説明

業務管理システム

【課題】業務フロー図から任意の業務を指定して必要な処理を行うことが可能なシステムにおいて、担当者毎の作業遅延をより効果的に防止できるようにする。
【解決手段】個々の業務名が表示されている領域に対して対応業務に関するタスクの処理を指示するための操作ボタンを割り当てた業務フロー図を業務選択用のメニュー画面として表示する業務フロー表示部12と、業務フローの各業務に含まれる1以上のタスクの進捗状況を管理する進捗状況管理部15と、タスクの進捗状況を表示する進捗状況表示部17とを備え、タスクの進捗状況に変化が生じたかどうかに関係なく、各段階の業務の担当者がタスクの進捗状況を表示して確認できるようにすることで、担当者が自分の行うべきタスクを確認して遅滞なく処理することができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は業務管理システムに関し、特に、各種業務の管理を業務フローに従って行うことを支援するシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、企業内での各種業務は、あらかじめ設定された複数の段階からなる業務フローに従って行われる。例えば、貿易取引では、成約、輸出事務、輸入事務、出荷、在庫管理、伝票発行、経理などの各種段階の流れに従って業務が行われる。業務の流れについて管理計画された業務フローを円滑に進行するためには、業務フローの各段階における業務の進捗状況の管理が必要となる。従来、業務フローに従って行われる各段階の業務管理を支援するシステムがいくつか提供されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
【0003】
特許文献1に記載の業務管理システムでは、業務の流れを示す業務フロー図を表示し、当該業務フロー図の特定の領域がユーザにより選択されると、その領域に対応する業務の入力画面を表示し、当該入力画面において文書の登録処理ができるようになされている。特許文献2に記載の業務管理システムでは、進捗状況を迅速に把握して円滑な業務フローの進行を促すことを目的として、業務フローの進捗状況の変化に応じて、その進捗状況を関連する送信先に送信して表示するようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−92904号公報
【特許文献2】特開2005−173884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術によれば、業務処理の流れを表した業務フロー図を視覚的に分かりやすいメニュー画面として利用し、当該メニュー画面から任意の業務を指定して必要な処理を行うことができる。このため、各段階の業務の担当者が自分の担当業務を行う際の操作性が向上するという利点がある。しかしながら、業務を行うか否かは基本的に担当者任せであるため、担当者毎の作業遅延が発生する可能性があるという問題があった。
【0006】
これに対して、特許文献2に記載の技術によれば、業務フローの進捗状況に変化が生じたときに、関連する送信先に進捗状況が送信されて表示されるため、これが送信先に対する業務の実行を促すメッセージとして作用し、円滑な業務フローの進行が促進される。しかしながら、進捗状況を受信した送信先の担当者は、その進捗状況の通知を受ける度にすぐに担当業務を行えるとは限らず、時間の余裕ができたときに行うことが多い。その場合、やるべき未処理の業務が蓄積されていくが、それらについては進捗の変化がないので、再びメッセージが届くことはない。そのため、どの業務から優先して処理すべきかが分からず、優先度の高い業務について更に作業が遅延してしまう可能性があるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、業務フロー図をメニュー画面として表示し、当該メニュー画面から任意の業務を指定して必要な処理を行うことができるようになされたシステムにおいて、担当者毎の作業遅延をより効果的に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、各業務の流れを視覚的に表した業務フロー図を業務選択用のメニュー画面として表示するとともに、業務フローの各業務に含まれる1以上のタスクの進捗状況を管理し、タスクの進捗状況を表示するようにしている。