説明

機械的マッサージ装置

【課題】実質的に一方向性のローラー部品を備えるローラーマッサージ装置を提供する。
【解決手段】実質的に一方向性のローラー部品を含むハウジングを備えるマッサージ装置である。ローラーは、1つの方向へ回転可能で、かつその逆の方向へは回転しにくい、又は全く回転しない。全部で2つあるローラーはそれぞれ、他方のローラーの回転方向とは逆の方向へ回転可能である。前記した構成にすることにより、ローラーマッサージ装置をマッサージされる人の皮膚上にて移動したとき、前縁側のローラーを回転させつつ、後縁側のローラーを静止したまま維持する、又は実質的に静止させるという効果が得られる。後縁側の静止したローラーは、皮膚を押し、皮膚にひだを作る。ローラーマッサージ装置のチャンバ内に減圧を提供し、ローラーとともに作用させると、更に皮膚にひだが生じ、ひだを大きくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的マッサージの機能性を提供するのに適した装置に関するものである。より詳しくは、真空マッサージを機械的マッサージ装置を形成するローラー機構と組み合わせるマッサージ装置に関するものである。
【0002】
<関連出願>
【0003】
本願は、2006年1月20日付け出願の同時係属中の米国仮特許出願番号第60/760,631号に対し両出願に共通するあらゆる対象に対する優先権、及び利益を主張する。前記仮特許出願の開示内容は、あらゆる面に於いてここに言及したことで本願の一部とする。
【背景技術】
【0004】
皮膚のマッサージを行うための機械的マッサージ装置は長年にわたって開発されており、様々な機械的マッサージ装置が数多く存在している。深部組織のマッサージ装置や、皮膚の表面及び皮膚の直下の領域により重点を置いたマッサージ装置がある。マッサージ装置には手動式や自動式のものがある。さらに、マッサージ装置は、振動、回転、こねる、吸引、圧迫などを含む様々な異なるマッサージ法を提供することができる。
【0005】
機械的マッサージの或る方法は、マッサージされる人の皮膚を吸引し、皮膚にひだを作るために真空源を使用する。一般に、そのような装置は、チャンバを効果的に形成する5つの面及び1つの開かれた端部を有するハウジングの形態で実行される。内部チャンバとつなげられた真空源が備えられ、ハウジングの開かれた端部は、マッサージされる人の皮膚の上に配置される。真空源を作動させて、皮膚をハウジング内に吸引し、皮膚にひだを形成する。ハウジングはマッサージされる人の皮膚の表面にて移動させられる。この動作により、マッサージの効果が得られる。
【0006】
マッサージされる人の皮膚の表面にてハウジングを移動させるために用いられるメカニズムには、主に2つのメカニズムがある。第1のメカニズムのオプションは、皮膚と接触するハウジングの所定の部分に比較的滑りやすい面を作り、ハウジングを皮膚の上で滑らせるようにするものである。第2のメカニズムのオプションは、ハウジング内に複数のローラーを配置して、ハウジングが皮膚から離れるようにし、ハウジングよりはむしろローラーが皮膚と主に接触するようにするものである。ハウジングを皮膚の上で移動させるにつれて、ローラーが回転する。
【0007】
米国特許番号第5,885,232号は、真空ハウジング内部にローラーを有するそのような装置の一実施例を開示している。一般に、米国特許番号第5,885,232号に係るマッサージ装置は、皮膚組織の吸引及び流動の作用を利用してマッサージ処置を行っている。前記装置は、ケーシング内に取り付けられた2つの平行なローラーを備え、それらがケーシング内で自由に回転することができる。前記ケーシングは、コンジットからなる手段と接続している。前記コンジットは、その端部が前記ローラーの間に設けられた空間へ通じていて、これらローラーの間に設けられた空間がマッサージされる人の体に置かれたとき、ケーシング内、これらローラーの間に設けられた空間内を減圧するようにすることができる。米国特許番号第5,885,232号のローラーは、モータによって駆動されるものではない。しかしながら、米国特許番号第5,885,232号は、フランス国特許番号第FR−A−2 579 100号で開示されている別の解決策を参照している。その解決策は、ローラーのうちの1つを回転して前方へ移動させ、もう一方の第2のローラーが、前記第2のローラーを移動させることができる手段と組み合わされ、前記移動するローラーから離れるようにしたものである。
【0008】
上述のいずれの装置も、本発明に基づいて提供されるような、真空源とともに作用して、皮膚にひだを形成するのに大いに寄与するローラー部品は使用していない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
実質的に一方向性のローラー部品を備えるローラーマッサージ装置が求められている。ローラーは、1つの方向へ回転可能であるが、その逆の方向への回転は実質的に妨げられる、又はその逆の方向へは全く回転しないものである。全部で2つのローラーはそれぞれ、他方のローラーの回転方向とは逆の方向へ回転可能である。開示した構造による効果には、ローラーマッサージ装置を、マッサージされる人の皮膚の表面上にて移動させたとき、前縁側のローラーを回転させ、後縁側のローラーを静止したまま維持するというものがある。ローラーマッサージ装置の後縁側の静止したローラーは、皮膚を押し、皮膚にひだを作る。本発明は、この要求に対処するのに加えて、他の所望の特性を有するようにするための更なる解決策を示す。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、マッサージ装置は、開かれたチャンバを形成する一対の対向する側壁及び上壁を有するハウジングを含む。第1のローラーは、前記一対の対向する側壁の間に回転自在に取り付けられ、第1の軸線周りを回転可能である。第2のローラーは、前記一対の対向する側壁の間に回転自在に取り付けられ、第2の軸線周りを回転可能である。第1の回転制御機構は、前記第1のローラーと連携させることができる。第2の回転制御機構は、前記第2のローラーと連携させることができる。前記第1の回転制御機構は、前記第1のローラーが、前記第1の軸線周りを第1の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第1の軸線周りを前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成することができる。前記第2の回転制御機構は、前記第2のローラーが、前記第2の軸線周りを前記第2の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第2の軸線周りを前記第1の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成することができる。
