説明

樹木固定具

【課題】植栽用アンカーピンを用いて樹木植栽する場合、植栽する樹木の根鉢高や土壌硬度により打ち込むピンの長さが異なり、場所によってピンの長さを切り詰めたり、別長のピンを打ち直す必要があった。
【解決手段】棒状体の側周面にネジ山を全長の上部3分の2まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔を形成した頭部体と、棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔を形成し、その下端部には先の尖った差込部を形成した差込体と、上記二つの棒状体が挿入可能な内径で長尺な筒状体に所定間隔で止ピンが通る複数の貫通孔を形成してあるスライド体からなる舗装面以外の場に適用するスライド式アンカーピン及び、上記差込体の代わりに棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔を形成し、その下端部は掛止ができるJ型状に形成してあるピンの掛止体とからなる舗装面に適用するスライド式J型アンカーピンによる植栽。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木を植栽する際にその樹木が確実に根付くまで不用意に倒れたり、傾いたりしないように根鉢部分を押さえ、固定するための樹木固定具とそれを利用した樹木の植栽方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
樹木を植栽する場合、その樹木が確実に根付くまで風雨等により不用意に倒れたり、傾いたりしないようにするため、掘削した穴の中に樹木の根鉢部を入れ垂直にさせた後、覆土して植栽を行うが、その際樹木の下部に支柱木枠を直立に固定し、この支柱木枠によって樹木の幹部を支えるようにしたり、樹木の中間部付近より地面に放射状にワイヤー等で張りアンカーピン等により地面に固定するなどしていた。
【0003】
しかし、これらの植栽方法は、植木職人の熟練した手間がかかるだけでなく、美観的にも好ましくなくなかった。また、樹木にワイヤーを掛けたり支柱木枠に押し付けたり、するため樹木に傷が付きやすい欠点もあった。
【0004】
そこで、熟練した植木職人でなくとも、簡単にかつ作業能率よく樹木の植栽ができる方法として、特許文献1の複数組からなる植栽用アンカーピンを用いての植栽方法が普及しつつあるが、植栽する樹木の根鉢高や土壌硬度により打ち込む植栽用アンカーピンの長さが異なるため、数種類の植栽用アンカーピンを用意して作業を行っていた。また、場所によっては、打ち込んだ植栽用アンカーピンを切り詰めたり、別長の植栽用アンカーピンを打ち直したりする作業を必要とする場合もあった。
【特許文献1】特許第3458133号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、植栽する樹木の根鉢高や土壌硬度により植栽用アンカーピンを数種類用意することなく、また植栽用アンカーピンを切り詰めたり、別長の植栽用アンカーピンを打ち直したりする必要のない植栽用アンカーピンの提供と植栽方法。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明は、棒状体の側周面にナットをねじ込み可能なネジ山を全長の上部3分の2まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔を形成したピン頭部体と 棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔を形成し、その下端部には先の尖った差込部を形成してあるピン差込体と 上記ピン頭部体とピン差込体が挿入可能な内径で長尺な筒状体に所定間隔に止ピンが通る複数個の貫通孔を形成してあるピンスライド体とを 中が空洞でこの空洞内にネジ山が切られた凹型ピンとピンの側周面にネジ山が切られた凸型ピンとの組合せによる止ピンにて、自在の長さに調整できるスライド式アンカーピンと、該スライド式アンカーピン上部に挿入可能な筒状体の基部から外方に扇形状に複数の保持爪部が突出し、樹木の根鉢部に上載したステンレスワイヤーロープを掛止できるように鉤状に形成してある根鉢保持爪体との複数組の組合せにて、地上に支持具が突出することなく、植栽木を垂直状態に固定できることを特徴とする樹木固定具。
【0007】
