説明

構造物の監視装置及び監視方法

【課題】疲労における上記の課題に対して、人間が行う検査を補完し、効果的かつ効率的な維持管理を行うことができる構造物の監視装置を提供する。
【解決手段】監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、構造物の表面に導電性材料により形成された導線と、発電手段によって発電された電力を使用して導線の通電状態を検出する検出手段と、発電手段によって発電された電力を使用して、検出手段において検出された導線の通電状態を示す情報を送信する送信手段と、車両に備えられ、送信手段が送信した導線の通電状態を示す情報を受信する受信手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道構造物等の疲労き裂の発生状況を監視する監視装置及び監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼橋における主要な変状には疲労と腐食があり、鋼橋を100年のオーダーで供用し続けるためには、これらの変状に適切に対処していく必要がある。鋼鉄道橋では、「鉄道構造物等維持管理標準・同解説(構造物編鋼・合成構造物)」に定められている全般検査によって、疲労や腐食といった変状の発生の捕捉、もしくは進行の程度を把握している。全般検査において変状が認められた場合は、さらに個別検査を実施し、変状の程度の詳細な把握、変状原因の究明、補修・補強方法の検討などを行う。ここでいう全般検査とは、通常全般検査と特別全般検査に区分され、通常全般検査は橋側歩道や桁下からの目視によって行う検査であり、特別全般検査は足場等を利用して近接した状態で目視を行う検査である。2年に一度全般検査を実施することが義務付けられているが、一般的には通常全般検査を行なっており、塗装の塗替え時にその足場を利用して特別全般検査を行なっている。
【0003】
腐食に対する検査では、発生部位を捕捉し、腐食面積および板厚減耗量によって腐食の状態を把握している。発生部位の検知や腐食面積の把握については、目視によって十分捉えることが可能であり、板厚減耗量についてはキャリパーや超音波板厚計等の簡易な計測器により捉えることができる。また、腐食の進行の程度は、2年に一度の全般検査で得られた結果の推移から判断することで、充分に効果的な維持管理を行うことが可能である。 一方、疲労については、発生した疲労き裂を全般検査によって発見している。疲労き裂が微細であるため見逃す可能性もあるが、一度の見落としでは列車の走行を阻害するような重大な状態には進行しないように検査周期を定めているのが現状である。
【0004】
なお、先行技術として、亀裂先端の応力を求め、疲労度を検知し、破壊の危険性を診断する圧電材料を用いた亀裂の危険度診断方法知られている(例えば、特許文献1参照)。また、圧電素子を用いた発電装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−098626号公報
【特許文献2】特開2006−129602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、疲労き裂の進展は、腐食などの進行と比べて一般的に早く、簡易な補修・補強で済ます等の効果的な維持管理を実現するためには、より早期に発生き裂を捕捉することが望ましく、また、予防保全の観点から言えば、繰返し生じる応力によって累積する疲労を捉え、疲労き裂の発生を予測し事前に対策を行うことも望ましいが、目視を主体とした全般検査では累積する疲労を把握することは困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、疲労における上記の課題に対して、人間が行う検査を補完し、効果的かつ効率的な維持管理を行うことができる構造物の監視装置及び監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、前記構造物の表面に導電性材料により形成された導線と、前記発電手段によって発電された電力を使用して前記導線の通電状態を検出する検出手段と、前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記検出手段において検出された前記導線の通電状態を示す情報を送信する送信手段と、前記車両に備えられ、前記送信手段が送信した前記導線の通電状態を示す情報を受信する受信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、前記発電手段は、前記振動による運動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、前記発電手段は、前記振動による運動エネルギーによりコイルまたはマグネットを動かし、コイルに交差する磁束変化により、コイルに起電力を発生させることを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記検出手段は、前記導線の抵抗値変化に基づいて、前記導線の通電状態を検出することを特徴とする。
【0011】
本発明は、前記発電手段は、前記構造物上を車両が走行した場合に発生する振動に共振するように前記構造物に固定されていることを特徴とする。
【0012】
本発明は、監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、前記構造物に設けられたセンサと、前記発電手段によって発電された電力を使用して前記センサの出力を読み取る検出手段と、前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記検出手段において検出された前記センサ出力情報を送信する送信手段と、前記車両に備えられ、前記送信手段が送信した前記センサ出力情報を受信する受信手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、前記構造物の表面に導電性材料により形成された導線とを備えた監視装置における監視方法であって、前記発電手段によって発電された電力を使用して前記導線の通電状態を検出する検出ステップと、前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記検出された前記導線の通電状態を示す情報を送信する送信ステップと、前記車両において、前記送信した前記導線の通電状態を示す情報を受信する受信ステップとを有することを特徴とする。
