歯科用テンプレートを作製するためのシステムおよび方法
【課題】患者の歯を、歯が最適に機能し、審美的に満足である位置に移動させること。
【解決手段】患者の歯に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートを作製する方法であって、以下の工程:患者の歯のモデルを作製する工程;歯のモデル上の所定の位置に対象物を加える工程;および該対象物を該患者の歯に位置付けるように、該歯科用テンプレートを作製する工程、を包含する。1つの局面において、歯科用テンプレートは、全体として全ての対象物が、使用者が規定した理想的な配置に並べられるように配向された患者の歯の上に対象物を位置付けることを支持する。テンプレートを作製するための方法が、開示され、この方法は、患者の歯をデジタル化する工程;仮想的な対象物をデジタル化された歯の上の所定の位置に加える工程;および患者の歯の上に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製する工程を包含する。
【解決手段】患者の歯に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートを作製する方法であって、以下の工程:患者の歯のモデルを作製する工程;歯のモデル上の所定の位置に対象物を加える工程;および該対象物を該患者の歯に位置付けるように、該歯科用テンプレートを作製する工程、を包含する。1つの局面において、歯科用テンプレートは、全体として全ての対象物が、使用者が規定した理想的な配置に並べられるように配向された患者の歯の上に対象物を位置付けることを支持する。テンプレートを作製するための方法が、開示され、この方法は、患者の歯をデジタル化する工程;仮想的な対象物をデジタル化された歯の上の所定の位置に加える工程;および患者の歯の上に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製する工程を包含する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2004年3月4日に出願された米国特許出願10/794,324号、および2004年3月4日に出願された米国特許出願第10/794,325号(これらは、2003年2月26日に出願された米国特許出願第10/375,223号の一部継続出願である)からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、歯科矯正学の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
歯科矯正学における1つの目的は、患者の歯を、歯が最適に機能し、そしてまた審美的に満足である位置に移動させることである。従来の器具(例えば、ブレスおよびワイヤ)は、歯科矯正医または適切に訓練された歯科医のような処置提供者によって、患者の歯上に位置付けられ得る。一旦、歯に取り付けられると、ハードウェアは、歯に連続的な力を及ぼし、次第に歯をそれらの理想の位置に押しやる。経時的に、処置提供者は、歯をそれらの最終の行き先に向けて移動させるために、ブレスおよびワイヤを調節する。
【0004】
歯科矯正ブラケットは、しばしば、患者の歯に直接結合される。代表的に、少量の接着剤が、各ブラケットの基部に配置され、次いでブラケットが、選択された歯に配置される。接着剤が硬化される前に、ブラケットは、歯の所望の位置へと誘導される。一旦接着剤が硬化すると、ブラケットは、処置が進行したときのその後の歯科矯正力に耐えるのに十分な力で歯に結合される。この技術を用いる1つの欠点は、重度に混雑した歯または結合表面が、顎を閉じる間に対向する歯列弓における歯によって妨害される歯における、ブラケットの配置のために最適な表面にアクセスすることの困難性である。後方の歯について、処置提供者は、歯の表面に対してブラケットの正確な位置を見ることの困難性を有し得る。結合手順を実施するための必要とされる時間は、患者および処置提供者の両方にとって厄介であり得る。また、患者の唾液からの水分混入物を最小化する必要性は、手順を長くさせ、そしてまた歯へのブラケットの配置の正確性を過度に損ない得る。これらの因子の全てが、最終的な接着剤の結合が処置の間、歯上にブラケットを保持するのに十分な力を有さない可能性を増加する。直接的なブラケットの配置の制限のいくつかを克服するための1つの方法は、間接的な結合である。代表的に、患者の歯の歯列弓の各々の型穴(impression)がとられ、そしてレプリカプラスターまたは「ストーン(stone)」モデルが各型穴から作製され、そしてシールされる。ブラケットが、一時的なセメントを使用して、シールされたストーンモデルに結合される。次いで、モデルとモデル上のブラケットとの両方の上に、マトリクス材料を配置することによって、移動トレーが作製される。