説明

樹木の選定及び維持管理のメソッド

【課題】樹木の植栽分野に、植栽計画時に於ける植栽条件や環境・目的に適応する樹種の選定方法と適応性の判定及びその維持管理方法を提供して、本来の樹木植栽による環境つくりや目的を達成するための樹木の選定から樹木の維持管理方法を提供することを課題とする。
【解決手段】樹形に現れる形態形成の相似要素を分類条件として抽出して再分類した樹形分類群としてその特徴的な樹形を模式図として現したことを特長として、更にその樹形模式図に適応する樹種を配置した樹木の選定及び維持管理のメソッドを提供して課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木の植栽分野に於いて、其々の植栽環境や条件に適応する樹木の選定から維持管理方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
パブリックや大規模植栽からプライベートの小規模植栽に加え、近年では地域コミュニティに於ける新しい形式の樹木植栽による環境づくりが盛んである。しかしいずれの場合にも、其々の植栽環境や条件に適応する樹種の選定方法と選択樹種の植栽環境への適合性の判定方法が提供されていないために、異なる植栽環境や条件であっても画一的に樹種が選択され植栽されているのが現状で、その選択樹木の維持管理分野に於いても画一的な手法での対応に留まっている。
【0003】
そのため、植栽計画時に選択された樹木の植栽地域への適応性や植栽条件・目的の適合性等の判定がなされずに植栽されるために、多くの場合、樹木の伐採など生理・生態にそぐわない方法で維持管理されている。またプライベートに於いては、植栽時の樹木選定とその維持管理に関する情報が提供されていないために、庭木としての維持管理と管理技術、樹木の庭木としての役割や機能、目的が果たせない状況であるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−12162
【特許文献2】特開2005−304495
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
樹木の植栽分野に、植栽計画時に於ける植栽条件や環境・目的に適応する樹種の選定方法と適応性の判定及びその維持管理方法及び管理技術を提供して、本来の樹木植栽による環境つくりや目的を達成するための樹木の選定から樹木の維持管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
樹木植栽に於ける樹木の選定は、その植栽地域や場所の植栽環境や植栽条件・目的等を選定条件として選択されるものである。パブリックや大規模植栽とプライベートの植栽では、樹木の植栽条件や環境、植栽の目的が異なるため、本発明は、樹木を庭木として植栽する場合についてその解決を図るものである。しかし本発明の技巧によれば、パブリックや大規模植栽に応用可能となる樹木の選定及び維持管理のメソッドである特長をもつものである。
【0007】
樹木と呼ばれるものには山の木、植木、庭木の3種類がある。山の木は、山などに自然な状態で育っている樹木である。植木とは、山の木を掘り上げたり実生苗や挿し木、接木として生産者の畑で育てられ移植できるように根もコンパクトにまとめられている樹木である。庭木とは、植木を庭に植えて庭の中で役割や機能を与えられた樹木である。
【0008】
庭木として樹木を植栽する場合の目的は、樹木の機能性を活用して生垣として敷地を囲ったりデッキに日陰を作ったり、また形態や姿形、紅葉や花や実を観賞する目的であったり、食用とする実を育てたり家族と和む空間つくりであったりと多岐に渡っている。いずれの場合にも、それぞれの目的を達成するためには樹木がもつ生理・生態や生育や機能等の特性を知り、その特性を活かした樹木の選択と植栽環境や条件の適応性とその機能特性等を発揮できる維持管理方法と管理技術でなければその目的を達成する事は不可能である。
【0009】
しかし、多くの樹種から目的に適応する樹種を選択するには専門的な知識を要するために、庭木としての役割や機能、目的を果たすための樹種選択には限界がある。
【0010】
そこで本発明は、樹木の樹形に現れる形態的特性は樹木の生理・生態や気候条件等の環境に起因するところが大きいという点に着目して、樹形に現れる形態を形成する相似要素を分類条件として抽出して分類した樹形分類群としてその特徴的な樹形を模式図として現したことを特長として、更にその樹形模式図に適応する樹種を集約して配置したものである。
【0011】
本発明の樹木の樹形模式分類図に現れる樹形分類群の其々は、相似要素である生理・生態に於ける生理的機能の調整は、例えば維持管理方法や管理技術によって、その機能物質の促進及び抑制を調整する作用を及ぼし、形態の形成に関与して庭木としての役割や機能、目的の達成を実現する樹木の選定及び維持管理のメソッドである特長をもつものである。また本発明の樹形模式分類群に集約され配置される樹種には、常緑樹や落葉樹更に花木や果樹等が分類されて其々に適応する維持管理方法と管理技術情報を備えていることを特長とするものである。
【発明の効果】
【0012】
庭に樹木を植栽する場合の多くは初期段階で樹種を決めて植栽するが、選択した樹種が庭木として理想や目標とする樹形や樹高、葉張り等の模範となるスケールをもたないために、植栽後に庭木としての役割や機能、目的を達成するための樹形つくりや維持管理ができない現状に対して、本発明は選択した樹種が配置される樹形模式図に記される特徴的な樹形とその形態形成の模範となる目標値を備える特長をもつものである。
【0013】
植栽条件に適応する樹種の選定は、樹形模式図から条件に適応する樹形を選択することにより、その条件に適応する樹種の選定を実現する効果を現す。更に選択樹形からその樹種の生理・生態特性、生育特性、機能特性等の情報の抽出を実現して、植栽条件や適応環境等の適応判定から維持管理方法や管理技術の提供を実現する効果を現す。
