構成員間流通ポイント管理装置、構成員間流通ポイントシステム及び方法
【課題】コミュニティに貢献した行動に応じたポイントを付与し、コミュニティ構成員間での商品売買の際にこのポイントで割引を受けられるようにする。
【解決手段】構成員間流通ポイント管理装置1は構成員端末2aからWebページを含む出品商品情報を受信して販売サイトを設ける。一方、構成員端末2bから日記の投稿などを受信すると、この構成員の行動に応じたポイント値を付与し、データベースに構成員ごとのポイント残高を記録する。構成員が販売サイトで商品を購入するならば、構成員間の人間関係の度合いに応じた割引が受けられ、構成員間流通ポイント管理装置1はデータベース内のポイント残高から割引額に相当するポイント値を減算する。
【解決手段】構成員間流通ポイント管理装置1は構成員端末2aからWebページを含む出品商品情報を受信して販売サイトを設ける。一方、構成員端末2bから日記の投稿などを受信すると、この構成員の行動に応じたポイント値を付与し、データベースに構成員ごとのポイント残高を記録する。構成員が販売サイトで商品を購入するならば、構成員間の人間関係の度合いに応じた割引が受けられ、構成員間流通ポイント管理装置1はデータベース内のポイント残高から割引額に相当するポイント値を減算する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コミュニティに貢献した行動に対してポイントを付与し、このポイントをコミュニティ構成員間での商品売買に利用するシステムとこのシステムで利用されるポイント管理装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の商業主体が顧客にポイントを付与し、割引や景品との引き換えに利用できるようにすることで、顧客の再訪や囲い込みを期待するポイントシステムの導入が盛んに行われている。
このポイントシステムは、買い物をすればするほどポイントが付与される仕組みとなっており、富裕な人ほど恩恵を受けることとなる。大量の買い物をする人は個人消費拡大という観点からは社会に貢献しているといえる。しかし、世の中には金銭にかかわりがない部分で世のため人のために貢献する人たちが大勢いる。現状のポイントシステムは、金銭面に限定したギブアンドテイクの関係であって、社会のために汗を流している人たちに報いるという発想がない。
このような問題点に着目して、特許文献1に記載の「販売促進を支援する電子決済方法及びシステム」は、ソーシャルネットワーキングサービス(以下、「SNS」)のサイトへ日記などの公開情報を投稿することによってポイントが付与される点で、買い物をした人のみが利益を得る従来のポイントシステムとは一線を画するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された発明は、販売者が販促の一環としてSNSを運営しており、サイトの運営者と同一人である販売者がポイントを負担している。これは販売者が媒体であるSNSを集客のために使用していると言い換えることができる。これでは、売り手も買い手も参加者同士であって、参加者が全体のために何らかの貢献をし、この参加者が他の参加者から商品を購入する際に金銭的な見返りを受けるという発想は見当たらない。仲間同士が互いに貢献しあうという一種の相互扶助は、特許文献1のシステムのように運営者のみが宣伝費として一方的に負担する仕組みとは考え方がまったく異なるものである。
【0005】
一方、複数の店舗が出店しているオンライン商店街でもポイントシステムが広く採用されているが、出店している店舗が個別にポイントを発行しようとすると、どの店舗が、どのユーザに対して、いくらポイントを発行したかを管理しなければならない。仮に、100店舗が出店しているならば、100店舗が個別にユーザのポイント管理のデータベースを備える必要がある。これは非常な負担である。専業の店舗であればともかく、副業として趣味の手作り品を出品しているような個人には独自のポイントを顧客にサービスすることはできない。
【0006】
ところで、かつてスーパーマーケットが出現しない頃は対面販売の商店が小売業の主流であった。家族で商いをしている近所の八百屋、魚屋、肉屋などである。いつもお使いにくる子供だから、ミカンを1個おまけしようとか、近所のおばあちゃんだから端数の5円を値引きしようといったことが日常的に行われていた。本発明は、インターネットでリンクされたコミュニティに金銭では測れない要素を加味することを提案する。例えば、日頃お世話になっている友人だから少し安くしてあげよう、といったことをインターネットの世界で実現することを目的とする。
また、昔は町内に必ずいた「物知りのおじいちゃん」や「世話好きのおばちゃん」をインターネットの世界で見つけ出し、インターネットの世界で報いようという試みでもある。
【0007】
また、データベースの一元管理により他人に商品を販売しようとする人であればたとえ個人商店や副業のような小規模店舗であってもポイントサービスを顧客に提供できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と通信可能に接続され、コミュニティ構成員間で流通するポイントを管理するポイント管理装置であって、
出店している構成員に関しての、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段を備えるとともに、
指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段に記録するポイント付与手段と、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させる割引情報表示手段と、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するポイント残高更新手段とを備える。
前記割引情報は前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されている。
【0009】
ここで、「コミュニティ」とは、目的や趣味などを共通にする複数の構成員から成り立ち、「構成員」は、売り手にもなり買い手にもなる。
「商品」は有形の商品に限らず、サービスつまり無形の商品も含む。
「ポイント」とは、金銭と同様に商品と交換可能な価値である。例えば、1ポイント1円に設定してあれば、100ポイントは100円の価値があることになる。
「割引情報」とは、商品の価格からポイントを用いて減額できる金額を決定するための情報である。割引情報には割引率、割引額などがある。割引率とは価格から減額できる価格に対する所定割合をいう。割引額とは価格から減額できる所定金額をいう。下記の実施の形態では、割引情報として主に割引率を用いている。
これにより、コミュニティのために行動をした人がポイントを蓄え、構成員仲間から商品を購入する際の割引にこのポイントを利用できる。このような本発明のポイントサービスは従来にないものであり、構成員間流通ポイント管理装置が構成員ごとのポイント値を管理するので、商品の販売者はポイント管理に伴う煩わしさを免れることができる。
【0010】
コミュニティは、SNSでもよい。この場合、前記構成員間流通ポイント管理装置はSNSの運営者によって運用され、このSNSの構成員がすなわち当該システムの構成員となる。
これにより、本発明のシステムを採用するSNSは、他のSNSとは異なる特徴を持つことになって、新規参加者の増加が期待できる。
【0011】
ポイント付与の対象となる前記指定行動には、ブログの投稿、ブログへのコメントの投稿、日記の投稿、他の構成員の日記へのコメントの投稿、商品レビューの投稿、他の構成員からの相談への回答、下位のコミュニティの立ち上げおよびコミュニティへの新規参加者の招待などが含まれている。
コミュニティは、その下位にコミュニティを包含することがあり、下位のコミュニティはさらに下位のコミュニティを包含するというように階層構造をとりうる。上位のコミュニティの構成員は0以上任意個数の下位コミュニティに参加可能である。
本発明の重要な機能であるポイント値の管理は最上位のコミュニティが主として行うべきである。つまり、構成員間流通ポイント管理装置は通常最上位のコミュニティの運営者によって運用される。
【0012】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、構成員間関係を記憶する手段を備えるとともに
前記割引情報は構成員間関係別に値が設定され、
前記割引情報表示手段は、出店者である構成員と購入者である構成員との関係に対応する割引情報を抽出して表示するようにしてもよい。
構成員間関係とは友人同士、友人の友人などである。
これにより、売り手は構成員であれば誰に対しても割引率などの割引情報を一律にすることなく、買い手との親密さの程度によって割引情報を調整できる。知り合いだから割り引いてあげようとか、日頃つきあいがないから定価で販売しようとか、かつての地域の商店がやっていたことをインターネット上の店舗でも行うわけである。
【0013】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、構成員ごとにコミュニティへの貢献に関連したコミュニティ内属性を記憶する手段を備えるとともに、前記割引情報はコミュニティ内属性の別に値が設定され、前記割引情報表示手段は、購入者である構成員のコミュニティ内属性に対応する割引情報を抽出して表示するようにしてもよい。
前記コミュニティ内属性による構成員の分類には、ブログ投稿者、日記投稿者、専門知識を有する相談回答者、他者をコミュニティへ招待した者が含まれる。これは一例であり、適宜設定すればよい。
このように割引率などの割引情報を一律にすることなく、コミュニティへの貢献度によって割引情報を調整できる。これにより、売り手にとって親しい間柄になくても、コミュニティに貢献してくれた人にお返しができることになる。
【0014】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、商品を購入した構成員が販売者である構成員に支払う、ポイントを利用した割引後の対価を決済する決済手段を備えてもよい。
このように決済手段を備えているならば、入金確認後にポイント残高から割引額の減算を確定させることができる。もし、入金確認前にポイント残高の更新をすると、商品購入がキャンセルされたときにポイント残高に矛盾が発生するからである。
【0015】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、通信回線を介して外部のデータベース管理装置に接続され、
前記構成員情報記憶手段に格納されるデータの内、少なくともポイント残高が前記データベース管理装置に備えられたポイント残高外部格納手段に記憶されており、構成員間流通ポイント管理装置が通信回線を介して前記ポイント残高外部格納手段からデータの読み出し及び書き込みを行うようにしてもよい。
これにより、構成員間流通ポイント管理装置は、ポイント残高の管理を行うソフトウェアを搭載していなくても、外部の装置に対してデータベース操作用のコマンドを送信するだけでポイント残高を管理できる。
【発明の効果】
【0016】
商品の売り手は店頭で”知り合いだから、コミュニティに貢献している人だから割引いてあげよう”といった感覚でポイントを流通させることができる。
データベースは、システムの運営者が一括して管理するので、個別に設ける必要はない。そのため、規模の大小にかかわらず、構成員仲間に商品を販売しようと考える者は本発明のポイントサービスを顧客に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態のシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態のシステムの処理概要を説明するシーケンス図である。
