構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法
【課題】管理データリポジトリ間のレコードを同一のものとして関連付けることができる構成情報整合化システムの提供。
【解決手段】複数のコンピュータ01から03毎の管理データリポジトリ11から13に格納された構成情報を収集するCI情報収集機能部33と、CI情報収集機能部33が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベース32と、この統合構成管理データベース32に格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部34とを備え、CI情報解析機能部34が、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出する構成情報整合化システム。
【解決手段】複数のコンピュータ01から03毎の管理データリポジトリ11から13に格納された構成情報を収集するCI情報収集機能部33と、CI情報収集機能部33が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベース32と、この統合構成管理データベース32に格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部34とを備え、CI情報解析機能部34が、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出する構成情報整合化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の管理データリポジトリシステムの構成管理情報を収集して整合することができる構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法に係り、特に複数の管理データリポジトリ(MDR:Management Data Repositories)に存在する関連性の示されていない構成アイテム群における同一の構成アイテム(CI:configuration item)を識別して整合することができる構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータシステムは、管理データリポジトリ(MDR)と呼ばれる複数のデータベースを構成するハードウェア・ソフトウェア・サービスから成るコンピュータシステムの構成アイテム情報を管理しており、この管理対象となる構成アイテム情報は構成管理情報ともいわれる。この構成管理情報は、近年、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に基づいた運用業務を取り入れる企業が増加しているため、IT(情報技術)サービスの構成要素である前記構成アイテム及びそれらの依存関係を記録した構成管理データベース(CMDB)が導入され管理されている。前記ITILを取り入れるためには、例えば、ITILのインシデント管理(ユーザの不満を迅速に解決するための運用管理プロセス)を行う製品と、変更管理を行う製品と、構成管理を行う製品など、ITILのプロセスを実現する運用管理製品等のむ複数の製品を導入する必要があり、それぞれの製品でも構成アイテムの構成管理情報が存在し、これら多数の製品間での構成アイテム情報の重複や相違などの不整合が発生することがある。
【0003】
従来、ITILプロセスを総合的に網羅するツールを用いて複数製品の構成アイテム情報を一元的に管理することが提案されているが、ITILの各プロセス単体を個別に管理する複数のツールを組合せて利用する場合は、その連携は困難となり、個別に構成アイテム情報を登録し、定期的に棚卸しを行って不整合のチェックをするなどの作業が必要である。
【0004】
なお、複数の構成アイテムの属性間の関係を管理しながらシーケンスを生成するシーケンス情報生成に関する技術が記載された文献としては、例えば、下記の特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−67033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術による複数製品の構成管理については、構成管理データベース(CMDB:Configuration Management Database)の業界団体であるCMDB Federation(CMDBf)がCMDBと管理データリポジトリ(MDR)との間でデータ検索やエクスポートを可能にする仕様が検討されており、異種の構成アイテム情報に透過的にアクセスできる環境が整いつつある。