説明

歩行支援装置及びその初期設定方法

【課題】使用者が安定した状態で角度検出センサの初期設定を行うことができる歩行支援装置を提供する。
【解決手段】歩行支援装置は、使用者の腿部に装着され、インクリメンタル型の角度検出センサ7を上側のリンクと下側のリンクとの関節部に有する歩行支援装置であって、関節部の伸展状態を検出する第1の検出手段13と、第1の検出手段13によって検出された関節部の伸展状態に基づいて、角度検出センサ7の初期設定を行う初期設定手段14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行支援装置及びその初期設定方法に関し、特に関節部にインクリメンタル型の角度検出センサを備える歩行支援装置及びその初期設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、使用者の腿部に装着され、当該使用者の歩行を支援する歩行支援装置が種々開発されている(特許文献1を参照)。このような歩行支援装置は、関節部の角度を検出するために、角度検出センサを備えている。
【0003】
ここで、角度検出センサとしては、アブソリュート型とインクリメンタル型とがある。アブソリュート型の角度検出センサは一度初期設定を行うと、再度、初期設定を行う必要が無い。しかし、アブソリュート型の角度検出センサは大型で、重く、しかも高価である。
【0004】
一方、インクリメンタル型の角度検出センサは、使用者が歩行支援装置を使用する度に、初期設定を行う必要があるが、小型で、軽く、しかも安価である。そのため、インクリメンタル型の角度検出センサを用いることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−301124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
角度検出センサの初期設定は、使用者が歩行支援装置を装着した状態で行うが、その際に使用者が安定した状態で行うことが好ましい。
【0007】
本発明の目的は、このような問題を解決するためになされたものであり、使用者が安定した状態で角度検出センサの初期設定を行うことができる歩行支援装置及びその初期設定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態に係る歩行支援装置は、使用者の腿部に装着され、インクリメンタル型の角度検出センサを上側のリンクと下側のリンクとの関節部に有する歩行支援装置であって、前記関節部の伸展状態を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出された前記関節部の伸展状態に基づいて、前記角度検出センサの初期設定を行う初期設定手段と、を備える。
【0009】
上記歩行支援装置において、前記関節部は4節リンク機構を備え、前記4節リンク機構は、第1のリンクと、第2のリンクと、第3のリンクと、第4のリンクと、を備え、前記第1のリンクの一方の端部と前記第2のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、前記第1のリンクの他方の端部と前記第3のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、前記第3のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、前記第2のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの他方の端部とは回転可能に連結され、前記第1のリンクに前記上側のリンクが連結され、前記第2のリンクに前記下側のリンクが連結され、前記第1のリンクと前記第2のリンクとの連結部は前記関節部の関節軸とされ、前記初期設定手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転に基づいて、前記関節部の伸展状態を検出すること、が好ましい。
【0010】
上記歩行支援装置において、前記4節リンク機構は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し後の回転を拘束するストッパーを備え、前記第1の検出手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転が前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し点から前記ストッパーによって拘束されるまでの領域内で、前記関節部の伸展状態を検出するように、配置されており、前記初期設定手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転が前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し点から前記ストッパーによって拘束されるまでの領域内であると、前記関節部が伸展状態であると判定し、前記角度検出センサの初期設定を行うこと、が好ましい。
【0011】
上記歩行支援装置において、前記第1のリンクの長さと前記第2のリンクの長さとの和が、前記第3のリンクの長さと前記第4のリンクの長さとの和より長く、且つ前記第2のリンクの長さが前記第3のリンクの長さより長く、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部に駆動手段から駆動力が伝達され、前記第1の検出手段は、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部に配置されていること、が好ましい。