【図3】第1の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態の構成員情報記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図5】第1の実施形態の出店情報記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図6】第1の実施形態の行動別ポイント値記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図7】第1の実施形態の人脈記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図8】第1の実施形態の購入についての手順を説明するフロー図である。
【図9】第1の実施形態のオンライン商店街の表示画面例である。
【図10】第1の実施形態の構成員間関係と割引率との対応を例示する図である。
【図11】第1の実施形態の割引がある場合の商品購入の表示画面例である。
【図12】第1の実施形態の割引が無い場合の商品購入の表示画面例である。
【図13】第2の実施形態のコミュニティ内属性と割引率との対応を例示する図である。
【図14】第3の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図15】第5の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図16】第6の実施形態のシステム構成図である。
【図17】第6の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図18】第6の実施形態の変形例のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
この実施の形態のシステム構成例を図1に示す。
インターネットNを介して構成員間流通ポイント管理装置1(以下、「ポイント管理装置1」)と構成員端末2が接続している。以下の説明では、構成員が売り手である場合の構成員端末を販売者端末2aといい、構成員が買い手である場合の構成員端末を購入者端末2bという。同一の構成員が商品売買の際の売り手にも買い手にもなりうるので、同一の構成員端末が販売者端末になったり、購入者端末になったりする。構成員端末を特に販売者端末2aと購入者端末2bに区別する必要がないときは「構成員端末2」と記すこともある。
なお、ポイント管理装置1はコミュニティの管理者によって運用されることが通常であり、コミュニティの管理コンピュータがその管理機能の一部としてポイント管理装置1の機能を担ってもよい。あるいは、ポイント管理装置1は、本システムに専用の情報処理装置であってもよい。
【0019】
ポイント管理装置1は1台でその機能を実行するに限らず、複数の情報処理装置が連携してシステムの運営管理の機能を発揮してもよい。
構成員端末2は台数に制限がないが、図1では、説明を簡単にするために2台(1台は販売者端末2a、他の1台は購入者端末2b)のみが記載されている。
構成員端末2は、構成員が使用する情報処理装置であって、ポイント管理装置1との通信が可能であり、かつWebサイトを閲覧する機能(Webブラウザ)を備えていれば携帯電話でもパソコンでもPDAでも何でもよい。ただし、販売者端末2aとして使用される場合は、出店用Webページデータの作成や更新が必要とされるのでパソコンが適当である。
構成員端末2は、ユーザである構成員の指示を受け付けるユーザインターフェースを備えていることは言うまでもない。
【0020】
本実施の形態を詳細に説明する前に、図2に従いシステムの概略を、購入者1名販売者1名として説明する。
商品をこのコミュニティ内で販売しようとする構成員は販売者端末2aからポイント管理装置1に対して当該商品に関する情報や出店用Webページデータを送信する(S1)。このWebページデータは店舗に対応するものでも、扱う商品ごとのものでも、あるいはこれらの組み合わせでもよい。ポイント管理装置1はWebサーバの役割も果たし、1以上の販売者端末2aから送信されるWebページデータを保存し、購入者端末2bからのアクセスがあると当該Webページデータを送信し、購入者端末2bの画面に表示させる。つまりポイント管理装置1はオンラインの商店街を形成するわけである。
構成員は購入者端末2bからポイント管理装置1に対して日記や他者の日記へのコメントなどを投稿する(S2)。
ポイント管理装置1は当該構成員にポイントを付与してポイント残高を記憶する(S3)。
購入者端末2bから販売者のWebページの閲覧要求がある(S4)と、割引率を決定し(S5)、ポイント残高とこの購入希望者に固有の割引情報を表示するWebページデータを購入者端末2bに送信する(S6)。購入者が購入を決定する(S7)と、ポイント管理装置1は一括管理しているデータベース上のポイント残高を更新し(S8)、販売者端末2aにどの構成員によって購入が決定されたのか、割引額と取引価格はいくらか等を通知する(S9)。
【0021】
この実施の形態では、ポイント管理装置1は、ポイントの管理と販売者へのオンライン上店舗の設置場所を提供するが、購入商品の引渡し、割引後の金額の決済等には関与していない。これらは購入者と販売者との間で何らかの手段で行われるか、本システムの運営者が別サービスとして提供するものであって、この実施形態では範囲外である。
また、ステップS1、S2の各処理はこの順に行われるのではなく、ステップS4以前であれば、いかなるタイミングでいかなる回数行われてもよい。
【0022】
次に、図3のブロック図に従い、ポイント管理装置1の構成を説明する。
ポイント管理装置1は、記憶部3と処理部4を含む。
記憶部3は、構成員情報記憶手段5と、出店情報記憶手段6と、行動別ポイント値記憶手段7と、人脈記憶手段8を含む。
処理部4は、ポイント付与手段9と、割引情報表示手段10と、ポイント残高更新手段11と、その他の処理手段を含む。
ただし、これらの各手段の分類は、あくまで説明の便宜上にすぎない。各手段は、その機能に応じて、ハードウェア、ソフトウェアで実装される。ソフトウェアによる場合は、ROMやハードディスクなどの記憶手段に格納されているコンピュータプログラムを、CPUが実行する。これらは、公知の事柄であるので説明を省略する。
図3には記載がないが、記憶部3には、処理の経過に伴う作業用中間データ、パラメータ類、Webデータなどを格納する記憶手段も含まれる。
また、ポイント管理装置1は、キーボードやディスプレイ等の入出力手段及びドライバ類、通信ネットワークを介した構成員端末2や他の情報処理装置との通信を可能とする通信インターフェース部12も備える。
【0023】
構成員情報記憶手段5は、コミュニティの運営者が構成員に関する情報を記憶するものであり、構成員の氏名、住所、メールアドレスなどの個人情報が主であるが、構成員ごとに付与されるポイント残高も記憶する。記憶されるデータ構造の一例を図4に示す。図4のようにコミュニティのためにどのような行動をとってきたのか履歴を記録してもよい。また、メールアドレスや携帯電話番号は、構成員を特定するIDの代りに用いられてもよい。
【0024】
出店情報記憶手段6は、構成員が販売しようとする商品に関する情報を記憶する。記憶されるデータ構造の例を図5に示す。構成員IDのように構成員を特定する情報とともに、商品名や販売期間などを記憶する。また、出店用Webページ(図11、図12に例示)のデータが格納されているHTMLファイル名も記憶する。このWebページデータは、販売者から送信された情報に基づきポイント管理装置1側で作成してもよく、販売者が作成してポイント管理装置1に送信してもよい。ポイント管理装置1は、出店しようとする構成員のWebページデータを一括管理し、図9に例示するようなWebページをデータ更新時やデータ表示時に作成してオンライン商店街を形成する機能を処理部4に備えてもよく、別のコンピュータをWebサーバとして機能させてもよい。
【0025】
行動別ポイント値記憶手段7は、予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれに応じて異なるポイント値を記憶する。記憶されるデータ構造の例を図6に示す。
図6の例では、例えば、日記を投稿して公開情報とした場合は100ポイント、他の構成員の日記へのコメントを記載した場合は25ポイントが付与される等が示されている。このデータはシステム運用開始時に設定してもよく、システム運用中に適宜変更してもよい。
ポイントは、1ポイント=1円のように、1ポイント当たりの対応金額を予め定めておく。
以下の例では、1ポイントは1円に相当するものとし、例えば、代金から30円の割引を受けるためには30ポイントを使用することになる。
構成員端末2を介した指定行動は、ポイント管理装置1によって受け付けられ、行動の種類が判定される。そのために、ポイント管理装置1の処理部4は日記やコメントなどの投稿された情報を受信する機能などを備えているが、本発明の本質ではないので説明を省略する。その他、処理部4は投稿された情報を構成員が閲覧できるように公開する機能なども備えていることはいうまでもない。
【0026】
人脈記憶手段8は、構成員ごとにその知友を関係度、つまり親密さの度合いとともに記憶する。記憶されるデータ構造の例を図7に示す。仮に友人に1.0、友人の友人に0.5、友人の友人の友人に0.25の度数(関係度)を与えると、構成員Aにとって、Dは友人であり、Bは友人の友人であり、Gは友人の友人の友人である。なお、この人脈記憶手段8は構成員情報記憶手段5に含めてもかまわない。
ポイント管理装置1が、友人関係にある構成員をどのように認識するかは特に限定しないが、次の方法もその一つである。ある構成員Xが構成員Yに対して友人になってくれるように依頼するメールを送信する。相手の構成員Yからの了承のメールを受信すると構成員XとYは「友人」になったと取り決める。X−Y間のメールの送受信をポイント管理装置1を介在させて行う。この人脈形成の処理は既存の手法を組み合わせて実現できるので詳細説明は省略する。
【0027】
ポイント付与手段9は、指定行動をとった構成員に対してその行動に応じたポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段5に記録する。たとえば、ある構成員が現在までに日記を10回投稿し、他の日記へのコメントを5回投稿したとする。この場合、図6の値をあてはめるとポイント合計は1125ポイント(100ポイント×10回+25ポイント×5回)が付与されたポイント合計であり、付与されたポイントを使用したことがなければポイント残高として1125ポイントが構成員情報記憶手段5に記憶されている。もし、この構成員がコミュニティを立ち上げたなら、ポイント付与手段9は250ポイントを加算して構成員情報記憶手段5のポイント残高を1375ポイントに更新する。
【0028】
割引情報表示手段10は、商品を購入しようとする構成員の構成員端末2bから出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報をこの出店用Webページに表示させる。購入を考えている構成員は表示を参考にして当該商品を購入するか否かを決定する。割引情報表示手段10の処理については商品購入の手順の説明の中で詳しく述べる。
【0029】
ポイント残高更新手段11は、商品の購入により使用したポイント値を、構成員情報記憶手段5のポイント残高から減算する。たとえば、現在の残高が1125ポイントの構成員が商品購入時に30ポイント分の割引を受けたならば、ポイント残高を1095ポイントに更新する。
