説明

歯科用インプラントとアバットメントの間の連結構造

本発明は、歯科用インプラント1とアバットメント2の連結構造に関する。本発明の構造は、第1の基端側開口部23および第2の先端側開口部24を備えるアバットメント2と、スクリュー3と、アバットメント2に挿入されたスクリュー3を保持するのに適したリング4とを含む。本発明の連結構造は、積極的な係合または材料を用いた連結によって、リング4がアバットメント2の第1の開口部23内に固定される点に特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用インプラントとアバットメントの間の連結構造に特に関し、特にそれは、スクリューまたはシリンダー形状の歯科用インプラントのための構造である。そのような連結構造は、患者の顎骨に埋め込まれる十分知られた歯科用インプラントと、その上に固定されるアバットメントとを含む。連結構造は、歯科用インプラントの咬合部分の円筒状開口部に差し込まれる。
アバットメントを再現可能に位置決めし、かつ回転しないように固定するために、骨に形成する受入れ部は、非回転かつ対称な輪郭形状とされ、そしてアバットメントの根元部分には、これに対応した非回転かつ対称な輪郭形状が与えられる。
歯科用インプラントの内側に雌ネジが延在している。アバットメント(ベース・スクリューとも呼ばれる)内に軸方向に保持されたスクリューを、歯科用インプラントの雌ネジにネジ係合させることによって、歯科用インプラントとアバットメントは固定される。ネジ係合によって歯科用インプラントと接続された後、スクリューの円錐状のシャフト部分は、アバットメントの先端部分の内表面と積極的に係合する(positive fit)。シャフト部分はアバットメントから突出し、当該シャフトのネジ切りされた部分が、歯科用インプラント側のネジと係合する。
このように、スクリューは、歯科用インプラントに対して軸方向にアバットメントを固定する。また、回転を防止する手段として、非回転の対称な輪郭形状が用いられる。
【背景技術】
【0002】
WO99/16293で知られた歯科用インプラントとアバットメントの連結構造は、ベアリング環で保持されたスクリューを有する。ベアリング環は、アバットメント先端の支持領域に、積極的な係合および非積極的な係合によって保持される。また、スロットを有しクランプされたベアリング環および(または)先端領域にスロットを有するアバットメントを使用することも考えられる。
【0003】
予め組み立てられたスクリューが、アバットメントのボアに下から差し込まれ、ベアリング環によって、アバットメントから落ちないように保持される。さらに、高荷重が作用した場合でもベアリング環が部分的または完全に破壊されないよう、ベアリング環をアバットメントの支持領域に保持することが必要である。
実際には、このようにして予め組み立てられたスクリューは、非常に高い負荷をかけると、アバットメントから外れることがあり、歯科用インプラントとアバットメントの強固な接続はもはや保証されない、ということが示されている。連結構造は高い引張応力にさらされるので、それが材料疲労によってもたらされる場合もある。第1の引張応力は、歯科用インプラントとの連結構造を組み立てる工程で生じる。この引張応力は、スクリューの座の領域に生じる。歯科アッセンブリ(クラウンまたはブリッジ等)を挿入する場合、咬合スクリューをアバットメント側のネジ部にネジ係合させるが、これによって第2の引張応力が生じる。
スクリューの座を形成するベアリング環に作用する荷重は、第1および第2の引張応力の和である。一般的には、第1の引張応力が第2の引張応力よりも大きい。ベアリング環およびこれに支持されるスクリューヘッドの移行域に作用するこの力は、材料疲労および(または)ベアリング環の破損を招くことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、ベース・スクリューの支持領域における大きな引張応力に耐えることができ、耐用年数が長く、機械的強度が非常に高く、コスト増なしで製造することができる、解決策を見つけることである。
【0005】
本発明の上記目的の枠組み内において、他の目的は、そこ作用する引張応力が減じられていて、破壊の危険性が最小限に抑えられたベアリング環を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上述の目的は、請求項1に記載した連結構造によって解決される。本発明の他の有利な実施形態は、従属クレームに規定される。