【0014】
本発明は、監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、前記構造物に設けられたセンサとを備えた監視装置における監視方法であって、前記発電手段によって発電された電力を使用して前記センサの出力情報を読み取る検出ステップと、前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記センサ出力情報を送信する送信ステップと、前記車両において、前記送信した前記センサ出力情報を受信する受信ステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、導電性表面材料によって形成された導線を、疲労き裂が発生しやすい箇所の表面に設けておき、この導線の通電状態に基づいて疲労き裂を検知するようにしたため、疲労き裂が発生した部位が、橋側歩道や桁下からでは直接目視できないような位置である場合であってもき裂の発生を検知することが可能である。また、圧電素子を用いて、構造物の振動によって発電を行い、この発電電力を使用して、き裂の検出及びき裂の検出状況を示す情報の送信を行うようにしたため、山間部や非電化区間等の商用電源を利用できない地域の構造物であってもき裂の検知を行うことが可能である。また、き裂の検出状況を示す情報の受信を、構造物の上を走行する鉄道車両において受信するようにしたため、検査員が検査対象の構造物に出向く必要がなくなり、検査コストを大幅に削減することができるという効果が得られる。また、車両通過時に検知データを回収することができるようになるため、有線もしくは無線の機器を構造物に設置して検知結果を遠隔地の事務所等に送信する等の装置を省くことができ、監視装置の構成を簡単にすることができる。このため、監視装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態による監視装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、鉄道鋼橋の桁である。符号2は、鉄道鋼橋の桁1上に敷かれたレールである。符号3は、レール2上を走行する鉄道車両(以下、車両と称する)である。符号11は、振動を与えることにより起電するピエゾ素子から構成する発電部である。符号12は、桁1の表面の塗膜としての性能を有しつつ、導電性を有する導電性表面材料を塗布することによって形成された導線である。符号13は、導線12の通電状態を検出する検出部である。符号14、15は、発電部11及び検出部13と導線12を接続するための接続端子である。符号16は、検出部13が検出した導線12の通電状態の情報を無線で送信する送信部である。符号31は、車両3内に設けられ、送信部16が送信した通電状態情報を受信する無線で受信部である。符号32は、ディスプレイ装置等で構成され、受信部31が受信した通電状態情報を表示する表示部である。符号33は、フラッシュメモリ等で構成され、受信部31が受信した通電状態情報を記憶する記憶部である。
【0017】
ここで、導電性表面材料を用いて桁1の表面に形成された導線12について説明する。導線12の用途として、疲労き裂発生検知を目的とした用途と、疲労き裂の進展検知を目的とした用途の2種類の用途がある。疲労き裂発生検知を目的とした場合の導電性表面材料には金属系顔料(銀・銀被覆銅粉末)を使用し、また、疲労き裂の進展検知を目的とした場合の導電性表面材料には炭素系顔料(カーボンブラック)を使用する。それぞれの顔料は、銀、銅、ニッケルや、グラファイト、カーボンブラック等の種々の材料を用いて導電性表面材料を作製し、造膜性、作業性および体積抵抗率等をパラメータとして検討した上で選定することが望ましい。橋梁の塗装は下塗、中塗、上塗に分類され、複数層で構成されているが、導電性表面材料は中塗、もしくは下塗の2層目に塗布する。
【0018】
導電性表面材料を橋梁を構成する部材に塗布しておき、疲労き裂が発生もしくは進展した場合に、き裂上の導電性表面材料が発生したき裂に沿って割れるため、この時に変化する導電性表面材料の電気的抵抗の変化を捉えて、疲労き裂の発生もしくは進展を検知することによって、疲労き裂発生検知または疲労き裂の進展検知を検知することができる。
【0019】
次に、図1に示す監視装置における疲労き裂検知の原理を簡単に説明する。導線12は、疲労き裂の生じやすい箇所に、導電性表面材料を細線状に一筆書き(分岐がない状態)で塗布することにより形成する。そして、この導線12の断線(通電状態ではなくなること)を検出することによって疲労き裂の発生を検知する。導線12の断線を検出するだけのため、測定機器類を使用しなくて済む特徴を有している。また、山間部や非電化区間等において商用電源を利用できない場合を想定して、鉄道車両通過時の鋼桁の振動から起電する圧電素子(ピエゾ素子)に発電を行い、この電力を電源として用いる。また、検出結果を検出部13が取り付けられている桁1上を走行している車両3に対して、通電状態情報を送信するようにしたため、圧電素子で発電した電力で十分に情報送信を行うことができる。
【0020】
