコード部品を作成する例について説明する。
【0160】
第4の実施形態のハードウェア構成は、図1に示した第1の実施形態と同じである。以下、第4の実施形態の業務プロセス構築システムの処理部及びデータについて、第1の実施形態から第3の実施形態と相違する点を説明する。
【0161】
第4の実施形態の業務プロセス構築システムのソフトウェア構成は、図13に示した第3の実施形態の業務プロセス構築システムと同様である。
【0162】
第4の実施形態では、前述のように、作成済みの複数の業務プロセスモデルに基づいて、業務プロセステンプレート及び業務プロセス部品を作成する。
【0163】
共通・差分情報検出部211は、複数の業務プロセスモデルの情報に基づいて、各業務プロセスモデルに含まれる業務において遂行される作業、業務データ、作業順序及び分岐条件の内容を比較することによって共通部分及び差分部分を検出する。
【0164】
また、共通・差分情報検出部211は、複数の設計モデルの情報に基づいて、各設計モデルに記述されたデータ処理の内容、データ項目、データ処理の流れ及び分岐条件の内容を比較することによって設計モデル間の共通部分及び差分部分を検出する。
【0165】
さらに、共通・差分情報検出部211は、複数のコードの情報に基づいて、各コードに記述されたデータ処理の内容、データ項目、データ処理の流れ及び分岐条件の内容を比較することによって、共通部分及び差分部分を検出する。このとき、顧客などによって同一の業務又は業務に含まれる処理が異なる業務又は処理として扱われる場合には、扱いが異なる業務又は処理の対応関係を含む対応表をあらかじめ保持しておけばよい。
【0166】
業務プロセステンプレート作成部209は、共通・差分情報検出部211によって検出された業務プロセスモデルの共通部分の情報に基づいて、業務プロセスモデルテンプレートを作成し、作成された業務プロセスモデルテンプレートを業務プロセステンプレート情報205に格納する。なお、業務プロセステンプレート作成部209は、第1の実施形態にて説明したように、利用者が業務プロセステンプレートを作成可能な機能を備えていてもよい。
【0167】
設計モデルテンプレート作成部2110は、共通・差分情報検出部211によって検出された設計モデルの共通部分の情報に基づいて、設計モデルテンプレートを作成し、作成された設計モデルテンプレートを設計モデルテンプレート情報2105に格納する。なお、設計モデルテンプレート作成部2110は、利用者が設計モデルテンプレートを作成可能な機能を備えていてもよい。
【0168】
コードテンプレート作成部2111は、共通・差分情報検出部211によって検出されたコードの共通部分の情報に基づいて、コードテンプレートを作成し、作成されたコードテンプレートをコードテンプレート情報2106に格納する。なお、コードテンプレート作成部2111は、利用者がコードテンプレートを作成可能な機能を備えていてもよい。
【0169】
業務プロセス部品作成部213は、共通・差分情報検出部211によって検出された業務プロセスモデルの差分部分の情報に基づいて、業務プロセス部品を作成し、作成された業務プロセス部品を業務プロセス部品情報208に作成された業務プロセス部品を格納する。なお、業務プロセス部品作成部213は、第1の実施形態において説明したように、利用者が業務プロセス部品を作成可能な機能を備えていてもよい。
【0170】
設計モデル部品作成部2112は、共通・差分情報検出部211によって検出された設計モデルの差分部分の情報に基づいて、設計モデル部品を作成し、作成された設計モデル部品を設計モデル部品情報2108に格納する。なお、設計モデル部品作成部2112は、利用者が設計モデル部品を作成可能な機能を備えていてもよい。
【0171】
コード部品作成部2113は、共通・差分情報検出部211によって検出されたコードの差分部分の情報に基づいて、コード部品を作成し、作成されたコード部品をコード部品情報2109に格納する。なお、コード部品作成部2113は、利用者がコード部品を作成可能な機能を備えていてもよい。
【0172】
業務関連情報作成部212は、業務要素一覧表206に格納される業務要素と、作成された業務プロセスモデル、設計モデル及びコードの情報とを関連付ける。具体的には、業務要素302と、業務プロセステンプレート及び業務プロセス部品とを関連付ける。同様に、業務要素302と、設計モデルテンプレート及び設計モデル部品、コードモデルテンプレート及びコード部品を関連付ける。