【0007】
アバットメントには、軸方向に形成された第1開口部が存在する。この第1開口部を通して、スクリューがアバットメント内に差し込まれる。アバットメントの第2開口部は、スクリューシャフトおよびネジ切りされたシャフトの通路として用いられる。第2開口部は、第1開口部より小さな直径および円錐形状の部分を有する。
直径の小さい第2開口部は、挿入されたスクリューがアバットメントから滑り落ちることを防止する。スクリューシャフトは、円錐形状に形成され、アバットメントの対応する円錐状の内表面に圧接する部分を有する。リングがアバットメントの基端側領域に差し込まれて、所定箇所で固定される。固定は、非積極的なものでも(non-positive)、積極的なものでもよく(positive)、あるいは材料を用いた接合であってもよい(material joint)。
アバットメントの第1開口部にリングを圧入することが特に有利であると分かった。スナップ・イン係合、ネジ係合、クリンピング、圧延、および溶接によって、リングをアバットメントの内側に固定することで、好結果が得られる。
さらに、特にスナップ・イン係合の場合に、鉛直スロット、あるいは1または2以上の拡張スロットをリングに設けることができ、それによって、リングは、挿入の際に弾性的に変形し、放たれた後、アバットメントの内表面に積極的に係合する。圧接の効果を高めるために、リングの外表面に粗面構造を設けることができる。これにより、リングが圧入されるとき、より大きな表面積をもって、アバットメントの基端側開口部の内表面に固定できる(can be keyed)。
代わりの構成として、アバットメントの表面、または両者の表面、リングおよび対応するアバットメント表面の一方を粗面に構成することも有利である。あるいは、第1開口部における対応するネジ部とネジ係合する雄ネジを、リングに設けることもできる。
【0008】
リングは、両側からアバットメントの開口部に差し込むことができるように、製造することもできる。これにより、製造は簡略化され、組立ての際に挿通方向を考慮する必要もなくなる。
他の実施形態においては、例えばクリンピングによって、アバットメントの上部にリムが形成され、これにより、アバットメントの所定位置にリングをさらに固定する。クリンピングの代わりに、リムに圧延を施すことも可能である。
さらに他の実施形態において、積極的なスナップフィット結合によって、リングをアバットメント内に固定することも可能である。ここで、アバットメントの開口部内に設けた相補的形状を有する凹部と係合するキャッチャをリングに設けてもよいし、あるいは、キャッチャをアバットメント内に形成し、相補的形状を有する凹部をリング側に設けてもよい。さらに、材料を用いた接合によって、アバットメントと一緒にリングも開口部内に溶接してもよい。この目的のため、レーザ溶接および超音波溶接が特に有利であることが分かった。
これらの溶接工程は、溶接が高速で、溶接ラインが細長く、熱的歪みが少ない点に特徴を有し、このような特徴は、歯科技術に要求される高精度を満足する。
【0009】
特定の実施形態においては、リングは、雌ネジおよび雄ネジの両方を有しており、挿入するためにリングは、アバットメントの開口部内にネジ係合される。連結構造を組み立てるため、アバットメント内にスクリューを配置する。スクリューは、基端側に配置されたリングがあるので、抜け落ちることはない。そして、歯科用インプラントは、次のような配置となる。
アバットメントがスクリューのネジ切りされたシャフトとともに、歯科用インプラントの開口部内に導入される。スクリューのネジ切りされたシャフトは、歯科用インプラントの開口部内の領域に達する。アバットメントの外表面には、当該アバットメントを回転しないよう固定する輪郭形状部が設けられる。
組立てに際して、これら輪郭形状部は、クラウン・アセンブリー上に設けた相補的な構造部と係合する。また、歯科用インプラント上に設けた相補的な構造部とも同様に係合する。アバットメント内の中央部分に形成されたキャビティが、スクリューに対して一定の遊びを与える。この遊びは、リングの下側エッジと円錐形スクリュー部分の適合によって決まり、歯科用インプラント内にスクリューが傾斜することなしにネジ係合することを許容する。