【0012】
上記歩行支援装置において、前記関節部の伸展支援領域に前記関節部の回転角が入ったか否かを検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段の検出結果に基づいて前記関節部の伸展支援動作を実行させる伸展支援手段と、をさらに備えること、が好ましい。
【0013】
上記歩行支援装置において、前記第1の検出手段は、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部における、前記第2の検出手段より前記関節部の伸展方向側に配置されていること、が好ましい。
【0014】
本発明の一形態に係る歩行支援装置の初期設定方法は、使用者の腿部に装着され、インクリメンタル型の角度検出センサを上側のリンクと下側のリンクとの関節部に有する歩行支援装置の初期設定方法であって、前記関節部の伸展状態を検出する工程と、検出した前記関節部の伸展状態に基づいて、前記角度検出センサの初期設定を行う工程と、を備える。
【0015】
上記歩行支援装置の初期設定方法において、前記歩行支援装置は、前記関節部に4節リンク機構を備え、前記4節リンク機構は、第1のリンクと、第2のリンクと、第3のリンクと、第4のリンクと、を備え、前記第1のリンクの一方の端部と前記第2のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、前記第1のリンクの他方の端部と前記第3のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、前記第3のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、前記第2のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの他方の端部とは回転可能に連結され、前記第1のリンクに前記上側のリンクが連結され、前記第2のリンクに前記下側のリンクが連結され、前記第1のリンクと前記第2のリンクとの連結部は、前記関節部の関節軸とされており、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転に基づいて、前記関節部の伸展状態を検出すること、が好ましい。
【0016】
上記歩行支援装置の初期設定方法において、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転が、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し点から前記4節リンク機構のストッパーによって拘束されるまでの領域内で、前記関節部の伸展状態を検出すること、が好ましい。
【0017】
上記歩行支援装置の初期設定方法において、前記4節リンク機構は、前記第1のリンクの長さと前記第2のリンクの長さとの和が、前記第3のリンクの長さと前記第4のリンクの長さとの和より長く、且つ前記第2のリンクの長さが前記第3のリンクの長さより長く、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部に駆動手段から駆動力が伝達され、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部で前記関節部の伸展状態を検出すること、が好ましい。
【0018】
上記歩行支援装置の初期設定方法において、前記関節部の伸展支援領域に前記関節部の回転角が入ったか否かを検出する工程と、検出した結果に基づいて前記関節部の伸展支援動作を実行する工程と、をさらに備えること、が好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、本発明によると、使用者が安定した状態で角度検出センサの初期設定を行うことができる歩行支援装置及びその初期設定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る歩行支援装置の使用形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る歩行支援装置の使用形態を概略的に示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る歩行支援装置の使用形態を概略的に示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る歩行支援装置における、制御系の構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る歩行支援装置を示す側面図である。
【図6】4節リンク機構を説明するための図である。
【図7】角度検出センサの初期設定が実行される、上側のリンクに対する下側のリンクの角度領域を示す図である。
【図8】駆動モータの速度比と膝軸角度との関係を示す図である。
【図9】膝が屈曲した状態での4節リンク機構周辺を拡大して示す透視図である。
【図10】膝が伸展した状態での4節リンク機構周辺を拡大して示す透視図である。
【図11】本発明の実施の形態1に係る歩行支援装置の初期設定方法を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の実施の形態2に係る歩行支援装置における、制御系の構成ブロック図である。