【0011】
本発明の様々な態様によれば、前記マッサージ装置は、或る表面上にて、第1のリニア方向及び前記第1のリニア方向と実質的に逆の第2のリニア方向へ動かすことができる。前記第1及び第2のローラーは、前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第1のリニア方向へ移動する場合、前記第1のローラーが前記第1の回転方向へ回転し、前記第2の回転制御機構が、前記第2のローラーの前記第1の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げるように配置することができる。前記第1及び第2のローラーは、前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第2のリニア方向へ移動する場合、前記第1の回転制御機構が、前記第1のローラーの前記第2の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げ、前記第2のローラーが前記第2の回転方向へ回転するように配置することができる。
【0012】
本発明の変形実施形態によれば、前記マッサージ装置は、前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者を支持する少なくとも1つの一対のスロットをさらに含む。少なくとも1つのスプリングバイアスを、前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者に取り付けることができ、前記少なくとも1つのスプリングバイアスは、前記ローラーが他のローラーから離れるように、前記ローラーを前記装置の外縁の方へ付勢するようにする。電磁エネルギを前記マッサージ装置によって作られる皮膚のひだへ当てることができるように、前記電磁エネルギを概ねハウジング内に提供する少なくとも1つの電磁エネルギエミッタを備えることができる。前記第1のローラー及び/又は前記第2のローラーは、その表面の少なくとも一部にぎざぎざの表面を有することができる。前記第1のローラー及び/又は前記第2のローラーは、その中に埋め込まれる少なくとも1つのインサートを有することができる。前記少なくとも1つのインサートは、前記第1のローラー及び/又は前記第2のローラーの表面を形成する材料とは異なる材料で形成されたインサートであって良い。前記少なくとも1つのインサートは、実質的に非金属のローラーの表面に埋め込まれる金属のインサートであって良い。前記少なくとも1つのインサートは、前記第1のローラー及び/又は前記第2のローラーに埋め込まれる複数のインサートであって良く、前記複数のインサートの表面が、前記第1のローラー及び/又は前記第2のローラーの表面の外形に実質的に沿うように、前記複数のインサートが前記第1のローラー及び/又は前記第2のローラーに埋め込まれる。前記第1の回転制御機構、前記第2の回転制御機構、又は両者は、ラチェット機構の形態をしたものであって良い。減圧源を受容し、減圧を前記開かれたチャンバへ伝達するように構成されたポートを備えることができる。
【0013】
本発明の態様によれば、マッサージ装置の製造方法は、開かれたチャンバを形成する一対の対向する側壁及び上壁を有するハウジングを形成するステップと、第1の軸線周りを回転可能になるように、前記一対の対向する側壁の間に第1のローラーを回転自在に取り付けるステップと、第2の軸線周りを回転可能になるように、前記一対の対向する側壁の間に第2のローラーを回転自在に取り付けるステップと、前記第1のローラーと連携する第1の回転制御機構を供給するステップと、前記第2のローラーと連携する第2の回転制御機構を供給するステップとを含む。前記第1の回転制御機構は、前記第1のローラーが、前記第1の軸線周りを第1の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第1の軸線周りを前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成することができる。同様に、前記第2の回転制御機構は、前記第2のローラーが、前記第2の軸線周りを前記第2の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第2の軸線周りを前記第1の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成することができる。
【0014】
本発明の変形態様によれば、前記マッサージ装置は、或る表面上にて、第1のリニア方向及び前記第1のリニア方向と実質的に逆の第2のリニア方向へ動かすことができる。前記第1及び第2のローラーは、前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第1のリニア方向へ移動する場合、前記第1のローラーが前記第1の回転方向へ回転し、前記第2の回転制御機構が、前記第2のローラーの前記第1の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げるように配置することができる。前記第1及び第2のローラーは、前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第2のリニア方向へ移動する場合、前記第1の回転制御機構が、前記第1のローラーの前記第2の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げ、前記第2のローラーが前記第2の回転方向へ回転するように配置することができる。
【0015】
