説明

機能水生成方法及び機能水

【課題】水素イオンを豊富に含んだ浸透性に優れた機能水生成方法とその機能水を提供する。
【解決手段】気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能水生成方法及び機能水に関し、特に気体と水との混合液よりなる気液二相流体を超高速回転させることによって、気体と液体の界面に静電摩擦を起こし、水の静電分極を生起することにより、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させること方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気分解によって、水素イオンと酸素イオンを発生させてアルカリイオン水や電解水を生成する方法が採用されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願発明は、下記構成の発明である。
(1)気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させることを特徴とする機能水生成方法。
(2)気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させる機能水生成方法によって生成されることを特徴とする機能水。
【発明の効果】
【0004】
本発明の機能水生成方法によれば、気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させるので、水素イオンと水酸イオンを豊富に含んだ機能水を生成することができる。
そして、本発明の機能水生成方法によって生成される機能水は、水素イオンを豊富に含んだ弱アルカリ性となるので、浸透性に優れた機能水となる。

.静電分極による弱アルカリ化と弱酸性化で,二つの効果を発揮させることができる.
水素イオン濃度の増加で,生物内に水素イオンと電子を同時に取り組むことが可能となり,生物細胞を還元させることが可能となる.その際血流の促進も可能となる.また,弱アルカリ化によって,酸化還元電位がマイナスになり,これも還元作用を促進させることになる.
したがって,血流促進など生物の生理活性が発揮され,結果的に生物の飛躍的成長促進が可能となる.
また、毎分2万〜3万回転という超高速回転によって静電分極を引き起こすことによって,液体側に水素イオン濃度を増加させ,気体側に水酸イオンを集めることによって,マイクロバブルにマイナスの電位を発生させることができ、マイクロバブルはマイナスの電位を持つことで,有機物などプラスの電位を持つものに付着しやすくなる.これによって,水中に浮遊している有機物にマイクロバブルが付着すると浮上し,それを簡単に除去することで水質浄化がなされることになる.たとえば入浴中にマイクロバブルを発生させると人体の垢がはがれ,それがマイクロバブルに付着して水面に浮上する.
また,人体などの有機物には,マイクロバブルが付着し,その細胞の電位差を変化させることが可能となる.老化や病気になった細胞膜の内外電位差は,プラス電位に近い値になり,本来の元気な細胞膜電位差マイナス100mvからプラス側へ,その電位が増加することが知られているが,このような細胞にマイクロバブルが付着するとよりマイナス側へ移行させる効果をもたらす.
また,細胞全体にマイクロバブルが深くすると皮膚呼吸を抑制するようになり,これによって,結果的に皮膚呼吸が促進され,血流促進がなされることになる.炭酸ガス温泉と同じ効果,バブ効果と同じ効果が期待できる。
しかし,炭酸ガスではなく空気マイクロバブルであるから,より安全になる.炭酸ガスによる酸化作用を回避できる.
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明における機能水生成方法は、気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させる方法である。
【実施例1】
【0006】
本発明の機能水生成方法は、
気液二相流体を毎分20.000〜40,000回転という超高速で回転させる。
すると、気体と液体の向遠心分離作用で、中心部に旋回空洞部が形成される。
前記旋回空洞部と、その周囲の液体との界面、すなわち気体と液体の界面では、高速回転による強力な静電摩擦が生じ、静電分極が生起する。
前記静電分極により、液体側には水素イオンが発生し、気体側には、水酸イオンが蓄積される。
また、気液二相流体を超高速回転させることにより形成される旋回空洞部は負圧となり、その周囲の液体の圧力は正圧となる。
そのため、負圧の旋回空洞部を高速旋回し切断することによりマイクロバブル(微細気泡)が発生し、前記マイクロバブル内の圧力を負圧とすることができる。また、旋回空洞部と旋回空洞部の周囲に液体の圧力差により、前記発生したマイクロバブルは急激に収縮させることができる。
【0007】
なお、収縮時間は、発生した気泡の大きさによって異なるが、およそ以下の通りである.
直径 20μm程度の気泡は,約10秒で収縮・消滅
直径 数十μm程度の気泡は,数十秒から数分程度
そして、マイクロバブルの収縮によって、気泡内の圧力は高まり、同時に高温化されるので、溶解速度が高まる。
【0008】
また、前記のごとく超高速回転によってマイクロバブルを発生させることにより、水素結合が切れ、液体の粘性を低下させることができる。そのため、本発明の機能水生成方法により生成される機能水は、生物膜や細胞内、さらには物体への浸透性に優れたものとなる。