【図13】伸展支援が実行される、上側のリンクに対する下側のリンクの角度領域、及び角度検出センサの初期設定が実行される、上側のリンクに対する下側のリンクの角度領域を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る歩行支援装置の初期設定方法を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。但し、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0022】
<実施の形態1>
先ず、本実施の形態の歩行支援装置の基本的な構成を説明する。歩行支援装置は、図1乃至図3に示すように、例えば使用者の腿部に装着され、使用者の歩行を支援するために好適に用いられる。この歩行支援装置1は、図1乃至図4に示すように、上側のリンク2、下側のリンク3、足裏載置部4、膝装着部5、駆動部6、角度検出センサ7、制御部8、腰装着部9を備えている。
【0023】
上側のリンク2は、使用者の上腿部の側部に配置される。本実施の形態の上側のリンク2は、使用者の上腿部の左右両側部にそれぞれ配置されており、使用者の前方に向かって延在している。上側のリンク2の上端部は、上腿保持部10の側部に連結されている。上側のリンク2の下端部は、下側のリンク3に回転可能に連結されている。
【0024】
ここで、上腿保持部10は、板状部材であって、使用者の上腿部の外周形状に倣うように湾曲した形状とされている。当該湾曲した面の内側面を使用者の上腿部に接触させる。ここで、当該内側面にはスポンジ等の緩衝部材が設けられていることが好ましい。
【0025】
下側のリンク3は、使用者の下腿部における脛部分の側部に配置される。本実施の形態の下側のリンク3は、使用者の脛部分の左右両側部にそれぞれ配置される。下側のリンク3の上端部は、上側のリンク2の下端部に回転可能に連結されている。下側のリンク3の下端部は、足裏載置部4に回転可能に連結されている。
【0026】
足裏載置部4は、使用者の足を支持する。本実施の形態の足裏載置部4は、載置部4a、アーム4bを備えている。載置部4aは板状部材であって、使用者の足裏が載置される。アーム4bは、載置部4aを下側のリンク3に連結する。つまり、アーム4bは使用者の下腿部における足首部分の左右両側部にそれぞれ配置される。
【0027】
アーム4bの上端部は、下側のリンク3の下端部に回転可能に連結されている。アーム4bの下端部は、載置部4aの側部に連結されている。これにより、使用者の体重を歩行支援装置1に支持させることができる。
【0028】
膝装着部5は、アーチ5a、図示を省略したビンディングを備えている。アーチ5aは、左右の上側のリンク2と下側のリンク3との連結部相互を連結する。ビンディングは、アーチ5aに設けられている。ビンディングは、アーチ5aを使用者の膝に固定する。ビンディングは、アーチ5aを使用者の膝に固定できる構成であれば特に限定しないが、例えば使用者の膝に着脱可能なバンドを含む。
【0029】
駆動部6は、上側のリンク2と下側のリンク3との連結部に駆動力を伝達する。駆動部6は、駆動モータ6a、減速機6bを備えている。駆動モータ6aは、制御部8の制御信号に基づいて駆動する。駆動モータ6aの駆動力は、減速機6bに入力される。
【0030】
減速機6bは、駆動モータ6aから入力される駆動力を増幅して上側のリンク2と下側のリンク3との連結部の回転軸に伝達する。これにより、下側のリンク3が上側のリンク2に対して使用者の前後方向に回転駆動する。
【0031】
角度検出センサ7は、上側のリンク2と下側のリンク3との連結部に設けられており、上側のリンク2に対する下側のリンク3の回転角度を検出する。角度検出センサ7は、検出信号を制御部8に出力する。
【0032】
ちなみに、本実施の形態の歩行支援装置1も、一般的な歩行支援装置と同様に、使用者の歩容を検出するセンサや、使用者の足裏に作用する荷重を検出するセンサ等を備えており、それらの検出信号が制御部8に出力される。
【0033】
制御部8は、各センサの検出信号に基づいて、駆動部6の駆動モータ6aを制御する制御信号を生成し、当該制御信号に基づいて使用者の歩行を支援するように駆動モータ6aを制御する。なお、本実施の形態においては、制御部8の駆動モータ6aの制御は本質的部分ではないので、説明を省略するが、一般的な歩行支援装置と同様に実施することができる。
【0034】
腰装着部9は、ベルト9a、収納ボックス9bを備えている。ベルト9aは、使用者の腰に着脱可能な構成とされている。収納ボックス9bは、ベルト9aに設けられている。収納ボックス9bには、駆動部6等の電源であるバッテリ、及び制御部8が搭載されている制御基板等が格納されている。収納ボックス9bに収納されているバッテリ及び制御基板は、駆動モータ6aや角度検出センサ7等に配線11を介して接続されている。
【0035】
上記した構成を基本として、本実施の形態の歩行支援装置1は、図4及び図5に示すように、4節リンク機構12、第1の検出部13、初期設定部14を備えている。但し、図5に示す歩行支援装置1は、図1等に示した構成と異なり、腰装着部9等を省略している。
【0036】
4節リンク機構12は、上側のリンク2と下側のリンク3との連結部(関節部)に配置されている。4節リンク機構12は、図6に示すように、第1のリンク121、第2のリンク122、第3のリンク123、第4のリンク124、ストッパー125を備えている。
