説明

歯の器具に関する装着デバイスおよび方法

【課題】歯列矯正処置中の患者の歯の造作に対する歯の位置合わせ器具の取り外し可能な装着の改善したシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】器具105は、使用の快適性、外見、容易さにより通常の整復器より好ましい。この器具は、直接の動きの原因である歯の特定の表面または歯の造作103への力の適用により機能するが、動きの型である適用された力のレベルは、表面の特徴および歯の造作の位置に依存する。この局面は、固定を提供するため、整復される歯において力を伝えるために不適当である。このような限界は、適切な物理学的造作を提供するために歯または歯の造作に位置付けられ得る1つ以上の装着デバイスの使用で軽減される。特定の設計である、これらの装着デバイスの位置は、新しく達成可能そして/または効果的な整復力、固定能力、および器具の保持を提供し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般に、歯科矯正(整復)の分野に関する。より詳細には、本発明は、歯列矯正処置中の患者の歯の造作に対する歯の位置合わせ器具(dental positioning appliance)を取り外し可能に装着するための改善したシステム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科矯正処置は、改善された美容の外見および歯の機能について、調整不良の歯を整復することおよび噛み合わせ(bite configrations)を改善することを含む。整復する歯は、長期間にわたり歯へ制御された力を適用することにより、達成される。これは、一般に「固定器」と呼ばれるものを装着することにより従来的に達成される。固定器は、種々の器具(例えば、ブラケット、バンド、アーチワイヤ、リガチャー、およびOリング)から成っている。ブラケットおよびバンドは、適当な材料(例えば、歯の接着剤)を用いて患者の歯に結合される。一旦、接着剤が固化されると、アーチワイヤは、ブラケット中の溝によってブラケットに装着される。アーチワイヤは、ブラケットとお互いに連結し、そしてそれに強制力を発揮して、時間をかけて歯を動かす。ツイストワイヤまたはエラストマーOリングは、共通に使用され、ブラケットへのアーチワイヤの装着を強化する。ブラケットへのアーチワイヤの装着は、「結紮」として歯列矯正術の当該分野において公知であり、そしてワイヤは、「リガチャー」と呼ばれるこの手順において使用した。エラストマーOリングは、「プラスチック」と呼ばれる。
【0003】
アーチワイヤを配置した後、患者の固定器を調整する間、歯科医との周期的なミーティングを必要とする。これは、異なる強制力誘導特性を有する異なるアーチワイヤを取り付けること、または現存のリガチャーを置換することまたは引き締めることに関与する。取り付けの間、患者は、付加的な強制力または口外への強制力を補充するため、補助的な器具(例えば、弾性のバンドまたはヘッドギア、)を着用することが必要であり得る。弾性のバンドは、ブラケット上で直接ホックされるか、または支柱上に取り付けられ得る。
【0004】
従来の固定器は、効果的ではあるが、それらは、しばしば飽き飽きし、そして歯科医院への多くの通院が必要である時間のかかるプロセスである。さらに、患者側の観点から、それらは、見苦しくそして不快である。さらに、連続するネットワークにおいて、ブラケットに連結するアーチワイヤはおよびリガチャーは、歯間をブラッシング、フロッシング、および他の難しい歯科衛生手順を困難にし、おそらく、歯肉炎の発達に寄与する。従って、代替的な歯科矯正処置が、必要である。特に、毎日の日常的な歯科衛生の間、運動活動に参加する時、または美容の目的のために、患者によって、取り外し得る器具の使用が望まれる。
【0005】
特に、有用なアプローチは、再調整する歯について、弾性の位置合わせ器具の使用に依存する。このような器具は、一般的に、患者の歯に適合する弾性材料の薄いシェルを含むが、わずかに最初の歯の配置とは整合しない。歯の上にわたって弾性の歯保定器の配置は、特定の位置において、制御された力を適用して、新しい配置に歯を徐々に動かす。新しい配置を含む連続的な器具を用いるこのプロセスの反復は、最終的な所望の配置へ一連の中間の配置を通じて歯を最終的に動かす。例示的な弾性ポリマーの位置合わせ器具の完全な記載は、米国特許第5,975,893号、および米国で指定される公開PCT出願WO98/58596において記載され、本発明の指定代理人に委託される。両文書は、全目的のために参考として援用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
使用のこれらの容易さに加えて、ポリマー位置合わせ器具は、一般に透明、改善された美容の外見を提供し、そしてこの器具の剛性に起因して、歯に実質的な強制力を与える。弾性の位置合わせ器具の剛性は、この器具を作る熱成形可能なポリマー材料の係数の結果である。材料の係数が高いほど、器具の剛性が高い。患者が、歯の規定された群にわたりこのような器具を位置あわせをする場合、1つ以上の歯は、ポリマー材料の剛性が、残りの歯の1つまたは一部に対する弾性的な整復力を伝える間、あるべき位置に位置合わせ器具を保持するための、基部領域または固定領域を提供する。歯をカバーするための器具を設計することにより、伝統的なバネ保持具およびワイヤに基づく器具と比較して、より大きい接触表面積が生じる。しかし、このような取り外し可能な弾性の位置合わせ器具の固定能および整復能はまだ、少し例をあげるなら、患者の歯の物理的な造作および配置、パレット、および以前の歯の作業に依存する。例えば、シェル様弾性ポリマー位置合わせ器具は、個々の歯に特定の強制力(例えば、押し出す力)を適用する(例えば、顎に対して歯を引くか上げること)困難性を有する。
【0007】