本発明の態様によれば、マッサージ装置の使用方法は、前記マッサージ装置を手に取るステップを含み、該マッサージ装置は、開かれたチャンバを形成する一対の対向する側壁及び上壁を有するハウジングと、前記一対の対向する側壁の間に回転自在に取り付けられる、第1の軸線周りを回転可能な第1のローラーと、前記一対の対向する側壁の間に回転自在に取り付けられる、第2の軸線周りを回転可能な第2のローラーと、前記第1のローラーと連携する第1の回転制御機構と、前記第2のローラーと連携する第2の回転制御機構とを含む。前記第1の回転制御機構は、前記第1のローラーが、前記第1の軸線周りを第1の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第1の軸線周りを前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成することができる。同様に、前記第2の回転制御機構は、前記第2のローラーが、前記第2の軸線周りを前記第2の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第2の軸線周りを前記第1の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成することができる。前記方法は、前記マッサージ装置の前記第1及び第2のローラーを、マッサージする組織表面に配置するステップと、前記マッサージ装置を第1の方向へ動かし、前記組織をマッサージするために、前記第2のローラーの前方で皮膚にひだを形成するステップとをさらに含む。
【0016】
本発明の変形態様によれば、前記方法は、前記マッサージ装置を、前記第1の方向と逆の第2の方向へ動かし、前記第1のローラーの前方で皮膚にひだを形成するステップをさらに含むことができる。同様に、前記方法は、前記第1の方向への動き及び前記第2の方向への動きの間で、前記マッサージ装置の刺激を交互に繰り返すステップをさらに含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、以下の記述及び添付の図面を参照することによって、より良く理解することができるであろう。
【0018】
本発明の例示的な実施形態は、実質的に一方向性のローラー部品を備えるローラーマッサージ装置に関連する。そのローラーは、1つの方向へ回転することができるが、その逆の方向へは回転しにくい、又は全く回転しないものである。全部で2つあるローラーはそれぞれ、他方のローラーの回転方向と逆の方向へ回転することができる。開示した構造による効果には、ローラーマッサージ装置を、マッサージされる人の皮膚の表面上にて移動させたとき、前縁側のローラーを回転させ、後縁側のローラを静止したまま維持するというものがある。ローラーマッサージ装置の後縁側の静止したローラーは、皮膚を押し、皮膚にひだを作る。ローラーマッサージ装置のチャンバ内に減圧を提供し、皮膚を装置内へ吸引することによって、更に皮膚にひだを作り、その大きさを増すようにすることができる。このようにして減圧とともに作用するローラー部品は、皮膚にひだを作り、皮膚のひだの大きさを大きくするようにし、より効率的なマッサージのメカニズムをもたらすようになる。
【0019】
図1から8Dは、本発明に係るローラーマッサージ装置の例示的な実施形態を示す。類似する部品には、同様の参照符号が付与されている。図で示す例示的な実施形態を参照しつつ本発明を説明するが、本発明は多数の別の形態により具現化することができることを理解されたい。さらに、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、開示した実施形態のパラメータ(大きさ、形状、又は要素や材料の種類など)を変更するための様々な方法があることは当業者には明らかであろう。
【0020】
図1は、本発明に係るローラーマッサージ装置10の部分切り取り斜視図である。ローラーマッサージ装置10は、様々な好適な材料(プラスチック、複合材料、金属、合成材料、天然材料などが含まれる)で作られるハウジング12を有している。ハウジング12を様々な形状にすることができることは、当業者には明らかであろう。図示のハウジング12は、前記装置の設計において含まれ得る複数の異なる部品を収容する部品室14を備えている。例えば、そのような部品には、マッサージの性能に関連する電子部品、部品に関連するコントローラ、レーザ又はLED又は他の電磁気放射部品若しくはコントローラ、タイミングデバイス、電源部品、及びマッサージのメカニズムを実行するのに有用な、又はマッサージのメカニズムとともに使用するのに有用な、その他の同様な部品又は機構が含まれる。ハウジング12は、さらに、ユーザがローラーマッサージ装置10を把持し、使用中にローラーマッサージ装置10を動かすためのハンドル16を備えている。
【0021】
ローラーマッサージ装置10は、さらに、真空コンジット18を備える。真空コンジット18は、ハウジング12の外縁から内部チャンバ20まで延在する。真空コンジット18は、真空源(図示なし)と接続するように大きさ及び寸法が定められ、本明細書に記載された条件の下で内部チャンバ20へ負圧を供給する。本明細書で用いる真空、吸引、及び負圧という用語は、互いにすべて置き換え可能であり、ローラーマッサージ装置10の外部の気圧又は環境圧に対するチャンバ及び真空コンジット18内の空気圧の大きさに関連するものである。
【0022】
チャンバ20を、マッサージされる人の皮膚の表面21上に配置し、真空コンジット18を真空源と接続すると、真空コンジット18により、チャンバ20は負圧の状態になる。ローラーマッサージ装置10を皮膚の表面21上にぴったりと配置することにより、ハウジング12、第1のローラー22、第2のローラー24、第1のエッジ30、及び第2のエッジ32によって形成されるチャンバ20の残りの開かれた面が閉じられる。図は部分切り取り図であり、したがって、ハウジング12は、部品室14及びローラー22、24を覆う側面に沿って延在していることを理解されたい。
【0023】
