説明

横軸に沿い間隔をおいて配置された2つのタブを有する熱電対及び方法

【課題】導電性基板が基板を通して電流を流すことによって加熱されている状況において導電性基板の一領域の温度を決定するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】温度を決定するための方法は、電流の流れる方向を横切る軸に沿って相互に間隔をおいて配置された第1のタブ素子203及び第2のタブ素子205を有する熱電対201を用いる。装置は導電性基板207及び、基板207を通って流れる電流により基板を加熱するように構成された、直接加熱装置209を備える。装置は、電流の流れる方向213を横切る軸に沿って相互に間隔をおいて配置された、熱電対の第1の結合位置及び第2の結合位置を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、全般的には熱電対に関わり、さらに詳しくは、導電性基板の一領域の温度を決定するための装置及び方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
直接加熱された装置の温度を、熱電対を用いて測定することが、様々な用途において望ましい。エイデルスバーグ(Adelsberg)等の特許文献1には低められた熱電対ドリフトレベルを示す熱電対回路が開示されている。特許文献1には、互いに間隔をおいて配置された第1及び第2のタブ素子を有する熱電対が開示されている。
【0003】
図1は、導電性基板107に取り付けられた第1のタブ素子103及び第2のタブ素子105を有する熱電対101の従来の配置の略図を示す。導電性基板107は、基板を通って流れる電流によって基板を加熱するように構成された直接加熱装置109に動作可能な態様で接続される。図示されるように、タブ素子103,105は基板を通って流れる電流の方向113に平行な水平軸111に沿って互いに間隔をおいて配置される。
【0004】
特許文献1に説明されているように、間隔をおいて配置されたタブは熱電対ドリフトレベルを低めるに有用である。しかし、図1に示されるように間隔をおいて素子を配置すると、少なくともある程度は、間隔をおかれて配置されたタブ102,105の軸111に沿う方向113の電流の流れによる、過剰なEMF(起電力)雑音が示され得る。熱電対は一般に温度とともに変化するEMF信号を発生する。EMF信号は熱電対の動作に干渉する過剰な信号雑音を生じさせ得る。例えば、1650℃において従来のB熱電対は11.848mVDCのEMFを発生することができる。同じ温度において従来のS熱電対は17.366mVDCのEMFを発生することができる。図1に示される方位に間隔をおいて熱電対のタブ素子を配置することで、追加の過剰EMF信号雑音(例えば追加の64.8mVDC)が、タイプB及びタイプSの熱電対が通常発生するEMF信号雑音に重ねて発生され得る。この過剰信号雑音は4℃〜5℃の信号雑音に相当し得る。4℃〜5℃の信号雑音は不正確な基板温度読み値を生じさせることができ、よってモニタリングまたは制御の能力における熱電対の用法を複雑にし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0175304号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、直接加熱されている導電性基板の一領域の熱電対による温度測定における過剰EMF信号雑音の発生を抑制する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
詳細な説明に述べられるいくつかの態様例の基本的理解を提供するため、本開示の簡潔な要約が以下に提供される。
【0008】
一態様例において、導電性基板の一領域の温度を決定するための方法は、第1の熱電気材料で形成され、第1の近端及び第1の遠端を有する、第1の熱電気素子を備える熱電対を提供する工程を含む。本方法はさらに、第2の熱電気材料で形成され、第2の近端及び第2の遠端を有する、第2の熱電気素子を提供する。本方法はさらに、第1及び第2の熱電気素子のそれぞれの近端を、それぞれ第1の中間タブ素子及び第2の中間タブ素子を介して導電性基板の一領域に結合させることによって、熱電対回路を形成する工程を含む。第1及び第2のタブ素子はそれぞれ、第1及び第2の熱電気材料と実質的に同じ組成を有する。第1及び第2のタブ素子は、第1及び第2の近端が物理的に相互接触しないように、間隔をおかれて配置される。本方法はさらに、導電性基板を通して電流を流すことによって導電性基板を加熱する工程を含む。第1のタブ素子及び第2のタブ素子は電流の方向を横断する軸に沿って互いに間隔をおいて配置される。本方法はさらに、形成された熱電対回路によって与えられる電圧を定量する工程を含み、電圧は導電性基板のその領域内の温度を示す。
【0009】
