機械リーマ工具、交換ヘッド及びシャフト
【課題】材料の節約を可能にし、これによりリーマヘッドの安価な製造を可能にする前記の様式の機械リーマ工具と、この機械リーマ工具のための交換ヘッド及びシャフトとを提供する。
【解決手段】機械リーマ工具は、リーマヘッドあるいは交換ヘッド(1)とシャフト(2)とを備え、交換ヘッド(1)は一体的で交換可能であり、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合のための手段を含めて、最大厚さhmaxよりも薄く、この最大厚さhmax(mm)が、交換ヘッドの直径D1(mm)から、hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)と計算される。これにより、リーマヘッド(1)の刃の案内部(18)は、通常よりも非常に短くなるが、それにもかかわらず、加工の十分な品質が保証されている。
【解決手段】機械リーマ工具は、リーマヘッドあるいは交換ヘッド(1)とシャフト(2)とを備え、交換ヘッド(1)は一体的で交換可能であり、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合のための手段を含めて、最大厚さhmaxよりも薄く、この最大厚さhmax(mm)が、交換ヘッドの直径D1(mm)から、hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)と計算される。これにより、リーマヘッド(1)の刃の案内部(18)は、通常よりも非常に短くなるが、それにもかかわらず、加工の十分な品質が保証されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれの独立請求項1,15,28及び32の上位概念による機械リーマ工具と、機械リーマ工具用の交換ヘッド及びシャフトと、交換ヘッドを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械リーマ工具又は機械リーマは、シリンダ状の孔の精密加工のために使用される。個々の刃は、それぞれ1つの主刃又は切込部及び副刃又は案内部を備える。切込部は切削作業をし、案内部は、孔内に工具を案内するために使用される。全ての加工状況で、例えば孔の出口が斜めの場合に、確実な案内を保証するために、案内部は、軸方向に切込部よりも何倍も長い。従って、案内部の長さは、例えば約15ミリメートルの直径の場合、例えば10ミリメートル又はそれよりも長い。
【0003】
特許文献1から、基体と交換ヘッド、即ち交換可能なリーマヘッド、とを備える機械リーマが公知である。
【0004】
リーマヘッドは、一体的に形成されており、後方の平面を超えて軸方向に突出する交換適合のための突起を備える。突出するこの突起は、ピラミッド状に形成されているか、テーパとして形成されているかのいずれかである。基体と結合させる際に、突起は、対応する基体の凹部内に挿入され、その際、分離間隙又は伸縮スリットによって互いに又は残りのシャフトから分離されている固定板が拡開される。トルク伝達を改善するため、結合部が円錐形の場合、付加的に外六角部がリーマヘッドに形成され、対応する内六角部が基体に形成されている。
【0005】
特許文献2には、切込部と案内部の一部分とを有するカラーが交換可能であり、その一方、案内部の残りの部分が更に使用されるリーマヘッドが示されている。
【0006】
特許文献3の特許の要約には、その前端部に交換可能なヘッドが取り付けられているリーマ本体が開示されている。このため、リーマ本体は、突出するスリット入りのシリンダを備え、このシリンダの上に、交換可能なヘッドが差し込まれる。スリット入りのシリンダは、円錐形のネジによって押し開かれ、従って、ヘッドを固定する。
【0007】
特許文献4及び特許文献5には、交換可能な工具ヘッドのための別の固定様式が示されている。
【0008】
特許文献6には、板材から打ち抜くか、歯の付いた棒から鋸引きすることができる薄いリーマヘッドが示されている。これは、比較的軟質の鋼の使用を前提とする。柔軟な鋼は、加工の際に歯が曲げられる構成の1つのためにも必要である。従って、特に、開示された比較的薄い歯によって、僅かな加工精度しか基体することができない。
【0009】
特許文献7には、両方の回転方向に運転することができる平坦なリーマヘッドが記載されている。リーマヘッドは、方向転換され、シャフトの回転方向と同じ回転方向で使用することもできる。しかしながら、このためには、多数の小さい歯が近くに相並んでいなければならず、これらの歯は、交換ヘッドの周囲に沿って両側を等しく研磨しなければならない。即ち、個々の歯は、それぞれ対象であり、2つの切刃−即ち回転方向毎にそれぞれ1つ−を備える。しかしながら、切刃の形状−マイナスの切削角を有する−は、いかなるリーマ加工をも可能にしないが、精々削り加工を可能にするにすぎない。
【0010】
特許文献8には、外テーパが3つの空所を備える円錐形の保持装置が示されている。押し付けた場合、外テーパは、空所にされてない箇所が押し広げられ、空所は縮まる。これにより、テーパ結合部以外の領域で、シャフトの固定が得られる。
【0011】
特許文献9には、位置決めの不正確さを補償する、シャフトとリーマヘッド間の可動の結合部が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第01/64381号パンフレット
【特許文献2】米国特許第1,472,798号明細書
【特許文献3】特開平07−040141号公報
【特許文献4】米国特許第4,166,711号明細書
【特許文献5】米国特許第2,303,487号明細書
【特許文献6】米国特許第2,164,573号明細書
【特許文献7】米国特許第2,164,571号明細書
【特許文献8】米国特許第5,163,790号明細書
【特許文献9】米国特許第3,087,360号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、材料の節約を可能にし、これによりリーマヘッドの安価な製造を可能にする前記の様式の機械リーマ工具と、この機械リーマ工具のための交換ヘッド及びシャフトとを提供することにある。本発明の別の課題は、機械リーマ工具の前記部分の簡素化した構造を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの課題は、相応の独立請求項の対象によって解決される。
本発明による機械リーマ工具は、本発明によるリーマヘッドあるいは交換ヘッド及びシャフトを備える。この場合、本発明による交換ヘッドは、一体的かつ交換可能であり、交換ヘッドは、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合のための手段を含めて、hmax(mm)よりも薄い厚さを備え、この厚さhmaxは、交換ヘッドの直径D1(mm)から計算されて、
hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)
となる。
【0015】
本発明の好ましい実施形では、hmaxは、(12mm以下のD1に対して)少なくとも6mmであり、(35mm以上のD1に対して)精々8mmである。好ましい実施形では、hmaxは、直径D1に依存せずに6mmに等しい。
【0016】
これに応じて、交換ヘッドの個々の刃における案内部も、hmaxよりもいくらか小さい。交換ヘッドのこの形成の基本にある認識は、刃の通常の比較的長い案内部が、非常に多くの適用例において全く必要ないことにある。これにより、交換ヘッドは、例えば5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3mm、2.5mm又は2mm以下の小さな厚さでも、材料を節約するように製造することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形では、交換ヘッドは、平坦なシャフト側の端面に、結合要素として、シャフトに調心するように固定するための空所を備える。シャフトは、歯又は刃のようないかなる加工手段も備えず、交換ヘッドよりも大きな外径を備える。シャフトは、好ましくは一体的であり、端面側の平面に、軸方向にこの平面から突出する結合突起を備え、この結合突起は、交換ヘッドの空所と対応する。交換ヘッドは、即ち軸方向に突出するいかなる交換適合のための突起も備えない。これにより、交換ヘッドにおける材料の必要量は、更に低減され、交換ヘッドの製造が簡素化される。
【0018】
従来の結合様式の場合、硬い交換ヘッドの突出する突起は、基体の比較的軟らかなシャフトを拡開する。この場合、この拡開は、分離間隙によって助長される。これとは対照的に、本発明によれば、硬い交換ヘッドの空所の内面又は複数の点は、シャフトの突出する突起を圧搾する。シャフト材料のこの圧搾は、結合要素を軸中心に配設する際に本質的に半径方向に行なわれる。圧搾は、材料の移動に関して、従来技術によるシャフト材料の拡開よりも比較的大きな力を必要とする。相応に、本発明によれば、場合によっては高い製造精度が必要になる。有利なことに、拡開とは対照的に、シャフトの端面側の面の平面度は、マイナスの影響を受けない。
【0019】
換言すると、即ち、交換ヘッドは、約6mmよりも少ない、好ましくは5mmよりも少ない、又は4mmよりも少ないかこれに等しい軸方向の間隔を有する2つの平行な平坦な端面を備え、この端面を超えて突出する交換適合装置を有していない。平坦なシャフト側の端面は、端面内に突出する切欠き部又は凹部を備え、これに、対応するシャフトの突出する部分が組込み可能である。この組込みの際、即ち交換ヘッドが軸方向にシャフトに押し付けられる場合、この突出部は、その全周囲に沿って、又は少なくとも3つの箇所で、交換ヘッドにより圧搾されるか、圧縮されるか、内に向かって変形される。
【0020】
本発明の別の実施形では、1つより多くの調心用の切欠き部が交換ヘッドにおいて可能であり、1つより多くの突起が、シャフトにおいて可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施形では、交換ヘッドの端面の空所が内テーパであり、これに応じて突出する突起が、対応する外テーパである。内テーパと外テーパの寸法は、好ましくは、シャフトに交換ヘッドを取り付ける際に、シャフトの端面側の平面と交換ヘッドの向かい合っている端面とが所定の間隔を備えるように互いに調整されている。交換ヘッドを固定するため、少なくとも1つの頭付きネジが、交換ヘッドの少なくとも1つの孔を経て案内され、シャフトにネジ止めされる。1つの頭付きネジあるいは複数の頭付きネジを締めた場合、シャフトの外テーパは、シャフトの端面側の平面と向かい合っている交換ヘッドの端面とが互いに当接するまで、硬い交換ヘッドの内テーパによって押し付けられる。これら両端面の互いの押付けによって、摩擦係合による結合が生じる。唯一の軸中心の頭付きネジを使用した場合でも、この結合が、通常運転中のトルク伝達をするために十分であることが分かる。即ち、例えば三角又は六角結合のような多角形式の動力伝達手段を用いずに、純粋なテーパ結合を使用することができる。これにより、交換ヘッドの製造は、シャフトの製造のように簡素化される。
【0022】
好ましくは、外テーパ又は内テーパは、複数の、好ましくは3つのいくらか突出したあるいは解放されたセグメントを備える。これは、リーマ工具を組み立てた場合に、シャフトと交換ヘッド間の接触面を構成し、これにより例えば三点支持を構成する。製造に際しては、これらセグメントしか、テーパ範囲全体ではなく、高精度で製造する、例えば研磨する、必要がない。
【0023】
本発明の他の実施形では、交換ヘッドの端面における結合要素として形成された空所が、本質的に円形シリンダ形であり、シリンダ内周の3つの箇所に、空所がいくらか狭く形成されているそれぞれ1つの当接セグメント又は当接点を備える。これら3つの箇所は、周方向に互いに間隔を置いて周囲にわたって配分されている。これに応じて、結合要素として形成された突出するシャフトの突起は、同様に本質的に円形シリンダ形である。
【0024】
この実施形の好ましい変形例では、当接セグメントが平坦な面によって構成される。当接セグメントの1つの周方向の広がりは、他の2つの当接セグメントの広がりよりも比較的大きく、例えば1.5倍〜2倍の大きさである。この当接セグメントは、これによりキャッチセグメントとして作用する。これに対応して、シャフトは、周囲の部分セグメントに上に平坦な面を備え、この部分セグメント又はセクタは、例えば周囲の8分の1までを包囲する。キャッチセグメントは、捩じれ防止部としても作用する。即ち、シャフトに取り付ける際の交換ヘッドの整向は、キャッチセグメントがシャフトの平坦な面に対応して整向されなければならないので、一義的に確定される。更に、キャッチセグメントは、交換ヘッドへの形状補完的な動力伝達を生じさせ、場合によっては捩れによって交換ヘッドとシャフトとの引っ掛かりを生じさせる。交換ヘッドは、前記したものと同様に1つ又は複数の好ましくは収納されるネジによってシャフトとネジ止めされ、シャフトの端面に押付けられる。