軸方向の開口部を通して連結構造を挿入した後、スクリューは、特別のネジ回し(screwdriver)を用いて歯科用インプラント内にネジ係合される。円錐形状のスクリューシャフトがアバットメント下方側の内表面上に当接するまで、アバットメントは、歯科用インプラントに向かって徐々に引き込まれる。これにより、スクリューと歯科用インプラントの引張応力に起因する力を受ける当接面が生じる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の第1実施形態による、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造の斜視図。
【図1B】図1Aの連結構造の上面図。
【図1C】図1BのA−A線における部分断面図。
【図2A】本発明の第2実施形態による、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造の斜視図。
【図2B】図2Aの連結構造の上面図。
【図2C】図2BのA−A線における部分断面図。
【図3A】本発明の第3実施形態による、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造の斜視図。
【図3B】図3Aの連結構造の上面図。
【図3C】図3BのA−A線における部分断面図。
【図4A】本発明の第4実施形態による、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造の斜視図。
【図4B】図4Aの連結構造の上面図。
【図4C】図4BのA−A線における部分断面図。
【図5A】本発明の第5実施形態による、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造の斜視図。
【図5B】図5Aの連結構造の上面図。
【図5C】図5BのA−A線における部分断面図。
【図6A】本発明の第6実施形態による、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造の斜視図。
【図6B】図6Aの連結構造の上面図。
【図6C】図6BのB−B線における部分断面図。
【図7A】閉じた実施形態におけるリングの斜視図。
【図7B】鉛直方向のスロットを備えたリングの斜視図。
【図7C】いくつかの拡張スロットを備えたリングの斜視図。
【図7D】雄ネジおよび雌ネジを備えたリングの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の更なる特徴および利点を、例示としての実施形態の機能と同様に、添付の図面を参照して以下に説明する。添付の図面は、本発明を図示するもので、詳細な説明と一緒に、本発明の基本を例示するために用いる。これにより、当業者であれば、本発明を製造し使用することが可能となる。
【0012】
本件明細書の以下の部分では、次のルールを適用する。明確化のため図面に参照番号が付されているが、それに直接関連する明細書の記述中に説明がない場合、それらは先行する図面に関連する説明を参照すべきである。
【0013】
図示を明瞭にするため、連続する複数の図面において、繰り返し現れる要素であることが明瞭に理解できる限り、当該要素の説明を繰り返し行うことはない。
【0014】
図1A〜7Cに基づいて、歯科用インプラントとアバットメントの連結構造に係る本発明の現在好ましい実施形態を説明する。本発明の連結構造は、第1および第2の開口部を備えたアバットメントと、スクリューと、アバットメントに挿入されたスクリューを保持するのに適したリングと、を備える。
【0015】
図1A〜1Cは、本発明の第1実施形態に係る、歯科用インプラント1とアバットメント2の連結構造を示している。スクリュー3(ベース・スクリューとも呼ばれる)が、アバットメント2内に保持された状態を、異なる方向から図示している。
【0016】
スクリュー3は、上方から(すなわち、第1開口部23から)、軸方向にアバットメント2に差し込まれる。スクリュー3のシャフト10およびこれと隣接するネジの切られたシャフトが、アバットメント2の第2開口部24から突き出ている。
アバットメント2は、基端側のリム9から始まって、コーン領域22へと変遷する。コーン領域22に隣接して、第1の八角形部分21が存在する。八角形部分21は、その上の構造部(supraconstruction)またはクラウン(図示せず)と係合する。