第1のローラー22及び第2のローラー24はそれぞれ、チャンバ20内の軸線周りを回転する(例えば、図4Aの軸42)。本発明の一実施形態によれば、第1のローラー22には、第1のラチェット26の形態をした回転制御機構が取り付けられ、第2のローラー24には、第2のラチェット28の形態をした別の回転制御機構が取り付けられる(図2を参照されたい)。第1及び第2のラチェット26、28はそれぞれ、各ローラー22、24を回転させるための役目を果たす。それらは或る方向にて接続されるが、それについては後述する。第1及び第2のローラー22、24は、プラスチック、複合材料、金属、合成材料、天然材料などを含む様々な異なる材料で形成することができる。同様に、回転制御機構は、ここで図示するようなラチェットであって良く、又は他の回転制御機構であっても良いことは、当業者には明らかであろう。例えば、回転制御機構は、一方向だけに回転可能で、その逆の方向へは回転しない機構を含む、又は回転制御機構は、一方向へ回転可能で、その逆の方向への回転を実質的に妨げられるものである。当業者には明らかであるが、軸線周りの回転を制御するための様々な周知の機械的な解決策があり、それらすべてのものが本発明の回転制御機構の範囲内に含まれるとみなされる。そのようなものには、クラッチ、ラチェット機構、ブレーキ、ギアの組み合わせ、摩擦を利用する機構、スプリングバイアス装置などが含まれるが、これらのものに限定されるわけではない。そのようなものとして、本明細書ではラチェット装置の形態をした回転制御機構を図示しているが、本発明はラチェット装置だけに限定されるのではなく、他の回転制御機構を用いて実行することができる。
【0024】
第1及び第2のローラー22、24は、上述したように回転自在に取り付けられ、さらにハウジング12内で摺動自在となるように取り付けることができる。例えば、第1及び第2のローラー22、24の軸42が、チャンバ20の内壁に沿って摺動することができるように、2組のスロット46、48(図6を参照されたい)を、ハウジング12の側壁に設けることができる。これにより、第1及び第2のローラー22、24は、動作中に、互いに近づくように動いたり、互いに離れるように動いたりすることができるようになる。ローラーが互いに離れるように付勢するために、第1及び第2のローラー22、24には、さらに、2組のスロット46、48に沿ってスプリングバイアス手段50、52(図6を参照されたい)を提供することもできる。このスプリングバイアス手段50、52は、真空源がチャンバ20に対して適用され、皮膚のひだ44(図5の皮膚のひだ44a、44bを参照されたい)がチャンバ20内へ持ち上げられるときに生じる吸引力に対抗するためのものであるが、その詳細は後述する(本明細書で使用される「皮膚のひだ44」という用語は、図中の皮膚のひだ44a及び皮膚のひだ44bのうちの1つ又は両方について言及するものである)。
【0025】
図6の2組のスロット46、48は、第1のローラー22を支持する第1の一対のスロット46及び第2のローラー24を支持する第2の一対のスロット48と呼ばれることに留意されたい。図示のとおり、各一対のスロット46、48のうちの一方のスロットだけが示されている。各一対のスロット46、48のうちのもう一方のスロットは、ハウジング12の反対側の面に配置され、各ローラー22、24の他方の端部を支持することは、当業者には明らかであろう。
【0026】
真空源の使用中に、負圧は、第1及び第2のローラー22、24を互いに近づくように移動させて、両者の間の隙間を狭めるようにし、したがって、チャンバ20内へ持ち上げられる皮膚のひだ44の大きさをより小さくすることができる。しかしながら、スプリングバイアス手段50、52は、真空源の吸引力に対して反対に作用することができ、第1及び第2のローラー22、24が皮膚の表面21と接触する前に、両者を離すようにして付勢する。皮膚の表面で密閉状態が作られると、真空源の吸引は、スプリングバイアス手段50、52が対抗できないような強い力となり、第1及び第2のローラー22、24が一緒に動かされる。図示した2つのスプリングバイアス手段50、52のうちの1つだけを提供し、したがって、2つのローラー22、24のうちの1つだけに作用するようにすることも可能であることを留意されたい。
【0027】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係るローラーマッサージ装置10の底面図を示す。真空コンジット18は、チャンバ20の概ね中央の位置に進入するものとして示されている。しかしながら、真空コンジット18は、チャンバ20の壁の様々な位置にてチャンバ20の領域内に進入することができることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、例示的な実施形態の特定の配置に制限されるものではない。
【0028】
さらに、第1のローラー22の端部における第1のラチェット26の配置及び第2のローラー24の端部における第2のラチェット28の配置が示されている。第1のラチェット26は、第2のラチェット28とは反対側のハウジング12の側にて配置されていて、それは同一の構造を有するラチェット機構の使用を可能にする構成であり、同一の回転方向への回転を可能にし、同一の逆方向への回転を防止する。ハウジング12の対辺への第1及び第2のラチェット26、28の配置は、第1及び第2のローラー22、24がそれぞれ、互いに逆の回転方向へ自由に回転することを可能にする。第1及び第2のラチェット26、28が、逆の回転方位である場合(すなわち、互いに逆の回転方向へ回転する)、第1及び第2のラチェット26、28を、ハウジング12の同じ側にて、第1及び第2のローラー22、24へ取り付けることにより、第1及び第2のローラー22、24を互いに逆の回転方向へ自由に回転させられることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、この場合もやはり図示の特定の配置に制限されるものではない。むしろ、本発明は、ラチェット及びローラーの組み合わせにより、図示のように、第1及び第2のローラー22、24がそれぞれ、互いに逆の回転方向へ自由に回転することを可能にし、その逆方向の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げるものである。
【0029】