【0025】
交換ヘッド及びシャフトにおける結合要素のシリンダ形状は、結合部の交換精度が十分である場合でも簡単かつ安価な製造を可能にする。
【0026】
本発明の別の実施形では、交換ヘッド及びシャフトにおける結合要素は、丸み付けされた多角形シリンダ−好ましくは周囲に沿って丸み付けされた三角形シリンダ−である。シャフトにおける外シリンダは、交換ヘッドにおける内シリンダよりも少し小さいので、交換ヘッドをシャフトに取り付ける場合及び相互に若干の捩れが生じた場合には、シリンダの周囲に沿って3つの接触点を構成する。周方向に交換ヘッドを整向するための整向手段として、多角形シリンダが非対称に形成されるか、多角形シリンダ又は以下で説明するような互いに押し付けるべき端面に対応する切欠き部又は突出する要素を備えるかのいずれかである。
【0027】
交換ヘッドにおける調心用の空所は、全ての実施形において、強制的に中央に存在するのでも、一貫しているのでもない。しかしながら、頭付きネジを正確に使用する場合、空所は、交換ヘッドの中央あるいは軸中心に配設されもし、一貫してもいる。好ましくは、空所は、この場合、シャフトとは逆に面している交換ヘッドの端面においてネジ頭部のための空所を構成する。これにより、ネジ頭部が収納可能である。これにより、更にまた、盲穴の加工深さも最大化可能である。
【0028】
本発明の別の好ましい実施形では、シャフト及び交換ヘッドが、対応する、交換ヘッドをシャフトに対して周方向に一義的に整向するための手段を備える。交換ヘッドにおける整向手段は、例えばシャフトに面した端面における凹部あるいは穴であり、対応するシャフトにおける整向手段は、突出部又はピンである。これら整向手段は、リーマの回転特性への高い要求が交換ヘッドを交換する場合でも維持されることを保証する。即ち、リーマヘッドは、製造の際に同じ工作機械上で研磨され、整向手段に対するリーマヘッドの整向は、それぞれ同じである。リーマヘッドを使用する機械は、新しいリーマを装置する際に、マイクロメートル範囲の精度で偏心度調整されなければならない。リーマの交換ヘッドが交換される場合、整向手段によりいかなる偏心度調整も必要ない。整向手段は、その形状補完により交換ヘッドへの動力伝達のためにも寄与する。
【0029】
交換ヘッドは、その周方向に沿って互いに間隔を置いた複数の刃又は切削歯を備える。各刃は、切込部と案内部とを備える。切込部は、好ましくは軸方向に0.03mm〜1.2mmの、特に約0.3〜0.7mmの長さを備える。交換ヘッドの厚さまで残っている刃の長さは、案内部を構成する。0.5mmの切込部の平均長さと4mmの交換ヘッド厚さに対し、1:7の切込部の長さと案内部の長さ間の比が得られる。好ましくは、この比は、1:6〜1:10であり、これは、例えば1:20の最大通常値に対して比較的大きな値である。大きな値は、交換ヘッドの厚さが少ないことから生じる。これは、さらにまた特に、全ての適用部の大部分がリーマの案内に対して特に高い要求を何らしないという認識により可能になる。
【0030】
切込部と移行領域間の点は、以下では有効切削エッジ又はリーマエッジと呼ばれる。この点から出発して、案内領域は、後に向かって若干先細るので、リーマエッジは、刃の最大半径を有する点であり、従って、加工される穴の半径あるいは直径も決定する。ここ及び以下では、それぞれ、「前面」で交換ヘッドのシャフトとは逆に面している側面を呼び、「背面」で向かい合っている側面を呼ぶ。
【0031】
本発明の好ましい実施形では、交換ヘッドは、リバーシブルプレートとして形成されている。交換ヘッドは、即ち第1の側面と向かい合っている第2の側面とを備え、選択的に第1の側面と第2の側面とをシャフトに取付け可能であり、両方の場合、リーマ加工のために使用可能である。第1の側面と第2の側面−例えば平面と調心用のテーパとを有する−は、ネジ又はテンションロッドのような結合手段によって、対応するシャフトの面に保持又は押し付けられる。
【0032】
従って、刃−特にリーマエッジが前面に支持されるまで、交換ヘッドを第1のフェーズで先ず背面としての一方の側面をもってシャフトに取り付けて使用することが可能である。次いで、第2のフェーズで交換ヘッドが反転され、即ち他方の側面が背面になり、これまで裏側にあった切込部とリーマエッジが前面になる。このため、当然回転方向は加工中に逆転されなければならない。驚異的であることに、第1のフェーズでは、後側のリーマエッジが前側のリーマエッジと最初は同じ半径を備えるか、前側のリーマエッジをある程度利用した後でさえ大きな半径を備えるかにかかわらず、後ろ側のリーマエッジの有意義な利用が何ら行なわれない。
【0033】
即ち、交換ヘッドを反転させた後には、それぞれ歯の切刃の他方の側面が利用される。反転させた交換ヘッドで作業を行なうことができるようにするために、歯毎に第2の切刃を何ら必要としない。従って、歯は、周囲に沿って、あるいは見た方向では回転軸に対して平行に、非対称に形成されている。
【0034】
反転可能な交換ヘッドは、両方の固定方向のための調心手段と固定手段とを備える。例えば、上記の内テーパの代わりに2つの同軸の内テーパがある。内テーパのそれぞれは、両方の平面の一方から出発して、交換ヘッドの中心に達し、ここでは、両方の円錐形の切欠き部が互いに当接する。これに対して選択的に、内テーパが中心までに達しはしないが、中心にある固定要素のための孔によって結合されている。
【0035】
円錐形の切欠き部の代わりにシリンダ形の切欠き部が使用される場合には、この切欠き部は、交換ヘッドの平面に対して垂直な平面に対して少なくとも鏡面対称を備えるように形成されている。
【0036】
固定手段は、例えば両側にネジ頭部用の空所を有する1つ又は複数の一貫した孔、又は独立した2セットの孔であり、一方のセットは、このような空所を交換ヘッドの一方の側面に備え、他方のセットは、空所を他方の側面に備える。空所を有していない構成も考えられる。
【0037】
好ましくは、それぞれ1つの刃の両リーマエッジ間の案内部は、刃の中心に向かって先細っている。この先細り部は、例えば−中空部の研磨に応じて−V字形又は円弧形とすることができる。向かい合っている刃に向かう直径の減少は小さく、軸方向に10mm行く毎に100分の1ミリメートルの範囲内にある。本発明の好ましい実施形では、先細り部間のほぼ中心に溝又はノッチが刃に配設されている。これにより、互いに向かって延在する両方の先細り部の製造が簡略化される。驚異的であるのは、案内領域がこのように短く、場合によっては中断されている場合でも、交換ヘッドでの加工中に十分な案内が行なわれる。
【0038】
本発明の別の好ましい実施形では、交換ヘッドの薄い形態が、この交換ヘッドに、同じシャフトに固定されている第2の加工工具を組み合せることを可能にする。例えば、この第2の工具は、交換ヘッドとして若干小さい直径を有する粗仕上げ具のような粗加工工具である。このような組み合わせの工具の使用では、作業行程において、粗仕上げ具は、既存の孔内で粗加工直径又は前寸法に応じた第1の内半径を生じさせ、リーマヘッドは、孔の仕上げ寸法に応じた若干大きな内半径を生じさせる。好ましくは、粗仕上げ具及び交換ヘッドは、独立した固定手段によってシャフトに固定されるか、しかしながら唯一の共通の固定手段−例えば同軸のネジ−によって固定される。シャフトは、対応する交換ヘッド及び第2の加工工具用の固定手段を備える。交換ヘッドの厚さが小さいことにより、工具を組み合わせた全高さも小さく、従って、これは、狭い環境で使用可能である。
【0039】
同様に交換ヘッドの形態が薄いことにより有用である本発明の別の好ましいもう1つの実施形では、好ましくは一体的な交換ヘッドが、リーマ工具としても、フライス工具としても形成されている。このため、例えば、それぞれ、刃の前面は、上記のように優先的にリーマ加工のために形成され、付加的に背面の切込部は、面取りフライスとして形成されている。好ましくは前面の切込部も、リーマ加工のためにだけ使用されるものよりも大きく形成されており、前方の切込部は、これにより面取りフライスとしても使用可能である。孔の入口又は出口の面取りをフライス加工する場合、工具軸の循環運動が行なわれる(循環フライス加工又は補完フライス加工)。
【0040】
本発明の最後に挙げた実施形を使用する場合、以下のステップを有する加工方法が実施される。即ち、これは、
−刃の前面の切込部によって孔の入口の面取りをフライス加工するステップと、
−刃の前面の切込部及び特にリーマエッジによって規定寸法に孔をリーマ加工するステップと、
−刃の背面の切込部によって孔の出口の面取りをフライス加工するステップと、
−場合によっては生じ得るバリを除去する、孔を工具が戻るステップと、
である。
【0041】
唯一の一体的で薄い交換ヘッドにおける加工機能の本発明による組み合わせにより、説明した加工工程は、狭い環境でも工具交換なしで作業工程内で実施することができる。
【0042】
上記実施形の種々の組み合わせが可能である。模範的、しかしながら最後に、以下のことを述べておく。即ち、面取りフライス加工及びリーマ加工の組み合わせは、1つのリバーシブルプレートでも実現することができる。粗仕上げ具と組み合せて使用される交換ヘッドの背面には、面取りフライス加工をするための刃をセットすることもできる。
【0043】
説明した交換ヘッドは、好ましくは、硬質金属、サーメット、セラミック(例えばシリコンセラミック又はセラミックインサートあるいはオキサイドセラミック)、又はCBN(立方晶窒化ほう素)のような、焼結によって製造された材料から製造されている。
【0044】
別の好ましい実施形は、従属請求項から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による機械リーマ工具のヘッド領域を経る縦断面図を示す。
【図2】本発明による機械リーマ工具のシャフトのヘッド領域を経る縦断面図を示す。
【図3】本発明によるシャフトを示す。
【図4】本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図5】本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図6】本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図7】本発明の別の実施形の交換ヘッドを経る断面図を示す。
【図8】本発明の別の実施形の交換ヘッドを経る断面図を示す。
【図9】図7及び8からの交換ヘッドに応じたシャフトを経る対応断面図を示す。
【図10】本発明の別の実施形の交換ヘッドとシャフトとの結合要素を示す。
【図11】部分的に切り開いた側面図と詳細図でリバーシブルプレートとして形成された交換ヘッドを示す。
【図12】図11によるリバーシブルプレートの断面図にした側面図と平面図とを示す。
【図13】交換ヘッドに取り付けるための粗加工工具を示す。
【図14】交換ヘッドと粗加工工具を有するシャフトを示す。
【図15】部分的に切り開いた側面図と平面図で組み合せたリーマヘッドとフライスとして形成された交換ヘッドを示す。
【図16】本発明の別の実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図17】本発明の別の実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下で、貼付図に図示されている好ましい実施例を基にして本発明対象を詳細に説明する。
【0047】
図面において使用される符号とその説明は、符号リストにまとめてリストアップしてある。基本的に、図において同じ部分は、同じ符号を備えている。
【0048】
図1は、本発明による機械リーマ工具のヘッド領域を経る縦断面図を示す。交換ヘッド1は、中心を軸方向に延在する頭付きネジ3によってシャフト2にねじ止めされている。頭付きネジ3は、空所14内に埋没している。交換ヘッド1を周方向に整向するため、交換ヘッド1が整向穴12を備え、シャフト2が、整向穴12内に突出する整向ピン22を備える。シャフト2は、軸方向孔26を備え、この軸方向孔から、工具側の端部において、工具ヘッド1の近傍でシャフト2の外側に冷却剤通路24が至る。交換ヘッド1に冷却剤出口が近いこと及び交換ヘッドの厚さhが小さいことによって、切削を行なう部分の改善された冷却が保証されている。交換ヘッド1のシャフト側の平面15は、ねじ止めすることによってシャフト2の端面側の平面25に押し付けられる。この場合、結合要素−本発明のこの実施形では、交換ヘッド1の内テーパ11とシャフト2の外テーパ21−も、互いに押し付けられる。この場合、交換ヘッド1の材料が、シャフト2の材料よりも低い変形能力を備えるので、外テーパ21が、半径方向にその材料弾性内で内側に向かって変形及び圧搾あるいは圧縮される。