【0173】
ここで、利用者が複数の業務プロセスモデル、設計モデル又はコードから、テンプレート及び部品を作成する手順を説明する。
【0174】
図18は、第4の実施形態の複数の業務プロセスモデル、設計モデル又はコードから、テンプレート及び部品を作成する手順を示すフローチャートである。
【0175】
CPU103は、まず、利用者から作成対象のテンプレート及び部品の種類の入力を受け付ける(S1501)。以下、「業務プロセス」を選択した場合の処理について説明する。なお、「設計モデル」を選択した場合の処理S1512は図19にて、「コード」を選択した場合の処理S1513は図20にて説明する。
【0176】
CPU103は、共通・差分情報検出部211を実行し、既に登録された複数の業務プロセスモデルを読み込む(S1502)。さらに、CPU103は、読み込まれた業務プロセスモデルを比較し、各業務プロセスモデルの共通部分及び差分部分を抽出する(1503)。
【0177】
CPU103は、抽出された共通部分を業務プロセステンプレートの候補として抽出する(S1504)。このとき、差分部分に対応する領域を変動領域とする。
【0178】
次に、CPU103は、S1504の処理で抽出された業務プロセステンプレートの候補を利用者に提示し、内容を修正するか否かの判定を受け付ける(S1505)。
【0179】
CPU103は、内容を修正すると判定された場合には(S1505の結果が「YES」)、業務プロセステンプレート作成部209を実行することによって、業務プロセステンプレートの候補として抽出された内容を修正する。そして、修正された内容を業務プロセステンプレートとして業務プロセステンプレート情報205に格納する(S1507)。
【0180】
CPU103は、内容を修正しないと判定された場合には(S1505の結果が「NO」)、業務プロセステンプレートの候補として抽出された内容を業務プロセステンプレートとして業務プロセステンプレート情報205に格納する(S1506)。
【0181】
一方、抽出された差分部分は、業務プロセス部品の候補とされる(S1508)。
【0182】
次に、CPU103は、S1508の処理で抽出された業務プロセス部品の候補を利用者に提示し、内容を修正するか否かの判定を受け付ける(S1509)。
【0183】
CPU103は、内容を修正すると判定された場合には(S1509の結果が「YES」)、業務プロセス部品作成部213を実行することによって、業務プロセス部品の候補として抽出された内容を修正する。そして、修正された内容を業務プロセス部品として業務プロセス部品情報208に格納する(S1511)。
【0184】
CPU103は、内容を修正しないと判定された場合には(S1509の結果が「NO」)、業務プロセス部品の候補として抽出された内容を業務プロセス部品として業務プロセス部品情報208に格納する(S1511)。
【0185】
続いて、S1501の処理で「設計モデル」が選択された場合に、設計モデルテンプレート及び設計モデル部品を作成する手順を説明する。
【0186】
図19は、第4の実施形態の設計モデルテンプレート及び設計モデル部品を作成する手順を示すフローチャートである。
【0187】
CPU103は、共通・差分情報検出部211を実行し、既に登録された複数の設計モデルを読み込む(S1601)。さらに、CPU103は、読み込まれた設計モデルを比較し、各設計モデルの共通部分及び差分部分を抽出する(1602)。
【0188】
CPU103は、抽出された共通部分を設計モデルテンプレートの候補として抽出する(S1603)。このとき、差分部分に対応する領域を変動領域とする。
【0189】
次に、CPU103は、S1603の処理で抽出された設計モデルテンプレートの候補を利用者に提示し、内容を修正するか否かの判定を受け付ける(S1604)。
【0190】
CPU103は、内容を修正すると判定された場合には(S1604の結果が「YES」)、設計モデルテンプレート作成部2110を実行することによって、設計モデルテンプレートの候補として抽出された内容を修正する。そして、修正された内容を設計モデルテンプレートとして設計モデルテンプレート情報2105に格納する(S1606)。