ここで、構成員別のポイント値を管理するのはポイント管理装置1であって、出店している店舗は関与していない。この点は本発明の特徴のひとつである。各店舗は自らポイント管理のためのデータベースを作成し管理しなくてもよいので、出店者は誰でも自分の顧客にポイント割引サービスを提供できる。例えば、趣味の手編みのセーターを数点のみ販売しようとする構成員が独自にポイント管理のデータベースを持つことは非現実的である。しかし、本発明のシステムを利用すれば、自分の知友が購入してくれるときにポイントを利用して割引ができる。
【0030】
なお、ポイント管理装置1の処理部4には、構成員からの問合せ(例えば、現在の自分のポイント残高の問合せ)に回答する機能、コミュニティ内で形成された下位のコミュニティの構成員などを管理運営する機能なども適宜備える。ただし、この実施の形態では、構成員間の売買を決済する機能を備える必要はない。構成員ごとに蓄積されたポイントを記憶し、ポイントが利用されたときはポイント残高を更新するという機能が主であって、販売者と購入者を仲介するとか、決済に際し保証するとかの機能は持たず、これらは売買の当事者間の自由にゆだねられる。
【0031】
次は、図8を参照しながら、構成員間の売買についての手順を説明する。
購入者端末2bからのアクセスがある(S10)と、ポイント管理装置1は構成員IDを入力させる等の方法でアクセスしてきたのがどの構成員であるかを認識するとともにオンライン商店のリストを表示する(S11)。これは、図9に例示するような各店舗の購入画面ページへのリンク一覧からなる画面である。いずれかのリンクをクリックすると、後述する図11のような店舗あるいは商品のWebページが表示されるが、これは当該店舗の販売サイトを訪問したことを意味する。
【0032】
ここで「構成員B」の店舗に「構成員A」が訪問したものとし、「構成員B」は、図10のような割引率を設定しているものとする。ここで関係度1、すなわち「構成員B」の友人であれば88%をポイント利用で割引き、関係度0.5、すなわち友人の友人であれば50%をポイント利用で割引く等が「構成員B」の店舗のWebページを記述するHTMLファイルに記載されている。
【0033】
割引情報表示手段10は、構成員情報記憶手段5から「構成員A」のポイント残高を、人脈記憶手段8から「構成員A」の知友を抽出する。人脈記憶手段8から「構成員B」が見つかれば、販売者「構成員B」による割引を受けられると判定し(S12でYes)、HTMLファイルから定価と割引率を抽出して図11に例示するような画面を表示する(S13)。図11に示すように、割引後の価格、この商品を購入後のポイント残高も合わせて表示し、購入するか否かの意思決定の参考に供する。
【0034】
購入希望者が購入を決定すると購入画面の「購入」ボタンをクリックする。ポイント管理装置1はこのボタンクリックというイベント発生を検出して(S14でYes)、購入が決定したと判定し、表示されている割引情報に対応したポイント値をポイント残高から減算して、減算後のポイント残高を構成員情報記憶手段5に記憶する(S15)とともに、販売者端末2aにどの構成員がいくらの割引額で購入したかを通知する(S16)。
【0035】
もし、購入希望者が割引の条件に合致しないときは(S12でNo)、図12に例示するような購入画面を表示し(S17)、ステップS14の処理に移る。割引はなく、ポイント残高に変更はない。
また、「購入」ボタンがクリックされなかったとき、つまり購入しないとき(S14でNo)は、処理を終了する。
以上の手順のように、ポイントの管理はポイント管理装置1が行い、販売者端末2aはポイント利用による割引額をポイント管理装置1から知らされる。つまり、販売者はポイント管理のためのデータベースを自ら持つ必要がない。この点、特許文献1に記載の発明と大きく異なる。
【0036】
ここで、割引情報は販売者が適宜決めることが可能であり、Webページデータに購入者の充たす条件別に定数がセットされていて、Perl,PHPなどのページ記述言語やJavascript(登録商標)のようなクライアント制御言語で記述された処理が購入者の条件に対応する割引情報を抽出する。この割引情報の抽出のためには、Webページを要求する際に構成員IDをパラメータとして入力し、構成員IDに基づいて人脈記憶手段8から構成員関係を抽出する。このような仕組みであれば、ポイント管理装置1側で割引情報を記憶している必要はなく、販売者が自己管理するのみである。
【0037】
この実施の形態によれば、コミュニティの貢献の程度によりコミュニティ内部での商品の購入に利用できるポイントが蓄積される。他の構成員のために行動をすればするほど多くのポイントが付与され、知友が販売している商品代金の一部をポイントで支払える。構成員はコミュニティ内で積極的に行動し、コミュニティ内での商品の販売も盛んとなり、インターネットを介して形成されたコミュニティが活性化する。現実社会では限界集落とかシャッター商店街とかいわれ多くの地方のコミュニティが衰退傾向にある。本発明は、インターネット上で形成したコミュニティを活発化させ、社会全体を元気づけようとするものである。
【0038】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態は構成員間の関係によって割引情報が異なっていた。
この実施の形態では構成員のシステム内属性に応じた割引情報が設定される点で相違する。以下、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
ポイント管理装置1は、構成員ごとにコミュニティへの貢献に関連したコミュニティ内属性を記憶する。構成員情報記憶手段5に記憶してもよく、別途属性を記憶する手段を備えてもよい。
各販売者はコミュニティ属性別の割引情報を設定し、図13に例示するような設定内容をWebページを記述するHTMLファイルに記載しておくとよい。
【0039】
購入時の手順は、図8に示す第1の実施の形態とほぼ同様であるが、割引情報表示手段10は、割引率を算出する際に構成員間の関係を参照するのではなく、コミュニティ内属性を参照する点で異なる。
図13の例では、購入希望者が販売者と所定の人間関係になくても、このコミュニティにブログを投稿していたならば、販売価格の30%の範囲内で蓄積されているポイントと相殺できる。
また、図13の例ではコミュニティへ招待した人数が多いほど割引率を大きくしている。SNSのようなコミュニティは既存の参加者による招待がなければ参加できないことが多いので、多数を招待するとコミュニティの構成員を増加させたことになり、その発展への貢献度が高いと考えられるからである。
【0040】
この実施の形態によれば、同じコミュニティの構成員同士という間柄にしかすぎない相手であっても、コミュニティに貢献しているならば、定価から割り引くことで謝意を表することができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
前記の第1および第2の実施の形態はいずれも割引情報がWebページデータファイルに記述されていた。しかし、この実施の形態ではポイント管理装置101が、図14に示すように割引情報記憶手段13を備える点で相違する。
販売者別、商品別に割引情報、つまり割引率あるいは割引額などを割引の条件と対応付けて記憶する。このコミュニティに出店しようとする構成員はポイント管理装置101にその商品に関する情報を送信する(図2のステップS1参照)が、同時に割引情報も送信し、受信した情報を処理部4が割引情報記憶手段13に登録すればよい。
ポイント管理装置101があらかじめ既定値を割引情報記憶手段13にセットしておき、販売者が送信してきた割引情報をポイント管理装置101が記憶してもよい。
この実施の形態によれば、Webページデータの作成が容易になる。なぜなら、販売者は購入希望者ごとに割引率を算出する処理部分をコーディングしなくてすむからである。
【0042】
(第4の実施の形態)
前記の実施の形態はいずれも販売者との人間関係などによって割引情報は一律でないが、この実施の形態では構成員の条件にかかわりなく割引情報は一律である。ポイント管理装置101の機能ブロックは第3の実施の形態と同様であって(図14参照)、この一律の割引情報は割引情報記憶手段13に記憶される。
たとえば、コミュニティにとっての記念日や、世間のお中元・お歳暮シーズンにあわせて全商品10%引きとするといった実施態様が考えられる。ただし、割引額に相当するポイント残高を持っていることが前提であることは言うまでもない。
なお、商品との関係では、商品に関わらず割引情報を一律としてもよいが、食品や衣料品といった商品種別などに着目して異なる割引情報を設定してもよい。
この実施の形態によれば、コミュニティ全体で謝恩セールを実施したりすることが簡単にでき、構成員たちの購買意欲を喚起できる。
【0043】
(第5の実施の形態)
第1の実施の形態はポイント管理装置1には決済機能が備わっていなかった。
この実施の形態では決済機能も有する点で相違する。以下、第1の実施形態との相違点のみを説明する。図15に示すように、ポイント管理装置201は、決済手段14を備えている。
割引後の価格を購入者はコンビニエンスストアで支払ったり、クレジットカードで支払ったりする。コンビニエンスストアで支払われる場合を例にとると、支払われた金額は代行口座に一括して振り込まれることが通常である。本発明の主要な販売者は個人商店や副業として手作り品などを販売する個人であるため、これらの販売者が個々にクレジットカード会社などに入金の契約を締結しておくことが困難であるからである。本実施の形態では、この代行口座は当該コミュニティの口座であってポイント管理装置201が入金があったことを捕捉すると、販売者の口座に移動させる。購入者から入金された金額を販売者向けに出金する処理を行なうのが決済手段14である。ただし、これは一例であって、他にも様々な決済方法が考えられるが、いずれの決済方法であっても決済手段14に実装することは当業者であれば容易である。
【0044】
この実施の形態では、購入の決定がなされたときにポイント利用の予約を行い、決済手段14によって販売者の口座に資金が移動した後に、ポイント残高更新手段11によるポイント残高から割引額を減算を確定する処理がなされることが望ましい。
【0045】
(第6の実施の形態)
以上の第1〜第5の実施形態はいずれもポイント残高を格納するデータベースをポイント管理装置が備えていた。ハードディスクなどの記憶媒体に記憶されている場合、LANやWANで接続されている専用のデータベースサーバに記憶されている場合などがあるが、同一の管理主体が管理する以上、ポイント管理装置の内部にポイント残高のデータを持っていると同視できる。
しかし、この第6の実施の形態では、図16に示すようにインターネットNを介して接続される外部のデータベース管理装置302がポイント残高を格納するポイント残高外部格納手段303を備えている点で上記の実施形態と相違する。
【0046】
ポイント管理装置301は、図17のように構成員情報記憶手段を持たず、ポイント残高を含む構成員に関するデータはデータベース管理装置302側で一括管理してもよい。あるいは、ポイント管理装置301が備える構成員情報記憶手段には、ポイント残高以外のデータのみが記憶されるようにしてもよい。
ポイント管理装置301のポイント付与手段9、割引情報表示手段10、ポイント残高更新手段11のいずれも構成員のポイント残高を読み出したり、書き込んだりする必要があるときは通信インターフェース部12、インターネットNおよび外部のデータベース管理装置302の通信インターフェース部(図示せず)を介して、データベース操作用のコマンドを発行しポイント残高外部格納手段303にアクセスする。これによりポイント管理装置301自らは、ポイント残高を管理するソフトウェアを実装していなくてもよい。