次に、図2を参照して、図1に示す発電部11の構成を説明する。発電部11は、圧電セラミックスを用いた発電(ピエゾ発電)を行うものであり、圧電セラミックスに加えられた運動エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換することで効率よく発電を行うことができる。この発電部11には、例えば、特許文献2に記載の圧電発電装置を用いることができる。図2は、発電部11に対して、桁1の振動を効率良く伝えるための構成を示す図である。この図に示すように、発電部11は、一方の端部が桁1に固定され、他方の端部に質量11bが固定された板バネ11aに取り付けられる。このとき、発電部11は、板バネ11aのバネ定数、質量11bとの関係から決まる固有振動数に基づいて、桁1の振動と共振する位置になるように調整して取り付ける。このように、発電部11を板バネ11aに固定することにより、桁1の振動を効率よく発電部11に対して伝えることができるため、発電部11において十分な発電量を得ることが可能となる。
【0021】
次に、図1を参照して、監視装置の動作を説明する。まず、発電部11は、車両3が桁1上を走行していないときは、桁1に振動が発生しないため、発電を行わない。一方、桁1上を車両3が通過すると、発電部11は、桁1に発生する振動によって発電が行われ、導線12内に電流が流れる。検出部13は、通電状態(断線の有無)を検出する。図3に示すように、桁1に疲労き裂が発生していた場合、導線12は、き裂1aによって断線が発生する。検出部13は、この断線発生を検出することによってき裂発生を検知することができる。検出部13は通電状態を検出した結果得られる通電状態情報を送信部16へ出力する。送信部16は、発電部11が桁1の振動によって発電した電力を使用して、検出部13から出力される通電状態情報を無線通信によって送信する。このとき、桁1上を通過している車両3に搭載されている受信部31は、送信部16が送信した通電状態情報(断線あり/なしの1ビットの情報)を受信する。
【0022】
そして、受信部31は、記憶部31に車両3を識別する情報と、時刻情報と、受信した通電状態情報とを関係付けて記憶する。また、受信部31は、受信した通電状態情報を表示部32に表示する。この表示は、車両3に乗車している検査員が目視によって確認するものである。車両3が出発点から終着点まで走行することにより、出発点から終着点までの経路上の各橋梁の桁1に取り付けられた監視装置から送信された通電状態情報が記憶部33に記憶されることになる。記憶部33に記憶されている情報を分析することにより、各橋梁のき裂発生を検知することが可能となる。
【0023】
なお、検出部13は、図3に示すように、き裂1bの状態に応じて変化する抵抗値の変化を検出して、き裂の発生検出を行うようにしてもよい。また、導電性表面材料を構造物の表面に塗布するのに代えて、導電性材料を用いた導線等を構造物の表面に形成し、この導線の通電状態を検知するようにしてもよい。
【0024】
また、疲労き裂が発生し補修・補強を行う必要がある場合に、施工するまでに年単位で時間を要す状況では、疲労き裂が重大な長さ(例えば脆性破壊を誘起し部材を破断させてしまうような長さ)に進展していないことを、頻繁に確認する必要がある。このような場合、疲労き裂(図3に示す符号1c)の端部近傍に新たに導電性表面材料を塗布しておくことにより、き裂の進展を検知するようにしてもよい。さらに、疲労き裂の進展を検知する場合、導電性表面材料を疲労き裂の発生した部位に面状に塗布し、疲労き裂の進展によって導電性表面材料の断面積が減じられた時の電気的な抵抗値の変化を捉えることによって、疲労き裂の進展量を検知するようにしてもよい。
【0025】
また、前述した説明においては、導線12の通電状態に基づいて、疲労き裂検出の例を説明したが、導線12に代えて歪み等を検出するセンサを構造物に取り付け、このセンサの出力を発電部11によって発電した電力によってセンサ検出回路(検出部13に相当)を駆動し、このセンサ検出回路の出力を送信部16によって送信するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、地震時に被る大きなひずみ等を検出することも可能となる。
【0026】
なお、発電部11は、圧電素子に代えて、振動による運動エネルギーによりコイルまたはマグネットを動かし、コイルに交差する磁束変化により、コイルに起電力を発生させることで必要な電力を得るようにしてもよい。
【0027】
また、前述した説明においては、橋梁を例にして説明したが、き裂の検知対象は、橋梁に限らず、法面やトンネルの内面等であってもよい。また、構造物の上を走行する車両についても鉄道に限らず、自動車等であってもよい。
【0028】
<導電性表面材料の性能確認試験>
次に、導電性表面材料の性能確認試験結果について説明する。導電性表面材料に要求される性能には、鋼材に発生したき裂に伴って表面材料も破壊されること(き裂視認性)、表面材料の導電性が屋外での長期間の使用で変化しないこと(耐久性)、疲労き裂の進展に伴って破壊された導電性表面材料の抵抗値の変化と疲労き裂の進展量に相関があること(き裂の進展検知性)等が挙げられる。ここでは、耐久性とき裂の進展検知性について実施した試験結果を示す。
【0029】
(1)耐久性試験
耐久性は促進劣化試験によって確認した。実際に橋梁に施工する場合の耐久性評価を行うという観点から、「財団法人鉄道総合技術研究所編集:鋼構造物塗装設計施工指針、研友社、2005」に記されている一般環境で15年以上の長期耐久性が期待できる塗装系の中塗の一部に導電性表面材料を使用した試験片を作製し、電気特性の耐久性を評価した。この結果、促進劣化試験中の電気抵抗値の変化率はいずれも5%以内に収まっている結果が得られた。鋼橋の立地環境は千差万別であるため、促進試験のサイクル数と実環境における期間とを対応させることはできないが、導電性表面材料を実環境において使用した場合でもその電気的な抵抗値の変化は微小であることが示唆された。
【0030】
(2)き裂の進展検知性の確認試験