【0009】
なお、水道水を循環させながらマイクロバブルを発生させた場合には、水道水を弱アルカリ化させることができ、水道水を循環させない水槽内でマイクロバブルを発生させた場合には、弱酸性化させるができ、純水の循環経路内でマイクロバブルを発生させると弱酸性化させること使用の用途に合わせて機能水を生成することができる。
【0010】
図1〜図5は、本発明の機能水生成方法によって生成される機能水のpH値の時間変化の結果を示すグラフである。
図1は、流量を変化させてマイクロバブルを発生させたときの,pHの時間変化を示すグラフであり、自吸空気量を一定(1.01l/min)にし,マイクロバブル発生時の流量を変化させた場合のpHの時間変化を示している。5.0l/minという最適流量の場合に,pHの増加が最も多くなっている.これは,流量が少ない場合には,装置内の気液二相流体の回転数が小さく,そのためにマイクロバブルの発生量も減少する.ところが,流量が多くなると装置内における気液二相流体の回転数が増し,結果的にマイクロバブルの発生量が増加することで,pHの増加量が大きくなると考えられる.また,さらに流量が増えるとpHの増加が減少し,pHもより低い値を示している.これは,水酸イオン濃度と水素イオン濃度の発生量が変化し,pHの減少は,水素イオン濃度の相対的な増加によって引き起こされた現象と考えられる.
このように,流量の変化でマイクロバブルの発生の発生量が変化し,それにともなってpH変化するという重要な特徴が明らかである。
【0011】
図2は、水道水におけるマイクロバブルのpHの時間変化(自吸空気量を1.3〜2.0l/minまで変化させた場合)を示すグラフであり、自吸空気量が増加するにしたがって,pHの増加量が減少していることがわかる。また,マイクロバブル発生直後と停止直後のpHの減少量及び増加量がそれぞれ少ないことも明らかである.これは空気量を増加させることによって,マクロな気泡が増加し,マイクロバブルの発生量が相対的には減少していることと関係している。
【0012】
図3は、水道水におけるマイクロバブルのpHの時間変化(自吸空気量を0〜1l/minまで変化させた場合)を示すグラフである。自吸の空気量が毎分1リットルのときにpHは最も多く増加している.自吸の空気量が少ないとpHの増加量も少なくなっていることがわかる。
このことは,pHの最大増加には,最適な空気量が存在しており,多すぎて(別の関連グラフ)も少なすぎてもいけないことを示している.これは,空気量によって,装置内の気液二相流体の回転数が変化することと関係しており,多すぎると,回転数が減り,マイクロバブルの発生量が減少する.また,少なすぎると回転数は増加するが,逆にマイクロバブルの発生量が減少し,結果的にpHが増加しないという傾向が現れる.
【0013】
図4は、水道水におけるpHの時間変化(水温25度一定に,自吸空気量1l/minの場合)を示すグラフである。マイクロバブル発生当初に水酸イオン濃度が急増することでpHが減少し,その後はマイクロバブル水をポンプで循環させることでpHを増加させている.相対的に,水素イオン濃度よりも水酸イオン濃度が循環水内で増加していることでpHが増加する.同時に,水道水内の酸化物質が減少することで,pHが増加する.また,水道水中の塩素もなくなり,約20分でゼロ近くまで減少する.マイクロバブル停止後は,水素イオン濃度の増加分だけ,pHが急増する.水素イオン濃度の寿命が短いことから起こる急上昇である.
【0014】
図5は、純水におけるpHの時間変化(温度25度一定にして,自吸空気量を0.5〜1.5l/minで変化させた場合)を示すグラフである。空気量が多いとマイクロバブルの発生が少ないので,PHの低下が小さい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】流量を変化させてマイクロバブルを発生させたときの,pHの時間変化を示すグラフ
【図2】水道水におけるマイクロバブルのpHの時間変化(自吸空気量を1.3〜2.0l/minまで変化させた場合)を示すグラフ
【図3】水道水におけるマイクロバブルのpHの時間変化(自吸空気量を0〜1l/minまで変化させた場合)を示すグラフ
【図4】水道水におけるpHの時間変化(水温25度一定に,自吸空気量1l/minの場合)を示すグラフ
【図5】純水におけるpHの時間変化(温度25度一定にして,自吸空気量を0.5〜1.5l/minで変化させた場合)を示すグラフ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させることを特徴とする機能水生成方法。
【請求項2】
気体と液体との混合液よりなる気液二相流体を、毎分20,000〜40,000回転させて、気体と液体の界面で強力な静電摩擦を引き起こし、それによって水の静電分極を生起させ、液中に水素イオンと水酸イオンを大量に発生させる機能水生成方法によって生成されることを特徴とする機能水。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−152301(P2007−152301A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354192(P2005−354192)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(504361872)株式会社 ナノプラネット研究所 (6)