【0049】
交換ヘッド1は、例えば10mm〜60mmの直径D1を備え、高い方の値に対して、図5による交換ッヘッド1の固定部を有する実施形が好ましい。シャフト2は、少なくとも数ミリメートルだけ交換ヘッド1の直径よりも小さい直径D2を備える。
【0050】
交換ヘッド1の軸方向−即ち工具の回転軸の方向−の厚さhは、直径D1が10mm〜60mm又はそれより大きい場合、好ましくは6mm又は5mmよりも小さく、この例では4mmである。内テーパ11は、例えば2mmだけの深さまで交換ヘッド1内に突出する。これに応じて、外テーパ21は、約2mmシャフト2の端面側の平面25から突出する。内テーパ11及び外テーパ21の寸法が互いに調整されているので、ルーズな組立の場合には、交換ヘッド1のシャフト側の平面15とシャフト2の端面側の平面25間に所定の小さな空隙が生じる。頭付きネジ3を締め付けた場合、これらの面は押し付けられ、空隙の所定の大きさのために、コントロールされた外テーパ21の予設定された変形が生じる。
【0051】
図2は、本発明による機械リーマ工具のシャフトのヘッド領域を経る縦断面図を示す。シャフト又は少なくともヘッド領域は、好ましくは一体的に形成されている。軸方向孔26は、一貫して形成されており、工具側の端部にネジ23を備える。内テーパ11の領域では、軸方向孔26が、ネジ孔23に対して拡大された直径を備える。これにより、内テーパ11と頭付きネジ3の材料間に、内テーパ11を変形させるための自由領域が残る。整向ピン22は、シャフト2における孔に圧入されている。原理的に、整向ピンが交換切削プレート1に、対応する整向穴がシャフト2に配設されていてもよい。しかしながら、この実施形は、特に交換ヘッド1がシャフト2よりも頻繁に交換されるので、製造に若干費用がかかる。
【0052】
図3は、本発明によるシャフト2を示す。シャフト2は、機械に取り付けるために、機械側に、即ちその工具1から離間した端部に設けられている。シャフトは、このため、例えば円形シリンダ形状であるか、標準固定面を備える。模範的な寸法は、リーマヘッド直径が11mm〜16mmの場合に80mmのシャフト長さで10mmのシャフト直径D2であるか、リーマヘッド直径が18mm〜24mmの場合に110mmのシャフト長さで16mmのシャフト直径D2である。シャフト自体には、好ましくはドリル穴内にシャフトを案内するための案内部が何ら形成されてない。
【0053】
図4,5及び6は、本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図をそれぞれ示す。図4は、図1〜3に対応する中央に頭付きネジ3を有する実施形を示す。一貫した切欠き部50,13,14は、シャフト側の空所50あるいは内テーパ11として、向かい合っている側のネジ頭部用の空所14として、その間の孔13として形成されている。
【0054】
交換ヘッドの周辺部が半製品の形態に応じて概略的にのみ図示されている図1及び7とは対照的に、図4,5及び6における周辺部は正確に図示されている。即ち、交換ヘッド1は、周方向に分配された刃16を有する複数の切削歯を備える。刃は、軸方向に交換ヘッド1の第1の平坦な端面から第2の平坦な端面へと至る。これら端面は、交換ヘッド1を軸方向に制限し、この軸方向に対して垂直に間隔hを置いて互いに平行に延在する。1つの刃16は、切込部17と案内部18とを備える。案内部は比較的短いので、間隔hも比較的短い。案内部18が非常に短いにもかかわらず、大抵の適用の場合、本発明による機械リーマ工具の有効な使用が可能である。
【0055】
図5は、それぞれ1つのネジ頭部14用の空所を有する複数の一貫した孔が中心にある孔13を中心として同軸に配設されている本発明の好ましい実施形を示す。これにより、大きな直径を有する交換ヘッドがこのようにリング状であっても、十分な固定及びトルク伝達が保証される。この実施形の場合はネジ頭部14用の空所と内テーパ11のような結合要素とが相並んで、同じ軸上に配設されていないので、最大の厚さh1でさえ、3mm又は2mmとなることがある。
【0056】
図6は、内テーパ11が解放されている3つの当接セグメント52を備える、即ち内テーパの残りの領域が若干大きな直径を備える、本発明の別の好ましい実施形を示す。当接セグメント52は、周方向に互いに間隔を置いて周囲にわたって一様に分配されている。製造時には、この当接セグメント52の面しか、高い精度で仕上げあるいは研磨する必要がない。
【0057】
図7及び8は、本発明の別の実施形の交換ヘッド1を経る断面図を示す。これらの図においては、図9においてもそうであるように、結合要素27,50が本質的にシリンダ形に形成されている。図7は、軸方向に対して平行な横断面を示し、図8は、軸方向に対して垂直な横断面の一部分を示す。結合要素として作用する空所50は、主に円形シリンダ形に形成されているが、3つの当接セグメント51,52を備える。各当接セグメント51,52において、円形シリンダの内壁は、円のセクタにわたって経端である。このようなセクタの広がりは、シリンダ直径の半分までの5分の1にほぼ一致する。シリンダ直径が約17mmの場合、これは、例えば2mm〜4mmに一致する。好ましくは、当接セグメント52の一方は、周方向に本質的に大きく、例えば他方の当接セグメントの2倍の大きさであり、これによりキャッチセグメント51として作用する。
【0058】
図9は、図7及び8からの交換ヘッドに応じたシャフトを経る対応断面図を示す。シャフトの結合要素27は、本質的に円形シリンダ形であり、平坦に加工したセクタを、即ちシャフト周囲の平坦な面28を有する。結合要素は、軸方向に例えば約1〜2又は4mmだけシャフト2の端面側の平面25から突出する。交換ヘッド1とシャフト2の組立は、キャッチセグメント51とシャフト周囲の平坦な面28とを互いに整向しなければならない。
【0059】
図10は、本発明の別の実施形による交換ヘッドとシャフトとの結合要素を有する一部分を示す。この図においては、シャフトの結合要素27と、これに応じて交換ヘッド1の空所50とは、丸み付けをした外あるいは内の三角形シリンダとして形成されている。シャフトの結合要素27は、空所50よりも若干小さいので、先ずはルーズな結合部が形成可能である。図10は、明確化のために強く誇張した誇大相違点を示す。組立時又は機械リーマ工具の運転中に、交換ヘッド1とシャフト2の相互の捩れによって接点53が生じる。
【0060】
図11は、部分的に切り開いた側面図と詳細図でリバーシブルプレートとして形成された交換ヘッドを示す。案内部18は、第1の先細り部181と第2の先細り部182とを備え、これらの先細り部は、それぞれ第1のリーマエッジ191あるいは第2のリーマエッジ192から刃16の中心に至る。刃16の縁部の直径は、この場合中心に向かって減少し、縁部と、第1のリーマエッジ191と第2のリーマエッジ192間の接続線との間の角度α1は、数100分の1程度である。これは、軸方向に10mm行く毎に約0.01mmの直径変化に相当する。
【0061】
両方の先細り部181,182間に、好ましくは溝183が配設されている。この溝は、先細り部181,182に応じた面の仕上げ−例えば研磨−を容易にする。溝183とリーマエッジ191,192間で、先細り部181,182の長さは、例えばそれぞれ0.5mm又は1mmであり、これは、図11においては長さV1及びV2で示されている。
【0062】
第1のリーマエッジ191から第1の切込部171が第1の平面193に至り、第2のリーマエッジ192から第2の切込部172が第2の平面194に至る。両方の切込部171,172は、切削のために設けられており、これらは、即ち逃し研磨面あるいは逃げ角又は逃げ研磨面173を備える。即ち、切削歯16の半径は、切刃の背後の周囲に沿って減少する。逃げ研磨部173を構成する研磨面は、図15に示されている。切込部171,172は、典型的には平面193,194に対して45°の角度を備えるが、しかしながらまた多少傾斜していてもよい。
【0063】
図12は、図11によるリバーシブルプレートの断面図にした側面図と平面図とを示す。刃16は、この図では簡略化されて図示されている。リバーシブルの交換ヘッド1は、第1の結合要素197と第1の結合要素198とを備え、これら結合要素のそれぞれは、ネジ頭部を収容するための凹部14を有する貫通穴のセットから成る。これらの凹部14は、第1の穴のセットの場合は第1の平面193に、第2の穴のセットの場合は第2の平面194に配設されている。
【0064】
交換ヘッド1を調心するため、第1の平面193から第1の内テーパ195が、第2の平面194から第2の内テーパ196が、交換ヘッド1の軸に対して同軸に交換ヘッド1内に至る。シャフト2に対する交換ヘッド1の第1の固定位置では、第1の平面193が前面の平面となり、第2の平面194と第1の内テーパ195とが、第1の穴197のセットを経るネジによってシャフト2に保持又は押し付けられる。第2の固定位置では、交換ヘッド1が反転されるので、第2の平面194が前面の平面となり、第1の平面193と第2の内テーパとがシャフト2に押し付けられる。
【0065】
第1の固定位置で交換ヘッド1を使用する場合、刃16の第1のリーマエッジ191が利用される。驚くべきことに、この場合、しかしながら後続の第2のリーマエッジ192は、たいして利用されない。必要な寸法がリーマ加工後に−典型的には数100分の1ミリメートルだけ−もはや得られない場合に限って、第1のリーマエッジ191が利用されている場合に交換ヘッド1が反転される。
【0066】
図13は、交換ヘッドに取り付けるための粗加工工具200を示す。粗加工工具200は、以下では粗仕上げ具200と呼ばれる。この粗仕上げ具は、交換ヘッド直径D1に相当する最終寸法よりも若干小さい粗加工直径D3を備える。図に示された粗仕上げ具200は、切削加工のために個々のリバーシブルプレート205を備え、粗仕上げ具200のシャフト201を介して交換ヘッド1と同じシャフト2に固定される。このため、良好なトルク伝達のために、粗仕上げ具200のシャフト201が2つの平坦な面203を備え、これに応じてシャフト2に軸方向の凹部が形成されている。
【0067】
図14は、交換ヘッド1と粗仕上げ具200が組み立てられたシャフト2を示す。交換ヘッド1は、このため、図5又は12におけるように埋設されるネジを収容するための貫通穴のセットを備える。ネジは、シャフト2の軸に対して本質的に平行に延在する。粗仕上げ具200は、中央のネジ204によって保持され、軸方向に交換ヘッド1に引き付けられる。ネジ204は、粗仕上げ具200内の穴202を経て案内され、シャフト2にネジ止めされている。
【0068】
図15は、部分的に切り開いた側面図と平面図で組み合せたリーマヘッドとフライスとして形成された交換ヘッドを示す。既に図11と関連させて説明したように、ここでも切削又は加工のために刃16もしくは歯16の両方の切削プレート171,172が設けられており、即ち逃し研磨面又は逃げ研磨面173を備える。図15による本発明の実施形では、第1の切込部171は、第1の平面193から第1のリーマエッジ191に至り、そこから案内部18が若干先細りつつ向かい合っている、この場合フライスエッジ199と呼ばれているエッジに至る。フライスエッジ199から、第2の切込部172が第2の平面194に至る。
【0069】
刃16とシャフト側の平面15間の縁部が面取りによってのみ中断されている図4による実施形とは対照的に、ここでは、面取りによって生じる縁部が、逃し研磨面173を有する、切削を行なう切込刃172として形成されている。刃16は、即ち切削のための交換ヘッド1の第1の側面にも第2の側面にも形成されている。第2の切込部172によって、例えば交換ヘッド1の孔とこの孔からの出口とのリーマ加工をした後、出口穴の縁部の面取りをフライス加工することができる。このため、補完フライス加工又は循環フライス加工によって、回転する交換ヘッド1の軸は、円軌道で孔の軸を中心として運動させられる。
【0070】
図15は、2つの断面図で両方の切込部171,172のもう1つの好ましい形成を示す。断面A−Aは、リーマエッジ191の前の第1の切込部171の図を示す。第1の切込部171の高い機械的強度を保証するために、切込部は、約3°〜10°の、好ましくは少なくとも約6°の比較的小さい逃し研磨面角度β1を備える。角度β1は、切込部171に対する接線に関係して寸法設定される。好ましくは、逃し研磨面173は、切刃に向かって間隔bに行った後に例えば10°〜20°の、好ましくは少なくとも約12°の大きな角度β2を備える。間隔bは、交換ヘッド1の値に応じて、0.05mm又は0.1mm、好ましくは少なくとも約0.25mmである。
