説明

構成を変更可能なコンピュータバス

本発明の種々の実施形態は、種々のコンピュータシステムのコンポーネント間でデータを配送するために使用可能なコンピュータバスに向けられている。1側面では、コンピュータバス(100)は、ハウジング(102)内に配置された複数の光電子エンジン(104-112)、及び複数のフレキシブルコネクタ(116-124)を備える。フレキシブルコネクタの各々は開口部を通ってハウジング内に延在し、第1の端部で光電子エンジンに結合し、第2の端部で電子装置に結合する。フレキシブルコネクタは、空間及び接続性の要件または制限を最適化するために、バスを異なる向き及び位置に配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的にはコンピュータバスに関連し、特に、特定の用途毎に異なる向きで配置することが可能なコンピュータバスに関連する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータアーキテクチャにおいて、バスは、単一のコンピュータのコンピュータコンポーネント間、または、コンピュータ間でデータを伝送するためのサブシステムである。ポイントツーポイント接続とは異なり、バスは、同じ組をなす信号線を介して、いくつかの周辺装置を論理的に接続する。換言すれば、各バスは、典型的には、CPU及びメモリなどの装置を電子的に接続する一組の信号線から構成される。バスには、アドレスバスとデータバスが含まれる。データバスはデータを伝送し、アドレスバスは、データの物理的な位置及びデータの宛先の位置に関する情報を伝送する。バスをパラレスバスまたはシリアルバスとすることができ、パラレルバスは、複数の信号線上を同時に(または並列に)データワードを伝送し、シリアルバスは、ビットシリアル形態でデータを伝送する。ほとんどのコンピュータは内部バスと外部バスの両方を有している。内部バスは、回路基板に印刷された1組の信号線から構成される。内部バスは、コンピュータの内部コンポーネントを接続する。一方、外部バスは、外部の周辺装置を回路基板に接続する。
【0003】
近年、集積回路(「IC」)技術の開発はコンピュータコンポーネントのサイズを小さくする点で著しく進歩しており、これによって、コンポーネントの密度が増加し、信号線の断面の寸法が減少し、及び、より小さな表面積に信号線が詰め込まれるようになってきた。その結果、従来の金属信号線は、それらの情報伝送能力の本質的な物理的限界に近づいている。さらに、プリント回路のバス経路を横断するのに必要な相対的な時間が非常に長くなっているので、より小さなコンポーネントによってもたらされる高速性能の利点を十分に活用できない。換言すれば、データレート(またはデータ転送速度)が高くなると、信号線の情報伝送能力は、信号線のサイズの減少とともに低下し、間隔が狭い信号線は、干渉すなわちクロストークを生ずることなしには高速信号を伝送することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、コンピューティング装置の製造者、設計者、及びユーザは、現在利用されているバスに本質的に存在する表面積及び信号速度の制約を受けることなく、ICコンポーネント間にデータを配送するための高速バスに対する需要があることを認識している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の種々の実施形態は、種々のコンピュータシステムのコンポーネント間にデータを配送するために使用可能なコンピュータバスに向けられている。1側面では、コンピュータバスは、ハウジング(筐体など)内に配置された複数の光電子エンジン及び複数のフレキシブルコネクタ(すなわち折り曲げ可能なコネクタ)を備える。フレキシブルコネクタの各々は、ハウジング内の穴を通り抜け、第1の端部で光電子エンジンに結合され、第2の端部で電子装置(または電子デバイス)に結合される。空間及び接続性に関する要件または制限を最適化するために、フレキシブルコネクタを用いて、バスを、種々の方向に向けて配置し、かつ、種々の位置に配置することができる。フレキシブルコネクタ以外の形成された金属トレース(金属パターン)や弾性導体(またはエラストマー導体)などのコンポーネントが、OEエンジン(光電子エンジン)と二次的な電気装置との間の電気的接続を提供できることもまた事実である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】本発明の実施形態にしたがって構成されたコンピュータバスの等角図である。