【0191】
CPU103は、内容を修正しないと判定された場合には(S1604の結果が「NO」)、設計モデルテンプレートの候補として抽出された内容を設計モデルテンプレートとして設計モデルテンプレート情報2105に格納する(S1605)。
【0192】
一方、抽出された差分部分は、設計モデル部品の候補とされる(S1607)。
【0193】
次に、CPU103は、S1608の処理で抽出された設計モデル部品の候補を利用者に提示し、内容を修正するか否かの判定を受け付ける(S1608)。
【0194】
CPU103は、内容を修正すると判定された場合には(S1608の結果が「YES」)、設計モデル部品作成部2112を実行することによって、設計モデル部品の候補として抽出された内容を修正する。そして、修正された内容を設計モデル部品として設計モデル部品情報2108に格納する(S1610)。
【0195】
CPU103は、内容を修正しないと判定された場合には(S1608の結果が「NO」)、設計モデル部品の候補として抽出された内容を設計モデル部品として設計モデル部品情報2108に格納する(S1609)。
【0196】
続いて、S1501の処理で「コード」が選択された場合に、コードテンプレート及びコード部品を作成する手順を説明する。
【0197】
図20は、第4の実施形態のコードテンプレート及びコード部品を作成する手順を示すフローチャートである。
【0198】
CPU103は、共通・差分情報検出部211を実行し、既に登録された複数のコードを読み込む(S1701)。さらに、CPU103は、読み込まれたコードを比較し、各コードの共通部分及び差分部分を抽出する(1702)。
【0199】
CPU103は、抽出された共通部分をコードテンプレートの候補として抽出する(S1703)。このとき、差分部分に対応する領域を変動部分とする。
【0200】
次に、CPU103は、S1703の処理で抽出されたコードテンプレートの候補を利用者に提示し、内容を修正するか否かの判定を受け付ける(S1704)。
【0201】
CPU103は、内容を修正すると判定された場合には(S1704の結果が「YES」)、コードテンプレート作成部2111を実行することによって、コードテンプレートの候補として抽出された内容を修正する。そして、修正された内容をコードテンプレートとしてコードテンプレート情報2106に格納する(S1706)。
【0202】
CPU103は、内容を修正しないと判定された場合には(S1704の結果が「NO」)、コードテンプレートの候補として抽出された内容をコードテンプレートとしてコードテンプレート情報2106に格納する(S1705)。
【0203】
一方、抽出された差分部分は、コード部品の候補とされる(S1707)。
【0204】
次に、CPU103は、S1708の処理で抽出されたコード部品の候補を利用者に提示し、内容を修正するか否かの判定を受け付ける(S1708)。
【0205】
CPU103は、内容を修正すると判定された場合には(S1708の結果が「YES」)、コード部品作成部2113を実行することによって、コード部品の候補として抽出された内容を修正する。そして、修正された内容をコード部品としてコード部品情報2109に格納する(S1710)。
【0206】
CPU103は、内容を修正しないと判定された場合には(S1708の結果が「NO」)、コード部品の候補として抽出された内容をコード部品としてコード部品情報2109に格納する(S1709)。
【0207】
第4の実施形態によれば、既存の業務プロセスモデルの情報に基づいて、新たに業務プロセステンプレート及び業務プロセス部品を作成することができる。また、業務プロセスモデルと同様に、設計モデル及びコードの作成も可能である。したがって、本システム導入の前に作成された業務プロセスモデルを活用し、部品の共通化を図ることができる。また、本システム導入に必要な業務プロセステンプレート及び業務プロセス部品の入力負荷を低減することができる。
【0208】
