説明

歯清掃装置

【課題】歯の小さな隙間や歯に付着したステイン除去効果を高める歯清掃装置を提供することである。
【解決手段】把持部1と、歯の洗浄を行う洗浄動作部2と、を備えた歯清掃装置3において、把持部に内部電源4の一方の電極に接続された把持部側電極5を表出して備え、洗浄動作部2に前記内部電源4の他方の電極に接続された洗浄動作部側電極6を有するとともに、この洗浄動作部側電極6の先端部分に歯磨剤を保持する剤保持部7を有することを特徴とした歯清掃装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、歯に外部より付着したステイン(着色汚れ物質、ヤニ、茶渋等)などの着色汚れ物質を除去するのに有効な歯清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特公昭48−27390号(特許文献1)に示されるように、電荷を有する分子を電気的に歯側へ引き寄せることによって、その荷電分子を歯表面へ浸透させる方法が知られている。口腔内に化膿などの損傷のない正常な人の口腔内は中性から弱酸性である。このような口腔内の状態であって、電池のマイナス極をブラシ部に接続し、プラス極を表出した把持部に接続し、使用時には、フッ素を含有させた歯磨剤と併用し、電流をプラス極に接続された把持部、手、歯、ブラシ部の方向に流して、マイナスのフッ素イオンを歯に電気的に浸透させる方法である。
【0003】
したがって、必要量のフッ素イオンを歯中に拡散でき、虫歯予防は勿論、歯表面の汚れ及び色素の除去、細菌の繁殖抑制により、口臭を抑え、歯槽膿漏を確実に防止することができる等の優れた効果を具有するとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭48−27390号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際のブラッシング中では口腔内の唾液が剤に混入すると同時に、ブラッシングによる空気の混入によって剤成分がステインに作用しにくい。又、口腔内で剤が拡散してしまうために、剤成分がステインに作用しにくい。
【0006】
そして、ブラシ部を手動で動かさなければならず、手動では動かす速さに限界があり、又手間がかかる。
【0007】
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたもので、その課題は、歯の小さな隙間や歯に付着したステイン除去効果を高める歯清掃装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、把持部と、歯の洗浄を行う洗浄動作部と、を備えた歯清掃装置において、把持部に内部電源の一方の電極に接続された把持部側電極を表出して備え、洗浄動作部に前記内部電源の他方の電極に接続された洗浄動作部側電極を有するとともに、この洗浄動作部側電極の先端部分に歯磨剤を保持する剤保持部を有することを特徴とした歯清掃装置とした。
【0009】
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の歯清掃装置において、剤保持部を囲う外枠部を有し、この外枠部が電気絶縁材料からなることを特徴としている。
【0010】
又、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1又は2記載の歯清掃装置において、把持部側電極と洗浄動作部側電極との間の通電を点灯表示する照明装置を洗浄動作部の付近に有することを特徴としている。
【0011】
又、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1から3のいずれか一項記載の歯清掃装置において、洗浄動作部を備えたアタッチメント部と把持部を備えた本体部とが分割されており、アタッチメント部と本体部との着脱が可能であり、アタッチメント部と本体部とが着脱される接続部に水浸入防止用部材を設けてあることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本願請求項1記載の発明の歯清掃装置においては、把持部側電極と洗浄動作部側電極との間を通電させることにより、口腔内の洗浄効果が高まる。又、歯磨剤を剤保持部に配置することによって、口腔内に歯磨剤が分散することを防ぐことができる。
