説明

業務支援システム、業務支援方法及び業務支援プログラム

【課題】プロジェクトに参加する要員が利用するリソースの管理を支援する業務支援システム、業務支援方法及び業務支援プログラムを提供する。
【解決手段】顧客からシステム開発の引き合いを受けた場合、この開発のためのプロジェクトを業務支援サーバ20に登録し、委託先候補に対して見積り依頼を行なう。そして、業務支援サーバ20の登録情報を利用して、システム開発の受注稟議、委託先との発注契約、受注契約を行なう。委託先から開発要員情報を取得した場合、業務支援サーバ20の制御部21は、開発要員の常駐期間に対応させて、開発要員に提供する座席、保管庫の鍵、セキュリティカード、PC端末の各リソースの管理処理を実行する。また、制御部21は、各リソースの管理のためのスケジュール管理処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースの管理を支援するための業務支援システム、業務支援方法及び業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
システム開発を受注すると、そのシステム開発を受注したシステム開発元請会社は、協力会社等のシステム開発請負会社にシステム開発を委託する場合がある(例えば、特許文献1を参照。)。このような場合、顧客から元請会社へシステム開発の依頼があると、まず、開発システムについての仕様の確認を行なう。そして、請負会社はシステム開発について見積書を作成する。元請会社は、見積書を取りまとめて顧客へ送付する。顧客は見積書の検討を行なった後に元請会社にシステム開発について発注を行なう。元請会社では、受注したシステム開発を請負会社へ委託する。そして、請負会社が、委託されたシステム開発を完了し、顧客側の検収が済むと、元請会社に対してシステム開発に伴う請求を行なう。そして、元請会社から請負会社に対する支払が行なわれる。この特許文献1においては、元請会社において受注案件を請負会社へ委託した場合の支払業務の効率化を実現するためのシステムが検討されている。この文献に記載された技術では、システム開発の元請会社に対する請求を請負会社にネットワークを介して登録させる。営業管理用サーバは、元請会社が受注したシステム開発などの案件についての一覧およびシステム開発についての受注状況や売上後の内容明細を記憶している。請求と計上した売上とが一致することで資材管理用サーバに対し行なわれる資材の購入としての登録をもとに、資材管理用サーバは、請負会社への購入伝票を作成し出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−32547号公報(第1頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているように、システム開発を協力会社に委託する場合、協力会社の開発要員を元請会社の開発拠点に常駐させて行なうことがある。この場合、開発要員が利用する開発環境を準備しておく必要がある。特に、継続的にシステム開発を行なっている場合には、開発環境を整えるにあたり、先行するシステム開発との関係を考慮する必要がある。
【0005】
また、会社の規模によっては、準備しなければならない開発環境が異なることがある。例えば、下請代金支払遅延等防止法(いわゆる下請法)には、親事業者の下請事業者に対する取引を公正ならしめるとともに、下請事業者の利益を保護することが義務付けられている。このため、例えば親事業者が下請事業者(委託先)の開発要員のためのリソースを準備しなければならない場合がある。
【0006】
更に、多くの開発要員が関与するシステム開発においては、システム開発が開始される前に開発環境を整えておく必要がある。この開発環境の整備にも、リソースに応じた準備期間が必要である。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースの管理を支援する業務支援システム、業務支援方法及び業務支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、協力会社の属性情報を記録した会社情報記憶手段と、顧客からの依頼内容についてのプロジェクト情報を記録するプロジェクト情報記憶手段と、協力会社からプロジェクトに参加する要員情報を記録する要員情報記憶手段と、要員に対して提供可能なリソースを記録したリソース情報記憶手段と、前記リソースを管理する制御手段を備え、プロジェクトに関わる業務を支援するシステムであって、前記制御手段が、顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報を前記プロジェクト情報記憶手段に記録する手段と、前記プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を前記要員情報記憶手段に記録する手段と、前記会社情報記憶手段、前記要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、前記依頼の受注契約の稟議処理を実行する手段と、前記受注契約に対して、前記協力会社との発注契約の稟議処理を実行する手段と、前記発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、前記リソース情報記憶手段に登録する手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の業務支援システムにおいて、前記会社情報記憶手段には、属性情報として下請法の対象を判定するための情報が記録され、前記制御手段は、下請法の対象である協力会社に属する要員に貸与するリソースの数量を算出することを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の業務支援システムにおいて、前記制御手段は、前記リソース情報記憶手段から、各要員について先行プロジェクトへの参加情報を取得し、先行プロジェクトにおいて、要員に対してリソースを貸与している場合には、前記リソースの継続使用を前記リソース情報記憶手段に登録し、リソースの貸与がない場合には、前記リソース情報記憶手段において、新たにリソースの貸与登録を行なうことを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の業務支援システムにおいて、前記リソース情報記憶手段には、リソースとしての座席の利用状況が記録され、前記制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対して座席を貸与している場合には、先行プロジェクトにおける座席と新規プロジェクトの座席に基づいて、座席変更の要否を判定することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の業務支援システムにおいて、前記リソース情報記憶手段には、リソースとしての接続設定情報の付与状況が更に記録され、前記制御手段は、各要員の座席情報を取得し、前記座席情報に基づいて、コンピュータ端末に設定する新たな接続設定情報の付与の要否を判定することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の業務支援システムにおいて、前記リソース情報記憶手段には、リソースとしての身分証明票の貸与状況及び貸与資格が更に記録され、前記制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対して身分証明票を貸与している場合には、前記身分証明票の継続使用を登録し、まだ身分証明票を貸与していない場合には、身分証明票の貸与資格を検索し、貸与資格がある場合には、この貸与資格に基いて新たな身分証明票の貸与登録を行なうことを要旨とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の業務支援システムにおいて、前記制御手段が、各リソースの貸与予定日を時間軸上に表したリソース管理スケジュール表を生成し、各リソースの準備期間を取得し、各リソースの貸与予定日に対して前
記準備期間を差し引いた準備確認日を算出し、前記リソース管理スケジュール表に設定することを要旨とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、協力会社の属性情報を記録した会社情報記憶手段と、顧客からの依頼内容についてのプロジェクト情報を記録するプロジェクト情報記憶手段と、協力会社からプロジェクトに参加する要員情報を記録する要員情報記憶手段と、要員に対して提供可能なリソースを記録したリソース情報記憶手段と、前記リソースを管理する制御手段を備え、プロジェクトに関わる業務を支援する方法であって、前記制御手段が、顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報を前記プロジェクト情報記憶手段に記録する段階と、前記プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を前記要員情報記憶手段に記録する段階と、前記会社情報記憶手段、前記要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、前記依頼の受注契約の稟議処理を実行する段階と、前記受注契約に対して、前記協力会社との発注契約の稟議処理を実行する段階と、前記発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、前記リソース情報記憶手段に登録する段階とを実行することを要旨とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、協力会社の属性情報を記録した会社情報記憶手段と、顧客からの依頼内容についてのプロジェクト情報を記録するプロジェクト情報記憶手段と、協力会社からプロジェクトに参加する要員情報を記録する要員情報記憶手段と、要員に対して提供可能なリソースを記録したリソース情報記憶手段と、前記リソースを管理する制御手段を備え、プロジェクトに関わる業務を支援するプログラムであって、前記制御手段を、顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報を前記プロジェクト情報記憶手段に記録する手段、前記プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を前記要員情報記憶手段に記録する手段、前記会社情報記憶手段、前記要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、前記依頼の受注契約の稟議処理を実行する手段、前記受注契約に対して、前記協力会社との発注契約の稟議処理を実行する手段、前記発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、前記リソース情報記憶手段に登録する手段として機能させることを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1、8又は9に記載の発明によれば、制御手段が、顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報をプロジェクト情報記憶手段に記録する。次に、プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を要員情報記憶手段に記録する。次に、会社情報記憶手段、要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、依頼の受注契約の稟議処理を実行する。更に、受注契約に対して、協力会社との発注契約の稟議処理を実行する。そして、発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、リソース情報記憶手段に登録する。これにより、各情報記憶手段に記録された情報を利用して、効率的に稟議を行なうことができる。更に、協力会社の属性情報に応じて、プロジェクトに関わる要員に提供するリソースを管理することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、会社情報記憶手段には、属性情報として下請法の対象を判定するための情報が記録され、下請法の対象である協力会社に属する要員に貸与するリソースの数量を算出する。これにより、下請法の対象である協力会社に対するリソースを提供することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、リソース情報記憶手段から、各要員について先行プロジェクトへの参加情報を取得する。そして、制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対してリソースを貸与している場合には、リソースの継続使用をリソース情報記憶手段に登録し、リソースの貸与がない場合には、リソース情報記憶手段において、新たにリソースの貸与登録を行なう。これにより、継続的にシステム開発を行なっている場合において、要員に対するリソースの貸与状況を考慮して、効率的にリソースを準備することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、リソース情報記憶手段には、リソースとしての座席の利用状況が記録される。