従って、治療中に特定の時間に、選択された歯へ所望の方向に適当な強制力を適用する歯の歯保定器、システムおよび方法を提供することが望ましい。特に、取り外し可能歯保定器を用いて適用することを困難にする押し出す力、回転力、および他の方向付ける強制力を適用し得る取り外し可能歯保定器およびシステムの製造および使用を可能にすることが望ましい。また、歯列整復の処置のコストを減少させること、およびそうでなければ利用され得ない場合、取り外し可能器具の患者の利点を保持することが望ましい。少なくともいくつかのこれらの目的は、以下で述べる本発明の設計および方法により達成する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、歯科矯正処置中の患者の歯の造作に歯の位置合わせ器具を取り外し可能に装着するために改善されたデバイス、システムおよび方法を提供する。このような取り外し可能な歯の位置合わせ器具は通常、少なくともいくつかの患者の歯を受容するための腔を有する弾性ポリマーシェルを備え、そして快適性、外見および使用の容易さに起因する歯の整復のための従来の固定器よりもしばしば好ましい。これらの器具は、歯の特定の表面または直接な動きの原因となる歯の造作に強制力を適用することより機能する。しかし、動きの型および適用された強制力のレベルは通常、表面の特徴および歯の造作の位置に依存する。多くの場合、患者の未処置の歯の表面および他の歯の造作は、十分な固定を提供するために不適当であるか、または整復される歯に有意な強制力を伝えるために不適当である。これらの制限を克服するために、本発明は、1つ以上の装着デバイスを使用し、これは、歯または歯の造作の前もって選択された装着位置に装着され得て、適切な物理学的なてこ作用を提供する。特定の設計およびこれらの装着デバイスの位置は、新しく達成可能なそして/またはより効果的な整復力、固定能力、および器具の保持を提供し得る。本発明のシステムおよび方法は、歯科矯正処置において、取り外し可能な歯の位置合わせ器具を備えるこのような装着デバイスの設計、製造および使用を提供する。
【0009】
取り外し可能な歯の位置合わせ器具を備える組み合わせにおける装着デバイスの使用は、従来の固定器を用いるように、歯を押し出す、回転する、および他の処置のための能力を保持しながら取り外し可能な器具の利点を患者に提供する。従来の固定器のように、装着デバイスは、制御された強制力の適用を促進する物理的な造作を提供するために歯の表面に結合され得る。本発明の装着デバイスは、非常に簡単な構造を備えており、いくつかの例において、隆起、ビーズ、くさび、もしくは他の本体または構造のみからなり、これは、歯の造作に歯の位置合わせ器具により生じる強制力を伝達するために、および/また
は歯に位置合わせ器具を固定して、患者の歯における他の場所に強制力を適用することを可能にするために、歯の表面または他の歯の造作に固定して装着され得る。このような例において、装着デバイスは、歯と歯の位置合わせ器具との間への強制力の伝達に援助するために握りまたはてことして単純に作用する。他の例において、装着デバイスは、弾性のバンドを取り付けるために使用するそれらの設計と同様のホックの特徴を備え得る。このホックは、多くのリガチャー、バンド、フィラメント、コイルまたは他の結合メンバーを用いて係合され、通常は、歯の位置合わせ器具と共に組み合わせて歯の整復を達成する。このホックは、他の歯の整復において、アンカーとしての役割を果たし、またはホックが結合している歯の表面に直接強制力を適用するためのてこのポイントとして役割を果たす。
【0010】
従来の固定器とは異なり、本発明の装着デバイスは、代表的に小さく、まれな(すなわち、非常に少ない患者の歯に存在する)、他の者に気付かれない、そして歯科衛生習慣を妨げない。通常は、装着デバイスは、小さい基部(例えば、4mmを越えて(近心末端)および6mm長まで(歯肉頂部(crown)))を有する。装着デバイス本体は代表的に、最大2.5mmまで突出し得る。これは、標準的なブラケットまたは4mmまで突出し得る従来の固定器において使用されるバンドよりは小さい。このデバイスは、適切である歯群の全体の特定の位置に結合し得、そしてこれは1つまたは少数の位置にのみ必要であり得る。従って、このデバイスのまれなことは、大きさに加えて、患者に対するその視感度および意識性もまた低下する。同様に、装着デバイスは、舌の表面を含む歯の任意の表面に結合し、デバイスを他の者に十分に気付かれないようにすることを可能にする。これらの場合、形状および設計考慮は、接触する組織(例えば、舌、内唇および内頬)に対する任意の炎症を妨げる。見える領域に置かれた場合、装着デバイスは、その視感度をさらに低下させるために歯の表面と色が一致され得る。その上、このような装着デバイスは代表的に、取り外し可能な歯の器具に取り外し可能に装着するために設計される。従って、この器具が除去された場合、慣用的なブラッシング、フロッシングおよび歯の手入れは、通常の様式で行われ得る。
【0011】
通常の固定器を用いてブラケット(例えば、弾性バンドまたはヘッドギアを支持するために使われるブラケット)は、設計および従って、使用の適用において限定される。一般に、これらの装着デバイスは、2〜4mm突出している大きな側面を備え、これは弾性の位置合わせ器具または装着デバイス上で取り外し可能に位置される設計された他のデバイスの使用を招かない。同様に、それらの表面の外形は、従来の固定器の使用に特異的なわずかに規定された機能に限定される。従って、それらは、本発明に対して必須の機能(例えば、歯の位置合わせ装置を取り外し可能に装着すること)を適当に提供できない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の局面において、装着デバイスは、基部を備える装着本体を備える。この基部は、単に装着本体の一部であり得、これは歯の造作の表面に結合される。あるいは、基部は、本体の拡張された一部であり、結合の表面領域の増大のために設計され得る。同様に、基部は、取り外し可能および永久的に装着され得る。装着本体は、種々の設計の特徴を持ち、最も一般的に突出、ビーズ、くさびであり、またホック、留め金、バンド、ブラケット、ボタン、スナップ、バネ、レバー、ロッド、チューブ、コイル、刻み目、および/またはその他の突出を含むがこれらに限定されない。各設計は、歯の整復において1つまたは多くの目的を果たす。例えば、留め金を使用し、装着デバイスに対する取り外し可能な位置合わせ器具の一部は、装着され得る。この装着デバイス設計は、器具の固定または装着デバイスが結合される歯の造作に強制力を提供することが所望される。付加的なデバイスを、装着本体と組み合わせて使用し、装着デバイスに器具を装着し得る。例えば、接着剤、可撓性バンドまたは連結リガチャーを、装着本体の設計と組み合わせて使用し、器具への連結を援助し得る。1つのこのような場合において、下顎に位置する装着本体