【0071】
断面B−Bは、フライスエッジ199の前の第2の切込部172の図を示す。フライスの精度に対しては、リーマ機能に対するように非常に高い要求があるので、10°〜20°の、好ましくは少なくとも約12°の逃し研磨面角度β3を有する唯一のフライス研磨面173で十分である。
【0072】
図16及び17は、それぞれ本発明による交換ヘッド用の半製品6の対応図を示す。半製品6では、特に結合要素、即ち第1と第2の平面193,194である内テーパ11とネジ頭部用の選択的な空所14を有する貫通穴とが仕上げ加工されている。更には刃16しか、特殊な要求に応じて研磨する必要がない。両方の図16及び17は、異なった直径で、異なった投影スケールで約4.3mmの同じ厚さの半製品6を示す。図16からの半製品6は、16mmの直径を備え、図17からのものは、101mmの直径を備える。好ましくは、直径は異なるが、同じ厚さh1を有する複数の交換ヘッド1は、1セットの交換ヘッド1を構成する。厚さh1は、説明した全ての実施形の場合で好ましくは4mm〜5mmである。
【符号の説明】
【0073】
1 リーマヘッド、交換ヘッド
11 内テーパ
12 整向穴
13 孔
14 ネジ頭部用の空所
15 シャフト側の平面
16 刃
17 切込部
18 案内部
2 シャフト
21 外テーパ
22 整向ピン
23 ネジ孔
24 冷却剤通路
25 端面側の平面
26 軸方向孔
27 シャフトの結合要素
28 シャフト周囲の平坦な面
3 頭付きネジ
50 空所
51 キャッチセグメント
52 当接セグメント
53 接点
6 半製品
171 第1の切込部
172 第2の切込部
173 逃げ研磨面
181 第1の先細り部
182 第2の先細り部
183 溝
191 第1のリーマエッジ
192 第2のリーマエッジ
193 第1の平面
194 第2の平面
195 第1の内テーパ
196 第2の内テーパ
197 第1の結合手段
198 第2の結合手段
199 フライスエッジ
200 粗仕上げ具
201 粗仕上げ具のシャフト
202 孔
203 平坦な面
204 ネジ
205 リバーシブルプレート
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれの独立請求項1,15,28及び32の上位概念による機械リーマ工具と、機械リーマ工具用の交換ヘッド及びシャフトと、交換ヘッドを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械リーマ工具又は機械リーマは、シリンダ状の孔の精密加工のために使用される。個々の刃は、それぞれ1つの主刃又は切込部及び副刃又は案内部を備える。切込部は切削作業をし、案内部は、孔内に工具を案内するために使用される。全ての加工状況で、例えば孔の出口が斜めの場合に、確実な案内を保証するために、案内部は、軸方向に切込部よりも何倍も長い。従って、案内部の長さは、例えば約15ミリメートルの直径の場合、例えば10ミリメートル又はそれよりも長い。
【0003】
特許文献1から、基体と交換ヘッド、即ち交換可能なリーマヘッド、とを備える機械リーマが公知である。
【0004】
リーマヘッドは、一体的に形成されており、後方の平面を超えて軸方向に突出する交換適合のための突起を備える。突出するこの突起は、ピラミッド状に形成されているか、テーパとして形成されているかのいずれかである。基体と結合させる際に、突起は、対応する基体の凹部内に挿入され、その際、分離間隙又は伸縮スリットによって互いに又は残りのシャフトから分離されている固定板が拡開される。トルク伝達を改善するため、結合部が円錐形の場合、付加的に外六角部がリーマヘッドに形成され、対応する内六角部が基体に形成されている。
【0005】
特許文献2には、切込部と案内部の一部分とを有するカラーが交換可能であり、その一方、案内部の残りの部分が更に使用されるリーマヘッドが示されている。
【0006】
特許文献3の特許の要約には、その前端部に交換可能なヘッドが取り付けられているリーマ本体が開示されている。このため、リーマ本体は、突出するスリット入りのシリンダを備え、このシリンダの上に、交換可能なヘッドが差し込まれる。スリット入りのシリンダは、円錐形のネジによって押し開かれ、従って、ヘッドを固定する。
【0007】
特許文献4及び特許文献5には、交換可能な工具ヘッドのための別の固定様式が示されている。
【0008】
特許文献6には、板材から打ち抜くか、歯の付いた棒から鋸引きすることができる薄いリーマヘッドが示されている。これは、比較的軟質の鋼の使用を前提とする。柔軟な鋼は、加工の際に歯が曲げられる構成の1つのためにも必要である。従って、特に、開示された比較的薄い歯によって、僅かな加工精度しか基体することができない。
【0009】
特許文献7には、両方の回転方向に運転することができる平坦なリーマヘッドが記載されている。リーマヘッドは、方向転換され、シャフトの回転方向と同じ回転方向で使用することもできる。しかしながら、このためには、多数の小さい歯が近くに相並んでいなければならず、これらの歯は、交換ヘッドの周囲に沿って両側を等しく研磨しなければならない。即ち、個々の歯は、それぞれ対象であり、2つの切刃−即ち回転方向毎にそれぞれ1つ−を備える。しかしながら、切刃の形状−マイナスの切削角を有する−は、いかなるリーマ加工をも可能にしないが、精々削り加工を可能にするにすぎない。
【0010】
特許文献8には、外テーパが3つの空所を備える円錐形の保持装置が示されている。押し付けた場合、外テーパは、空所にされてない箇所が押し広げられ、空所は縮まる。これにより、テーパ結合部以外の領域で、シャフトの固定が得られる。
【0011】
特許文献9には、位置決めの不正確さを補償する、シャフトとリーマヘッド間の可動の結合部が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第01/64381号パンフレット
【特許文献2】米国特許第1,472,798号明細書
【特許文献3】特開平07−040141号公報
【特許文献4】米国特許第4,166,711号明細書
【特許文献5】米国特許第2,303,487号明細書
【特許文献6】米国特許第2,164,573号明細書
【特許文献7】米国特許第2,164,571号明細書
【特許文献8】米国特許第5,163,790号明細書
【特許文献9】米国特許第3,087,360号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、材料の節約を可能にし、これによりリーマヘッドの安価な製造を可能にする前記の様式の機械リーマ工具と、この機械リーマ工具のための交換ヘッド及びシャフトとを提供することにある。本発明の別の課題は、機械リーマ工具の前記部分の簡素化した構造を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの課題は、相応の独立請求項の対象によって解決される。
本発明による機械リーマ工具は、本発明によるリーマヘッドあるいは交換ヘッド及びシャフトを備える。この場合、本発明による交換ヘッドは、一体的かつ交換可能であり、交換ヘッドは、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合のための手段を含めて、hmax(mm)よりも薄い厚さを備え、この厚さhmaxは、交換ヘッドの直径D1(mm)から計算されて、
hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)
となる。
【0015】
本発明の好ましい実施形では、hmaxは、(12mm以下のD1に対して)少なくとも6mmであり、(35mm以上のD1に対して)精々8mmである。好ましい実施形では、hmaxは、直径D1に依存せずに6mmに等しい。
【0016】
これに応じて、交換ヘッドの個々の刃における案内部も、hmaxよりもいくらか小さい。交換ヘッドのこの形成の基本にある認識は、刃の通常の比較的長い案内部が、非常に多くの適用例において全く必要ないことにある。これにより、交換ヘッドは、例えば5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3mm、2.5mm又は2mm以下の小さな厚さでも、材料を節約するように製造することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形では、交換ヘッドは、平坦なシャフト側の端面に、結合要素として、シャフトに調心するように固定するための空所を備える。シャフトは、歯又は刃のようないかなる加工手段も備えず、交換ヘッドよりも大きな外径を備える。シャフトは、好ましくは一体的であり、端面側の平面に、軸方向にこの平面から突出する結合突起を備え、この結合突起は、交換ヘッドの空所と対応する。交換ヘッドは、即ち軸方向に突出するいかなる交換適合のための突起も備えない。これにより、交換ヘッドにおける材料の必要量は、更に低減され、交換ヘッドの製造が簡素化される。
【0018】
従来の結合様式の場合、硬い交換ヘッドの突出する突起は、基体の比較的軟らかなシャフトを拡開する。この場合、この拡開は、分離間隙によって助長される。これとは対照的に、本発明によれば、硬い交換ヘッドの空所の内面又は複数の点は、シャフトの突出する突起を圧搾する。シャフト材料のこの圧搾は、結合要素を軸中心に配設する際に本質的に半径方向に行なわれる。圧搾は、材料の移動に関して、従来技術によるシャフト材料の拡開よりも比較的大きな力を必要とする。相応に、本発明によれば、場合によっては高い製造精度が必要になる。有利なことに、拡開とは対照的に、シャフトの端面側の面の平面度は、マイナスの影響を受けない。
【0019】
換言すると、即ち、交換ヘッドは、約6mmよりも少ない、好ましくは5mmよりも少ない、又は4mmよりも少ないかこれに等しい軸方向の間隔を有する2つの平行な平坦な端面を備え、この端面を超えて突出する交換適合装置を有していない。平坦なシャフト側の端面は、端面内に突出する切欠き部又は凹部を備え、これに、対応するシャフトの突出する部分が組込み可能である。この組込みの際、即ち交換ヘッドが軸方向にシャフトに押し付けられる場合、この突出部は、その全周囲に沿って、又は少なくとも3つの箇所で、交換ヘッドにより圧搾されるか、圧縮されるか、内に向かって変形される。
【0020】
本発明の別の実施形では、1つより多くの調心用の切欠き部が交換ヘッドにおいて可能であり、1つより多くの突起が、シャフトにおいて可能である。
【0021】
本発明の好ましい実施形では、交換ヘッドの端面の空所が内テーパであり、これに応じて突出する突起が、対応する外テーパである。内テーパと外テーパの寸法は、好ましくは、シャフトに交換ヘッドを取り付ける際に、シャフトの端面側の平面と交換ヘッドの向かい合っている端面とが所定の間隔を備えるように互いに調整されている。交換ヘッドを固定するため、少なくとも1つの頭付きネジが、交換ヘッドの少なくとも1つの孔を経て案内され、シャフトにネジ止めされる。1つの頭付きネジあるいは複数の頭付きネジを締めた場合、シャフトの外テーパは、シャフトの端面側の平面と向かい合っている交換ヘッドの端面とが互いに当接するまで、硬い交換ヘッドの内テーパによって押し付けられる。これら両端面の互いの押付けによって、摩擦係合による結合が生じる。唯一の軸中心の頭付きネジを使用した場合でも、この結合が、通常運転中のトルク伝達をするために十分であることが分かる。即ち、例えば三角又は六角結合のような多角形式の動力伝達手段を用いずに、純粋なテーパ結合を使用することができる。これにより、交換ヘッドの製造は、シャフトの製造のように簡素化される。
【0022】
好ましくは、外テーパ又は内テーパは、複数の、好ましくは3つのいくらか突出したあるいは解放されたセグメントを備える。これは、リーマ工具を組み立てた場合に、シャフトと交換ヘッド間の接触面を構成し、これにより例えば三点支持を構成する。製造に際しては、これらセグメントしか、テーパ範囲全体ではなく、高精度で製造する、例えば研磨する、必要がない。
【0023】
本発明の他の実施形では、交換ヘッドの端面における結合要素として形成された空所が、本質的に円形シリンダ形であり、シリンダ内周の3つの箇所に、空所がいくらか狭く形成されているそれぞれ1つの当接セグメント又は当接点を備える。これら3つの箇所は、周方向に互いに間隔を置いて周囲にわたって配分されている。これに応じて、結合要素として形成された突出するシャフトの突起は、同様に本質的に円形シリンダ形である。
【0024】
