説明

歯科器具のコンプライアンス表示のためのシステムおよび方法

【課題】器具の使用についての患者の知識および想起の向上や、歯科器具の着用に際してのコンプライアンスの向上、その結果としての患者の満足度の向上を含む、患者の装置コンプライアンスを伝達するためのより有効なデータを提供する。
【解決手段】歯列矯正治療のコンプライアンスを監視するための装置であって、一本以上の歯に着用されるよう適合させた器具15と、コンプライアンスを示す、器具15に取り付けられたコンプライアンスインジケータ100と、を備える、装置。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、歯科器具のコンプライアンス表示のためのシステムおよび方法に関する。同一出願人による特許文献1、発明の名称「Methods and systems for concurrent tooth repositioning and substance delivery」(その内容が本明細書に組み込まれる)に述べられているように、歯を再配置することは、本発明の譲受人であるAlign Technology, Inc.から入手可能なInvisalign(登録商標)システムなどの一連の取り外し可能な弾力性のある位置決め器具の使用により達成される場合がある。かかる器具は、概して患者の歯に適合するが、初期または直前の歯の構造とわずかにずれている、弾力性のある材料の薄い外郭構造を有する。歯の上への弾力性のあるポジショナーの配置は、制御された力を特定の位置に加え、徐々に新しい配置へ歯を移動させる。新しい配置を含む一連の器具を使用するこの工程を繰り返すことにより、一連の中間配置または中間の整列パターンを経て、最終的に歯を最後の望ましい配置に移動させる。例となる弾性ポリマーポジショニング器具の完全な説明が、特許文献2および特許文献3に説明されており、両文書の内容は、あらゆる目的のために、参照することにより組込まれる。
当該器具は、患者の歯に取り付けられると、歯の再配置に有効である。着用には簡単で使いやすいが、患者は医者または歯列矯正医によって定められるように器具を着用しない可能性がある。推奨される期間を越えて、何らかの理由により器具が長期間取り外された場合、治療計画を妨げ、全体的な治療期間を延長する。器具が患者によって取り外し可能であるためで、医者は処方の遵守を患者に依存しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許6,607,382号明細書
【特許文献2】米国特許5,975,893号明細書
【特許文献3】国際公開第98/58596号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
歯列矯正治療のコンプライアンスを監視するための装置であって、
一本以上の歯に着用されるよう適合させた器具と、
コンプライアンスを示す、該器具に取り付けられたコンプライアンスインジケータと、
を備える、装置。
(項目2)
上記器具は所定の期間の治療と併せて使用される、項目1に記載の装置。
(項目3)
上記コンプライアンスは、上記インジケータの視覚的、化学的、および物理的変化のうち一つによって示される、項目1に記載の装置。
(項目4)
上記コンプライアンスは視覚的、化学的または物理的に示される、項目1に記載の装置。
(項目5)
上記変化は水分、温度、化学的、および生物学的要素のうち一つによって影響を受ける、項目1に記載の装置。
(項目6)
上記変化は色、形状、および大きさの変化のうちの一つを含む、項目1に記載の装置。
(項目7)
上記変化は人間の視覚またはマシンビジョンによって検出できる、項目3に記載の装置。 (項目8)
上記変化は生分解性または溶解可能なポリマーの分解によって影響を受ける、項目1に記載の装置。
(項目9)
上記コンプライアンスは上記インジケータの大きさの減少によって示される、項目1に記載の装置。
(項目10)
上記コンプライアンスは、上記ポリマー存在下の色の提示によって示される、項目1に記載の装置。
(項目11)
上記色の提示は分解または溶解後に生じる、項目10に記載の装置。
(項目12)
上記コンプライアンスは着色剤の放出によって示される、項目1に記載の装置。
(項目13)
上記着色剤は半透膜を通して放出される、項目12に記載の装置。
(項目14)
上記コンプライアンスは色の変化によって示される、項目1に記載の装置。
(項目15)
上記色の変化は、口腔液の化学反応による、インジケータ内の一つ以上の要素間の反応によって生じる、項目14に記載の装置。
(項目16)
上記色の変化は口腔液へ着色剤を放出することによって生じる、項目14に記載の装置。
(項目17)
上記インジケータは裏皮膜を有する着色された感圧粘着剤を含む、項目1に記載の装置。
(項目18)
上記コンプライアンスは感圧粘着層の色の喪失に基づき示される、項目17に記載の装置。
(項目19)
上記インジケータは口腔液を集める、項目1に記載の装置。
(項目20)
コンプライアンスは口腔液内の成分の濃度変化によって示される、項目19に記載の装置。
(項目21)
コンプライアンスは、上記器具着用時の変化の欠如によって示される、項目19に記載の装置。
(項目22)
上記コンプライアンスは半透膜を通した化学反応によって示される、項目1に記載の装置。
