説明

正弦波発生回路

【課題】従来の正弦波発生回路は、入力値に該当するアドレスのデータをメモリ回路から抽出して、抽出したデータをD/A変換することで正弦波状に変化するアナログ出力信号を生成するので、メモリ回路が大きなチップ面積を占めてしまい、コストが増大してしまう。
【解決手段】本発明による正弦波発生回路では、アナログ出力信号sinωtと同じ周期を持ち、且つアナログ出力信号sinωtに対して位相が90度進んだ余弦波cosωtに沿って階段状に変化される信号レベル増減値2aが、カウンタ値ωtに応じて生成される。この信号レベル増減値2aが積分されることで、アナログ出力信号sinωtと同位相の正弦波に沿って階段状に変化される信号レベル値3aが生成され、この信号レベル値3aがD/A変換されることでアナログ出力信号sinωtが生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正弦波状に変化するアナログ出力信号を生成する正弦波発生回路に関し、特に、余弦波に沿って階段状に変化される信号レベル増減値が積分されることで信号レベル値が生成され、信号レベル値がD/A変換されることでアナログ出力信号が生成されるように構成することで、大規模なメモリ回路を使用せずに正弦波状のアナログ出力信号を生成でき、コストを低減できるようにするための新規な改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来用いられていたこの種の正弦波発生回路としては、例えば下記の特許文献1等に記載されている構成を挙げることができる。すなわち、従来回路では、正弦波のデータをROM等のメモリ回路に記憶しておき、入力値に該当するアドレスのデータをメモリ回路から抽出して、抽出したデータをD/A変換することで正弦波状のアナログ出力信号を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−94291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の正弦波発生回路では、入力値に該当するアドレスのデータをメモリ回路から抽出して、抽出したデータをD/A変換することでアナログ出力信号を生成するので、回路構成をASIC(Application Specific IC)にて形成する場合に、メモリ回路が大きなチップ面積を占めてしまい、コストが増大してしまう。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、大規模なメモリ回路を使用せずに正弦波状のアナログ出力信号を生成でき、コストを低減できる正弦波発生回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る正弦波発生回路は、入力信号に応じて正弦波状に変化するアナログ出力信号を生成する正弦波発生回路であって、入力信号に応じて、アナログ出力信号と同じ周期を持ち、且つアナログ出力信号に対して位相が90度進んだ余弦波に沿って階段状に変化される信号レベル増減値を出力する増減値出力部と、増減値出力部からの信号レベル増減値を積分することで、信号レベル値を生成して出力する積分回路と、積分回路からの信号レベル値をD/A変換することで、アナログ出力信号を生成して出力する出力回路とを備える。
【0007】
また、増減値出力部は、余弦波の1周期の1/(2k)(kは3以上の自然数)のサンプリング周期毎に、互いに異なる信号レベルの絶対値信号を所定の順序に従って出力する絶対値切換部と、余弦波の1/2周期毎に反転する極性を絶対値切換部からの絶対値信号に付与する極性付与部とを有する。
また、絶対値切換部は、余弦波の1/4周期毎に絶対値の出力順序を反転させる。
【0008】
また、増減値出力部は、余弦波の振幅が余弦波の最大振幅値の1/(2n)(nは2以上の自然数)幅分だけ増減する毎に、互いに異なる信号レベルの絶対値信号を所定の順序に従って出力する絶対値切換部と、余弦波の振幅が余弦波の最大振幅値を2倍した量変化する毎に反転する極性を絶対値切換部からの絶対値信号に付与する極性付与部とを有する。
また、絶対値切換部は、余弦波の振幅が最大振幅値変化する毎に絶対値信号の出力順序を反転させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の正弦波発生回路によれば、余弦波に沿って階段状に変化される信号レベル増減値が積分されることで信号レベル値が生成され、信号レベル値がD/A変換されることでアナログ出力信号が生成されるので、メモリ回路から抽出したデータをD/A変換することで正弦波状のアナログ出力信号を生成する場合に比べて、アナログ出力信号の生成のために準備するデータの情報量を大きく減らすことができる。これにより、大規模なメモリ回路を使用せずに正弦波状のアナログ出力信号を生成でき、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1による正弦波発生回路を示すブロック図である。