は、可撓性バンドにより上顎に位置される取り外し可能な器具に装着され得る。これにより、他の手段によっては獲得されない所望の強制力ベクトルが提供され得る。あるいは、特定の設計からなり得る装着本体は、取り外し可能な弾性の整復器具を適当に設置することを援助し、さらに、整復力を適用するために代わりに器具を固定する特徴を有する。これらの設計特徴の好ましい実施形態は、傾斜面(例えば、くさび)を有する装着デバイスを備える。
【0013】
句「歯の造作」は、歯の位置合わせ器具により、接触され得るか、ならびに/もしくは装着デバイスにより係合され得る患者の歯の任意の部分に適用する。通常は、歯の造作は、天然の歯の表面の一部であるが、いくつかの例において、人工的な歯(例えば、歯の移植物、またはネイティブの歯の非天然表面または修復(例えば、充填、歯冠、修復など))の一部または表面であり得る。従って、句、歯の造作とは一般的に、患者の歯群における全ての天然の歯または非天然の歯のことをいう。本発明の第2の局面において、装着デバイスは、所望の位置において歯の造作にわたって結合される、および/または形成される。装着デバイスは、任意の適切な結合材料(代表的に、歯の回復性の複合体)を用いて、いずれかのこれらの造作に結合され得る。1つ以上のこれらの装着デバイスが結合される位置は、所望の整復の目標に依存する。このデバイスは、歯の造作の任意の表面に結合し得、そして1つずつまたは群において位置され得る。同様に、所定の装着デバイスは、1つの歯の造作よりも多い表面に結合され得る。好ましい実施形態において、装着デバイスは、歯の1つまたは連続する群の反対側に位置する2つの歯の各々において位置し得る。弾性の位置合わせ器具が、2つの装着デバイスに挿入および装着される場合、押し込む力は、歯または歯間に適用され得る。これは、整復が必要である歯にブラケットが結合する従来の歯科整復の方法に反直感的である。
【0014】
本発明の第3の局面において、装着デバイスが、金属、ガラスまたはシリコン充填ポリマー、および他の複合材料を含むがこれらに限定されない種々の物質から構築され得る。このような材料は代表的に耐久性について削げ落ち、壊れそして剪断に対して抵抗性であるように設計される。装着デバイスの基部は、同様のものから構築され得るか、または装着本体とは異なる材料から構築され得る。同様に、装着本体は、基部または本体に永久的にまたは取り外し可能に取りつけられ得、そして基部は1つの要素として構築され得る。
【0015】
好ましい実施形態において、装着デバイスは、環境の条件または外部刺激に感受性であるように形成されたポリマー材料または材料の組み合わせから構築され得る。このような状態または刺激に曝露する際に、材料は、一時的または永久的であり得る予定された状態の変化に耐え得る。例えば、曝露する際、強固な材料は、一時的に柔順になり得、外形における変化を、作製することが可能である。この状態または刺激の除去において、この材料は、その本来の強固な状態および外形に戻り得るか、または材料は、新しい外形を有するその本来の強固な状態に戻り得る。前者の場合、このような刺激を用いて、装着デバイスを弾性の位置合わせ器具に結合することを促進され得る。この刺激は、器具の挿入および配置の間、装着デバイスの外形を変形し得る。この刺激を除くことにより、このデバイスを整復力の適用のためにその本来の外形に戻すことを可能にし得る。全記述は、出願番号09/250,262において提供され、これの全記述は、本明細書中で参考として援用される。後者の場合、このような刺激を用いて、歯の造作の表面への装着デバイスの結合を促進し得る。この刺激は、装着デバイスまたは単に基部の状態および外形を変形し、装着デバイスが結合している歯の造作の表面に装着デバイスを適合させ得る。この刺激の除去の際に、装着デバイスは、新規の外形において、保持し得、結合するためにより大きい接触表面積を提供する。
【0016】
同様に、柔順な材料は、所望の形に形作られ、そして環境条件または刺激への曝露によって、重合され得る。このような重合は、所望の形に材料を永久的に保持し得る。これは
、装着デバイスを構築すること、およびこのデバイスを歯の表面に結合することの両方において有用であり得る。例えば、柔順な材料は、装着デバイスの型枠に挿入され得る。上記されたように、重合は、強固な装着デバイスを形作られた形に生じ得る。特定の実施形態において、装着デバイスの型枠は、弾性の位置合わせ器具の壁におけるインプレッションであり得る。これは、装着デバイスとこの器具との間の関連について適した表面の外形を保証し得る。同様に、この材料の重合は、器具が代わりに歯の造作にわたって配置されている間、装着デバイスを歯の造作に同時に結合し得る。これは、器具において装着デバイスと受け手のインプレッションの適切な整合を保証し得、そしてそれはまた、さらなる結合材料の必要性を排除し得る。
【0017】
本発明のさらなる局面において、装着デバイスを製造するため、および/または装着デバイスを歯の造作に結合するための方法が提供される。3つの好ましい実施形態は、弾性の整復器具または同様に作製されたデバイスおよび以下として使用するために適用可能である:1)基部のキャスティング、2)重合材料を用いるキャスティングおよび3)重合材料を用いるコンピューター援助キャスティング。基部のキャスティングの例は、任意の手段および任意の材料からなる2つの同一の装着デバイスを製造する工程を含む。1つの装着デバイスは、患者の歯の表面の所望する位置に配置し得る。他方の装着デバイスは、少なくとも歯の表面で型枠を複製する際に同一の位置に配置し得る。弾性の位置合わせ器具または類似のデバイスは、装着デバイスを接触させる型枠において形成され得る。除去の際に、装着デバイスのネガティブインプレッションが、弾性の位置合わせ器具の壁において見られ得る。従って、器具が患者により位置に挿入および設置される場合、器具におけるそのインプレッションは、歯の表面に結合する装着デバイスに対応する。装着デバイスが、それの装着される歯の造作の動きに作用するためのてこのポイントとして用いられる場合、この装着装置は、型と異なる位置または配向において歯の造作に結合し得る。従って、器具が患者により挿入される場合、器具におけるインプレッションは、わずかに装着デバイスと整合しない。これは、装着デバイスに強制力を適用し、デバイスおよび基部をなす歯の造作の漸次の整復を生じる。
【0018】
