説明

歯用装飾具および歯用装飾具取付用品

【課題】 宝石状に形成された装飾具を簡単に歯の表面に取付けられるようにすること。
【解決手段】 透光性を有した本体に略ダイヤ形などで多角面状に形成した装飾部を設け、偏平な底面部には黄金色などで着色した反射部を表面に有した反射板を接着して形成した装飾具と、一端に設けた挿入部にブラシ片を着脱可能に取付け、他端に設けた弾力性を有する細径部の先端には前記装飾具を載せる凹部を夫々一体に形成した操作杆と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾具を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、表面をダイヤモンド、ルビーなどの宝石形に形成した装飾具と、該を装飾具を歯に装着するために構成された装飾具取付用品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダイヤモンド、ルビーなどの宝石または疑似宝石などにより形成した装飾具を、歯または義歯に装着する装飾具取付用品には種々あったが、その多くは、装飾具を歯または義歯に形成される装着用の穴または凹部内に装飾具を装着して形成するものである。
【0003】
例えば、図1に示すごとく、装飾具1は、保持片3の内壁4に反射面を形成し、中間部分を基端部5に向けて拡開した固定受部6に宝石からなる装飾片8を固定させて形成し、該装飾具を歯10または義歯に設けた凹部11に嵌め込んで取付けられる。
【0004】
そして、装飾具1の歯10への取付けは、自分自身では困難であるため、歯科医師などの専門家に依頼して取付けを行っている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、宝石または疑似宝石などにより形成される装飾具は、小さくてもいずれも実際の宝石と同じ形状とされるため一定の高さが有る。
特に、ダイアモンドにあっては、下方のパピリオン部分が高く、歯に取付けるときには歯または義歯に大きく穴を開ける必要があり、歯への穴開けは歯科医師などの専門家によって行うため費用も高く大変不経済である。
【0006】
また、大切な歯は、一度穴を開けると二度と元に戻す事が出来ず、虫歯、歯の老化現象を早める原因となるおそれがあり、一度装着すると簡単に外す事ができないなど、従来の装飾具取付用品は多くの問題点を有していた。
【0007】
本考案は、装飾具を自分自身で簡単に歯に着脱でき、大切な歯を痛めることがない装飾具取付用品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された本考案は、透光性を有した本体の表面に略ダイヤ形、略ハート形、略涙形、または略楕円形などで多角面状に形成した装飾部を設け、底面に設けた偏平な底面部には黄金色、銀白色、赤色、黄色、薄紫色などで着色した反射部を表面に有した反射板を接着して形成した装飾具と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾具を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品であることを特徴とする。
したがって、底面を偏平に形成した装飾具であっても、外部から入射した光にが反射板で反射し、本物の宝石のように光らせる事ができると共に、歯に穴を開けることなく装飾具を歯に取付けることができる。
【0009】
請求項2に記載された本考案は、透光性を有した本体の表面に略ダイヤ形、略ハート形、略涙形、または略楕円形などで多角面状に形成した装飾部を設け、底面に設けた偏平な底面部には黄金色、銀白色、赤色、黄色、薄紫色などで着色した反射部を表面に有した反射板を接着して形成した装飾具と、一端に設けた挿入部にブラシ片を着脱可能に取付け、他端に設けた弾力性を有する細径部の先端には前記装飾具を載せる凹部を夫々一体に形成した操作杆と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾具を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品であることを特徴とする。
したがって、操作杆を使用することにより、装飾具を自分で簡単に歯に取付けることができる。
【0010】
請求項3に記載された本考案は、偏平状に形成した本体の表面に装飾模様を描いた装飾片と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾片を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品であることを特徴とする。
したがって、偏平状に形成した装飾片を歯に穴を開けることなく取付けることができる。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案に係る装飾具の第1の実施の形態を図3から4に基づいて説明すると、第一の実施形態である装飾具21は、透光性を有するガラス材または合成樹脂材により略台形に形成した本体22をダイヤモンドカットの上方であるクラウン部分の形状に形成し、該本体22の表面には光を乱反射させるために多角面状に面取りされた装飾部23を形成してある。