別の態様例において、装置は、導電性基板及び、基板を通して電流を流すことで基板を加熱するように構成された、直接加熱装置を備える。本装置はさらに、第1の熱電気材料で形成され、第1の近端及び第1の遠端を有する、第1の熱電気素子を備える。第1の近端は、第1の結合位置において第1の熱電気材料で形成された第1の中間タブ素子を介して、導電性基板に結合される。本装置はさらに、第2の熱電気材料で形成され、第2の近端及び第2の遠端を有する、第2の熱電気素子を備える。第2の近端は、第2の結合位置において第2の熱電気材料で形成された第2の中間タブ素子を介して、導電性基板に結合される。第1及び第2の結合位置は物理的に合同されず、電流の方向を横断する軸に沿って互いに間隔をおいて配置される。本装置はさらに、第1の遠端及び第2の遠端に電気的に接続された電圧測定装置を備える。
【0010】
上記及びその他の態様は、添付図面を参照して、以下の詳細な説明を読めば、一層良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は熱電対の従来配置の略図である。
【図2】図2は本開示の様々な態様にしたがう熱電対の例の配置の略図である。
【図3】図3は図2に示される熱電対を含む熱電対回路の例の略図である。
【図4】図4は図2及び3に示される熱電対の例の拡大上面図である。
【図5】図5は図3にしたがう熱電対回路の例の一部分を示す斜視図である。
【図6】図6は、熱電対回路の例の一部分を簡略に示し、最小の基板との接触面積を有するタブ素子の一実施形態を示す。
【図7】図7は本発明の一実施形態にしたがう別の熱電対回路である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以降、実施形態例が示されている添付図面を参照して例をさらに十分に説明する。可能であれば必ず、図面を通して同じ参照数字が同じかまたは同様の要素を指して用いられる。しかし、態様は多くの様々な形態で具現化することができ、本明細書に述べられる実施形態に限定されると解されるべきではない。
【0013】
本開示の様々な態様は特許文献1に説明されている熱電対及び基板を備える装置とともに用いることができる。特許文献1はその全体が本明細書に参照として含まれる。図2は本開示の様々な態様にしたがう熱電対201の配置を簡略に示す。熱電対201は導電性基板207に取り付けられた第1及び第2のタブ素子203,205を有する。導電性基板207は、導電性基板307を通して電流を流すことで基板を加熱するように構成された、直接加熱装置209に動作可能な態様で接続することができる。図示されるように、第1及び第2のタブ素子203,205は、電流が流れる方向213を横断する軸211に沿って、間隔をおかれて配置される。横断軸211は、方向213に対して広い範囲の角度をなして延びることができる。例えば、横断軸211が電流の流れる方向213と平行にならず、電流の流れる方向213と一致しない角度を方向213に対してなすように、横断軸211の方位を定めることができる。例えば、図示されるように、横断軸211は、角度‘A’が約90°であるように、電流の流れる方向213に実質的に直交する。他の例では、横断軸211と方向213の間の角度‘A’は、約60°〜約90°,約70°〜約90°,約80°〜約90°または約85°〜約90°のような、約45°〜約90°の角度またはその他の角度とすることができる。
【0014】
図2の参照を続ければ、横断軸211に沿って互いに間隔をおかれて配置された第1及び第2のタブ素子203,205を有する熱電対201の方位により、B熱電対またはS熱電対が通常発生するEMF信号雑音に重なって発生し得る過剰EMF雑音を低減または排除することができる。さらに詳しくは、(例えば図2に示されるように)電流の流れる方向に対して横断する方向に熱電対の方位を定めることによって、そうではなく第1及び第2のタブを図1に示されるように間隔をおいて配置したときには発生し得る、余分のEMF雑音の低減、例えば排除、を実施することができる。過剰EMF雑音の、排除のような、低減により、さらに低ドリフト熱電対の使用が可能になる。過剰EMF雑音の低減、例えば排除、によって、正確な温度読み値に関して低ドリフト熱電対が提供する利点を維持することができる。過剰雑音の低減により、信号雑音による4℃〜5℃の変動も対応して低減することができ、よって低ドリフト熱電対の使用が可能になる。低ドリフト熱電対によって、温度の一層正確な検出及び報告を提供することができる。
【0015】
次に図3を参照すれば、熱電対回路を形成する装置301の例が提供される。装置301は、導電性基板207に結合されるように構成された一例の熱電対201を備える。熱電対201は一般に、第1の熱電気材料で形成され、第1の近端303a及び第1の遠端303bを有する、第1の熱電気素子303を有する。第1の近端303aは第1の結合点305において導電性基板207に結合されるように構成される。熱電対201はさらに、第2の熱電気材料で形成され、第2の近端307a及び第2の遠端307bを有する、第2の熱電気素子307を有する。第2の近端307aは、第2の近端307aが第1の近端303aに物理的に接触しないように第1の結合点305から距離‘D’隔てられて配置された、第2の結合点309において導電性基板207に結合されるように構成される。第1の近端303a及び第2の近端307aの、導電性である、導電性基板207との結合は、本明細書において「ホットジャンクション」と称される。