この実施形の好ましい変形例では、当接セグメントが平坦な面によって構成される。当接セグメントの1つの周方向の広がりは、他の2つの当接セグメントの広がりよりも比較的大きく、例えば1.5倍〜2倍の大きさである。この当接セグメントは、これによりキャッチセグメントとして作用する。これに対応して、シャフトは、周囲の部分セグメントに上に平坦な面を備え、この部分セグメント又はセクタは、例えば周囲の8分の1までを包囲する。キャッチセグメントは、捩じれ防止部としても作用する。即ち、シャフトに取り付ける際の交換ヘッドの整向は、キャッチセグメントがシャフトの平坦な面に対応して整向されなければならないので、一義的に確定される。更に、キャッチセグメントは、交換ヘッドへの形状補完的な動力伝達を生じさせ、場合によっては捩れによって交換ヘッドとシャフトとの引っ掛かりを生じさせる。交換ヘッドは、前記したものと同様に1つ又は複数の好ましくは収納されるネジによってシャフトとネジ止めされ、シャフトの端面に押付けられる。
【0025】
交換ヘッド及びシャフトにおける結合要素のシリンダ形状は、結合部の交換精度が十分である場合でも簡単かつ安価な製造を可能にする。
【0026】
本発明の別の実施形では、交換ヘッド及びシャフトにおける結合要素は、丸み付けされた多角形シリンダ−好ましくは周囲に沿って丸み付けされた三角形シリンダ−である。シャフトにおける外シリンダは、交換ヘッドにおける内シリンダよりも少し小さいので、交換ヘッドをシャフトに取り付ける場合及び相互に若干の捩れが生じた場合には、シリンダの周囲に沿って3つの接触点を構成する。周方向に交換ヘッドを整向するための整向手段として、多角形シリンダが非対称に形成されるか、多角形シリンダ又は以下で説明するような互いに押し付けるべき端面に対応する切欠き部又は突出する要素を備えるかのいずれかである。
【0027】
交換ヘッドにおける調心用の空所は、全ての実施形において、強制的に中央に存在するのでも、一貫しているのでもない。しかしながら、頭付きネジを正確に使用する場合、空所は、交換ヘッドの中央あるいは軸中心に配設されもし、一貫してもいる。好ましくは、空所は、この場合、シャフトとは逆に面している交換ヘッドの端面においてネジ頭部のための空所を構成する。これにより、ネジ頭部が収納可能である。これにより、更にまた、盲穴の加工深さも最大化可能である。
【0028】
本発明の別の好ましい実施形では、シャフト及び交換ヘッドが、対応する、交換ヘッドをシャフトに対して周方向に一義的に整向するための手段を備える。交換ヘッドにおける整向手段は、例えばシャフトに面した端面における凹部あるいは穴であり、対応するシャフトにおける整向手段は、突出部又はピンである。これら整向手段は、リーマの回転特性への高い要求が交換ヘッドを交換する場合でも維持されることを保証する。即ち、リーマヘッドは、製造の際に同じ工作機械上で研磨され、整向手段に対するリーマヘッドの整向は、それぞれ同じである。リーマヘッドを使用する機械は、新しいリーマを装置する際に、マイクロメートル範囲の精度で偏心度調整されなければならない。リーマの交換ヘッドが交換される場合、整向手段によりいかなる偏心度調整も必要ない。整向手段は、その形状補完により交換ヘッドへの動力伝達のためにも寄与する。
【0029】
交換ヘッドは、その周方向に沿って互いに間隔を置いた複数の刃又は切削歯を備える。各刃は、切込部と案内部とを備える。切込部は、好ましくは軸方向に0.03mm〜1.2mmの、特に約0.3〜0.7mmの長さを備える。交換ヘッドの厚さまで残っている刃の長さは、案内部を構成する。0.5mmの切込部の平均長さと4mmの交換ヘッド厚さに対し、1:7の切込部の長さと案内部の長さ間の比が得られる。好ましくは、この比は、1:6〜1:10であり、これは、例えば1:20の最大通常値に対して比較的大きな値である。大きな値は、交換ヘッドの厚さが少ないことから生じる。これは、さらにまた特に、全ての適用部の大部分がリーマの案内に対して特に高い要求を何らしないという認識により可能になる。
【0030】
切込部と移行領域間の点は、以下では有効切削エッジ又はリーマエッジと呼ばれる。この点から出発して、案内領域は、後に向かって若干先細るので、リーマエッジは、刃の最大半径を有する点であり、従って、加工される穴の半径あるいは直径も決定する。ここ及び以下では、それぞれ、「前面」で交換ヘッドのシャフトとは逆に面している側面を呼び、「背面」で向かい合っている側面を呼ぶ。
【0031】
本発明の好ましい実施形では、交換ヘッドは、リバーシブルプレートとして形成されている。交換ヘッドは、即ち第1の側面と向かい合っている第2の側面とを備え、選択的に第1の側面と第2の側面とをシャフトに取付け可能であり、両方の場合、リーマ加工のために使用可能である。第1の側面と第2の側面−例えば平面と調心用のテーパとを有する−は、ネジ又はテンションロッドのような結合手段によって、対応するシャフトの面に保持又は押し付けられる。
【0032】
従って、刃−特にリーマエッジが前面に支持されるまで、交換ヘッドを第1のフェーズで先ず背面としての一方の側面をもってシャフトに取り付けて使用することが可能である。次いで、第2のフェーズで交換ヘッドが反転され、即ち他方の側面が背面になり、これまで裏側にあった切込部とリーマエッジが前面になる。このため、当然回転方向は加工中に逆転されなければならない。驚異的であることに、第1のフェーズでは、後側のリーマエッジが前側のリーマエッジと最初は同じ半径を備えるか、前側のリーマエッジをある程度利用した後でさえ大きな半径を備えるかにかかわらず、後ろ側のリーマエッジの有意義な利用が何ら行なわれない。
【0033】
即ち、交換ヘッドを反転させた後には、それぞれ歯の切刃の他方の側面が利用される。反転させた交換ヘッドで作業を行なうことができるようにするために、歯毎に第2の切刃を何ら必要としない。従って、歯は、周囲に沿って、あるいは見た方向では回転軸に対して平行に、非対称に形成されている。
【0034】
反転可能な交換ヘッドは、両方の固定方向のための調心手段と固定手段とを備える。例えば、上記の内テーパの代わりに2つの同軸の内テーパがある。内テーパのそれぞれは、両方の平面の一方から出発して、交換ヘッドの中心に達し、ここでは、両方の円錐形の切欠き部が互いに当接する。これに対して選択的に、内テーパが中心までに達しはしないが、中心にある固定要素のための孔によって結合されている。
【0035】
円錐形の切欠き部の代わりにシリンダ形の切欠き部が使用される場合には、この切欠き部は、交換ヘッドの平面に対して垂直な平面に対して少なくとも鏡面対称を備えるように形成されている。
【0036】
固定手段は、例えば両側にネジ頭部用の空所を有する1つ又は複数の一貫した孔、又は独立した2セットの孔であり、一方のセットは、このような空所を交換ヘッドの一方の側面に備え、他方のセットは、空所を他方の側面に備える。空所を有していない構成も考えられる。
【0037】
好ましくは、それぞれ1つの刃の両リーマエッジ間の案内部は、刃の中心に向かって先細っている。この先細り部は、例えば−中空部の研磨に応じて−V字形又は円弧形とすることができる。向かい合っている刃に向かう直径の減少は小さく、軸方向に10mm行く毎に100分の1ミリメートルの範囲内にある。本発明の好ましい実施形では、先細り部間のほぼ中心に溝又はノッチが刃に配設されている。これにより、互いに向かって延在する両方の先細り部の製造が簡略化される。驚異的であるのは、案内領域がこのように短く、場合によっては中断されている場合でも、交換ヘッドでの加工中に十分な案内が行なわれる。
【0038】
本発明の別の好ましい実施形では、交換ヘッドの薄い形態が、この交換ヘッドに、同じシャフトに固定されている第2の加工工具を組み合せることを可能にする。例えば、この第2の工具は、交換ヘッドとして若干小さい直径を有する粗仕上げ具のような粗加工工具である。このような組み合わせの工具の使用では、作業行程において、粗仕上げ具は、既存の孔内で粗加工直径又は前寸法に応じた第1の内半径を生じさせ、リーマヘッドは、孔の仕上げ寸法に応じた若干大きな内半径を生じさせる。好ましくは、粗仕上げ具及び交換ヘッドは、独立した固定手段によってシャフトに固定されるか、しかしながら唯一の共通の固定手段−例えば同軸のネジ−によって固定される。シャフトは、対応する交換ヘッド及び第2の加工工具用の固定手段を備える。交換ヘッドの厚さが小さいことにより、工具を組み合わせた全高さも小さく、従って、これは、狭い環境で使用可能である。
【0039】
同様に交換ヘッドの形態が薄いことにより有用である本発明の別の好ましいもう1つの実施形では、好ましくは一体的な交換ヘッドが、リーマ工具としても、フライス工具としても形成されている。このため、例えば、それぞれ、刃の前面は、上記のように優先的にリーマ加工のために形成され、付加的に背面の切込部は、面取りフライスとして形成されている。好ましくは前面の切込部も、リーマ加工のためにだけ使用されるものよりも大きく形成されており、前方の切込部は、これにより面取りフライスとしても使用可能である。孔の入口又は出口の面取りをフライス加工する場合、工具軸の循環運動が行なわれる(循環フライス加工又は補完フライス加工)。
【0040】
本発明の最後に挙げた実施形を使用する場合、以下のステップを有する加工方法が実施される。即ち、これは、
−刃の前面の切込部によって孔の入口の面取りをフライス加工するステップと、
−刃の前面の切込部及び特にリーマエッジによって規定寸法に孔をリーマ加工するステップと、
−刃の背面の切込部によって孔の出口の面取りをフライス加工するステップと、
−場合によっては生じ得るバリを除去する、孔を工具が戻るステップと、
である。
【0041】
唯一の一体的で薄い交換ヘッドにおける加工機能の本発明による組み合わせにより、説明した加工工程は、狭い環境でも工具交換なしで作業工程内で実施することができる。
【0042】
上記実施形の種々の組み合わせが可能である。模範的、しかしながら最後に、以下のことを述べておく。即ち、面取りフライス加工及びリーマ加工の組み合わせは、1つのリバーシブルプレートでも実現することができる。粗仕上げ具と組み合せて使用される交換ヘッドの背面には、面取りフライス加工をするための刃をセットすることもできる。
【0043】
説明した交換ヘッドは、好ましくは、硬質金属、サーメット、セラミック(例えばシリコンセラミック又はセラミックインサートあるいはオキサイドセラミック)、又はCBN(立方晶窒化ほう素)のような、焼結によって製造された材料から製造されている。
【0044】
別の好ましい実施形は、従属請求項から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による機械リーマ工具のヘッド領域を経る縦断面図を示す。
【図2】本発明による機械リーマ工具のシャフトのヘッド領域を経る縦断面図を示す。
【図3】本発明によるシャフトを示す。
【図4】本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図5】本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図6】本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図7】本発明の別の実施形の交換ヘッドを経る断面図を示す。
【図8】本発明の別の実施形の交換ヘッドを経る断面図を示す。
【図9】図7及び8からの交換ヘッドに応じたシャフトを経る対応断面図を示す。
【図10】本発明の別の実施形の交換ヘッドとシャフトとの結合要素を示す。
【図11】部分的に切り開いた側面図と詳細図でリバーシブルプレートとして形成された交換ヘッドを示す。
【図12】図11によるリバーシブルプレートの断面図にした側面図と平面図とを示す。
【図13】交換ヘッドに取り付けるための粗加工工具を示す。
【図14】交換ヘッドと粗加工工具を有するシャフトを示す。
【図15】部分的に切り開いた側面図と平面図で組み合せたリーマヘッドとフライスとして形成された交換ヘッドを示す。
【図16】本発明の別の実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【図17】本発明の別の実施形による交換ヘッドの対応図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下で、貼付図に図示されている好ましい実施例を基にして本発明対象を詳細に説明する。
【0047】
図面において使用される符号とその説明は、符号リストにまとめてリストアップしてある。基本的に、図において同じ部分は、同じ符号を備えている。
【0048】