【0014】
本発明によれば、庭に樹木を複数配置する庭のデザインに於ける樹種選定に優れた効果を現し、樹木の生理・生態や生育特性、樹形や機能特性等の抽出によって、既存草花等に適応する植栽樹種の組み合わせや選定から、既存樹木に適応可能な草花の組み合わせや選定条件等の抽出を実現する効果を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は本発明の樹形模式図とその樹形に配置される樹種の分類群である
【図2】図2は本発明の樹形模式図とその樹形に配置される樹種の分類群である
【図3】図3は本発明の樹形模式図とその樹形に配置される樹種の分類群である
【図4】図4は本発明の樹形模式図とその樹形に配置される樹種の分類群である
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態は、樹木を庭木として用いる場合についての実施例として説明するものである。樹木は剪定等の技術によって維持管理・制限されなければ、本来の自然状態で育っている山の木のように大きく成長していく。庭木として用いる場合には、庭木としての役割や目的を達成するために、樹木其々に理想とする樹形や樹高等の条件を設定し目標値として維持管理等の方法を提供するものである。理想とする目標値に関しては、庭木としての目安として庭の中で使われる場合に望ましい樹高として、低木0.3〜1.5m、中木1.5〜2.5m、高木2.5〜6mを設定している。植栽や維持管理する場合には、選定された樹木が、庭の中の役割として添景木であるか、主木であるか、シンボルツリーであるのかによって、樹高等の目標値の設定を変えるものとする。本発明の技巧によれば、パブリックや大規模植栽に対応する要素や条件によって抽出された分類樹形群に其々に適応する樹種を集約して配置することで、植栽条件に適応する樹木の選定及び維持管理のメソッドである特長をもつものである。
【0017】
樹形分類模式図の分類群其々には、植栽に於ける必須条件や分類項目、形態等に関する
模範となる目標値が備わっており、其々の樹形模式分類群に集約されて配置されている樹種其々にはその必須条件や分類項目に適応する条件や項目、生育特性、形態特性、機能特性等と維持管理方法や管理技術等を備えている特長を持つ。この特長により、樹形模式分類図の分類群に植栽条件等を与える事により、その条件に適応する分類を導き出して更にその分類に集約配置されている樹種から適応樹種の選定を実現する。また選定樹種の抽出とともにその樹種の維持管理方法から管理技術の抽出を実現する樹木の選定及び維持管理のメソッドである。
【0018】
以下、本発明の実施形態を図1から図4によって説明するものである。
【0019】
図1は、樹形模式図として分類された分類群の中の1から8についての説明図である。
【0020】
1の樹形模式図は、ツバキやサザンカ、キンモクセイ、カラタネオガタマなどの樹種が集約されて配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は樹冠が左右対称であるという特徴を有し、幹ぶりを美しく見せるという維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は中木で、1.5mから2.5m位とすることを現す。また、同樹形分類に於けるモッコク、モチノキ、クロガネモチ、ヤマモモなどは、庭木として高木2.5m〜6mの樹高に適応可能な樹種として配置されている特長をもつ。この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0021】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法、管理技術を導き出すことを実現する。
【0022】
2の樹形模式図は、シャラやヒメシャラ、エゴノキ、マンサク、ジューンベリー、ヤマボウシ、シマトネリコなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は株立ちの自然風である特徴を有し、幹や枝の流れを見せる、芯の切り戻し剪定をしっかりして、自然系の特長を出す維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。またコハウチワカエデやオウゴンイタヤカエデなどの樹種が配置される樹形であり、幹の1/3から1/4の下枝は無く幹ぶりを見せるという特徴を有し、狭いところに植栽しても、幹元に下草が配置出来るような維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0023】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0024】
3の樹形模式図は、ハナミズキなどやミズキ類、サンシュユなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は単木の自然風である特徴を有し、葉張りが出てくるので、それを抑えるための切り戻しと透かし剪定が維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0025】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0026】