そして、制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対して座席を貸与している場合には、先行プロジェクトにおける座席と新規プロジェクトの座席に基づいて、座席変更の要否を判定する。これにより、要員に提供する座席を管理することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、リソース情報記憶手段には、リソースとしての接続設定情報の付与状況が更に記録される。そして、制御手段は、各要員の座席情報を取得し、座席情報に基づいて、コンピュータ端末に設定する新たな接続設定情報の付与の要否を判定する。IPアドレス等の接続設定情報は、場所によって異なることがあるが、要員の座席配置を考慮して効率的に的確な接続設定情報を付与することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、リソース情報記憶手段には、リソースとしての身分証明票の貸与状況が更に記録される。そして、制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対して身分証明票を貸与している場合には、身分証明票の継続使用を登録する。一方、まだ身分証明票を貸与していない場合には、身分証明票の貸与資格を検索し、貸与資格がある場合には、この貸与資格に基いて新たな身分証明票の貸与登録を行なう。これにより、貸与されている身分証明票(例えば、セキュリティカード、入室や入館許可証、名札等の利用者の権限や身分についての証明書)を効率的に活用するとともに、新たに発行する場合にも的確に貸与することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、制御手段が、各リソースの貸与予定日を時間軸上に表したリソース管理スケジュール表を生成する。更に、各リソースの準備期間を取得し、各リソースの貸与予定日に対して準備期間を差し引いた準備確認日を算出し、リソース管理スケジュール表に設定する。これにより、リソースの利用状況を把握し、各リソースを効率的に準備することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースの管理を効率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】各データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は協力会社管理データ記憶部、(b)はプロジェクト管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】受注管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】各データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は発注管理データ記憶部、(b)は鍵管理データ記憶部、(c)座席管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】各データ記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)はカード管理データ記憶部、(b)は機器管理データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図6】本実施形態の処理手順の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本実施形態の処理手順の説明図。
【図11】本実施形態の処理手順の説明図。
【図12】本実施形態の処理手順の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図12に従って説明する。本実施形態では、顧客から受注したシステム開発を行なう場合に用いる業務支援システム、業務支援方法及び業務支援プログラムとして説明する。このシステム開発においては、顧客からの依頼を、親事業者において1又は複数のプロジェクトを構成し、各プロジェクトにおいて協力会社(下請事業者)に対して作業を委託する場合を想定する。
【0027】
本実施形態では、図1に示すように、PC端末10や業務支援サーバ20がネットワークを介して相互に接続されている。
各PC端末10は、システム開発を受発注する担当者や、システム開発を管理するプロジェクト担当者、システム開発の開発要員が利用するコンピュータ端末である。PC端末10は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。このため、このPC端末10は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。
【0028】
業務支援サーバ20は、システム開発の受発注業務やシステム開発のための各業務を支援するために、親事業者が保有するコンピュータシステムである。この業務支援サーバ20は、図1に示すように、制御部21、協力会社管理データ記憶部22、プロジェクト管理データ記憶部23、受注管理データ記憶部24、発注管理データ記憶部25を備えている。ここで、協力会社管理データ記憶部22は会社情報記憶手段として機能し、プロジェクト管理データ記憶部23はプロジェクト情報記憶手段として機能し、受注管理データ記憶部24は要員情報記憶手段として機能する。更に、この業務支援サーバ20は、リソース情報記憶手段として機能する鍵管理データ記憶部26、座席管理データ記憶部27、カード管理データ記憶部28、機器管理データ記憶部29、スケジュール管理データ記憶部30を備えている。
【0029】
制御部21は、システム開発の受注業務や、協力会社への発注業務、システム開発において利用するリソースの管理業務に用いるデータの管理処理等を行なう。そして、制御部21は、制御手段(図示しないCPU、メモリ等)を有し、後述する処理(取引管理、鍵管理、座席管理、カード管理、PC管理、ソフト管理、スケジュール管理の各段階等における処理)を行なう。このための業務支援プログラムを実行することにより、制御部21は、取引管理手段211、鍵管理手段212、座席管理手段213、カード管理手段214、機器管理手段215、ソフト管理手段216、スケジュール管理手段217等として機能する。
【0030】
取引管理手段211は、受注業務や発注業務を支援する処理を実行する。
鍵管理手段212は、開発要員に対して保管庫の鍵の貸与を管理する処理を実行する。
座席管理手段213は、各拠点における座席の利用状況を管理する処理を実行する。
【0031】
カード管理手段214は、各拠点のオフィスに入退室する場合に用いる身分証明票(ここでは、セキュリティカード)を管理する処理を実行する。
機器管理手段215は、システム開発において利用されるPC端末を管理する処理を実
行する。
【0032】
ソフト管理手段216は、各PC端末においてインストールされて利用されるソフトウェアを管理する処理を実行する。
スケジュール管理手段217は、各リソースに関するスケジュールを管理する処理を実行する。このスケジュール管理手段217は、通知日を特定するために、リソース種別毎に準備所要日数、返却猶予日数に関するデータを保持している。
【0033】
協力会社管理データ記憶部22には、図2(a)に示すように、システム開発の委託先に関する協力会社管理ファイル220が記録される。協力会社管理ファイル220は、委託する可能性がある協力会社を登録した場合に記録される。
【0034】
協力会社管理ファイル220は、協力会社の属性情報が記録されており、会社コード、会社名、所在地、代表者名、連絡先、口座番号、下請法対象有無に関するデータを含む。
会社コードデータ領域には、システム開発を委託する可能性がある協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0035】
会社名データ領域には、この協力会社の会社名に関するデータが記録される。
所在地データ領域には、この会社が所在している住所に関するデータが記録される。
代表者名データ領域には、この会社の代表者の氏名に関するデータが記録される。
【0036】
連絡先データ領域には、この会社の営業担当者等の連絡先(電話番号やメールアドレス)に関するデータが記録される。
口座番号データ領域には、この会社の口座を特定するための口座識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、開発委託費用を振り込む場合に用いる。
下請法対象有無データ領域には、この会社が下請法の対象になるかどうかを判定するためのフラグが記録される。
【0037】
プロジェクト管理データ記憶部23には、図2(b)に示すように、顧客から引き合いを受けたシステム開発に係わるプロジェクトに関するプロジェクト管理ファイル231、委託先見積ファイル232、再委託申請ファイル233が記録される。プロジェクト管理ファイル231、委託先見積ファイル232、再委託申請ファイル233は、顧客からシステム開発の引き合いがあった場合に登録され、この開発を委託する会社を特定した場合に更新される。
【0038】
プロジェクト管理ファイル231は、プロジェクトコード、担当部署コード、プロジェクト名、拠点名、フロア名に関するデータを含む。
プロジェクトコードデータ領域には、顧客から引き合いがあったシステム開発に係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0039】
担当部署コードデータ領域には、このプロジェクトを担当する部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。この担当部署コードを用いることにより、組織管理テーブル(図示せず)を用いて部署名を特定することができる。
【0040】
プロジェクト名データ領域には、このプロジェクトの名称に関するデータが記録される。
拠点名データ領域、フロア名データ領域には、このプロジェクトのシステム開発が行なわれる開発拠点やフロアを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0041】
委託先見積ファイル232は、システム開発の委託先である協力会社を選定するための
見積書に関するデータが記録される。この委託先見積ファイル232は、第1レコード〜第3レコードにより構成されている。
【0042】
第1レコードは、委託管理番号、プロジェクトコード、委託総額に関するデータを含む。
委託管理番号データ領域には、引き合いがあったシステム開発において行なう委託を管理するための識別子(委託管理番号)に関するデータが記録される。
【0043】
プロジェクトコードデータ領域には、この委託に係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
委託総額データ領域には、このプロジェクトにおける委託についての見積書の合計金額に関するデータが記録される。
【0044】
第2レコードは、このプロジェクトの委託先である各協力会社についてのデータが記録されており、委託管理番号、委託先会社コード、所在地、連絡先、委託期間、下請法対象有無、再委託有無に関するデータを含む。
【0045】
委託管理番号データ領域には、引き合いがあったシステム開発において行なう委託を管理するための識別子に関するデータが記録される。この委託管理番号により、第1レコードと関連付けられる。
【0046】
委託先会社コードデータ領域には、委託先である協力会社を特定するための識別子(会社コード)に関するデータが記録される。
所在地データ領域には、この協力会社が所在している住所に関するデータが記録される。
【0047】
連絡先データ領域には、この協力会社の営業担当者等の氏名や連絡先(電話番号やメールアドレス)に関するデータが記録される。
委託期間データ領域には、このプロジェクトにおいて、この協力会社にシステム開発を委託する期間に関するデータが記録される。
【0048】
下請法対象有無データ領域には、この協力会社が下請法の対象になるかどうかを判定するためのフラグが記録される。この下請法対象有無は、協力会社管理ファイル220に基いて判定される。
再委託有無データ領域には、この協力会社が再委託を行なうかどうかを判定するためのフラグが記録される。
【0049】
第3レコードは、このプロジェクトのシステム開発にかかわる開発要員についてのデータが記録されており、委託管理番号、ランク、単価、工数、委託期間に関するデータを含む。
【0050】
委託管理番号データ領域には、引き合いがあったシステム開発において行なう委託を管理するための識別子に関するデータが記録される。この委託管理番号により、第1レコードと関連付けられる。
【0051】
ランクデータ領域には、このプロジェクトのシステム開発に係わる開発要員のランクに関するデータが記録される。
単価データ領域には、各ランクの開発要員における単位工程の作業に要する単価に関するデータが記録される。
【0052】
工数データ領域には、このプロジェクトのシステム開発において要する各ランクの開発要員の工数に関するデータが記録される。
委託期間データ領域には、各ランクの開発要員の委託期間に関するデータが記録される。
【0053】
再委託申請ファイル233は、システム開発の協力会社における再委託先申請書に関するデータが記録される。この再委託申請ファイル233は、第1レコード、第2レコードにより構成されている。
【0054】
第1レコードは、委託管理番号、ランク、工数、再委託先会社コードに関するデータを含む。