しかし、前提として複数システムに存在する同一の構成アイテム情報を同一であるか否かを識別するためには、CMDB上で構成情報間の紐付けを行う必要があり、既存システムが既に稼動している状態では、複数のデータソースに存在する構成アイテム情報を人手で紐付けていく作業が必要となり多大な労力を要するという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、人手を介さず異なるMDR間のレコードを同一のものとして関連付けることができる構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムであって、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記構成アイテム情報解析機能部が、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出することを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムの構成情報整合化方法であって、前記構成アイテム情報解析機能部に、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算した適合率を算出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法によれば、構成アイテム情報解析機能部に、複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算して適合率を算出させ、キー値および前記適合率を用いて、異なるMDR間のレコードを同一のものとして関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による構成情報整合化システムを示す図
【図2】本発明の実施形態による統合CMDB内のCI情報テーブルを示す図
【図3】本発明の実施形態によるMDR1内のCI情報テーブルを示す図
【図4】本発明の実施形態によるMDR2内のCI情報テーブルを示す図
【図5】本発明の実施形態によるキー値テーブルを示す図
【図6】本発明の実施形態によるMDR一覧テーブルを示す図
【図7】本発明の実施形態によるマッピング情報テーブルを示す図
【図8】本発明の実施形態による比較結果表を示す図
【図9】本発明の実施形態による比較結果詳細表を示す図
【図10】本発明の実施形態による構成情報整合化システムの全体処理フローを示す図
【図11】本発明の実施形態によるCI情報解析処理フローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
本実施形態による構成情報整合化システムを含むコンピュータシステムは、図1に示す如く、自己コンピュータの構成アイテム情報を格納するMDR(管理データリポジトリ)11を含むコンピュータ01と、自己コンピュータの構成アイテム情報を格納するMDR(管理データリポジトリ)12を含むコンピュータ02と、自己コンピュータの構成アイテム情報を格納するMDR(管理データリポジトリ)13を含むコンピュータ03と、前記MDR11から13の情報を統括する構成情報整合化システム31と、前記コンピュータ01から03と構成情報整合化システム31とを接続するネットワーク21とを備え、構成情報整合化システム31は、前記MDR11からMDR13に格納した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性を格納する統合構成管理データベース(CMDB)32と、前記MDR11からMDR13の構成アイテムの情報を収集するCI情報収集機能部33と、前記MDR11からMDR13の構成情報間の構成アイテムを解析して整合するCI情報解析機能部34と、この整合結果等を画面表示する画面表示機能部35と、カラム名をキー値とし、このキー値の重要度及び対象のシステムを格納したキー値テーブル(図5)と、個々のMDRに対するMDR名及びそのMDRにおいて有効となる適合率を格納したMDR一覧テーブル(図6)と、個々のMDRに対するホストID及びホスト名を含むマッピング情報を格納したマッピング情報テーブル(図7)とを有する。
【0013】
前記統合CMDB32に格納される構成アイテム関連性情報は、図2及び図1に示す如く、コンピュータ01に対するホストIDと、そのホスト名と、そのホスト説明と、シリアル番号と、IPアドレス(Internet Protocol Address)と、コンピュータの状態を表すステータスと、その基本ソフトウェアの種別と、その用途と、その拠点と、ベンダと登録ユーザとの各項目から構成され、例えば、ホストIDが「1」、ホスト名が「PC001」、IPアドレスが「10,10,10,10」、ステータスが「有功」、種別が「Windows(登録商標)」、用途が「メールサーバ」、拠点が「本社」、ベンダが「ベンダA」、登録ユーザが「ユーザA」の如く格納されている。
【0014】
前記管理データリポジトリ11に格納されるコンピュータ01の構成情報は、図3及び図1に示す如く、コンピュータ01に対するホストIDである「HostId」と、ホスト名である「HostName」と、IPアドレスである「IpAddress」と、状態を示すステータスである「Stautus」の各項目から構成され、例えば、「HostId」が「1」と、「HostName」が「PC0001」、「IpAddress」が「10.10.10.10」、「Stautus」が「利用中」の如く格納されている。
【0015】
前記管理データリポジトリ12に格納されるコンピュータ02の構成情報は、図4及び図1に示す如く、ホストIDと、ホスト名と、IPアドレスと、その説明と、その登録日時の各項目から構成され、例えば、ホストIDが「1001」、ホスト名が「PC001」、IPアドレスが「10.10.10.10」、説明が「メールサーバ」、登録日時が「2010/5/14」の如く格納されている。
【0016】
