説明

機能回復ネット

【課題】 違和感なく容易に常時装着することが可能で、清潔感が得られ、下腹部(骨盤周囲)の不調から生ずる前立腺肥大による尿の出が悪くなる等の諸症状、生理痛、尿失禁、便秘、痔及び性機能の低下等の症状の回復あるいは改善治療に用いられる機能回復ネットを提供する。
【解決手段】
機能回復ネット1は、放射能濃度を370Bq/g以内に調整した既述の放射線源材料を抗菌性を有するシリコンゴムに混練・成形して、薄板状の外形を上辺を幅広に下辺を幅狭とした略台形形状とするとともに、装着時に下腹部から肛門部の上皮に密着するように格子状に前記抗菌弾性体を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の下腹部においてみられる様々な不調を回復する健康器具に関する。さらに詳しくは、男性では前立腺肥大による尿の出が悪くなる等の諸症状、女性では生理痛、男女共通では尿失禁、便秘、痔及び性機能の低下等の症状の回復あるいは改善に用いる健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来このような分野の技術は、個々の症状に対して処方するものが多く、持ち運びには不適格のものが大半であった。また、持ち運びが可能なものでも電極等を身体に貼着し、それを制御するコントロールボックスを携帯しなければならないなど不便なものであった。
【0003】
また、下腹部の特に身体に密着する状態で使用する場合は、排泄物・汗等で汚れることがあるが、洗濯が容易でないなど清潔にしておきたいという使用者の要求は満たされていないものであった。
【0004】
例えば、排尿障害に関するものとしては、特開2002−200178号公報には、骨盤部表面刺激電極装置及びその電極装置装着用下着が開示されている。また、前立腺や痔疾等の下の病気に関するものとしては、特開2000−126226号公報には、パンツとクッションからなる健康補助具や特許第3041446号公報には痔用座布団が開示されている。
【0005】
特開2002−200178号公報には、電極を配置した専用の下着を着用し仙骨後面の後仙骨孔直上皮膚および/または臀部坐骨結節内側陰部神経皮膚上運動点を刺激波により適切に刺激することにより、泌尿器及び関連器官の劣化・老化を防ぎ、活性化することができる骨盤部表面刺激電極装置とその電極装置装着用下着が提案されている。
【0006】
特開2000−126226号公報には、遠赤外線と磁気を放射する小孔をあけたスポンジ布を縫着したパンツと、表面板と裏面板で構成したクッションからなり、表面板に形成した膨隆部内の電磁石に裏面板内の鉄片を臨ませ、表面板にスイッチ装置を設け、遠赤外線と磁気により前立腺や痔疾等の下の病気を改善する健康補助具が提案されている。
【0007】
また、特許第3041446号公報には、ほぼ中央部に少くとも遠赤外線放射セラミックス・イオン対やラジカルを生成する天然放射性稀有元素鉱物の一種からなる粒状物が内蔵された痔用座布団が提案されている。
【特許文献1】 特開2002−200178号公報
【特許文献2】 特開2000−126226号公報
【特許文献3】 特許第3041446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特開2002−200178号公報に開示される骨盤部表面刺激電極装置とその電極装置装着用下着は、電極を極薄に設けて使用時の違和感を感じないようにして常時使用可能としているものの、通電を制御するコントローラがあるために使用者にとっては不便なものである。
【0009】
また、特開2000−126226号公報に開示されるパンツとクッションからなる健康補助具は、パンツ状としているものの電磁石や鉄片が配置されるなど使用時に違和感を感じざるを得ないものである。さらに、両者は下着として清潔感が求められるものであるところ、容易に洗濯が行えるようなものではなく、洗濯が可能としても電極や電磁石の取り付け取り外しなど高齢者にとっては不便なものである。
【0010】
また、特許第3041446号公報に開示される痔用座布団は、その効果を常時受けることが出来ないという不便さがある。
【0011】
本発明は上記問題点を考慮してなされたものであり、本発明者らは特開平11−287899号公報において、水や動物(人間を含む)の電磁波(粒子も含む)吸収特性は、水の場合は、短波長域(3μm〜5.1μm、9μm〜10μm)側にスペクトル吸収のピークがあり、人の皮膚の吸収特性は、3μm、6μm付近にスペクトル吸収のピークがあり、人体透過のピークは2μm、4μm、11.5μm付近にある。米国航空宇宙局(NASA)の研究では、人体に有効な電磁波は、8μm〜14μmの電磁波が良いとされている。人体の温熱機構は、体内細胞の分子運動に依存するからであるが、放射波長と吸収波長との差によって、表面反射、浸透力、内部吸収発熱等、種々影響するものと思われる。また、空気の電離(マイナスイオン化)は、370Bq/gでは放射体周囲10cm位である。
【0012】