重合性材料を用いるキャスティングの方法は、基本的なキャスティングに類似している。基本的なキャスティングと同様に、任意の設計および材料の装着デバイスが、少なくとも目的の歯の表面を複製する型枠上に、所望の位置で配置される。再度、弾性位置合わせ器具または類似して作製されたデバイスが、装着デバイスを含む型枠上で形成され得、その器具の壁に、装着デバイスのネガティブインプレッションを作製する。この点において、展性の重合性材料が、この器具のネガティブインプレッション内に配置され得る。この器具が挿入され、そして口腔内で適所に設置される場合に、この重合性材料は歯の表面に接触し、そして適切な位置に存在する。この材料は、代表的に外部刺激または周囲の条件による、任意の方法で重合され得る。重合は、材料を同時に硬化させ得、そしてこの材料を歯の表面に結合させ得る。この器具の取外しの際に、形成された装着デバイスは、歯の表面の適所に残り得る。
【0019】
重合性材料を用いる、コンピュータにより補助されるキャスティングの方法は、上述の方法と類似するが、器具を作製する工程が異なる。ここで、装着デバイスの3Dコンピュータ化画像が、歯の表面の画像上の所望の位置に仮想的に配置される。型枠が、コンピュータによりガイドされる任意のモデル作製システム(例えば、立体リソグラフィ、CNC加工、およびレーザ加工)を使用して、これらの画像から製造される。この結果は、適切な位置に装着デバイスの複製を有する、少なくとも目的の歯の表面の型枠である。この点において、弾性位置合わせ器具または類似して作製されたデバイスが、装着デバイスを含む型枠上で形成され得、この器具の壁に、装着デバイスのネガティブインプレッションを作製する。再度、展性の重合性材料が、この器具のネガティブインプレッション内に配置され得る。この器具が口腔内の適切な位置に挿入され、そして設置される場合に、この材
料は重合し得、この器具を取り外す場合に、形成された装着デバイスを歯の表面の適所に残す。
【0020】
本発明の第5の局面において、装着デバイスを製造および/または歯の表面に結合させるさらなる方法が提供される。2つの好ましい実施形態は、任意の歯科用器具との使用に適切である。第一の実施形態は、装着デバイスを製造および/または歯の造作に結合させるために使用され得る、複数の歯の鋳型を含む。この複数の歯の鋳型は、複数の歯の造作に一度にフィットするために、薄く、可撓性であり得、複数の装着デバイスが一度に配置されることを可能にする。容器が、この鋳型中に存在して、重合性材料を受容し得る。この鋳型が口腔内に適所に挿入され、そして設置される場合に、この重合性材料は歯の表面と接触し、そして適切な位置に存在する。この材料は、代表的には外部の刺激または周囲の条件による、任意の手段で重合し得る。重合は、材料を同時に硬化させ得、そしてこの材料を歯の表面に結合させ得る。この鋳型を取り外す際に、形成された装着デバイスが、歯の表面の適所に残り得る。この方法は、重合性材料を用いるキャスティング、および重合性材料を用いるコンピュータにより補助されるキャスティングと類似または同一であり得るが、この鋳型が整復用器具としては使用されないかもしれない点で、異なり得る。この差異は、整復用器具に応用可能ではない鋳型設計を与え得る。例えば、この鋳型は、整復用器具のために不適切な材料から構成され得るか、またはこのような用法を妨害するさらなる設計造作(例えば、ハンドル)を含み得る。同様に、この鋳型は、弾性位置合わせ器具により処方された歯の配置よりむしろ、患者の既存の歯の配置の型枠から作製され得る。このことは、この鋳型の歯の配置へのより密なフィットのため、装着デバイスの製造および/または結合の方法を、容易にし得る。
【0021】
第二の実施形態は、単一の歯の鋳型を含み、この鋳型は、装着デバイスの製造および/または歯の造作への結合のために使用され得る。単一の歯の鋳型は、より剛性であり得、そして単一の歯の造作上にフィットし得る。この鋳型は、重合性材料を受容するための、1つ以上の容器を備え得る。歯の表面の標的表面に適用される場合に、この材料は、上述の任意の手段により重合し得る。得られる装着デバイスは、適切に造形され、そして適所に結合される。あるいは、単一の歯の鋳型は、重合性材料を受容するための、歯の造作に適合する薄いフィルム様部分の材料により囲まれた、剛性の容器から構成され得る。この薄い、可撓性の領域は、接着剤を含み、この接着剤を用いて、この鋳型を歯の造作の適所に保持し得る。次いで、この材料は重合して、装着デバイスを形成し得る。この手順が完了すると、この鋳型は剥離され、処分され得る。
【0022】
単一の歯および複数の歯の鋳型は、歯の造作に対する1つ以上の装着デバイスの製造および歯の表面への配置を、特定の隣接する歯の造作の外形とは無関係に、可能とし得る。従って、鋳型は、歯科矯正処置の様々な段階にわたって、使用され得る。このことは、処置の中間で破損した装着デバイスを交換するため、または処置にわたって新たな装着デバイスを配置するために、有用であり得る。上述のように、少なくとも1つの容器が、この鋳型に存在して、重合性材料を受容し得る。この鋳型が口腔内に挿入されて適所に設置される場合に、この重合性材料は、歯の表面と接触し、そして適切な位置に存在する。この材料は、代表的には外部の刺激または周囲の条件による、任意の手段によって重合し得る。重合は、この材料を同時に硬化させ得、そしてこの材料を歯の表面に結合させ得る。この鋳型を取り外す際に、形成された装着デバイスは、歯の表面の適所に残り得る。あるいは、鋳型を使用して、任意の装着デバイスを歯の造作の表面に結合し得る。例えば、先に作製した装着デバイスが、鋳型を使用して、表面に結合され得る。装着デバイスが鋳型の容器に挿入され得、接着剤がこの装着デバイスの基部に塗布され得、そしてこの鋳型が歯の表面に適用され得る。結合が起こった後に、この鋳型は取り外され得る。従って、この鋳型は、適切な位置合わせおよび配向を提供し得る。同様に、鋳型を使用して、重合性材料を使用する装着デバイスを形成し得、次いでこの装着デバイスを歯の表面に結合させる
ために、使用され得る。
【0023】
本発明の第6の局面において、鋳型または弾性位置合わせ器具を製造するための方法が提供される。好ましい実施形態において、さらなる構造が、歯の造作の型枠に、所望の装着デバイスと共に提供される。これらの構造は、任意の外形を有し得、そして代表的に、歯肉表面の近くに配置される。鋳型または器具が型枠およびさらなる構造の上で熱成形される場合に、この構造は、突出を提供し、この突出は、この鋳型または器具をその型枠から取り出す際に補助する。次いで、この突出は、使用前に取り外され得る。