なお、既存の業務プロセスモデルの情報が電子化されていない場合であっても、スキャナなどを用いてシステムに取り込み、既存の業務プロセスモデルとすることも可能である。具体的には、既存の業務プロセスモデルが所定の表記方法で統一して記載されていれば、スキャナなどによって取り込まれた画像データから所定の表記方法に基づいて、業務プロセスモデルを構成する要素を抽出する。設計モデルについても同様である。
【0209】
また、コードについては、同一のプログラム言語、かつ、一定の規約に従ったソースコードであれば、コードテンプレート及びコード部品についても一定の規約に従ったコードを自動的に作成することが可能となる。
【0210】
(第5の実施形態)
第1の実施形態から第3の実施形態では、業務を選択した後、利用者によって業務要素が選択されていたが、第5の実施形態では、所定の作成条件を入力することによって、推奨される業務要素の組合せを提示する機能と有する点を特徴とする。
【0211】
第5の実施形態のハードウェア構成は、図1に示した第1の実施形態と同じである。以下、第5の実施形態の業務プロセス構築システムの処理部及びデータについて、第1の実施形態から第4の実施形態と相違する点を中心に説明する。
【0212】
第5の実施形態の業務プロセス構築システムのソフトウェア構成は、図13に示した第3の実施形態の業務プロセス構築システムと同様である。
【0213】
推奨組合せ情報設定部214は、利用者が業務及び作成条件を選択した後、業務要素一覧表206に格納されている情報に基づいて、選択された業務に対応する業務要素の組合せを提示する。また、推奨組合せ情報設定部214には、推奨組合せ情報2114を参照し、指定された業務及び作成条件に基づいて、条件に適合する組合せ候補を抽出する。
【0214】
推奨組合せ情報2114は、推奨される業務要素の組合せ候補が格納される。推奨組合せ情報2114は、記憶装置106に格納される。
【0215】
続いて、利用者が業務及び作成条件を選択し、提示された業務要素の組合せに対し、業務要素を選択する作業の手順を説明する。
【0216】
図21は、第5の実施形態の業務プロセスモデルを作成するための推奨組合せを提示する手順を示すフローチャートである。
【0217】
CPU103は、推奨組合せ情報設定部214を実行し、利用者による業務の選択を受け付ける(S1801)。さらに、作成条件の入力を受け付ける(S1802)。このとき、業務の選択を受け付けてから作成条件の入力を受け付けてもよいし、業務の選択と作成条件とを同時に受け付けてもよい。
【0218】
図22は、第5の実施形態の業務の選択及び作成条件の入力を受け付ける選択ダイアログ2001の一例を示す図である。
【0219】
選択ダイアログ2001は、業務選択部2002、業務決定ボタン2003、条件選択部2010、及び条件決定ボタン2011を含む。
【0220】
業務選択部2002は、業務の一覧が格納される。業務の一覧は、例えば、業務要素一覧表206から業務名を重複しないように検索することによって得られる。利用者は、業務選択部2002から業務プロセスモデルを作成する対象の業務を選択する。選択後、業務決定ボタン2003を操作し、業務の選択を確定する。
【0221】
なお、業務決定ボタン2003が操作されるまでは、作成条件を選択不可とし、決定された業務に応じて作成条件を設定するようにしてもよい。
【0222】
条件選択部2010は、作成する業務プロセスモデルの条件を格納する。図22に示す条件選択部2010では、変動要因をあらかじめ選択可能な構成となっている。利用者によって作成条件が一つ以上選択され、条件決定ボタン2011を操作されると、作成条件が確定される。
【0223】
CPU103は、作成条件が確定すると、業務要素の組合せ候補を表示する(S1803)。業務要素の組合せ候補は、あらかじめ推奨組合せ情報設定部214に保持されている推奨される組合せ候補から指定された条件に基づいて抽出される。
【0224】
図22に示す選択ダイアログには、推奨組合せ情報設定部214によって抽出された推奨される業務要素の組合せ候補が表示されている。また、変動項目として準拠が必要な法規が加えられている