4の樹形模式図は、ヒイラギナンテン、ナンテンなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形はサラサラ感があり、樹形に野性味があるので、雑木や株立ちの下に植えると樹形の特徴が生かされるという特徴を有し、植栽時に枝の広がりを決めて維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は低木で、0.3mから1.5m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0027】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0028】
5の樹形模式図は、ツツジやシャクナゲ、シャリンバイ、カルミアなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は単木の場合は樹冠が左右対称であるという特徴を有し、幹ぶりを美しく見せるという維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、1.5mから2.5m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0029】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0030】
6の樹形模式図は、セイヨウニンジンボクやブッドレア、テマリカンボクなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は、新梢の柔らかい枝先に大きな花がき、ある程度の高さになると枝垂れるという特徴を有し、勢いの良い枝を切り戻して分枝をつくるようにする維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、1.5mから2.5m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0031】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0032】
7の樹形模式図は、ユキヤナギやコデマリ、ハギ、エニシダ、ヤマブキ、ムラサキシキブ、キンシバイ、アベリア、レンギョウなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は、柔らかい曲線や少し横に向かう曲線をつくる特徴を有し、枝数が多いと絡み合うので、中の枝を切って整理するという維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、0.3mから1.5m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0033】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0034】
8の樹形模式図は、アジサイやボタン、バラなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は各枝に満遍なく花を付けるという特徴を有し、枝の強さを揃えることや、強すぎる枝は元から切るなどの維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、0.3mから1.5m位とし、中木扱いとして1.5〜2.5mのノリウツギであることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0035】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0036】
図2は再分類群の中の9から13についての説明図である。
【0037】
9の樹形模式図は、イロハモミジ、ノムラカエデ、ウメ、自然形のサルスベリなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は、自然樹形であって、枝の流れや動きがあるという特徴を有し、枝の流れをつくるための切り戻し剪定と透かし剪定が中心の維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0038】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0039】
10の樹形模式図は、ノルウェーカエデやトネリコバノカエデなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は左右対称の直幹立ちであるという特徴を有し、芯を立てて、左右対称な樹形を維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0040】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0041】
11の樹形模式図は、ベニシダレモミジやオオシダレモミジ、シダレザクラ、シダレウメ、ヤナギ、エンジュなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は流れるような柔らかい枝をもつという特徴を有し、切り戻しと透かし剪定、上芽の上で剪定するなどの維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0042】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0043】
12の樹形模式図は、ハクモクレンやコブシなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は全体的に倒卵形であるという特徴を有し、強すぎる枝をつくらない剪定と、生育が旺盛なので大きくなりすぎないように維持管理し、また沢山付いた花芽を全部咲かせると、翌年の花芽の数が減るので切り戻し剪定でも維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0044】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0045】