例えば、業務フローの各業務の中から指定された業務に関する1以上の未処理タスクの進捗状況を表示する。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、各段階の業務の担当者は、各業務の流れが視覚的に分かりやすい業務フロー図から自分の担当業務を指定して必要な処理を行うことができるので、操作性がよく、業務の効率化を図ることができる。また、タスクの進捗状況に変化が生じたかどうかに関係なく、各業務のタスクの進捗状況を表示して確認することができるので、担当者は自分が行うべきタスクを必要に応じていつでも確認することでき、担当者毎の作業遅延をより効果的に防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態による業務管理システムの機能構成例を示すブロック図である。
【図2】貿易取引に関する業務フローを定義した本実施形態の業務フロー定義情報の一例を示している。
【図3】本実施形態の業務フロー表示部によって業務選択用のメニュー画面として表示装置に表示される業務フロー図の例を示す図である。
【図4】本実施形態の進捗情報記憶部に記憶されるタスク進捗情報の例を示す図である。
【図5】本実施形態の進捗状況表示部によって表示装置に表示されるナビゲーション画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態による業務管理システムの機能構成例を示すブロック図である。本実施形態の業務管理システム10は、その機能構成として、業務フロー定義情報記憶部11、業務フロー表示部12、操作受付部13、対応業務処理部14、進捗状況管理部15、進捗情報記憶部16および進捗状況表示部17を備えて構成されている。
【0012】
なお、業務フロー定義情報記憶部11および進捗情報記憶部16は、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体により構成されている。また、それ以外の業務フロー表示部12、指定操作受付部13、対応業務処理部14、進捗状況管理部15および進捗状況表示部17の各機能構成は、例えばソフトウェアによって実現される。すなわち、本実施形態の業務管理システム10は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、上述の各機能構成はRAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
【0013】
業務フロー定義情報記憶部11は、あらかじめ設定された複数段階の業務からなる業務フローを定義した業務フロー定義情報を記憶する。この業務フロー定義情報は、業務フローに沿った各業務を特定する業務情報と、当該各業務の流れの順序を特定する順序情報とを少なくとも含んでいる。
【0014】
図2は、業務フロー定義情報記憶部11に記憶される業務フロー定義情報の一例を示す図である。なお、図2は、貿易取引に関する業務フローを定義した業務フロー定義情報の例を示している。図2に示すように、業務フロー定義情報は、レコード内の項目として業務ID、業務カテゴリ、業務、1つ後の業務を含んでいる。このうち、業務カテゴリおよび業務が上述の業務情報に相当し、1つ後の業務が上述の順序情報に相当する。
【0015】
項目「業務ID」は、業務フローに沿った各業務の1つ1つをユニークに識別するための情報である。項目「業務カテゴリ」は、各業務の大まかな分類を表す情報である。例えば、貿易取引の場合、「成約」「輸出事務」「輸入事務」「出荷」「在庫管理」「伝票発行」「経理」の1つ1つが業務カテゴリに該当する。項目「業務」は、各業務カテゴリに属する具体的な業務を示す情報である。すなわち、各々の業務は何れかの業務カテゴリに属する。例えば、「出荷」という業務カテゴリの中には“出荷依頼”“出荷完了”という2つの業務が含まれている。また、「伝票発行」という業務カテゴリの中には、“仕入売上伝票発行”“仕入伝票発行”“売上伝票発行”“請求書発行”という4つの業務が含まれている。なお、以下では業務カテゴリを「」で記述し、個々の業務を“”で記述するものとする。
【0016】