その中央部において、アバットメント2は、基端側に第1円錐形状部27を、先端側に第2の外側八角形部分28を有する。外側八角形部分28は、アバットメント2の先端部16へと変遷する。先端部16も、同じように円錐形状を為している。
より良く理解できるよう、図1Cでは、アバットメント2に軸方向に取り付けられた歯科用インプラント1を模式的に示している。アバットメント2の内部には、第1開口部23から挿入されたリング4があり、このリングは、アバットメントのリム9から円周溝26にまで延びている。リング4は、よく知られた方法で、内ネジを備えたものとして形成することができる。この内ネジは、その上に設けられる歯科用の構造部(supraconstruction)あるいはクラウンを受け入れるためのものである。
さらに、リング4は、好ましくは外ネジ15を備えることが好ましい(以下、リング外ネジとも呼ぶ)。この形態において、リングは、“ネジリング”と呼ばれ、それが機能する方法は以下に説明する。
【0017】
リング4は、第1開口23内に圧入して係合させてもよいし、または溶接(レーザまたは超音波溶接)によって所定位置に固定してもよい。リング4を圧入する場合、ネジを備えた構造をリング表面17に適用してもよく、これにより、リング4をアバットメント2内側の隣接面25へ良好に粘着することができる。隣接面25は、リング4とアバットメント2間の移行域を形成している。
リング4を溶接で固定する場合、接合箇所は、リングの上側エッジ40および(または)下側エッジ41の領域とすることが好ましい。リングの下側エッジ41には、キャビティ5が存在する。このキャビティ5は、スクリュー3のヘッド6がリング4に触れない場合に形成されて、スクリュー3を歯科用インプラント1内にネジ込むときに、一定の遊びを与える。
スクリュー3は、歯科用インプラント1の第3開口部29を通して、当該歯科用インプラント1に差し込まれる。スクリュー3の先端に設けた傾斜面8はネジ7に隣接しており、当該傾斜面8は、歯科用インプラント1に形成したネジ部(図示せず)への容易な挿入を可能とする。このプロセスで、スクリュー3のネジ7は、歯科用インプラント1のネジ部(図示せず)とネジ係合する。
スクリュー3は、その基端部(coronal end)に、係合輪郭部31を備える。係合輪郭部31に挿入されたネジ回しを用いて、スクリュー3を歯科用インプラント1にネジ係合させたとき、スクリューシャフト10の上方側にスクリューヘッドを形成する円錐状領域は、アバットメント2の接触面12に対して積極的に係合する。接触面12は、実質的にアバットメントの下側エッジ13のところまで延在する。
【0018】
図2A-2Cは、本発明の第2実施形態を示している。第2実施形態では、第1実施形態とは対照的に、アバットメント2の内側のリング4は、第1開口部23を通してアバットメント内に押し込まれ、リム9から周方向溝26まで延在している。アバットメントのコーン領域22とリム9間の移行域において、リム9は、クリンピング部(crimping)18を設けることで、アバットメント2の中心軸に向かってわずかに傾斜している。
クリンピング18の代わりに、この積極的な係合は、圧延加工(rolling)で達成することもできる。
【0019】
図3A-3Cは、本発明の第3実施形態を示している。第3実施形態では、第1実施形態とは対照的に、リング4が鉛直貫通スロット42を有する。アバットメントのリム9上では、第1開口部23の領域に、面取部22Aを設けている。面取部22Aは、アバットメント・キャッチャ22Bのところまで延在する。
アバットメント2内に固定するため、リング4は最初に、第1開口部23と同じ直径か、それよりも少し小さくなるよう圧縮されて、開口部23内にフィットされる。この圧縮によってリング4内に生じた圧力によって、リング4は、先端に向かってアバットメント・キャッチャー22Bを通過した後拡径し、アバットメント2の内側表面上の所定位置にしっかりと固定される。
【0020】
図4A-4Cは、本発明の第4実施形態を示している。第4実施形態は、第1実施形態とは対照的に、リング4が2またはそれ以上の拡張スロット43を備えている。リング4は、固定のためアバットメント2内に圧入される。リング4が第1開口部23内でアバットメントの凹部22Cに到着すると、リング4は拡張スロット43内に入り込んで、所定位置にスナップ係合し、リング・キャッチャ45がアバットメントの凹部22C内に位置する。