【0013】
さらに、通電することによりステイン除去効果が高まった状態で、洗浄動作部で歯を磨くことで、従来の手動のものより速く、細かい動きが可能となり、清掃効果が高まる。磨く力が少ない子どもやお年寄りでも簡単にステイン除去ができる。
【0014】
又、従来のものより洗浄動作部側電極と歯が近いことから通電しやすくなる。
【0015】
把持部側電極をプラス極、洗浄動作部側電極をマイナス極とした場合には、ステイン除去効果のある歯磨剤として、電気によって分解されステイン除去に有効な荷電分子になる物質を含有した歯磨剤を剤保持部に満たした状態で、把持部側電極と洗浄動作部側電極との間で通電させることによって、電流は把持する手から身体を経由して最終的には歯を流れた後、剤保持部の歯磨剤を介して洗浄動作部側電極へ流れる。マイナス電荷を有する荷電分子は、プラス電極側である歯へ引き寄せられ、歯近傍の荷電分子濃度が高まる。歯に付着したステインに作用する荷電分子数が増加することで、ステイン剥離効果のある化学反応が促進され、その結果ステイン除去効果が高まる。
【0016】
そして、歯磨剤を洗浄動作部の先端に設けられる剤保持部に配置することによって、電流を集中的に流して荷電分子の移動を効率的に行うことが可能となり、ステインを集中的に除去できる。又、剤保持部が歯磨剤を保持しつつ、放出することが可能であることから、電流を歯磨剤に流しながら、歯を磨くことができ、ステイン除去効果が高まる。
【0017】
さらに、歯側の電極がプラス極、洗浄動作部側電極がマイナス極となることで、口腔内の唾液や水等に含まれるステイン(着色汚れ物質、ヤニ、茶渋等)を洗浄動作部側電極に引き寄せて、ステイン除去効果を高めるのに有効である。
【0018】
歯磨剤が荷電分子配合剤以外のものである場合にも、上記の歯側の電極がプラス極、洗浄動作部側電極がマイナス極となることで、口腔内の唾液や水等に含まれるステイン(着色汚れ物質、ヤニ、茶渋等)を洗浄動作部側電極に引き寄せて、ステイン除去効果を高めるのに有効であるという効果が得られる。
【0019】
又、把持部側電極をマイナス極、洗浄動作部側電極をプラス極とした場合には、電流は上記の逆に流れる。この場合、洗浄動作部側電極が銀などの口腔に対して有効な素材を含んでいるのであれば、それが溶け出して、有効な効果が生じる。
【0020】
又、本願請求項2記載の発明の歯清掃装置においては、特に、外枠部が電気絶縁材料からなり、洗浄動作部側電極と口腔内の直接接触を防ぎ、使用者の安全を確保する。
【0021】
又、本願請求項3記載の発明の歯清掃装置においては、特に、口腔内を照明装置によって照らすことで、口腔内において洗浄動作部を歯へ適切な状態で接触させることができる。洗浄動作部と歯の接触率が高まることで、ステイン除去効果を維持できる。さらに、通電状態を常時確認することができるため、無通電状態を回避してステイン除去効果を維持することが可能となる。
【0022】
又、本願請求項4記載の発明の歯清掃装置においては、アタッチメント部と本体部とが分割可能であることによって、コンパクトになり、持ち運びが容易になる。さらに、特にアタッチメント部と本体部の間に水浸入用部材を設け、水の浸入を防ぐことによって、装置内の器具劣化を防いで装置を長寿命化すると同時に、漏電を防止して使用者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願発明の第1実施形態である歯清掃装置の正面図である。
【図2】同歯清掃装置の側面図である。
【図3】同歯清掃装置の側断面図である。
【図4】(a)同歯清掃装置のアタッチメント部を拡大して示す側断面図、(b)同歯清掃装置の剤保持部、外枠部を拡大して示す斜視図である。
【図5】(a)、(b)は同歯清掃装置に取付けられる異なる洗浄動作部を有するアタッチメント部の先端部を拡大して示す側断面図である。
【図6】本願発明の第2実施形態である歯清掃装置の正面図である。
【図7】同歯清掃装置の側面図である。