また、項目「1つ後の業務」は、当該レコード(業務ID)の業務よりも作業の流れが1つの後の順序に相当する業務を示す情報である。なお、1つ後の業務は、1つである場合もあるし、複数である場合もある。また、業務フローの最後の業務(具体的には、「経理」の業務カテゴリに属する“計上指示”“売買大括”の2つの業務)に関しては、1つ後の業務は存在しない。
【0017】
業務フロー表示部12は、業務フロー定義情報記憶部11に記憶されている業務フロー定義情報に基づいて、各業務の流れを視覚的に表した業務フロー図を表示装置20に表示するよう制御する。この業務フロー図は、業務フロー上の各業務の表示領域が当該各業務に対応するタスクの処理を指示するための操作領域(操作ボタン)に割り当てられたメニュー画面として機能する。
【0018】
図3は、業務フロー表示部12によって業務選択用のメニュー画面として表示装置20に表示される業務フロー図の例を示す図である。本実施形態では、図3に示すように、業務カテゴリとそれに属する個々の業務との関係や、個々の業務の流れが一見して識別できるように業務フロー図を表示している。図3において、各業務の横方向の並びは作業の流れを示している。縦方向に一列に並んだ複数の業務(具体的には、「成約」の業務カテゴリに属する“売買成約”“売成約”“買成約”“パターン”の4つの業務、「伝票発行」の業務カテゴリに属する“仕入売上伝票発行”“仕入伝票発行”“売上伝票発行”“請求書発行”の4つの業務、「経理」の業務カテゴリに属する“計上指示”“売買大括”の2つの業務)は、この中の何れか1つを選択して処理することを意味している。
【0019】
図3に示す業務フロー図では、各業務の表示領域(矩形領域)の1つ1つが、当該各業務に対応するタスクの入力画面の表示(対応業務に関するタスクの処理)を指示するための操作ボタン(以下、業務処理指示ボタンという)となっている。また、図3に示すメニュー画面には、後述するナビゲーション画面の表示を指示するためのナビゲーションボタン30が設けられている。これら各業務の業務処理指示ボタンまたはナビゲーションボタン30は、マウスなどの操作部40を操作することによって押下することができるようになっている。
【0020】
操作受付部13は、操作部40の操作を受け付ける。例えば、操作受付部13は、上述した業務処理指示ボタンまたはナビゲーションボタン30の押下操作を受け付ける。また、操作受付部13は、ナビゲーションボタン30の押下操作によって表示されるナビゲーション画面上に表示した業務指定ボタンやタスク指定ボタン(これらについては後述する)の押下操作も受け付ける。また、操作受付部13は、業務処理指示ボタンの押下操作によって表示される入力画面に対する種々の情報入力操作も受け付ける。
【0021】
対応業務処理部14は、業務処理指示ボタンの押下操作が操作受付部13により受け付けられたときに、操作された業務処理指示ボタンに対応するタスクの入力画面を表示装置20に表示する。あるいは、対応業務処理部14は、ナビゲーション画面上のタスク指定ボタンの押下操作が操作受付部13により受け付けられたときに、操作されたタスク指定ボタンに対応するタスクに関する入力画面を表示装置20に表示する。
【0022】
ここで入力画面の表示対象とするタスクは、業務フローの最初の業務(「成約」の業務カテゴリに属する“売買成約”“売成約”“買成約”“パターン”の4つの業務)に関しては、業務処理指示ボタンの押下に応じて対応業務処理部14が新規に生成する。一方、業務フローの2番目以降の業務に関しては、1つ前の業務の完了時に対応業務処理部14により生成された未処理タスクが対象となる。この未処理タスクは、具体的には、進捗情報記憶部16にステータスが未処理として登録されているタスクである。
【0023】
なお、業務処理指示ボタンの押下により指定された業務に関して未処理タスクが複数存在する場合(進捗情報記憶部16にステータスが未処理として登録されているタスクが複数存在する場合)、対応業務処理部14は、例えば、複数の未処理タスクをタスク選択画面にて一覧表示して何れか1つをユーザに選択させ、選択された未処理タスクの入力画面を表示する。
【0024】
