説明

正逆回転伝達機構

【課題】 正逆両回転の両方の回転を一方向回転にして、両方の回転エネルギーを取り出すことを可能とする正逆回転伝達機構を提供する。
【解決手段】 二個のワンウェイクラッチと歯車を組み合わせて、一方のワンウェイクラッチからは正回転を取り出して出力し、他方のワンウェイクラッチからは逆回転を取り出して出力する。これを互いに反対回転結合し、出力側は同一回転で回転結合してなる。更に本発明は、不規則ストロークの上下運動(例えば海の波)を円弧回転にして、効率的に一方向回転に変換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転軸に入力される正回転と逆回転の両方向の回転力を一方向回転に変換して、出力軸に回転出力する部品又はモジュールである。
【0002】
そして、この回転入力軸に往復桿を取り付け、往復運動を正逆円弧運動を経て一方向の回転運動に変換する変換機構でもあり、往復運動を回転運動に変換する汎用部品又はモジュールとして機能する。
【背景技術】
【0003】
現在、正逆両方向が不規則に変化する回転の回転力を、効率的に両方向共取り出す事を考慮したモジュール又は完成部品としての変換機構は存在していない。
【0004】
正逆両方向の一方の回転だけを有効にする機構としてはワンウェイクラッチがあったが、これは文字通り一方の回転だけのエネルギーしか取り出す事が出来なかった。
【0005】
このワンウェイクラッチを組み合わせて、正逆両方向から回転力を効率的に取り出す事は可能であるが、必要に応じ、その都度設計して個々に製作しなければならなかった。
【0006】
正逆両方向の両方の回転エネルギーを一方向回転力として効率的に取り出せる、汎用的な部品、又はモジュールがあれば非常に便利であるが本発明はこれを実現するものである。
【0007】
ところで、正逆方向の不規則な回転の両回転のエネルギーを高効率に取り出せると云うことは、不規則な波長の往復運動をも高効率に取り出せると云うことである。
【0008】
不規則な波長の往復運動とは、つまり海水の波動等の、ストロークが一定しない上下運動であり、本発明はこのストロークが一定しない上下運動を効率的に回転運動に変換するものである。
【0009】
波力発電はクリーンエネルギーとして期待されているが、ストロークが一定しない上下運動である波力エネルギーを高効率に取り出す事が出来ずに普及していなかった。
【0010】
又、自転車に於いても脚の上下運動のエネルギーを高効率に取り出す事が出来ず、非効率であった。
【0011】
従来に於いては、正逆両回転を取り出すために、正逆両回転のワンウェイクラッチを具備する乗り物が存在するが、足漕ぎ式の運動具又は移動具に特定したものであり、左右両足の漕力をチェーンで正逆回転のワンウェイクラッチを介して直接車輪に伝えている。(例えば特許文献1参照)
しかしこれは、チェーンの使用のみに特定され、汎用性が全く考慮されていな
【0012】
【特許文献1】特開2005−280671
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は正回転と逆回転がランダムに混在する様な回転や円弧運動を、従来の様にどちらか一方向だけの回転を取り出すのでは無く、両方の回転を一方向回転にして、両方の回転エネルギーを取り出す事を可能するものである、且つ汎用性のあるモジュール又は部品として使用する事が出来るようにしたものである。

更に、ストロークが一定しない上下運動や、人力による脚漕ぎ運動を高効率に回転運動又は円弧運動として効率的に取り出し、一方向の回転にするものである。

【課題を解決するための手段】
【0014】
二個のワンウェイクラッチと歯車を組み合わせと云う最低限の部品構成で、回転と逆回転の両方の回転エネルギーを取り出す。
【発明の効果】
【0015】
風向が一定しない風力による不規則回転や円弧運動を高効率に一定方向の回転運動に変換出来るので、コストパフォーマンスに優れた風力発電や波力発電が可能となる。
【0016】
また、不規則なストロークの往復運動やを回転運動に高効率に変換する汎用部品として使用可能なので、建物等の微細な短周期振動から、地震波による地殻の巨大な長期振動まで、多方面の利用範囲が考えられる。