【図8】同歯清掃装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1、2、3、4は請求項1、2、4に対応した第1実施形態である歯清掃装置3を示している。この歯清掃装置3は、把持部1と、歯の洗浄を行う洗浄動作部2と、を備えた歯清掃装置3において、把持部1に内部電源4の一方の電極に接続された把持部側電極5を表出して備え、洗浄動作部2に前記内部電源4の他方の電極に接続された洗浄動作部側電極(回転台)6を有するとともに、この洗浄動作部側電極6の先端部分に歯磨剤を保持する剤保持部7を有している。そして、剤保持部7を囲う外枠部8を有し、この外枠部8が電気絶縁材料からなっている。又、洗浄動作部2を備えたアタッチメント部10と把持部1を備えた本体部11とが分割されており、アタッチメント部10と本体部11との着脱が可能であり、アタッチメント部10と本体部11とが着脱される接続部12に水浸入防止用部材13を設けている。
【0025】
以下、第1実施形態の歯清掃装置3をより具体的詳細に説明する。この歯清掃装置3は筒状の本体部11とこの本体部11の軸方向の一端から突出して先端に歯清掃用の洗浄動作部2を備えたアタッチメント部10を備えている。アタッチメント部10の軸方向は本体部11の軸方向に対して所定角度傾斜している。筒状の本体部11の軸方向の一端に、軸方向が本体部11の軸方向に対して傾いたアタッチメント部10を取付ける。この場合、アタッチメント部10はアタッチメント部10の軸廻り方向に取付け方向を変更可能となっている。洗浄動作部2をアタッチメント部10の軸方向の本体部11と反対側の端部からアタッチメント部10の軸方向に対して交差する方向に突出して設置している。
【0026】
本体部11の外面には歯清掃装置3の後述の内部電源4を操作する操作スイッチ14があり、把持部側電極5が表出している。操作スイッチ14は歯清掃装置を前方から見て右側面、把持部側電極5は歯清掃装置3の前面にある。把持部側電極5は歯清掃装置3の内部電源4に接続されている。
【0027】
操作スイッチ14は後述するモーター15の出力軸の回転速度を制御するためのものである。操作スイッチ14は回動自在となったダイヤル式の操作スイッチ14であって、操作スイッチ14を回動することで、モーター15をOFFにして洗浄動作部2を停止した状態、洗浄動作部2が往復回動する速度を遅くした状態、洗浄動作部2が往復回動する速度を速くした状態、の3段階に切り替えられるようになっている。
【0028】
操作スイッチ14は本体部11の右側面に設けられている。又、操作スイッチ14の外周面の周方向の2箇所には操作スイッチ14を指で回動操作するための手掛かり部16を設けてあり、この2つの手掛かり部16は操作スイッチ14の前後対向位置に配置されている。
【0029】
操作スイッチ14の外周面の周方向の2箇所に手掛かり部16を設けたが、手掛かり部16を操作スイッチ14の周方向の4箇所に等間隔で設けてあってもよく、手掛かり部16は操作スイッチ14の周方向に複数箇所設けてあればよい。
【0030】
図3に示すように、本体部11には、内部電源4としての電池、回路17、把持部側電極5、回路運動駆動用のモーター15、モーター15と接続されてモーター15の回転運動を往復直線運動に変換する運動変換部18、運動変換部18と接続されて運動変換部18の往復直線運動に伴って往復直線運動をする往復駆動体19、往復駆動体19と後述のスライドシャフト20とを連結する往復駆動接合部21がある。
【0031】
内部電源4、回路17、把持部側電極5は配線によりつながっており、導通経路を形成している。又、内部電源4、回路17、回路運動駆動用のモーター15も配線でつながっており、導通経路を形成している。
【0032】
運動変換部18、往復駆動体19、往復駆動接合部21は金属材料からなる。運動変換部18として例えば、ベアリングが挙げられる。又、把持部側電極5は金属板からなる。なお、把持部側電極5は導電性であれば他の部材であってもよい。
【0033】
図4にも示すように、アタッチメント部10は、スライドシャフト20、ばね22、回転台6、回転台6の回転を支える回転台中心軸23、回転台6の偏心位置に設置され回転台6とスライドシャフト20とをつなぐ軸である偏心軸24、スライドシャフト20と偏心軸24との間をつなぐ連結片25、剤保持部7、剤保持部7を囲う外枠部8からなる。アタッチメント部10の先端にある洗浄動作部2は上述の剤保持部7、外枠部8、回転台6からなっている。