【0016】
図示されるように、第2の遠端307b及び第1の遠端303bは導電性基板207から距離をおいて配置された測定装置311に接続することができる。測定装置311は、例えば、第1の遠端と第2の遠端の間の電圧を測定するための装置とすることができ、データ処理コンポーネントを備えることができる。例えば、測定装置311は、コンピュータ、コントローラ、プロセッサ、電圧計、入力/出力カード(I/Oカード)、等を備えることができる。電圧は第1の遠端303bと第2の遠端307bにかけて発現することができ、電圧の発現はワイアの長さに沿う温度勾配の結果である。電圧は測定装置で読むことができ、電圧は基板の温度に相関させることができる。
【0017】
図3をさらに参照すれば、一例において、熱電気素子の近端と遠端の間を延びる、熱電対201の一部分は熱電気リードまたは延長ワイアとして設けることができる。さらに、第1の熱電気素子303及び第2の熱電気素子307はそれぞれ、組み合わせると、ゼーベック熱電効果を示すことができる熱電対回路の形成に適する、異なる熱電気材料で形成される。この目的のため、一態様において、第1及び第2の熱電気素子は事実上、貴金属及び/または貴金属合金を含む、異種のいかなる金属でも形成することができる。
【0018】
第1及び第2の熱電気素子のそれぞれを形成するための熱電気材料には、白金、ロジウム、ニッケル、クロム、銅、鉄、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、及びこれらの合金を含めることができる。上述した熱電気材料の組合せには、(B熱電対として知られる)70%白金-30%ロジウム合金と94%白金-6%ロジウム合金、(E熱電対として知られる)ニッケル-クロム合金と銅-ニッケル合金、(J熱電対として知られる)鉄と銅-ニッケル合金、(K熱電対として知られる)ニッケル-クロム合金とニッケル-アルミニウム合金、(N熱電対として知られる)ニッケル-クロム-ケイ素合金とニッケル-ケイ素-マグネシウム合金、(R熱電対として知られる)13%白金-ロジウムと白金-白金、(S熱電対として知られる)10%ロジウムと白金、及び(T熱電対として知られる)銅と銅-ニッケル合金を含めることができる。
【0019】
図3にさらに示されるように、第1の近端303a及び第2の近端307aはそれぞれ、間隔をおいて配置された第1のタブ素子203及び第2のタブ素子205のそれぞれを介して導電性基板207に結合させることができる。第1のタブ素子203及び第2のタブ素子205はそれぞれ、第1の近端303a及び第2の近端307aのそれぞれと導電性基板207の間に配置することができる。一例において、第1のタブ素子203及び第2のタブ素子205のそれぞれは、第1の熱電気素子303及び第2の熱電気素子307のそれぞれと同じ熱電気材料で形成することができる。例えば、形成される熱電対回路がB熱電対の場合、第1の熱電気素子303は70%白金-30%ロジウム合金からなり、第2の熱電気素子307は94%白金-6%ロジウム合金で形成することができる。この例にしたがえば、第1のタブ素子203も70%白金-30%ロジウム合金で形成することができ、第2のタブ素子205は94%白金-6%ロジウム合金で形成することができる。
【0020】
図4は図2及び3に示される例示熱電対201の拡大上面図である。一例において、熱電対201は、第1の熱電気素子303及び第2の熱電気素子307のそれぞれを部分的にまたは完全に囲むように構成された1つないしさらに多くの絶縁体401を有することができる。絶縁体401には、測定されるべき温度に基づいて、様々な材料を含めることができる。さらに、第1の熱電気素子303に、実質的に同様であるかまたは同等の材料で形成することができる、第1のバックアップ熱電気素子403を備えることができる。同様に、第2の熱電気素子307に、実質的に同様であるかまたは同等の材料で形成することができる、第2のバックアップ熱電気素子407を備えることができる。バックアップ熱電気素子は、主素子が故障した場合に、代わりの回路接続を提供することができる。
【0021】
他の利点に加えて、間隔をおいて配置された結合点により、第1の組成の第1の熱電気素子から揮発した金属種の、第2の組成の第2の熱電気素子上への凝結が低減または排除され得ることがわかった。そのような揮発は、熱電気素子が、ガラス作成プロセスに見ることができる1500℃をこえる温度のような、非常に高い温度にさらされると、おこり得る。例えばロジウムのような、揮発した金属種は熱電気素子の低温領域上に凝結して、熱電気素子内に拡散することができ、よって熱電気素子の電気的挙動、したがって熱電対回路で検出される電圧の(すなわち、熱電対温度ドリフトとして観察される)変化をおこさせ得る。したがって、一例において、ロジウム濃度は、ワイア及び基板のような、共結合された素子間で平衡し始めることができ、よってドリフトが温度変化をもたらし得る。