【0012】
又、偏平に形成された底面部25には、該底面部25と略同一形状に形成した反射板27を取付け、該反射板の内面には黄金色、銀白色、赤色、黄色、薄紫色などに着色した反射部28を設けてある。
【0013】
なお、歯あるいは義歯に取付ける必要性から、この装飾具21全体の大きさは直径略2mm、高さ約0、5mmの厚さに形成するのが好ましい。
【0014】
図5は、第2の実施形態である装飾具31を示すもので、透光性を有するガラス材または合成樹脂材により略台形に形成した本体32を略ハート形に形成し、該本体の表面には光を乱反射させるために多角面に面取りした装飾部33を形成してある。
該本体の底面部35には、第1の装飾具21と同様に反射板を取付け、該反射板の表面には黄金色、銀白色、赤色、黄色、薄紫色などに着色した反射部を設けてある。
【0015】
図6に示す操作杆50は、前記装飾具21,31を歯70に取付けるために使用する取付用品の一つで、全体を棒状に形成した把手部51の一端にはブラシ片58を着脱可能に取付けることができる筒状の挿入部53を設け、前記把手部51の他端に設けた弾力性を有する細径部55の先端には前記装飾具21を載せる凹部56を設け、夫々一体に形成している。
【0016】
図7における60は、歯の表面を清掃する液状のクリーナーを示している。
ここで、クリーナーにはアクリル酸系の清掃液が望ましい。
かかる場合には、歯の表面のみならず、歯に取付けた後の装飾具21の表面を洗浄することができるからである。
【0017】
図8における65は、前記装飾具を歯に取付けるための接着剤を示している。
ここで、接着剤65には、例えば水硬性合着セメントを使用することが望ましい。
かかる場合には、人体に対する安全性も高く、人歯のみならず義歯にも装飾具21を取付けることができるからである。
なお、水硬性合着セメントは、使用前は粉末状であり、使用時に例えばスポイト66から抽出される蒸留水と練和され、ペースト状とされてから硬化するため、接着剤の長期保存も可能となる。
【0018】
図9における67は、前記装飾具を歯に取付けるときに使用する補助具で、綿材を棒状に形成したものである。
【0019】
図10は、第3の実施形態である装飾片75を示すもので、合成樹脂材により偏平状に形成した本体を略正方形に形成し、該本体の表面には、例えばイルカを表わす装飾模様76が人体に無害なインクを使用して描かれている。
【0020】
以下、本考案の使用方法について説明する。
本考案において装飾具21を歯70に取付ける場合には、最初に歯70と歯茎の間の所定箇所に綿材で形成した係止片67を介在させ、唇が歯に被さるのを防止して取付け作業を容易にすることができる。
【0021】
次いで、操作杆50の一端の先端に設けた挿入部53にブラシ片58を装着し、該ブラシ片58に洗浄剤であるクリーナー60を塗布し、その先端で第1装飾具21を取付ける歯70表面をブラッシングして汚れを除去する。
【0022】
ブラッシングは図11に示す如く、ブラシ片58の先端ブラシ部59を歯の表面に直角に当て、前後に叩くようにすると、可撓部52の弾発力により撓むので歯茎を傷めることなく歯の表面の汚れを除去する事ができる。
【0023】
このブラシ片58は、ブラシ部59が消耗して痛んだ場合には、交換可能にして新しいブラシ片にする事により、常に歯70の汚れを確実に取る事ができる。
【0024】
又、クリーナ60は、歯70の表面の汚れを落として接着剤65の接着力を強固にするのみならず、歯70の表面に付着している雑菌を除去するための消毒を兼ねている。
すなわち、クリーナー60で歯70の表面を消毒することで、装飾具21を取付けた際に歯の表面に雑菌が繁殖するのを防止することもできる。
【0025】
次いで、前記操作杆50の一端に設けた凹部56に装飾具21を載せる。
なお、凹部56の表面には、予め付着剤(図示せず)を薄く塗布しておく。
【0026】
この付着剤は、凹部56の表面に載せた装飾具21が落ちるのを防止すると共に、接着剤が塗布された装飾具21が操作杆50から容易に離脱するため、装飾具21を歯に取付け易くするためのものである。
又、付着剤により、装飾具21の裏面に塗布した接着剤が表面側に余計にはみ出すことを防止できる。
前記付着剤は、人体に無害な油性クリーム状のもの、たとえばワセリン油脂などが好ましい。
【0027】
図12に示す如く、操作かん50に装飾具21の表側を付着させた後、装飾具21の裏面反射板27には、歯70に取付ける接着剤65を塗布し、操作杆50の把手部51を持ちながら、前記清掃された歯70の表面に装飾具21の反射板裏面を押付ける。
【0028】
この際、細径部55は略先方で若干折曲げられ、又、弾力性を有しているため、装飾具21を歯70に押付けやすく、取り扱いが便利である。