例えば、加熱されたプラスチックシートマトリクス材料が、モデルおよびブラケットの上に配置され得、次いで、圧力下にされ得る。次いで、プラスチックシート材料が、所望の位置にブラケットを有するストーンモデルのレプリカの歯の形状に正確に一致する構成をとる。次いで、プラスチック材料は、冷却および硬化されて、トレーを形成する。一時的な接着剤を除去し、そして永久的な接着剤を、トレーの各ブラケットの基部に配置し、次いで、埋め込まれたブラケットを有するトレーを、患者の歯の歯列弓の一致する部分の上に配置する。トレーの内面の構成が患者の歯の歯列弓のそれぞれの部分に密接に一致するので、各ブラケットは、最終的に、ストーンモデル上の同じブラケットの以前の位置に対応する同じ位置に正確に、患者の歯上に位置付けられる。接着剤は、硬化され、そしてマトリクス材料が、除去され、所望の位置にブラケットを残す。しかし、この方法は、労働集約的である。間接的な方法を用いるさらなる問題は、ブラケットが、歯科歯列弓からのマトリクスの除去の間に取り外され得ることである。重度に屈曲した歯またはブラケットが配置され得ないように対向する歯列弓で妨害する歯の場合における、最適な配置のための歯の表面への適切なアクセスの問題もまた、取り組まれていない。
【0005】
特許文献1(本発明の譲受人に対して同一人に譲渡された)に記載されるような新たな方法によって、処置が、先に計画され得、そして複数のポリマー性シェル器具が、処置の始めに作製される。ポリマーシェル器具の使用は、より快適で;あまり見えず;そして患者によって取り外し可能な処置を提供し、そして患者のコンプライアンス、快適性、および満足を大きく改善する。
【0006】
各患者が固有であり、時々、カスタマイズされた処置を必要とするので、患者は、ブレス/ワイヤおよびシェル器具の組合せを利用する必要があり得る。理想的には、デバイスは、マトリクスの除去の際にブラケットをずらす危険を最小限にして、歯上にブラケットの正確な配置を可能し、隣接する幾何学的形状とは独立して、最終の配置を可能にする。言い換えると、不明瞭な歯の表面の配置は、歯の表面が、重度に重なった歯が最初に混雑していないことによって曝露される場合に、後に、達成され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,975,893号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、以下の項目1〜31が提供され、上記目的が達成される。
【0009】
(項目1)
患者の歯に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートを作製する方法であって、以下の工程:
患者の歯のモデルを作製する工程;
歯のモデル上の所定の位置に対象物を加える工程;および
該対象物を該患者の歯に位置付けるように、該歯科用テンプレートを作製する工程、
を包含する、方法。
【0010】
(項目2)
項目1に記載の方法であって、前記歯のモデルをスケーリング(scaling)する工程をさらに包含する、方法。
【0011】
(項目3)
項目2に記載の方法であって、元の歯のモデルの上に、前記スケーリングされた歯のモデルを重ねる工程をさらに包含する、方法。
【0012】
(項目4)
項目3に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされた歯のモデル上に仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0013】
(項目5)
項目3に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされた歯のモデルに、所定の配置および方向で、仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0014】
(項目6)
項目3に記載の方法であって、前記歯のモデルを前記スケーリングされた歯のモデルから除去して、仮想的な器具を形成する工程をさらに包含する、方法。
【0015】
(項目7)
項目1に記載の方法であって、歯肉ラインにおいて、歯肉ラインの下で、または歯肉ラインに沿って、デジタル化された構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0016】
(項目8)
項目1に記載の方法であって、隣接する歯と近接して接触する構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0017】
(項目9)
項目1に記載の方法であって、前記歯のモデルが、物理的モデルまたはデジタルモデルのいずれかである、方法。
【0018】
(項目10)