【0017】
更に、人力による往復力を高効率に回転エネルギーに変換して、発電や、自転車等による移動の効率化を計る事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
二個のワンウェイクラッチを直列配置し、このワンウェイクラッチの外周輪に回転入力軸が結合され、内周輪に回転出力軸が結合されてなる本発明の実施例に於いて、両方向の回転エネルギーを一方向の回転エネルギーとして取り出す例について説明する。
【0019】
尚、説明上、二個のワンウェイクラッチの区別のため、前置、後置、左置、右置と表現するが、必ずしも前後左右の関係を示すと云う訳ではない。
又、入力回転と説明するが、これは一回転以下の回転つまり円弧回転も含む。
本発明の実施に於いては、この円弧回転入力される事の方が多いと考えられる。
【0020】
図1〜図3に於いて、前置ワンウェイクラッチ200と後置ワンウェイクラッチ300とは、互いに同一伝達方向に直列に配置され、双方の内周輪220、320同士は同一の出力軸500で直接結合されている。
【0021】
前置ワンウェイクラッチ外周輪240の前端には前置入力軸110結合されていて、この後端は傘歯車410〜440を介して後置ワンウェイクラッチ外周輪340に結合される。
これにより前置ワンウェイクラッチ外周輪240の回転が後置ワンウェイクラッチ外周輪340へ反対回転となって伝達される。
【0022】
つまり、入力軸100に正回転が伝達されると、前置ワンウェイクラッチ外周輪320にはそのまま正回転が伝わり、後置ワンウェイクラッチ外周輪340には逆回転が伝わるのである。
【0023】
図2に於いて、前置ワンウェイクラッチ200と後置ワンウェイクラッチ300は、両方とも時計回転を伝達し、反時計回転は空転する様に直列配置されている。
【0024】
以下の説明に於いて、軸方向Aから見て時計回転を正回転と称し、反時計回転を逆回転と称す。
【0025】
今、図2に示す様に、入力軸100から正回転が回転入力されたとする。この正回転入力は前置ワンウェイクラッチ200の外周輪240に伝わり、この回転は空転することなく内周輪220に伝達されてこれに結合された出力軸500は正回転する。
【0026】
この入力正回転は、傘歯車410〜430より反対回転に変換されて後置ワンウェイクラッチ300の外周輪340に逆回転が伝達されるが、内周輪320へは空転のため、この逆回転が伝達しないので、出力軸500には影響を与える事はない。
【0027】
つまり、入力された正回転は前置ワンウェイクラッチ200から出力軸500に伝達され、後置ワンウェイクラッチ200からはなにも伝達されない。
【0028】
次に、図3に示す様に、入力軸100から逆回転が回転入力されたとする。
この逆回転は前置ワンウェイクラッチ200の外周輪240に伝達されるが、この内周輪220へは空転するため伝わらず、出力軸500はに伝達されない。
そして入力されたこの逆回転は、傘歯車410〜430で反転されて後置ワンウェイクラッチ300の外周輪340に正回転で伝わり、これが内周輪220に伝達し出力軸500に伝達されるのである。
【0029】
つまり、逆回転は前置ワンウェイクラッチ200から出力軸500へはなにも伝達されず、後置ワンウェイクラッチ200から正回転が出力回転軸500に伝達される。
【0030】
上記説明した如く、正回転はそのまま出力回転軸500に伝達され、逆回転は、傘歯車410〜430で正回転に変換されて、出力回転軸500に伝達されるのであり、両方の回転エネルギーが出力回転軸500に出力されるのである。
【0031】
入力軸100に回転が入力されない場合は、双方のワンウェイクラッチ200、300から何も伝達されず、且つ何の阻害もないので、出力軸500の回転惰性で回転が継続するのである。
【0032】
本発明の出力軸500から、逆回転を取り出すには、本発明全体をそのまま中心線C−C7を線対称に反対向きにして、後置入力軸120から回転入力すれば、上記説明[0024]〜[0030]で正回転を逆回転に、逆回転を正回転に読み替えた同様の経緯で出力軸500から逆回転が回転出力されるのである。