ここで、歯70の表面に装飾具21を押付けて接着させるための時間は、接着剤が固化するまでの時間である約30秒間位である。
【0029】
約20秒経過後、操作杆50を歯から離す。
装飾具は凹部56に付着剤により付着されているに過ぎないので、簡単に操作環から装飾具21を離す事ができる。
【0030】
操作杆50を歯70から離した後、そのままの状態で更に約2分間待ち、装飾具21の接着部分を完全に乾かし、装飾具21が剥がれるのを防止する。
【0031】
次いで、歯70の表面に接着させた装飾具21の表面をクリーナー65で再度清掃し、はみでた接着を除去すると共に装飾具21の表面に磨きをかける。
【0032】
なお、前記クリーナー60および接着剤65は前記したものに限らず、市販されている瞬間接着剤などその他のものを使用することができるのは勿論である。
【0033】
又、第2の装飾具31および第3の装飾片の歯70への取付けは、前記第1の装飾具21と略同様である。
【0034】
【考案の効果】
本考案に係る装飾具取付け用品によれば、操作杆を使用して装飾具を歯に取付けることにより、自分自身で簡単に取付けることができ、反射板が装飾具の底面に取付けられているので、外部から入光した光がキラキラと反射し本物の宝石を歯に取付けたような効果を生じさせることができる。 又、装飾具の底面が偏平に形成されているので、歯に穴を開けることなく装飾具を取付けることができる。
更に、種々異なる模様を付した装飾片を歯に取付けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の装飾具の側面図である。
【図2】従来の装飾具を歯に装着した状態の断面図である。
【図3】本考案の第1装飾具の拡大側面図である。
【図4】本考案の第1装飾具の平面図である。
【図5】本考案の第2装飾具の平面図である。
【図6】操作杆の側面図である。
【図7】クリーナー容器の斜視図である。
【図8】接着剤を示す斜視図である。
【図9】補助具の斜視図である。
【図10】本考案の第3装飾具の斜視図である。
【図11】ブラシ片で歯の表面の汚れを落とす状態の側面図である。
【図12】凹部に装飾具を載せた状態の要部拡大図である。
【図13】装飾具を歯に装着した状態の正面図である。
【図14】第3装飾具を歯に装着した状態の正面図である。
【符号の説明】
21 第1装飾具
22 本体
23 装飾部
25 底面部
27 反射板
28 反射部
31 第1装飾具
32 本体
33 装飾部
41 第1装飾具
42 本体
43 装飾部
50 操作杆
51 把手部
52 可撓部
53 挿入部
55 細径部
56 凹部
60 クリーナー
65 接着剤
66 スポイト
67 補助具
70 歯
75 装飾片
76 装飾模様

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 透光性を有した本体の表面に略ダイヤ形、略ハート形、略涙形、または略楕円形などで多角面状に形成した装飾部を設け、底面に設けた偏平な底面部には黄金色、銀白色、赤色、黄色、薄紫色などで着色した反射部を表面に有した反射板を接着して形成した装飾具と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾具を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品。
【請求項2】 透光性を有した本体の表面に略ダイヤ形、略ハート形、略涙形、または略楕円形などで多角面状に形成した装飾部を設け、底面に設けた偏平な底面部には黄金色、銀白色、赤色、黄色、薄紫色などで着色した反射部を表面に有した反射板を接着して形成した装飾具と、一端に設けた挿入部にブラシ片を着脱可能に取付け、他端に設けた弾力性を有する細径部の先端には前記装飾具を載せる凹部を夫々一体に形成した操作杆と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾具を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品。
【請求項3】 偏平状に形成した本体の表面に装飾模様を描いた装飾片と、歯の表面を清掃するクリーナ−と、前記装飾片を歯に装着するための接着剤とからなる歯用装飾具取付用品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【登録番号】実用新案登録第3064654号(U3064654)
【登録日】平成11年9月22日(1999.9.22)
【発行日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【考案の名称】歯用装飾具および歯用装飾具取付用品
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−4047
【出願日】平成11年6月8日(1999.6.8)
【出願人】(598143918)株式会社ジェーシーコミュニティー (4)