【図1B】本発明の実施形態にしたがって構成されたコンピュータバスの等角図である。
【図2】本発明の実施形態にしたがうコンピュータバスを介して情報を一斉送信する構成の1例を示す。
【図3A】本発明の実施形態にしたがう、第1の配置状態にあるコンピュータバスの等角図を示す。
【図3B】本発明の実施形態にしたがう、第1の配置状態にある図3Aに示すバスの側面図である。
【図3C】本発明の実施形態にしたがう、第1の配置状態にある図3Aに示すバスの側面図である。
【図4A】本発明の実施形態にしたがう、第2の配置状態にあるコンピュータバスの等角図である。
【図4B】本発明の実施形態にしたがう、第2の配置状態にあるコンピュータバスの側面図である。
【図5A】本発明の実施形態にしたがう、第3の配置状態にあるコンピュータバスの等角図である。
【図5B】本発明の実施形態にしたがう、第3の配置状態にあるコンピュータバスの側面図である。
【図6A】本発明の実施形態にしたがう、第4の配置状態にあるコンピュータバスの等角図である。
【図6B】本発明の実施形態にしたがう、第4の配置状態にあるコンピュータバスの側面図である。
【図7A】本発明の実施形態にしたがう、第5の配置状態にあるコンピュータバスの等角図である。
【図7B】本発明の実施形態にしたがう、第5の配置状態にあるコンピュータバスの側面図である。
【図8】本発明の実施形態にしたがう、第6の配置状態にあるコンピュータバスの等角図である。
【図9】本発明の実施形態にしたがう、ブレードサーバーのサーバーブレードに結合されたバスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の種々の実施形態は、各々のコンピュータシステムが異なるコンポーネント構成を有する種々のコンピュータシステムのコンポーネント間でデータを配送するために使用可能なコンピュータバスに向けられている。コンピュータシステムを、プリント回路基板(「PCB」)を有するコンピュータ、または、複数のサーバーブレードを有するブレードサーバー、または、多くの通信装置からなる他の任意のシステムとすることができる。PCBを、マザーボード、ミッドプレーン(midplane)、バックプレーン、または、任意のタイプのPCBとすることができる。具体的には、バスは、ほんのいくつかの例を挙げると、複数のプロセッサ間、プロセッサとメモリ間、サーバーブレード間でデータを伝送することができる。いくつかのバスの実施形態は、空間及び接続性の要件または制限を最適化するために種々の異なる位置にバスを向けることができる柔軟な(すなわち折り曲げ可能な)接続を通じてPCBまたはPCB上のコンポーネントに結合される個別のコンポーネントである。換言すれば、バスは、利用可能な空間においてバスを種々の方向に向けることができ、かつ、種々の位置に配置することが可能な柔軟な接続でもってコンピュータシステムに接続される。
【0008】
図1A及び図1Bは、本発明の実施形態にしたがって構成されたバス100のそれぞれ異なる等角図である。バス100は、ハウジング102、9つの光電子エンジン104〜112、及び、9つの実質的に同じ構成を有する柔軟な(または可撓性の)電気フレキシブルコネクタ116〜124を備える。ハウジングは、開口部(孔)を有し、フレキシブルコネクタの各々はこの穴を介してハウジング102を通り抜けて、1つの光電子エンジンに電子的に結合される。パッド126などの電気コンタクトパッド(または導電パッド)が、各フレキシブルコネクタの端部に配置されている。図1Bに示すように、個別のフレキシブルコネクタは柔軟であり、各フレキシブルコネクタを、任意の数の異なる構成をなすように別々に曲げることができる。図1Bは、フレキシブルコネクタ119の拡大部128を含んでいる。線130などの線は、パッド126を光電子エンジン107に接続するフレキシブルコネクタ119のそれぞれの印刷された信号線を表している。各フレキシブルコネクタは、パッドからの電気信号を、電子的に結合された光電子エンジンに伝達するために設けられた1組の入力信号線と、電子的に結合された光電子エンジンからの電気信号をパッドに送るために設けられた1組の出力信号線を備える。ハウジング102内において、光電子エンジン104〜112を、光ファイバー、導波路、中空の金属導波路、または、自由空間を介して光学的に結合することができる。図1Bはまた、パッド134の底部に配置されたオスコネクタピンが見えるように向けられたパッド134の拡大部132を含んでいる。オスコネクタピンを、PCBに配置されたメスコネクタの受け口に挿入することができる。各コネクタピンは、電気信号を、フレキシブルコネクタ121中の信号線の1つに送る。PCBに配置されたメスコネクタの各受け口は、該PCBに印刷された信号線に電気的に接続されている。他の実施形態では、パッド134をメスコネクタとして構成することができ、オスコネクタをPCBに配置することができる。さらに他の実施形態では、パッドをPCB上のコネクタにしっかりと固定する留め具を有するように、該パッドを構成することもできる。