図22を参照すると、第一候補2004、第二候補2006及び第三候補2008が表示されている。具体的には、第一候補2004には、「人による変動」に「国内顧客」、「規則」に「J−SOX法対応」の組合せが推奨される候補として提示されている。また、第二候補として、「人による変動」に「海外会社」、「規則」に「米国SOX法対応」の組合せが提示されている。このように、国内の顧客を相手にする業務ならば個人情報保護法に従わなければならない、又は、海外の顧客を相手にする業務ならば米国SOX法に従わなければならないなどのパターンを推奨組合せ情報2114にあらかじめ格納しておくことによって、業務要素の組合せ候補を提示することができる。
【0225】
なお、図22に示した選択ダイアログは一例であり、利用者に組合せ候補を理解及び認識させるものであればよい。また、業務及び作成条件を入力する画面と組合せ候補を表示する画面とを別画面としてもよい。
【0226】
また、各候補には、業務要素決定ボタン(2005、2007、2009)が表示されている。これらのボタンを操作することによって、各候補の選択欄にチェックを付すことができる。
【0227】
最後に、CPU103は、選択された業務要素の候補に基づいて、業務プロセスモデルを作成する。候補を選択することによって、業務プロセスモデルを作成するために必要な業務要素の選択が完了している場合には、図11のフローチャートに示したS1105以降の処理を実行することによって、自動的に作成することが可能である。
【0228】
CPU103は、指定された候補の選択だけでは業務要素が決定されない場合には、さらに、情報を入力する画面を表示し、追加情報の入力を受け付けてもよい。
【0229】
なお、第5の実施形態は業務プロセスモデルの作成に限定する必要はなく、同様に、設計モデル又はコードの作成に適用することも可能である。
【0230】
第5の実施形態によれば、すべての業務要素を選択することなく、業務プロセスモデルを作成することができる。したがって、業務プロセスモデルの作成負荷を低減することができる。
【0231】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその主旨の範囲において様々な変形が可能である。
【0232】
販売管理などの多くの一般的な会社で遂行されている業務の業務プロセスを分析すると、会社ごとに相違する場合が多い。業務プロセスの業務要素を分析すると、基本的には、Who=人の相違、What=物の相違、How=販売方法の相違、Where=場所の相違、When=時間の相違、Why=会社規則又は法律の相違、といったものが主要なもの考えられる。したがって、以上の要因に着目し、業務要素を設定することによって様々なケースに対応することが可能となる。なお、本発明では、前述した要因以外にも自由に設定することを可能とし、さらに多くの業務に対応可能としている。
【0233】
本発明では、業務プロセスを構築する際に、前述のような変動要因の影響を受けない部分を基本領域、影響を受ける部分を変動領域と分けてモデル化している。そして、変動要因に基づく業務の変更内容を業務プロセス部品として、変動領域に割り当てることによって業務プロセスモデルを構築する。
【0234】
また、本発明は、ソフトウェア開発における設計モデル及び最終的な成果物であるコードの作成まで適用可能である。業務の変動要因により設計モデルとコードの影響を受ける範囲に対して、あらかじめ作成されている部品を関連情報に基づいて割り当てることによって、業務及び業務要素を選択することによって、設計モデル及びコードを作成及び変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】第1の実施形態の業務プロセス構築システムのハードウェア構成図。
【図2】第1の実施形態の業務プロセス構築システムの処理フローと、処理部及びデータとの関係を説明する図。
【図3】第1の実施形態の業務プロセステンプレートの一例を示す図。
【図4】第1の実施形態の業務要素一覧表の一例を示す図。
【図5】第1の実施形態の業務関連情報の一例を示す図。
【図6A】第1の実施形態の「関連会社パターン」の業務プロセス部品の一例を示す図。
【図6B】第1の実施形態の「国内会社パターン」の業務プロセス部品の一例を示す図。
【図7A】第1の実施形態の「機器販売パターン」の業務プロセス部品の一例を示す図。
【図7B】第1の実施形態の「コンサル業務パターン」の業務プロセス部品の一例を示す図。
【図8A】第1の実施形態の「窓口販売パターン」の業務プロセス部品の一例を示す図。