図1は、本発明による機械リーマ工具のヘッド領域を経る縦断面図を示す。交換ヘッド1は、中心を軸方向に延在する頭付きネジ3によってシャフト2にねじ止めされている。頭付きネジ3は、空所14内に埋没している。交換ヘッド1を周方向に整向するため、交換ヘッド1が整向穴12を備え、シャフト2が、整向穴12内に突出する整向ピン22を備える。シャフト2は、軸方向孔26を備え、この軸方向孔から、工具側の端部において、工具ヘッド1の近傍でシャフト2の外側に冷却剤通路24が至る。交換ヘッド1に冷却剤出口が近いこと及び交換ヘッドの厚さhが小さいことによって、切削を行なう部分の改善された冷却が保証されている。交換ヘッド1のシャフト側の平面15は、ねじ止めすることによってシャフト2の端面側の平面25に押し付けられる。この場合、結合要素−本発明のこの実施形では、交換ヘッド1の内テーパ11とシャフト2の外テーパ21−も、互いに押し付けられる。この場合、交換ヘッド1の材料が、シャフト2の材料よりも低い変形能力を備えるので、外テーパ21が、半径方向にその材料弾性内で内側に向かって変形及び圧搾あるいは圧縮される。
【0049】
交換ヘッド1は、例えば10mm〜60mmの直径D1を備え、高い方の値に対して、図5による交換ッヘッド1の固定部を有する実施形が好ましい。シャフト2は、少なくとも数ミリメートルだけ交換ヘッド1の直径よりも小さい直径D2を備える。
【0050】
交換ヘッド1の軸方向−即ち工具の回転軸の方向−の厚さhは、直径D1が10mm〜60mm又はそれより大きい場合、好ましくは6mm又は5mmよりも小さく、この例では4mmである。内テーパ11は、例えば2mmだけの深さまで交換ヘッド1内に突出する。これに応じて、外テーパ21は、約2mmシャフト2の端面側の平面25から突出する。内テーパ11及び外テーパ21の寸法が互いに調整されているので、ルーズな組立の場合には、交換ヘッド1のシャフト側の平面15とシャフト2の端面側の平面25間に所定の小さな空隙が生じる。頭付きネジ3を締め付けた場合、これらの面は押し付けられ、空隙の所定の大きさのために、コントロールされた外テーパ21の予設定された変形が生じる。
【0051】
図2は、本発明による機械リーマ工具のシャフトのヘッド領域を経る縦断面図を示す。シャフト又は少なくともヘッド領域は、好ましくは一体的に形成されている。軸方向孔26は、一貫して形成されており、工具側の端部にネジ23を備える。内テーパ11の領域では、軸方向孔26が、ネジ孔23に対して拡大された直径を備える。これにより、内テーパ11と頭付きネジ3の材料間に、内テーパ11を変形させるための自由領域が残る。整向ピン22は、シャフト2における孔に圧入されている。原理的に、整向ピンが交換切削プレート1に、対応する整向穴がシャフト2に配設されていてもよい。しかしながら、この実施形は、特に交換ヘッド1がシャフト2よりも頻繁に交換されるので、製造に若干費用がかかる。
【0052】
図3は、本発明によるシャフト2を示す。シャフト2は、機械に取り付けるために、機械側に、即ちその工具1から離間した端部に設けられている。シャフトは、このため、例えば円形シリンダ形状であるか、標準固定面を備える。模範的な寸法は、リーマヘッド直径が11mm〜16mmの場合に80mmのシャフト長さで10mmのシャフト直径D2であるか、リーマヘッド直径が18mm〜24mmの場合に110mmのシャフト長さで16mmのシャフト直径D2である。シャフト自体には、好ましくはドリル穴内にシャフトを案内するための案内部が何ら形成されてない。
【0053】
図4,5及び6は、本発明の異なった実施形による交換ヘッドの対応図をそれぞれ示す。図4は、図1〜3に対応する中央に頭付きネジ3を有する実施形を示す。一貫した切欠き部50,13,14は、シャフト側の空所50あるいは内テーパ11として、向かい合っている側のネジ頭部用の空所14として、その間の孔13として形成されている。
【0054】
交換ヘッドの周辺部が半製品の形態に応じて概略的にのみ図示されている図1及び7とは対照的に、図4,5及び6における周辺部は正確に図示されている。即ち、交換ヘッド1は、周方向に分配された刃16を有する複数の切削歯を備える。刃は、軸方向に交換ヘッド1の第1の平坦な端面から第2の平坦な端面へと至る。これら端面は、交換ヘッド1を軸方向に制限し、この軸方向に対して垂直に間隔hを置いて互いに平行に延在する。1つの刃16は、切込部17と案内部18とを備える。案内部は比較的短いので、間隔hも比較的短い。案内部18が非常に短いにもかかわらず、大抵の適用の場合、本発明による機械リーマ工具の有効な使用が可能である。
【0055】
図5は、それぞれ1つのネジ頭部14用の空所を有する複数の一貫した孔が中心にある孔13を中心として同軸に配設されている本発明の好ましい実施形を示す。これにより、大きな直径を有する交換ヘッドがこのようにリング状であっても、十分な固定及びトルク伝達が保証される。この実施形の場合はネジ頭部14用の空所と内テーパ11のような結合要素とが相並んで、同じ軸上に配設されていないので、最大の厚さh1でさえ、3mm又は2mmとなることがある。
【0056】
図6は、内テーパ11が解放されている3つの当接セグメント52を備える、即ち内テーパの残りの領域が若干大きな直径を備える、本発明の別の好ましい実施形を示す。当接セグメント52は、周方向に互いに間隔を置いて周囲にわたって一様に分配されている。製造時には、この当接セグメント52の面しか、高い精度で仕上げあるいは研磨する必要がない。
【0057】
図7及び8は、本発明の別の実施形の交換ヘッド1を経る断面図を示す。これらの図においては、図9においてもそうであるように、結合要素27,50が本質的にシリンダ形に形成されている。図7は、軸方向に対して平行な横断面を示し、図8は、軸方向に対して垂直な横断面の一部分を示す。結合要素として作用する空所50は、主に円形シリンダ形に形成されているが、3つの当接セグメント51,52を備える。各当接セグメント51,52において、円形シリンダの内壁は、円のセクタにわたって経端である。このようなセクタの広がりは、シリンダ直径の半分までの5分の1にほぼ一致する。シリンダ直径が約17mmの場合、これは、例えば2mm〜4mmに一致する。好ましくは、当接セグメント52の一方は、周方向に本質的に大きく、例えば他方の当接セグメントの2倍の大きさであり、これによりキャッチセグメント51として作用する。
【0058】
図9は、図7及び8からの交換ヘッドに応じたシャフトを経る対応断面図を示す。シャフトの結合要素27は、本質的に円形シリンダ形であり、平坦に加工したセクタを、即ちシャフト周囲の平坦な面28を有する。結合要素は、軸方向に例えば約1〜2又は4mmだけシャフト2の端面側の平面25から突出する。交換ヘッド1とシャフト2の組立は、キャッチセグメント51とシャフト周囲の平坦な面28とを互いに整向しなければならない。
【0059】
図10は、本発明の別の実施形による交換ヘッドとシャフトとの結合要素を有する一部分を示す。この図においては、シャフトの結合要素27と、これに応じて交換ヘッド1の空所50とは、丸み付けをした外あるいは内の三角形シリンダとして形成されている。シャフトの結合要素27は、空所50よりも若干小さいので、先ずはルーズな結合部が形成可能である。図10は、明確化のために強く誇張した誇大相違点を示す。組立時又は機械リーマ工具の運転中に、交換ヘッド1とシャフト2の相互の捩れによって接点53が生じる。
【0060】
図11は、部分的に切り開いた側面図と詳細図でリバーシブルプレートとして形成された交換ヘッドを示す。案内部18は、第1の先細り部181と第2の先細り部182とを備え、これらの先細り部は、それぞれ第1のリーマエッジ191あるいは第2のリーマエッジ192から刃16の中心に至る。刃16の縁部の直径は、この場合中心に向かって減少し、縁部と、第1のリーマエッジ191と第2のリーマエッジ192間の接続線との間の角度α1は、数100分の1程度である。これは、軸方向に10mm行く毎に約0.01mmの直径変化に相当する。
【0061】
両方の先細り部181,182間に、好ましくは溝183が配設されている。この溝は、先細り部181,182に応じた面の仕上げ−例えば研磨−を容易にする。溝183とリーマエッジ191,192間で、先細り部181,182の長さは、例えばそれぞれ0.5mm又は1mmであり、これは、図11においては長さV1及びV2で示されている。
【0062】
第1のリーマエッジ191から第1の切込部171が第1の平面193に至り、第2のリーマエッジ192から第2の切込部172が第2の平面194に至る。両方の切込部171,172は、切削のために設けられており、これらは、即ち逃し研磨面あるいは逃げ角又は逃げ研磨面173を備える。即ち、切削歯16の半径は、切刃の背後の周囲に沿って減少する。逃げ研磨部173を構成する研磨面は、図15に示されている。切込部171,172は、典型的には平面193,194に対して45°の角度を備えるが、しかしながらまた多少傾斜していてもよい。
【0063】
図12は、図11によるリバーシブルプレートの断面図にした側面図と平面図とを示す。刃16は、この図では簡略化されて図示されている。リバーシブルの交換ヘッド1は、第1の結合要素197と第1の結合要素198とを備え、これら結合要素のそれぞれは、ネジ頭部を収容するための凹部14を有する貫通穴のセットから成る。これらの凹部14は、第1の穴のセットの場合は第1の平面193に、第2の穴のセットの場合は第2の平面194に配設されている。
【0064】
交換ヘッド1を調心するため、第1の平面193から第1の内テーパ195が、第2の平面194から第2の内テーパ196が、交換ヘッド1の軸に対して同軸に交換ヘッド1内に至る。シャフト2に対する交換ヘッド1の第1の固定位置では、第1の平面193が前面の平面となり、第2の平面194と第1の内テーパ195とが、第1の穴197のセットを経るネジによってシャフト2に保持又は押し付けられる。第2の固定位置では、交換ヘッド1が反転されるので、第2の平面194が前面の平面となり、第1の平面193と第2の内テーパとがシャフト2に押し付けられる。
【0065】
第1の固定位置で交換ヘッド1を使用する場合、刃16の第1のリーマエッジ191が利用される。驚くべきことに、この場合、しかしながら後続の第2のリーマエッジ192は、たいして利用されない。必要な寸法がリーマ加工後に−典型的には数100分の1ミリメートルだけ−もはや得られない場合に限って、第1のリーマエッジ191が利用されている場合に交換ヘッド1が反転される。
【0066】
図13は、交換ヘッドに取り付けるための粗加工工具200を示す。粗加工工具200は、以下では粗仕上げ具200と呼ばれる。この粗仕上げ具は、交換ヘッド直径D1に相当する最終寸法よりも若干小さい粗加工直径D3を備える。図に示された粗仕上げ具200は、切削加工のために個々のリバーシブルプレート205を備え、粗仕上げ具200のシャフト201を介して交換ヘッド1と同じシャフト2に固定される。このため、良好なトルク伝達のために、粗仕上げ具200のシャフト201が2つの平坦な面203を備え、これに応じてシャフト2に軸方向の凹部が形成されている。
【0067】
図14は、交換ヘッド1と粗仕上げ具200が組み立てられたシャフト2を示す。交換ヘッド1は、このため、図5又は12におけるように埋設されるネジを収容するための貫通穴のセットを備える。ネジは、シャフト2の軸に対して本質的に平行に延在する。粗仕上げ具200は、中央のネジ204によって保持され、軸方向に交換ヘッド1に引き付けられる。ネジ204は、粗仕上げ具200内の穴202を経て案内され、シャフト2にネジ止めされている。
【0068】
図15は、部分的に切り開いた側面図と平面図で組み合せたリーマヘッドとフライスとして形成された交換ヘッドを示す。既に図11と関連させて説明したように、ここでも切削又は加工のために刃16もしくは歯16の両方の切削プレート171,172が設けられており、即ち逃し研磨面又は逃げ研磨面173を備える。図15による本発明の実施形では、第1の切込部171は、第1の平面193から第1のリーマエッジ191に至り、そこから案内部18が若干先細りつつ向かい合っている、この場合フライスエッジ199と呼ばれているエッジに至る。フライスエッジ199から、第2の切込部172が第2の平面194に至る。
【0069】
刃16とシャフト側の平面15間の縁部が面取りによってのみ中断されている図4による実施形とは対照的に、ここでは、面取りによって生じる縁部が、逃し研磨面173を有する、切削を行なう切込刃172として形成されている。刃16は、即ち切削のための交換ヘッド1の第1の側面にも第2の側面にも形成されている。第2の切込部172によって、例えば交換ヘッド1の孔とこの孔からの出口とのリーマ加工をした後、出口穴の縁部の面取りをフライス加工することができる。このため、補完フライス加工又は循環フライス加工によって、回転する交換ヘッド1の軸は、円軌道で孔の軸を中心として運動させられる。
【0070】