(項目23)
上記コンプライアンスは歯列矯正術による移動の間の機械的変形によって示される、項目1に記載の装置。
(項目24)
上記コンプライアンスは電気抵抗の変化によって示される、項目1に記載の装置。
(項目25)
上記インジケータに位置付けられた一つ以上の導電性充填材を備える、項目24に記載の装置。
(項目26)
上記コンプライアンスは延伸ポリマーまたは延伸膜の透過性の変化によって示される、項目1に記載の装置。
(項目27)
上記コンプライアンスは質量移動または化学反応によって示される、項目1に記載の装置。
(項目28)
上記コンプライアンスはポリマーネットワークの延伸による光学的性質の変化によって示される、項目1に記載の装置。
(項目29)
上記物質は痛みの軽減をもたらす、項目1に記載の装置。
(項目30)
上記インジケータは、所定の温度範囲での着用期間を検出する時間と温度の細片を備える、項目1に記載の装置。
(項目31)
上記インジケータは、コンプライアンスを示すために使用される間、徐々に提示される色の芯をそれぞれ有する複数のブラシを備える、項目1に記載の装置。
(項目32)
上記インジケータは、コンプライアンスを示すために使用される間、増加的に提示される使用徴候をそれぞれ有する複数のブラシを備える、項目1に記載の装置。
歯列矯正治療のコンプライアンスを監視するための装置は、一本以上の歯に着用されるよう適合させた器具と、コンプライアンスを示す、器具または歯に取り付けられたコンプライアンスインジケータとを含む。
本システムの利点は、以下のうちの一つ以上を含む。当該装置は、器具の使用についての患者の知識および想起の向上や、歯科器具の着用に際してのコンプライアンスの向上、その結果としての患者の満足度の向上を含む、患者の装置コンプライアンスを伝達するためのより有効なデータを提供する。装置は患者に自己監視チャネルを提供する。装置はまた、装置の使用法が分かりきっているので、口頭での指示または書面による指示を必要とせずに患者の不安レベルを下げる。また、医者か歯列矯正医は、治療中に患者の進捗についてのより有効な情報を有する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は例となるコンプライアンスインジケータを示す。
【図2】図2A〜2Cは、図1のコンプライアンスインジケータの第一の実施形態を示す。
【図3】図3A〜3Bは、図1のコンプライアンスインジケータの第二の実施形態を示す。
【図4】図4A〜4Bは、コンプライアンスインジケータの第三の実施形態を示す。
【図5】図5は、コンプライアンスインジケータの第四の実施形態を示す。
【図6】図6は、コンプライアンスインジケータの第五の実施形態を示す。
【図7】図7は、コンプライアンスインジケータの第六の実施形態を示す。
【図8】図8は、コンプライアンスインジケータの第七の実施形態を示す。
【図9】図9は、コンプライアンスインジケータの第八の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
(説明)
図1は、顎16の歯に合うように適合させた、典型的な、取り外し可能な器具15を示す。使用インジケータ100は、一本の歯または患者のコンプライアンスを示す器具15に取り付けることができる。
【0006】
一実施態様では、インジケータ100は歯または化学薬剤を有する器具上の被膜であってよい。あるいは、インジケータ100は器具の着用を示す電気薬剤、光学薬剤または機械薬剤であってよい。一実施形態では、表示薬剤は液体または蒸気と接触するまで不活性である。あるいは、薬剤の放出は液体または蒸気によって促進され得る。従って、一事例では、着用するとすぐに、口腔液が薬剤を活性化し、薬剤が浸出し、コンプライアンスを示すことを可能とする。あるいは、中でも唾液などの口腔液は、コンプライアンスを示す薬剤を活性化させるために浸透することができる。
【0007】
別の実施形態では、器具が歯に着用される場合、器具は口腔環境に着色剤を放出することができる。かかる手段は、薬剤を含む層を備えてもよい。層は再配置用器具の表面の少なくとも一部分の上に形成されてもよい。これらの表面には、所定の位置で、歯に接する空洞内の表面である空洞表面と、所定の位置で、頬と唇に接触する器具の表面である外部表面の両方が含まれる。層は様々な材料で構成されてもよく、様々な形式を取ってもよい。例えば、層は、本質的に薬剤から成ってもよい。言い換えれば、薬剤は弾力性のある再配置用器具のポリマー外郭構造の表面に直接付着されてもよい。これは、吹き付け、塗り、および/または浸漬などの多くの方法を利用して、表面の薬剤(任意で不活性運搬体または希釈剤中の)自体を塗布することにより達成されてもよい。再配置用器具が患者の歯に取り付けられると、薬剤はその後口腔環境に放出されてよい。
【0008】