【図8B】第1の実施形態の「国内代理店販売パターン」の業務プロセス部品の一例を示す図。
【図9】第1の実施形態の業務及び業務要素を選択する画面の一例を示す図。
【図10】第1の実施形態の業務プロセス構築システムによって構築された見積業務の業務プロセスモデルを示す図。
【図11】第2の実施形態の処理フローの詳細を示すフローチャート。
【図12】第2の実施形態の分岐条件を追加した業務プロセスモデルの一例を示す図。
【図13】第3の実施形態の業務プロセス構築システムの処理フローと処理部及びデータとの関係を説明する図。
【図14】第3の実施形態の業務関連情報の一例を示す図。
【図15】第3の実施形態の処理フローの詳細を示すフローチャート。
【図16】第3の実施形態の設計モデル作成処理の手順を示すフローチャート。
【図17】第3の実施形態のコード作成処理の手順を示すフローチャート。
【図18】第4の実施形態の複数の業務プロセスモデル、設計モデル又はコードから、テンプレート及び部品を作成する手順を示すフローチャート。
【図19】第4の実施形態の設計モデルテンプレート及び設計モデル部品を作成する手順を示すフローチャート。
【図20】第4の実施形態のコードテンプレート及びコード部品を作成する手順を示すフローチャート。
【図21】第5の実施形態の業務プロセスモデルを作成するための推奨組合せを提示する手順を示すフローチャート。
【図22】第5の実施形態の業務の選択及び作成条件の入力を受け付ける選択ダイアログの一例を示す図。
【符号の説明】
【0236】
101 表示装置
102 ディスプレイ
103 CPU
104 メモリ
106 記憶装置
107 入力装置
201 業務プロセステンプレート取得部
202 業務要素選択部
203 関連部品検索部
204 業務プロセス部品割当部
205 業務プロセステンプレート情報
206 業務要素一覧表
207 業務関連情報
208 業務プロセス部品情報
209 業務プロセステンプレート作成部
210 業務要素一覧表作成部
211 共通・差分情報検出部
212 業務関連情報作成部
213 業務プロセス部品作成部
214 推奨組合せ情報設定部
1901 選択ダイアログ
2001 選択ダイアログ
2101 設計モデルテンプレート取得部
2102 コードテンプレート取得部
2103 設計モデル部品割当部
2104 コード部品割当部
2105 設計モデルテンプレート情報
2106 コードテンプレート情報
2107 業務関連情報
2108 設計モデル部品情報
2109 コード部品情報
2110 設計モデルテンプレート作成部
2111 コードテンプレート作成部
2112 設計モデル部品作成部
2113 コード部品作成部
2114 推奨組合せ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務プロセスの作成を支援する業務プロセス構築支援システムであって、
プロセッサ、前記プロセッサに接続されるメモリ、入力装置、及び記憶装置を備え、
前記記憶装置は、前記業務プロセスのテンプレートである業務プロセステンプレートと前記業務プロセスに含まれる業務要素を含む業務要素一覧表、及び前記業務要素に対応し、前記業務プロセスの一部を構成する業務プロセス部品を含む業務プロセス部品情報を格納し、
前記業務プロセステンプレートは、業務ごとに一定の処理が定義される基本領域と、前記業務要素によって定義される処理が変動する変動領域とを含み、
前記プロセッサは、
前記作成される業務プロセスの業務の選択を受け付け、
前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応する業務プロセステンプレート及び業務要素を取得し、
前記取得された業務要素の選択を受け付け、
前記選択された業務要素に基づいて、前記業務プロセス部品情報から前記業務プロセス部品を検索し、
前記取得された業務プロセステンプレートの変動領域に前記検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成することを特徴とする業務プロセス構築支援システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
同じ業務に属する作成済みの複数の業務プロセスの入力を受け付け、