【0033】
次に、図4〜図6に示す様に、前置ワンウェイクラッチ200と後置ワンウェイクラッチ300が、互いに逆伝達方向に直列配置した本発明の例に付いて説明する。
前置ワンウェイクラッチ200は正回転を伝達し逆回転は非伝達で、後置ワンウェイクラッチ300は逆回転を伝達し正回転は非伝達であるよう直列配置されていて、この後置ワンウェイクラッチ300外周輪340に出力回転軸550が結合されている。
【0034】
双方の内周輪220、320同士は同一の入力軸100で直接結合されている。
前置ワンウェイクラッチ外周輪240の回転は、傘歯車410〜440を介して後置ワンウェイクラッチ外周輪340に反対回転が伝わる様に結合される。
【0035】
今、図5に於いて、入力軸100から正回転が回転入力されたとする。
この入力正回転は前置ワンウェイクラッチ200の内周輪220に伝わり、そのまま外周輪240に伝達され、傘歯車410〜440を介して後置ワンウェイクラッチ300の外周輪340に逆回転となって伝達され、これに結合した出力軸550が逆回転して出力されるのである。
【0036】
この時、入力軸100からの正回転は、後置ワンウェイクラッチ300の内周輪320と外周輪340とが空転して伝達されないので、出力軸550の出力正回転に何ら影響を与えない。
【0037】
次に、図6に示す様に入力軸100から逆回転が回転入力されたとする。
この逆回転は、前置ワンウェイクラッチ200の内周輪220から、外周輪240へは空転するため伝達されず、後置ワンウェイクラッチ300の内周輪320から外周輪340へ空転することなく伝達され、これに結合した出力軸550も逆回転するのである。
【0038】
この時、後置ワンウェイクラッチ300の外周輪340から傘歯車を介して反対回転である正回転が前置ワンウェイクラッチ200の外周輪230に伝達されるが、この正回転は内周輪220には空転するので伝達されず、入力回転軸100に何ら影響を与えない。
【0039】
上記説明は、傘歯車を外周輪側に取り付けた本発明について述べたものであるが、図6〜図10に示す様に、反対回転結合のための傘歯車を内周輪側にする事も可能である。
【0040】
内周輪の回転軸に、傘歯車で反対回転結合するする本発明の説明は、図6〜図10を参照に[0024]〜[0037]の説明中の内周輪を外周輪に、外周輪を内周輪に又、正回転を逆回転に、逆回転を正回転に、それぞ読み替える事により、説明がなされる。
【0041】
このような内周輪が歯車で反対回転結合される本発明に於いては、傘歯車の回転軸支持のため回転支持固定軸800が、中空の回転軸内を貫通して外部に固定されるのである。
【0042】
但しこの様な、内周輪の回転軸に、傘歯車で反対回転結合する本発明に於いては、この回転支持固定軸900が回転の邪魔をして、全回転入力には適さず、円弧回転の入力時に適している。
【0043】
本発明は先に述べた通り、「不規則なストロークの往復運動」を同一方向の回転運動に変換する機構としても有効であり、むしろこの用途としてが使用される事の方が多いと考えられる。
以下、「不規則なストロークの往復運動を回転運動に変換する機構」について述べる。
【0044】
図10〜図13は往復運動を入力するための往復桿170を入力回転軸100に具備した本発明であり、人間の脚力が左右のペダル175L、175Rに伝達され、この足漕力が往復桿170を経て回転運動に変換される経緯についての説明を行う。
【0045】
この説明に於ける方向の説明は、視点Aから見ての事であり、時計回転を正回転、反時計回転を逆回転と記する。
今、図10に於いて、右ペダル735Rと左ペダル175Lには力が加わらず平衡状態にあり、往復桿170は水平を保っている。
【0046】
この状況から、図11に示す様に、左ペダル175Lに押し下げ力が印加され、ペダル175Rには引き上げ力が印加されたとすると、この力は往復桿
170を介して入力回転軸100に伝わり、矢印Dで示す様に逆回転に円弧回転する。
【0047】
そしてこの逆回転の円弧回転は入力軸100から回転入力され、上記説明の通り反対回転に変換されて回転出力軸500に伝達され、この円弧回転力がフライホイール590に正回転畜力される。