従って、放射線源材料に他物質を添加して、上述の吸収スペクトルに適合する新材料を提供し、放射線源体においても、利用目的に適合した新放射線源体を提供して、空気、水(生体の会合水を含む)の浄化、改質、生物(人間を含む)の健康に寄与するものとして「放射線源材料および放射線源体の製造方法」を開示した。
【0013】
さらに本発明者らは放射線源材料の人体細胞に対しての影響について鋭意研究を続け、微量の放射能により構成物質間に励起運動を誘発(格子振動、伸縮基本振動、変角振動等)せしめて赤外線放射物質の励起による放射率向上と同時に生物体外部に対し、370Bq/g以下の放射能放出による水蒸気、空気のマイナスイオン化と人体細胞の活性化を図られることを見出し、放射線源材料を違和感なく容易に常時装着することが可能で、清潔感が得られ、下腹部(骨盤周囲)の不調から生ずる前立腺肥大による尿の出が悪くなる等の諸症状、生理痛、尿失禁、便秘、痔及び性機能の低下等の症状の回復あるいは改善治療に用いられる機能回復ネットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明の請求項1の発明は、放射線源材料を抗菌性弾性体に添加・混練し、この混練された抗菌弾性体を略台形状に外枠を形成するとともに、装着時に下腹部から肛門部の上皮に密着するように格子状に前記抗菌弾性体を配置し成形したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
このように構成したことにより、本発明の機能回復ネットによれば、常時快適な装着性能を発揮するとともに任意に洗浄ができるので清潔感が得られ、放射線源材料が混練された抗菌弾性体が格子状に配置されるので下腹部から肛門部の上皮に密着するため放射線源材料からの効果を十分受けるので、骨盤底部の血流が改善され、身体細胞が活性化されるため、下腹部(骨盤周囲)の不調から生ずる前立腺肥大による尿の出が悪くなる等の諸症状、生理痛、尿失禁、便秘、痔及び性機能の低下等の症状の回復あるいは改善させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施の形態に係り、図1は機能回復ネットの正面図である。
【0018】
本発明の実施の形態における機能回復ネット1は、事前に調合、加熱、摩砕して放射能濃度を370Bq/g以内に調整した既述の放射線源材料25%に抗菌性を有するシリコンゴム75%を混練・複合化した後に加熱・加圧して一体成形して、図1に示すように薄板状の外形を上辺を幅広に下辺を幅狭とした略台形形状としたものである。
【0019】
この機能回復ネット1は上辺206mm下辺70mm全長265mm厚さ3mmの薄板状の略台形形状で、幅14mmの上辺幅広部2と幅10mmの下辺幅狭部3は、上辺幅広部2と下辺幅狭部3の両端部は幅7mmの外枠4で結合し上記外形形状をして、上辺幅広部2と下辺幅狭部3にはひも通し穴5が設けてある。尚、下辺幅狭部3は、補強を目的として中央部が幅22mmとしてある。
【0020】
また、この機能回復ネット1は、身体に装着したときに密着する部位に応じ下腹部6、股部7、肛門部8から構成されており、それぞれが幅6mmの補強部9,11,14、幅3.5mmの格子10で結合している。
【0021】
下腹部6は、一端が上辺幅広部2中央から長手方向に幅12mmの中央補強部9と上辺幅広部2両端部から中央補強部9他端へ延びる下腹部補強部11と中央補強部9より左右各7本の格子10が中央補強部9から下腹部補強部11へ延びている。
【0022】
股部7は、中央に長手方向に長軸とする長径72mm短径44mmの楕円形の第一開口部12とこの第一開口部12の下腹部6側に三日月形の第二開口部13と、第一開口部12の肛門部8側から左右の外枠に延びる股部補強部14と下腹部補強部11と股部補強部14に長手方向に左右各5本の格子10が配置されている。
【0023】
この格子10の最も中央よりの左右各1本の格子10は第一開口部12、第二開口部13とも接合し、外側の左右各2本の格子10は下腹部補強部11と外枠4と接合している。また、第一開口部12及び第二開口部13は薄いゴム15で塞がれて加工され、第一開口部12及び第二開口部13の縁に沿って切り取り線16が設けられており、任意にこの薄いゴム15を切り取って第一開口部12、第二開口部13を開口できるようになっている。
【0024】
肛門部8は、一端が下辺幅狭部3中央から長手方向に幅12mmの中央補強部9と中央補強部9から股部補強部14へ左右各3本の格子10が延び、内各左右1本は下辺幅狭部3から外枠4に延びている。
【0025】
機能回復ネット1を構成する外枠4、中央補強部9、格子10、第一開口部12、第二開口部13の寸法及び数は一例を示したが、体形・効果を得たい部分等を考慮し、適宜選定し成形すればよい。
【0026】
また、格子10ではなく網目模様、パンチング模様、スリット模様等通気性を考慮されているものであればよく、外枠4も股のカーブに合わせた曲線で構成してもよい。
【0027】
次に本発明の機能回復ネット1の装着方法について説明する。