【0034】
スライドシャフト20はアタッチメント部10の内面との間にわずかな隙間を有してアタッチメント部10内に収納してあり、スライドシャフト20の軸方向の一端は、本体部11の往復駆動接合部21を介して往復駆動体19と接続されている。そして、スライドシャフト20の軸方向の他端は回転台6の偏心軸24との連結部である連結片25に取付けられている。そして、スライドシャフト20の往復駆動接合部21をアタッチメント部10の軸方向における往復駆動体19に向かってばね力を付与するばね22を内装しており、このばね22によりスライドシャフト20ががたついて異音を発生することを防止している。
【0035】
洗浄動作部2の一部である回転台6は洗浄動作部側電極6の役割も果たしている。よって回転台6は導電性の金属からなる。なお、金属でなくても、導電性のものであればよい。
【0036】
洗浄動作部2の一部である剤保持部7は、歯磨剤に効率よく電流を流すために、回転台中心軸23の軸方向の前方に設置される。又、剤保持部7は歯磨剤を放出できるように表方に開口している。
【0037】
洗浄動作部2の一部である外枠部8は剤保持部7を囲うように、かつ歯磨剤を放出できるように表方に開口して設けられており、歯と洗浄動作部側電極6が直接接触するのを防ぐため非導電性であることが好ましい。さらに、歯茎に接触しても痛くないように、外枠部8は弾性であるとよい。
【0038】
例えば、図4(b)に示すように、洗浄動作部2の外枠部8は、ゴムで形成されて先端に歯の着色汚れを除去する放射状の磨き部26を備えたものがある。放射状の磨き部26は外側の円筒の部分(外枠部8)と内側の放射状の部分27からなる。外枠部8と内側の放射状の部分27との間には少し段差7aがあり、この段差が剤保持部7として機能する。さらに、放射状の部分27の空所7bも剤保持部7として機能する。つまり、この段差の部分と空所の部分に歯磨剤を保持することができる。
【0039】
又、図5(a)に示すように、洗浄動作部2は、先端を円錐状にカットした部材からなり、主に歯と歯の間の細やかな箇所の着色汚れを除去するものや、図5(b)のように円状に配置された多数本のブラシからなるものもある。図5(a)の部材は導電性材料からなり、回転台6と電気的に接合している。歯と接触する円錐状の外面には、ナノメートルオーダーからミリメートルオーダーの凹凸面を有し、剤保持部7としての役割を果たす。図5(b)の多数本ブラシでは、回転台6とブラシ部28を連結するブラシ毛植毛部29は導電性材料からなる。外枠部8はブラシ部28周囲を取り囲む形でカップ状の構造を有する。外枠部8のカップ状の構造は剤保持部7としての役割を果たし、ブラシ部28による歯磨き中に歯磨剤が洗浄動作部側電極6周辺から離れて分散することを防ぐ。異なる洗浄動作部2を備えた上述のアタッチメント部10は、本体部11に着脱自在に取り付けられる。
【0040】
操作スイッチ14を回して内部電源4を入れると、内部電源4から回路17に電流が流れ、回路運動駆動用のモーター15が駆動することによって、運動変換部18が回転し、往復駆動体19が往復直線運動をする。その往復駆動体19とスライドシャフト20は往復駆動接合部21によって接続されており、往復駆動体19が往復直線運動をすることによって、スライドシャフト20も往復直線運動をする。そして、スライドシャフト20が往復直線運動することによって、回転台6の偏心軸24と連結片25を介して回転台6が往復回動運動をする。回転台6が往復回動運動をすることで、洗浄動作部2全体が往復回動運動をして、歯を清掃する。
【0041】
このとき、把持部側電極5をプラス極、洗浄動作部側電極6をマイナス極として導通経路を形成する。把持部1からの電流が、把持部1を持つ手を介して身体へ流れて最終的には歯へ流れる。歯からの電流は、歯磨剤を介して洗浄動作部側電極6へ流れる。洗浄動作部側電極6からの電流は、金属材料からなる偏心軸24、スライドシャフト20、往復駆動接合部21、往復駆動体19、運動変換部18へと電流が流れ、最終的に把持部側電極5へ戻ってくる。
【0042】
本体部11とアタッチメント部10は着脱可能であり、アタッチメント部10のスライドシャフト20が本体部11内部にある往復駆動体19に往復駆動接合部21を介して着脱される。