【0009】
いくつかの実施形態では、フレキシブルコネクタをフレックス回路(flex circuit:可撓性の回路)とすることができる。フレキシブルコネクタは、フレキシブル回路基板としても知られているフレキシブルな電子部品の1つのタイプであって、ポリイミドなどの可撓性を有する高性能なプラスチック基板に電子部品を搭載することによって電子回路を組み立てるために使用されることができるものである。さらに、フレックス回路を、ポリエステル上のスクリーン印刷された銀回路とすることができる。フレックス回路を、硬質のプリント回路基板に使用される同じコンポーネントを使用して作製される電子アセンブリ(電子部品組立体)とすることができ、フレックス回路を所望の形状に合わせたり、使用中に折り曲げることが可能である。他の実施形態では、フレキシブルコネクタを、成型加工されたリード線(formed lead)、エラストマーコネクタ(弾性を有するコネクタ)、または、可撓性のある(すなわち折り曲げ可能な)リボンケーブル、または、他の任意の適切なコネクタとすることができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、光電子エンジン104〜112を、電気−光(E/O)変換器または光送信器アレイとすることができる。たとえば、光電子エンジン104〜112を、面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser)及び関連する駆動用エレクトロニクスとすることができる。他の実施形態では、光電子エンジン104〜112を、光−電気変換器(O/E)または光受信器アレイとすることができる。たとえば、光電子エンジン104〜112を、p-n接合光検出器またはp-i-n接合光検出器、及び関連する受信用エレクトロニクスとすることができる。さらに他の実施形態では、光電子エンジン104〜112を、E/O変換器とO/E変換器の両方を備えるトランシーバーとすることができる。
【0011】
図2は、本発明の実施形態にしたがうバス100を介する情報の一斉送信の1例を示す。図2の矢印202によって示されるように、光電子エンジン107は、フレキシブルコネクタ119の入力信号線を介して電気信号を受信する。光電子エンジン107は、該電気信号を光信号に変換するが、該光信号は、矢印204などの矢印によって示されるように、光電子エンジン104〜106及び108〜112の各々に配送される。光電子エンジン104〜106及び108〜112の各々は、該光信号を電気信号に戻すが、該電気信号は、フレキシブルコネクタ116〜118及び120〜124の出力信号線で送り出される。
【0012】
他の実施形態では、光電子エンジンを、データパケットを符号化している電気信号を受信するように構成することができ、この場合、各データパケットは、該電気信号中に符号化されている情報を受け取ることになる特定の装置のアドレスを含んでいる。光電子エンジンは、該電気信号を受信して、該電気信号を光信号に変換する。該光信号は、図2を参照して上述したように他の光電子エンジンに光学的に配送される。光信号を受信する光電子エンジンはアドレス部を読み取る。該アドレス部で識別された装置に接続された光電子エンジンは、該光信号を該識別された装置に送られる電気信号に変換する。該装置に接続されていない残りの光電子エンジンは該光信号を破棄する。
【0013】
フレキシブルコネクタの端部に配置されたパッドを、PCBに印刷された電気信号線に電子的に結合することができ、または、種々のPCBコンポーネントに直接結合することができる。可撓性のある電気フレキシブルコネクタ116〜124を、任意の数の異なる構成をなすように曲げることができ、これによって、バス100を、PCBに対していくつかの(または多数の)異なる向き及び位置に配置することができる。フレキシブルコネクタが可撓性であることに加えて、フレキシブルコネクタ116〜124は、PCBの表面及びコンポーネントの上において種々の向きを向いているバス100を支持するのに十分な剛性も有する。バス100の向きを、PCBを囲む(またはPCB周辺の)利用可能な空間、PCBコンポーネントの密度、PCB周辺の利用可能な空間またはPCBの利用可能な表面積を制限する任意の要因に基づいて選択することができる。