これにより、たとえば、このポイント残高外部格納手段をインターネットのショッピングサイト運営者が管理し、そのポイント管理のAPI(Application
Program Interface)を既存のソーシャルネットワークシステム(運営者)に対して提供することで、システムを実現することができる。
【0047】
以上、第1〜第6の実施の形態をもとに本発明の説明をしてきたが、これらの実施の形態は例示にすぎない。各記憶手段に記憶させるデータの構造や処理の流れ等につき種々の変形例が考えられ、それらの変形例も本発明の範囲である。
そうした変形例のいくつかを下記に記す。
【0048】
第1の実施の形態では、記憶部3に構成員ごとに知友が親密の度合いと対応づけて記憶されている。例えば、Xと0.5とが対応づけて記憶されているならば、当該構成員にとって構成員Xは友人の友人であることが直ちに認識できる。しかし、構成員の人数が多くなった場合、格納しているハードディスクなどに収容しきれなくなる。そのため、構成員ごとに友人のみを記憶させるとよい。記憶部3には構成員Aの友人はB,構成員Bの友人はAとC、と記憶されている場合、この記憶部3をサーチする処理を処理部4の機能として追加するならば、構成員Aと構成員Cとは友人の友人の関係にあることが構成員Bの情報を参照するだけで抽出できる。このようなデータの持ち方をすれば、記憶容量を抑えることができる。要は、構成員間の関係が抽出できるならば、データ構造はどのようなものでもかまわない。
【0049】
第2の実施の形態では、コミュニティへの貢献の程度によって属性を付与し割引額に反映させている。属性と割引情報との対応をどのようにするかは任意的な取り決め事項であるが、ブログ投稿者であっても親コミュニティへの投稿と下位コミュニティへの投稿では割引率を相違させたり、複数の属性を備えている場合は最大の割引率に一定値を上乗せさせたりするなど、弾力的に運用すればよい。
【0050】
第6の実施の形態では、図16を参照してポイント管理装置301が1台の場合を想定して説明した。しかし、図18に示すように1台の外部のデータベース管理装置302の提供するデータベース管理サービスを2台以上のポイント管理装置301が各自享受することも可能である。
この場合、データベース管理装置302が管理するデータベースのデータ構造は共通であるが、各ポイント管理装置301は、ポイント残高外部格納手段303に格納されている自己の構成員に関するデータにのみアクセス可能であるものとする。
【0051】
前記のいずれの実施形態も割引情報として割引率を用いたが、割引額でもよい。また、商品あるいは販売者によって割引率を設定する場合と割引額を設定する場合とが混在してもかまわない。
【0052】
前記のいずれの実施形態も親となるコミュニティの性質は特に限定せず、インターネット上で複数の人々が集い構成するならばなんでもよい。最近は、SNSの隆盛がみてとれるが、前記ポイント管理装置1はSNSの運営者によって運用され、このSNSの構成員が自動的に本発明のシステムにおける構成員となってもよい。
【0053】
前記のいずれの実施形態でも、付与されたポイント値は、構成員間での商品の売買にのみ使用できることを前提としていた。しかし、ポイント残高を格納するデータベースの同期が担保されるならば、他の親コミュニティや商品出品サイトなどで使用してもよい。本発明の特徴のひとつとして、ポイントデータベースをシステムが一元管理することが挙げられるが、この特徴を損なわないのであれば、運営主体の異なる他のコミュニティや商品出品サイトで本発明を利用する余地がありうる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
従来のポイントシステムに奉仕・謝恩の精神を取り入れ、コミュニティのために活動をした人が金銭面からも報われるようにすることで、インターネットを介したコミュニティの経済面も含む各種活動の活性化を図ることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ポイント管理装置
2(2a、2b) 構成員端末
2a 購入者端末
2b 販売者端末
5 構成員情報記憶手段
6 出店情報記憶手段
7 行動別ポイント値記憶手段
8 人脈記憶手段
9 ポイント付与手段
10 割引情報表示手段
11 ポイント残高更新手段
13 割引情報記憶手段
14 決済手段
101 ポイント管理装置
201 ポイント管理装置
301 ポイント管理装置
302 データベース管理装置
303 ポイント残高外部格納手段
N インターネット
【技術分野】
【0001】
コミュニティに貢献した行動に対してポイントを付与し、このポイントをコミュニティ構成員間での商品売買に利用するシステムとこのシステムで利用されるポイント管理装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種の商業主体が顧客にポイントを付与し、割引や景品との引き換えに利用できるようにすることで、顧客の再訪や囲い込みを期待するポイントシステムの導入が盛んに行われている。
このポイントシステムは、買い物をすればするほどポイントが付与される仕組みとなっており、富裕な人ほど恩恵を受けることとなる。大量の買い物をする人は個人消費拡大という観点からは社会に貢献しているといえる。しかし、世の中には金銭にかかわりがない部分で世のため人のために貢献する人たちが大勢いる。現状のポイントシステムは、金銭面に限定したギブアンドテイクの関係であって、社会のために汗を流している人たちに報いるという発想がない。
このような問題点に着目して、特許文献1に記載の「販売促進を支援する電子決済方法及びシステム」は、ソーシャルネットワーキングサービス(以下、「SNS」)のサイトへ日記などの公開情報を投稿することによってポイントが付与される点で、買い物をした人のみが利益を得る従来のポイントシステムとは一線を画するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された発明は、販売者が販促の一環としてSNSを運営しており、サイトの運営者と同一人である販売者がポイントを負担している。これは販売者が媒体であるSNSを集客のために使用していると言い換えることができる。これでは、売り手も買い手も参加者同士であって、参加者が全体のために何らかの貢献をし、この参加者が他の参加者から商品を購入する際に金銭的な見返りを受けるという発想は見当たらない。仲間同士が互いに貢献しあうという一種の相互扶助は、特許文献1のシステムのように運営者のみが宣伝費として一方的に負担する仕組みとは考え方がまったく異なるものである。
【0005】
一方、複数の店舗が出店しているオンライン商店街でもポイントシステムが広く採用されているが、出店している店舗が個別にポイントを発行しようとすると、どの店舗が、どのユーザに対して、いくらポイントを発行したかを管理しなければならない。仮に、100店舗が出店しているならば、100店舗が個別にユーザのポイント管理のデータベースを備える必要がある。これは非常な負担である。専業の店舗であればともかく、副業として趣味の手作り品を出品しているような個人には独自のポイントを顧客にサービスすることはできない。
【0006】
ところで、かつてスーパーマーケットが出現しない頃は対面販売の商店が小売業の主流であった。家族で商いをしている近所の八百屋、魚屋、肉屋などである。いつもお使いにくる子供だから、ミカンを1個おまけしようとか、近所のおばあちゃんだから端数の5円を値引きしようといったことが日常的に行われていた。本発明は、インターネットでリンクされたコミュニティに金銭では測れない要素を加味することを提案する。例えば、日頃お世話になっている友人だから少し安くしてあげよう、といったことをインターネットの世界で実現することを目的とする。
また、昔は町内に必ずいた「物知りのおじいちゃん」や「世話好きのおばちゃん」をインターネットの世界で見つけ出し、インターネットの世界で報いようという試みでもある。
【0007】
また、データベースの一元管理により他人に商品を販売しようとする人であればたとえ個人商店や副業のような小規模店舗であってもポイントサービスを顧客に提供できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と通信可能に接続され、コミュニティ構成員間で流通するポイントを管理するポイント管理装置であって、
出店している構成員に関しての、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段を備えるとともに、
指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段に記録するポイント付与手段と、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させる割引情報表示手段と、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するポイント残高更新手段とを備える。
前記割引情報は前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されている。
【0009】
ここで、「コミュニティ」とは、目的や趣味などを共通にする複数の構成員から成り立ち、「構成員」は、売り手にもなり買い手にもなる。
「商品」は有形の商品に限らず、サービスつまり無形の商品も含む。
「ポイント」とは、金銭と同様に商品と交換可能な価値である。例えば、1ポイント1円に設定してあれば、100ポイントは100円の価値があることになる。
「割引情報」とは、商品の価格からポイントを用いて減額できる金額を決定するための情報である。割引情報には割引率、割引額などがある。割引率とは価格から減額できる価格に対する所定割合をいう。割引額とは価格から減額できる所定金額をいう。下記の実施の形態では、割引情報として主に割引率を用いている。
これにより、コミュニティのために行動をした人がポイントを蓄え、構成員仲間から商品を購入する際の割引にこのポイントを利用できる。このような本発明のポイントサービスは従来にないものであり、構成員間流通ポイント管理装置が構成員ごとのポイント値を管理するので、商品の販売者はポイント管理に伴う煩わしさを免れることができる。
【0010】
コミュニティは、SNSでもよい。この場合、前記構成員間流通ポイント管理装置はSNSの運営者によって運用され、このSNSの構成員がすなわち当該システムの構成員となる。
これにより、本発明のシステムを採用するSNSは、他のSNSとは異なる特徴を持つことになって、新規参加者の増加が期待できる。
【0011】
ポイント付与の対象となる前記指定行動には、ブログの投稿、ブログへのコメントの投稿、日記の投稿、他の構成員の日記へのコメントの投稿、商品レビューの投稿、他の構成員からの相談への回答、下位のコミュニティの立ち上げおよびコミュニティへの新規参加者の招待などが含まれている。
コミュニティは、その下位にコミュニティを包含することがあり、下位のコミュニティはさらに下位のコミュニティを包含するというように階層構造をとりうる。上位のコミュニティの構成員は0以上任意個数の下位コミュニティに参加可能である。
本発明の重要な機能であるポイント値の管理は最上位のコミュニティが主として行うべきである。つまり、構成員間流通ポイント管理装置は通常最上位のコミュニティの運営者によって運用される。
【0012】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、構成員間関係を記憶する手段を備えるとともに