図2はさらに、第1のエッジ30に関連する第1のローラーの配置及び第2のエッジ32に関連する第2のローラー24の配置を示す。具体的には、第1のローラー22及び第1のエッジ30の間には、非常に狭い隙間があいている。同様に、第2のローラー24及び第2のエッジ32の間には、非常に狭い隙間があいている。両者のその隙間は、第1及び第2のローラー22、24が、第1及び第2のエッジ30、32との摩擦接触による妨害を受けることなく、第1及び第2のローラー22、24を回転させるのに単に十分なものである。非常に小さなギャップを提供するその隙間は、チャンバが負圧状態にあるとき、空気がチャンバへ進入することができるようにする。しかしながら、その隙間は、真空コンジット18を介して真空源を適用することにより存在している負圧状態が妨げられることがないような十分に狭いものである。
【0030】
図3は、ハウジング12内に取り付けられている、第2のローラー24と連携する第2のラチェット28を拡大した部分切り取り斜視図である。その部分切り取り図は、図1で図示されているハウジング12の後部を取り除いたものであるが、図1の部分切り取り図では図示されていないハウジング12の側壁を図示している。本図は、ローラー24のあらゆる面にて非常に狭い隙間を備えるという、ローラー24及びハウジング12の間の関係を示す。
【0031】
図4Aは、ローラー22、24と連携するラチェット26、28の例示的な実施形態の分解図である。本発明の或る例示的な実施形態によれば、ラチェット26、28は、複数の歯止め36を有するポールホイール34の形態をしていて、複数の歯止め36はポールホイール34からピボット自在に延出している。ポールホイール34は、一連のラチェットの歯40を有するローラー22、24の端部にて、ワッシャ38とともにローラー22、24の内側に取り付けられる。そして、軸42(図6の軸42a及び42bも参照されたい)を、ローラー22、24、ワッシャ38、及びラチェット26、28のポールホイール34に通し、それらを支持するようにする(ここで用いられる「軸42」という用語は、図の軸42a及び42bのうちの1つ或いは両者を示すものである)。ローラー22、24と連携する組み立てられたラチェット26、28を図4Bで示す。ローラー22、24が所定の方向へ回転すると、複数の歯止め36はラチェットの歯40の上を滑るように動く。ローラーがその逆の回転方向へ回転し始めると、複数の歯止め36はラチェットの歯40の間で突き当たり、ローラー22、24の回転が停止する。ポールホイール34にクラッチ機構が備えられている場合、ローラー22、24の回転を、複数の歯止め36とラチェットの歯40との係合によって完全に停止させるというよりはむしろ、実質的に妨げるようにすることは、当業者には明らかであろう。
【0032】
動作に関して、再び図1を参照しつつ、あわせて図5も参照すると、ローラーマッサージ装置10は次のように機能する。図で示す矢印に関連して、ローラーマッサージ装置10を、まず矢印Aの方向へ動かす場合、第1のローラー22は、前縁側のローラーとなり、第1のラチェット26によって矢印Cの回転方向へ回転可能となる。同時に、第2のローラー24は、後縁側又は追従縁側のローラーとなり、第2のラチェット28が、矢印Cの回転方向への回転を、完全に停止させるとはいかないまでも、少なくとも実質的に妨げる。ローラーマッサージ装置10が、マッサージされる人の皮膚の表面21にて動かされる場合、回転制御機構により後縁側又は追従縁側のローラー(第2のローラー24)は回転動作をしない又は妨げられ、皮膚のひだ44aが第2のローラー24の前方で集められるようにする。この結果は、真空コンジット18を介して真空源からチャンバ20内へ同時に加えられる負圧とともに作用し、皮膚の表面21をさらに引っ張り上げ、形成された皮膚のひだ44aの大きさを大きくする。
【0033】
ローラーマッサージ装置10が方向を反転し、概ね矢印Bの方向への移動を開始する事象では、次のようなことが起こる。第2のローラー24が、前縁側のローラーとなり、第2のラチェット28によって、矢印Dの回転方向へ回転可能になる。同時に、第1のローラー22は、後縁側又は追従縁側のローラーとなり、第1のラチェット26が、矢印Dの回転方向への回転を、完全に停止させるとはいかないまでも、少なくとも実質的に妨げる。ローラーマッサージ装置10が、マッサージされる人の皮膚の表面21にて動かされる場合、後縁側又は追従縁側のローラー(第1のローラー22)は回転動作をしない、又はクラッチ若しくは他のデバイスを使用しているのであれば回転動作は妨げられ、皮膚のひだ44bが第1のローラー22の前方で集められるようにする。この結果もまた、真空コンジット18を介して真空源からチャンバ20内部へ同時に加えられる負圧とともに作用し、皮膚の表面21をさらに引っ張り上げ、形成された皮膚のひだ44の大きさを大きくする。
【0034】
真空マッサージの観点からのローラーマッサージ装置10の作用に加えて、ローラーマッサージ装置10は、さらに部品室14内の部品を用いて皮膚のひだに対する処置を提供することができる。例えば、1つ或いは複数のレーザ又はLED、RFジェネレータ、磁石などが部品室14に備えられている場合、本発明のローラーマッサージ装置10によって作られる実質的な皮膚のひだ44を、部品室14の領域全体から放出される赤外線エネルギ又は他の電磁エネルギに対してより良く露出させることができる。対処可能なそのような追加の処置は、当業者には明らかであり、したがって、ここではそのようなあらゆる処置を部品室から皮膚のひだ44に対して行えることを示す以外は、更なる説明を省略する。
【0035】
第1のローラー22及び第2のローラー24を形成する表面及び材料には、様々な異なるバリエーションがある。例えば、ローラー22、24の表面は、滑らかなものであって良く、又は織り目付きのものであって良く、又は図7で図示するぎざぎざの表面60のような刻みが付けられたものであって良い。ぎざぎざの表面60は、様々な異なるパターンで形成することができ、そのようなものとしては、硬貨のエッジと同様の一連の平行な線、又は金属やすりと同様の交差したパターンが含まれる。
【0036】
パターンがどのようなものであれ、織り目付きの又はぎざぎざの表面60は、一連の三次元の突起若しくは突出部(又は対応する刻み目若しくは溝)から形成され、その正確な寸法及びレイアウトは、マッサージ装置10の使用に関連するぎざぎざの表面60の所望の機能性に応じて変化させることができる。例えば、皮膚の表面をよりなめらかにするために、織り目付きの又はぎざぎざの表面は、皮膚の表面マッサージをしやすいようなものである。またぎざぎざの表面60は、乾燥した皮膚表面及び皮膚の角質をバラバラにするようなものであり、したがって、皮膚の表面をより柔らかくする。そのような機能性は、より柔らかい下層の皮膚を露出させるために、死んだ乾燥皮膚をつないでいる結合をバラバラにすることができるという点で、剥離方法と同等とみなされる。