【0048】
次に、図12に示す様に、左ペダル175Lに引き上げ力が印加され、右ペダル175Rには押し下げ力が印加されたとすると、この力は往復桿170を介して入力回転軸100に伝わり、矢印Eに示す様に正回転方向に円弧回転する。
この正回転方向の円弧回転は、そのまま正回転の円弧回転で出力回転軸500に伝達され、この円弧回転力がフライホイール590に正回転畜力される。
【0049】
両方のペダル175R、175Lに力が加わらず回転桿100が停止した際には回転入力軸100は回転せず、回転出力軸500にも影響を与えず、フライホイール590の正回転畜力で回転し続けるのである。
このペダル175R、175Lを図13に示す様に往復桿に沿ってスライド移動可能にすれば、簡単に無段減速ギアが実現出来る。
【0050】
次に往復運動を入力するためにピニオンラック機構を用いる例について説明する。
図14に於いて、回転入力軸100にはピニオン850が具備されている。
このピニオン歯車850に、左ラック歯車870Lと右ラック歯車870Rが組み合わされ、更にこの両ラック歯車の上端部に左ペダル875R、右ペダル875Rが取り付けられる。
【0051】
これにより、図15に示すように、ラック歯車870Lが押し下げられると、右ラック歯車870Rは押し上げられる事になり、人間の足漕ぎ入力に最も適した「不規則なストロークの往復運動を回転運動に変換する機構」となる。
【0052】
人間の足の上下運動を円弧回転に変換する際、従来の自転車漕ぎの様な方式が非効率である事はよく知られるところであり、このピニオンラック方式の本発明を自転車に応用すれば効率が従来自転車の2倍以上になると推察出来る。
【0053】
本発明は歯車を介して反対回転を軸結合しているが、この歯車の回転軸から入出力する事が可能である。
図16に於いては傘歯車の回転軸にペダル付き往復桿を具備している例である。
図17に於いては傘歯車の回転軸にピニオンラック構造の往復桿を具備している例である。
【0054】
本発明は二個のワンウェイクラッチを並列設置する構成に於いても同様な原理で作動する。
以下図18〜20を用いワンウェイクラッチを並列設置した本発明に於いて、
入力軸100から正逆両回転が入力され、出力軸500から一方向回転が出力される経緯に付いて説明する。
以下の説明に於いて、左右方向、回転方向は視点方向Aから見ての事であり、時計回転を正回転と称し、反時計回転を逆回転と称す。
【0055】
図18に於いて、左置ワンウェイクラッチ200と右置ワンウェイクラッチ200は双方共に正回転を伝達する様に並列配置されている。
【0056】
左歯車450を有する入力回転軸100はそのまま右置ワンウェイクラッチ200の内周輪220に結合される。
左歯車450からの回転を反対回転に変換する右歯車470を介して右入力回転軸120は右置ワンウェイクラッチ300の内周輪320に結合される。
【0057】
双方の外周輪240と外周輪340にはそれぞれ外歯車245、345が取り付けられ、出力軸500の出力歯車570に結合されている。
【0058】
今、図19に於いて入力回転軸100に正回転が入力されたとする。
この正回転はそのまま、左置ワンウェイクラッチ200の内周輪220に伝達され、これが外周輪240に伝達されて正回転する。
そして、この外周輪240に結合された外歯車245も正回転し、この回転が出力歯車575により反対回転に変換されて、出力軸500は逆回転出力される。
【0059】
この入力正回転は、左歯車450を介して右歯車470に反対回転で伝わり、この逆回転が右置ワンウェイクラッチ300の内周輪320に伝達されるが、この逆回転は空転して外周輪340には伝達されないので出力軸には影響を与えないし、またこの出力軸500の回転が右置ワンウェイクラッチ300の内周輪320に影響を与える事もない。
【0060】
次に、図20に示す様に、入力軸100から逆回転が回転入力されたとする。
この入力逆回転は、左歯車450を介して右歯車470に反対回転に変換されて正回転で伝わり、この正回転が右回転軸120から右置ワンウェイクラッチ300の内周輪320に伝達され、外周輪340に伝わる。
【0061】