【図2】図1の増減値出力部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2の増減値出力部によって生成される信号レベル増減値を示す説明図である。
【図4】図2の絶対値出力制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】図3の信号レベル増減値が積分回路によって積分されることにより生成される信号レベル値を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2による正弦波発生回路が生成する信号レベル増減値を示す説明図である。
【図7】図6の信号レベル増減値が積分回路によって積分されることにより生成される信号レベル値を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による正弦波発生回路1を示すブロック図である。図において、正弦波発生回路1は、入力信号であるカウンタ値ωtに応じて、正弦波状のアナログ出力信号sinωtを出力するものである。カウンタ値ωtは、例えばクロック信号がカウントされて周期ωtでリセットされること等により生成される周期ωtを有する信号である。
【0012】
正弦波発生回路1には、増減値出力部2、積分回路3、及び出力回路4が設けられている。増減値出力部2は、後に図を用いて説明する論理に従って動作するデジタル論理回路等により構成されるものであり、入力されるカウンタ値ωtに応じて、信号レベル増減値2aを出力するものである。なお、後に詳しく説明するが、信号レベル増減値2aは、アナログ出力信号sinωtと同じ周期を持ち、且つアナログ出力信号sinωtに対して位相が90度進んだ余弦波cosωtに沿って階段状に変化されるデジタル信号である。
【0013】
積分回路3は、例えばクロック毎に信号レベル増減値2aを累算するアキュムレータ等により構成されるものであり、増減値出力部2からの信号レベル増減値2aを積分することで、信号レベル値3aを生成して出力する。信号レベル値3aは、信号レベル増減値2aに対して位相が90度遅れた、すなわちアナログ出力信号sinωtと同位相の正弦波に沿って階段状に変化されるデジタル信号である。なお、積分回路3が積分演算を行う周期は、信号レベル増減値2aの信号レベルの変化周期よりも十分に小さくされている。
【0014】
出力回路4は、例えば2種の抵抗素子から構成されるR−2R型乗算D/A回路等により構成されるものであり、積分回路3からの信号レベル値3aをD/A変換することで正弦波状のアナログ出力信号sinωtを生成して出力するものである。
【0015】
次に、図2は、図1の増減値出力部2の構成を示すブロック図であり、図3は、図2の増減値出力部2によって生成される信号レベル増減値2aを示す説明図である。図2において、増減値出力部2には、絶対値切換部20及び極性付与部21が設けられている。
【0016】
絶対値切換部20には、絶対値生成部200、スイッチ部201、及び絶対値出力制御部202が設けられている。絶対値生成部200は、互いに異なる信号レベルの絶対値信号V1,V2,V3,…Vxをそれぞれ生成する(nは2以上の自然数である)。スイッチ部201は、複数の絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの中から1つを選択して出力する。
【0017】
絶対値出力制御部202は、カウンタ値ωtに応じてスイッチ部201に選択指令202aを入力して、スイッチ部201による絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの選択を制御する。具体的には、絶対値出力制御部202は、余弦波cosωtの周期の1/(2k)(kは3以上の自然数)のサンプリング周期毎に、絶対値の大きさが余弦波状に変化されるように、所定の順序に従って絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を切り換える。より具体的には、絶対値出力制御部202は、上述のサンプリング周期に対応する所定の第1変化量だけカウンタ値ωtが変化する毎に、所定の順序に従って絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を切り換える。すなわち、絶対値出力制御部202は、カウンタ値ωtに基づいて余弦波cosωtの周期の1/(2k)のサンプリング周期を検出する。図3に示すように、絶対値出力制御部202の制御に応じて絶対値信号V1,V2,V3,…Vxが切り換えられる毎に、信号レベル増減値2aが余弦波cosωtに沿って階段状に変化される。すなわち、カウンタ値ωtの第1変化量は、信号レベル増減値2aの信号レベルの変化周期(図3におけるt0,t1,…t16)に対応する。なお、図3では、k=8及びx=4とされており、4つの絶対値信号V1,V2,V3,V4によって信号レベル増減値2aが生成される例を示している。なお、絶対値信号の個数Xは2以上の任意の自然数である。