【0014】
図3A、図3Bは、それぞれ、本発明の実施形態にしたがう、第1の配置状態(すなわち、第1の向きを向けられて配置された状態)にあってPCB300に結合されているバス100の等角図、側面図である。PCB300上の空間が制限要因ではない場合は、該第1の配置状態では、バス100は、PCBの表面上に延在するコンポーネント301〜304間に所定の向きで(すなわち、方向付けをされて)、所定の位置に配置される。バス100のパッド116〜125は、PCB300の表面に印刷された(不図示の)信号線に直接結合されている。バス100は、PCB300に結合されたコンポーネント301〜304などのコンポーネント間に通信を提供する。図3A及び図3Bに示すように、フレキシブルコネクタは、コンポーネント303や304などの高さのある(または目立つ)コンポーネント間にPCB300を所定の向きで所定の位置に配置するように曲がっている。高さのある(または目立つ)コンポーネント上の利用可能な空間も制限されている場合には、本発明の実施形態にしたがって、図3Cの側面図に示すように、バス100がPCB300の表面により近い位置に配置されるように、フレキシブルコネクタをさらに曲げることができる。
【0015】
図4A、図4Bは、それぞれ、本発明の実施形態にしたがう、第2の配置状態にあってPCB400に結合されたバス100の等角図、側面図である。PCB400上の空間が制限要因である場合は、該第2の配置状態では、バス100は、PCB400に結合されたコンポーネントの上に所定の向きを向いて(すなわち、方向付けをされて)浮いた(またはつるされた)状態である。バス100のパッド116〜125は、PCB400の表面に印刷された(不図示の)信号線に直接結合されて、PCB400に結合されたコンポーネント間に通信を提供する。フレキシブルコネクタは、バス100が、コンポーネント401〜403の上で所定の向きを向いて(すなわち、方向付けをされて)浮くように(または、所定の向きを向いてつるされるように)S字状に曲がっている。
【0016】
図5A、図5Bは、それぞれ、本発明の実施形態にしたがう、第3の配置状態にあってPCB500に結合されたバス100の等角図、側面図である。PCB500上の空間が制限要因である場合は、該第3の配置状態では、バス100は、PCB500の表面に結合されたパッド上に所定の向きを向いて(すなわち、方向付けをされて)浮いた(またはつるされた)状態である。バス100のパッド116〜125は、PCB500の表面に印刷された(不図示の)信号線に直接結合されて、PCB500に結合されたコンポーネント間に通信を提供する。しかしながら、この配置状態では、それらのパッドは、図3A〜図4Bを参照して上述した第1及び第2の配置状態におけるパッドの向き(または配置状態)とは逆の関係にあることに注意されたい。図5A及び図5Bに示すように、パッドの逆向きの取り付け、及び、フレキシブルコネクタのC字状の構成によって、バス100を、PCB500の表面に結合されているパッドの上の該パッドのすぐ近くに浮かせる(またはつるす)ことが可能である。
【0017】
図6A、図6Bは、それぞれ、本発明の実施形態にしたがう、第4の配置状態にあってPCB600に結合されたバス100の等角図、側面図である。PCB600上の空間が制限要因であって、PCB600に結合されたコンポーネント間に十分なスペース(空間)がある場合には、該第4の配置状態では、バス100はPCB600の表面に(接して)所定の向きを向いて(すなわち、方向付けをされて)、所定の位置に配置される。バス100のパッド116〜125は、PCB600の表面に印刷された(不図示の)信号線に直接結合されて、PCB600に結合されたコンポーネント間に通信を提供する。フレキシブルコネクタ104〜112はS字状に曲がっており、バス100は、コンポーネント601と602の間のPCB600の表面上にじかに配置されている。
【0018】