【0024】
本発明のさらなる局面において、鋳型または弾性位置合わせ器具の製造をさらに改善する方法が提供される。いくつかの場合においては、鋳型または器具を、これが型枠から取り外された後に変化させることが、所望され得る。このような変化は、特定のデバイスまたは歯の造作との干渉を防止するための、縁部のトリミング、または突出の除去を含み得る。例えば、装着デバイスの配置に対応する特定の位置に窓を有する、弾性器具を製造することが、所望され得る。この窓の適切な位置を確実にするために、構造が、型枠中の同一の位置に提供されて、この窓の作製を補助し得る。好ましい実施形態においては、外周の外形の構造は、型枠中で所望の位置に提供され得る。この器具の熱成形の結果として、外周の突出がその構造の位置に存在し得る。この器具を型枠から除去した後に、外周の突出は、切断、やすり仕上げ、鋸引き、または他の任意の除去手段によって、除去され得る。従って、構造の断面に対応する形状(この場合には、円形)を有する窓が、残り得る。その結果として、鋳型または位置合わせ器具は、所望の歯の造作を覆うため、またはこのような造作を露出するための窓を提供するために、製造され得る。
【0025】
(特定の実施形態の説明)
本発明は、歯科矯正処置の間に、患者の歯の造作に歯科用位置合わせ器具を取り外し可能に装着するための、改良されたシステムおよび方法を提供する。好ましい実施形態は、弾性整復器具または類似して作製されるデバイスを含むが、本発明は、任意の種類の取外し可能な器具に応用可能である。器具を取り外し可能に装着するためのシステムは、代表的に、少なくとも1つの歯の造作に位置合わせされた、1つ以上の装着デバイスの使用を包含する。
【実施例】
【0026】
図1を参照すると、歯肉104の上の歯103に結合された、装着デバイス100の好ましい実施形態が示されている。装着デバイス100は、基部102を有する装着本体101から構成され得、これらは一体であっても別体であってもよく、そして永久的にまたは取り外し可能に、接続される。装着本体101のさらなる実施形態を、図2および図3に示す。図2に見られるように、装着デバイス110は、装着本体101より広い基部102を有して、結合表面積を増加させ得る。あるいは、基部102は、簡単に、歯103に直接結合するための、装着本体101の端部であり得る。このような基部102に対応する実施形態を、図3に示す。デバイス100は、歯の造作の任意の表面に結合され得、そして1つ以上の位置に配置され得る。
【0027】
特定の形状および設計が、ある位置においては特に有用であり得る。例えば、歯の舌側の表面に位置合わせされる装着デバイス100は、特徴的に、舌などの接触する組織に対する刺激を防止する。図4は、このような目的のための、円形装着本体101の好ましい実施形態を示す。このような装着デバイス100の側面図を、図4Aに示す。基部102は、任意の形状、厚みおよび装着本体101に対する配向であり得る。同様に、基部102は、1つ以上の異なる装着本体101を有し得る。
【0028】
さらなるデバイスを、装着本体101と共に使用して、器具を装着デバイス100に装
着し得る。例えば、接着剤、可撓性バンド、または接続リガチャーを、装着本体101の設計と共に使用して、この器具への接続を補助し得る。図5は、本体101を器具(図示せず)に装着するための、可撓性バンド200を備える装着本体101を示す。本体101は、バンド200を受容して適所に保持するように、例えばフック形状に、形成される。図6は、器具105への装着を補助するための接着剤201を備える、装着本体101を示す側面図である。このような接着剤201は、任意の種類の生体適合性材料であり得、これは、患者によって塗布され得るか、装着デバイス100により提供され得るか、または器具105により提供され得る。同様に、接着剤201は、変更可能な長さの時間にわたって、接着性を提供し得る。
【0029】
ここで図7を参照すると、取り外し可能な弾性整復器具105を適切に設置すること、および器具105を適所に固定して整復力を付与する得ことを補助する際に使用するための、装着本体101の設計の好ましい実施形態を示す。このような装着本体101は、歯の造作の任意の表面に配置され得、そして単一でまたはグループで配置され得る。装着本体101の設計は、構造300を含み得、これは、歯103の表面から垂直に突出する。図8に示すように、構造300は、歯103の表面から構造300の対向端へと、傾斜角301を含み得、これは好ましくは、90度未満である。図9Aは、記載されるような傾斜角301を有する、様々な装着デバイス100の斜視図を与える。図9Bは、傾斜角301を有する一連の突出構造300を有する、装着デバイス100の斜視図を与える。これらの設計は、ある種の取外し動作のための手段を提供し得、これは、この器具が異なるレベルで設置または位置合わせされることを、可能にする。このような設計は、傾斜角301なしで、および異なる外形を有して、同じ機能を果たし得ることが、理解され得る。同様に、図10は、傾斜角301を有する様々な装着デバイス100の正面図を与える。
【0030】
図7に戻って参照すると、弾性位置合わせ器具105が配置のために挿入される場合に、突出構造300は、器具105に形成される構造300の整合するネガティブインプレッション302と、大雑把に整列し得る。器具105が設置されるにつれて、突出構造300の傾斜が器具105を適切な位置へとガイドし得る。一旦適所にくると、装着デバイス100は、器具105が整復力を付与するためのアンカーとして働き得る。さらに、弾性器具105および/または装着デバイス100は、形状、堅さまたは配向を変化させて、このような固定を行い得る。これらの変化の結果として、特定の環境の条件(例えば、非生理学的pH、温度、イオン強度または外部刺激)に曝露した場合に、材料の1つ以上の層の状態変化が起こり得る。
【0031】