【0037】
より細かいきめを有するぎざぎざの表面60は、剥離の機能性により適したものであり、比較的大きなきめを有するぎざぎざの表面60は、深部組織のマッサージの機能性を実現するのにより適している。その大きさは、一般に、1平方インチの面積当たり、約2乃至約50の突起を設けられるような寸法に定められ、約4乃至約30のぎざぎざのパターンを形成する突起又はユニットが好ましい。さらに、ぎざぎざの表面60で覆われる全体の範囲は、同様に、ローラーの一部を含むように変化させることができ、又はローラーの表面全体を覆うようにすることができる。
【0038】
真空及びぎざぎざの表面の組み合わせは、人体の複数の部位へ適用することができ、そのような部位としては、顔、手のひら、足、足の裏、脚、及び乾燥皮膚が臨床的な問題となり得るその他の部位が含まれるが、これらに限定されるわけではない。ぎざぎざの表面を含む実施例では、ぎざぎざの表面60を形成する突起の相対的な大きさ及び突起間の間隔が、皮膚に対する真空の作用に影響を与えられることは、当業者には明らかであろう。ぎざぎざの表面60は、ローラー22、24及びハウジング12の間にて、ハウジング12の外縁のそばを通らなければならない。したがって、より大きな間隔及び突起、すなわち、より粗いきめのぎざぎざの表面60は、空気をより流れやすくし、真空の効果を減少させる。そのため、深部組織のマッサージ用のより大きな突起は、皮膚のひだへの真空の作用がより小さくなることに対応し、より狭い突起間の間隔を有するより小さな突起(すなわち、より細かいきめのぎざぎざの表面60)は、皮膚のひだへの真空の作用がより大きくなることに対応する。
【0039】
上述したように、第1及び第2のローラー22、24は、様々な異なる材料で形成することができ、そのようなものとしては、プラスチック、複合材料、金属、合成材料、天然材料などが含まれる。さらに、第1及び第2のローラー22、24は、そのような材料を組み合わせて形成することができる。例えば、図8A、8B、8C、及び8Dを参照すると、平行なインサート62が、第1及び第2のローラー22、24に埋め込まれている(図8Aを参照されたい)。あるいは、埋め込まれる材料は、らせん形のもの64(図8Bを参照されたい)、リング状のもの66(図8Cを参照されたい)、又は散在させるインサート68(図8Dを参照されたい)であって良い。さらに、第1及び第2のローラー22、24の表面を形成するために用いられる材料には、1つ或いは2つ以上の様々な異なる材料があることは当業者には明らかであろう。具体的には、平行なインサート62、らせん形のもの64、リング状のもの66、及び散在して配置させるもの68、すなわち、埋め込み構造物を、金属で作ることができ、一方ローラー22、24をプラスチック又は複合材料で作ることができる。あるいは、埋め込み構造物をプラスチックで作ることができ、一方ローラー22、24を金属で作ることができる。ローラー22、24及び埋め込み構造物の材料の任意の組み合わせを実施することができる。
【0040】
室温又は冷房温度であれば、金属は、その熱伝導性の性質のため、皮膚に触れると冷やりとする。皮膚のマッサージのプロセスは、痛みのために処置を制限し得る摩擦及び発熱を生じる。そのプロセスは、貯まった液体を動かす狙いもある。冷たいという主観的な感覚により、マッサージされる人が処置中に知覚する痛みが抑制されるため、より積極的なマッサージの処置を適用することができる。さらに、ローラーの冷たい表面が皮膚に触れたとき、皮膚/ローラーの境界面において温度差が生じることによって、リンパの循環を促す。このことは、貯まった液体が皮膚から取り除かれるようにするポンプ作用を促し、それによって、こぶ及びセルライトの発現を減少させる。
【0041】
したがって、本発明は、皮膚のひだ44を作る構造又は配置にて回転を妨げる又は停止するように構成されたローラーの機械的作用を組み合わせる、改良されたローラーマッサージ装置10を提供する。さらに、皮膚のひだ44が作られるチャンバ20に対して真空源を提供することによって機能が拡張される。皮膚のひだ44を作るためのローラー及びラチェットの機械的作用は、真空源とともに作用させることができるが、本発明はそのようなものとして限定されるわけではないことは当業者には明らかであろう。むしろ、本発明には、所望に応じて、チャンバ内に負圧を提供する真空源を用いないローラーマッサージ装置の動作も含まれる。
【0042】
上述の記載を考慮すれば、当業者には本発明の様々な変形及び代替形態が明らかとなるであろう。したがって、本願明細書の記述は、一例を示すものにすぎないとみなされるべきであり、本発明を実行するための最良の形態を当業者に教示することを目的とするものである。その構造の詳細は、本発明の精神から実質的に逸脱することなく変更することができ、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる全ての変更の専用使用を留保する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係るローラーマッサージ装置の部分切り取り斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るローラーマッサージ装置の底面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るローラーマッサージ装置のローラー部品のラチェット部を拡大した部分切り取り斜視図である。
【図4A】本発明の一実施形態に係るローラーマッサージ装置のローラー部品のラチェット機構の分解図である。
【図4B】本発明の一実施形態にかかるローラーマッサージ装置のローラー部品のラチェット機構の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるローラーマッサージ装置によって皮膚にひだが作られることを示す側面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るローラーマッサージ装置の側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るぎざぎざの表面を有するローラーの斜視図である。