【0043】
本体部11とアタッチメント部10の接続部12には、水浸入防止部材13が備えられている。この水浸入防止部材13は例えばパッキンが挙げられる。この水浸入防止部材13が備えられることによって、水の浸入による装置の劣化を防止すると共に、漏電を防止して使用者の安全性を確保する。
【0044】
したがって第1実施形態においては、歯磨剤を剤保持部7に満たした状態で、把持部側電極5と洗浄動作部側電極6との間で通電させることによって、電流は把持する手から身体を経由して最終的には歯を流れた後、剤保持部7の歯磨剤を介して洗浄動作部側電極6へ流れる。ステインがプラス電荷を帯び、剤がマイナス電荷を帯びるので、お互いに引き寄せ合って、ステイン除去効果が高まる。
【0045】
歯磨剤は、市販の研磨剤が含まれている歯磨剤でもよいし、塩が含有されていても良い。
【0046】
このとき歯磨剤として、電気によって分解されステイン除去に有効な荷電分子になる物質を含有した歯磨剤、例えばフッ素含有の歯磨剤などを使用するとさらに以下のような効果が生じる。
【0047】
歯磨剤を剤保持部7に満たした状態で、把持部側電極5と洗浄動作部側電極6との間で通電させることによって、電流は把持する手から身体を経由して最終的には歯を流れた後、剤保持部7の歯磨剤を介して洗浄動作部側電極6へ流れる。マイナス電荷を有する荷電分子は、プラス電極側である歯へ引き寄せられ、歯近傍の荷電分子濃度が高まる。歯に付着したステインに作用する荷電分子数が増加することで、ステイン剥離効果のある化学反応が促進され、その結果ステイン除去効果が高まる。
【0048】
又、歯磨剤を剤保持部7に配置することによって、口腔内に歯磨剤が分散することを防ぎ、電流を集中的に流して荷電分子の移動を効率的に行うことが可能となり、ステインを集中的に除去できる。又、剤保持部7が歯磨剤を保持しつつ、放出することが可能であることから、電流を歯磨剤に流しながら、歯を磨くことができ、ステイン除去効果が高まる。
【0049】
そして、洗浄動作部2は往復回動運動をするので、一般の歯清掃装置のように洗浄動作部2が回転運動をする場合に比べ、歯磨剤の分散を防ぐことができる。
【0050】
又、剤保持部7の底部が洗浄動作部側電極6と接することにより、確実に歯磨剤に電流が流れ、その歯磨剤によって歯を清掃するので、ステイン除去効果が高まる。そして、洗浄動作部側電極6と歯が従来の歯清掃装置より近くなるため、通電しやすく、ステイン除去効果が高まる。
【0051】
特にこの場合、通電することによりステイン除去効果が高まった状態で、往復回動運動をする洗浄動作部2で歯を磨くことで従来の手動のものより、速く、細かい動きが可能となり、清掃効果が高まる。磨く力が少ない子どもやお年寄りでも簡単にステイン除去ができる。
【0052】
さらに、把持部側電極5がプラス極、洗浄動作部側電極6がマイナス極となることで、口腔内の唾液や水等に含まれるステイン(着色汚れ物質、ヤニ、茶渋等)を洗浄動作部側電極6に引き寄せて、ステイン除去効果を高めるのに有効である。
【0053】
使用者はこのような状態で洗浄動作部2を歯や歯茎に当てることで、口腔内の清掃、特に着色汚れの除去を行うことができる。通電しながら歯を清掃することで、従来の歯清掃装置に比べて高いステイン除去効果を期待できる。従来の歯清掃装置に比べて、歯間部や歯凹面等の細溝に付着したステインに荷電分子を運びやすくする。同時に、プラス荷電を持つ着色物質を歯表面及び口腔内唾液からマイナス極側の電極に引き寄せ、着色汚れ成分の歯への定着を防ぐ。
【0054】
そして、剤保持部7が電気絶縁材料からなることによって、洗浄動作部側電極6と口腔内の直接接触を防ぎ、使用者の安全を確保する。
【0055】
又、アタッチメント部10と本体部11が分割可能であることによって、コンパクトになり、持ち運びが容易になる。そして、アタッチメント部10と本体部11の間に水浸入防止部材13を設けて、水浸入を防ぐことによって、装置内の器具劣化を防いで装置を長寿命化すると同時に、漏電を防止して使用者安全を確保することができる。さらに、アタッチメント部10と本体部11が分割できることによって、好みの種類の洗浄動作部2に付替えて使用することができる。さらに、1つの本体部11に対して複数のアタッチメント部10を交換可能なことから、家族で本体部11を共有することができる。