固定の結果として生じる整復力は、多数の形態を取り得る。図11に示す好ましい実施形態においては、装着デバイス100が配置されて、指向された集中的な整復力を付与するためのアンカーとして、働き得る。工程1に示すように、2つの装着デバイス100が、1つまたは連続する群の介在歯(between tooth)103’の反対側に位置する2つの歯103の各々に、配置され得る。工程2において、弾性整復器具105が、押しつけ力が付与されるべき位置に挿入プロフィール303を有して、製造される。工程3において、器具105は、歯103、103’を覆う配置のために、挿入される。工程4において、器具105は、器具105を固定するよう働く装着デバイス100に装着される。その結果として、押しつけ力(下向き矢印304として示される)が、介在歯103’に付与される。経時的に、工程5に示すように、押しつけ力が、介在歯103’の押し付けを行う。器具105のプロフィールは、歯103および介在歯103’の全体的な配置に依存して、押し付け力を生じさせるための、様々な形態をとり得る。例えば、介在歯103’が最初に隣接する歯103より突出している場合には、器具105は、挿入プロフィール303を有さない、ほぼ平坦なプロフィールを有し得る。従って、器具105が装着デバイス100に装着される場合には、押し付け力が再度、介在歯103’に付与される。結合されたデバイス(例えば、装着デバイス100)を使用して、結合された
デバイスのない歯に整復力を付与することは、整復を必要とする歯にブラケットが結合されている、従来の歯科矯正の方法に対して逆直感的(counterintuitive)である点が異なる。
【0032】
上述のように、装着デバイス100は、様々な材料(環境の条件または外部の刺激に感受性であるよう処方された材料を含む)から構成され得る。例えば、露光すると、剛性の材料が一時的に展性になり得、作製される外形の変化が可能となる。その条件または刺激を除去すると、その材料は、新たな外形を有して、その元の剛性の状態に戻り得る。このことは、装着デバイス100の外形を、不均一または湾曲した表面とより良好に界面を接するよう構成する際に、特に有用であり得る。図12Aに示すように、装着デバイス100は、それが結合されるべき歯の表面305に適合しない装着基部102を有するように、最初は構成され得る。この場合には、この材料が感受性である刺激にこの材料を曝露して、この材料の状態変化を開始し得る。このような刺激は、口中の環境の、非生理学的pH、温度、イオン強度または液体吸収への変化であり得る。同様に、刺激は、光、磁気、電気、無線波、または化学物質のような、外部供給源のものであり得る。このような状態変化は、装着基部102が、図12Bに示すように、歯の表面305に適合し得るように、この材料が可撓性となることを可能にし得る。
【0033】
同様に、材料の永久的な状態変化が、刺激の適用の結果として生じ得る。従って、この材料は、その最初の状態においては展性であり得、所望の形状へのモールディングが可能である。次いで、この材料は、刺激の適用によって重合し得る。同様に、重合は、空気または水分による硬化の場合のように、最初の形成の時点から経時的に起こり得る。重合は、この材料を同時に硬化させ得、そしてこの材料と、界面を接する任意の表面との間に、結合を形成し得る。
【0034】
装着デバイス100の製造および/または歯の造作(例えば、歯103)へと結合のための一連の方法が、これらの重合特性に基づいて、提供される。3つの好ましい実施形態は、弾性位置合わせ器具との使用のために応用可能であり、そして以下である:1)基本的なキャスティング、2)重合性材料を用いるキャスティング、および3)重合性材料を用いる、コンピュータにより補助されるキャスティング。
【0035】
図13A〜Dは、基本的なキャスティングの方法の実施形態を特徴付ける。基本的なキャスティングは、最初に2つの同一の装着デバイス100を、任意の手段により製造する工程を包含する。図13Aに示すように、1つの装着デバイス100が、目的の歯の造作(この場合には、歯103)を複製する型枠306上の所望の位置に、配置され得る。図13Bに示すように、弾性位置合わせ器具105が、装着デバイス100を含む型枠306の上に形成され得る。このことは、代表的に、熱性形成ポリマー材料を加熱し、真空または圧力を適用して、ポリマーを型枠に形成することにより、達成される。あるいは、反応キャスティングを使用して、このような器具を製造し得る。取り外す際に(図13C)、この装着デバイスのネガティブインプレッション302が、器具105の壁に見られ得る。他の装着デバイス100が、患者の歯の造作の、型枠306に対応する同一の位置および配向に配置される。器具105が挿入されて適所に設置される場合に、器具105のインプレッション302は、図13Dに示すように、歯103に結合した装着デバイス100に対応する。
【0036】
重合性ポリマーを用いるキャスティングの方法は、基本的なキャスティングの方法に類似する。1実施形態においては、弾性位置合わせ器具105が、図13A〜Cに先に示したように、装着デバイス100を含む型枠306の上に形成される。この点において、展性の重合性材料400が、基部105のネガティブインプレッション302内に配置され得る。図14Aは、器具105の一部の下側の拡大図であり、歯103のための受容腔4
01、および重合性材料400で満たされた装着デバイス100のネガティブインプレッション302を明らかにする。器具105が口腔内で適所に設置される場合に(図14B)、重合性材料400は所望の歯の表面(この場合には、歯103)と接触し、そして適切な位置に位置合わせされる。材料400は、外部刺激のような、任意の手段によって、重合し得る(鋸歯状の矢印402で示す)。器具105の取外しの際に、形成された装着デバイス100は、図14Cに示すように、歯103の適所に残り得る。この方法の断面図を、図14Dに与える。
【0037】
重合性材料400を用いる、コンピュータにより補助されるキャスティングは、上述の方法に類似するが、器具105を作製する工程が異なる。1実施形態においては、装着デバイス100のコンピュータ化画像が、歯の表面の画像上の所望の位置に、仮想的に配置される。これらの画像から、目的の歯の表面(この場合には、歯103)を含む型枠306が、装着デバイスの複製403を適切な位置に有して、製造される。この点において、弾性位置合わせ器具105は、図15Aに示すように、型枠306の上に形成され得る。取外しの際に(図15B)、装着デバイス100のネガティブインプレッション302は、器具105の壁に見られ得る。この点において、装着デバイス100は、図14A〜Cに先に記載した方法によって、形成され、そして歯の造作に結合され得る。
【0038】