あるいは、層は、器具に接着または付着を促進および/または薬剤が拡散または分解によって放出することができるマトリクスを作成する運搬体または結合体中またはその上に存在する薬剤を含んでもよい。一実施形態では、薬剤は運搬体または結合体に溶解され、この場合は、薬剤は粉末または同様の形状で提供され、液体溶剤に溶解されてもよい。結果は、被覆または被膜を形成するために、通常吹き付け、塗り、浸漬によって、外郭構造の表面に塗布され得る溶液であってもよい。再配置用器具が患者の歯に取り付けられると、薬剤を示すコンプライアンスはその後被覆から口腔環境に放出されてよい。放出は運搬体、または口腔液中の酵素またはタンパク質などによる他の任意の触発機構の活性化または非活性化に起因してもよい。または、放出は例えば口腔液との接触による運搬体の分解に起因してもよい。場合によっては、結合体または運搬体は、薬剤を残して、表面の層へ塗布してすぐに蒸発してもよい。これらの場合、上述されている薬剤が表面に直接付着される場合と類似の方法で薬剤が放出されてもよい。任意の薬剤、特にフッ化物材料、抗生物質、漂白剤および口臭清涼剤も、このように口腔環境に供給されてもよいことが認識できる。
【0009】
別の実施形態では、薬剤はカプセル化されるかまたは層の中で浮遊させられる。薬剤を浮遊させるのに一般的な材料は、ゲル、ゼリーまたはパテなどの半固体材料である。かかる材料は、被覆または被膜を形成するために、吹き付け、塗り、浸漬によって外郭構造の表面に塗布されてもよい。ここで、すべての場合に同様であるが、浮遊は科学的定義に限定されず、運搬体が薬剤を保持、含有、支持または含むどんな状況にも言及してもよい。あるいは、または加えて、半固体の材料は、歯を受けるように形作られたポリマー外郭構造の空洞の中に正確に取り付けられてもよい。空洞はどんな望ましいレベルに充填されてもよい。再配置用器具が歯に位置付けられる時、歯は直接空洞の半固体の材料と接触し、歯が空洞に挿入されにつれて、どんな余分の材料も押し出すであろう。従って、器具から材料が過度にあふれ出るのを回避するレベルに空洞を充填することが望ましい。半固体の浮遊材料を使用する薬剤の供給は、例えば、漂白治療およびフッ素治療において一般的である。しかしながら、かかる治療は、歯に再配置の力を加えないトレーまたは一般的な器具の使用により材料を塗布する。再配置用器具を修正することによって、上述されたように、歯列矯正治療はかかる薬剤の供給の間中継続してもよい。任意の薬剤、特にフッ化物材料、抗生物質、漂白剤および口臭清涼剤も、このように口腔環境に供給されてもよいことが認識できる。
【0010】
薬剤をカプセル化または浮遊させるための別の一般的な材料には、放出制御材料がある。したがって、層は、速度を制御する(律速)材料が、薬剤が層から放出される速度を制御する、律速材料から構成されてもよい。放出制御材料または律速材料は、所定の率で所定量の薬剤を供給する。しばしば、かかる供給は、長期間の望ましい治療域内の環境において、薬剤の定常状態の濃度を維持する。このようにして、規定の用量は供給される。さらに、供給を持続する能力は、口腔環境へ一回分ずつに分けて供給する、薬剤の反復塗布の必要性を排除する。
【0011】
上述されたように、かかる放出制御材料は、ゲル、ゼリーまたはパテなどの半固体の材料として提供されてもよいが、これらの材料はまた、再配置用器具のポリマー外郭構造に付着される固体の材料として提供されてもよい。放出制御材料の一つのタイプは、微細に分散した薬剤の粒子が浮遊するポリマーマトリクスの膜を含む。薬剤は、濃度勾配に従うマトリクスの膜を通して拡散してもよい。あるいは、または加えて、薬剤は、ポリマーマトリクスの膜材料の分解によって放出されてもよい。いずれの場合も、放出制御材料は、外郭構造の表面へ層状に作られ得るシートとして提供されてもよい。放出制御シートは、再配置用器具を作るために、弾性ポリマーで層状にされ、型の全体を覆って真空成形されてもよい。放出制御材料は、材料および望ましい用途に応じて、器具の内部表面または外部表面に存在できるように配列されてもよい。または、放出制御シートは、望ましい部位に薬剤を供給するために形成された後、層状にされるか、またはポリマーの外郭構造の表面へ接合されてもよい。あるいは、放出制御材料は、再配置用器具のポリマーの外郭構造の中に挿入され得る錠剤または類似の量として提供されてもよい。薬剤はその後、時間をかけて口腔環境中へ錠剤から溶出してもよい。
【0012】
別の実施形態では、薬剤は材料の孔隙内に保持されてもよく、孔隙から制御された速度で外に溶出してもよい。薬剤自体は材料の孔隙へ吸収されてもよく、または、薬剤は、材料の孔隙の中へ吸収される運搬体の中で浮遊してもよい。後者の場合は、薬剤は拡散によって、および/または運搬体の材料の制御された分解によって運搬体から放出されてもよい。これは孔隙からの薬剤の放出制御に加えて律速機構を組み込んでもよい。前述のように、場合によっては、患者の口腔液中の酵素は放出を活性化するか、または薬剤を放出する運搬体の材料を分解するであろう。薬剤は前記放出方法のうちの任意の組み合わせによって放出されてもよいことが認識され得る。
【0013】
さらなる実施形態では、再配置用器具自体のポリマーの外郭構造は、薬剤を含有する放出制御材料を含む。この場合、ポリマーの外郭構造の少なくとも一部分が放出制御材料から形成され、そこでは、律速材料は薬剤が外郭構造から放出される速度を制御する。これまでに説明されたように、放出制御材料は、一枚のシートの形で提供されてもよい。このようにして、放出制御材料のシートは、再配置用器具自体を作るために患者の歯の型全体を覆うように真空成形されてもよい。このように、弾性材料は器具を作るために追加で必要とされなくてもよい。放出制御材料は、ポリマーマトリクスの膜、多孔性の材料または適切などんな材料でもよい。薬剤の溶出率が歯の再配置率と一致できるように、放出制御は設計され得る。薬剤は再配置の工程の間中溶出してもよく、歯が器具によって規定された望ましい配列に達する時に終了する。