【0037】
第1のリンク121は、上側のリンク2と連結されている。本実施の形態の第1のリンク121は、上側のリンク2の下端部が連結される突出片121aを備えており、突出片121aに上側のリンク2の下端部が連結される。
【0038】
第1のリンク121の一方の端部は、第2のリンク122の一方の端部に回転可能に連結されている。本実施の形態では、当該連結部の回転軸126が歩行支援装置1の膝軸(関節軸)とされる。
【0039】
第1のリンク121の他方の端部は、第3のリンク123の一方の端部に回転可能に連結されている。本実施の形態では、第3のリンク123の一方の端部に駆動部6からの駆動力が伝達される。
【0040】
第2のリンク122は、下側のリンク3と連結されている。本実施の形態の第2のリンク122は、図5に示すように、下側のリンク3と一体的に形成されている。また、第2のリンク122は、膝装着部5のアーチ5aに連結されている。本実施の形態の第2のリンク122は、アーチ5aの側部が連結される突出片122aを備えており、突出片122aにアーチ5aの側部が連結される。
【0041】
第2のリンク122の他方の端部は、第4のリンク124の一方の端部に回転可能に連結されている。
第3のリンク123の他方の端部は、第4のリンク124の他方の端部に回転可能に連結されている。
【0042】
つまり、第1のリンク121及び第2のリンク122で膝関節を構成し、第3のリンク123及び第4のリンク124で補助リンクを構成している。
【0043】
ここで、各リンクは、以下の関係を満たしている。第1のリンク121の長さL1と第2のリンク122の長さL2との和が、第3のリンク123の長さL3と第4のリンク124の長さL4との和より長く、且つ第2のリンク122の長さL2が第3のリンク123の長さL3より長い。
【0044】
このような関係を満たすことにより、使用者の膝が伸展状態で、補助リンクを成す第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上、即ち第3のリンク123と第4のリンク124とが折り返し点に配置されるように設定すると、使用者の膝が伸展した状態で4節リンク機構12はセルフロック状態となる。
【0045】
そのため、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上に配置されると、使用者の膝が伸展状態であると判定し、この状態で角度検出センサ7の初期設定を行うと、4節リンク機構12はセルフロック状態であるので、使用者の膝が不安定になることがなく、使用者が安定した状態で角度検出センサ7の初期設定を行うことができる。
【0046】
ストッパー125は、図6に示すように、第3のリンク123と第4のリンク124との折り返し動作後の第3のリンク123と第4のリンク124との回転を拘束する。本実施の形態のストッパー125は、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上に配置された後、さらに第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1が大きくなる方向側に、第3のリンク123と第4のリンク124とが所定の角度回転すると、以後の回転を拘束するように配置されている。
【0047】
つまり、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上となる配置状態を超え、第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1が180°を超えた配置状態で、膝の屈曲方向側に外力が生じると、第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1が大きくなる方向側に、第3のリンク123と第4のリンク124とが回転する。そこで、このような第3のリンク123と第4のリンク124との回転領域側にストッパー125を配置している。
【0048】
そのため、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上となる配置状態を超えると、使用者の膝の伸展状態が安定状態であると判定し、図7に例示するように、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上となる配置状態を超え、第3のリンク123と第4のリンク124との回転がストッパー125によって拘束されるまでの角度領域θ2内で、角度検出センサ7の初期設定を行うことが好ましい。上述のように膝の屈曲方向側に外力が生じても、ストッパー125によって第3のリンク123と第4のリンク124との回転は拘束されるので、使用者の膝が不安定になることがなく、使用者が安定した状態で角度検出センサ7の初期設定を行うことができる。
【0049】
ちなみに、ストッパー125は、例えば第2のリンク122に設けられている。但し、ストッパー125の設置位置は、特に限定されない。
【0050】
第1の検出部13は、原点センサである。第1の検出部13は、角度検出センサ7の初期設定を行うために、上述のような第3のリンク123と第4のリンク124との配置関係が成り立ったことを検出することができれば、設定箇所は特に限定されない。
【0051】