装着デバイス100を製造および/または歯の造作(歯103のような)に結合させるための、2つのさらなる方法が提供される。これらの実施形態は、任意の歯科用器具との使用に対して、応用可能である。第一の実施形態は、複数の歯の鋳型を含む。複数の歯の鋳型は、弾性整復器具と類似するかまたは同一であり得、そして上述のように、重合性材料を用いるキャスティング、および重合性材料を用いるコンピュータにより補助されるキャスティングのために、使用され得る。しかし、この鋳型が整復用器具として使用されないかもしれない点で、異なり得る。従って、複数の歯の鋳型の設計は、このような使用に適用可能ではない特徴を含み得る。例えば、図16において、1実施形態は、ある種のハンドル403を示し、これを用いて、複数の歯の鋳型404を容易に配置および除去する。図示のように、鋳型404は、歯の選択した部分のみのための受容腔401を備え、そして1つ以上の歯103の装着デバイス100のためのネガティブインプレッション302を備え得る。
【0039】
第二の実施形態は、単一の歯の鋳型を含む。単一の歯の鋳型は、複数の歯の鋳型404と類似するが、これは単一の歯の造作の上にフィットするよう設計されるので、より剛性であり得る。図17Aに示すように、1実施形態は、受容腔401の一部を含み得、これは、標的の歯103の表面の一部に適合する。これはまた、単一の歯の鋳型405の配置を補助するために、ある種のハンドル403を備え得る。装着デバイス100の製造および歯103への装着は、重合性材料を用いるキャスティング、または重合性材料を用いるコンピュータにより補助されるキャスティングによって、達成され得る。同様に、単一の歯の鋳型405のさらなる実施形態は、図17Bに見られ得る。ここで、鋳型405は、歯の造作の一部に適合するように、薄く、可撓性であり得る。これは、接着リング406を、装着デバイス100のネガティブインプレッション302の周囲に備え得る。接着リング406は、重合性材料を用いるキャスティングまたは重合性材料を用いるコンピュータにより補助されるキャスティングの間中、鋳型405を歯の造作(この場合は、歯103)の適所に保持し、装着デバイス100を製造し、結合させる。プルタブ407が、鋳型405の剥離除去を容易にするために、存在し得る。
【0040】
鋳型または弾性位置合わせ器具の製造をさらに補助する方法が、図18に示される。ここで、特定のデバイスまたは歯の造作との干渉を防止するための、特定の形状および弾性器具の位置の窓を製造するための改良された方法の実施形態が、提供される。工程1に示すように、型枠306が、さらなる構造500を有して、窓が所望される位置に作製され
る。構造500の形状は、窓の形状を形成する断面(破線501)を提供するべきである。この例において、構造500は、円形の断面501を有する球である。工程2において、ポリマーシートが型枠306の上に熱成形され、そして弾性器具105が、構造500の位置に球形突出502を有して製造される。器具105を型枠306から除去した後に、球形突出502が、工程3に示すように除去され得、構造500の断面501と同一の形状を有する窓503を残す。工程4において、器具105は、患者の歯の造作に位置合わせされ得、装着デバイス100が窓503を通してアクセス可能となることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の装着デバイスが結合された、患者の歯を示す。
【図2A】図2Aおよび図2Bは、幅広結合基部が装着された、例示的な装着デバイスを示す。
【図2B】図2Aおよび図2Bは、幅広結合基部が装着された、例示的な装着デバイスを示す。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、装着基部が装着本体と一体であることを除いて図2Aおよび図2Bの装着デバイスと類似の、装着デバイスを示す。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、装着基部が装着本体と一体であることを除いて図2Aおよび図2Bの装着デバイスと類似の、装着デバイスを示す。
【図4】図4および図4Aは、簡単な「バンプ」の形態の半円形装着本体を有する、例示的な装着デバイスの、それぞれ頂面図および側面図である。図4Bは、細長装着本体を有する、類似の装着デバイスの斜視図である。
【図4A】図4および図4Aは、簡単な「バンプ」の形態の半円形装着本体を有する、例示的な装着デバイスの、それぞれ頂面図および側面図である。図4Bは、細長装着本体を有する、類似の装着デバイスの斜視図である。
【図4B】図4および図4Aは、簡単な「バンプ」の形態の半円形装着本体を有する、例示的な装着デバイスの、それぞれ頂面図および側面図である。図4Bは、細長装着本体を有する、類似の装着デバイスの斜視図である。
【図5】図5は、フック部に弾性バンドが接続された、装着デバイスを示す。
【図6】図6は、接着層を介して位置合わせ器具に装着された、図4に示す装着デバイスと類似の装着デバイスを示す。
【図7】図7は、装着デバイスを取り外し可能に受容するための腔が形成された歯科用位置合わせ器具と組み合わせて、本発明の例示的なウェッジ型装着デバイスを示す。
【図8】図8は、図7の装着デバイスの詳細図である。
【図9A】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9B】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9C】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9D】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9E】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9F】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9G】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9H】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9I】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9J】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9K】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図9L】図9A〜9Lは、本発明の原理に従って構成された傾斜角を有する、一連の例示的な装着デバイスの斜視図である。