第2発明は、棒状体の側周面にナットをねじ込み可能なネジ山を全長の上部3分の2まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔を形成したピン頭部体と 棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔を形成し、その下端部は掛止ができるJ型状に形成してあるピン掛止体と 上記ピン頭部体とピン掛止体が挿入可能な内径で長尺な筒状体に所定間隔に止ピンが通る複数個の貫通孔を形成してあるピンスライド体とを 中が空洞でこの空洞内にネジ山が切られた凹型ピンとピンの側周面にネジ山が切られた凸型ピンとの組合せによる止ピンにて、自在の長さに調整できるスライド式J型アンカーピンと、該スライド式J型アンカーピン上部に挿入可能な筒状体の基部から外方に扇形状に複数の保持爪部が突出し、樹木の根鉢部に上載したステンレスワイヤーロープを掛止できるように鉤状に形成してある根鉢保持爪体との複数組の組合せにて、地上に支持具が突出することなく植栽木を垂直状態に固定できることを特徴とするJ型樹木固定具。
【0008】
第3発明は、樹木固定具を用いた樹木の植栽方法である。その作業工程は次の通りで、まず樹木を植栽する場所に穴を掘り、樹木の根鉢をその穴に垂直状態に据置後、根鉢高や土壌硬度に適した長さに合せて、ピンスライド体とピン頭部体とピン差込体の貫通孔位置を調整し、止ピンで連結固定したスライド式アンカーピン複数本を樹木根鉢部周縁に沿って地面に固定ピンの頭部体付近まで打ち込み、該頭部体に根鉢保持爪体の筒状体基部を挿通し、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる位置に配置しながら、先端部の鉤状部にステンレスワイヤーロープを円形状に張り廻した上で、固定ピン頭部のネジ山にナットを取付け、さらに打込むことによりスライド式アンカーピンと 根鉢保持爪体と ステンレスワイヤーロープとが一体となって根鉢を強く押さえつけ、樹木を固定することを特徴とする樹木固定具を用いた樹木の植栽方法である。
【0009】
第4発明は、屋上のような舗装面への植栽方法としては、樹木を植栽する場所に格子状に組んだ鉄筋を配置し、その上に樹木の根鉢を垂直状態に据置後、根鉢高に適した長さに合せて、ピンスライド体とピン頭部体とピン掛止体の貫通孔位置を調整し、止ピンで連結したスライド式J型アンカーピン複数本を樹木根鉢周縁部の格子状に組んだ鉄筋に垂直状に掛止し、ピン頭部体に根鉢保持爪体の筒状体をはめ込み、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる位置に配置しながら、先端部の鉤状部にステンレスワイヤーロープを円形状に張り廻したうえで、固定ピン頭部のネジ山にナットを取付け、ねじ込むことによりスライド式J型アンカーピンを格子状に組んだ鉄筋と根鉢保持爪体とステンレスワイヤーロープが一体となって根鉢部分を強く押さえつけ、樹木を固定することを特徴とするJ型樹木固定具を用いた樹木の植栽方法。
【発明の効果】
【0010】
樹木固定具のピンスライド体とピン頭部体とピン差込体の貫通孔位置を植栽する樹木の根鉢高や土壌硬度状況に合わせ調整し、止ピンで連結したスライド式アンカーピンは、現場状況に合った長さのスライド式アンカーピンとすることができるため、各長さのアンカーピンを用意することなく、切り詰めたり、別長のアンカーを打ち直したりすることなく根鉢保持爪体を固定できるスライド式アンカーピンである。また、運送費の面でも長尺な物に比べ割安で棲むので経費節減にもなる。
【0011】
さらに、スライド式アンカーピンの頭部体をネジ山に形成した該頭部体に根鉢保持爪体の筒状体基部を挿通し、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる位置に配置しながら、先端部の鉤状部にステンレスワイヤーロープを円形状に張り詰めたうえで、固定ピン頭部のネジ山にナットを取付け、さらに打込み、その打込みによりスライド式アンカーピンと根鉢保持爪体とステンレスワイヤーロープが一体となって根鉢部分を強く押さえつけ、樹木を確実に固定できる。
【0012】
また、屋上等のコンクリート面に樹木を植栽する場合でも特別厚い盛土を形成することなく、樹木固定基礎体とJ型樹木固定具を用いた組立作業により、支柱を使わず自由な位置に安定した状態で樹木を植栽できるため、簡単で短期間に低コストで施工できる樹木の植栽工法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明について、実施例を図に基づいて詳細に説明する。