【0014】
さらに進んだ実施形態では、再配置用器具のうちの少なくともいくつかに連結される放出する手段は、歯を受ける空洞に加えて器具の外郭構造の中に形成される容器を含む。通常、律速膜は容器上に配置され、そこでは律速膜は、物質が容器から放出される速度を制御する。容器は供給のため薬剤または物質により事前充填または事前装填されてもよい。この場合、器具は、供給のための薬剤を器具に装填する必要なく、どんなパッケージからも取り出すとすぐに挿入または使用の準備が整う可能性がある。放出する手段が単一の供給期間用に設計されている場合、器具は規定された再配置期間の間中着用され、その後処分されてもよい。放出する手段が複数の供給期間用に設計されている場合、容器は、規定された再配置期間の間中何回も放出される薬剤で補充されてもよい。任意の薬剤、特にフッ化物材料、抗生物質、漂白剤および口臭清涼剤も、このように口腔環境に供給されてもよいことが認識できる。
【0015】
場合によっては、口腔器具のポリマーの外郭構造の視覚的な特徴を変化させることが望ましい場合がある。かかる器具は、外郭構造の視覚的な特徴を変化させる外郭構造上または外郭構造内の歯および材料全体を覆い、取り外し可能に取り付けられるように形作られる空洞を有するポリマーの外郭構造を含む。かかる変化は通常、環境の変化に反応する。ある場合には、視覚的な特性は緑、赤または青などの色である。このようにして、器具は着色されたように、もしくは口腔環境内または取り外された場合の特定の環境条件下での特有の色に見えてもよい。説明された材料は、温度の変化に反応して色を変化する染料でもあってもよい。例えば、器具が口から取り外され、体温(37℃)から室温(25℃)に温度が変化する場合、染料の色は変化してもよい。同様に、器具が冷水で漱がれる場合、染料の色は変化してもよい。
【0016】
器具は口腔内の薬物供給システムを提供するために使用され得る。上述された薬剤に加えて、他の化合物を同様に使用することができる。例えば、薬物で表面を覆った器具は、敏感な歯に除痛薬を供給するために使用され得る。薬物物質は単に、Sensodyne(登録商標)などの除痛歯磨粉またはゲル中の少量の有効成分であってもよい。除痛剤は、器具の表面にわたって分散され、実質的に定率で、比較的長期間、患者の敏感な歯に供給される。
【0017】
器具は薬剤で事前装填され、どんなパッケージから取り出してもすぐに使用の準備ができている可能性はあるが、事前充填または事前装填されていない器具は、歯に器具を取り付ける前または直前に充填を必要とする可能性がある。充填は歯を受ける空洞内に薬剤を注入するステップを含んでもよい。これまでに説明されたように、空洞はどんな望ましいレベルに充填されてもよい。器具が歯に位置付けられる場合、歯が空洞の中に挿入されるにつれて、歯は直接空洞内の薬剤と接触するであろう。あるいは、充填は、歯の上の器具を取り付ける直前に器具中の薬剤放出容器の中に薬剤を注入するステップを含んでもよい。その後、器具が歯の上の適所にある場合、薬剤は容器から口腔環境の中へ溶出するであろう。溶出速度は、周囲の環境から容器を分離する放出制御膜によって制御されてもよい。充填はまた、歯に器具を取り付ける前に、器具の表面に薬剤を含有する律速材料を接着するステップを含んでもよい。かかる材料は、取り外し可能な方法でまたは取り外せない方法で、薬剤を供給するのに望ましい部位にある器具のポリマーの外郭構造に接着されるポリマーマトリクスの膜を含んでもよい。そして最後に、充填は、歯に器具を取り付ける直前に、器具の上または内側の多孔性の材料の中へ薬剤を吸収するステップを含んでもよい。
【0018】
薬剤を放出するための手段は、これまでに説明された任意の手段を含む多くの実施形態を含んでもよい。通常、これまでに説明されたように、薬剤を放出するための手段は薬剤を含む層を備え、また連結するための手段は器具の表面の少なくとも一部分に層を接着するステップを含む。層が本質的に薬剤から成る場合、接着するステップは、器具の表面を覆う、薬剤を吹き付ける、浸漬する、または塗るステップを伴ってもよい。このようにして、予成形された器具は、患者の口中へ挿入する前に薬剤で単に覆われてもよい。層が運搬体または結合体中またはその上にある薬剤を含む場合、接着するステップは運搬体または結合体を器具の表面に付着するステップを伴う。同様に、薬剤が層の中でカプセル化される場合、層は器具の表面に付着されてもよい。層は律速材料の一枚のシートを含んでもよく、そこでは律速材料は、薬剤が層から放出される率を制御する。この場合、シートは、接着剤により器具の表面へ接合されてもよい。あるいは、シートは圧入によって表面に付着されてもよい。シートおよび表面を一緒に押圧することによって、かみ合わせるまたは組み合わせることができるように、シートおよび表面はそれぞれ加工されてもよい。例えば、シートは成形されたはみ出しを有してもよく、また表面は成形されたはめ込みを有してもよく、そこでははみ出しは、はめ込みに押圧されるときにはめ込みに合致し、シートを適所に保持する。多くの実例では、器具は多孔性であってもよく、また治療する専門家および/または患者が適切であると決定するどの時点においても望ましい薬剤を装填できる容器を有していてもよい。例えば、器具は薬剤の溶液に浸されることができ、器具が特定の時に薬剤を吸収または吸着することが可能となる。