【0022】
第1のタブ素子203及び第2のタブ素子205は、導電性基板207に直接接触し、導電性基板207と第1及び第2の熱電気素子303,307の間に挟まれる、かなり大きな質量を提供することで、拡散の結果生じるこれらの様々な素子の組成の変化を抑え、第1の熱電気素子303と第2の熱電気素子307の間の拡散及びドリフトを軽減することができる。第1及び第2のタブ素子203,205は、第1及び第2の熱電気素子303,307の第1及び第2の近端303a,307aの基板表面への電気的結合に適する、所望のいかなる形状及び厚さも有することができる。しかし、第1及び第2のタブ素子203,205のそれぞれの質量は導電性基板207に隣り合うそれぞれの熱電気素子の質量よりかなり大きくすることができる。
【0023】
それぞれのタブ素子は、(図示されるような)長方形、円形、楕円形、等を含む、様々な形状を有することができる。一例において、第1及び第2のタブ素子203,205は実質的に、ほぼ0.1〜0.5インチ(2.54〜12.7mm)の範囲にある導電性基板207に結合される表面積を有する、長方形とすることができる。例えば、第1及び第2のタブ素子203,205はほぼ0.25インチ(6.35mm)の結合表面積を有することができる。第1及び第2のタブ素子203,205は、一例において、約10ミル(0.254mm)〜約50ミル(1.27mm)の範囲にあり得る、実質的に一様な厚さを有することもできる。別の例において、タブ素子は約30ミル(0.763mm)の実質的に一様な厚さを有することができる。実際に則していえば、第1及び第2のタブ素子203,205のそれぞれは。それぞれの熱電気素子の等価寸法よりかなり大きい、公称の、(長方形とした場合)長さ-幅測定値または(円形とした場合)直径を有することができる。
【0024】
次に図5を参照すれば、導電性基板207に取り付けられた第1のタブ素子203に取り付けられた、第1の熱電気素子303の一例が示される。第1の熱電気素子303はワイアの軸線Aを有するワイアとすることができ、第1のタブ素子203はワイアと導電性基板207間の介在物とすることができる。ワイアのタブ素子203に接する部分の寸法は、タブ素子の厚さに等しい長さを有することができ、タブ素子の体積よりかなり小さい体積を有することができる。したがって、タブ素子203の体積は、タブ素子203に隣接してタブ素子203に結合されるワイアのそれぞれの部分の体積よりかなり大きくなり得る。ワイアは与えられた厚さを有するタブに取り付けられた直円柱として見ることができる。
【0025】
タブ素子は、タブ素子の厚さを含む、タブ素子の寸法に基づくある体積Vを有することができる。タブ素子の厚さtに等しい長さLを有するワイア部分(すなわち直円柱)の体積Vはタブ素子の体積よりかなり小さくすることができる。逆に言えば、タブ素子は、タブ素子に隣接する長さがLのワイア部分の体積よりかなり大きい体積を有することができる。図5に示されるように、タブ素子203の体積はワイア部分501の体積よりかなり大きくすることができる。「かなり大きい」は、タブ素子の体積が隣接ワイア部分の体積の少なくとも約2倍であること、及び隣接ワイア部分の体積の少なくとも約4倍になり得ること、及び隣接ワイア部分の体積の少なくとも約8倍にさえなり得ることを意味する。もちろん、一般的な状況において、ワイアは公称上円柱形であり、したがって、軸線Aに直交する円形の断面を有することができる。しかし、熱電気素子(例えばワイア)が上述した体積を有する領域をもつためには円柱形である必要はない。
【0026】
次に図6を参照すれば、タブ素子は、導電性基板207と第1のタブ素子203の間の接触面積を最小にする態様で、導電性基板207に接触することができる。この態様にしたがえば、タブ素子203,205と導電性基板207の間の接触面積の最小化により、2種の熱電材料間の化学種の拡散(例えばロジウムの拡散)を有効に抑えることができ、したがって熱電対ドリフトをさらに抑えることができる。この目的のため、タブ素子と導電性基板の間に、電気絶縁性であり、それにもかかわらず高い熱伝導度を有する、絶縁部材601を配置することができる。図示される例において、絶縁部材601は第1のタブ素子203と導電性基板207の間に配されている。タブ素子と導電性基板207の間の結合はその後に、溶接ビード603で示されるように、タブ素子203,205の周縁のまわりで導電性基板にタブ素子203,205を溶接するだけで形成することができる。もちろん、タブ素子203,205の導電性基板207への別の結合方法も用いることができる。例えば、第1及び第2のタブ素子203,205のそれぞれで、タブ素子203,205のコーナーだけを導電性基板207に溶接することによるように、連続していない、間隔をおかれた場所だけでタブ素子203,205を導電性基板207に結合することができる。