前記割引情報は構成員間関係別に値が設定され、
前記割引情報表示手段は、出店者である構成員と購入者である構成員との関係に対応する割引情報を抽出して表示するようにしてもよい。
構成員間関係とは友人同士、友人の友人などである。
これにより、売り手は構成員であれば誰に対しても割引率などの割引情報を一律にすることなく、買い手との親密さの程度によって割引情報を調整できる。知り合いだから割り引いてあげようとか、日頃つきあいがないから定価で販売しようとか、かつての地域の商店がやっていたことをインターネット上の店舗でも行うわけである。
【0013】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、構成員ごとにコミュニティへの貢献に関連したコミュニティ内属性を記憶する手段を備えるとともに、前記割引情報はコミュニティ内属性の別に値が設定され、前記割引情報表示手段は、購入者である構成員のコミュニティ内属性に対応する割引情報を抽出して表示するようにしてもよい。
前記コミュニティ内属性による構成員の分類には、ブログ投稿者、日記投稿者、専門知識を有する相談回答者、他者をコミュニティへ招待した者が含まれる。これは一例であり、適宜設定すればよい。
このように割引率などの割引情報を一律にすることなく、コミュニティへの貢献度によって割引情報を調整できる。これにより、売り手にとって親しい間柄になくても、コミュニティに貢献してくれた人にお返しができることになる。
【0014】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、商品を購入した構成員が販売者である構成員に支払う、ポイントを利用した割引後の対価を決済する決済手段を備えてもよい。
このように決済手段を備えているならば、入金確認後にポイント残高から割引額の減算を確定させることができる。もし、入金確認前にポイント残高の更新をすると、商品購入がキャンセルされたときにポイント残高に矛盾が発生するからである。
【0015】
前記構成員間流通ポイント管理装置は、通信回線を介して外部のデータベース管理装置に接続され、
前記構成員情報記憶手段に格納されるデータの内、少なくともポイント残高が前記データベース管理装置に備えられたポイント残高外部格納手段に記憶されており、構成員間流通ポイント管理装置が通信回線を介して前記ポイント残高外部格納手段からデータの読み出し及び書き込みを行うようにしてもよい。
これにより、構成員間流通ポイント管理装置は、ポイント残高の管理を行うソフトウェアを搭載していなくても、外部の装置に対してデータベース操作用のコマンドを送信するだけでポイント残高を管理できる。
【発明の効果】
【0016】
商品の売り手は店頭で”知り合いだから、コミュニティに貢献している人だから割引いてあげよう”といった感覚でポイントを流通させることができる。
データベースは、システムの運営者が一括して管理するので、個別に設ける必要はない。そのため、規模の大小にかかわらず、構成員仲間に商品を販売しようと考える者は本発明のポイントサービスを顧客に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態のシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態のシステムの処理概要を説明するシーケンス図である。
【図3】第1の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態の構成員情報記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図5】第1の実施形態の出店情報記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図6】第1の実施形態の行動別ポイント値記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図7】第1の実施形態の人脈記憶手段に格納されるデータ構造を例示する図である。
【図8】第1の実施形態の購入についての手順を説明するフロー図である。
【図9】第1の実施形態のオンライン商店街の表示画面例である。
【図10】第1の実施形態の構成員間関係と割引率との対応を例示する図である。
【図11】第1の実施形態の割引がある場合の商品購入の表示画面例である。
【図12】第1の実施形態の割引が無い場合の商品購入の表示画面例である。
【図13】第2の実施形態のコミュニティ内属性と割引率との対応を例示する図である。
【図14】第3の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図15】第5の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図16】第6の実施形態のシステム構成図である。
【図17】第6の実施形態の構成員間流通ポイント管理装置の機能ブロック図である。
【図18】第6の実施形態の変形例のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
この実施の形態のシステム構成例を図1に示す。
インターネットNを介して構成員間流通ポイント管理装置1(以下、「ポイント管理装置1」)と構成員端末2が接続している。以下の説明では、構成員が売り手である場合の構成員端末を販売者端末2aといい、構成員が買い手である場合の構成員端末を購入者端末2bという。同一の構成員が商品売買の際の売り手にも買い手にもなりうるので、同一の構成員端末が販売者端末になったり、購入者端末になったりする。構成員端末を特に販売者端末2aと購入者端末2bに区別する必要がないときは「構成員端末2」と記すこともある。
なお、ポイント管理装置1はコミュニティの管理者によって運用されることが通常であり、コミュニティの管理コンピュータがその管理機能の一部としてポイント管理装置1の機能を担ってもよい。あるいは、ポイント管理装置1は、本システムに専用の情報処理装置であってもよい。
【0019】
ポイント管理装置1は1台でその機能を実行するに限らず、複数の情報処理装置が連携してシステムの運営管理の機能を発揮してもよい。
構成員端末2は台数に制限がないが、図1では、説明を簡単にするために2台(1台は販売者端末2a、他の1台は購入者端末2b)のみが記載されている。
構成員端末2は、構成員が使用する情報処理装置であって、ポイント管理装置1との通信が可能であり、かつWebサイトを閲覧する機能(Webブラウザ)を備えていれば携帯電話でもパソコンでもPDAでも何でもよい。ただし、販売者端末2aとして使用される場合は、出店用Webページデータの作成や更新が必要とされるのでパソコンが適当である。
構成員端末2は、ユーザである構成員の指示を受け付けるユーザインターフェースを備えていることは言うまでもない。
【0020】
本実施の形態を詳細に説明する前に、図2に従いシステムの概略を、購入者1名販売者1名として説明する。
商品をこのコミュニティ内で販売しようとする構成員は販売者端末2aからポイント管理装置1に対して当該商品に関する情報や出店用Webページデータを送信する(S1)。このWebページデータは店舗に対応するものでも、扱う商品ごとのものでも、あるいはこれらの組み合わせでもよい。ポイント管理装置1はWebサーバの役割も果たし、1以上の販売者端末2aから送信されるWebページデータを保存し、購入者端末2bからのアクセスがあると当該Webページデータを送信し、購入者端末2bの画面に表示させる。つまりポイント管理装置1はオンラインの商店街を形成するわけである。
構成員は購入者端末2bからポイント管理装置1に対して日記や他者の日記へのコメントなどを投稿する(S2)。
ポイント管理装置1は当該構成員にポイントを付与してポイント残高を記憶する(S3)。
購入者端末2bから販売者のWebページの閲覧要求がある(S4)と、割引率を決定し(S5)、ポイント残高とこの購入希望者に固有の割引情報を表示するWebページデータを購入者端末2bに送信する(S6)。購入者が購入を決定する(S7)と、ポイント管理装置1は一括管理しているデータベース上のポイント残高を更新し(S8)、販売者端末2aにどの構成員によって購入が決定されたのか、割引額と取引価格はいくらか等を通知する(S9)。
【0021】
この実施の形態では、ポイント管理装置1は、ポイントの管理と販売者へのオンライン上店舗の設置場所を提供するが、購入商品の引渡し、割引後の金額の決済等には関与していない。これらは購入者と販売者との間で何らかの手段で行われるか、本システムの運営者が別サービスとして提供するものであって、この実施形態では範囲外である。
また、ステップS1、S2の各処理はこの順に行われるのではなく、ステップS4以前であれば、いかなるタイミングでいかなる回数行われてもよい。
【0022】
次に、図3のブロック図に従い、ポイント管理装置1の構成を説明する。
ポイント管理装置1は、記憶部3と処理部4を含む。
記憶部3は、構成員情報記憶手段5と、出店情報記憶手段6と、行動別ポイント値記憶手段7と、人脈記憶手段8を含む。
処理部4は、ポイント付与手段9と、割引情報表示手段10と、ポイント残高更新手段11と、その他の処理手段を含む。
ただし、これらの各手段の分類は、あくまで説明の便宜上にすぎない。各手段は、その機能に応じて、ハードウェア、ソフトウェアで実装される。ソフトウェアによる場合は、ROMやハードディスクなどの記憶手段に格納されているコンピュータプログラムを、CPUが実行する。これらは、公知の事柄であるので説明を省略する。
図3には記載がないが、記憶部3には、処理の経過に伴う作業用中間データ、パラメータ類、Webデータなどを格納する記憶手段も含まれる。
また、ポイント管理装置1は、キーボードやディスプレイ等の入出力手段及びドライバ類、通信ネットワークを介した構成員端末2や他の情報処理装置との通信を可能とする通信インターフェース部12も備える。
【0023】
構成員情報記憶手段5は、コミュニティの運営者が構成員に関する情報を記憶するものであり、構成員の氏名、住所、メールアドレスなどの個人情報が主であるが、構成員ごとに付与されるポイント残高も記憶する。記憶されるデータ構造の一例を図4に示す。図4のようにコミュニティのためにどのような行動をとってきたのか履歴を記録してもよい。また、メールアドレスや携帯電話番号は、構成員を特定するIDの代りに用いられてもよい。
【0024】
出店情報記憶手段6は、構成員が販売しようとする商品に関する情報を記憶する。記憶されるデータ構造の例を図5に示す。構成員IDのように構成員を特定する情報とともに、商品名や販売期間などを記憶する。また、出店用Webページ(図11、図12に例示)のデータが格納されているHTMLファイル名も記憶する。このWebページデータは、販売者から送信された情報に基づきポイント管理装置1側で作成してもよく、販売者が作成してポイント管理装置1に送信してもよい。ポイント管理装置1は、出店しようとする構成員のWebページデータを一括管理し、図9に例示するようなWebページをデータ更新時やデータ表示時に作成してオンライン商店街を形成する機能を処理部4に備えてもよく、別のコンピュータをWebサーバとして機能させてもよい。
【0025】
行動別ポイント値記憶手段7は、予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれに応じて異なるポイント値を記憶する。記憶されるデータ構造の例を図6に示す。
図6の例では、例えば、日記を投稿して公開情報とした場合は100ポイント、他の構成員の日記へのコメントを記載した場合は25ポイントが付与される等が示されている。このデータはシステム運用開始時に設定してもよく、システム運用中に適宜変更してもよい。