【0019】
さらに、シートは器具の表面または歯もしくは歯肉の表面に沿ってはめ込むために適合する形状に予成形されてもよい。例えば、シートは一本以上の歯または歯肉の表面の形状を反映するように、特に歯肉縁に沿って予成形されてもよい。シートが器具に連結し、器具が歯に取り付けられる場合、予成形されたシートはその後、その表面に沿って保持されてもよい。連結するステップは、シートを器具に付着するどんな手段を伴ってもよい。特に、予成形されたシートは、器具の表面にシートの接合を供給する粘着剤層をさらに含んでもよい。
【0020】
図1の器具に合わせて作る材料は、導電性充填剤、磁気充填剤、照明充填剤、圧電充填剤および/または感光性充填剤などの充填剤を追加で補完されてもよい。これらの充填剤を追加で使用して作られる、または使用せずに作られる器具の、係数、電気抵抗、材料透過性および複屈折性(材料の配向度または応力度)などの材料特性、照明パターンまたは特別な光源下でのパターンについては、これらの特性は構造、構成および/または充填剤間の空間的間隔における変化によって変わるため、器具が長期にわたって着用された後は変化する場合がある。例えば、充填された合成物の導電率は、浸透理論に従う充填剤の体積濃度により測定されることは確立されている。従って、非導電性ポリマーマトリクスの機械的変形または熱膨張は、充填剤間の平均的な間隔を増加または充填剤の体積濃度を減少させ、ひいては導電性を減少させる原因となる。導電性の充填剤の実例は、金属、黒鉛、導電性ポリマー、半導体および超電導体を含む。これらの特性の変化はコンプライアンスのためのインジケータとして使用されることができ、器具類によって原因を突き止められることができる。同様に、伝導性の充填剤の分離はまた、器具類によってもまた測定される熱伝導率を低下させる。充填剤が、反磁性体(Cu、Au、Agなど)および常磁性体(例えば、Al、Cr、Na、Ti、Zrなど)のような外部刺激がある状態のもと磁気的挙動を有する、または強磁性体(Fe、Co、Niなど)、反強磁性体(例えば、MnO)、および強磁性体(MFe)のような内因性の磁気特性を示す場合、その結果、ポリマーマトリクスの機械的変形による充填剤間隔の分離はまた、キュリー温度を超える磁気特性の減少の原因となり得る。ルミネセンス、蛍光または燐光を示すような照明充填剤を有する合成物の機械的変形は、照度の減少をもたらすであろう。圧電ファイバの曲げ変形または変位は、他の電動のインジケータ(例えば、低出力発光ダイオード(LED)光源)を測定する、またはそのインジケータを作動するのに使用可能な電位をもたらすことができる。例えば、紫外線(UV)、赤外線(IR)、または可視スペクトルの吸収係数を変化させる外部電場によって決まる光学的性質を有する充填剤はまた、さらにマトリクス変形のインジケータとしての機能を果たすことができる。
【0021】
今から図2Aを参照して、表示付属装置200の実施形態を示す。表示付属装置200はポリマーウェル201を含み、ウェル201は半透膜202を含む。膜202は、ウェル201と口腔環境との界面との間の双方向の流れを可能にする。ウェル201内では、染色材料などの材料204が提供される。
【0022】
一実施形態では、染色材料204は染められたポリ(ビニルシロキサン)(PVS)材料などの放出可能な材料である。PVS材料は染料を保持するために使用され、膜202はセルロースアセテート膜であってもよい。当業者には、ポリエーテル、ポリウレタン、エチル酢酸ビニルなどの他の放出可能な材料が、本特許の教示をもたらすためにうまく利用され得ることが理解されるであろう。
【0023】
別の実施形態では、ウェル材料204は、酵素または口腔液からの酵素と反応する反応物であってもよい。口腔液または口腔液からの酵素がウェルに入る場合、材料204は酵素と反応して指標となる。あるいは、pH指示薬は材料204として使用されることができる。さらに別の実施形態では、膜202はPVSの代わりにシリコンであってもよい。
【0024】
別の実施形態では、ポリマーは、水溶性ポリマー、軽度の交差結合ヒドロゲル、いくつかのわずかな耐水性をはっきり示す水素結合プラスチックを有するポリマー量を含む水溶性ポリマーであってもよい。天然ベースの水溶性ポリマーは、澱粉、酸化澱粉、セルロース、アルコキシル化セルロース、カルボキシアルキル化セルロース、キチン、キトサン、ペクチン、ヒアルロン酸、タンパク質、およびリグニンを含む。水溶性ポリマーはまた、合成原料から付加/ビニルによる重合、凝縮および開環を経て作成されることができる。これらのタイプのポリマーの例は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエステルおよびポリ(アルキレンオキシド)である。口腔液の存在がポリマーの分解を促進するので、生分解性ポリマーの加水分解の不安定性は有利である。
【0025】