対応業務処理部14は、未処理タスクの入力画面を表示装置20に表示した後、操作部40の操作を通じて当該入力画面に入力された情報を用いて、当該未処理タスクの処理を実行する。その実行内容はタスクの種類によって異なる。すなわち、入力画面を通じて入力された情報を図示しないデータベースに登録する処理、入力された情報を指定先のコンピュータにネットワーク送信する処理、入力された情報を用いて伝票を発行する処理など、タスクの実行処理は様々である。対応業務処理部14は、未処理タスクについてこれらの処理を実行し終わると、当該処理が完了したタスクの次に処理すべき未処理タスクを生成する。
【0025】
すなわち、対応業務処理部14は、未処理タスクの処理が完了したときに、業務フロー定義情報記憶部11に記憶されている業務フロー定義情報を参照して、処理が完了したタスクの業務の次に処理すべき業務を確認する。そして、その次に処理すべき業務の未処理タスクを生成し、その旨を進捗状況管理部15に通知する。このとき対応業務処理部14は、次に処理すべき未処理タスクのタスクIDも進捗状況管理部15に通知する。
【0026】
進捗状況管理部15は、業務フローの各業務に含まれる1以上のタスクの進捗状況を管理する。具体的には、進捗状況管理部15は、対応業務処理部14により新規の未処理タスクが生成されたときに、当該未処理タスクの進捗状況を特定するタスク進捗情報を、レコードを1つ追加して進捗情報記憶部16に新たに記憶する。新規の未処理タスクが生成されるのは、上述したように、業務フローの最初の業務が業務処理指示ボタンの押下により指定されたとき、または、未処理タスクの処理を実行し終わったときである。前者の場合は、指定された業務の未処理タスクが新規に生成される。後者の場合は、処理が完了したタスクの次に処理すべき未処理タスクが新規に生成される。
【0027】
また、進捗状況管理部15は、対応業務処理部14による未処理タスクの処理が完了したときに、当該処理が完了したタスクの進捗状況を未処理から処理済に更新する。すなわち、進捗情報記憶部16に記憶されているタスク進捗情報のステータスを未処理から処理済に書き換えることにより、未処理タスクを処理済タスクに更新する。また、進捗状況管理部15は、こうして未処理タスクから更新された処理済タスクのレコードに対し、当該未処理タスクの処理日を記憶する。
【0028】
進捗情報記憶部16は、進捗状況管理部15により管理される業務フローの進捗状況を表す業務フロー進捗情報であって、上述のタスク進捗情報を記憶する。図4は、進捗情報記憶部16に記憶されるタスク進捗情報の例を示す図である。図4に示すように、タスク進捗情報は、レコード内の項目として業務ID、タスクID、ステータス、前タスクID、タスク生成日およびタスク処理日を含んでいる。項目「業務ID」は、図2に示した業務IDと同じものである。項目「タスクID」は、対応業務処理部14により生成される各タスクの1つ1つをユニークに識別するための情報である。
【0029】
項目「ステータス」は、そのタスクが未処理であるか処理済であるかの進捗状況を表す情報である。このステータスが未処理となっているものが未処理タスクであり、処理済となっているものが処理済タスクである。このステータスが、進捗状況管理部15により適宜更新される。すなわち、タスクの生成時はステータスが未処理となっている。一方、その未処理タスクが対応業務処理部14により実行されると、進捗状況管理部15によりステータスが処理済に更新される。
【0030】
項目「前タスクID」は、未処理タスクの処理完了時に対応業務処理部14により新規に生成された未処理タスクの1つ前のタスク(つまり、当該処理の完了により処理済タスクとされたタスク)のタスクIDを示す情報である。項目「タスク生成日」は、対応業務処理部14により未処理タスクが新規に生成された日を示す情報である。項目「タスク処理日」は、対応業務処理部14により未処理タスクの処理が行われた日、すなわち、未処理タスクの処理完了日を示す情報である。
【0031】
進捗状況表示部17は、業務フロー図上のナビゲーションボタン30の押下操作が操作受付部13により受け付けられたときに、ナビゲーション画面を表示装置20に表示するよう制御する。そして、進捗状況表示部17は、このナビゲーション画面上において、業務フロー定義情報記憶部11に記憶されている業務フロー定義情報および進捗情報記憶部16に記憶されているタスク進捗情報に基づいて、タスクの進捗状況を表示装置20に表示するよう制御する。
【0032】