一般的にインクリメンタル型のセンサの初期設定を行う場合は、初期設定の精度を高めるために、第1の検出部13の検出信号に基づいて繰り返し、センサの初期設定が行われる。例えば、駆動モータ6aを駆動させて第1の検出部13で可動部の所定の位置を繰り返し検出し、当該所定の位置を角度検出センサ7の原点位置に設定する。このとき、駆動モータ6aを駆動させて可動部を動作させる際に、歩行支援装置1の関節部が大きく動作すると、使用者が不安定な状態となる。
【0052】
ここで、上述した各リンクの関係を満たすことにより、4節リンク機構12は、第3のリンク123と第4のリンク124との折り返し点近傍において、駆動モータ6aを駆動させても殆ど膝軸が回転しない状態を作り出すことができる。つまり、図8に示すように、所定の膝軸角度領域において、駆動モータ6aを駆動させても殆ど膝軸角度が変化しない状態を作り出すことができる。
【0053】
そのため、本実施の形態では以下のような構成とされている。ここで、図9及び図10は、各リンク及び第1の検出部13の動作が理解し易いように透視図とされている。
【0054】
第1の検出部13は、接触部材13a、接触センサ13bを備えている。接触部材13aは、駆動部6の駆動軸6cの外周部分に設けられている。ここで、接触部材13aは、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上となる配置状態を超えてから、第3のリンク123と第4のリンク124との回転がストッパー125によって拘束されるまでの角度領域θ2内に第3のリンク123と第4のリンク124とが配置されたときに、接触センサ13bに接触するように配置されている。接触センサ13bは、駆動部6を支持する支持部材15に設けられている。接触センサ13bは、接触部材13aと接触状態となると、初期設定部14にON信号を出力する。ちなみに、支持部材15は、上側のリンク2に設けられている。
【0055】
そして、第1のリンク121の一方の端部は、駆動部6の駆動軸6cに回転可能に連結されている。つまり、第1のリンク121の一方の端部からは、駆動部6の駆動力が直接に伝達されない。第1のリンク121の他方の端部と第2のリンク122の一方の端部との連結部は、例えば駆動部6を支持する支持部材15に連結されている。
【0056】
ちなみに、第3のリンク123は、駆動部6の駆動軸6cの中心と第4のリンク124の一方の端部との連結部を結ぶ直線部分に該当する。第3のリンク123と第4のリンク124との連結部は、接触部材13aに連結されている。
【0057】
つまり、図9に示すように使用者の膝が屈曲した状態から、図10に示すように使用者の膝が伸展した状態となると、駆動部6の駆動軸6cが矢印A方向に回転すると共に接触部材13aが接触センサ13b側に移動し、第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上となる配置状態を超えてから、第3のリンク123と第4のリンク124との回転がストッパー125によって拘束されるまでの角度領域θ2内に、第3のリンク123と第4のリンク124とが配置されると、接触部材13aの端面が接触センサ13bに接触し、接触センサ13bはON信号を初期設定部14に出力する。
【0058】
初期設定部14は、接触センサ13bからON信号が入力されると、角度検出センサ7の初期設定を開始する。詳細には、図11に示すように、歩行支援装置1は角度検出センサ7の初期設定を実行する。
【0059】
先ず、例えば使用者が電源スイッチをONする等によって歩行支援装置1が待機状態となると、現在の角度位置が屈曲側リミットにあると仮定し、現在値を屈曲リミットの角度値に設定する(S1)。次いで、制御部8が上側のリンク2に対する下側のリンク3の目標角度を設定する(S2)。例えば制御部8は、上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3(図7)を2°に設定する。
【0060】
次に、角度検出センサ7は、現在の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3を検出し、検出信号を制御部8に出力する(S3)。制御部8は、角度検出センサ7から入力される検出信号に基づいて、上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3を算出し、算出した角度θ3と目標角度とに基づいて、駆動部6の駆動モータ6aの制御信号を生成する(S4)。
【0061】
次に、駆動モータ6aは、制御部8から入力される制御信号に基づいて、使用者の膝が伸展するように駆動する(S5)。このとき、初期設定部14は、接触センサ13bからON信号が入力されるか否かを判定する(S6)。
【0062】
接触センサ13bに接触部材13aの端面が非接触の状態で、未だに初期設定部14に接触センサ13bからON信号が入力されていないと(S6のNO)、制御部8は角度検出センサ7から検出信号を取得する工程(S3)に戻る。
【0063】
一方、接触センサ13bに接触部材13aの端面が接触して、初期設定部14に接触センサ13bからON信号が入力されると(S6のYES)、初期設定部14は第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1がより大きくなる方向に、第3のリンク123と第4のリンク124とが若干回転して停止するように、制御部8に指示信号を出力する。制御部8は、初期設定部14から指示信号が入力されると制御信号を生成し、制御信号を駆動部6の駆動モータ6aに出力する。駆動モータ6aは、制御部8から入力される制御信号に基づいて動作する(S7)。