【0056】
図6、7、8は請求項1から4全てに対応した第2実施形態である歯清掃装置を示している。なお、ここでは、上記第1実施形態と相違する事項についてのみ説明し、その他の事項(構成、作用効果等)については、上記第1実施形態と同様であるのでその説明を省略する。この歯清掃装置3は第1実施形態の歯清掃装置3に、把持部側電極5と洗浄動作部側電極6との間の通電を点灯表示する照明装置9を洗浄動作部2の付近に有するものである。
【0057】
以下、第2実施形態の歯清掃装置3をより具体的詳細に説明する。洗浄動作部2下部には、把持部側電極5と洗浄動作部側電極6との間の通電を点灯表示する照明装置9を備えている。
【0058】
回転台中心軸23と往復駆動体19は3枚の導電体30により導通経路を構成している。導電体30は配線であってもよいし、ステンレスリード片のような金属弾性板片でもよい。である。回転台6側の2枚の導電体30は照明装置9とそれぞれ接続されており、本体部11側の導電体30は往復駆動体19と連結しており、導通経路を構成している。又、往復駆動接合部21、スライドシャフト20、連結片25、偏心軸24は金属からなり、こちらも導通経路を構成している。なお、往復駆動接合部21、スライドシャフト20、連結片25、偏心軸24は金属ではなく、樹脂などからなっていてもよい。この場合、導通経路は構成しないが、樹脂にすることで軽量化を図ることができる。
【0059】
歯からの電流は、歯磨剤を介して洗浄動作部側電極6へ流れる。洗浄動作部側電極6からの電流は、金属材料からなる回転台中心軸23、導電体30a、照明装置9、導電体30b、導電体30c、往復駆動接合部21、往復駆動体19、運動変換部18へと電流が流れ、最終的に把持部側電極5へ戻ってくる。
【0060】
したがって、第2実施形態においては照明装置9が備えられていることから、歯裏側や奥歯等、照明なしでは位置を確認しにくい場所にある歯の清掃が簡便になる。又、洗浄動作部2が歯に適切に接触しているか確認することができる。加えて、歯清掃中における通電状態を報知する機能を兼ねており、無通電状態での歯清掃を防止してステイン除去効果を維持することができる。
【0061】
なお、第1実施形態、第2実施形態においては、把持部側電極5をプラス極、洗浄動作部側電極6をマイナス極とすることで、ステイン剥離効果のある化学反応が促進され、その結果ステイン除去効果が高まるということであったが、把持部側電極5をマイナス極、洗浄動作部側電極6をプラス極としてもよい。この場合、電極が銀などの口腔に対して有効な素材を含んでいるのであれば、それが溶け出して、有効な効果を生じさせることになる。
【符号の説明】
【0062】
1 把持部
2 洗浄動作部
3 歯清掃装置
4 内部電源
5 把持部側電極
6 洗浄動作部側電極(回転台)
7 剤保持部
8 外枠部
9 照明装置
10アタッチメント部
11本体部
12接続部
13水浸入防止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、歯の洗浄を行う洗浄動作部と、を備えた歯清掃装置において、把持部に内部電源の一方の電極に接続された把持部側電極を表出して備え、洗浄動作部に前記内部電源の他方の電極に接続された洗浄動作部側電極を有するとともに、この洗浄動作部側電極の先端部分に歯磨剤を保持する剤保持部を有することを特徴とした歯清掃装置。
【請求項2】
剤保持部を囲う外枠部を有し、この外枠部が電気絶縁体からなることを特徴とした請求項1記載の歯清掃装置。
【請求項3】
把持部側電極と洗浄動作部側電極との間の通電を点灯表示する照明装置を洗浄動作部の付近に有することを特徴とした請求項1又は2記載の歯清掃装置。
【請求項4】
洗浄動作部を備えたアタッチメント部と把持部を備えた本体部とが分割されており、アタッチメント部と本体部との着脱が可能であり、アタッチメント部と本体部とが着脱される接続部に水浸入防止用部材を設けてあることを特徴とした請求項1から3のいずれか一項記載の歯清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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