【0028】
機能回復ネット1を装着するには、上辺幅広部2と下辺幅狭部3のひも通し穴5にゴムひも等の伸縮性を有するひもを通し、市販されているTバック形状のパンツを着用する時と同様に、機能回復ネット1の下腹部6、股部7、肛門部8が身体の対応する部分に密着するように装着した後に各人のウエストに適合する長さにゴムひもを縛って機能回復ネット1を着用する。図2に女性が装着した場合の臓器との関係を示す状態を示す。
【0029】
男性が装着するときは、事前に第一開口部12を覆う薄いゴム15を第一開口部12の縁に設けてある切り取り線16に沿って切り取っておき、装着時にこの第一開口部12より陰茎17を出し上記と同様に装着する。男性が装着した場合の臓器との関係を示す状態を図3に示す。
【0030】
また、個人差により第一開口部12の薄いゴム15を切り取っただけでは狭い場合は第二開口部13の薄いゴム15を切り取り、第一開口部12と第二開口部13の境の縁を切り取ることで開口部を大きくすることで快適に装着することができる。
【0031】
このように装着することで、機能回復ネット1は放射線源材料を混練した柔軟性を有するシリコンゴムを一体成形したものであるので身体にソフトに接触することが可能となり優れた装着感を創出することができるものであり、機能回復ネット1の各部を縦横の格子10で結合しているので、身体の微妙な凹凸にフィットするためずれることなく身体の対応する部分に違和感なく常時装着できる。
【0032】
また、上記の状態で装着すると機能回復ネット1の下腹部6、股部7、肛門部8は身体の対応する部位に密着して下腹部位から肛門部位までの骨盤底部を帯状に覆い、放射線源材料からの放射線・赤外線・マイナスイオンの効果を十分受けるので、骨盤底部の血流が改善され、身体細胞が活性化されるため、男性では前立腺肥大による尿の出が悪くなる等の諸症状、女性では生理痛、男女共通では尿失禁、便秘、痔及び性機能の低下等の症状の回復並びに改善させることが可能となる。
【0033】
さらに本発明の機能回復ネット1は抗菌性のシリコンゴムを成形したものであるので、簡単に洗うことができ、常に清潔な機能回復ネットを使用することが可能となる。例えば装着者が入浴時に同時に洗い水気をふき取れば、入浴後に清潔な機能回復ネット1を装着できる。
【0034】
本発明の機能回復ネットを性別・年齢条件等様々な人に装着してもらったところ、男性では前立腺肥大により尿の出が悪かった人は尿の出がよくなり夜もぐっすり眠れるようになった。男性機能が回復した。女性では生理痛が軽減した。男女共通では便秘が軽くなった。痔の痛みが解消した。排尿障害が改善されたとの結果が得られた。また、足や腰が軽くなったとの回答を大多数から得られた。
【0035】
また、上記実施例では機能回復ネットにゴムひもを通し、Tバック形状のパンツと同様に装着する方法を示したが、これに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内での変更が可能である。例えば、機能回復ネットの上辺幅広部、下辺幅狭部と下着の対応する部分にホックやベルベットファスナーのような付け外し自在の手段を取り付けることで、下着に取り付けることができ下着とともに装着することができる。また、下着の製造時に内装することも可能である。
【0036】
また、本発明ではシリコンゴムを用いたが、弾性体であれば他の材質も採用でき、色彩についても好みに応じて採用すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の機能回復ネットの正面図である。
【図2】 本発明の機能回復ネットを女性が装着した場合の臓器との関係を示す状態図である。
【図3】 本発明の機能回復ネットを男性が装着した場合の臓器との関係を示す状態図である。
【符号の説明】
【0037】
1 機能回復ネット
2 上辺幅広部
3 下辺幅狭部
4 外枠
5 ひも通し穴
6 下腹部
7 股部
8 肛門部
9 中央補強部
10 格子
11 下腹部補強部
12 第一開口部
13 第二開口部
14 股部補強部
15 薄いゴム
16 切り取り線
17 陰茎

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源材料を抗菌性弾性体に添加・混練し、この混練された抗菌弾性体を略台形状に外枠を形成するとともに、装着時に下腹部から肛門部の上皮に密着するように格子状に前記抗菌弾性体を配置し成形したことを特徴とする機能回復ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−341054(P2006−341054A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−199368(P2005−199368)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(301054553)有限会社原技研 (6)
【出願人】(505195487)
【Fターム(参考)】