【0064】
次に、初期設定部14は、第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1が小さくなる方向に、第3のリンク123と第4のリンク124とが回転するように、制御部8に指示信号を出力する。制御部8は、初期設定部14から指示信号が入力されると制御信号を生成し、制御信号を駆動部6の駆動モータ6aに出力する。駆動モータ6aは、制御部8から入力される制御信号に基づいて動作する(S8)。
【0065】
次に、角度検出センサ7は、現在の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3を検出し、検出信号を初期設定部14に出力する(S9)。このとき、初期設定部14は、接触センサ13bから入力されるON信号が途絶えたか否かを判定する(S10)。
【0066】
初期設定部14は、接触センサ13bに接触部材13aの端面が未だに接触しており、断続的に接触センサ13bからON信号が入力されていると(S10のNO)、第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1が小さくなる方向に、第3のリンク123と第4のリンク124とを回転させる工程(S8)に戻る。
【0067】
一方、初期設定部14は、接触センサ13bと接触部材13aの端面とが非接触状態と成り、接触センサ13bからのON信号の入力が途絶えると(S10のYES)、第3のリンク123と第4のリンク124とが成す角度θ1が小さくなる方向に、第3のリンク123と第4のリンク124とを回転させる動作を停止させ、角度検出センサ7の初期設定(原点リセット処理)を実行する(S11)。
【0068】
つまり、従来設定されていた角度検出センサ7の原点をリセットし、接触センサ13bに接触部材13aが接触した際の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3と、接触センサ13bと接触部材13aの端面とが非接触状態となった際の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3との、平均値を算出し、算出した平均値での上側のリンク2に対する下側のリンク3の配置関係を角度検出センサ7の原点として再設定する。
【0069】
本実施の形態では、駆動部6の駆動軸6cを異なる方向に繰り返し回転させても、第3のリンク123と第4のリンク124との折り返し点近傍では、第1のリンク121と第2のリンク122との連結部の回転軸126、即ち膝軸は殆ど回転しない特性を生かし、当該回転軸6cの動作を検出することができるように、第3のリンク123と第4のリンク124との連結部に第1の検出部13を配置したので、使用者が殆ど違和感なく、角度検出センサ7の初期設定を行うことができる。
【0070】
<実施の形態2>
ここで、角度検出センサ7の初期設定を行う際に、使用者の膝の伸展を支援する構成とされていることが好ましい。つまり、歩行支援装置は、図12に示すように、上述の要素に加えて、さらに第2の検出部16、伸展支援部17を備えていることが好ましい。
【0071】
第2の検出部16は、図9及び図10に示すように、接触部材16a、接触センサ16bを備えている。本実施の形態の接触部材16aは、第1の検出部13の接触部材13aと共通部材とされている。接触部材16aは、駆動部6の駆動軸6cに設けられており、例えば使用者が着座した状態で歩行支援装置を装着して膝を伸展させ、駆動部6の駆動軸6cが矢印A方向に所定の角度回転すると、接触センサ16bに接触する。接触センサ16bは、ON信号を伸展支援部17に出力する。ここで、接触部材16aは、少なくとも第3のリンク123と第4のリンク124とが一直線上に配置されるまで、接触センサ16bとの接触が継続される形状とされている。
【0072】
伸展支援部17は、接触センサ16bからON信号が入力されると、駆動部6の駆動モータ6aを制御して使用者の膝の伸展を支援する。つまり、接触センサ16bからON信号の入力が開始されると、例えば使用者は着座状態から起立状態へ移行しようとしているものと推定することができる。そこで、伸展支援部17は、図13に示すように、上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3が所定の角度(例えばθ3=20°)より小さくなると、使用者の膝の伸展を支援する。詳細には、図14に示すように、歩行支援装置は使用者の膝の伸展を支援する。
【0073】
先ず、歩行支援装置の電源スイッチがONとなって待機状態(S11)となると、伸展支援部17は、接触センサ16bからON信号が入力されるか否かを判定する(S12)。接触センサ16bからON信号が入力されないと(S12のNO)、使用者は膝を伸展しようとする意志がないものと推定することができるので、歩行支援装置の待機状態(S11)に戻る。
【0074】
伸展支援部17は、接触センサ16bからON信号が入力されると(S12のYES)、工程S13〜S22に移行する。ここで、工程S13〜S22は、実施の形態1の角度検出センサ7の初期設定の工程S2〜S11と同様であるので、重複する説明を省略する。初期設定部14は角度検出センサ7の初期設定が終了すると、その旨の信号を伸展支援部17に出力する。