委託管理番号データ領域には、引き合いがあったシステム開発において行なう委託を管理するための識別子に関するデータが記録される。
【0055】
ランクデータ領域には、このプロジェクトのシステム開発において、再委託された開発要員のランクに関するデータが記録される。
工数データ領域には、各ランクの開発要員の工数に関するデータが記録される。
再委託先会社コードデータ領域には、再委託先の協力会社を特定するための識別子(会社コード)に関するデータが記録される。
【0056】
第2レコードは、再委託先会社コード、委託先会社コード、代表者名、所在地に関するデータを含む。
【0057】
再委託先会社コードデータ領域には、再委託先の協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
委託先会社コードデータ領域には、この再委託を行なう協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0058】
代表者名データ領域には、この再委託先の協力会社の代表者の氏名に関するデータが記録される。
所在地データ領域には、この再委託先の協力会社が所在している住所に関するデータが記録される。
【0059】
受注管理データ記憶部24には、図3に示すように、システム開発の引き合いに対する受注業務についての受注稟議ファイル241、契約稟議ファイル242、納品稟議ファイル243、請求書ファイル244が記録される。
【0060】
受注稟議ファイル241は、顧客からの引き合いの受注可否を判断するための稟議を行なうためのデータが記録される。この受注稟議ファイル241は、第1レコード〜第4レコードにより構成されている。
【0061】
第1レコードは、受注稟議番号、案件名、顧客名、稟議額に関するデータを含む。
稟議番号データ領域には、引き合いの受注可否を判断する稟議を管理するための識別子に関するデータが記録される。
【0062】
案件名データ領域には、引き合いがあったシステム開発の内容を特定するための案件名に関するデータが記録される。
顧客名データ領域には、この引き合いを行なった顧客を特定するための識別子(ここでは名称)に関するデータが記録される。
稟議額データ領域には、この引き合いにおける受注金額に関するデータが記録される。
【0063】
第2レコードは、受注稟議番号、プロジェクトコード、人件費、社内外注費、外注原価、その他経費、管理費に関するデータを含む。
【0064】
受注稟議番号データ領域には、引き合いの受注可否を判断する稟議を管理するための識別子に関するデータが記録される。
プロジェクトコードデータ領域には、顧客から引き合いがあったシステム開発に係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0065】
人件費データ領域には、この受注に関わる人件費に関するデータが記録される。
社内外注費データ領域には、この受注に関わる社内外注費に関するデータが記録される。
【0066】
外注原価データ領域には、システム開発の委託における原価に関するデータが記録される。
その他経費データ領域には、この受注において必要なその他の経費に関するデータが記録される。
【0067】
管理費データ領域には、この受注についてのプロジェクトを管理するために要する費用に関するデータが記録される。
【0068】
第3レコードは、プロジェクトコード、委託先会社コード、委託期間、委託金額に関するデータを含む。
プロジェクトコードデータ領域には、この引き合いに係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
委託先会社コードデータ領域には、委託先の協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0069】
委託期間データ領域には、この協力会社に委託を行なう期間に関するデータが記録される。
委託金額データ領域には、この協力会社に委託を行なう金額に関するデータが記録される。
【0070】
第4レコードは、プロジェクトコード、委託先会社コード、ランク、外注単価、外注工数、委託期間に関するデータを含む。
プロジェクトコードデータ領域には、この引き合いに係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0071】
委託先会社コードデータ領域には、委託先である協力会社を特定するための識別子(会社コード)に関するデータが記録される。
ランクデータ領域には、この協力会社からシステム開発に参加する開発要員のランクに関するデータが記録される。
【0072】
外注単価データ領域には、この協力会社から参加する各ランクの開発要員における単位工程の作業に要する単価に関するデータが記録される。
外注工数データ領域には、この協力会社から参加する各ランクの開発要員の工数に関するデータが記録される。
委託期間データ領域には、この協力会社から参加する各開発要員の委託期間に関するデータが記録される。
【0073】
契約稟議ファイル242は、受注契約の可否を判断するための稟議を行なうためのデータが記録される。この契約稟議ファイル242は、受注第1レコード〜第3レコードにより構成されている。
【0074】
第1レコードは、契約稟議番号、案件名、顧客名、契約金額、契約日、受注稟議番号に関するデータを含む。
契約稟議番号データ領域には、受注契約の可否を判断する稟議を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0075】
案件名データ領域には、受注契約を行なうシステム開発の内容を特定するための案件名に関するデータが記録される。
顧客名データ領域には、受注契約の対象顧客を特定するための識別子(ここでは顧客名)に関するデータが記録される。
【0076】
契約金額データ領域には、この契約における受注金額に関するデータが記録される。
契約日データ領域には、契約時期を特定するための年月日に関するデータが記録される。
【0077】
受注稟議番号データ領域には、契約稟議に先立って行なわれた受注稟議を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0078】
第2レコードは、契約稟議番号、プロジェクトコードに関するデータを含む。
契約稟議番号データ領域には、受注契約の可否を判断する稟議を特定するための識別子に関するデータが記録される。
プロジェクトコードデータ領域には、この受注に係わるシステム開発に係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0079】
第3レコードは、契約稟議番号、委託先会社コードに関するデータを含む。
契約稟議番号データ領域には、引き合いについての受注を契約するための稟議を特定するための識別子に関するデータが記録される。
委託先会社コードデータ領域には、委託先である協力会社を特定するための識別子(会社コード)に関するデータが記録される。
【0080】
納品稟議ファイル243は、システム開発における成果物の納品可否を判断するための稟議を行なうためのデータが記録される。この納品稟議ファイル243は、第1、第2レコードにより構成されている。
【0081】
第1レコードは、納品稟議番号、案件名、顧客名、納品日、契約稟議番号に関するデータを含む。
納品稟議番号データ領域には、システム開発における成果物の納品可否を判断する稟議を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0082】
案件名データ領域には、納品するシステム開発の内容を特定するための案件名に関するデータが記録される。
顧客名データ領域には、納品先である顧客を特定するための識別子(ここでは名称)に関するデータが記録される。
【0083】
納品日データ領域には、納品時期を特定するための年月日に関するデータが記録される。
契約稟議番号データ領域には、システム開発を受注したときの契約稟議を特定するため
の識別子に関するデータが記録される。
【0084】
第2レコードは、納品稟議番号、プロジェクトコードに関するデータを含む。
納品稟議番号データ領域には、システム開発における成果物の納品可否を判断する稟議を特定するための識別子に関するデータが記録される。
プロジェクトコードデータ領域には、納品するシステム開発にかかわるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0085】
請求書ファイル244は、システム開発についての請求書に関するデータが記録される。この請求書ファイル244は、第1、第2レコードにより構成されている。
【0086】
第1レコードは、請求書番号、案件名、請求日、総請求額、宛先情報、振込先口座に関するデータを含む。
請求書番号データ領域には、請求書を特定するための識別子(ここでは請求書番号)に関するデータが記録される。
【0087】
案件名データ領域には、請求を行なうシステム開発の内容を特定するための案件名に関するデータが記録される。
請求日データ領域には、請求書を発行した日付に関するデータが記録される。
【0088】
総請求額データ領域には、請求書に記載される請求金額に関するデータが記録される。この総請求額は、各プロジェクトについての請求金額を合計することにより算出される。
宛先情報データ領域には、請求書を送付する顧客の宛先に関するデータが記録される。
【0089】
振込先口座データ領域には、請求金額を振り込む口座を特定するための口座識別子に関するデータが記録される。
【0090】
第2レコードは、プロジェクトコード、請求額に関するデータを含む。
プロジェクトコードデータ領域には、請求を行なうシステム開発に係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
請求額データ領域には、このプロジェクトについての請求金額に関するデータが記録される。
【0091】
発注管理データ記憶部25には、図4(a)に示すように、協力会社にシステム開発を委託する発注についての発注指示ファイル251、開発要員管理簿ファイル252、検収結果ファイル253、支払明細ファイル254が記録される。
【0092】
発注指示ファイル251は、協力会社に対してシステム開発の委託について発注契約を行なうための発注指示に関するデータが記録される。この発注指示ファイル251は、第1レコード、第2レコードにより構成されている。
【0093】
第1レコードは、発注管理番号、プロジェクトコード、委託先会社コード、委託期間、連絡先、契約日、契約当事者名に関するデータを含む。
発注管理番号データ領域には、協力会社に対する発注を管理するための識別子(ここでは発注管理番号)に関するデータが記録される。
【0094】
プロジェクトコードデータ領域には、この発注に係わるプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
委託先会社コードデータ領域には、委託先である協力会社を特定するための識別子(会社コード)に関するデータが記録される。
【0095】
委託期間データ領域には、この協力会社に対して、このプロジェクトのシステム開発を委託する期間に関するデータが記録される。
連絡先データ領域には、この会社の営業担当者等の氏名や連絡先に関するデータが記録される。
【0096】
契約日データ領域には、契約時期を特定するための年月日に関するデータが記録される。
契約当事者名データ領域には、発注契約を行なう当事者の氏名に関するデータが記録される。
【0097】
第2レコードは、発注管理番号、支払月、支払額に関するデータを含む。
発注管理番号データ領域には、協力会社に対する発注を管理するための識別子に関するデータが記録される。
【0098】
支払月データ領域には、この発注契約における費用を支払う年月に関するデータが記録される。
支払額データ領域には、この発注契約における支払金額に関するデータが記録される。
【0099】
開発要員管理簿ファイル252は、システム開発に参加する開発要員に関するデータが記録される。この開発要員管理簿ファイル252は、ユーザID、氏名、会社コード、常駐期間、プロジェクトコードに関するデータを含む。
【0100】
ユーザIDデータ領域には、システム開発の開発要員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
氏名データ領域には、この開発要員の氏名を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0101】
会社コードデータ領域には、この開発要員が所属する協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
常駐期間データ領域には、この開発要員が開発拠点に常駐する期間(開始年月日〜終了年月日)に関するデータが記録される。なお、開発要員が常駐しない場合には、この常駐期間データ領域は空欄とする。
プロジェクトコードデータ領域には、この開発要員が参加するプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0102】
検収結果ファイル253は、委託したシステム開発の成果物についての検収書・結果書についてのデータが記録される。検収結果ファイル253は、プロジェクトコード、検収日、検収者名に関するデータを含む。
【0103】