【0018】
極性付与部21には、極性付与部本体210と極性付与制御部211とが設けられている。極性付与部本体210は、絶対値切換部20からの絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに極性を付与するものである。すなわち、極性付与部本体210は、絶対値切換部20からの絶対値信号V1,V2,V3,…Vxをそのまま出力するか(正の極性を付与して出力するか)、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに負の極性を付与して出力する。極性付与部本体210によって極性が付与された絶対値信号V1,V2,V3,…Vxは、信号レベル増減値2aとして積分回路3に入力される。
【0019】
極性付与制御部211は、カウンタ値ωtに応じて極性付与部本体210に極性付与指令211aを入力して、極性付与部本体210による絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに対する極性の付与を制御するものである。具体的には、極性付与制御部211は、信号レベル増減値2aが沿う余弦波cosωtの1/2周期(図3におけるt0〜t8,t8〜t16)に対応する所定の第2変化量だけカウンタ値ωtが変化する毎に、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに対する極性の付与を反転させる。すなわち、極性付与制御部211は、余弦波cosωtの1/2周期の変化タイミングをカウンタ値ωtに基づいて検出する。余弦波cosωtの1/2周期毎に絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに対する極性の付与が反転されることで、余弦波cosωtの1/2周期の変化パターンに基づいて、余弦波cosωtの残りの1/2周期の変化パターンが形成される。なお、第2変化量は、第1変化量よりも大きくされている。
【0020】
次に、図4は、図2の絶対値出力制御部202の構成を示すブロック図である。図において、絶対値出力制御部202には、反転情報付加部203、反転指令生成部204、及び選択指令生成部205が設けられている。反転情報付加部203は、カウンタ値ωtをそのまま選択指令生成部205に入力するか、またはカウンタ値ωtに反転情報を付加して選択指令生成部205に入力する。
【0021】
反転指令生成部204は、カウンタ値ωtに応じて反転情報付加部203に反転指令204aを入力して、反転情報付加部203でのカウンタ値ωtに対する反転情報の付加を制御するものである。具体的には、反転指令生成部204は、信号レベル増減値2aが沿う余弦波cosωtの1/4周期(図3におけるt0〜t4,t4〜t8,t8〜t12,t12〜t16)に対応する第3変化量だけカウンタ値ωtが変化した際に、カウンタ値ωtに反転情報を付加するか否かを切り換える。すなわち、反転指令生成部204は、余弦波cosωtの1/4周期の変化タイミングをカウンタ値ωtに基づいて検出する。なお、第3変化量は、第1変化量よりも大きく、かつ第2変化量よりも小さくされている。
【0022】
選択指令生成部205は、反転情報付加部203を介して入力されるカウンタ値ωtが前述の第1変化量だけ変化する毎に、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxを所定の順序に従って出力させる選択指令202aを生成する。また、選択指令生成部205は、カウンタ値ωtに反転情報が付加されている場合には、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力順序を反転した選択指令202aを生成する。すなわち、1/4周期毎に出力順序が反転されることで、1/4周期の変化パターンを形成するための絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに基づいて、1/2周期の変化パターンが形成される。
【0023】
次に、図5は、図3の信号レベル増減値2aが積分回路3によって積分されることにより生成される信号レベル値3aを示す説明図である。前述のように、積分回路3は、例えばクロック毎等、信号レベル増減値2aの信号レベルの変化周期(第1変化量)よりも短い周期で、信号レベル増減値2aの積分演算を行う。積分回路3の積分演算によって生成される信号レベル値3aは、図5に示すように、信号レベル増減値2aに対して位相が90度遅れた、すなわちアナログ出力信号sinωtと同位相の正弦波に沿って、積分回路3の積分周期毎に階段状に変化される信号となる。この信号レベル値3aが出力回路4(図1参照)によってD/A変換されることで、正弦波状のアナログ出力信号sinωtが生成されて出力される。
【0024】