【0075】
伸展支援部17は、初期設定部14から角度検出センサ7の初期設定が終了した旨の信号が入力されると、再度上側のリンク2に対する下側のリンク3の目標角度(例えば2°)を制御部8に設定させる(S23)。
【0076】
次に、角度検出センサ7は、現在の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3を検出し、検出信号を制御部8に出力する(S24)。制御部8は、角度検出センサ7から入力される検出信号に基づいて、上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3を算出し、算出した上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3と目標角度とに基づいて、駆動部6の駆動モータ6aの制御信号を生成する(S25)。
【0077】
駆動モータ6aは、制御部8から入力される制御信号に基づいて動作する(S26)。このとき、伸展支援部17は、角度検出センサ7から入力される現在の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3と目標角度との差の絶対値が予め設定された閾値より小さいか否かを判定する(S27)。
【0078】
伸展支援部17は、現在の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3と目標角度との差の絶対値が予め設定された閾値以上であると(S27のNO)、制御部8による駆動部6の駆動モータ6aの制御を続行させるために、制御部8に角度検出センサ7から検出信号を取得させる工程(S24)に戻る。
【0079】
一方、伸展支援部17は、現在の上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3と目標角度との差の絶対値が予め設定された閾値より小さいと(S27のYES)、制御部8による駆動部6の駆動モータ6aの制御を終了させる。
【0080】
このような歩行支援装置及び初期設定方法は、角度検出センサ7の初期設定を行う際に、屈曲状態の膝が伸展状態となるまで支援するので、使用者を安定させた状態で角度検出センサ7の初期設定を行うことができる。例えば、角度検出センサ7の初期設定途中で、使用者の膝が不用意に曲がって、使用者が姿勢を崩すことがない。
【0081】
しかも、角度検出センサ7の初期設定を行った後に、もう一度、上側のリンク2に対する下側のリンク3の角度θ3を調整し直すので、使用者の膝の伸展制御を正確な位置から開始することができる。
【0082】
以上、本発明に係る歩行支援装置及び初期設定方法の実施の形態を説明したが、上記に限らず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 歩行支援装置
2 上側のリンク
3 下側のリンク
4 足裏載置部、4a 載置部、4b アーム
5 膝装着部、5a アーチ
6 駆動部、6a 駆動モータ、6b 減速機、6c 駆動軸
7 角度検出センサ
8 制御部
9 腰装着部、9a ベルト、9b 収納ボックス
10 上腿保持部
11 配線
12 4節リンク機構
13 第1の検出部、13a 接触部材、13b 接触センサ
14 初期設定部
15 支持部材
16 第2の検出部、16a 接触部材、16b 接触センサ
17 伸展支援部
121 第1のリンク、121a 突出片
122 第2のリンク、122a 突出片
123 第3のリンク
124 第4のリンク
125 ストッパー
126 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の腿部に装着され、インクリメンタル型の角度検出センサを上側のリンクと下側のリンクとの関節部に有する歩行支援装置であって、
前記関節部の伸展状態を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段によって検出された前記関節部の伸展状態に基づいて、前記角度検出センサの初期設定を行う初期設定手段と、
を備える歩行支援装置。
【請求項2】
前記関節部は4節リンク機構を備え、
前記4節リンク機構は、第1のリンクと、第2のリンクと、第3のリンクと、第4のリンクと、を備え、
前記第1のリンクの一方の端部と前記第2のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、
前記第1のリンクの他方の端部と前記第3のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、
前記第3のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、
前記第2のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの他方の端部とは回転可能に連結され、
前記第1のリンクに前記上側のリンクが連結され、
前記第2のリンクに前記下側のリンクが連結され、
前記第1のリンクと前記第2のリンクとの連結部は前記関節部の関節軸とされ、
前記初期設定手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転に基づいて、前記関節部の伸展状態を検出する請求項1に記載の歩行支援装置。
【請求項3】