プロジェクトコードデータ領域には、検収対象のプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
検収日データ領域には、検収を行なった年月日に関するデータが記録される。
検収者名データ領域には、検収を行なった担当者を特定するための識別子(ここでは氏名)に関するデータが記録される。
【0104】
支払明細ファイル254は、発注先に支払う明細に関するデータが記録される。この支払明細ファイル254は、支払管理番号、プロジェクトコード、支払先会社コード、支払先口座番号、支払金額、支払日に関するデータを含む。
【0105】
支払管理番号データ領域には、この発注に係わる支払を特定するための識別子(ここでは管理番号)に関するデータが記録される。
プロジェクトコードデータ領域には、支払を行なうプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0106】
支払先会社コードデータ領域には、発注先である会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
支払先口座番号データ領域には、支払金額を振り込む口座を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0107】
支払金額データ領域には、この会社に支払う金額に関するデータが記録される。
支払日データ領域には、この支払いを行なった年月日に関するデータが記録される。
【0108】
鍵管理データ記憶部26には、図4(b)に示すように、開発要員に対して貸与される保管庫の鍵を管理するための鍵管理簿ファイル260が記録される。
鍵管理簿ファイル260は、第1レコード、第2レコードにより構成されている。
第1レコードは、鍵番号、座席番号、重要一般区分、管理部署コード、鍵管理責任者名に関するデータを含む。
【0109】
鍵番号データ領域には、保管庫の鍵を特定するための識別子に関するデータが記録される。
座席番号データ領域には、この保管庫を利用する利用者の座席を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0110】
重要一般区分データ領域には、この保管庫に格納される物品の重要度を区分するフラグに関するデータが記録される。
管理部署コードデータ領域には、この鍵を管理する部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0111】
鍵管理責任者名データ領域には、この鍵の管理責任者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0112】
第2レコードは、鍵番号、ユーザID、利用期間に関するデータを含む。
鍵番号データ領域には、保管庫の鍵を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ユーザIDデータ領域には、この鍵を管理する利用者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
利用期間データ領域には、この鍵を利用する期間(開始年月日〜終了年月日)に関するデータが記録される。
【0113】
座席管理データ記憶部27には、図4(c)に示すように、開発要員が利用する座席についての座席管理ファイル270が記録される。この座席管理ファイル270は、第1レコード、第2レコードにより構成されている。
【0114】
第1レコードは、拠点名、フロア名、座席番号に関するデータを含む。
拠点名データ領域には、開発要員に提供される開発拠点を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0115】
フロア名データ領域には、開発拠点の各フロアを特定するための識別子に関するデータが記録される。
座席番号データ領域には、各座席を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0116】
第2レコードは、座席番号、ユーザID、会社コード、プロジェクトコード、利用期間に関するデータを含む。
座席番号データ領域には、各フロアの座席を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0117】
ユーザIDデータ領域には、この座席を利用する開発要員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
会社コードデータ領域には、この開発要員が所属する協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0118】
プロジェクトコードデータ領域には、この開発要員が参加するプロジェクトを特定するための識別子に関するデータが記録される。
利用期間データ領域には、この座席を利用する期間(開始年月日〜終了年月日)に関するデータが記録される。
【0119】
カード管理データ記憶部28には、図5(a)に示すように、セキュリティカードを利用する誓約事業者管理簿ファイル281、貸与カード管理簿ファイル282が記録される。
【0120】
誓約事業者管理簿ファイル281は、会社コード、誓約年月日、誓約対象拠点名、管理部署コードに関するデータを含む。
会社コードデータ領域には、セキュリティカードを利用する会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0121】
誓約年月日データ領域には、セキュリティカードの管理責任を誓約した誓約書を提出した年月日を特定するための識別子に関するデータが記録される。
誓約対象拠点名データ領域には、セキュリティカードを利用する開発拠点を特定するための識別子に関するデータが記録される。
管理部署コードデータ領域には、誓約書の提出先部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0122】
貸与カード管理簿ファイル282は、第1、第2レコードにより構成されている。第1レコードは、拠点名、カード番号、セキュリティ区分に関するデータを含む。
【0123】
拠点名データ領域には、セキュリティカードを利用する拠点を特定するための識別子に関するデータが記録される。
カード番号データ領域には、各セキュリティカードを特定するための識別子に関するデータが記録される。
セキュリティ区分データ領域には、セキュリティカードの利用権限を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0124】
第2レコードは、貸与カード番号、貸与期間、ユーザID、会社コード、返却フラグに関するデータを含む。
【0125】
貸与カード番号データ領域には、貸与するセキュリティカードを特定するための識別子に関するデータが記録される。
貸与期間データ領域には、セキュリティカードを貸与する期間(開始年月日〜終了年月
日)に関するデータが記録される。
【0126】
ユーザIDデータ領域には、このセキュリティカードを貸与した開発要員を特定するための識別子に関するデータが記録される。
会社コードデータ領域には、この開発要員が所属する協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0127】
返却フラグデータ領域には、このセキュリティカードの返却状況を特定するフラグを記録される。この返却フラグは、貸与されたセキュリティカードがプロジェクト担当者に返却された場合に登録される。
【0128】
機器管理データ記憶部29には、図5(b)に示すように、システム開発において利用されるPC端末を管理するための機器管理簿ファイル291、アドレス管理テーブル292、使用禁止テーブル293、ライセンス管理テーブル294が記録される。
【0129】
機器管理簿ファイル291は、第1レコード〜第3レコードにより構成されている。
第1レコードは、機器管理番号、メーカ名、機種名、製造番号、OSコード、機器管理者コード、持込日、持出日に関するデータを含む。
【0130】
機器管理番号データ領域には、PC端末を特定するための識別子に関するデータが記録される。
メーカ名データ領域には、このPC端末の製造メーカを特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0131】
機種名データ領域には、このPC端末の機種を特定するための識別子に関するデータが記録される。
製造番号データ領域には、このPC端末を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0132】
OSコードデータ領域には、このPC端末に用いられているOSを特定するための識別子に関するデータが記録される。
機器管理者コードデータ領域には、このPC端末の管理者(本実施形態ではプロジェクトの担当者)を特定するための識別子に関するデータが記録される。
持込日データ領域、持出日データ領域には、このPC端末を持ち込んだ年月日や持ち出した年月日に関するデータが記録される。
【0133】
第2レコードは、機器管理番号、ユーザID、会社コード、利用期間、返却フラグに関するデータを含む。
【0134】
機器管理番号データ領域には、PC端末を特定するための識別子に関するデータが記録される。
ユーザIDデータ領域には、このPC端末の利用者を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0135】
会社コードデータ領域には、この利用者が所属する協力会社を特定するための識別子に関するデータが記録される。この会社コードにより特定される協力会社が下請法の適用対象の場合には、このPC端末は貸与端末となる。
【0136】
利用期間データ領域には、このPC端末を利用する期間(開始年月日〜終了年月日)に関するデータが記録される。
返却フラグデータ領域には、このPC端末の返却状況を特定するフラグが記録される。この返却フラグは、貸与されたPC端末がプロジェクトの機器管理者に返却された場合に登録される。
【0137】
第3レコードは、機器管理番号、設置場所、IPアドレス、利用期間に関するデータを含む。
機器管理番号データ領域には、PC端末を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0138】
設置場所データ領域には、このPC端末が設置されている場所を特定するための情報(拠点名、フロア名)に関するデータが記録される。
IPアドレスデータ領域には、このPC端末に付与される接続設定情報(ここでは、IPアドレス)に関するデータが記録される。このIPアドレスは、このPC端末の設置場所に応じたドメインによって決定される。
利用期間データ領域には、このIPアドレスを利用する期間(開始年月日〜終了年月日)に関するデータが記録される。
【0139】
アドレス管理テーブル292には、各拠点のフロアにおいて使用できるIPアドレスが記録されている。具体的には、このアドレス管理テーブル292には、拠点名、フロア名に関連付けて、利用可能なIPアドレスが記録されている。
【0140】
使用禁止テーブル293には、システム開発に利用されるPC端末10において、使用が禁止されているソフトウェアの種別(例えば、ファイル共有ソフトウェアのプログラム名)が記録されている。
【0141】
ライセンス管理テーブル294には、拠点内のPC端末10において使用するために貸与されるソフトウェアのライセンスが記録されている。このライセンス管理テーブル294には、ソフトウェアの種別毎にライセンスを付与したPC端末10の機器管理番号が登録されている。
【0142】
スケジュール管理データ記憶部30には、システム開発において利用されるリソースを管理するためのリソース管理スケジュール表が記録される。このリソース管理スケジュール表には、システム開発において利用される各リソースの利用期間、準備確認日、返却確認日を示したタイムチャートが記録される。
【0143】
上記のように構成されたシステムを用いて、拠点内の開発環境においてシステム開発を行なう場合の業務を支援する処理について、図6〜図12を用いて説明する。
(全体の概要)
まず、図6を用いて、システム開発の受発注業務の概要を説明する。
【0144】
顧客からシステム開発の引き合いを受けた場合、この開発のためのプロジェクトの登録を行なう(ステップS1−1)。ここでは、このシステム開発を担当する部署や、システム開発を行なう拠点を決定したプロジェクトを計画する。そして、このプロジェクトを管理するためのプロジェクト管理ファイル231を生成して、プロジェクト管理データ記憶部23に登録する。
【0145】
次に、委託先候補に対して見積り依頼を行なう(ステップS1−2)。ここでは、プロジェクト担当者は、システム開発のための開発要員の手配を依頼する委託先候補を選択する。具体的には、プロジェクト担当者は、PC端末10を用いて、業務支援サーバ20の協力会社管理データ記憶部22にアクセスし、協力会社の中から委託先候補を特定する。
この場合、システム開発の大きさに応じて、システム開発の内容を分割し、複数の協力会社に対して開発業務を委託することも可能である。そして、プロジェクト担当者は、特定した委託先候補の協力会社に対して、委託するシステム開発の内容を示して、このシステム開発に要する費用の見積り依頼を行なう。
【0146】
次に、委託先候補から見積りを取得する(ステップS1−3)。具体的には、見積り依頼を受けた協力会社は、リソース費用や開発要員の人件費を算出する。そして、算出した費用を含めた見積りを、委託元のプロジェクト担当者に提出する。この見積りの中には、システム開発に参加する開発要員のランクや工数を含める。