これより図2Bを参照して、コンプライアンス表示付属装置(コンプライアンスインジケータ)200の断面図を示す。そこに見られるように、膜202は、放出可能な材料を有するポリマーウェル、槽またはハウジング201および、またはそこに封入される染料204の真上に位置付けられる。図2Cに示されるように、所定の期間、例えば2週の後、染められたPVS材料204の一部は浸出しており、表示付属装置の外観に変化を引き起こす。PVSが装置の内部にとどまる一方で、染料は放出される。この場合、色の変化が生じ、またあるいは、材料の体積が変化し、この場合は大きさが減少する。
【0026】
一実施形態では、コンプライアンスインジケータ200は透明な、歯の色をした、または審美的に満足のいくポリマー容器のウェル、槽またはハウジング201を有する。透明または半透明の半透膜202は、外部の口腔環境から容器の槽201内の内容物を分離する。容器の槽201内の内容物は、コンプライアンスを監視する全面的な方策によって決まる。一実施態様では、内容物は、容器の槽201から膜202を通って、外部の環境の中へ、外へと拡散する。例えば、内容物は、槽201から膜202を通って、外部の口腔環境の中へ拡散する食品医療薬品局(FDA)認可の可視染料であってもよい。内容物が空になる場合、内容物の色は輝度および明度が低下する。米国FDAによって人間の食物への直接添加に許可される着色剤は、アンナットエキス、ベータカロチン、ビート粉末、カンタキサンチン、カラメル色、ニンジン油、コチニールエキス(カルミン)、綿実粉、果汁、パプリカ、リボフラビン、サフラン、ターメリック、野菜ジュース、食品医薬品化粧品法(FD&C)青色1号(ブリリアントブルー)と青色2号(インジゴチン)、FD&C緑色3号(ファーストグリーンFCF)、FD&C赤色3号(エリスロシン)と赤色40号(アルラレッド)、FD&C黄色5号(タートラジン)と黄色6号(サンセットイエロー)とを含む。FDAの食品安全応用栄養センターのウェブサイト、http://www.cfsan.fda.gov/〜dms/col−toc.htmlで見られるような他の食物着色剤も同様に使用されることができる。
【0027】
別の実施態様では、外部環境からの物体は内部へ拡散し、また容器の槽201内の内容物204と反応する。例えば、外部環境からのグルコース分子は膜202を通って拡散し、内容物の中の酵素と反応し、得られた酵素生成物は内容物の中の他の反応物質と相互に作用し、色の変化をもたらす。より多くのグルコース分子が内部へ拡散するにつれて、内容物の色は明度と輝度を向上させる。都合のよい酵素系はブドウ糖酸化酵素とホースラディシュペルオキシダーゼである。最初の酵素、ブドウ糖酸化酵素は、グルコン酸と過酸化水素を形成するためにグルコースの酸化を触媒する。過酸化水素はその後、ホースラディシュペルオキシダーゼの触媒作用の下、3−3,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)と反応し、黄色のTMBを緑に変化させる。ヨウ化カリウム(緑色から茶色へ)などの他の着色剤もまた使用されてもよい。これらの酵素は槽の内側に固定化されることができる。反応速度、従って色の変化は、膜202の浸透性と、槽201の内部の反応物質の濃度と、供給の方法とを選択するステップにより制御されることができる。グルコース分子の反応速度または濃度もまた、分光学または他の分析試験によって検出されることができる。試験結果は治療へのコンプライアンスと関連付けられるであろう。
【0028】
今から図3Aおよび図3Bを参照して、表示付属装置の別の実施形態を示す。図3Aの実施形態では、多孔性のポリマー材料はシート300の上に提供される。ポリマー材料は一つ以上の容器304としてシート300に配置される。容器304は、図2A〜2Cの説明で上記に開示されたようにウェルでもよい。所定の使用期間の後、ポリマー材料は、外観を変化させ、例えば、図2B〜2Cで示されるように色または大きさのいずれかに対して変化する。他の実施態様は、多孔性のポリマー材料と同じコンプライアンス機構を利用して着色したポリマー(熱可塑性と熱硬化性の両方の材料)と合成物とを含むことができる。
【0029】
このように、図3A〜3Bのコンプライアンスインジケータは、口腔液が存在する状態で放出されるポリマーの中でカプセル化される染料になり得る。染料は、口腔液と反応し、ポリマーから放出される着色剤であってよい。ポリマーは、モノリシック構造の多孔性ポリマー(現在クロマトグラフィーで使用されている)、PVS、高内相エマルジョン(薬物放出に現在使用されているHIPEポリマー)、または任意のマクロ多孔性のポリマーなどの多孔性ポリマーであってよい。染色されたポリマーは、アライナの外部へ接合され得る小さなボタンの中に形成されるであろう。染料の喪失量は、アライナが使用されていた期間と一致するであろう。ポリマーの孔隙の大きさおよび染料の粒子の大きさが、ボタンから口腔液環境への染料の拡散速度に影響し、コンプライアンスの必要性によって、これらの要因が制御されることができる。
【0030】
多孔性ポリマーは、樹脂の重合化工程の間に「ポロゲン」を加えることにより作成される。ポロゲンはモノマーにおいて可溶性であるが、成形されたポリマーにおいては不溶性である。重合化が生じるにつれて、ポロゲンが見られる空間に孔隙が形成される。最新型の多孔性ポリマーは「高内相エマルジョン」(「HIPE」)として知られている。HIPE構造はオングストロームの孔隙直径のみを有するこれまでの多孔性の材料よりはるかに大きな孔隙直径を有する。