本発明の実施形態は、バス100を、コンポーネントが結合される表面と同じであるPCBの表面に取り付けることに限定されない。他の実施形態では、バス100が、コンポーネントが結合される表面の反対側にある表面に結合されるように、PCBを構成することができる。図7A、図7Bは、それぞれ、本発明の実施形態にしたがう、第5の配置状態にあってPCB700に結合されたバス100の等角図、側面図である。コンポーネントが結合される表面上の空間が制限されている場合は、該第5の配置状態によって、バス100を、それらのコンポーネントを支持する表面の反対側にあるPCB700の表面に結合することができる。この側面図は、PCB700が、パッド704をPCB700の表面706に印刷された信号線に電子的に結合できるようにする、PCB700の高さにわたるコネクタ702を有して構成されていることを明らかにしている。フレキシブルコネクタは、バス100がPCB700のすぐ近くに配置されるように曲がっている。コンポーネントが結合されている表面の反対側にある表面にバス100を取り付けるようにPCB700を構成することによって、PCB700のコンポーネントを互いに近接して配置できることに留意されたい。
【0019】
別の実施形態では、光電子エンジン104〜112を、PCBの表面に配置されたポートに直接接続するように構成することができる。図8は、本発明の実施形態にしたがう、第6の配置状態にあるバス100の組立分解等角図である。図8の例に示すように、PCB800はボート801〜809を有している。ハウジング102を、光電子エンジン104〜112の各々を露わにする開口部(孔)を含むように構成することができ、光電子エンジンを、ポート801〜809に接続するように構成することができる。その結果、バス100を逆にして、光電子エンジン104〜112の各々をポート801〜809に直接接続することができ、これによって、バス100のパッドをPCB800に接続する必要性を排除することができる。
【0020】
コンピュータシステムのラックやブレードサーバーの筐体内の自由空間は制限されていることが多い。データバスなどの比較的大きなコンポーネントシステムを、コンピュータシステムの込み合った内部に収容するのは難しい場合がある。本発明の実施形態は、バス100を上述のように単一のPCBに取り付けることには限定されない。PCB間に通信を提供するために、バス100を複数のPCBのエッジ(端)に結合することもできる。したがって、バス100は、バックプレーンに取って代わることができ、または、バス100は、少なくとも、バックプレーンによって提供される通信を補完することができる。PCBを、マザーボード、または、ブレードサーバー中の個々のサーバーブレードとすることができる。図9は、本発明の実施形態にしたがう、ブレードサーバーの9つのサーバーブレード901〜909に結合されたバス100を示す。図9に示すように、9つのサーバーブレード901〜909は、ブレードサーバーの筐体がない状態で示されている。各サーバーブレードはバス100のパッドに電気的に(または電子的に)結合されている。たとえば、パッド910はサーバーブレード909に結合されている。バス100は、典型的なミッドプレーンやバックプレーンよりも高いフレキシビリティを提供する。たとえば、ブレードサーバーのサーバーブレードは、動作中に振動することができ、サーバーブレードは、サーバーブレードの筐体内で均等に隔置されていなくてもよい。フレキシブルコネクタも可撓性であるため、フレキシブルコネクタは、バス100を介する通信を妨害することなく個々のサーバーブレードの振動に耐えることができ、ケーブルの可撓性(柔軟性)によって、ポートが均等に隔置されていない場合でも、パッドをそれらのポートに接続することが可能になる。
【0021】
本発明を特定の実施形態に関して説明したが、本発明をそれらの実施形態に限定することは意図されていない。種々の変更が当業者には明らかであろう。たとえば、バス100は、9つの光電子エンジン及び9つのフレキシブルコネクタに限定されない。光電子エンジン及びフレキシブルコネクタの数は、コンポーネントまたはサーバーブレード(バスはこれらのために機能するように構成される)の数に依存して変わりうる。他の実施形態では、フレキシブルコネクタを可撓性の光フレキシブルコネクタで置き換えることができ、この場合、電気フレキシブルコネクタ116〜124の個々のワイヤ(電線)は光ファイバーで置き換えられる。
【0022】
以上の記述は、説明のためのものであって、本発明を完全に理解できるようにするために特定の用語を用いた。しかしながら、本発明を実施するために特定の細部は必要ではないことは当業者には明らかであろう。本発明の特定の実施形態についての上記記述は、例示及び説明のために提示されたものである。それらは、本発明を網羅することも、本発明を開示した形態そのものに限定することも意図していない。上記の教示に照らして多くの変更及び変形が可能であることは明らかである。上記実施形態は、本発明の原理及び本発明の実用的応用を最も良く説明し、これによって、当業者が、意図する特定の用途に適するように種々の変更を加えつつ本発明及び種々の実施形態を最良に利用できるようにするために図示し及び説明された。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によって画定されることが意図されている。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータバス(100)であって、