【0147】
委託先候補から見積りを取得したプロジェクト担当者は、見積り内容を確認する。そして、見積り内容に問題がない場合には、プロジェクト担当者は、PC端末10を用いて、業務支援サーバ20にアクセスし、見積りに含まれる情報に基づいて、委託先見積ファイル232を生成し、プロジェクト管理データ記憶部23に登録する。この場合、業務支援サーバ20の取引管理手段211は、見積りを作成した協力会社の会社コードに基づいて、協力会社管理データ記憶部22から協力会社管理ファイル220を抽出し、協力会社の各種必要情報を委託先見積ファイル232に含める。更に、協力会社が再委託を行なう場合には、再委託申請ファイル233を生成して、プロジェクト管理データ記憶部23に登録する。この場合にも、取引管理手段211は、再委託先の協力会社の会社コードに基づいて協力会社管理ファイル220を抽出し、再委託申請ファイル233に含める。
【0148】
次に、受注稟議を行なう(ステップS1−4)。ここでは、プロジェクト担当者は、PC端末10を用いて、業務支援サーバ20にアクセスし、プロジェクト番号を指定して受注稟議を指示する。この場合、業務支援サーバ20の取引管理手段211は、指定されたプロジェクト番号に基づいて、プロジェクト管理データ記憶部23に登録された委託先見積ファイル232、再委託申請ファイル233を取得し、受注稟議ファイル241を生成する。更に、取引管理手段211は、受注稟議ファイル241を作成するために、人件費〜管理費等の情報を入力するための入力画面をPC端末10に出力する。そして、必要情報が入力された場合、取引管理手段211は、入力された必要情報を記録した受注稟議ファイル241を受注管理データ記憶部24に登録する。そして、取引管理手段211は、受注稟議ファイル241に基づいて受注稟議書を出力する。プロジェクト担当者は、この受注稟議書を用いて、稟議手続を行なう。
【0149】
次に、協力会社との発注契約を行なう(ステップS1−5)。ここでは、プロジェクト担当者は、PC端末10を用いて、業務支援サーバ20にアクセスし、プロジェクト番号を指定して発注契約を指示する。この場合、業務支援サーバ20の取引管理手段211は、指定されたプロジェクト番号に基づいて、プロジェクト管理データ記憶部23に登録された委託先見積ファイル232、再委託申請ファイル233を取得し、発注指示ファイル251を生成する。ここで、発注指示ファイル251を作成するために不足している情報については、PC端末10に出力し、プロジェクト担当者に対して入力を要求する。そして、取引管理手段211は、生成した発注指示ファイル251を発注管理データ記憶部25に登録する。そして、取引管理手段211は、発注指示ファイル251に基づいて協力会社の連絡先に対して、発注依頼書を送信する。
【0150】
更に、受注契約の契約稟議を行なう(ステップS1−6)。ここでは、プロジェクト担当者は、PC端末10を用いて、業務支援サーバ20にアクセスし、プロジェクト番号を指定して受注契約を指示する。この場合、業務支援サーバ20の取引管理手段211は、指定されたプロジェクト番号に基づいて、受注管理データ記憶部24に登録された受注稟議ファイル241を取得し、契約稟議ファイル242を生成する。そして、取引管理手段211は、生成した契約稟議ファイル242を受注管理データ記憶部24に登録する。そ
して、取引管理手段211は、契約稟議ファイル242に基づいて契約稟議書を出力する。プロジェクト担当者は、この契約稟議書を用いて、稟議手続を行なう。
【0151】
次に、協力会社から開発要員情報を取得する(ステップS1−7)。具体的には、プロジェクト担当者は、各協力会社から参加する開発要員の氏名等の開発要員情報を取得する。この場合、プロジェクト担当者は、PC端末10を用いて、業務支援サーバ20にアクセスし、プロジェクト番号を指定して開発要員情報の登録を指示する。この場合、業務支援サーバ20の取引管理手段211は、指定されたプロジェクト番号に基づいて、受注管理データ記憶部24に登録された受注稟議ファイル241を取得し、開発要員管理簿ファイル252を生成する。更に、取引管理手段211は、開発要員管理簿ファイル252を作成するために、開発要員情報を入力するための入力画面をPC端末10に出力する。そして、必要情報が入力された場合、取引管理手段211は、入力された必要情報(ユーザID、氏名、会社コード、常駐期間、プロジェクトコード等)を記録した開発要員管理簿ファイル252を発注管理データ記憶部25に登録する。
【0152】
この場合、業務支援サーバ20の制御部21は、座席管理処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部21の座席管理手段213が、後述する座席管理処理を実行する。
【0153】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、鍵管理処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部21の鍵管理手段212が、後述する鍵管理処理を実行する。
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、セキュリティカード管理処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部21のカード管理手段214が、後述するセキュリティカード管理処理を実行する。
【0154】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、PC管理処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、制御部21の機器管理手段215が、後述するPC管理処理を実行する。更に、機器管理手段215は、システム開発の途中で、定期的にソフトウェア管理処理を実行する。
【0155】
更に、業務支援サーバ20の制御部21は、スケジュール管理処理を実行する(ステップS1−12)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217が、後述するスケジュール管理処理を実行する。
【0156】
(座席管理処理)
次に、図7を用いて、新規プロジェクトに参加する開発要員の座席の管理処理を説明する。本実施形態では、開発要員が委託元の開発拠点に常駐する場合には、各拠点のフロアに設置されたデスクの座席を提供する。そこで、新規プロジェクトに参加する各開発要員を順次、処理対象として特定して以下の処理を繰り返す。
【0157】
業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象の開発要員の作業において座席が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の座席管理手段213は、開発要員管理簿ファイル252を抽出する。そして、この開発要員管理簿ファイル252への常駐期間の記録の有無により判定する。すなわち、開発要員管理簿ファイル252に常駐期間が記録されていない場合には開発要員は常駐せず、座席は必要でない。
【0158】
座席が必要でない場合(ステップS2−1において「NO」の場合)、この開発要員についての座席管理処理を終了する。
一方、開発要員管理簿ファイル252に常駐期間が記録されており、この開発要員につ
いての座席が必要な場合(ステップS2−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、既に座席が提供されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の座席管理手段213は、座席管理データ記憶部27を用いて、この開発要員のユーザIDが記録された座席管理ファイル270を検索する。新規プロジェクトに先行するプロジェクトに参加している場合には、既に座席が付与されていることになる。
【0159】
この開発要員に対して既に座席が提供されている場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、座席変更が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部21の座席管理手段213は、この座席番号について、この先行プロジェクトにおける座席の利用期間以降に、他者の座席管理ファイル270の第2レコードが登録されていないかどうかを検索する。更に、座席管理手段213は、プロジェクト管理データ記憶部23を用いて、新規プロジェクトのプロジェクト管理ファイル231から担当部署を取得する。次に、座席管理手段213は、この開発要員が参加している他の先行プロジェクトのプロジェクトコードを用いてプロジェクト管理ファイル231から担当部署を取得する。そして、他者の座席管理ファイル270の第2レコードが登録されている場合や、新規プロジェクトと先行プロジェクトの担当部署が異なる場合には、座席管理手段213は座席変更が必要と判断する。
【0160】
座席変更が必要な場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、新しい座席配置の設定処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部21の座席管理手段213は、座席管理データ記憶部27から、新規プロジェクトのシステム開発が行なわれる拠点及びフロアにおいて、この開発要員の常駐期間に第2レコードが登録されていない座席管理ファイル270を特定する。そして、座席管理手段213は、この座席番号に関連付けて、この開発要員の座席番号、ユーザID、会社コード、プロジェクトコード、利用期間を記録した第2レコードを登録する。この開発要員に対して未だ座席が付与されていない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)も同様に、新しい座席配置の設定処理を実行する(ステップS2−4)。
【0161】
一方、座席変更が必要でない場合(ステップS2−3において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、座席配置の延長処理を実行する(ステップS2−5)。具体的には、制御部21の座席管理手段213は、同じ座席番号の座席管理ファイル270において、新規プロジェクトの常駐期間を、この座席の利用期間として追加更新する。以上の処理を開発要員毎に繰り返す。
【0162】
(鍵管理処理)
次に、図8を用いて、新規プロジェクトに参加する開発要員が利用する鍵の管理処理を説明する。本実施形態では、座席を付与した開発要員に対して、この座席において利用する保管庫の鍵を貸与する。そこで、新規プロジェクトに参加する各開発要員を順次、処理対象として特定して以下の処理を繰り返す。
【0163】
業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象の開発要員に対して座席が提供されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の鍵管理手段212は、座席管理データ記憶部27において、新規プロジェクトのプロジェクトコード、ユーザIDが登録された座席管理ファイル270を検索する。
【0164】
この開発要員のユーザIDが記録された座席管理ファイル270が登録されておらず、座席が提供されていない場合(ステップS3−1において「NO」の場合)、鍵管理手段212は、この開発要員についての鍵管理処理を終了する。
【0165】
一方、開発要員のユーザIDが記録された座席管理ファイル270が登録されており、座席が提供されている場合(ステップS3−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、座席に対応させて鍵登録処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部21の鍵管理手段212は、この座席管理ファイル270において座席番号を特定する。そして、鍵管理手段212は、この座席番号に関連付けられた鍵管理簿ファイル260において、開発要員のユーザIDを鍵管理者として記録し、この開発要員の常駐期間を利用期間として記録する。
以上の処理を開発要員毎に繰り返す。
【0166】
(セキュリティカード管理処理)
次に、図9を用いて、新規プロジェクトに参加する開発要員が利用するセキュリティカードの管理処理を説明する。本実施形態では、各拠点に常駐する開発要員に対して、拠点の各フロアへの入退室に必要なセキュリティカードを貸与する。そこで、新規プロジェクトに参加する各開発要員を順次、処理対象として特定して以下の処理を繰り返す。
【0167】
業務支援サーバ20の制御部21は、既にセキュリティカードを発行しているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−1)。具体的には、制御部21のカード管理手段214は、カード管理データ記憶部28を用いて、この開発要員のユーザIDが記録された貸与カード管理簿ファイル282を検索する。この場合、新規プロジェクトの常駐期間から所定期間内にある貸与期間が設定される貸与カード管理簿ファイル282のみを検索対象とする。従って、既に貸与期間が終了している場合や、貸与期間が終了してから長期間が経過する場合には、セキュリティカードを再発行することになる。一方、新規プロジェクトの常駐期間から所定期間内にある貸与期間が設定される貸与カード管理簿ファイル282を抽出できた場合には、既にセキュリティカードを貸与済みと判定する。