【0031】
別の多孔性のポリマーはクロマトグラフィーで現在使用されているモノリシック構造の多孔性のポリマーである。この硬質なマクロ多孔性のポリマーの重合化は、モノマーとポロゲンが注入される型、通常はカラムの形をとる。一般に、細孔容積は、モノリスへ加えられたポロゲンの量とほとんど等しい。
【0032】
今から図4Aおよび図4Bを参照して、表示付属装置400のボタンの実施形態を示す。この実施形態では、生分解性ポリマー材料は、歯または歯科器具のいずれかに付けられる。一定の使用期間の後に、ポリマー材料は形、大きさまたは色のいずれかを変化させ、図4Bに示されるように、生分解性ポリマー材料の容積はその後に減少される。一実施形態では、ボタンは生分解性ポリマーボタンである。ボタンは生分解性ポリマーから成型し、アライナの外部に接合させることができる。ボタンは、口腔液が常時のある状態で2週の分解期間などの所定の分解期間を有するであろう。場合によっては、ポリマーは、ボタンの分解をより可視的に表示するために着色されることもできる。大きさおよび材料は、ボタンの分解期間を決定するであろう。しかしながら、ボタンの最適な分解時間を決定するには、アライナのブラシかけ、または洗浄などの他の要因も考慮に入れられなければならないであろう。
【0033】
分解生成物はしばしば、ポリマーの生物適合性を定義する。合成生分解性ポリマーは、原料の信頼性のために自然なものより好まれる。以下は一般的な生分解性ポリマーのリストである:ポリグリコリド(PGA)、ポリラクチド(PLA)、l−ラクチド(LPLA)、ポリ(dl−ラクチド)(DLPLA)、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリジオキセタン(PDO)、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレン炭酸塩)(PGA−TMC)、およびポリオルトエステル。
【0034】
図5は、表示付属装置のさらに別の実施形態を示す。この実施形態では、器具416は粘着性の染料マトリクス412を受ける。マトリクス412は裏被膜410を使用して、一端または両端のいずれかで密閉される。マトリクス412内の物質は、器具416と被膜410との間、または二枚の裏被膜の間の側面に放出され得る。開口部418は、染料放出を促進するために、器具416および裏被膜の片側に提供されてもよい。一実施態様では、薬品を放出する経皮パッチと同様の方法で、経皮貼布が適用されてもよい。粘着性のマトリクス中の薬を埋め込んで放出する代わりに、染料が放出され、染料喪失のメカニズムは水分(口腔液)である。一実施態様では、器具着用コンプライアンスは粘着剤層の色によって示され、染料がより多く喪失するほど、着用時間はより長くなる。
【0035】
図6は、水溶解性被膜を通して着用表示が達成される、さらに別の実施形態を示す。この実施形態では、不透明な水溶性被膜420は器具または歯の上の一つ以上の着色された範囲、部位、斑点または点422を覆うように位置付けられる。点422は様々な厚みの被膜420で着色された一連の点であり得、提示された色はそれぞれ、異なる器具着用時間に対応する。点422が器具に刻み込みこまれた実施形態では、被膜420は器具の表面上に重ねられる。染料放出メカニズムは水分(口腔液)である。
【0036】
図7は、歯取付物444Aが染料を放出する合成物から作られる別の実施形態を示す。歯に接合された染料放出合成物444Aは、器具416によって覆われる。時間が経過すると、染料放出合成物444Aは、覆われていない歯取付物444Bの染料喪失と比較して、色の喪失が少ないか色の喪失がない。取付物の色はアライナの着用の時間に対応する。染料放出メカニズムは、この実施形態では水分(口腔液)である。
【0037】
さらに他の実施態様では、診断インジケータが提供されることができる。診断インジケータはコンプライアンスインジケータに対する装置構築と類似しており、容器の槽内の内容物に反応するように外部環境からの生化学検体が膜を通って拡散できる内方拡散方策を利用する。このようにして、外部環境からのバイオマーカーは膜を通して拡散し、人間の目、実験室試験、またはコンピュータ化された視覚システムによって量を計ることができる色の変化または化学変化を直接または間接的に誘発するように内容物の内部の試薬と反応する。より多くのバイオマーカーが診断インジケータの中へ拡散するにつれて、内容物の色は変化し、例えば明度および輝度が向上する。可能性のあるバイオマーカーは、酵素、pH、グルコース、塩、口腔膜、歯垢、口腔内および口腔液の量に存在可能な微生物を含む。
【0038】
図8に示される一実施形態では、コンプライアンスインジケータは時間および温度インジケータ480であってよい。インジケータ480は、口腔内(歯に直接または器具470上のいずれか)に取り付けられ、事前に選択した口腔内の温度環境になった時間を表示する。
【0039】