ハウジング(102)内に配置された複数の光電子エンジン(104〜112)と、
複数のフレキシブルコネクタ(116〜124)であって、各ケーブルが、開口部を通って前記ハウジング内に延在して、第1の端部において光電子エンジンに結合し、第2の端部において電子装置に結合する、複数のフレキシブルコネクタ
を備え、
前記フレキシブルコネクタは、空間及び接続性の要件または制限を最適化するために、前記バスを異なる配置状態をなす向きに向けることを可能にする、コンピュータバス。
【請求項2】
フレキシブルコネクタの各々は、前記電子装置から結合された光電子エンジンに電気信号を伝送するために設けられた1組の入力信号線(130)と、前記結合された光電子エンジンから前記電子装置に電気信号を送るために設けられた1組の出力信号線をさらに備える、請求項1のバス。
【請求項3】
複数のパッド(126、134)をさらに備える請求項1のバスであって、各々のパッドが、フレキシブルコネクタの前記第2の端部、及び、前記電子装置に結合されることからなる、バス。
【請求項4】
前記複数の光電子エンジンが、
光ファイバーと、
導波路と、
中空の金属導波路と、
自由空間
のうちの1つを介して前記ハウジング内に結合される、請求項1のバス。
【請求項5】
前記複数の光電子エンジンの各々が、フレキシブルコネクタから電気信号を受信し、該電気信号を光信号に変換し、及び、該光信号を他の光電子エンジンに一斉送信するように構成される、請求項1のバス。
【請求項6】
前記複数の光電子エンジンの各々が、光信号を受信し、該光信号を、前記電子装置に送られる電気信号に変換するように構成される、請求項1のバス。
【請求項7】
前記電子装置がさらに、
プリント回路基板(300、400、500、600、700、800)と、
サーバーブレード(901〜909)
のうちの1つを備える、請求項1のバス。
【請求項8】
前記ハウジングは複数の開口部を有し、各開口部が前記光電子エンジンの1つと位置合わせされており、これによって、前記複数の光電子エンジンの各々を、開口部を通じて電子装置に直接結合できるようにされている、請求項1のバス。
【請求項9】
前記複数のフレキシブルコネクタがさらに、
フレックス回路と、
成型加工されたリード線と、
エラストマーコネクタと、
可撓性のリボンケーブル
のうちの1つを備える、請求項1のバス。
【請求項10】
バスを異なる配置状態をなす向きに向けることを可能にする前記フレキシブルコネクタがさらに、電子装置の表面の上に延在するコンポーネント(303〜304)間に前記バスを方向付けて配置する機能を有する、請求項1のバス。
【請求項11】
バスを異なる配置状態をなす向きに向けることを可能にする前記フレキシブルコネクタがさらに、前記電子装置に結合されたコンポーネントの上に前記バスを方向付けて、かつ浮かせる機能を有する、請求項1のバス。
【請求項12】
バスを異なる配置状態をなす向きに向けることを可能にする前記フレキシブルコネクタがさらに、複数のパッド(502)の上に前記バスを方向付けて、かつ浮かせる機能を有し、各パッドが、フレキシブルコネクタを前記電子装置の表面に結合する、請求項1のバス。
【請求項13】
バスを異なる配置状態をなす向きに向けることを可能にする前記フレキシブルコネクタがさらに、前記電子装置の表面に前記バスを方向付けて配置する機能を有する、請求項1のバス。
【請求項14】
バスを異なる配置状態をなす向きに向けることを可能にする前記フレキシブルコネクタがさらに、前記電子装置のコンポーネントが結合される表面の反対側にある表面に前記バスを結合する機能を有する、請求項1のバス。


【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−507781(P2012−507781A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534461(P2011−534461)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/012360
【国際公開番号】WO2010/050919
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.