【0168】
既にセキュリティカードを発行している場合(ステップS4−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、発行済みセキュリティカードの更新処理を実行する(ステップS4−2)。具体的には、制御部21のカード管理手段214は、このセキュリティカードについての貸与カード管理簿ファイル282に記録された貸与期間を、この開発要員の常駐期間に対応させて追加更新する。
【0169】
一方、セキュリティカードを発行していない場合(ステップS4−1において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、宣誓登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−3)。具体的には、制御部21のカード管理手段214は、発注管理データ記憶部25に記録された開発要員管理簿ファイル252を用いて、この開発要員が所属する協力会社を特定する。そして、カード管理手段214は、カード管理データ記憶部28に、この協力会社についての誓約事業者管理簿ファイル281が登録されているかどうかを検索する。
【0170】
この協力会社についての誓約事業者管理簿ファイル281がカード管理データ記憶部28に登録されている場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、新しいセキュリティカードの発行処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部21のカード管理手段214は、この開発要員についての貸与カード管理簿ファイル282を生成して、カード管理データ記憶部28に記録する。この場合、カード管理手段214は、貸与カード管理簿ファイル282の貸与期間として、この開発要員の常駐期間を設定する。
【0171】
一方、この協力会社についての誓約事業者管理簿ファイル281がカード管理データ記憶部28に登録されていない場合(ステップS4−3において「NO」の場合)には、業務支援サーバ20の制御部21は、新規登録処理を実行する(ステップS4−5)。具体
的には、制御部21のカード管理手段214は、この協力会社の誓約書の取得指示を出力する。そして、この協力会社が誓約書を提出した場合には、セキュリティカードの発行処理を行なう(ステップS4−4)。以上の処理を開発要員毎に繰り返す。
【0172】
(PC管理処理)
次に、図10を用いて、新規プロジェクトに参加する開発要員が利用するPC端末の管理処理を説明する。本実施形態では、下請法の対象の協力会社から参加する開発要員に対してPC端末を貸与する。そこで、新規プロジェクトに参加する各開発要員を順次、処理対象として特定して以下の処理を繰り返す。
【0173】
業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象の開発要員が所属する協力会社が下請法の対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、発注管理データ記憶部25に記録された開発要員管理簿ファイル252を用いて、この開発要員が所属する協力会社の会社コードを特定する。そして、機器管理手段215は、協力会社管理データ記憶部22から、この会社コードが記録された協力会社管理ファイル220を抽出し、下請法対象有無を確認する。
【0174】
この開発要員が所属する協力会社が下請法の対象でない場合(ステップS5−1において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、持込端末の登録処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、この開発要員が利用予定の持込端末の入力画面を、プロジェクトの機器管理者のPC端末10に出力する。この場合、プロジェクトの機器管理者は、予め入手しておいた持込端末の機器情報(メーカ名、機種名、製造番号、OSコード等)をPC端末10に入力する。機器管理手段215は、この持込端末についての機器管理簿ファイル291を生成し、機器管理データ記憶部29に記録する。
【0175】
一方、この開発要員が所属する協力会社が下請法の対象である場合(ステップS5−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、既にPC端末が貸与されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、機器管理データ記憶部29を用いて、この開発要員のユーザIDが記録された機器管理簿ファイル291を検索する。この場合、新規プロジェクトの常駐期間から所定期間内にある貸与期間が設定される機器管理簿ファイル291のみを検索対象とする。従って、既に貸与期間が終了している場合や、貸与期間が終了してから長期間が経過する場合には、PC端末を改めて貸与することになる。一方、新規プロジェクトの常駐期間から所定期間内にある貸与期間が設定されている機器管理簿ファイル291を抽出できた場合には、既にPC端末を貸与済みと判定する。
【0176】
この開発要員に対して既にPC端末が貸与されている場合、(ステップS5−3において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与端末の継続登録処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、このPC端末についての機器管理簿ファイル291の第2レコードに記録された利用期間を、この開発要員の常駐期間に対応させて追加更新する。
【0177】
一方、PC端末が貸与されていない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与端末の新規登録処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、機器管理データ記憶部29に記録された機器管理簿ファイル291を用いて、この開発要員の常駐期間において、利用期間が登録されていない貸与可能なPC端末を検索する。そして、貸与可能なPC端末を特定できた場合には、機器管理手段215は、機器管理簿ファイル291に新たな第2レコードを生成し、機器管理データ記憶部29に記録する。一方、貸与可能なPC端末を
特定できない場合には、機器管理手段215は、この開発要員のために外部機関から借り受けるレンタルPC端末の依頼画面を、プロジェクトの機器管理者のPC端末10に出力する。この場合、プロジェクトの機器管理者は、借り受けるレンタルPC端末の機器情報をPC端末10に入力する。機器管理手段215は、この貸与端末についての機器管理簿ファイル291を生成し、機器管理データ記憶部29に記録する。
【0178】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、座席情報の取得処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、この開発要員のユーザIDが記録された座席管理ファイル270を座席管理データ記憶部27から取得する。この座席管理ファイル270に記録された座席番号により、開発要員が利用する座席を特定する。
【0179】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、既にIPアドレスが付与されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、機器管理データ記憶部29の機器管理簿ファイル291を用いて、開発要員が利用するPC端末の機器管理番号に関連づけられたIPアドレスを検索する。機器管理番号に関連づけられたIPアドレスが登録されている場合には、既にIPアドレスが付与されていることになる。
【0180】
この開発要員のPC端末に既にIPアドレスが付与されている場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、このIPアドレスを継続して利用できるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、機器管理データ記憶部29に記録されたアドレス管理テーブル292を用いて、既に付与されているIPアドレスを利用できる拠点やフロア(ドメイン)を特定する。次に、機器管理手段215は、この開発要員が利用する座席配置と、IPアドレスに基づいて特定した拠点やフロアとを比較して、IPアドレスの継続利用の可否を判定する。
【0181】
この開発要員のPC端末に付与されたIPアドレスを継続して利用できる場合(ステップS5−8において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、IPアドレスの継続登録処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、このPC端末についての機器管理簿ファイル291の第3レコードに記録された利用期間を、この開発要員の常駐期間に対応させて追加更新する。
【0182】
一方、開発要員のPC端末にIPアドレスが付与されていない場合(ステップS5−7において「NO」の場合)や、既に付与されたIPアドレスを継続して利用できない場合(ステップS5−8において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、IPアドレスの付与処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部21の機器管理手段215は、アドレス管理テーブル292を用いて、この開発要員が利用する座席配置において利用可能なIPアドレス候補を抽出する。次に、機器管理手段215は、このIPアドレス候補の中で、機器管理簿ファイル291の第3レコードを用いて、この開発要員の常駐期間において利用されていないIPアドレスを特定する。そして、機器管理手段215は、特定したIPアドレスについての機器管理簿ファイル291の第3レコードを生成し、この開発要員のPC端末の機器管理番号、設置場所及び利用期間を記録する。以上の処理を開発要員毎に繰り返す。
【0183】
(ソフトウェア管理処理)
次に、図11を用いて、新規プロジェクトに参加する開発要員が利用するソフトウェアの管理処理を説明する。ここでは、ネットワークに接続されたPC端末10のIPアドレスを順次、処理対象として特定して以下の処理を繰り返す。
【0184】
業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象のPC端末10にインストールされたソフトウェア情報の取得処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部21のソフト管理手段216は、ネットワークに接続されている処理対象のPC端末にアクセスして、インストールされているソフトウェア種別情報を取得する。
【0185】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、禁止ソフトウェアがインストールされているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部21のソフト管理手段216は、処理対象のPC端末から取得したソフトウェア種別について、使用禁止テーブル293に登録されているソフトウェア種別と比較する。
【0186】
使用禁止テーブル293に登録されている禁止ソフトウェアがインストールされている場合(ステップS6−2において「YES」の場合)にも、業務支援サーバ20の制御部21は、警告処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部21のソフト管理手段216は、システム管理者のPC端末10に対して、問題があるPC端末10を検出したことを通知する。
【0187】
一方、使用禁止テーブル293に登録されている禁止ソフトウェアがインストールされていない場合(ステップS6−2において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与端末かどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−4)。具体的には、制御部21のソフト管理手段216は、処理対象のPC端末10のIPアドレスが記録された機器管理簿ファイル291の第3レコードにより、機器管理番号を特定する。そして、ソフト管理手段216は、この機器管理番号が記録された第1レコードを用いて機器管理責任者を特定して、貸与端末又は持込端末を判定する。
【0188】
処理対象のPC端末が持込端末の場合(ステップS6−4において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与ソフトウェアが含まれるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−5)。具体的には、制御部21のソフト管理手段216は、ライセンス管理テーブル294において、このPC端末10の機器管理番号を検索する。ここで、ライセンス管理テーブル294に機器管理番号が登録されている場合には、ソフトウェアが貸与されていることになる。