疲労き裂の進展検知性は、撤去された実橋梁から切り出した桁を用いて疲労試験を行い、発生した疲労き裂の部位に導電性表面材料を塗布し、電気抵抗値を測定することによって確認した。この結果、疲労き裂が進展するにしたがって導電性表面材料の抵抗値が大きくなる結果が得られ、導電性表面材料を用いて疲労き裂の進展が検知可能であることが確認できた。
なお、導電性表面材料の膜厚によっても抵抗値が変化するため、疲労き裂の進展量と抵抗値の変化量との相関を正確に捉えるためには、導電性表面材料の膜厚を一定にすることが望ましいという結果が得られた。
【0031】
このように、導電性表面材料によって形成された導線を、疲労き裂が発生しやすい箇所の表面に設けておき、この導線の断線または抵抗値変化を検出することによって疲労き裂を検知するようにしたため、疲労き裂が発生した部位が、橋側歩道や桁下からでは直接目視できないような位置である場合であってもき裂の発生を検知することが可能である。また、圧電素子を用いて、構造物の振動によって発電を行い、この発電電力を使用して、き裂の検出及びき裂の検出状況を示す情報の送信を行うようにしたため、山間部や非電化区間等の商用電源を利用できない地域の構造物であってもき裂の検知を行うことが可能である。また、き裂の検出状況を示す情報の受信を、構造物の上を走行する鉄道車両において受信するようにしたため、検査員が検査対象の構造物に出向く必要がなくなり、検査コストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す発電部11の詳細な構成を示す説明図である。
【図3】図1に示す桁1に発生した疲労き裂の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1・・・桁、11・・・発電部、12・・・検出部、13・・・送信部、14、15・・・接続端子、16・・・導電性表面材料、2・・・レール、3・・・車両、31・・・受信部、32・・・表示部、33・・・記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、
前記構造物の表面に導電性材料により形成された導線と、
前記発電手段によって発電された電力を使用して前記導線の通電状態を検出する検出手段と、
前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記検出手段において検出された前記導線の通電状態を示す情報を送信する送信手段と、
前記車両に備えられ、前記送信手段が送信した前記導線の通電状態を示す情報を受信する受信手段と
を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項2】
前記発電手段は、前記振動による運動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電素子を備えたことを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記発電手段は、前記振動による運動エネルギーによりコイルまたはマグネットを動かし、コイルに交差する磁束変化により、コイルに起電力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記導線の抵抗値変化に基づいて、前記導線の通電状態を検出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の監視装置。
【請求項5】
前記発電手段は、前記構造物上を車両が走行した場合に発生する振動に共振するように前記構造物に固定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の監視装置。
【請求項6】
監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、
前記構造物に設けられたセンサと、
前記発電手段によって発電された電力を使用して前記センサの出力を読み取る検出手段と、
前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記検出手段において検出された前記センサ出力情報を送信する送信手段と、
前記車両に備えられ、前記送信手段が送信した前記センサ出力情報を受信する受信手段と
を備えたことを特徴とする監視装置。
【請求項7】
監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、前記構造物の表面に導電性材料により形成された導線とを備えた監視装置における監視方法であって、
前記発電手段によって発電された電力を使用して前記導線の通電状態を検出する検出ステップと、
前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記検出された前記導線の通電状態を示す情報を送信する送信ステップと、
前記車両において、前記送信した前記導線の通電状態を示す情報を受信する受信ステップと
を有することを特徴とする構造物の監視方法。
【請求項8】
監視対象の構造物上を車両が走行することにより発生する振動に応じて発電する発電手段と、前記構造物に設けられたセンサとを備えた監視装置における監視方法であって、
前記発電手段によって発電された電力を使用して前記センサの出力情報を読み取る検出ステップと、
前記発電手段によって発電された電力を使用して、前記センサ出力情報を送信する送信ステップと、
前記車両において、前記送信した前記センサ出力情報を受信する受信ステップと
を有することを特徴とする構造物の監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−209283(P2008−209283A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47099(P2007−47099)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(393012725)株式会社ユーエスシー (17)
【Fターム(参考)】