前記キー値テーブルは、図5に示す如く、カラム名であるキー値と、重要キーか無効キーかを示す種別と、どのシステムが対象かを示す対象の各項目から成り、例えば、キー値が「ホスト名」、種別が「重要」、対象が「ALL(全て)」の如く登録されている。前記MDR一覧テーブルは、図6に示す如く、識別子であるMDR IDと、MDRの名称を示すMDR名と、そのMDRにおいて有効となる適合率の各項目とから成り、例えば、MDR IDが「1」、MDR名が「システム01」、適合率が「60%」の如く格納されている。前記マッピング情報テーブルは、図7に示す如く、対象となるMDR IDに対応したホストIDとホスト名とホスト説明とシリアル番号とIPアドレスとステータスと種別と用途と拠点とベンダと顧客と登録ユーザと備考の各項目から成るカラムのマッピング情報が格納されている。
【0017】
[動作]
次に本実施形態による構成情報整合化システムの全体処理フローを図10を参照して説明する。本実施形態による構成情報整合化システムは、図10及び図1に示す如く、各システムのMDRからCI(構成アイテム)情報を既存の技術を用いて収集するステップ101と、カラムの値がキー値テーブルに格納したキー値と一致するかどうかCI情報を解析するステップ102と、このステップ102による解析結果を画面に表示するステップ103と、手動によるマッピングを行うステップ104と、マッピングされたカラムが存在するか否かを判別し、存在する場合はマッピングの結果をテーブルに格納して前記ステップ102に戻って再度CI情報を解析し、手動によるマッピングされたカラムが存在しない場合は処理を終了するステップ105とを実行する。
【0018】
本実施形態によるCI情報解析機能部34が実行する処理フローは、図11及び図1に示す如く、図6に示したMDR一覧テーブルから解析対象とするシステムを選択するステップ201と、この解析対象と選択した統合CMDBのカラムを選択するステップ202と、選択したカラムがマッピング情報テーブル(図7)に存在するかを判断するステップ203と、このステップ203において存在すると判定したとき、存在したカラムの値がマッピング情報テーブル(図7)の値と一致するか判断し、一致しないと判定したときに前記ステップ202に戻るステップ204と、前記ステップ203において選択したカラムがマッピング情報テーブル(図7)に存在しないと判定したとき、値が一致するカラムが存在するか判断し、存在しないと判定したときに前記ステップ202に戻るステップ205と、このステップ205において存在すると判定したとき又は前記ステップ204において一致すると判定したとき、一致フラグを立てるステップ206と、キー値テーブル(図5)を参照し、カラムが有効か否かを判定する207ステップと、このステップ207においてカラムが有効と判定したとき、無効フラグを立てるステップ208と、前記ステップ207においてカラムが有効と判定したとき、カラムが重要であるか否かを判定するステップ209と、このステップ209において重要と判定したときに重要フラグを立てるステップ210と、これらステップ202から210を統合CMDBのすべてのカラムの処理が終了したときに適合率を「適合率(%)=一致したカラム数/(システムが持つMDRのカラム数−無効なカラム数)」の計算式によって計算するステップ211を実行し、このステップ211による適合率を計算した後、次の解析対象となるシステムについて同様の処理を行い、すべての解析対象となるシステムが終了したとき、処理を終了するように動作する。
【0019】
前記ステップ211によって算出した適合率の比較結果は、例えば、図8に示す如く、ホスト名「P0001」に対するシステム01のコンピュータの適合率が75%、システム02コンピュータの適合率が100%であり、ホスト名「P0002」に対するシステム01のコンピュータの適合率が50%、システム02コンピュータの適合率が100%であり、この比較結果の詳細は、図9に示すとおりである。
【0020】
このように本実施形態による構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法は、キー値および適合率を用いて、異なるMDR間のレコードを同一のものとして関連付けることができる。また、手動によりカラム同士を同じ意味を有するカラムとしてマッピングすることによって、自動化のみの場合より精度の高い関連付けをおこなうことができる。さらに、手動によるマッピング条件を蓄積することによって、関連付けの精度を継続的に向上させていき、回数を重ねる度に精度の高い関連付けを行うことができる。
【符号の説明】
【0021】
01 コンピュータ、02 コンピュータ、03 コンピュータ、
11から13 管理データリポジトリ、21 ネットワーク、
31 構成情報整合化システム、32 統合構成管理データベース(CMDB)、
33 情報収集機能部、34 構成アイテム情報解析機能部、