【0189】
貸与ソフトウェアが含まれていない場合(ステップS6−5において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、このPC端末10の処理を終了する。
一方、処理対象のPC端末10が貸与端末の場合(ステップS6−4において「YES」の場合)や、持込端末に貸与ソフトウェアが含まれている場合(ステップS6−5において「YES」の場合)には、業務支援サーバ20の制御部21は、ライセンス情報の照合処理を実行する(ステップS6−6)。具体的には、制御部21のソフト管理手段216は、ライセンス管理テーブル294に記録されているソフトウェア種別とPC端末から取得したソフトウェア種別とを比較する。
【0190】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、ライセンスの有無についての判定処理を実行する(ステップS6−7)。ここで、ライセンス登録が行なわれていないソフトウェアを検知した場合(ステップS6−7において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、警告処理を実行する(ステップS6−3)。以上の処理をPC端末毎に繰り返す。
【0191】
(スケジュール管理処理)
次に、図12を用いて、各リソースを管理するためのスケジュール管理処理を説明する。この処理は、定期的に(本実施形態では、例えば毎日)実行される。
【0192】
業務支援サーバ20の制御部21は、開発要員のためのリソース情報の読み出し処理を実行する(ステップS7−1)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217は、鍵管理データ記憶部26、座席管理データ記憶部27、カード管理データ記憶部28、機器管理データ記憶部29に記録された利用期間や貸与期間を取得する。
【0193】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、リソース管理スケジュール表の生成処理を実行する(ステップS7−2)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217は、各リソースのレコードに記録された利用期間を取得する。そして、スケジュール管理手段217は、リソース毎に、各利用期間や貸与期間を、同じ時間軸上のタイムチャートにプロットしたリソース管理スケジュール表を生成する。そして、スケジュール管理手段217は、生成したリソース管理スケジュール表を、スケジュール管理データ記憶部30に登録する。
【0194】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与リソースの特定処理を実行する(ステップS7−3)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217は、カード管理データ記憶部28から、返却フラグが記録されていない貸与カード管理簿ファイル282を抽出する。更に、スケジュール管理手段217は、機器管理データ記憶部29から、返却フラグが記録されていない機器管理簿ファイル291を抽出する。
【0195】
そして、各データ記憶部から抽出した管理簿レコード(282,291)に記録されたリソースを順次、処理対象として特定して以下の処理を繰り返す。
まず、業務支援サーバ20の制御部21は、準備所要日数、返却猶予日数の取得処理を実行する(ステップS7−4)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217は、貸与リソースの利用期間の開始日に対して、準備所要日数を差し引いた準備確認日を特定する。更に、スケジュール管理手段217は、利用期間の終了年月日に返却猶予日数を加算した返却確認日を特定する。
【0196】
次に、業務支援サーバ20の制御部21は、通知日程の設定処理を実行する(ステップS7−5)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217は、リソース管理スケジュール表において、算出した準備確認日及び返却確認日を通知日として登録する。以上の処理をリソース毎に繰り返す。
【0197】
そして、業務支援サーバ20の制御部21は、通知処理を実行する(ステップS7−6)。具体的には、制御部21のスケジュール管理手段217は、現在日付と各通知日とを比較し、通知日に該当する場合にはプロジェクト管理者のPC端末10に対して、確認の通知を送信する。準備確認日の場合には、スケジュール管理手段217は、機器管理データ記憶部29に記録された機器管理簿ファイル291を用いて必要なPC端末10の数を算出し、カード管理データ記憶部28に記録された貸与カード管理簿ファイル282を用いて新たに貸与されるセキュリティカードの数を算出する。そして、確認通知に、新たに必要なリソース数量を含めておく。また、返却確認日の場合には、スケジュール管理手段217は、返却フラグが記録されていない管理レコードのユーザIDを特定して、確認通知に含めておく。これにより、プロジェクト管理者は、開発要員を特定して返却の督促を行なうことができる。
【0198】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の業務支援サーバ20においては、受注管理データ記憶部24には、システム開発の引き合いに対する受注業務についての受注稟議ファイル241、契約稟議ファイル242、納品稟議ファイル243、請求書ファイル244が記録される。また、発注管理データ記憶部25には、協力会社にシステム開発を委託する発注についての発注
指示ファイル251、開発要員管理簿ファイル252、検収結果ファイル253、支払明細ファイル254が記録される。システム開発の受注や、この開発における協力会社への委託においては、複数の稟議や契約を行なう必要がある。この場合、各データ記憶部に記録されたファイルを共用して、効率的に手続を進めることができる。
【0199】
(2)本実施形態の座席管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象の開発要員の作業において座席が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−1)。これにより、座席が必要な開発要員を特定して、座席の準備を行なうことができる。
【0200】
この開発要員に対して既に座席が提供されている場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、座席変更が必要かどうかについての判定処理を実行する(ステップS2−3)。座席変更が必要でない場合(ステップS2−3において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、座席配置の延長処理を実行する(ステップS2−5)。これにより、既に座席が提供されている開発要員は、座席変更の負担を軽減することができる。
【0201】
開発要員に対して未だ座席が付与されていない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)や座席変更が必要な場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、新しい座席配置の設定処理を実行する(ステップS2−4)。これにより、開発要員の常駐期間に応じた座席を設定することができる。
【0202】
(3)本実施形態の鍵管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象の開発要員に対して座席が提供されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS3−1)。これにより、座席が提供されている開発要員に対して、保管庫の鍵を貸与することができる。
【0203】
更に、開発要員のユーザIDが記録された座席管理ファイル270が登録されており、座席が提供されている場合(ステップS3−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、座席に対応させて鍵登録処理を実行する(ステップS3−2)。これにより、座席の配置に応じた保管庫の鍵を貸与することができる。
【0204】
(4)本実施形態のセキュリティカード管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、既にセキュリティカードを発行しているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−1)。既にセキュリティカードを発行している場合(ステップS4−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、発行済みセキュリティカードの更新処理を実行する(ステップS4−2)。これにより、既にセキュリティカードが貸与されている開発要員に対しては、新たなセキュリティカードを発行する必要はなく、効率的にカード管理を行なうことができる。
【0205】
未だセキュリティカードを発行していない場合(ステップS4−1において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、宣誓登録があるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS4−3)。これにより、宣誓の有無に基づいて、より安全にセキュリティカードを発行することができる。
【0206】
また、この協力会社についての誓約事業者管理簿ファイル281がカード管理データ記憶部28に登録されている場合(ステップS4−3において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、新しいセキュリティカードの発行処理を実行する(ステップS4−4)。これにより、常駐してシステム開発を行なう開発要員に対して、開発拠点への入退室に用いるセキュリティカードを発行することができる。
【0207】
(5)本実施形態のPC管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象の開発要員が所属する協力会社が下請法の対象かどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−1)。協力会社が下請法の対象である場合(ステップS5−1において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、既にPC端末が貸与されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−3)。PC端末が貸与されていない場合(ステップS5−3において「NO」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与端末の新規登録処理を実行する(ステップS5−5)。これにより、協力会社の開発要員に対してPC端末10を貸与することにより、的確に下請法を遵守しながらシステム開発を行なうことができる。
【0208】
一方、開発要員に対して既にPC端末が貸与されている場合、(ステップS5−3において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与端末の継続登録処理を実行する(ステップS5−4)。これにより、既にPC端末10を貸与している場合には、このリソースを有効活用することができる。
【0209】
(6)本実施形態のPC管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、座席情報の取得処理(ステップS5−6)を実行し、既にIPアドレスが付与されているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−7)。この開発要員のPC端末に既にIPアドレスが付与されている場合(ステップS5−7において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、このIPアドレスを継続して利用できるかどうかについての判定処理を実行する(ステップS5−8)。これにより、座席やIPアドレスの利用状況に応じて、PC端末10に設定されたIPアドレスの使用継続の可否を判定することができる。
【0210】
この開発要員のPC端末に付与されたIPアドレスを継続して利用できる場合(ステップS5−8において「YES」の場合)、業務支援サーバ20の制御部21は、IPアドレスの継続登録処理を実行する(ステップS5−9)。これにより、PC端末10におけるネットワーク設定の変更の負担を軽減することができる。
【0211】
(7)本実施形態のソフトウェア管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、処理対象のPC端末10にインストールされたソフトウェア情報の取得処理を実行する(ステップS6−1)。次に、業務支援サーバ20の制御部21は、禁止ソフトがインストールされているかどうかについての判定処理を実行する(ステップS6−2)。これにより、問題があるソフトウェアの使用を監視することができる。例えば、ファイル共有ソフトウェア等の利用による情報漏洩を抑制して、情報セキュリティを確保することができる。