【図8A】様々な構成のインサートが埋め込まれたローラーの斜視図である。
【図8B】様々な構成のインサートが埋め込まれたローラーの斜視図である。
【図8C】様々な構成のインサートが埋め込まれたローラーの斜視図である。
【図8D】様々な構成のインサートが埋め込まれたローラーの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ装置であって、
開かれたチャンバを形成する一対の対向する側壁及び上壁を有するハウジングと、
前記一対の対向する側壁の間に、第1の軸線周りを回転可能に取り付けられる第1のローラーと、
前記一対の対向する側壁の間に、第2の軸線周りを回転可能に取り付けられる第2のローラーと、
前記第1のローラーと連携する第1の回転制御機構と、
前記第2のローラーと連携する第2の回転制御機構とを含み、
前記第1の回転制御機構は、前記第1のローラーが、前記第1の軸線周りを第1の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第1の軸線周りを前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成され、
前記第2の回転制御機構は、前記第2のローラーが、前記第2の軸線周りを前記第2の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第2の軸線周りを前記第1の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記マッサージ装置は、或る表面上にて、第1のリニア方向及び前記第1のリニア方向と実質的に逆の第2のリニア方向へ動かすことができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第1のリニア方向へ移動する場合、前記第1のローラーが前記第1の回転方向へ回転し、前記第2の回転制御機構が、前記第2のローラーの前記第1の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げるように、前記第1及び第2のローラーが配置されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第2のリニア方向へ移動する場合、前記第1の回転制御機構が、前記第1のローラーの前記第2の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げ、前記第2のローラーが前記第2の回転方向へ回転するように、前記第1及び第2のローラーが配置されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者を支持する少なくとも1つの一対のスロットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者に取り付けられる少なくとも1つのスプリングバイアスをさらに含み、
前記少なくとも1つのスプリングバイアスは、前記ローラーが他のローラーから離れるように前記ローラーを前記装置の外縁の方へ付勢するようにすることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
電磁エネルギを前記マッサージ装置によって作られる皮膚のひだへ当てることができるように、前記電磁エネルギを概ね前記ハウジング内に提供する少なくとも1つの電磁エネルギエミッタをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者は、その表面の少なくとも一部がぎざぎざの表面を有することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者は、その中に埋め込まれた少なくとも1つのインサートを有することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのインサートは、前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者の表面を形成する材料とは異なる材料からなるインサートを含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのインサートは、実質的に非金属のローラーの表面に埋め込まれる金属のインサートを含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのインサートは、前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者に埋め込まれる複数のインサートを含み、
前記複数のインサートの表面が、前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者の表面の外形に実質的に沿うように、前記複数のインサートが埋め込まれることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の回転制御機構、前記第2の回転制御機構、又は両者は、ラチェット機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
減圧源を受容し、前記開かれたチャンバへ減圧を伝達するように構成されたポートをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
マッサージ装置の製造方法であって、
開かれたチャンバを形成する一対の対向する側壁及び上壁を有するハウジングを形成するステップと、
第1の軸線周りを回転可能になるように、前記一対の対向する側壁の間に第1のローラーを取り付けるステップと、
第2の軸線周りを回転可能になるように、前記一対の対向する側壁の間に第2のローラーを取り付けるステップと、
前記第1のローラーと連携する第1の回転制御機構を供給するステップと、
前記第2のローラーと連携する第2の回転制御機構を供給するステップとを含み、