図9に示されるさらに別の実施形態では、着色ファイバ504を有する複数のブラシ502が、器具500に位置付けられている。ブラシ502が器具500を着用することにより徐々に腐食されるにつれて、ファイバ504内の染料または他の適切な着用の徴候は、人間または機械による視覚的検出のために提示される。あるいは、ブラシ502は、器具500上の代わりに一本以上の歯に取り付けられてもよい。
【0040】
さらに別の実施形態では、コンプライアンス表示は、人間によって容易に観察できる物理的性質、機械的性質、視覚的性質を変化させることにより人間が読めるようになる。他の実施形態では、遵守表示は機械可読である。例えば、器具を着用する間、器具の電気的特性を変える一実施形態では、電気計測はコンプライアンスの検出のためにコンピュータによって行われることができる。バイオマーカーを使用する別の実施形態では、バイオマーカーセンサを備えたコンピュータは、コンプライアンスを検出するのに適切なコンピュータプログラムと一緒に使用されることができる。さらに別の実施形態では、色の変化は、コンプライアンスを検知するコンピュータービジョンプログラムによって検出されることができる。
【0041】
機械可読の記憶媒体または一般または特殊目的用プログラム可能なコンピュータによって可読のデバイス(例えば、プログラムメモリまたは磁気ディスク)が、本明細書に説明される手順を実行するためにコンピュータによって読み込まれる場合、コンピュータプログラムはそれぞれ、コンピュータの操作を構成または制御するために、前記記憶媒体またはデバイス内に明白に格納される。創意に富んだ本システムはまた、コンピュータプログラムで構成されるコンピュータ可読の記憶媒体内に統合されるものと考慮されてもよく、そのように構成された記憶媒体により、コンピュータは、本明細書で説明された機能を実行するよう特定また所定の方法で作動できる。
【0042】
本システムおよび対応する詳細な説明の一部は、ソフトウェア、またはコンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズムおよび象徴に関して示されている。これらの記述と説明は、当業者が他の当業者に自分たちの業績の本質を効果的に伝達するものである。本明細書で使用される用語として、また一般に使用される用語としてのアルゴリズムは、望ましい結果に結びつくステップの自己矛盾がない順序と考えられる。ステップは物理量の物理的操作を必要とするステップである。通常、必ずしもというわけではないが、これらの量は、格納される、転送される、組み合わせられる、比較される、または操作され得る光信号、電気信号、または磁気信号の形式をとる。それは、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数または同等物と呼ぶことは、主に共通使用の理由からしばしば便利であると証明されている。
【0043】
しかしながら、これらおよび類似する用語はすべて適切な物理量に関連するべきであり、これらの量に適用される便宜上のラベルに過ぎないことが念頭に置かれるべきである。具体的に別途記述されている場合を除き、または、説明から明白なように、「処理するステップ」または「演算するステップ」または「計算するステップ」または「決定するステップ」または「表示するステップ」などの用語は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理量、電気量として表わされるデータを、コンピュータシステムのメモリ、レジスタ、あるいは他のかかる情報記憶、送信またはディスプレー装置内の物理量として同様に表される他のデータに操作または変換する、コンピュータシステムまたは類似の電子コンピュータデバイスの動作および処理を指す。
【0044】
前述の明細書の中で使用された用語および表現は、限定ではなく説明のための用語としてそこに使用され、かかる用語および表現を使用するにあたり、図示され、説明された特性またはその一部の相当物を除外する意図はなく、したがって、本発明の範囲は、続く特許請求の範囲によってのみ定義され限定されることが認識される。例えば、被膜または器具はコンプライアンス測定メカニズムとして開示されているが、患者へコンプライアンスを示す物質を供給するため、液滴を同様に使用することができる。コンプライアンス表示のための他の実施形態も同様に使用され得る。本発明の特定の実施形態が実例を示す目的で本明細書に説明されてきたが、当業者には、本詳細の多くの変形物が、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本発明から逸脱することなく作られてもよいことが明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−96051(P2012−96051A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−822(P2012−822)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【分割の表示】特願2008−226390(P2008−226390)の分割
【原出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(501214845)アライン テクノロジー, インコーポレイテッド (53)
【Fターム(参考)】