【0021】
図5A-5Cは、本発明の第5実施形態を示している。第5実施形態は、第1実施形態と同様に、リング4は連続的な構造とされている。しかしながら、第1実施形態とは対照的に、コーン領域22および第1の外部八角形部分21によって形成された基端側アバットメント部分には、対称に並ぶ幾つかの拡張スロット21.1、21.2、21.3、21.4が設けられている。これにより、アバットメントの基端側部分は、対称に並ぶ幾つかのセグメント22.1、22.2、22.3、22.4に分割されている。
リング4は、固定のためアバットメント2内に圧入され、それにより、リング4全体が凹部とともにアバットメント・キャッチャ22Bを通過するポイントまで、対称に並ぶセグメント22.1、22.2、22.3、22.4およびリング4が拡張する。このポイントにおいて、前に拡張したセグメント22.1、22.2、22.3、22.4が再び狭くなって、リング4をアバットメント2内に固定する。リング4の挿入を容易にするため、アバットメントのリム9とアバットメント・キャッチャ22Bの間に面取部22Aが形成されている。
また、図5A-5Cの実施形態に対して、図3A-3Cあるいは図7の実施形態における鉛直スロットを組み合わせることも可能である。
【0022】
図6A-6Cは、本発明の第6実施形態を示している。第6実施形態は、第1実施形態と同様に、リング4は連続的に構成されている。リング4は、雌ネジ11および雄ネジ15を備える。アバットメント2の第1開口部23に形成された雌ネジ14は、リム9の位置から始まって、下方へ周方向溝26まで延在している。周方向溝26は、アバットメント2の内部の中央に形成されている。
リング4は、アバットメントの雌ネジ14に積極的にネジ係合し、そのとき、周方向溝26は、リング4が先端方向に向かって過剰にネジ係合が進むのを防止する。リングの雌ネジ11および雄ネジ15は、同じ方向に作用することが有利である。
【0023】
図7Aは、リング4を完全に図示している。この実施形態において、リング4はチューブ形状の要素を含み、当該要素の上端エッジ40は、雌ネジ11に対するスレッドショルダ(thread shoulder)を構成する。リングの下端エッジ41には、雌ネジ11の相補的なスレッドショルダが存在する。雌ネジ11は、リング4の内表面全体に渡って形成されている。
リングの外表面は、スムーズに構成するか、あるいは、ネジ係合操作中に放されるのを防ぐ構造部を設けることができる。当該構造部は、溝、ローレット、ネジまたはマイクロネジの形態が可能であり、粗さを伴う他の構造も採用可能である。
【0024】
図7Bは、この位置で開口した鉛直貫通スロット42を備えるリング4を示している。このリング4もまた、チューブ形状の要素であって、内表面全体に渡って形成された雌ネジ11を有する。
【0025】
図7Cは、拡張スロット43を幾つか備えるリング4を完全に図示している。拡張スロット43は、対称に並んでいて、リングの中央部分にまで延在している。
【0026】
図7Dは、全表面に形成された雌ネジ11および雄ネジ15を備えるリング4を完全に図示している。
【0027】
いずれかの請求項において、技術的特徴に参照数字を付している場合、それは当該請求項の理解を高めるために含めたものに過ぎない。したがって、それら参照数字は、請求範囲を狭めるものではない。
【符号の説明】
【0028】
1 歯科用インプラント
2 アバットメント
3 スクリュー(またはベース・スクリュー)
4 リング
5 キャビティ
6 スクリューヘッド
7 ネジ付きシャフト
8 傾斜面
9 アバットメントのリム
10 スクリューシャフト
11 リングの内ネジ
12 接触面
13 アバットメントの下端エッジ
14 アバットメントの雌ネジ
15 リングの外ネジ
16 先端部
17 リング表面
18 クリンピング
21 第1の外部八角形部分
21.1 1番目の拡張スロット
21.2 2番目の拡張スロット
21.3 3番目の拡張スロット
21.4 4番目の拡張スロット
22 コーン領域
22A 面取り部分
22B アバットメント・キャッチャ
22C アバットメントの凹部
22.1 1番目のセグメント
22.2 2番目のセグメント
22.3 3番目のセグメント
22.4 4番目のセグメント
23 第1開口部
24 第2開口部
25 アバットメントの隣接表面
26 周方向溝
27 第2の円錐形状部分