そして、この外周輪340に結合された外歯車345も正回転し、この回転が出力歯車575により反対回転に変換されて、出力軸500は正回転が出力さるのである。
【0062】
この入力逆回転はそのまま左置ワンウェイクラッチ200の内周輪220に伝わるが、この回転は外周輪240が空転するので、出力軸500に伝達される事はない。又、出力軸500の回転が左置ワンウェイクラッチ200の内周輪220に伝わる事もない。
【0063】
上記説明では、逆回転が出力される例であるが、正回転を出力したい場合には、この二個ワンウェイクラッチの双方共に逆回転伝達方向に並列設置すればよい。
【0064】
次に、二個のワンウェイクラッチを互いに逆回転伝達方向に並列設置し、入力軸は同一軸で回転結合し、回転出力軸は歯車を介して互いに逆回転するよう結合してなる図21〜図23の例を説明する。
【0065】
図21に於いて、右置ワンウェイクラッチ200は正回転を、左置ワンウェイクラッチ300は逆回転を伝達する様に並列配置されていて、入力軸100は左置外歯車245を介して右置外歯車345と直接噛み合っている。
左内周輪220は左内周輪軸歯車225と出力歯車570を介して出力軸500に回転結合される、右内周輪320は左置出力歯車325と出力歯車570を介して出力軸500に回転結合される。
【0066】
今、図22に於いて、入力軸100に正回転が回転入力されたとする。
この正回転入力はそのまま左ワンウェイクラッチ200の外周輪240に伝達され、空転することなく内周輪220に伝達し、これに結合された左置出力歯車225を介してで反対回転に変換され出力軸500に出力される。
【0067】
この入力軸100からの正回転は右外歯車345を介して反対回転が伝達されるが、この内周輪320へは空転のため伝達されない。
また、出力歯車570から右出力歯車325を介して右内周輪320へ出力回転が伝達されるが、これも空転のため右外周輪340へはなにも影響を与えないので、入力された正回転は左ワンウェイクラッチを介してのみ出力軸500へ伝達されるのである。
【0068】
次に、この入力軸100からの逆回転が入力されたとする。
この逆回転は入力軸歯車105から右外歯車345を介して右外外周輪340へ伝達され、空転することなく、内周輪320へ伝達され、これに結合された右置出力歯車325から出力軸歯車570を介して出力軸500へ伝達されるのである。
【0069】
この入力軸100からの逆回転はそのまま左外周輪240に伝達されるが、この左内周輪320へは空転のため伝達されない。
また、出力歯車570から左出力歯車225を介して右内周輪320へ出力回転が伝達されるが、空転のため右外周輪340へはなにも影響を与えないので、入力された正回転は左ワンウェイクラッチを介してのみ出力軸500へ伝達されるのである。
【0070】
図21に示す構成に於いては、出力軸から逆回転が出力されるのであるが、力軸から正回転を出力したい場合は、入力軸をこの説明とは反対側のワンウェイクラッチに結合するか、左置ワンウェイクラッチと右置ワンウェイクラッチを入れ替えるかすればよい。
【0071】
本発明のワンウェイクラッチの伝達方向の組み合わせの基本は
双方のワンウェイクラッチが同一回転方向に結合された軸は出力軸
双方のワンウェイクラッチが反対回転方向に結合された軸は入力軸
となる。
【0072】
ところで、本発明に於いては二個ワンウェイクラッチの一方の回転が伝達している際には他方は空転していて、無駄なエネルギーを空費していて、非効率に思いがちだが、この空転は文字通り無負荷状態の空転なので、このエネルギー空費量は非情に小さいのである。
因みにこのエネルギー空費は歯車の摩擦とワンウェイクラッチの空転摩擦であり、殆ど無視しても差し支えない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】同一伝達方向直列配置の斜視図
【図2】// 正回転の回転伝達を示す上面図
【図3】逆方向の回転伝達を示す上面図
【図4】反対伝達方向直列配置の正回転の回転伝達を示す上面図
【図5】// 逆回転の回転伝達を示す上面図
【図6】傘歯車を内周輪に有する斜視図
【図7】図6の上面図−1
【図8】図6の上面図ー2