前記入力された複数の業務プロセスを比較することによって、共通部分及び相違部分を抽出し、
前記共通部分を、前記業務プロセステンプレートとして、前記記憶装置に格納し、
前記相違部分を、前記業務プロセス部品として、前記記憶装置に格納することを特徴とする請求項1に記載の業務プロセス構築支援システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記変動領域に複数の業務要素が選択された場合には、前記変動領域に分岐条件を追加し、前記選択された複数の業務要素を並列して前記変動領域に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の業務プロセス構築支援システム。
【請求項4】
前記業務要素一覧表は、前記業務要素と、ソフトウェアの設計モデルのテンプレートである設計モデルテンプレートとの対応関係を含み、
前記記憶装置は、前記業務要素に対応し、前記設計モデルの一部を構成する設計モデル部品を含む設計モデル部品情報をさらに格納し、
前記設計モデルテンプレートは、業務ごとに一定の内容が定義される基本領域と、前記業務要素によって内容が変動する変動領域とを含み、
前記プロセッサは、
業務の選択を受け付け、
前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応する設計モデルテンプレート及び業務要素を取得し、
前記取得された業務要素の選択を受け付け、
前記選択された業務要素に基づいて、前記設計モデル部品情報から前記設計モデル部品を検索し、
前記取得された設計モデルテンプレートの変動領域に前記検索された設計モデル部品を割り当てることによって、設計モデルを作成することを特徴とする請求項1に記載の業務プロセス構築支援システム。
【請求項5】
前記業務要素一覧表は、前記業務要素と、プログラムコードのテンプレートであるコードテンプレートとの対応関係を含み、
前記記憶装置は、前記業務要素に対応し、前記プログラムコードの一部を構成するコード部品を含むコード部品情報をさらに格納し、
前記コードテンプレートは、業務ごとに一定の処理が記述される基本部分と、前記業務要素によって記述される処理が変動する変動部分とを含み、
前記プロセッサは、
業務の選択を受け付け、
前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応するコードテンプレート及び業務要素を取得し、
前記取得された業務要素の選択を受け付け、
前記選択された業務要素に基づいて、前記コード情報から前記コード部品を検索し、
前記取得されたコードテンプレートの変動部分に前記検索されたコード部品を割り当てることによって、プログラムコードを作成することを特徴とする請求項1に記載の業務プロセス構築支援システム。
【請求項6】
前記記憶装置は、前記業務要素の推奨される組合せを含む推奨組合せ情報を格納し、
前記プロセッサは、
前記作成される業務プロセスの業務の選択を受け付け、
前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応する業務プロセステンプレートを取得し、
前記作成される業務プロセスの作成条件の入力を受け付け、
前記入力された作成条件に基づいて、前記推奨組合せ情報から業務要素の組合せを検索し、
前記検索された業務要素に基づいて、前記業務プロセス部品情報から前記業務プロセス部品を検索し、
前記取得された業務プロセステンプレートの変動領域に前記検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成することを特徴とする請求項1に記載の業務プロセス構築支援システム。
【請求項7】
業務プロセス構築支援システムにおいて、業務プロセスの作成を支援する業務プロセス構築支援方法であって、
前記業務プロセス構築支援システムは、プロセッサ、前記プロセッサに接続されるメモリ、入力装置、及び記憶装置を備え、
前記記憶装置は、前記業務プロセスのテンプレートである業務プロセステンプレートと前記業務プロセスに含まれる業務要素を含む業務要素一覧表、及び前記業務要素に対応し、前記業務プロセスの一部を構成する業務プロセス部品を含む業務プロセス部品情報を格納し、