このような正弦波発生回路1では、余弦波cosωtに沿って階段状に変化される信号レベル増減値2aが積分されることで信号レベル値3aが生成され、信号レベル値3aがD/A変換されることでアナログ出力信号sinωtが生成されて出力されるので、メモリ回路から抽出したデータをD/A変換することで正弦波状のアナログ出力信号sinωtを生成する場合に比べて、アナログ出力信号sinωtの生成のために準備するデータの情報量を大きく減らすことができる。これにより、大規模なメモリ回路を使用せずに正弦波状のアナログ出力信号sinωtを生成でき、コストを低減できる。
【0025】
また、絶対値切換部20は、余弦波cosωtの1周期の1/2kのサンプリング周期毎に、互いに信号レベルが異なる絶対値信号V1,V2,V3,…Vxを所定の順序に従って出力し、極性付与部21は、余弦波cosωtの1/2周期毎に反転する極性を絶対値切換部20からの絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに付与するので、余弦波cosωtの1/2周期分の絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力パターンに基づいて、余弦波cosωtの1周期分の信号レベル増減値2aを生成でき、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの必要数を低減でき、より確実にコストを低減できる。
【0026】
さらに、絶対値切換部20は、余弦波cosωtの1/4周期毎に絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力順序を反転させるので、余弦波cosωtの1/4周期分の絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力パターンに基づいて、余弦波cosωtの1/2周期分の信号レベル増減値2aを生成でき、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの必要数をさらに低減でき、より確実にコストを低減できる。
【0027】
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2による正弦波発生回路1が生成する信号レベル増減値2bを示す説明図であり、図7は、図6の信号レベル増減値2bが積分回路3によって積分されることにより生成される信号レベル値3aを示す説明図である。実施の形態2の正弦波発生回路1の全体としての構成は、実施の形態1の正弦波発生回路1の構成と同様であるので、実施の形態2の構成の説明に図1、図2、及び図4を援用する。
【0028】
実施の形態1では、余弦波cosωtの周期を基準に信号レベル増減値2bが生成されていたが、この実施の形態2では、余弦波cosωtの振幅を基準に信号レベル増減値2bが生成される。
【0029】
すなわち、実施の形態1では、絶対値出力制御部202は、余弦波cosωtの周期の1/(2k)のサンプリング周期毎に絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を切り換えるように構成されていたが、この実施の形態2では、絶対値出力制御部202は、余弦波cosωtの振幅が余弦波cosωtの最大振幅値MAの1/(2n)(nは2以上の自然数)幅分だけ増減する毎に、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を切り換える。より具体的には、絶対値出力制御部202は、最大振幅値MAの1/(2n)の変化に対応する所定の第1変化量だけカウンタ値ωtが変化する毎に、所定の順序に従って絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を切り換える。このように余弦波cosωtの振幅を基準に絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を切り換えても、余弦波cosωtに沿って階段状に変化される信号レベル増減値2bを生成できる。
【0030】
なお、実施の形態1の構成では、図3に示すように、信号レベル増減値2bの信号レベルの変化周期(絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの切り換え周期)が均一にされ、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの信号レベル差が不均一にされていたが、実施の形態2の構成では、図5に示すように、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの信号レベル差が均一にされて、信号レベル増減値2bの信号レベルの変化周期(絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの切り換え周期)が不均一にされている。
【0031】