【図9】図6の上面図ー3
【図10】図6の上面図ー4
【図11】ペダルを有する往復桿を入力軸に取り付けた斜視図−1
【図12】ペダルを有する往復桿を入力軸に取り付けた斜視図−2
【図13】ペダルを有する往復桿を入力軸に取り付けた斜視図−3
【図14】ペダルを有する往復桿を入力軸に取り付けた斜視図−4
【図15】ピニオンラックを入力軸に取り付けた斜視図−1
【図16】ピニオンラックを入力軸に取り付けた斜視図−2
【図17】傘歯車の入力軸にペダルを有する往復桿を取り付けた斜視図
【図18】傘歯車の入力軸にピニオンラックを取り付けた斜視図
【図19】同一伝達方向並列配置の斜視図
【図20】// の正回転の回転伝達を示す上面図
【図21】// の逆方向の回転伝達を示す上面図
【図22】反対伝達方向並列配置の斜視図
【図23】// の正回転の回転伝達を示す上面図
【図24】// の逆方向の回転伝達を示す上面図
【符号の説明】
【0074】
50 筐体
100 入力軸
105 入力軸歯車
110 前置(左置)入力軸
115 前置(左置)入力軸歯車
120 後置(右置)入力軸
125 後置(右置)入力軸歯車
170 往復桿
175R 左ぺダル
175L 右ぺダル
200 前置(左置)ワンウェイクラッチ
220 前置(左置)ワンウェイクラッチの内周輪
225 左置内周輪軸歯車
240 前置(左置)ワンウェイクラッチの外周輪
245 左置外歯車
300 後置(右置)ワンウェイクラッチ
320 後置(右置)ワンウェイクラッチの内周輪
325 右置内周輪軸歯車
340 後置(右置)ワンウェイクラッチの外周輪
345 右置外歯車
410 前置(左置)歯車
420 後置(右置)歯車
430 傘歯車
500 出力軸
570 出力軸歯車
590 フライホイール
850 ピニオン
870R 左ラック歯車
870L 右ラック歯車
900 歯車固定支軸
A 視覚方向
k キー溝固定


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つのワンウェイクラッチと歯車を使って正回転と逆回転の両方の回転を一方向の回転運動に変換する機構であって、双方のワンウェイクラッチを同一伝達方向に配置して、この入力軸は歯車を介して互いに反対回転結合し、出力軸側は同一軸で回転結合してなる正逆回転伝達機構。
【請求項2】
二つのワンウェイクラッチと歯車を使って正回転と逆回転の双方の回転を一方向の回転運動に変換する機構であって、双方のワンウェイクラッチを互いに逆伝達方向に配置して、この入力軸は同一軸で回転結合し、出力軸は歯車を介して互いに反対回転結合してなる正逆回転伝達機構。
【請求項3】
歯車で反対回転結合される回転軸同士がワンウェイクラッチ内周輪に直列結合される本発明に於いては、この回転軸が中空であり、この中空内を貫通する固定軸にこの歯車の回転支軸を固定する請求項1及び請求項2記載の正逆回転伝達機構。
【請求項4】
入力軸に、円周方向に伸張する往復桿を具備する請求項1〜請求項3記載の正逆回転伝達機構。
【請求項5】
ピニオンラック構造の往復桿を入力軸に具備する請求項1〜請求項3記載の正逆回転伝達機構。
【請求項6】
入力軸を反対回転結合歯車に結合し、この入力軸に円周方向に伸張する往復桿を具備する請求項1及び請求項2記載の正逆回転伝達機構。
【請求項7】
入力軸にピニオンラック構造の往復桿を具備する請求項6記載の正逆回転伝達機構。
【請求項8】
往復桿に沿ってペダルがスライドして固定位置を可変する手段を有する請求項4及び請求項6記載の正逆回転伝達機構。
【請求項9】
入力軸と出力軸以外の内部構造の全体がケーシングされてなる請求項1〜請求項8記載の正逆回転伝達機構。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−127836(P2009−127836A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−306875(P2007−306875)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【出願人】(592024147)