図1は、スライド式アンカーピンを形成する部材の説明図である。始めのイ)は、長さ約15cm前後の鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の側周面にナットをねじ込み可能なネジ山1aを全長の上部3分の2(約10cm前後)まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔2を形成したスライド式アンカーピンの頭部体1を示したものである。
【0014】
ロ)は、長さ約50cm前後の鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔2を形成し、その下端部には先の尖った差込部3aを形成してあるスライド式アンカーピンの差込体3を示したものである。
【0015】
ハ)は、上記棒状体が挿入可能な内径で長さが約1m前後の鉄鋼または樹脂系素材の筒状体に所定間隔で止ピンが通る複数個の貫通孔2を形成してあるスライド式アンカーピンのスライド体4を示したものである。なお、この貫通孔の位置によりスライド式アンカーピンの長さを自由に設定できる。
【0016】
ニ)は、貫通孔に挿入される止ピンを示すもので、平型またはなべ型の頭部を持つピンの中が空洞でこの空洞内にネジ山が切られており、貫通孔の長さに見合った長さを持つ凹型ピン5aと 平型またはなべ型の頭部を持つピンの側周面にネジ山が切られ凹型ピンにねじ込む太さと長さを持った凸型ピン5bとの組合せによる止ピン5で、これはピンの抜け落ち防止と打ち込みによる曲がりや切断が起こらないように二重構造のボルト状に形成されている。
【0017】
ホ)は、スライド式アンカーピンのスライド体4にスライド式アンカーピンの頭部体1とスライド式アンカーピンの差込体3を差込み、貫通孔に合わせ止ピン5で連結固定し、スライド式アンカーピン6に形成した状態を示したものである。
【0018】
図2は、根鉢保持爪体を示したもので、スライド式アンカーピンにはめ込み可能な筒状体基部7aから複数の爪部7bが扇形状に外方に突出し、その先端部は爪部の支持力をステンレスワイヤーロープに伝える鋼管を掛止できるように鉤爪7cに形成した根鉢保持爪体7である。この根鉢保持爪体は、植栽木の根鉢を爪部7b及び7cにて押さえ付けるとともに鉤状部にて鋼管及びステンレスワイヤーロープを押さえて根鉢を固定する根鉢保持爪体7である。
【0019】
図3は、スライド式アンカーピン6に根鉢保持爪体7を通し、該スライド式アンカーピンの頭部のネジ山にナット8をねじ入れ、根鉢保持爪体を固定し、植栽木の根鉢を押さえつけ樹木を固定する樹木固定具9の組みあがった状態を示したものである。
【0020】
図4は、植栽木を固定する樹木固定具の設置状態を示したもので、まず始めに植栽穴に垂直に据置きした樹木の根鉢周縁に沿って複数本のスライド式アンカーピン6を頭部体付近まで打ち込み、該頭部体に根鉢保持爪体7の筒状体基部を挿通し、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる高さに配置しながら、先端部の鉤状7cにステンレスワイヤーロープ10を通した鋼管11が掛止される位置に配置しながら該ステンレスワイヤーロープを円形状に張り廻し、ニップル12で結束したうえで、該スライド式アンカーピン頭部のネジ山にナット8を取付けさらに打込み、その打込みによりスライド式アンカーピンと根鉢保持爪体とステンレスワイヤーロープが一体となって根鉢部分を強く押さえ付け樹木を固定する樹木固定具9の設置図である。
【0021】
図5は、図1から図4までの手順で植栽木13を樹木固定具9で固定した状態を示すもので、地上部に障害物となる支柱等がなく、自然的な景観を形成できる樹木固定具を用いた植栽である。
【0022】
図6は、スライド式J型アンカーピンを示すもので、長さ約15cm前後の鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の側周面にナットをねじ込み可能なネジ山1aを全長の上部3分の2(約10cm前後)まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔2を形成したスライド式J型アンカーピンの頭部体1と 頭部体1が挿入可能な内径で長さが約30cm前後の筒状体に、所定間隔で止ピンが通る複数個の貫通孔2を形成してあるスライド式J型アンカーピンのスライド体4と 該スライド式J型アンカーピンスライド体4に挿入可能な直径で長さが約20cm前後の棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔2を形成し、その下端部は掛止ができるようにJ型状に形成したスライド式J型アンカーピンの掛止体15とを 止ピンで連結固定し、スライド式J型アンカーピンに形成した状態を示したものである。