【0027】
図6は第1の熱電気素子303及び第1のタブ素子203に取り付けられた第1の近端303aを示しているが、第1のタブ素子203と導電性基板207の間または第2のタブ素子205と導電性基板207の間に、あるいはいずれの場所にも、絶縁部材601を配置できることは当然である。したがって、2つの絶縁部材601を、一方は第1のタブ素子203と導電性基板207の間に、他方は第2のタブ素子205と導電性基板207の間に、設けることができる。したがって、2つの溶接ビード603を、絶縁部材のそれぞれに1つずつ、設けることもできる。
【0028】
本例にしたがって形成された熱電対回路は、従来の熱電対素子に見られる一般的な熱電気ドリフトに比較して、低められた熱電対ドリフトを示すことができる。詳しくは、従来の熱電対素子及び回路は動作中に時間の経過とともに較正から外れることがあり得る。較正からの外れは、ある程度は、熱電対回路の「ホットジャンクション」において物理的に相互接触させた2つの異種の熱電気素子間におこる拡散の結果である。この較正からの外れは本明細書において熱電気ドリフトと称され、熱電対素子の誤差の増大に寄与する。上述したように、本例の熱電気素子の近端は、本例の熱電気素子の近端が物理的に相互接触しないように、距離‘D’をおいて配置された結合点において結合される。それにもかかわらず、基板と個々の熱電気素子の間の拡散がやはり熱電気ドリフトを生じさせ得る。例えば、溶融ガラスを保持/処理するためにガラス作成プロセスにおいて用いられ得るであろうような白金/ロジウム合金槽を考える。そのような槽は1500℃をこえる温度で稼働し得る。通常は、それぞれのロジウム含有量が異なる、個々の白金-ロジウム合金熱電対ワイアが槽壁に直接に溶接されている。そのような高い動作温度において、基板と熱電対ワイアの間のロジウムの拡散は、ワイアと槽壁の間の接合にわたるロジウムの拡散は平衡濃度に達するようにはたらくから、比較的急速であった。この結果、測定装置で測定される温度は連続的に低下していた。
【0029】
タブ素子は、2つの異種の熱電気材料間におこり得る拡散を低減するかまたは排除することさえもでき、したがって時間の経過とともにおこり得る熱電気ドリフト(例えば電圧ドリフトまたは温度ドリフト)を抑え、実質的に無ドリフトとすることができる。一例において、熱電対回路は約1500℃以上の温度において30日間でほぼ2.5℃より小さいドリフト率を示すことができる。さらにまた、熱電対回路は約1500℃以上の温度において30日間で約2.0℃,1.5℃または1.0℃より小さく、さらには約0.5℃より小さい、ドリフト率を示すことができる。さらにまた、第1の結合点と第2の結合点の間隔‘D’を、いずれの2つの異種の熱電気材料も基板材料の結合点において物理的に相互接触しない限り、所望のいかなる距離とし得ることも当然である。
【0030】
熱電対回路の例によって形成される「ホットジャンクション」が、2つの異種の熱電気素子の物理的接合によるのではなく、好ましくは第1及び第2のタブ素子203,205を介する、第1及び第2の熱電気素子の導電性基板との結合によって形成されることも当然である。したがって、得られる熱電対回路は基板自体内の温度変化に一層敏感である。さらに、報告される温度も、基板が回路のホットジャンクションの一部であるから、一層正確に基板温度を表すであろう。
【0031】
熱電気素子の分離の結果、第1及び第2の結合点305及び309において結合された2つの異種の熱電気素子の間の平均基板温度が決定されることも当然である。したがって、別の例において、与えられた基板に対する3次元温度モデルを、熱電対装置を用いて、実時間で決定できる複数の熱電対回路を提供することができる。
【0032】
図7を次に参照すれば、装置301と同様の装置701が示されている。装置701は導電性基板207に結合されるように構成された、一例の熱電対709を備える。熱電対709は、第3の熱電気材料で形成され、第3の近端703a及び第3の遠端703bを有する、第3の熱電気素子703を有する。第3の遠端703bも同じく適する測定装置に接続することができる。第3の近端703aは、第3の近端703aが第1及び第2の近端303a,307aのいずれとも接触しないように、第1及び第2の結合点305,309から間隔をおいて配置された第3の結合点705において基板に結合することができる。さらにまた、第3の熱電気素子も第3の近端703aに結合された第3のタブ素子707を有することができる。第3のタブ素子707も同じく第3の熱電気素子と同じ熱電気材料で形成することができ、第1,第2及び第3のタブ素子が物理的に相互接触しないように、第1及び第2のタブ素子203,205のいずれからも距離‘D’をおいて配置される。第1のタブ素子203と第3のタブ素子707の間隔は、第2のタブ素子205と第3のタブ素子707の間隔に等しくすることができ、それより大きくすることができ、あるいはそれより小さくすることができる。