前記第1の回転制御機構は、前記第1のローラーが、前記第1の軸線周りを第1の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第1の軸線周りを前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成され、
前記第2の回転制御機構は、前記第2のローラーが、前記第2の軸線周りを前記第2の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第2の軸線周りを前記第1の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成されることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記マッサージ装置は、或る表面上にて、第1のリニア方向及び前記第1のリニア方向と実質的に逆の第2のリニア方向へ動かすことができることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第1のリニア方向へ移動する場合、前記第1のローラーが前記第1の回転方向へ回転し、前記第2の回転制御機構が、前記第2のローラーの前記第1の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げるように、前記第1及び第2のローラーが配置されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記マッサージ装置が前記表面上にて前記第2のリニア方向へ移動する場合、前記第1の回転制御機構が、前記第1のローラーの前記第2の回転方向への回転を少なくとも実質的に妨げ、前記第2のローラーが前記第2の回転方向へ回転するように、前記第1及び第2のローラーが配置されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者を支持する少なくとも1つの一対のスロットを提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のローラー、前記第2のローラー、又は両者に取り付けられる少なくとも1つのスプリングバイアスを供給するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つのスプリングバイアスは、前記ローラーを他のローラーから離すように前記ローラーを前記装置の外縁の方へ付勢するようにすることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つの電磁エネルギエミッタを供給するステップをさらに含み、
前記少なくとも1つの電磁エネルギエミッタは、電磁エネルギを前記マッサージ装置によって作られる皮膚のひだへ当てることができるように、前記電磁エネルギを概ね前記ハウジング内に提供するようにすることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項22】
減圧源を受容し、前記開かれたチャンバへ減圧を伝達するように構成されたポートを供給するステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項23】
マッサージ装置の使用方法であって、
前記マッサージ装置を手に取るステップであって、
該マッサージ装置が、
開かれたチャンバを形成する一対の対向する側壁及び上壁を有するハウジングと、
前記一対の対向する側壁の間に、第1の軸線周りを回転可能に取り付けられる第1のローラーと、
前記一対の対向する側壁の間に、第2の軸線周りを回転可能に取り付けられる第2のローラーと、
前記第1のローラーと連携する第1の回転制御機構と、
前記第2のローラーと連携する第2の回転制御機構とを含み、
前記第1の回転制御機構は、前記第1のローラーが、前記第1の軸線周りを第1の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第1の軸線周りを前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成され、
前記第2の回転制御機構は、前記第2のローラーが、前記第2の軸線周りを前記第2の回転方向へ回転することを可能にし、かつ前記第2の軸線周りを前記第1の回転方向へ回転することを少なくとも実質的に妨げる、又は防止するように構成されることを特徴とすることを含む、該ステップと、
前記マッサージ装置の前記第1及び第2のローラーを、マッサージする組織表面上に配置するステップと、
前記マッサージ装置を第1の方向へ動かし、前記組織をマッサージするために、前記第2のローラーの前方で皮膚にひだを形成するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記マッサージ装置を前記第1の方向と逆の第2の方向へ動かし、前記第1のローラーの前方で皮膚にひだを形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の方向への動き及び前記第2の方向への動きの間で、前記マッサージ装置の刺激を交互に繰り返すステップをさらに含むことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記皮膚のひだの形成を増すようにする真空源を前記マッサージ装置へ提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記皮膚のひだへ電磁力を提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公表番号】特表2009−523546(P2009−523546A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551365(P2008−551365)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/001283
【国際公開番号】WO2007/084586
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(507219413)エレメ・メディカル・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】