ポイントは、1ポイント=1円のように、1ポイント当たりの対応金額を予め定めておく。
以下の例では、1ポイントは1円に相当するものとし、例えば、代金から30円の割引を受けるためには30ポイントを使用することになる。
構成員端末2を介した指定行動は、ポイント管理装置1によって受け付けられ、行動の種類が判定される。そのために、ポイント管理装置1の処理部4は日記やコメントなどの投稿された情報を受信する機能などを備えているが、本発明の本質ではないので説明を省略する。その他、処理部4は投稿された情報を構成員が閲覧できるように公開する機能なども備えていることはいうまでもない。
【0026】
人脈記憶手段8は、構成員ごとにその知友を関係度、つまり親密さの度合いとともに記憶する。記憶されるデータ構造の例を図7に示す。仮に友人に1.0、友人の友人に0.5、友人の友人の友人に0.25の度数(関係度)を与えると、構成員Aにとって、Dは友人であり、Bは友人の友人であり、Gは友人の友人の友人である。なお、この人脈記憶手段8は構成員情報記憶手段5に含めてもかまわない。
ポイント管理装置1が、友人関係にある構成員をどのように認識するかは特に限定しないが、次の方法もその一つである。ある構成員Xが構成員Yに対して友人になってくれるように依頼するメールを送信する。相手の構成員Yからの了承のメールを受信すると構成員XとYは「友人」になったと取り決める。X−Y間のメールの送受信をポイント管理装置1を介在させて行う。この人脈形成の処理は既存の手法を組み合わせて実現できるので詳細説明は省略する。
【0027】
ポイント付与手段9は、指定行動をとった構成員に対してその行動に応じたポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段5に記録する。たとえば、ある構成員が現在までに日記を10回投稿し、他の日記へのコメントを5回投稿したとする。この場合、図6の値をあてはめるとポイント合計は1125ポイント(100ポイント×10回+25ポイント×5回)が付与されたポイント合計であり、付与されたポイントを使用したことがなければポイント残高として1125ポイントが構成員情報記憶手段5に記憶されている。もし、この構成員がコミュニティを立ち上げたなら、ポイント付与手段9は250ポイントを加算して構成員情報記憶手段5のポイント残高を1375ポイントに更新する。
【0028】
割引情報表示手段10は、商品を購入しようとする構成員の構成員端末2bから出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報をこの出店用Webページに表示させる。購入を考えている構成員は表示を参考にして当該商品を購入するか否かを決定する。割引情報表示手段10の処理については商品購入の手順の説明の中で詳しく述べる。
【0029】
ポイント残高更新手段11は、商品の購入により使用したポイント値を、構成員情報記憶手段5のポイント残高から減算する。たとえば、現在の残高が1125ポイントの構成員が商品購入時に30ポイント分の割引を受けたならば、ポイント残高を1095ポイントに更新する。
ここで、構成員別のポイント値を管理するのはポイント管理装置1であって、出店している店舗は関与していない。この点は本発明の特徴のひとつである。各店舗は自らポイント管理のためのデータベースを作成し管理しなくてもよいので、出店者は誰でも自分の顧客にポイント割引サービスを提供できる。例えば、趣味の手編みのセーターを数点のみ販売しようとする構成員が独自にポイント管理のデータベースを持つことは非現実的である。しかし、本発明のシステムを利用すれば、自分の知友が購入してくれるときにポイントを利用して割引ができる。
【0030】
なお、ポイント管理装置1の処理部4には、構成員からの問合せ(例えば、現在の自分のポイント残高の問合せ)に回答する機能、コミュニティ内で形成された下位のコミュニティの構成員などを管理運営する機能なども適宜備える。ただし、この実施の形態では、構成員間の売買を決済する機能を備える必要はない。構成員ごとに蓄積されたポイントを記憶し、ポイントが利用されたときはポイント残高を更新するという機能が主であって、販売者と購入者を仲介するとか、決済に際し保証するとかの機能は持たず、これらは売買の当事者間の自由にゆだねられる。
【0031】
次は、図8を参照しながら、構成員間の売買についての手順を説明する。
購入者端末2bからのアクセスがある(S10)と、ポイント管理装置1は構成員IDを入力させる等の方法でアクセスしてきたのがどの構成員であるかを認識するとともにオンライン商店のリストを表示する(S11)。これは、図9に例示するような各店舗の購入画面ページへのリンク一覧からなる画面である。いずれかのリンクをクリックすると、後述する図11のような店舗あるいは商品のWebページが表示されるが、これは当該店舗の販売サイトを訪問したことを意味する。
【0032】
ここで「構成員B」の店舗に「構成員A」が訪問したものとし、「構成員B」は、図10のような割引率を設定しているものとする。ここで関係度1、すなわち「構成員B」の友人であれば88%をポイント利用で割引き、関係度0.5、すなわち友人の友人であれば50%をポイント利用で割引く等が「構成員B」の店舗のWebページを記述するHTMLファイルに記載されている。
【0033】
割引情報表示手段10は、構成員情報記憶手段5から「構成員A」のポイント残高を、人脈記憶手段8から「構成員A」の知友を抽出する。人脈記憶手段8から「構成員B」が見つかれば、販売者「構成員B」による割引を受けられると判定し(S12でYes)、HTMLファイルから定価と割引率を抽出して図11に例示するような画面を表示する(S13)。図11に示すように、割引後の価格、この商品を購入後のポイント残高も合わせて表示し、購入するか否かの意思決定の参考に供する。
【0034】
購入希望者が購入を決定すると購入画面の「購入」ボタンをクリックする。ポイント管理装置1はこのボタンクリックというイベント発生を検出して(S14でYes)、購入が決定したと判定し、表示されている割引情報に対応したポイント値をポイント残高から減算して、減算後のポイント残高を構成員情報記憶手段5に記憶する(S15)とともに、販売者端末2aにどの構成員がいくらの割引額で購入したかを通知する(S16)。
【0035】
もし、購入希望者が割引の条件に合致しないときは(S12でNo)、図12に例示するような購入画面を表示し(S17)、ステップS14の処理に移る。割引はなく、ポイント残高に変更はない。
また、「購入」ボタンがクリックされなかったとき、つまり購入しないとき(S14でNo)は、処理を終了する。
以上の手順のように、ポイントの管理はポイント管理装置1が行い、販売者端末2aはポイント利用による割引額をポイント管理装置1から知らされる。つまり、販売者はポイント管理のためのデータベースを自ら持つ必要がない。この点、特許文献1に記載の発明と大きく異なる。
【0036】
ここで、割引情報は販売者が適宜決めることが可能であり、Webページデータに購入者の充たす条件別に定数がセットされていて、Perl,PHPなどのページ記述言語やJavascript(登録商標)のようなクライアント制御言語で記述された処理が購入者の条件に対応する割引情報を抽出する。この割引情報の抽出のためには、Webページを要求する際に構成員IDをパラメータとして入力し、構成員IDに基づいて人脈記憶手段8から構成員関係を抽出する。このような仕組みであれば、ポイント管理装置1側で割引情報を記憶している必要はなく、販売者が自己管理するのみである。
【0037】
この実施の形態によれば、コミュニティの貢献の程度によりコミュニティ内部での商品の購入に利用できるポイントが蓄積される。他の構成員のために行動をすればするほど多くのポイントが付与され、知友が販売している商品代金の一部をポイントで支払える。構成員はコミュニティ内で積極的に行動し、コミュニティ内での商品の販売も盛んとなり、インターネットを介して形成されたコミュニティが活性化する。現実社会では限界集落とかシャッター商店街とかいわれ多くの地方のコミュニティが衰退傾向にある。本発明は、インターネット上で形成したコミュニティを活発化させ、社会全体を元気づけようとするものである。
【0038】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態は構成員間の関係によって割引情報が異なっていた。
この実施の形態では構成員のシステム内属性に応じた割引情報が設定される点で相違する。以下、第1の実施形態との相違点のみを説明する。
ポイント管理装置1は、構成員ごとにコミュニティへの貢献に関連したコミュニティ内属性を記憶する。構成員情報記憶手段5に記憶してもよく、別途属性を記憶する手段を備えてもよい。
各販売者はコミュニティ属性別の割引情報を設定し、図13に例示するような設定内容をWebページを記述するHTMLファイルに記載しておくとよい。
【0039】
購入時の手順は、図8に示す第1の実施の形態とほぼ同様であるが、割引情報表示手段10は、割引率を算出する際に構成員間の関係を参照するのではなく、コミュニティ内属性を参照する点で異なる。
図13の例では、購入希望者が販売者と所定の人間関係になくても、このコミュニティにブログを投稿していたならば、販売価格の30%の範囲内で蓄積されているポイントと相殺できる。
また、図13の例ではコミュニティへ招待した人数が多いほど割引率を大きくしている。SNSのようなコミュニティは既存の参加者による招待がなければ参加できないことが多いので、多数を招待するとコミュニティの構成員を増加させたことになり、その発展への貢献度が高いと考えられるからである。
【0040】
この実施の形態によれば、同じコミュニティの構成員同士という間柄にしかすぎない相手であっても、コミュニティに貢献しているならば、定価から割り引くことで謝意を表することができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
前記の第1および第2の実施の形態はいずれも割引情報がWebページデータファイルに記述されていた。しかし、この実施の形態ではポイント管理装置101が、図14に示すように割引情報記憶手段13を備える点で相違する。
販売者別、商品別に割引情報、つまり割引率あるいは割引額などを割引の条件と対応付けて記憶する。このコミュニティに出店しようとする構成員はポイント管理装置101にその商品に関する情報を送信する(図2のステップS1参照)が、同時に割引情報も送信し、受信した情報を処理部4が割引情報記憶手段13に登録すればよい。
ポイント管理装置101があらかじめ既定値を割引情報記憶手段13にセットしておき、販売者が送信してきた割引情報をポイント管理装置101が記憶してもよい。
この実施の形態によれば、Webページデータの作成が容易になる。なぜなら、販売者は購入希望者ごとに割引率を算出する処理部分をコーディングしなくてすむからである。
【0042】
(第4の実施の形態)
前記の実施の形態はいずれも販売者との人間関係などによって割引情報は一律でないが、この実施の形態では構成員の条件にかかわりなく割引情報は一律である。ポイント管理装置101の機能ブロックは第3の実施の形態と同様であって(図14参照)、この一律の割引情報は割引情報記憶手段13に記憶される。
たとえば、コミュニティにとっての記念日や、世間のお中元・お歳暮シーズンにあわせて全商品10%引きとするといった実施態様が考えられる。ただし、割引額に相当するポイント残高を持っていることが前提であることは言うまでもない。
なお、商品との関係では、商品に関わらず割引情報を一律としてもよいが、食品や衣料品といった商品種別などに着目して異なる割引情報を設定してもよい。