項目1に記載の方法であって、作製する工程が、迅速原型作製法(rapid prototyping method)を使用して、物理的歯科用テンプレートを与える工程を包含する、方法。
【0019】
(項目11)
患者の歯に歯科矯正対象物を配置する方法であって、以下の工程:
該患者の歯をデジタル化する工程;
該デジタル化した歯の所定の位置に仮想的な対象物を加える工程;
患者の歯に歯科矯正ブラケットを配置するように、テンプレートを作製する工程;
該患者の歯に該テンプレートを配置する工程;
該テンプレートと該歯との間に、該歯科矯正対象物をマウントする工程;および
該歯科矯正対象物を該歯に結合する工程、
を包含する、方法。
【0020】
(項目12)
項目11に記載の方法であって、前記デジタルの歯をスケーリングする工程をさらに包含する、方法。
【0021】
(項目13)
項目12に記載の方法であって、前記デジタルの歯の上に、前記スケーリングされたデジタルの歯を重ねる工程をさらに包含する、方法。
【0022】
(項目14)
項目13に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされたデジタルの歯に、前記仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0023】
(項目15)
項目13に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされたデジタルの歯に、所定の位置および配向で前記仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0024】
(項目16)
項目13に記載の方法であって、前記スケーリングされたデジタル化された歯から前記デジタル化された歯を除去して、仮想的な器具を形成する工程をさらに包含する、方法。
【0025】
(項目17)
項目11に記載の方法であって、歯肉ラインにおいて、歯肉ラインの下で、または歯肉ラインに沿って、デジタル化された構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0026】
(項目18)
項目11に記載の方法であって、隣接する歯と直接的に近位間で接触するか、または望ましくなく近位にあるデジタル化された構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0027】
(項目19)
項目11に記載の方法であって、頬構造、歯肉構造、または舌の構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0028】
(項目20)
項目11に記載の方法であって、作製する工程が、迅速原型作製法を使用して、物理的歯科用テンプレートを与える工程をさらに包含する、方法。
【0029】
(項目21)
歯科矯正対象物を患者の歯に配置する方法であって、以下の工程:
該患者の歯をデジタル化する工程;
該デジタル化した歯の所定の位置に仮想的な対象物を加える工程;
患者の歯に歯科矯正ブラケットを配置するように、テンプレートを作製する工程;
該テンプレートに該歯科矯正対象物を配置する工程;
該歯科矯正対象物を含むテンプレートを、該患者の歯上に挿入する工程;および
該歯科矯正対象物を該歯に結合する工程、
を包含する、方法。
【0030】
(項目22)
歯科矯正結合テンプレートであって、患者の歯の上に挿入されるように成形された複数の空洞(cavity)を有するシェルを備え、該シェルが、該シェルの開口部の上に配置された歯科矯正デバイスを受容するように適合された少なくとも1つの開口部を有する、歯科矯正結合テンプレート。
【0031】
(項目23)
項目22に記載のテンプレートであって、前記シェルが、ポリマーである、テンプレート。
【0032】
(項目24)
項目22に記載のテンプレートであって、前記歯科矯正デバイスを前記シェルに固定するために、前記開口部上に曲線の縁部をさらに備える、テンプレート。
【0033】
(項目25)
項目22に記載のテンプレートであって、前記歯科矯正デバイスが、ブラケットである、テンプレート。
【0034】
(項目26)
項目22に記載のテンプレートであって、前記シェルが、複数の可撓性の連結された空洞を備え、関節状(articulable)である、テンプレート。
【0035】
(項目27)
項目26に記載のテンプレートであって、前記シェルが、直接作製される、テンプレート。
【0036】
(項目28)
項目26に記載のテンプレートであって、前記シェルが、間接的に作製される、テンプレート。
【0037】
(項目29)
項目22に記載のテンプレートであって、前記テンプレートが、非関節状のユニットである、テンプレート。
【0038】
(項目30)
項目22に記載のテンプレートであって、前記開口部が、結合剤が前記歯の所定の領域に適用され得るようなウィンドウを備える、テンプレート。