【0033】
使用において、上述した熱電対装置、すなわち本例の熱電対回路は、導電性基板の一領域の温度を決定するための方法を提供する。本方法は上述した熱電対回路を形成する工程を含む。詳しくは、第1の熱電気材料で形成された第1の熱電気素子の近端が、好ましくは第1のタブ素子を介して、第1の結合位置において導電性基板に結合される。第2の熱電気材料で形成された第2の熱電気素子の近端が、好ましくは第2のタブ素子を介して、第2の結合位置において導電性基板に結合され、第2のタブ素子は、第1及び第2の熱電気素子が物理的接触せず、それぞれのタブ素子も物理的に接触しないように、第1の結合位置から間隔をおいて配置される。一例において、第3の熱電気材料で形成され、好ましくは第3のタブ素子を介して、第3の結合位置において導電性基板に結合された第3の熱電気素子の第3の近端を有することができ、第3のタブ素子は、第1,第2及び第3の熱電気素子が物理的に接触せず、それぞれのタブ素子も物理的に接触しないように、第1の結合位置及び/または第2の結合位置から間隔をおいて配置される。
【0034】
本例の方法がいずれか特定の基板材料との使用に限定されず、所望のいずれの導電性基板の温度の決定にも用いられ得ることは当然である。しかし、一例において、基板は、例えば、ガラス(例えばシリカベースガラス)の作成に用いられる白金及び/またはロジウムベースの送出装置のような、導電性基板である。
【0035】
形成後、熱電対回路は形成された回路内で、熱電気素子に沿う温度勾配によって生じる電圧を与えることができる。与えられる電圧は熱電対回路と通じている通常の測定装置によって定量することができる。したがって、定量された電圧は、基板の第1の結合位置と第2の結合位置の間の領域内の平均温度を示す。
【0036】
測定装置311のような、通常の電圧検出装置は、第1の遠端303bと第2の遠端307bの間で熱電対回路に確立される正味電圧V12を検出し、定量するために用いることができる。この目的のため、検出装置は電圧V及びVを検出し、正味電圧を決定して、正味電圧を導電性基板の推定温度に相関させることができる。2つの異種のタブ素子は距離‘D’で隔てられているから、推定温度は第1の結合点305と第2の結合点309の間の基板の平均温度を表す。一例の検出装置は一般に、熱電対用I/Oカードが装着された、コンピュータモニタリング装置を備えることができる。コンピュータは次いで、当業者には既知のASTM試験方法を用いて、信号を温度出力に変換することができる。
【0037】
導電性基板207は多くの態様で直接加熱することができる。例えば、導電性基板207は、導電ヒーター、対流ヒーター、輻射ヒーターまたはその他の加熱構成によって加熱することができる。本例において、導電性基板207は抵抗加熱構成を備える1つないしさらに多くの加熱装置に取り付けることができる。抵抗加熱構成は、導電性基板207の領域を通して、交流のような、電流を流すことによって導電性基板207の領域を加熱するように設計することができる。したがって、導電性基板207は、方向207に沿って導電性基板を通して電流を流すことによって加熱することができる。
【0038】
本出願の装置は、例えばガラス基板の製造に用いられる白金製送出装置のような、いずれの導電性基板の温度も測定するために熱電対が用いられる用途を有することができる。
【0039】
すなわち、本開示の非限定的態様及び/または実施形態は以下の方法及び装置を含む。
【0040】
C1. 導電性基板の一領域の温度を決定するための、
第1の熱電気材料で形成され、第1の近端及び第1の遠端を有する、第1の熱電気素子、及び、第2の熱電気材料で形成され、第2の近端及び第2の遠端を有する、第2の熱電気素子を有する熱電対を提供する工程、
第1の熱電気素子及び第2の熱電気素子のそれぞれの近端を、第1の中間タブ素子及び第2の中間タブ素子をそれぞれ介して、導電性基板の一領域に結合することによって熱電対回路を形成する工程、
第1のタブ素子及び第2のタブ素子はそれぞれ第1の熱電気材料及び第2の熱電気材料と実質的に同じ組成を有し、
第1のタブ素子及び第2のタブ素子は、第1の近端及び第2の近端が物理的に相互接触しないように、間隔をおいて配置される、
導電性基板を通して電流を流すことによって導電性基板を加熱する工程、
第1のタブ素子及び第2のタブ素子は電流の方向を横断する軸に沿って相互に間隔をおいて配置される、
及び
形成された熱電対回路によって与えられる電圧を定量する工程、
電圧は導電性基板の一領域内の温度を示す、
を含む方法。
【0041】
C2. 横断軸が電流が流れる方向に実質的に直交する、C1にしたがう方法。
【0042】
C3. 電流が流れる方向を横断する軸に沿う第1のタブ素子及び第2のタブ素子の配置により過剰EMF雑音が低減される、C1またはC2にしたがう方法。
【0043】
C4. 第1の熱電気材料及び第2の熱電気材料が貴金属または貴金属合金から選ばれる、C1〜C43のいずれかにしたがう方法。