34 情報解析機能部、35 画面表示機能部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の管理データリポジトリシステムの構成管理情報を収集して整合することができる構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法に係り、特に複数の管理データリポジトリ(MDR:Management Data Repositories)に存在する関連性の示されていない構成アイテム群における同一の構成アイテム(CI:configuration item)を識別して整合することができる構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータシステムは、管理データリポジトリ(MDR)と呼ばれる複数のデータベースを構成するハードウェア・ソフトウェア・サービスから成るコンピュータシステムの構成アイテム情報を管理しており、この管理対象となる構成アイテム情報は構成管理情報ともいわれる。この構成管理情報は、近年、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に基づいた運用業務を取り入れる企業が増加しているため、IT(情報技術)サービスの構成要素である前記構成アイテム及びそれらの依存関係を記録した構成管理データベース(CMDB)が導入され管理されている。前記ITILを取り入れるためには、例えば、ITILのインシデント管理(ユーザの不満を迅速に解決するための運用管理プロセス)を行う製品と、変更管理を行う製品と、構成管理を行う製品など、ITILのプロセスを実現する運用管理製品等のむ複数の製品を導入する必要があり、それぞれの製品でも構成アイテムの構成管理情報が存在し、これら多数の製品間での構成アイテム情報の重複や相違などの不整合が発生することがある。
【0003】
従来、ITILプロセスを総合的に網羅するツールを用いて複数製品の構成アイテム情報を一元的に管理することが提案されているが、ITILの各プロセス単体を個別に管理する複数のツールを組合せて利用する場合は、その連携は困難となり、個別に構成アイテム情報を登録し、定期的に棚卸しを行って不整合のチェックをするなどの作業が必要である。
【0004】
なお、複数の構成アイテムの属性間の関係を管理しながらシーケンスを生成するシーケンス情報生成に関する技術が記載された文献としては、例えば、下記の特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−67033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術による複数製品の構成管理については、構成管理データベース(CMDB:Configuration Management Database)の業界団体であるCMDB Federation(CMDBf)がCMDBと管理データリポジトリ(MDR)との間でデータ検索やエクスポートを可能にする仕様が検討されており、異種の構成アイテム情報に透過的にアクセスできる環境が整いつつある。しかし、前提として複数システムに存在する同一の構成アイテム情報を同一であるか否かを識別するためには、CMDB上で構成情報間の紐付けを行う必要があり、既存システムが既に稼動している状態では、複数のデータソースに存在する構成アイテム情報を人手で紐付けていく作業が必要となり多大な労力を要するという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、人手を介さず異なるMDR間のレコードを同一のものとして関連付けることができる構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために請求項1記載の本発明は、コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムであって、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記構成アイテム情報解析機能部が、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出することを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムの構成情報整合化方法であって、前記構成アイテム情報解析機能部に、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算した適合率を算出させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明による構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法によれば、構成アイテム情報解析機能部に、複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算して適合率を算出させ、キー値および前記適合率を用いて、異なるMDR間のレコードを同一のものとして関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による構成情報整合化システムを示す図
【図2】本発明の実施形態による統合CMDB内のCI情報テーブルを示す図
【図3】本発明の実施形態によるMDR1内のCI情報テーブルを示す図
【図4】本発明の実施形態によるMDR2内のCI情報テーブルを示す図
【図5】本発明の実施形態によるキー値テーブルを示す図
【図6】本発明の実施形態によるMDR一覧テーブルを示す図
【図7】本発明の実施形態によるマッピング情報テーブルを示す図
【図8】本発明の実施形態による比較結果表を示す図
【図9】本発明の実施形態による比較結果詳細表を示す図
【図10】本発明の実施形態による構成情報整合化システムの全体処理フローを示す図
【図11】本発明の実施形態によるCI情報解析処理フローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