この実施の形態によれば、コミュニティ全体で謝恩セールを実施したりすることが簡単にでき、構成員たちの購買意欲を喚起できる。
【0043】
(第5の実施の形態)
第1の実施の形態はポイント管理装置1には決済機能が備わっていなかった。
この実施の形態では決済機能も有する点で相違する。以下、第1の実施形態との相違点のみを説明する。図15に示すように、ポイント管理装置201は、決済手段14を備えている。
割引後の価格を購入者はコンビニエンスストアで支払ったり、クレジットカードで支払ったりする。コンビニエンスストアで支払われる場合を例にとると、支払われた金額は代行口座に一括して振り込まれることが通常である。本発明の主要な販売者は個人商店や副業として手作り品などを販売する個人であるため、これらの販売者が個々にクレジットカード会社などに入金の契約を締結しておくことが困難であるからである。本実施の形態では、この代行口座は当該コミュニティの口座であってポイント管理装置201が入金があったことを捕捉すると、販売者の口座に移動させる。購入者から入金された金額を販売者向けに出金する処理を行なうのが決済手段14である。ただし、これは一例であって、他にも様々な決済方法が考えられるが、いずれの決済方法であっても決済手段14に実装することは当業者であれば容易である。
【0044】
この実施の形態では、購入の決定がなされたときにポイント利用の予約を行い、決済手段14によって販売者の口座に資金が移動した後に、ポイント残高更新手段11によるポイント残高から割引額を減算を確定する処理がなされることが望ましい。
【0045】
(第6の実施の形態)
以上の第1〜第5の実施形態はいずれもポイント残高を格納するデータベースをポイント管理装置が備えていた。ハードディスクなどの記憶媒体に記憶されている場合、LANやWANで接続されている専用のデータベースサーバに記憶されている場合などがあるが、同一の管理主体が管理する以上、ポイント管理装置の内部にポイント残高のデータを持っていると同視できる。
しかし、この第6の実施の形態では、図16に示すようにインターネットNを介して接続される外部のデータベース管理装置302がポイント残高を格納するポイント残高外部格納手段303を備えている点で上記の実施形態と相違する。
【0046】
ポイント管理装置301は、図17のように構成員情報記憶手段を持たず、ポイント残高を含む構成員に関するデータはデータベース管理装置302側で一括管理してもよい。あるいは、ポイント管理装置301が備える構成員情報記憶手段には、ポイント残高以外のデータのみが記憶されるようにしてもよい。
ポイント管理装置301のポイント付与手段9、割引情報表示手段10、ポイント残高更新手段11のいずれも構成員のポイント残高を読み出したり、書き込んだりする必要があるときは通信インターフェース部12、インターネットNおよび外部のデータベース管理装置302の通信インターフェース部(図示せず)を介して、データベース操作用のコマンドを発行しポイント残高外部格納手段303にアクセスする。これによりポイント管理装置301自らは、ポイント残高を管理するソフトウェアを実装していなくてもよい。
これにより、たとえば、このポイント残高外部格納手段をインターネットのショッピングサイト運営者が管理し、そのポイント管理のAPI(Application
Program Interface)を既存のソーシャルネットワークシステム(運営者)に対して提供することで、システムを実現することができる。
【0047】
以上、第1〜第6の実施の形態をもとに本発明の説明をしてきたが、これらの実施の形態は例示にすぎない。各記憶手段に記憶させるデータの構造や処理の流れ等につき種々の変形例が考えられ、それらの変形例も本発明の範囲である。
そうした変形例のいくつかを下記に記す。
【0048】
第1の実施の形態では、記憶部3に構成員ごとに知友が親密の度合いと対応づけて記憶されている。例えば、Xと0.5とが対応づけて記憶されているならば、当該構成員にとって構成員Xは友人の友人であることが直ちに認識できる。しかし、構成員の人数が多くなった場合、格納しているハードディスクなどに収容しきれなくなる。そのため、構成員ごとに友人のみを記憶させるとよい。記憶部3には構成員Aの友人はB,構成員Bの友人はAとC、と記憶されている場合、この記憶部3をサーチする処理を処理部4の機能として追加するならば、構成員Aと構成員Cとは友人の友人の関係にあることが構成員Bの情報を参照するだけで抽出できる。このようなデータの持ち方をすれば、記憶容量を抑えることができる。要は、構成員間の関係が抽出できるならば、データ構造はどのようなものでもかまわない。
【0049】
第2の実施の形態では、コミュニティへの貢献の程度によって属性を付与し割引額に反映させている。属性と割引情報との対応をどのようにするかは任意的な取り決め事項であるが、ブログ投稿者であっても親コミュニティへの投稿と下位コミュニティへの投稿では割引率を相違させたり、複数の属性を備えている場合は最大の割引率に一定値を上乗せさせたりするなど、弾力的に運用すればよい。
【0050】
第6の実施の形態では、図16を参照してポイント管理装置301が1台の場合を想定して説明した。しかし、図18に示すように1台の外部のデータベース管理装置302の提供するデータベース管理サービスを2台以上のポイント管理装置301が各自享受することも可能である。
この場合、データベース管理装置302が管理するデータベースのデータ構造は共通であるが、各ポイント管理装置301は、ポイント残高外部格納手段303に格納されている自己の構成員に関するデータにのみアクセス可能であるものとする。
【0051】
前記のいずれの実施形態も割引情報として割引率を用いたが、割引額でもよい。また、商品あるいは販売者によって割引率を設定する場合と割引額を設定する場合とが混在してもかまわない。
【0052】
前記のいずれの実施形態も親となるコミュニティの性質は特に限定せず、インターネット上で複数の人々が集い構成するならばなんでもよい。最近は、SNSの隆盛がみてとれるが、前記ポイント管理装置1はSNSの運営者によって運用され、このSNSの構成員が自動的に本発明のシステムにおける構成員となってもよい。
【0053】
前記のいずれの実施形態でも、付与されたポイント値は、構成員間での商品の売買にのみ使用できることを前提としていた。しかし、ポイント残高を格納するデータベースの同期が担保されるならば、他の親コミュニティや商品出品サイトなどで使用してもよい。本発明の特徴のひとつとして、ポイントデータベースをシステムが一元管理することが挙げられるが、この特徴を損なわないのであれば、運営主体の異なる他のコミュニティや商品出品サイトで本発明を利用する余地がありうる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
従来のポイントシステムに奉仕・謝恩の精神を取り入れ、コミュニティのために活動をした人が金銭面からも報われるようにすることで、インターネットを介したコミュニティの経済面も含む各種活動の活性化を図ることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 ポイント管理装置
2(2a、2b) 構成員端末
2a 購入者端末
2b 販売者端末
5 構成員情報記憶手段
6 出店情報記憶手段
7 行動別ポイント値記憶手段
8 人脈記憶手段
9 ポイント付与手段
10 割引情報表示手段
11 ポイント残高更新手段
13 割引情報記憶手段
14 決済手段
101 ポイント管理装置
201 ポイント管理装置
301 ポイント管理装置
302 データベース管理装置
303 ポイント残高外部格納手段
N インターネット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と通信可能に接続され、コミュニティ構成員間で流通するポイントを管理する構成員間流通ポイント管理装置であって、
出店している構成員に関しての、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段と、
指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段に記録するポイント付与手段と、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させる割引情報表示手段と、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するポイント残高更新手段と、を備えるとともに、
前記割引情報は、前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されているかのいずれかである、
ことを特徴とする構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項2】
SNSの運営者によって運用され、このSNSの構成員が当該システムを構成する構成員であることを特徴とする請求項1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項3】
前記指定行動には、ブログの投稿、ブログへのコメントの投稿、日記の投稿、他の構成員の日記へのコメントの投稿、商品レビューの投稿、他の構成員からの相談への回答、下位のコミュニティの立ち上げおよびコミュニティへの新規参加者の招待が含まれていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項4】
構成員間関係を記憶する手段を備えるとともに
前記割引情報は構成員間関係別に値が設定され、
前記割引情報表示手段は、出店者である構成員と購入者である構成員との関係に対応する割引情報を抽出して表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項5】
構成員ごとにコミュニティへの貢献に関連したコミュニティ内属性を記憶する手段を備えるとともに、前記割引情報はコミュニティ内属性の別に値が設定され、
前記割引情報表示手段は、購入者である構成員のコミュニティ内属性に対応する割引情報を抽出して表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項6】
前記コミュニティ内属性による構成員の分類には、ブログ投稿者、日記投稿者、専門知識を有する相談回答者、他者をコミュニティへ招待した者が含まれることを特徴とする請求項5に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項7】
商品を購入した構成員が販売者である構成員に支払う、ポイントを利用した割引後の対価を決済する決済手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項8】
通信回線を介して外部のデータベース管理装置に接続され、
前記構成員情報記憶手段に格納されるデータの内、少なくともポイント残高が前記データベース管理装置に備えられたポイント残高外部格納手段に記憶されており、前記構成員間流通ポイント管理装置が通信回線を介して前記ポイント残高外部格納手段からデータの読み出し及び書き込みを行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置と、コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群とが通信可能に接続されることによって、コミュニティ構成員間で使用可能なポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する構成員間流通ポイントシステム。