【0212】
処理対象のPC端末10が貸与端末の場合(ステップS6−4において「YES」の場合)や、持込端末に貸与ソフトウェアが含まれている場合(ステップS6−5において「YES」の場合)には、業務支援サーバ20の制御部21は、ライセンス情報の照合処理を実行する(ステップS6−6)。これにより、貸与されるソフトウェアのライセンス管理を的確に行なうことができる。
【0213】
(8)本実施形態のスケジュール管理処理においては、業務支援サーバ20の制御部21は、開発要員のためのリソース情報の読み出し処理を実行する(ステップS7−1)。そして、業務支援サーバ20の制御部21は、リソース管理スケジュール表の生成処理を実行する(ステップS7−2)。これにより、プロジェクト担当者は、リソースの利用状況を効率的に把握することができる。
【0214】
業務支援サーバ20の制御部21は、貸与リソースの特定処理(ステップS7−3)、準備所要日数、返却猶予日数の取得処理(ステップS7−4)を実行する。そして、制御部21は、通知日程の設定処理(ステップS7−5)を実行する。そして、業務支援サーバ20の制御部21は、この通知日程に従って、通知処理を実行する(ステップS7−6)。これにより、準備期間を考慮して各リソースの準備開始や、返却されていないリソースを特定して返却の督促を行なうことにより、的確なリソース管理を行なうことができる。
【0215】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態では、座席、鍵、セキュリティカード、PC端末等のリソースの管理を行なったが、リソースの種類はこれらに限定されるものではない。これらのリソースの一部や、他のリソース(例えば、事務用品)の管理についても適用することができる。
【0216】
・ 上記実施形態では、受注稟議、発注稟議、契約稟議等の業務に適用したが、これらの業務手続に限定されるものではない。また、本実施形態では、システム開発の受注に適用したが、受注対象はこれに限定されるものではない。受注に対応して要員を確保し、この要員が利用するリソースを確保するための業務に適用することができる。
【0217】
・ 上記実施形態では、協力会社から開発要員情報を取得する(ステップS1−7)。ここでは、開発要員について必要情報が入力された場合、取引管理手段211は、入力された必要情報(ユーザID、氏名、会社コード、常駐期間、プロジェクトコード等)を記録した開発要員管理簿ファイル252を発注管理データ記憶部25に登録する。そして、この開発要員管理簿ファイル252を用いて、業務支援サーバ20の制御部21は、各リソースの管理処理(ステップS1−8〜S1−11)を実行する。これに加えて、既に登録された開発要員を変更する場合にも、上記の各種管理処理を実行するようにしてもよい。この場合においても、開発要員の変更や常駐期間の変更する場合には、開発要員管理簿ファイル252を更新する。そして、業務支援サーバ20の制御部21は、更新された開発要員管理簿ファイル252を用いて、座席管理処理(ステップS1−8)、鍵管理処理(ステップS1−9)、セキュリティカード管理処理(ステップS1−10)、PC管理処理(ステップS1−11)を実行する。これにより、開発状況に応じて、延長したり、短縮したりした場合にも、的確なリソース管理を行なうことができる。
【0218】
・ 上記実施形態では、業務支援サーバ20の制御部21は、準備所要日数、返却猶予日数の取得処理(ステップS7−4)、通知日程の設定処理(ステップS7−5)を実行する。ここでは、リソース管理スケジュール表において、準備確認日及び返却確認日が通知日として登録される。この通知日は準備確認日や返却確認日に限定されるものではない。例えば、返却を促すための通知日(返却依頼日)等を登録するようにしてもよい。この場合には、貸与リソースの利用期間の終了年月日に対して基準日数(例えば1日)前を返却依頼日として登録する。これにより、常駐期間の終了前に返却を促す通知を行なうため、利用リソースの返却漏れを抑制することができる。
【0219】
また、システム開発のプロジェクト会議が定期的に行なわれている場合には、この会議において、利用期間の終了年月日が近づいているリソースの返却を促すようにしてもよい。この場合には、プロジェクトID毎に、プロジェクト会議の予定日及び各会議における確認事項を含む会議予定情報を記録した会議管理情報記憶手段を設けておく。
【0220】
そして、業務支援サーバ20の制御部21は、貸与リソースを返却すべき開発要員が参加しているプロジェクトIDを特定する。ここでは、各開発要員について、貸与リソースの利用期間の終了年月日と、開発要員管理簿ファイル252に記録されている常駐期間の終了年月日とが一致するプロジェクトIDを特定する。
【0221】
次に、制御部21は、会議管理情報記憶手段を用いて、このプロジェクトIDに関連付けられた会議予定情報の中で、貸与リソースの利用期間の終了年月日に対して直前の会議予定日を特定する。そして、制御部21は、この予定日のプロジェクト会議における確認事項に、返却を促すべきリソース情報の識別情報及びこのリソースを利用している開発要員の識別情報(ユーザID)を含める。これにより、常駐期間が終了する開発要員に関係するプロジェクト会議において、リソースの返却を促すことができる。
【0222】
・ 上記実施形態においては、下請法が適用される会社にリソースを貸与したが、貸与先はこれに限定されるものではなく、協力会社の要望に応じて貸与するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0223】
10…PC端末、20…業務支援サーバ、21…制御部、211…取引管理手段、212…鍵管理手段、213…座席管理手段、214…カード管理手段、215…機器管理手段、216…ソフト管理手段、217…スケジュール管理手段、22…協力会社管理データ記憶部、23…プロジェクト管理データ記憶部、24…受注管理データ記憶部、25…発注管理データ記憶部、26…鍵管理データ記憶部、27…座席管理データ記憶部、28…カード管理データ記憶部、29…機器管理データ記憶部、30…スケジュール管理データ記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
協力会社の属性情報を記録した会社情報記憶手段と、
顧客からの依頼内容についてのプロジェクト情報を記録するプロジェクト情報記憶手段と、
協力会社からプロジェクトに参加する要員情報を記録する要員情報記憶手段と、
要員に対して提供可能なリソースを記録したリソース情報記憶手段と、
前記リソースを管理する制御手段を備え、プロジェクトに関わる業務を支援するシステムであって、
前記制御手段が、
顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報を前記プロジェクト情報記憶手段に記録する手段と、
前記プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を前記要員情報記憶手段に記録する手段と、
前記会社情報記憶手段、前記要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、前記依頼の受注契約の稟議処理を実行する手段と、
前記受注契約に対して、前記協力会社との発注契約の稟議処理を実行する手段と、
前記発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、前記リソース情報記憶手段に登録する手段と
を備えたことを特徴とする業務支援システム。
【請求項2】
前記会社情報記憶手段には、属性情報として下請法の対象を判定するための情報が記録され、
前記制御手段は、下請法の対象である協力会社に属する要員に貸与するリソースの数量を算出することを特徴とする請求項1に記載の業務支援システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記リソース情報記憶手段から、各要員について先行プロジェクトへの参加情報を取得し、
先行プロジェクトにおいて、要員に対してリソースを貸与している場合には、前記リソースの継続使用を前記リソース情報記憶手段に登録し、
リソースの貸与がない場合には、前記リソース情報記憶手段において、新たにリソースの貸与登録を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の業務支援システム。
【請求項4】
前記リソース情報記憶手段には、リソースとしての座席の利用状況が記録され、
前記制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対して座席を貸与している場合には、先行プロジェクトにおける座席と新規プロジェクトの座席に基づいて、座席変更の要否を判定することを特徴とする請求項3に記載の業務支援システム。
【請求項5】
前記リソース情報記憶手段には、リソースとしての接続設定情報の付与状況が更に記録され、
前記制御手段は、各要員の座席情報を取得し、前記座席情報に基づいて、コンピュータ端末に設定する新たな接続設定情報の付与の要否を判定することを特徴とする請求項4に記載の業務支援システム。
【請求項6】
前記リソース情報記憶手段には、リソースとしての身分証明票の貸与状況及び貸与資格が更に記録され、
前記制御手段は、先行プロジェクトにおいて、要員に対して身分証明票を貸与している場合には、前記身分証明票の継続使用を登録し、
まだ身分証明票を貸与していない場合には、身分証明票の貸与資格を検索し、貸与資格
がある場合には、この貸与資格に基いて新たな身分証明票の貸与登録を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の業務支援システム。
【請求項7】
前記制御手段が、
各リソースの貸与予定日を時間軸上に表したリソース管理スケジュール表を生成し、
各リソースの準備期間を取得し、各リソースの貸与予定日に対して前記準備期間を差し引いた準備確認日を算出し、前記リソース管理スケジュール表に設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の業務支援システム。
【請求項8】
協力会社の属性情報を記録した会社情報記憶手段と、
顧客からの依頼内容についてのプロジェクト情報を記録するプロジェクト情報記憶手段と、
協力会社からプロジェクトに参加する要員情報を記録する要員情報記憶手段と、
要員に対して提供可能なリソースを記録したリソース情報記憶手段と、
前記リソースを管理する制御手段を備え、プロジェクトに関わる業務を支援する方法であって、
前記制御手段が、
顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報を前記プロジェクト情報記憶手段に記録する段階と、
前記プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を前記要員情報記憶手段に記録する段階と、
前記会社情報記憶手段、前記要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、前記依頼の受注契約の稟議処理を実行する段階と、
前記受注契約に対して、前記協力会社との発注契約の稟議処理を実行する段階と、
前記発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、前記リソース情報記憶手段に登録する段階と
を実行することを特徴とする業務支援方法。
【請求項9】
協力会社の属性情報を記録した会社情報記憶手段と、
顧客からの依頼内容についてのプロジェクト情報を記録するプロジェクト情報記憶手段と、
協力会社からプロジェクトに参加する要員情報を記録する要員情報記憶手段と、
要員に対して提供可能なリソースを記録したリソース情報記憶手段と、
前記リソースを管理する制御手段を備え、プロジェクトに関わる業務を支援するプログラムであって、
前記制御手段を、
顧客からの依頼内容を実行するためのプロジェクト情報を前記プロジェクト情報記憶手段に記録する手段、
前記プロジェクト情報記憶手段に記録された依頼内容について、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社から取得した要員情報を前記要員情報記憶手段に記録する手段、
前記会社情報記憶手段、前記要員情報記憶手段に記録された情報を用いて、前記依頼の受注契約の稟議処理を実行する手段、
前記受注契約に対して、前記協力会社との発注契約の稟議処理を実行する手段、
前記発注契約に基づいて、プロジェクトに参加する要員が利用するリソースを、前記会社情報記憶手段に記録された協力会社の属性情報に応じて特定し、前記リソース情報記憶手段に登録する手段
として機能させることを特徴とする業務支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−141693(P2011−141693A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1533(P2010−1533)
【出願日】平成22年1月6日(2010.1.6)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)