図15は、2つの断面図で両方の切込部171,172のもう1つの好ましい形成を示す。断面A−Aは、リーマエッジ191の前の第1の切込部171の図を示す。第1の切込部171の高い機械的強度を保証するために、切込部は、約3°〜10°の、好ましくは少なくとも約6°の比較的小さい逃し研磨面角度β1を備える。角度β1は、切込部171に対する接線に関係して寸法設定される。好ましくは、逃し研磨面173は、切刃に向かって間隔bに行った後に例えば10°〜20°の、好ましくは少なくとも約12°の大きな角度β2を備える。間隔bは、交換ヘッド1の値に応じて、0.05mm又は0.1mm、好ましくは少なくとも約0.25mmである。
【0071】
断面B−Bは、フライスエッジ199の前の第2の切込部172の図を示す。フライスの精度に対しては、リーマ機能に対するように非常に高い要求があるので、10°〜20°の、好ましくは少なくとも約12°の逃し研磨面角度β3を有する唯一のフライス研磨面173で十分である。
【0072】
図16及び17は、それぞれ本発明による交換ヘッド用の半製品6の対応図を示す。半製品6では、特に結合要素、即ち第1と第2の平面193,194である内テーパ11とネジ頭部用の選択的な空所14を有する貫通穴とが仕上げ加工されている。更には刃16しか、特殊な要求に応じて研磨する必要がない。両方の図16及び17は、異なった直径で、異なった投影スケールで約4.3mmの同じ厚さの半製品6を示す。図16からの半製品6は、16mmの直径を備え、図17からのものは、101mmの直径を備える。好ましくは、直径は異なるが、同じ厚さh1を有する複数の交換ヘッド1は、1セットの交換ヘッド1を構成する。厚さh1は、説明した全ての実施形の場合で好ましくは4mm〜5mmである。
【符号の説明】
【0073】
1 リーマヘッド、交換ヘッド
11 内テーパ
12 整向穴
13 孔
14 ネジ頭部用の空所
15 シャフト側の平面
16 刃
17 切込部
18 案内部
2 シャフト
21 外テーパ
22 整向ピン
23 ネジ孔
24 冷却剤通路
25 端面側の平面
26 軸方向孔
27 シャフトの結合要素
28 シャフト周囲の平坦な面
3 頭付きネジ
50 空所
51 キャッチセグメント
52 当接セグメント
53 接点
6 半製品
171 第1の切込部
172 第2の切込部
173 逃げ研磨面
181 第1の先細り部
182 第2の先細り部
183 溝
191 第1のリーマエッジ
192 第2のリーマエッジ
193 第1の平面
194 第2の平面
195 第1の内テーパ
196 第2の内テーパ
197 第1の結合手段
198 第2の結合手段
199 フライスエッジ
200 粗仕上げ具
201 粗仕上げ具のシャフト
202 孔
203 平坦な面
204 ネジ
205 リバーシブルプレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト(2)と、交換可能な一体的な交換ヘッド(1)とを備える機械リーマ工具において、
交換ヘッド(1)が、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合のための手段を含めて、最大厚さhmaxよりも薄く、この最大厚さhmax(mm)が、交換ヘッドの直径D1(mm)から、hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)と計算されることを特徴とする機械リーマ工具。
【請求項2】
交換ヘッド(1)が、平坦なシャフト側の端面(15)に、シャフト(2)に交換ヘッド(1)を調心するように固定するための、結合要素として形成された空所(50)を備えること、シャフト(2)が、端面側の平面(25)に、軸方向にこの平面(25)から突出する結合突起(21)を備え、この結合突起が、交換ヘッド(1)の空所(50)と対応することを特徴とする請求項1に記載の機械リーマ工具。
【請求項3】
交換ヘッド(1)を軸方向にシャフト(2)に押し込む際に、交換ヘッド(1)が、シャフト(2)の結合突起(21)を圧縮することを特徴とする請求項2に記載の機械リーマ工具。
【請求項4】
交換ヘッド(1)においては、結合要素として形成された空所(50)が、シャフト(2)に交換ヘッド(1)を調心するための軸中心の内テーパ(11)を構成し、シャフト(2)においては、結合突起が、対応する外テーパ(21)であることを特徴とする請求項3に記載の機械リーマ工具。
【請求項5】
交換ヘッド(1)においては、内テーパ(11)が、少なくとも3つの解放された当接セグメント(52)を備えることを特徴とする請求項4に記載の機械リーマ工具。
【請求項6】
交換ヘッド(1)の端面(15)における結合要素として形成された空所(50)が、シリンダ形であること、交換ヘッド(1)が、シャフト(2)への取付けの際に、シリンダ内周の3つの箇所(51,52;53)でシャフト(2)のシリンダ形の結合要素(27)と接触可能であることを特徴とする請求項2に記載の機械リーマ工具。
【請求項7】
交換ヘッド(1)の端面(15)における結合要素として形成された空所(50)が、本質的に円形シリンダ形であり、シリンダ内周の3つの箇所に、空所(50)がいくらか狭く形成されているそれぞれ1つの当接セグメント(51,52)又は当接点を備えること、シャフト(2)の結合要素(27)として形成された部分が、本質的に円形シリンダ形に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の機械リーマ工具。
【請求項8】
当接セグメント(51)の1つの周方向の広がりが、他の2つの当接セグメント(52)の広がりよりも比較的大きく、特に1.5倍から2倍の大きさであり、これに対応して、シャフト(2)が、周囲の部分セクタ上に平坦な面(28)を備えることを特徴とする請求項7に記載の機械リーマ工具。
【請求項9】
交換ヘッド(1)が、第1の側面と、向かい合っている第2の側面とを備え、選択的に第1の側面又は第2の側面をもってシャフト(2)に取り付け可能であり、両場合にリーマ加工のために使用可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の機械リーマ工具。
【請求項10】
別の加工工具(200)を備え、この別の加工工具が、交換ヘッド(1)に対して同軸にシャフト(2)に固定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の機械リーマ工具。
【請求項11】
別の加工工具(200)が、交換ヘッド(1)よりも小さい加工直径で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の機械リーマ工具。
【請求項12】
別の加工工具(200)が、シャフト(2)の軸に対して中心の固定手段によって、交換ヘッド(1)が、シャフト(2)の軸の隣に配設された複数の固定手段によって、シャフト(2)に取り付けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の機械リーマ工具。
【請求項13】
交換ヘッド(1)が、複数の刃(16)を備え、これらの刃(16)のそれぞれが、交換ヘッド(1)の第1の側面にも交換ヘッド(1)の第2の側面にも切削のために形成されており、このため逃げ研磨面を有する切込部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の機械リーマ工具。
【請求項14】
刃(16)が、交換ヘッド(1)の第1の側面では、先ず3°〜10°の、次に周方向に0.05〜1mm行った後で10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(171)を備え、交換ヘッド(1)の第2の側面では、10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(172)を備えることを特徴とする請求項13に記載の機械リーマ工具。
【請求項15】
交換ヘッド(1)が一体的に形成されている、機械リーマ工具用の交換ヘッド(1)において、
交換ヘッド(1)が、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合をするための手段を含めて、最大厚さhmaxよりも薄く、この最大厚さhmax(mm)が、交換ヘッドの直径D1(mm)から、hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)と計算されることを特徴とする交換ヘッド。
【請求項16】
交換ヘッド(1)が、軸方向に最大6mmの、好ましくは最大5mm又はそれより少ない厚さを備えることを特徴とする請求項15に記載の交換ヘッド。
【請求項17】
交換ヘッド(1)が、シャフト(2)に交換ヘッド(1)を調心するように固定するための、結合要素として形成された空所(50)を備えることを特徴とする請求項15又は16に記載の交換ヘッド。
【請求項18】
結合要素として形成された空所(50)が、軸中心の内テーパ(11)を構成することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項19】
交換ヘッド(1)が、硬質金属、サーメット、セラミック、又はCBN(立方晶窒化ほう素)のような、焼結によって製造された材料から製造されていることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項20】
交換ヘッド(1)が、ネジ頭部を収容するためのそれぞれ1つの切欠き部(14)を有する複数の軸方向の貫通孔を備えることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項21】
交換ヘッド(1)が、第1の側面と、向かい合っている第2の側面とを備え、選択的に、第1の側面又は第2の側面をもってシャフト(2)に取付け可能であり、両場合にリーマ加工のために使用可能であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項22】
交換ヘッド(1)が、選択的に第1の側面又は第2の側面をもってシャフト(2)に取り付けるための結合手段として貫通孔を備えることを特徴とする請求項21に記載の交換ヘッド。
【請求項23】
交換ヘッド(1)を調心するための2つの同軸の内テーパ(195,196)を備え、両内テーパ(195,196)のそれぞれが、交換ヘッド(1)の側面のそれぞれ1つによって内方へと案内されることを特徴とする請求項21又は22に記載の交換ヘッド。
【請求項24】
複数の刃(16)を備え、この刃(16)が、交換ヘッド(1)の第1の側面(193)から出発して第1の切込部(171)と、次に第1のリーマエッジ(191)と、次に刃(16)の中心に向かって先細る案内部(18)の第1の部分(181)とを備え、交換ヘッド(1)の第2の側面(194)から出発して第2の切込部(172)と、次に第2のリーマエッジ(192)と、次に刃(16)の中心に向かって先細る案内部(18)の第2の部分(182)とを備えることを特徴とする請求項21〜23のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項25】
刃(16)が、その中心に案内部(18)に対して横に延在する溝を備えることを特徴とする請求項24に記載の交換ヘッド。
【請求項26】
交換ヘッド(1)が、複数の刃(16)を備え、これらの刃(16)のそれぞれが、交換ヘッド(1)の第1の側面にも交換ヘッド(1)の第2の側面にも切削のために形成されており、このため逃げ研磨面を有する切込部を備えることを特徴とする請求項15〜25のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項27】
刃(16)が、交換ヘッド(1)の第1の側面では、先ず3°〜10°の、次に周方向に0.05〜1mm行った後で10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(171)を備え、交換ヘッド(1)の第2の側面では、10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(172)を備えることを特徴とする請求項26に記載の交換ヘッド。
【請求項28】
端面側の平面(25)を有する本質的に回転対称のシャフトを備える、機械リーマ工具用のシャフト(2)において、
シャフト(2)が、取付け可能な交換ヘッド(1)を取り付けるための、この平面(25)から突出する結合突起(21)を備えることを特徴とするシャフト。
【請求項29】
結合突起が外テーパ(21)であることを特徴とする請求項28に記載のシャフト。
【請求項30】
交換切削プレート(1)を固定するための手段と、別の加工工具(200)を固定するための手段とを備えることを特徴とする請求項28又は29に記載のシャフト。
【請求項31】
別の加工工具(200)を固定するための手段が、ネジ又はテンションロッドを収容するための第1の孔であり、シャフト(2)の軸中心に配設されており、交換切削プレート(1)を固定するための手段が、第1の孔の周りに配設されている多数のネジ穴であることを特徴とする請求項30に記載のシャフト。