13の樹形模式図は、ハナモモやムクゲ、カリンなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は全体的にほうき立ち性であるという特徴を有し、ほうき立ち性の樹形を維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0046】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0047】
図3は再分類群の中の14から22についての説明図である。
【0048】
14の樹形模式図は、イヌマキやイヌツゲ、クロマツ、キャラ、モチノキ、ツゲなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は流れのある曲幹であるという特徴を有し、曲幹に流れの勢いの方向に玉をつくる、枝ぶりに合わせて玉を見せる、曲幹の勢いの方向に合わせた玉の大きさをつくる維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0049】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0050】
15の樹形模式図は、チャボヒバなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は直幹で左右対称である特徴を有し、直幹に対して左右対称でフォーマルな仕立てに維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0051】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0052】
16の樹形模式図は、アラカシやソヨゴ、シラカシなどのカシ類などの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は幹ぶりが美しい、太い枝が無いという特徴を有し、幹からは、1年枝や2年枝をつくって幹の太さとプロポーションを維持する維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0053】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0054】
17の樹形模式図は、イヌマキやチャボヒバなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は左右対称である特徴を有し、刈り込み剪定等によって輪郭をつくり、フォーマルな維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0055】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0056】
18の樹形模式図は、竹類が配置される樹形である。放任することで大きく育つ特長をもつ竹類は、任意の樹高になったら芯を止めて、何本か発生する枝を整理して仕立てていく維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0057】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0058】
19の樹形模式図は、ヒラドツツジやクルメツツジなどのツツジ類やサツキ、ドウダンツツジなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は幹ぶりと枝ぶりを見せる特徴を有し、切り戻しと透かしの剪定によって維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、0.3mから1.5m位とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0059】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0060】
20の樹形模式図は、イヌツゲやイヌマキ、レッドロビン、トキワマンサク、ヒイラギ、サザンカなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は生垣仕立てで、切り戻しと透かし剪定と、台形を意識して剪定するという維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、生垣としての機能を果たす樹高とすることを現す。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0061】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0062】
21の樹形模式図は、つる性の特徴をもつ樹種が配置される樹形である。フジ、ハニーサックル、カロライナジャスミン、テイカズラなど、つるが巻くタイプ、つる状に伸びるタイプ、吸盤タイプなどがあり、其々の特長によって誘引方法や仕立て方が違う特長をもつ。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0063】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0064】