また、進捗状況表示部17は、ナビゲーション画面上の業務指定ボタンの押下操作が操作受付部13により受け付けられたとき、つまり、業務フローの各業務の中から何れかを指定するための操作が操作受付部13により受け付けられたときに、指定された業務に関する未処理タスクを一覧表示するよう制御する。このとき進捗状況表示部17は、指定された業務の未処理タスクについて、その業務よりも1つの前に処理された業務の名称を未処理タスクの進捗状況として一覧表示するよう制御する。
【0033】
具体的には、進捗状況表示部17は、進捗情報記憶部16に記憶されているタスク進捗情報を参照して、指定された業務でステータスが未処理となっているレコードを抽出し、抽出した各レコードから前タスクIDを得る。そして、進捗状況表示部17は、取得した前タスクIDと同じタスクIDを持つ処理済タスクのレコードから業務IDを取得し、その業務IDに対応する業務名を業務フロー定義情報記憶部11から取得してナビゲーション画面上に一覧表示する。
【0034】
図5は、表示装置20に表示されるナビゲーション画面の例を示す図である。図5に示すように、ナビゲーション画面は、業務フロー図上のナビゲーションボタン30の押下に応じて業務フローの各業務毎にタスクの進捗状況を数値として表示する第1の領域51と、ナビゲーション画面上の業務指定ボタン53の押下に応じて指定業務の未処理タスクを一覧表示する第2の領域52とを有している。
【0035】
第1の領域51では、業務フローの中の1つあるいは複数の業務をまとめた所定単位毎に、未処理タスクの件数を数値として表示している。例えば、“通関手配”という業務については、現在処理可能となっている(処理すべき)未処理タスクが6件あることを示している。
【0036】
本実施形態では、この6件の処理済タスクを3つのカテゴリに分けて件数表示している。3つのカテゴリは、未処理タスクのタスク生成日からの経過日数に応じて分けたものである。経過日数が大きいほど、未処理タスクの処理が遅延していることを意味するので、当該未処理タスクを処理すべき緊急度が高くなる。すなわち、3つのカテゴリは、未処理タスクの処理の緊急度を表している。図5の例では、“通関手配”という業務に関する未処理タスクが合計6件あり、その内訳は緊急度の高いものが3件、緊急度が中くらいのものが2件、緊急度が低いものが1件あることを示している。
【0037】
なお、上述したように、「伝票発行」の業務カテゴリに属する4つの業務“仕入売上伝票発行”“仕入伝票発行”“売上伝票発行”“請求書発行”は、この中の何れか1つを選択して処理するものである。したがって、図5のナビゲーション画面上では、これら4つの業務をまとめた業務カテゴリについて、未処理タスクの件数を数値として表示している。すなわち、「伝票発行」という業務カテゴリについては、当該業務カテゴリに属する4つの業務に関する未処理タスクの合計件数(緊急度の高いものが2件、緊急度が中くらいのものが3件、緊急度が低いものが7件)を数値として表示している。
【0038】
第1の領域51において、業務名または複数の業務をまとめた単位名を表示している領域の1つ1つが、業務指定ボタン53に割り当てられている。第2の領域52には、この業務指定ボタン53の押下操作により指定された業務(または、指定された所定単位に属する複数の業務)に関する未処理タスクについて、その業務よりも1つの前に処理された業務の名称が未処理タスクの進捗状況として一覧表示される。図5の例は、「伝票発行」の業務カテゴリに関する業務指定ボタン53が押下されたときの表示状態を示している。
【0039】
すなわち、図5の第2の領域52には、「伝票発行」に関する合計12件の未処理タスクが、伝票発行よりも1つ前の4つの業務“船積完了”“出荷完了”“出庫完了”“荷捌完了”まで処理済という表現形式で1行ずつ一覧表示されている。この第2の領域52では、合計12件の未処理タスクをそのタスク生成日からの経過日数(すなわち、未処理タスクの処理すべき緊急度)に応じて上から順番に1行ずつ表示している。また、合計12件の未処理タスクを処理すべき緊急度に応じて3つのカテゴリ別に色分けして表示している。
【0040】
このように表示された未処理タスクの1行1行(各レコード)が、タスク指定ボタンに割り当てられている。すなわち、何れかの行を押下すると、そのことが操作受付部13を通じて対応業務処理部14に通知される。この通知を受けて対応業務処理部14は、指定された未処理タスクの入力画面を表示装置20に表示する。