【0023】
図7のイ)は、屋上等のコンクリート面に樹木を植栽する場合の樹木固定基礎体を示すもので、植栽木の樹高・枝張・幹周に応じて太さ9ミリ〜22ミリの鉄筋で、根鉢径に合わせた大きさの格子状に形成する鉄筋16とスライド式J型アンカーピンのJ型部の掛止が掛止する鉄輪18と樹木に合わせ鉄筋長を調整する継手用鋼管17と からなる樹木固定基礎体19である。
【0024】
ロ)は、樹木固定基礎体の上に樹木を据置した状態を示したもので、始めに植栽樹木の根鉢14が格子状に組んだ鉄筋16の上に載るように根鉢径に合わせ鉄筋を格子状に組み、この鉄筋の交差部分を鉄線や結束バンドで結束後、格子上に組んだ下側の鉄筋に鉄輪18を格子の四隅(根鉢部周縁)に形成する。この鉄輪にスライド式J型アンカーピンの掛止体を掛止し、根鉢保持爪体とステンレスワイヤーロープで根鉢を樹木固定基礎体に強く押さえ付けることにより根鉢と該樹木固定基礎体が一体となり樹木根の役目となって樹木を固定する樹木固定基礎体19の設置である。
【0025】
図8は、J型樹木固定具を用いてコンクリート床面に植栽木を植栽した実施例を示したものである。その手順は、始めにコンクリート床面20に防水シート・防根シートを敷設後、その上に5cm厚の植栽マット体21を敷設し、樹木植栽位置に格子状に組んだ鉄筋16を配置し、鉄筋が隠れる程度に植栽土22を覆土し、その上に樹木13の根鉢14を垂直状態に据置く。次にスライド式J型アンカーピンのスライド体とスライド式J型アンカーピンの頭部体とスライド式J型アンカーピンの掛止体の貫通孔位置を根鉢高に適した長さに合せて調整し、止ピンで連結したスライド式J型アンカーピン6複数本を樹木根鉢周縁部の鉄輪18に垂直状に掛止し、該スライド式J型アンカーピンの頭部体に根鉢保持爪体7の筒状体を挿通し、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる位置に配置しながら、先端部の鉤状部にステンレスワイヤーロープ10を円形状に張り廻したうえで、スライド式J型アンカーピン6の頭部のネジ山にナット8を取付け、締め込むことによりスライド式J型アンカーピンと格子状に組んだ鉄筋と根鉢保持爪体と ステンレスワイヤーロープとが一体となって根鉢部分を強く押さえ付け、樹木を固定する樹木固定具を用いた樹木の植栽実例である。以上の手順で樹木を固定後、根鉢部やそれ以外の植栽マット上に約10cm厚の覆土を施し、全体を芝草や草花等で覆った薄層緑化が図れる工法である。
【0026】
なお、J型樹木固定具のスライド式J型アンカーピンを使用することによりスライド式アンカーピン同様に各種の長さのアンカーピンを用意することも無く、また切り詰めたりすることもなく樹木を固定することのできるJ型樹木固定具である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】スライド式アンカーピン示す説明図である。
【図2】根鉢保持爪体を示す斜視図である。
【図3】樹木固定具を示す斜視図である。
【図4】樹木を固定する樹木固定具の設置状態を示す説明図である。
【図5】樹木固定具で植栽木を固定した状態示す斜視図である。
【図6】スライド式J型アンカーピンを示す説明図である。
【図7】樹木固定基礎体を示す説明図である。
【図8】J型樹木固定具で植栽木を固定した状態示す斜視図である。
【符号の説明】
【0028】
1 頭部体
1a ネジ山
2 貫通孔
3 差込体
3a 差込部
4 スライド体
5 止ピン
5a 凹型ピン
5b 凸型ピン
6 スライド式アンカーピン
7 根鉢保持爪体
7a 筒状体基部
7b 爪部
7c 鉤状
8 ナット
9 樹木固定具
10 ステンレスワイヤーロープ
11 鋼管
12 ニップル
13 植栽木
14 根鉢
15 掛止体
16 鉄筋
17 継手用鋼管
18 鉄輪
19 樹木固定基礎体
20 コンクリート床
21 植栽マット体
22 植栽土