本実施形態による構成情報整合化システムを含むコンピュータシステムは、図1に示す如く、自己コンピュータの構成アイテム情報を格納するMDR(管理データリポジトリ)11を含むコンピュータ01と、自己コンピュータの構成アイテム情報を格納するMDR(管理データリポジトリ)12を含むコンピュータ02と、自己コンピュータの構成アイテム情報を格納するMDR(管理データリポジトリ)13を含むコンピュータ03と、前記MDR11から13の情報を統括する構成情報整合化システム31と、前記コンピュータ01から03と構成情報整合化システム31とを接続するネットワーク21とを備え、構成情報整合化システム31は、前記MDR11からMDR13に格納した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性を格納する統合構成管理データベース(CMDB)32と、前記MDR11からMDR13の構成アイテムの情報を収集するCI情報収集機能部33と、前記MDR11からMDR13の構成情報間の構成アイテムを解析して整合するCI情報解析機能部34と、この整合結果等を画面表示する画面表示機能部35と、カラム名をキー値とし、このキー値の重要度及び対象のシステムを格納したキー値テーブル(図5)と、個々のMDRに対するMDR名及びそのMDRにおいて有効となる適合率を格納したMDR一覧テーブル(図6)と、個々のMDRに対するホストID及びホスト名を含むマッピング情報を格納したマッピング情報テーブル(図7)とを有する。
【0013】
前記統合CMDB32に格納される構成アイテム関連性情報は、図2及び図1に示す如く、コンピュータ01に対するホストIDと、そのホスト名と、そのホスト説明と、シリアル番号と、IPアドレス(Internet Protocol Address)と、コンピュータの状態を表すステータスと、その基本ソフトウェアの種別と、その用途と、その拠点と、ベンダと登録ユーザとの各項目から構成され、例えば、ホストIDが「1」、ホスト名が「PC001」、IPアドレスが「10,10,10,10」、ステータスが「有功」、種別が「Windows(登録商標)」、用途が「メールサーバ」、拠点が「本社」、ベンダが「ベンダA」、登録ユーザが「ユーザA」の如く格納されている。
【0014】
前記管理データリポジトリ11に格納されるコンピュータ01の構成情報は、図3及び図1に示す如く、コンピュータ01に対するホストIDである「HostId」と、ホスト名である「HostName」と、IPアドレスである「IpAddress」と、状態を示すステータスである「Stautus」の各項目から構成され、例えば、「HostId」が「1」と、「HostName」が「PC0001」、「IpAddress」が「10.10.10.10」、「Stautus」が「利用中」の如く格納されている。
【0015】
前記管理データリポジトリ12に格納されるコンピュータ02の構成情報は、図4及び図1に示す如く、ホストIDと、ホスト名と、IPアドレスと、その説明と、その登録日時の各項目から構成され、例えば、ホストIDが「1001」、ホスト名が「PC001」、IPアドレスが「10.10.10.10」、説明が「メールサーバ」、登録日時が「2010/5/14」の如く格納されている。
【0016】
前記キー値テーブルは、図5に示す如く、カラム名であるキー値と、重要キーか無効キーかを示す種別と、どのシステムが対象かを示す対象の各項目から成り、例えば、キー値が「ホスト名」、種別が「重要」、対象が「ALL(全て)」の如く登録されている。前記MDR一覧テーブルは、図6に示す如く、識別子であるMDR IDと、MDRの名称を示すMDR名と、そのMDRにおいて有効となる適合率の各項目とから成り、例えば、MDR IDが「1」、MDR名が「システム01」、適合率が「60%」の如く格納されている。前記マッピング情報テーブルは、図7に示す如く、対象となるMDR IDに対応したホストIDとホスト名とホスト説明とシリアル番号とIPアドレスとステータスと種別と用途と拠点とベンダと顧客と登録ユーザと備考の各項目から成るカラムのマッピング情報が格納されている。
【0017】
[動作]
次に本実施形態による構成情報整合化システムの全体処理フローを図10を参照して説明する。本実施形態による構成情報整合化システムは、図10及び図1に示す如く、各システムのMDRからCI(構成アイテム)情報を既存の技術を用いて収集するステップ101と、カラムの値がキー値テーブルに格納したキー値と一致するかどうかCI情報を解析するステップ102と、このステップ102による解析結果を画面に表示するステップ103と、手動によるマッピングを行うステップ104と、マッピングされたカラムが存在するか否かを判別し、存在する場合はマッピングの結果をテーブルに格納して前記ステップ102に戻って再度CI情報を解析し、手動によるマッピングされたカラムが存在しない場合は処理を終了するステップ105とを実行する。
【0018】