【図10A】図10A〜10Fは、前端の外形が異なるウェッジ型構造を有する、一連の装着デバイスの正面図である。
【図10B】図10A〜10Fは、前端の外形が異なるウェッジ型構造を有する、一連の装着デバイスの正面図である。
【図10C】図10A〜10Fは、前端の外形が異なるウェッジ型構造を有する、一連の装着デバイスの正面図である。
【図10D】図10A〜10Fは、前端の外形が異なるウェッジ型構造を有する、一連の装着デバイスの正面図である。
【図10E】図10A〜10Fは、前端の外形が異なるウェッジ型構造を有する、一連の装着デバイスの正面図である。
【図10F】図10A〜10Fは、前端の外形が異なるウェッジ型構造を有する、一連の装着デバイスの正面図である。
【図11】図11は、装着デバイスを有する一対の歯の間に位置する歯を押し付けるための、本発明による方法を示す。
【図12A】図12Aおよび図12Bは、本発明による装着デバイスの、歯の表面への設置を示す。
【図12B】図12Aおよび図12Bは、本発明による装着デバイスの、歯の表面への設置を示す。
【図13A】図13A〜Dは、基本的なキャスティングの実施形態を示す。
【図13B】図13A〜Dは、基本的なキャスティングの実施形態を示す。
【図13C】図13A〜Dは、基本的なキャスティングの実施形態を示す。
【図13D】図13A〜Dは、基本的なキャスティングの実施形態を示す。
【図14A】図14Aは、重合性材料を用いるキャスティングの方法の特徴を示す。
【図14B】図14Bは、重合性材料を用いるキャスティングの方法の特徴を示す。
【図14C】図14Cは、重合性材料を用いるキャスティングの方法の特徴を示す。
【図14D】図14Dは、図14A〜14Cの方法をさらに記載する、一連の断面図を含む。
【図15A】図15A〜15Cは、重合性材料を用いる、コンピュータにより補助されるキャスティングの方法の特徴を示す。
【図15B】図15A〜15Cは、重合性材料を用いる、コンピュータにより補助されるキャスティングの方法の特徴を示す。
【図15C】図15A〜15Cは、重合性材料を用いる、コンピュータにより補助されるキャスティングの方法の特徴を示す。
【図16】図16は、本発明の方法による、装着デバイスのインサイチュでの形成のために使用される、ハンドルを有する複数の歯の鋳型の実施形態を示す。
【図17A】図17Aおよび図17Bは、本発明の方法において使用するための、ハンドルを有する単一の歯の鋳型の実施形態を示す。
【図17B】図17Aおよび図17Bは、本発明の方法において使用するための、ハンドルを有する単一の歯の鋳型の実施形態を示す。
【図18】図18は、本発明の方法に従って、型枠中に形成された造作を使用して、歯の位置合わせ器具に窓を形成するための、本発明による方法を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルモデルを作成する方法であって、該方法は、
少なくとも1つの歯の造作のデジタルモデルを提供することと、
少なくとも1つの装着デバイスのデジタルモデルを提供することと、
該歯の造作のデジタルモデルの上に該装着デバイスのデジタルモデルを位置合わせすることにより、組み合わせられたコンピュータ化モデルを作成することと
を含む、方法。
【請求項2】
歯の位置合わせ器具を作成する方法であって、該歯の位置合わせ器具は、歯の位置合わせを達成するかまたは強化するために少なくとも1つの歯の造作に取り外し可能に装着することができるものであり、該方法は、
少なくとも1つの装着デバイスを有する少なくとも1つの歯の造作の組み合わせられたデジタルモデルを提供することと、
該組み合わせられたデジタルモデルから型枠を作成することであって、該型枠は、その表面に該装着デバイスを有している、ことと、
該型枠の上に歯の位置合わせ器具を形成することと、
該型枠から該歯の位置合わせ器具を取り外すことであって、該器具は、該装着デバイスに対応するレセプタクルと、該歯の造作に対応するキャビティとを有している、ことと
を含む、方法。
【請求項3】
前記方法は、
付加的な構造のデジタルモデルを提供することと、
前記歯の造作のデジタルモデルの上に、該付加的な構造のデジタルモデルを位置合わせすることであって、前記器具は、該構造に対応する突起を有している、ことと、
該突起を用いて、前記型枠から該器具を取り外すことと
をさらに含み、これにより、取り外しが支援される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
付加的な構造のデジタルモデルを提供することと、
前記歯の造作のデジタルモデルの上に、該付加的な構造のデジタルモデルを位置合わせすることであって、該構造は、該器具の一部を所望の位置に区分するためのガイドを提供する、ことと、
該構造によって区分される該器具の一部を変更することと
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記変更するステップは、前記構造によって区分される前記器具の一部を切り出すことを含み、これにより、その下にある歯の造作を露出させるように窓が作成される、請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図9J】
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【図9K】
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【図9L】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−6161(P2009−6161A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215887(P2008−215887)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願2004−341303(P2004−341303)の分割
【原出願日】平成11年11月29日(1999.11.29)
【出願人】(501214845)アライン テクノロジー, インコーポレイテッド (53)
【Fターム(参考)】