22の樹木模式図は、コルジリネオーストラリス、ユッカ、ヤシ類などの樹種が配置される樹形である。古くなって垂れ下がる葉は早めに取り除くように維持管理する特徴を現す図である。また庭木として維持したい理想の樹高は、2.5mから6m位とすることを現す。この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0065】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0066】
図4は再分類群の中の23から28についての説明図である。23から28は、針葉樹であることを特徴とするものである。23から27については、樹形模式図は其々の特長によって分類されているが、其々の維持管理方法については共通するところが大であるのでまとめて説明する。また、23から28は本来の自然界での樹高は、高木に分類される樹種であるが、庭木として植栽する場合には、剪定によって1.5〜2.5mの中木として維持管理したい樹木である。
【0067】
23の樹形模式図は、ニオイヒバなどの樹種が配置される樹形である。
【0068】
24の樹形模式図は、コノテガシワなどの樹種が配置される樹形である。
【0069】
25の樹形模式図は、ブルーエンジェルなどのビャクシン類、ゴールドクレストなどの樹種が配置される樹形である。
【0070】
26の樹形模式図は、レイランドヒノキなどの樹種が配置される樹形である。
【0071】
27の樹形模式図は、トウヒやモミなどの樹種が配置される樹形である。
【0072】
23から27の樹形模式図に現われる分類樹形は芯を立てて、全体の枝葉の密度が均一であり、どこからみても同じ形である特徴を有し、どこからみても同じ樹形であって芯を一本に立て内部に十分日が差し込むように切り戻しと透かし剪定と、樹形が大きくなることから全体を小さく維持しながら全体的なプロポーションを考えた維持管理方法と管理技術が特徴であることを現す図である。また、これらの樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0073】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0074】
28の樹形模式図は、イトヒバなどの樹種が配置される樹形である。この樹形模式図に現われる分類樹形は枝垂れ樹形である特徴を有し、樹形内部の枝の分かれ目に細かな枝が発生しやすいので、この枝を整理して枝垂れ枝の流れを最後までキレイに維持管理方法が特徴であることを現す図である。また、この樹形模式図に分類される樹形に現われる相似要素を持つそのほかの樹木も、この分類群に配置される。
【0075】
また、樹種名からこの分類群を導き出すことが可能であり、選択した樹種の特徴的な樹形把握とその生理・生態特性や維持管理方法を導く出すことを実現する。
【0076】
本発明によれば、植栽したい樹形によって樹種の選択を可能とすることで、その他の庭木とのバランスやデザイン性、庭木としての役割を十分に把握することを実現し、その維持管理及び管理技術の提供によって、庭木としての大きさと樹形の維持を実現する。また、分類樹形には常緑樹、落葉樹、花木、庭木としての果樹の樹木全般が含まれる特徴により、どんな樹種にも適応可能であるという新しい樹木の剪定と維持管理のメソッドであり、パブリックからプライベートまでの領域に活用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明の樹木の剪定と維持管理のメソッドによれば、庭のデザインや町並み設計、パブリックから大規模植栽に於ける樹木の選定や維持管理方法や管理技術の抽出から、街路樹や公園管理分野への維持管理指標としての役割を提供する。また、樹木の流通に於ける付属情報の提供や樹木ラベルとしての機能を果たす特長をもち、園芸分野への新しい情報提供に寄与するものである。
【符号の説明】
【0078】
1から28 本発明の樹木の選定及び維持管理のメソッドが現す分類樹形とその分類群
に配置される樹種について、その模式分類樹形を現すものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木の植栽に於ける選定から維持管理分野に、樹木を其々の樹形に現われる生理・生態に於ける相似要素を分類条件として抽出した分類群に、その分類群毎に現れる特徴的な形態を樹形模式図として現し、更に樹形模式分類群其々に集約して配置される樹種に於いては樹種其々の植栽に於ける必須条件や生育特性、形態特性、機能特性と維持管理方法及び管理技術の分類項目情報を備えた樹種の集約配置であることを特長とする樹木の選定及び維持管理のメソッド。
【請求項2】
前記記載の樹形分類模式図の分類群から任意或いは植栽条件に適応する樹形を選択することにより、その分類に集約され配置された樹種の中から更にその植栽環境や条件に適応する樹種の選定を実現して、選定樹種の生育特性や形態、機能特性を発揮させるための維持管理方法から管理技術の提供及び植栽地に於ける植栽環境や条件への適合性の判定を実現する樹木の選定及び維持管理のメソッド。
【請求項3】
前記記載の樹木の選定及び維持管理のメソッドによれば、植栽の計画段階で選択された樹種を分類群より抽出することにより、該当樹種の植栽必須条件や特徴的な生育特性、形態、機能特性から維持管理方法及び管理技術の提供を実現して、更に樹形模式図に於いては形態特性と植栽条件に適応する模範となる目標値を備える特長によって、植栽地に於ける樹種の選定及び維持管理を実現する。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−16319(P2012−16319A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156243(P2010−156243)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(592200903)株式会社アイ・アンド・プラス (17)