28 第2の外部の八角形部分
29 第3開口部
31 係合輪郭部
32 第2の円錐形状部分
40 リングの上端エッジ
41 リングの下端エッジ
42 鉛直スロット
43 拡張スロット
45 リング・キャッチャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基端側開口部(23)および第2の先端側開口部(24)を備えるアバットメント(2)と、スクリュー(3)と、アバットメント(2)に挿入されたスクリュー(3)を保持するのに適したリング(4)とを含み、
積極的でない係合、積極的な係合または材料を用いた連結によって、リング(4)がアバットメント(2)の第1の開口部(23)内に固定されることを特徴とする、歯科用インプラント(1)とアバットメント(2)の連結構造。
【請求項2】
上記リング(4)は、アバットメント(2)の第1開口部(23)内に圧入されて、積極的に係合することを特徴とする、請求項1記載の連結構造。
【請求項3】
上記アバットメント(2)が基端側に配置されたリム(9)を備えていることを特徴とする、請求項2記載の連結構造。
【請求項4】
上記アバットメントのリム(9)は、クリンピングによって形成されていることを特徴とする、請求項3記載の連結構造。
【請求項5】
上記アバットメントのリム(9)は、圧延によって形成されていることを特徴とする、請求項3記載の連結構造。
【請求項6】
上記アバットメントのリム(9)は、クリンピングおよび(または)圧延によって形成されていることを特徴とする、請求項3記載の連結構造。
【請求項7】
上記リング(4)が、アバットメント(2)の第1開口部(23)にネジ係合されて積極的に係合する雄ネジ(15)を備えることを特徴とする、請求項1記載の連結構造。
【請求項8】
上記リング(4)が、アバットメント(2)の第1開口部(23)内にスナップフィットにより積極的に係合していることを特徴とする、請求項1記載の連結構造。
【請求項9】
上記スナップフィットによる接続は、アバットメント(2)内のキャッチャ(22B)によって提供されることを特徴とする、請求項8記載の連結構造。
【請求項10】
上記スナップフィットによる接続は、アバットメントの凹部(22C)およびリング(4)のキャッチャ(45)によって提供されることを特徴とする、請求項8記載の連結構造。
【請求項11】
上記リング(4)が鉛直スロット(42)を備えていることを特徴とする、請求項2または8記載の連結構造。
【請求項12】
上記リング(4)が2またはそれ以上の拡張スロット(43)を備えていることを特徴とする、請求項2または8記載の連結構造。
【請求項13】
上記アバットメント(2)の基端側に、1または2以上の拡張スロット(21.1、21.2、21.3、21.4)を備えたことを特徴とする、請求項2または8記載の連結構造。
【請求項14】
上記リング(4)が、材料を用いた接合によって、アバットメント(2)の第1開口(23)内に溶接されていることを特徴とする、請求項1記載の連結構造。
【請求項15】
レーザ溶接または超音波溶接によって、上記リング(4)が溶接されることを特徴とする、請求項14記載の連結構造。
【請求項16】
リング(4)の表面(17)および(または)アバットメント(2)の第1開口部(23)に隣接する表面(25)に、構造部を備えることを特徴とする、請求項1〜6に記載の連結構造。
【請求項17】
上記構造部が、溝、ローレット、ネジまたはマイクロネジであることを特徴とする、請求項16記載の連結構造。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【公表番号】特表2010−538782(P2010−538782A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525329(P2010−525329)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062312
【国際公開番号】WO2009/037260
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(505104836)シュトラウマン・ホールディング・アクチェンゲゼルシャフト (18)
【氏名又は名称原語表記】STRAUMANN HOLDING AG
【Fターム(参考)】