【0044】
C5. 導電性基板が白金を含む、C1〜C4のいずれかにしたがう方法。
【0045】
C6. 熱電対がB熱電対である、C1〜C5のいずれかにしたがう方法。
【0046】
C7. 熱電対がS熱電対である、C1〜C5のいずれかにしたがう方法。
【0047】
C8. 定量された電圧が第1の近端と第2の近端の間の導電性基板の領域内の平均温度を示す、C1〜C7のいずれかにしたがう方法。
【0048】
C9. 導電性基板、第1の熱電気素子、第2の熱電気素子、第1のタブ素子及び第2のタブ素子が白金-ロジウム合金を含む、C1〜C8のいずれかにしたがう方法。
【0049】
C10.第1のタブ素子及び第2のタブ素子のそれぞれと導電性基板の一領域の間に絶縁材料が配置される、C1〜C8のいずれかにしたがう方法。
【0050】
C11.導電性基板の一領域を第1のタブ素子及び第2のタブ素子の周縁においてのみ第1のタブ素子及び第2のタブ素子に結合することにより、導電性基板と第1のタブ素子及び第2のタブ素子のそれぞれの間の化学種の拡散を低減する工程をさらに含む、C10にしたがう方法。
【0051】
C12.装置であって、
導電性基板、
基板を通って流れる電流によって基板を加熱するように構成された直接加熱装置、
第1の熱電気材料で形成され、第1の近端及び第1の遠端を有する、第1の熱電気素子、
第1の近端は、第1の結合位置において第1の熱電気材料で形成された第1の中間タブ素子を介して導電性基板に結合される、
第2の熱電気材料で形成され、第2の近端及び第2の遠端を有する、第2の熱電気素子、
第2の近端は、第2の結合位置において第2の熱電気材料で形成された第2の中間タブ素子を介して導電性基板に結合され、
第1の結合位置と第2の結合位置は物理的に合同されず、電流の方向を横断する軸に沿って相互に間隔をおいて配置される、
及び
第1の遠端及び第2の遠端に電気的に接続された電圧測定装置、
を備える装置。
【0052】
C13.横断軸が電流の流れる方向に実質的に直交する、C12にしたがう装置。
【0053】
C14.電流が流れる方向に直交する第1の結合位置と第2の結合位置の方位により過剰EMF雑音が低減される、C12またはC13にしたがう装置。
【0054】
C15.第1の熱電気材料及び第2の熱電気材料が貴金属または貴金属合金から選ばれる、C12〜C14のいずれかにしたがう装置。
【0055】
C16.約1500℃以上の温度において30日間でほぼ2.5℃より小さい熱電対温度ドリフト率を回路が示す、C12〜C15のいずれかにしたがう装置。
【0056】
C17.第1のタブ素子が厚さt及び体積Vt1を有し、第1の熱電気素子が軸線を有する第1のワイアであり、Vt1が第1のワイアの、tに等しい長さLを有し、第1のタブ素子に接して配置される、領域の体積Vより実質的に大きい、C12〜C16のいずれかにしたがう装置。
【0057】
C18.Vt1の値がVの値より少なくとも2倍である、C12〜C17のいずれかにしたがう装置。
【0058】
C19.第1のタブ素子及び第2のタブ素子のそれぞれと導電性基板の間に絶縁材が配置される、C12〜C18のいずれかにしたがう装置。
【0059】
C20.第1のタブ素子と導電性基板の間に絶縁材が配置されている第1のタブ素子の周縁においてのみ第1のタブ素子が導電性基板に結合され、さらに、第2のタブ素子と導電性基板の間に絶縁材が配置されている第2のタブ素子の周縁においてのみ第2のタブ素子が導電性基板に結合される、C12〜C19のいずれかにしたがう装置。
【0060】
特許請求される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく様々な改変及び変形がなされ得ることが当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0061】
201 熱電対
203,205 タブ素子
207 導電性基板
209 直接加熱装置
211 軸
213 電流方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基板の一領域の温度を決定するための方法において、
第1の熱電気材料で形成され、第1の近端及び第1の遠端を有する第1の熱電気素子、及び、第2の熱電気材料で形成され、第2の近端及び第2の遠端を有する第2の熱電気素子を有する熱電対を提供する工程、
前記第1の熱電気素子及び前記第2の熱電気素子のそれぞれの前記近端を、第1の中間タブ素子及び第2の中間タブ素子をそれぞれ介して、前記導電性基板の一領域に結合させることによって熱電対回路を形成する工程であって、前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子はそれぞれ前記第1の熱電気材料及び前記第2の熱電気材料と実質的に同じ組成を有し、前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子は、前記第1の近端と前記第2の近端が物理的に相互接触しないように、間隔をおいて配置されるものである工程、