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の側周面にナットをねじ込み可能なネジ山を全長の上部3分の2まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔を形成したピン頭部体と
鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔を形成し、その下端部には先の尖った差込部を形成してあるピン差込体と 上記二つの棒状体が挿入可能な内径で長尺な鉄鋼または樹脂系素材の筒状体に所定間隔で止ピンが通る複数個の貫通孔を形成してあるスライド式アンカーピンのスライド体からなるスライド式アンカーピン複数個と
、 該スライド式アンカーピンに挿入可能な筒状体基部から外方に扇状に複数の保持爪部が突出し、その先端部が鉤状になっていて、樹木根鉢部に上載したステンレスワイヤーロープを掛止できるように鉤状に形成してある根鉢保持爪体複数個によって、地上に支持具が突出すること無く植栽木を垂直状態に固定できることを特徴とする樹木固定具。
【請求項2】
複数組の鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の側周面にナットをねじ込み可能なネジ山を全長の上部3分の2まで形成し、残り3分の1の部分に止ピンが通る貫通孔を形成したスライド式アンカーピンの頭部体と 複数組の鉄鋼または樹脂系素材の棒状体の上部付近に止ピンが通る貫通孔を形成し、その下端部は掛止ができるJ型状に形成してあるピンの掛止体と 上記二つの棒状体が挿入可能な内径で長尺な鉄鋼または樹脂系素材の筒状体に所定間隔に止ピンが通る貫通孔を複数個形成してあるピンスライド体からなるスライド式J型アンカーピン複数個と 該スライド式J型アンカーピンに挿入可能な筒状体基部から外方に扇状に複数の保持爪部が突出し、その先端部が鉤状になっていて、樹木根鉢部に上載したステンレスワイヤーロープを掛止できるように鉤状に形成してある根鉢保持爪体複数個によって、地上に支持具が突出すること無く、植栽木を垂直状態に固定できることを特徴とする樹木固定具。
【請求項3】
請求項1の樹木固定具を用意し、樹木を植栽する場所に穴を掘り、樹木の根鉢をその穴に垂直状態に据置後、根鉢高や土壌硬度に適した長さに合せて、ピンスライド体とピン頭部体とピン差込体の貫通孔位置を調整し、止ピンで連結したスライド式アンカーピン複数本を樹木根鉢部周縁に沿って、地面にピン頭部体付近まで打ち込み、該頭部体に根鉢保持爪体の筒状体基部を挿通し、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる位置に配置しながら
、先端部の鉤状部にステンレスワイヤーロープを円形状に張り廻した上で、ピン頭部のネジ山にナットを取付け、さらに打込むことにより、スライド式アンカーピンと 根鉢保持爪体と ステンレスワイヤーロープとが一体となって根鉢部分を強く押さえ付け、樹木を固定することを特徴とする樹木固定具を用いた樹木の植栽方法。
【請求項4】
請求項2の樹木固定具を用意し、樹木を植栽する場所に格子状に組んだ鉄筋を配置し、その上に樹木の根鉢を垂直状態に据置後、根鉢高に適した長さに合せて、ピンスライド体とピン頭部体とピン掛止体の貫通孔位置を調整し、止ピンで連結したスライド式J型アンカーピン複数本を樹木根鉢周縁部の格子状に組んだ鉄筋に垂直状に掛止し、該スライド式J型アンカーピンの頭部体に根鉢保持爪体の筒状体をはめ込み、その保持爪部が根鉢部分を掴み押さえる位置に配置しながら、先端部の鉤状部にステンレスワイヤーロープを円形状に張り廻した上で、スライド式J型アンカーピン頭部のネジ山にナットを取付け、ねじ込むことにより、スライド式J型アンカーピンと 格子状に組んだ鉄筋と 根鉢保持爪体と ステンレスワイヤーロープが一体となって、根鉢部分を強く押さえ付け、樹木を固定することを特徴とする樹木固定具を用いた樹木の植栽方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−19434(P2011−19434A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166281(P2009−166281)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(391002199)株式会社丹勝 (29)
【Fターム(参考)】