前記4節リンク機構は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し後の回転を拘束するストッパーを備え、
前記第1の検出手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転が前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し点から前記ストッパーによって拘束されるまでの領域内で、前記関節部の伸展状態を検出するように、配置されており、
前記初期設定手段は、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転が前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し点から前記ストッパーによって拘束されるまでの領域内であると、前記関節部が伸展状態であると判定し、前記角度検出センサの初期設定を行う請求項1又は2に記載の歩行支援装置。
【請求項4】
前記第1のリンクの長さと前記第2のリンクの長さとの和が、前記第3のリンクの長さと前記第4のリンクの長さとの和より長く、且つ前記第2のリンクの長さが前記第3のリンクの長さより長く、
前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部に駆動手段から駆動力が伝達され、
前記第1の検出手段は、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部に配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の歩行支援装置。
【請求項5】
前記関節部の伸展支援領域に前記関節部の回転角が入ったか否かを検出する第2の検出手段と、
前記第2の検出手段の検出結果に基づいて前記関節部の伸展支援動作を実行させる伸展支援手段と、
をさらに備える請求項1乃至4のいずれか1項に記載の歩行支援装置。
【請求項6】
前記第1の検出手段は、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部における、前記第2の検出手段より前記関節部の伸展方向側に配置されている請求項5に記載の歩行支援装置。
【請求項7】
使用者の腿部に装着され、インクリメンタル型の角度検出センサを上側のリンクと下側のリンクとの関節部に有する歩行支援装置の初期設定方法であって、
前記関節部の伸展状態を検出する工程と、
検出した前記関節部の伸展状態に基づいて、前記角度検出センサの初期設定を行う工程と、
を備える歩行支援装置の初期設定方法。
【請求項8】
前記歩行支援装置は、前記関節部に4節リンク機構を備え、
前記4節リンク機構は、第1のリンクと、第2のリンクと、第3のリンクと、第4のリンクと、を備え、
前記第1のリンクの一方の端部と前記第2のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、
前記第1のリンクの他方の端部と前記第3のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、
前記第3のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの一方の端部とは回転可能に連結され、
前記第2のリンクの他方の端部と前記第4のリンクの他方の端部とは回転可能に連結され、
前記第1のリンクに前記上側のリンクが連結され、
前記第2のリンクに前記下側のリンクが連結され、
前記第1のリンクと前記第2のリンクとの連結部は、前記関節部の関節軸とされており、
前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転に基づいて、前記関節部の伸展状態を検出する請求項7に記載の歩行支援装置の初期設定方法。
【請求項9】
前記第3のリンクと前記第4のリンクとの回転が、前記第3のリンクと前記第4のリンクとの折り返し点から前記4節リンク機構のストッパーによって拘束されるまでの領域内で、前記関節部の伸展状態を検出する請求項7又は8に記載の歩行支援装置の初期設定方法。
【請求項10】
前記4節リンク機構は、前記第1のリンクの長さと前記第2のリンクの長さとの和が、前記第3のリンクの長さと前記第4のリンクの長さとの和より長く、且つ前記第2のリンクの長さが前記第3のリンクの長さより長く、前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部に駆動手段から駆動力が伝達され、
前記第1のリンクと前記第3のリンクとの連結部で前記関節部の伸展状態を検出する請求項7乃至9のいずれか1項に記載の歩行支援装置の初期設定方法。
【請求項11】
前記関節部の伸展支援領域に前記関節部の回転角が入ったか否かを検出する工程と、
検出した結果に基づいて前記関節部の伸展支援動作を実行する工程と、
をさらに備える請求項7乃至10のいずれか1項に記載の歩行支援装置の初期設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−94324(P2013−94324A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238343(P2011−238343)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)