【0041】
なお、第2の領域52に表示される未処理タスクの情報には、1つ前の業務の名称、処理基準日、処理基準日からの経過日数または処理基準日までの残日数が含まれる。ここで、処理基準日は、未処理タスクの目安となる処理日を示すものである。例えば、未処理タスクの生成日から所定日後が処理基準日として設定される。処理基準日からの経過日数は、ナビゲーション画面を開いている時点において処理基準日から何日経過しているかを示すものである。また、処理基準日までの残日数は、ナビゲーション画面を開いている時点において処理基準日まであと何日残っているかを示すものである。
【0042】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、各業務の流れを視覚的に表した業務フロー図を業務選択用のメニュー画面として表示し、業務フロー図において個々の業務名が表示されている領域を、対応業務に関するタスクの処理を指示するための操作ボタン(業務処理指示ボタン)に割り当てている。また、本実施形態では、業務フローの各業務に含まれる1以上のタスクの進捗状況を管理し、業務毎にタスクの進捗状況をナビゲーション画面に表示するようにしている。
【0043】
このように構成した本実施形態によれば、各段階の業務の担当者は、各業務の流れが視覚的に分かりやすい業務フロー図から自分の担当業務を指定して必要な処理を行うことができるので、操作性がよく、業務の効率化を図ることができる。また、タスクの進捗状況に変化が生じたかどうかに関係なく、各業務のタスクの進捗状況をナビゲーション画面に表示して確認することができるので、担当者は自分が行うべきタスクをいつでも確認することでき、担当者毎の作業遅延をより効果的に防止することができるようになる。
【符号の説明】
【0044】
10 業務管理システム
11 業務フロー定義情報記憶部
12 業務フロー表示部
13 操作受付部
14 対応業務処理部
15 進捗状況管理部
16 進捗情報記憶部
17 進捗状況表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務フローを定義する業務フロー定義情報であって、上記業務フローに沿った各業務を特定する業務情報および当該各業務の流れの順序を特定する順序情報を含んだ業務フロー定義情報を記憶する業務フロー定義情報記憶部と、
上記業務フロー定義情報記憶部に記憶されている上記業務フロー定義情報に基づいて、上記各業務の流れを視覚的に表した業務フロー図であって、当該業務フロー図内の各業務の表示領域が当該各業務に対応するタスクの処理を指示するための操作領域に割り当てられたメニュー画面として機能する業務フロー図を表示するよう制御する業務フロー表示部と、
上記業務フローの各業務に含まれる1以上のタスクの進捗状況を管理する進捗状況管理部と、
上記進捗状況管理部により管理される上記業務フローの進捗状況を表す情報であって、上記各業務のタスク毎の進捗状況を特定するタスク進捗情報を記憶する進捗情報記憶部と、
上記業務フロー定義情報記憶部に記憶されている上記業務フロー定義情報および上記進捗情報記憶部に記憶されている上記タスク進捗情報に基づいて、上記タスクの進捗状況を表示するよう制御する進捗状況表示部とを備えたことを特徴とする業務管理システム。
【請求項2】
上記業務フローの各業務の中から何れかを指定するための操作を受け付ける操作受付部を更に備え、
上記進捗状況表示部は、上記操作受付部により受け付けられた指定に係る業務の未処理タスクについて、その未処理タスクよりも1つの前に処理されたことが上記タスク進捗情報により示されている1以上の業務を上記未処理タスクの進捗状況として一覧表示するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の業務管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−262361(P2010−262361A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110925(P2009−110925)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(399104844)住商情報システム株式会社 (7)