【請求項32】
請求項13又は14に記載の交換ヘッド(1)を使用するための方法において、
−刃(16)の前面の第1の切込部(171)及び特にリーマエッジ(181)によって規定寸法に孔をリーマ加工するステップと、
−刃(16)の背面の第2の切込部(172)によって孔の出口の面取りをフライス加工するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項33】
−刃(16)の前面の第1の切込部(171)によって孔の入口の斜面をフライス加工をする先行ステップを有することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項1】
シャフト(2)と、交換可能な一体的な交換ヘッド(1)とを備える機械リーマ工具において、
交換ヘッド(1)が、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合のための手段を含めて、最大厚さhmaxよりも薄く、この最大厚さhmax(mm)が、交換ヘッドの直径D1(mm)から、hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)と計算されることを特徴とする機械リーマ工具。
【請求項2】
交換ヘッド(1)が、平坦なシャフト側の端面(15)に、シャフト(2)に交換ヘッド(1)を調心するように固定するための、結合要素として形成された空所(50)を備えること、シャフト(2)が、端面側の平面(25)に、軸方向にこの平面(25)から突出する結合突起(21)を備え、この結合突起が、交換ヘッド(1)の空所(50)と対応することを特徴とする請求項1に記載の機械リーマ工具。
【請求項3】
交換ヘッド(1)を軸方向にシャフト(2)に押し込む際に、交換ヘッド(1)が、シャフト(2)の結合突起(21)を圧縮することを特徴とする請求項2に記載の機械リーマ工具。
【請求項4】
交換ヘッド(1)においては、結合要素として形成された空所(50)が、シャフト(2)に交換ヘッド(1)を調心するための軸中心の内テーパ(11)を構成し、シャフト(2)においては、結合突起が、対応する外テーパ(21)であることを特徴とする請求項3に記載の機械リーマ工具。
【請求項5】
交換ヘッド(1)においては、内テーパ(11)が、少なくとも3つの解放された当接セグメント(52)を備えることを特徴とする請求項4に記載の機械リーマ工具。
【請求項6】
交換ヘッド(1)の端面(15)における結合要素として形成された空所(50)が、シリンダ形であること、交換ヘッド(1)が、シャフト(2)への取付けの際に、シリンダ内周の3つの箇所(51,52;53)でシャフト(2)のシリンダ形の結合要素(27)と接触可能であることを特徴とする請求項2に記載の機械リーマ工具。
【請求項7】
交換ヘッド(1)の端面(15)における結合要素として形成された空所(50)が、本質的に円形シリンダ形であり、シリンダ内周の3つの箇所に、空所(50)がいくらか狭く形成されているそれぞれ1つの当接セグメント(51,52)又は当接点を備えること、シャフト(2)の結合要素(27)として形成された部分が、本質的に円形シリンダ形に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の機械リーマ工具。
【請求項8】
当接セグメント(51)の1つの周方向の広がりが、他の2つの当接セグメント(52)の広がりよりも比較的大きく、特に1.5倍から2倍の大きさであり、これに対応して、シャフト(2)が、周囲の部分セクタ上に平坦な面(28)を備えることを特徴とする請求項7に記載の機械リーマ工具。
【請求項9】
交換ヘッド(1)が、第1の側面と、向かい合っている第2の側面とを備え、選択的に第1の側面又は第2の側面をもってシャフト(2)に取り付け可能であり、両場合にリーマ加工のために使用可能であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の機械リーマ工具。
【請求項10】
別の加工工具(200)を備え、この別の加工工具が、交換ヘッド(1)に対して同軸にシャフト(2)に固定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の機械リーマ工具。
【請求項11】
別の加工工具(200)が、交換ヘッド(1)よりも小さい加工直径で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の機械リーマ工具。
【請求項12】
別の加工工具(200)が、シャフト(2)の軸に対して中心の固定手段によって、交換ヘッド(1)が、シャフト(2)の軸の隣に配設された複数の固定手段によって、シャフト(2)に取り付けられていることを特徴とする請求項10又は11に記載の機械リーマ工具。
【請求項13】
交換ヘッド(1)が、複数の刃(16)を備え、これらの刃(16)のそれぞれが、交換ヘッド(1)の第1の側面にも交換ヘッド(1)の第2の側面にも切削のために形成されており、このため逃げ研磨面を有する切込部を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の機械リーマ工具。
【請求項14】
刃(16)が、交換ヘッド(1)の第1の側面では、先ず3°〜10°の、次に周方向に0.05〜1mm行った後で10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(171)を備え、交換ヘッド(1)の第2の側面では、10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(172)を備えることを特徴とする請求項13に記載の機械リーマ工具。
【請求項15】
交換ヘッド(1)が一体的に形成されている、機械リーマ工具用の交換ヘッド(1)において、
交換ヘッド(1)が、軸方向に、それぞれの箇所で、即ち交換適合をするための手段を含めて、最大厚さhmaxよりも薄く、この最大厚さhmax(mm)が、交換ヘッドの直径D1(mm)から、hmax=6mm+(1/10)・(D1−12mm)と計算されることを特徴とする交換ヘッド。
【請求項16】
交換ヘッド(1)が、軸方向に最大6mmの、好ましくは最大5mm又はそれより少ない厚さを備えることを特徴とする請求項15に記載の交換ヘッド。
【請求項17】
交換ヘッド(1)が、シャフト(2)に交換ヘッド(1)を調心するように固定するための、結合要素として形成された空所(50)を備えることを特徴とする請求項15又は16に記載の交換ヘッド。
【請求項18】
結合要素として形成された空所(50)が、軸中心の内テーパ(11)を構成することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項19】
交換ヘッド(1)が、硬質金属、サーメット、セラミック、又はCBN(立方晶窒化ほう素)のような、焼結によって製造された材料から製造されていることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項20】
交換ヘッド(1)が、ネジ頭部を収容するためのそれぞれ1つの切欠き部(14)を有する複数の軸方向の貫通孔を備えることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項21】
交換ヘッド(1)が、第1の側面と、向かい合っている第2の側面とを備え、選択的に、第1の側面又は第2の側面をもってシャフト(2)に取付け可能であり、両場合にリーマ加工のために使用可能であることを特徴とする請求項15〜20のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項22】
交換ヘッド(1)が、選択的に第1の側面又は第2の側面をもってシャフト(2)に取り付けるための結合手段として貫通孔を備えることを特徴とする請求項21に記載の交換ヘッド。
【請求項23】
交換ヘッド(1)を調心するための2つの同軸の内テーパ(195,196)を備え、両内テーパ(195,196)のそれぞれが、交換ヘッド(1)の側面のそれぞれ1つによって内方へと案内されることを特徴とする請求項21又は22に記載の交換ヘッド。
【請求項24】
複数の刃(16)を備え、この刃(16)が、交換ヘッド(1)の第1の側面(193)から出発して第1の切込部(171)と、次に第1のリーマエッジ(191)と、次に刃(16)の中心に向かって先細る案内部(18)の第1の部分(181)とを備え、交換ヘッド(1)の第2の側面(194)から出発して第2の切込部(172)と、次に第2のリーマエッジ(192)と、次に刃(16)の中心に向かって先細る案内部(18)の第2の部分(182)とを備えることを特徴とする請求項21〜23のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項25】
刃(16)が、その中心に案内部(18)に対して横に延在する溝を備えることを特徴とする請求項24に記載の交換ヘッド。
【請求項26】
交換ヘッド(1)が、複数の刃(16)を備え、これらの刃(16)のそれぞれが、交換ヘッド(1)の第1の側面にも交換ヘッド(1)の第2の側面にも切削のために形成されており、このため逃げ研磨面を有する切込部を備えることを特徴とする請求項15〜25のいずれか1つに記載の交換ヘッド。
【請求項27】
刃(16)が、交換ヘッド(1)の第1の側面では、先ず3°〜10°の、次に周方向に0.05〜1mm行った後で10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(171)を備え、交換ヘッド(1)の第2の側面では、10°〜20°の逃げ研磨面を有する切込部(172)を備えることを特徴とする請求項26に記載の交換ヘッド。
【請求項28】
端面側の平面(25)を有する本質的に回転対称のシャフトを備える、機械リーマ工具用のシャフト(2)において、
シャフト(2)が、取付け可能な交換ヘッド(1)を取り付けるための、この平面(25)から突出する結合突起(21)を備えることを特徴とするシャフト。
【請求項29】
結合突起が外テーパ(21)であることを特徴とする請求項28に記載のシャフト。
【請求項30】
交換切削プレート(1)を固定するための手段と、別の加工工具(200)を固定するための手段とを備えることを特徴とする請求項28又は29に記載のシャフト。
【請求項31】
別の加工工具(200)を固定するための手段が、ネジ又はテンションロッドを収容するための第1の孔であり、シャフト(2)の軸中心に配設されており、交換切削プレート(1)を固定するための手段が、第1の孔の周りに配設されている多数のネジ穴であることを特徴とする請求項30に記載のシャフト。
【請求項32】
請求項13又は14に記載の交換ヘッド(1)を使用するための方法において、
−刃(16)の前面の第1の切込部(171)及び特にリーマエッジ(181)によって規定寸法に孔をリーマ加工するステップと、
−刃(16)の背面の第2の切込部(172)によって孔の出口の面取りをフライス加工するステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項33】
−刃(16)の前面の第1の切込部(171)によって孔の入口の斜面をフライス加工をする先行ステップを有することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−61594(P2012−61594A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255147(P2011−255147)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【分割の表示】特願2006−537035(P2006−537035)の分割
【原出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(506151512)ウルマ・アクチエンゲゼルシャフト・ヴェルクツォイク−ウント・マシイネンファブリーク (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【分割の表示】特願2006−537035(P2006−537035)の分割
【原出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(506151512)ウルマ・アクチエンゲゼルシャフト・ヴェルクツォイク−ウント・マシイネンファブリーク (2)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]