【請求項10】
請求項8に記載の構成員間流通ポイント管理装置と、コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と、外部のデータベース管理装置とが通信可能に接続されることによって、コミュニティ構成員間で使用可能なポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する構成員間流通ポイントシステム。
【請求項11】
コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と通信可能な構成員間流通ポイント管理装置とによって実現されるコミュニティ内でポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する方法であって、
出店している構成員に関して、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段と、
を備えた前記構成員間流通ポイント管理装置に、
指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段に記録するステップと、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させるステップと、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するステップとを実行させるとともに、
前記割引情報は前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されているか、いずれかに記憶された割引情報に基づいて、前記割引情報を表示する処理を行なう、
ことを特徴とする構成員間流通ポイント方法。
【請求項12】
コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群および外部のデータベース管理装置と通信可能な構成員間流通ポイント管理装置とによって実現されるコミュニティ内でポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する方法であって、
出店している構成員に関して、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段とを備えるとともに、
前記データベース管理装置に備えられたポイント残高外部格納手段にアクセスしてデータの読み出し、書き込みが可能な前記構成員間流通ポイント管理装置に、指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別にポイント残高外部格納手段に記録するステップと、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させるステップと、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するステップとを実行させるとともに、
前記割引情報は前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されているか、いずれかに記憶された割引情報に基づいて、前記割引情報を表示する処理を行なう、
ことを特徴とする構成員間流通ポイント方法。
【請求項1】
コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と通信可能に接続され、コミュニティ構成員間で流通するポイントを管理する構成員間流通ポイント管理装置であって、
出店している構成員に関しての、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段と、
指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段に記録するポイント付与手段と、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させる割引情報表示手段と、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するポイント残高更新手段と、を備えるとともに、
前記割引情報は、前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されているかのいずれかである、
ことを特徴とする構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項2】
SNSの運営者によって運用され、このSNSの構成員が当該システムを構成する構成員であることを特徴とする請求項1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項3】
前記指定行動には、ブログの投稿、ブログへのコメントの投稿、日記の投稿、他の構成員の日記へのコメントの投稿、商品レビューの投稿、他の構成員からの相談への回答、下位のコミュニティの立ち上げおよびコミュニティへの新規参加者の招待が含まれていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項4】
構成員間関係を記憶する手段を備えるとともに
前記割引情報は構成員間関係別に値が設定され、
前記割引情報表示手段は、出店者である構成員と購入者である構成員との関係に対応する割引情報を抽出して表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項5】
構成員ごとにコミュニティへの貢献に関連したコミュニティ内属性を記憶する手段を備えるとともに、前記割引情報はコミュニティ内属性の別に値が設定され、
前記割引情報表示手段は、購入者である構成員のコミュニティ内属性に対応する割引情報を抽出して表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項6】
前記コミュニティ内属性による構成員の分類には、ブログ投稿者、日記投稿者、専門知識を有する相談回答者、他者をコミュニティへ招待した者が含まれることを特徴とする請求項5に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項7】
商品を購入した構成員が販売者である構成員に支払う、ポイントを利用した割引後の対価を決済する決済手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項8】
通信回線を介して外部のデータベース管理装置に接続され、
前記構成員情報記憶手段に格納されるデータの内、少なくともポイント残高が前記データベース管理装置に備えられたポイント残高外部格納手段に記憶されており、前記構成員間流通ポイント管理装置が通信回線を介して前記ポイント残高外部格納手段からデータの読み出し及び書き込みを行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1に記載の構成員間流通ポイント管理装置と、コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群とが通信可能に接続されることによって、コミュニティ構成員間で使用可能なポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する構成員間流通ポイントシステム。
【請求項10】
請求項8に記載の構成員間流通ポイント管理装置と、コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と、外部のデータベース管理装置とが通信可能に接続されることによって、コミュニティ構成員間で使用可能なポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する構成員間流通ポイントシステム。
【請求項11】
コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群と通信可能な構成員間流通ポイント管理装置とによって実現されるコミュニティ内でポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する方法であって、
出店している構成員に関して、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段と、
を備えた前記構成員間流通ポイント管理装置に、
指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別に構成員情報記憶手段に記録するステップと、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させるステップと、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するステップとを実行させるとともに、
前記割引情報は前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されているか、いずれかに記憶された割引情報に基づいて、前記割引情報を表示する処理を行なう、
ことを特徴とする構成員間流通ポイント方法。
【請求項12】
コミュニティ構成員の端末から成る構成員端末群および外部のデータベース管理装置と通信可能な構成員間流通ポイント管理装置とによって実現されるコミュニティ内でポイントを蓄積し、蓄積されたポイントを構成員間で商品の割引に使用する方法であって、
出店している構成員に関して、出店用Webページデータを含む情報を記憶した出店情報記憶手段と、
予め決められた行動(以下、「指定行動」)のそれぞれにポイント値を対応させる行動別ポイント値記憶手段とを備えるとともに、
前記データベース管理装置に備えられたポイント残高外部格納手段にアクセスしてデータの読み出し、書き込みが可能な前記構成員間流通ポイント管理装置に、指定行動をとった構成員に対してそのポイント値を付与し、そのポイント残高を構成員別にポイント残高外部格納手段に記録するステップと、
商品を購入しようとする構成員の構成員端末から前記出店用Webページへのアクセス時に当該構成員のポイント残高と割引情報を前記出店用Webページに表示させるステップと、
商品の購入により使用したポイント値を、前記ポイント残高から減算するステップとを実行させるとともに、
前記割引情報は前記構成員間流通ポイント管理装置の割引情報記憶手段に記憶されているか、あるいは出店している構成員の構成員端末から受信して前記割引情報記憶手段に登録されるか、あるいは前記出店用Webページデータに記述されているか、いずれかに記憶された割引情報に基づいて、前記割引情報を表示する処理を行なう、
ことを特徴とする構成員間流通ポイント方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−60096(P2011−60096A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210533(P2009−210533)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(500481732)株式会社メキキ (15)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(500481732)株式会社メキキ (15)
【出願人】(501091833)メキキ・クリエイツ株式会社 (56)
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