本実施形態によるCI情報解析機能部34が実行する処理フローは、図11及び図1に示す如く、図6に示したMDR一覧テーブルから解析対象とするシステムを選択するステップ201と、この解析対象と選択した統合CMDBのカラムを選択するステップ202と、選択したカラムがマッピング情報テーブル(図7)に存在するかを判断するステップ203と、このステップ203において存在すると判定したとき、存在したカラムの値がマッピング情報テーブル(図7)の値と一致するか判断し、一致しないと判定したときに前記ステップ202に戻るステップ204と、前記ステップ203において選択したカラムがマッピング情報テーブル(図7)に存在しないと判定したとき、値が一致するカラムが存在するか判断し、存在しないと判定したときに前記ステップ202に戻るステップ205と、このステップ205において存在すると判定したとき又は前記ステップ204において一致すると判定したとき、一致フラグを立てるステップ206と、キー値テーブル(図5)を参照し、カラムが有効か否かを判定する207ステップと、このステップ207においてカラムが有効と判定したとき、無効フラグを立てるステップ208と、前記ステップ207においてカラムが有効と判定したとき、カラムが重要であるか否かを判定するステップ209と、このステップ209において重要と判定したときに重要フラグを立てるステップ210と、これらステップ202から210を統合CMDBのすべてのカラムの処理が終了したときに適合率を「適合率(%)=一致したカラム数/(システムが持つMDRのカラム数−無効なカラム数)」の計算式によって計算するステップ211を実行し、このステップ211による適合率を計算した後、次の解析対象となるシステムについて同様の処理を行い、すべての解析対象となるシステムが終了したとき、処理を終了するように動作する。
【0019】
前記ステップ211によって算出した適合率の比較結果は、例えば、図8に示す如く、ホスト名「P0001」に対するシステム01のコンピュータの適合率が75%、システム02コンピュータの適合率が100%であり、ホスト名「P0002」に対するシステム01のコンピュータの適合率が50%、システム02コンピュータの適合率が100%であり、この比較結果の詳細は、図9に示すとおりである。
【0020】
このように本実施形態による構成情報整合化システム及び構成情報整合化方法は、キー値および適合率を用いて、異なるMDR間のレコードを同一のものとして関連付けることができる。また、手動によりカラム同士を同じ意味を有するカラムとしてマッピングすることによって、自動化のみの場合より精度の高い関連付けをおこなうことができる。さらに、手動によるマッピング条件を蓄積することによって、関連付けの精度を継続的に向上させていき、回数を重ねる度に精度の高い関連付けを行うことができる。
【符号の説明】
【0021】
01 コンピュータ、02 コンピュータ、03 コンピュータ、
11から13 管理データリポジトリ、21 ネットワーク、
31 構成情報整合化システム、32 統合構成管理データベース(CMDB)、
33 情報収集機能部、34 構成アイテム情報解析機能部、
34 情報解析機能部、35 画面表示機能部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムであって、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記構成アイテム情報解析機能部が、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出する構成情報整合化システム。
【請求項2】
コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムの構成情報整合化方法であって、前記構成アイテム情報解析機能部に、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出させる構成情報整合化方法。
【請求項1】
コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムであって、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記構成アイテム情報解析機能部が、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出する構成情報整合化システム。
【請求項2】
コンピュータを構成する構成アイテムの構成情報を格納する管理データリポジトリを含む複数のコンピュータと接続され、前記複数の管理データリポジトリに格納された構成アイテムの構成情報を収集する構成アイテム情報収集機能部と、前記構成アイテム情報収集機能部が収集した構成情報に含まれる構成アイテムの関連性をカラムとして格納する統合構成管理データベースと、前記統合構成管理データベースに格納された複数の管理データリポジトリ間の構成アイテムを解析して整合する構成アイテム情報解析機能部とを備え、前記複数コンピュータの管理データリポジトリの構成情報を統括する構成情報整合化システムの構成情報整合化方法であって、前記構成アイテム情報解析機能部に、前記複数のコンピュータ毎に、一方のコンピュータと他方のコンピュータとの間において一致したカラム数の値を、一方のコンピュータが有する管理データリポジトリのカラム数から無効なカラム数を減算した値で除算することによって、適合率を算出させる構成情報整合化方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−123468(P2012−123468A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−271716(P2010−271716)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
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