前記導電性基板を通して電流を流すことによって前記導電性基板を加熱する工程であって、前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子は前記電流が流れる方向を横断する軸に沿って相互に間隔をおいて配置されるものである工程、及び
前記形成された熱電対回路によって与えられる電圧を定量する工程であって、前記電圧は前記導電性基板の前記領域内の温度を示すものである工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記横断軸が、前記電流が流れる前記方向に実質的に直交することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電流が流れる前記方向を横断する前記軸に沿う前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子の前記配置により過剰EMF雑音が低減されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の熱電気材料及び前記第2の熱電気材料が貴金属または貴金属合金から選ばれることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記熱電対がB熱電対またはS熱電対であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子のそれぞれと前記導電性基板の前記領域の間に絶縁材が配置されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記導電性基板の前記領域を前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子の周縁においてのみ前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子に結合させることにより、前記導電性基板と前記第1のタブ素子及び前記第2のタブ素子のそれぞれの間の化学種の拡散を低減する工程、
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
装置において、
導電性基板、
前記基板を通って流れる電流によって前記基板を加熱するように構成された直接加熱装置、
第1の熱電気材料で形成され、第1の近端及び第1の遠端を有する第1の熱電気素子であって、前記第1の近端は、第1の結合位置において前記第1の熱電気材料で形成された第1の中間タブ素子を介して前記導電性基板に結合されるものである第1の熱電気素子、
第2の熱電気材料で形成され、第2の近端及び第2の遠端を有する第2の熱電気素子であって、前記第2の近端は、第2の結合位置において前記第2の熱電気材料で形成された第2の中間タブ素子を介して前記導電性基板に結合され、前記第1の結合位置と前記第2の結合位置は物理的に合同されず、前記電流が流れる方向を横断する軸に沿って相互に間隔をおいて配置されるものである第2の熱電気素子、及び
前記第1の遠端及び前記第2の遠端に電気的に接続された電圧測定装置、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記横断軸が、前記電流が流れる前記方向に実質的に直交することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電流が流れる前記方向を横断する前記第1のタブ素子と前記第2のタブ素子の配置の前記方位によって過剰EMF雑音が低減されることを特徴とする請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
約1500℃以上の温度において30日間でほぼ2.5℃より小さい熱電対温度ドリフト率を回路が示すことを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記第1のタブ素子が厚さt及び体積Vt1を有し、前記第1の熱電気素子が軸線を有する第1のワイアであり、前記Vt1が、前記第1のワイアの、前記tに等しい長さLを有し、前記第1のタブ素子に接して配置される、部分の体積Vより実質的に大きいことを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記Vt1の値が前記Vの値の少なくとも2倍であることを特徴とする請求項12に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−93359(P2012−93359A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−237197(P2011−237197)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】