前記業務プロセステンプレートは、業務ごとに一定の処理が定義される基本領域と、前記業務要素によって定義される処理が変動する変動領域とを含み、
前記業務プロセス構築支援方法は、
前記プロセッサが、前記作成される業務プロセスの業務の選択を受け付け、
前記プロセッサが、前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応する業務プロセステンプレート及び業務要素を取得し、
前記プロセッサが、前記取得された業務要素の選択を受け付け、
前記プロセッサが、前記選択された業務要素に基づいて、前記業務プロセス部品情報から前記業務プロセス部品を検索し、
前記プロセッサが、前記取得された業務プロセステンプレートの変動領域に前記検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成することを特徴とする業務プロセス構築支援方法。
【請求項8】
前記業務プロセス構築支援方法は、
前記プロセッサが、同じ業務に属する作成済みの複数の業務プロセスの入力を受け付け、
前記プロセッサが、前記入力された複数の業務プロセスを比較することによって、共通部分及び相違部分を抽出し、
前記プロセッサが、前記共通部分を、前記業務プロセステンプレートとして、前記記憶装置に格納し、
前記プロセッサが、前記相違部分を、前記業務プロセス部品として、前記記憶装置に格納することを特徴とする請求項7に記載の業務プロセス構築支援方法。
【請求項9】
前記業務プロセス構築支援方法は、前記プロセッサが、前記変動領域に複数の業務要素が選択された場合には、前記変動領域に分岐条件を追加し、前記選択された複数の業務要素を並列して前記変動領域に割り当てることを特徴とする請求項7に記載の業務プロセス構築支援方法。
【請求項10】
前記記憶装置は、前記業務要素の推奨される組合せを含む推奨組合せ情報を格納し、
前記業務プロセス構築支援方法は、
前記プロセッサが、前記作成される業務プロセスの業務の選択を受け付け、
前記プロセッサが、前記選択された業務に基づいて、前記業務要素一覧表から、前記業務に対応する業務プロセステンプレートを取得し、
前記プロセッサが、前記作成される業務プロセスの作成条件の入力を受け付け、
前記プロセッサが、前記入力された作成条件に基づいて、前記推奨組合せ情報から業務要素の組合せを検索し、
前記プロセッサが、前記検索された業務要素に基づいて、前記業務プロセス部品情報から前記業務プロセス部品を検索し、
前記プロセッサが、前記取得された業務プロセステンプレートの変動領域に前記検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成することを特徴とする請求項7に記載の業務プロセス構築支援方法。
【請求項11】
業務プロセスの作成を支援する処理を計算機に実行させる業務プロセス構築支援プログラムであって、
前記作成される業務プロセスの業務の選択を受け付ける手順と、
前記業務プロセスのテンプレートであって、業務ごとに一定の処理が定義される基本領域と前記業務要素によって定義される処理が変動する変動領域とを含む業務プロセステンプレート、及び前記業務プロセスに含まれる業務要素を含む業務要素一覧表から、前記選択された業務に基づいて、前記選択された業務に対応する業務プロセステンプレート及び業務要素を取得する手順と、
前記取得された業務要素の選択を受け付ける手順と、
前記選択された業務要素に基づいて、前記業務プロセスの一部を構成する業務プロセス部品を検索する手順と、
前記取得された業務プロセステンプレートに含まれる変動領域に前記検索された業務プロセス部品を割り当てることによって、業務プロセスを作成する手順と、を計算機に実行させることを特徴とする業務プロセス構築支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−293101(P2008−293101A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135554(P2007−135554)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(500194887)日立アイ・エヌ・エス・ソフトウェア株式会社 (9)