また、極性付与制御部211(極性付与部21)及び反転指令生成部204(絶対値切換部20)も、余弦波cosωtの振幅を基準に極性付与指令211a及び反転指令204aを生成する。具体的には、極性付与制御部211は、余弦波cosωtの振幅が余弦波cosωtの最大振幅値MAを2倍した量だけ変化することに対応する第2変化量だけカウンタ値ωtが変化する毎に、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxに対する極性の付与を反転させる。また、反転指令生成部204は、余弦波cosωtの振幅が最大振幅値MA変化することに対応する第3変化量だけカウンタ値ωtが変化する毎に、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力順序を反転させる。
【0032】
図7に示すように、余弦波cosωtの振幅を基準に生成された信号レベル増減値2bを積分しても、実施の形態1と同様に、信号レベル増減値2bに対して位相が90度遅れた、すなわちアナログ出力信号sinωtと同位相の正弦波に沿って階段状に変化される信号レベル値3aを生成できる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0033】
このように、余弦波cosωtの振幅を基準に、絶対値信号V1,V2,V3,…Vxの出力を制御しても、余弦波cosωtに沿って階段状に変化される信号レベル増減値2bを生成できる。また、当該信号レベル増減値2bを積分処理しても、実施の形態1とどうように、アナログ出力信号sinωtと同位相の正弦波に沿って階段状に変化される信号レベル値3aを生成できる。すなわち、実施の形態2の構成でも、実施の形態1と同様に、大規模なメモリ回路を使用せずに正弦波状のアナログ出力信号sinωtを生成でき、コストを低減できる。
【符号の説明】
【0034】
1 正弦波発生回路
2 増減値出力部
2a,2b 信号レベル増減値
3 積分回路
3a 信号レベル値
4 出力回路
20 絶対値切換部
21 極性付与部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号(ωt)に応じて正弦波状に変化するアナログ出力信号(sinωt)を生成する正弦波発生回路であって、
前記入力信号(ωt)に応じて、前記アナログ出力信号(sinωt)と同じ周期を持ち、且つ前記アナログ出力信号(sinωt)に対して位相が90度進んだ余弦波(cosωt)に沿って階段状に変化される信号レベル増減値(2a,2b)を出力する増減値出力部(2)と、
前記増減値出力部(2)からの前記信号レベル増減値(2a,2b)を積分することで、信号レベル値(3a)を生成して出力する積分回路(3)と、
前記積分回路(3)からの前記信号レベル値(3a)をD/A変換することで、前記アナログ出力信号(sinωt)を生成して出力する出力回路(4)と
を備えていることを特徴とする正弦波発生回路。
【請求項2】
前記増減値出力部(2)は、
前記余弦波(cosωt)の1周期の1/(2k)(kは3以上の自然数)のサンプリング周期毎に、互いに異なる信号レベルの絶対値信号(V1,V2,V3,…Vx)を所定の順序に従って出力する絶対値切換部(20)と、
前記余弦波(cosωt)の1/2周期毎に反転する極性を前記絶対値切換部(20)からの前記絶対値信号(V1,V2,V3,…Vx)に付与する極性付与部(21)と
を有することを特徴とする請求項1記載の正弦波発生回路。
【請求項3】
前記絶対値切換部(20)は、前記余弦波(cosωt)の1/4周期毎に前記絶対値信号(V1,V2,V3,…Vx)の出力順序を反転させることを特徴とする請求項2記載の正弦波発生回路。
【請求項4】
前記増減値出力部(2)は、
前記余弦波(cosωt)の振幅が前記余弦波(cosωt)の最大振幅値(MA)の1/(2n)(nは2以上の自然数)幅分だけ増減する毎に、互いに異なる信号レベルの絶対値信号(V1,V2,V3,…Vx)を所定の順序に従って出力する絶対値切換部(20)と、
前記余弦波(cosωt)の振幅が前記余弦波(cosωt)の最大振幅値(MA)を2倍した量変化する毎に反転する極性を前記絶対値切換部(20)からの前記絶対値信号(V1,V2,V3,…Vx)に付与する極性付与部(21)と
を有することを特徴とする請求項1記載の正弦波発生回路。
【請求項5】
前記絶対値切換部(20)は、前記余弦波(cosωt)の振幅が前記最大振幅値(MA)変化する毎に前記絶対値信号(V1,V2,V3,…Vx)の出力順序を反転させることを特徴とする請求項4記載の正弦波発生回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−15932(P2012−15932A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152656(P2010−152656)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)