【0039】
(項目31)
患者の歯上に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートを作製する方法であって、以下の工程:
該患者の歯をデジタル化する工程;
仮想的な対象物を、該デジタル化された歯上の所定の位置に加える工程;および
該患者の歯上に該対象物を位置付けるように、該歯科用テンプレートを作製する工程、を包含する、方法。
【0040】
(要旨)
1つの局面において、歯科用テンプレートは、全体として全ての対象物が、使用者が規定した理想的な配置に並べられるように配向された患者の歯の上に対象物を位置付けることを支持するために開示される。また、テンプレートを作製するための方法が、開示される。この方法は、患者の歯をデジタル化する工程;仮想的な対象物をデジタル化された歯の上の所定の位置に加える工程;および患者の歯の上に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製する工程を包含する。
【0041】
別の局面において、歯科用テンプレートは、全体として全ての対象物が、使用者が規定した理想的な配置に並べられるように配向された患者の歯の上に対象物を位置付けることを支持するために開示される。また、テンプレートを作製するための方法が、開示される。この方法は、患者の歯をデジタル化する工程;仮想的な対象物をデジタル化された歯の上の所定の位置に加える工程;および患者の歯の上に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製する工程を包含する。この歯科用テンプレートは、患者の歯において所定の傾斜または所定の角度で各対象物を位置付けるように設計される。このテンプレートは、エッチングするためまたはブラケットを歯上に位置付けるために使用され得る。
【0042】
別の局面において、対象物を患者の歯上に位置付け、歯を最初の位置から標的位置に移動させるための歯科用テンプレートを作製するためのシステムおよび方法が開示される。このシステムは、最初の位置において患者の歯のモデルをデジタル化し;対象物を歯モデル上の標的位置に配置し;最初の位置における対象物の位置を決定し;そして患者の歯に対象物を位置付けるように、歯科用テンプレートを作製する。
【0043】
別の局面において、患者の歯上にブラケットを位置付けるための方法は、最初の歯の位置で患者の歯をデジタル化する工程;歯の最終位置を決定する工程;ブラケットを最終的な歯の位置に配置する工程;最終的な歯の位置のブラケットの位置に基づいて、最初の歯の位置のブラケットの位置を決定する工程;および患者の歯上にブラケットを取り付けるように歯科用器具を作製する工程を包含する。
【0044】
上記局面の実行は、以下の1つ以上を含み得る。対象物は、ブラケットであり得、そしてブラケットは、そのスロット内に位置付けられて、歯科矯正ワイヤを受容する。この方法は、複数のブラケットを患者の歯の標的位置に位置付ける工程であって、各々のブラケットが、歯科矯正ワイヤを中を通して受容するように適合されたスロットを有する、工程;および標的位置におけるワイヤの歪みを最小化するようにブラケットを整列させる工程を包含する。標的位置におけるワイヤは、アーチ形状であり、そして最初の位置のワイヤは、不規則である。この方法は、対象物の位置を相互作用的に調節する工程を包含する。この方法はまた、理想的な配置からの対象物の逸脱を決定する工程およびこの逸脱を最小化するように、対象物の位置を反復的に調節する工程を包含する。作製は、迅速原型作製法(rapid prototyping method)を使用して、物理的歯科用テンプレートを与える工程を包含する。この対象物は、歯科用テンプレートに埋め込まれ得るか、または歯上に結合される前に、歯科用テンプレートの開口部に挿入され得る。標的位置におけるワイヤは、アーチ形状であり、一方、最初の位置のワイヤは、不規則である。テンプレートは、複数の可撓性の連結された空洞を有して、関節状(articulable)である。テンプレートは、取り外し可能な器具および固定器具の組合せを使用して、歯を処置するために使用され得る。固定器具は、歯列弓(歯列弓の一部)または歯列弓全体の上の2つ以上の歯を覆う。固定器具はまた、患者の歯の舌側に位置付けられ得る。
【0045】
なお別の局面において、対象物を患者の歯上に位置付け、歯を最初の位置から標的位置に移動させるための歯科用テンプレートを作製するための装置は、最初の位置の患者の歯のモデルをデジタル化するためのスキャナー;標的位置において歯のモデル上に対象物を配置するための手段;最初の位置の対象物の位置を決定するための手段;および患者の歯に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製するための機械を備える。
【0046】
上記局面の実施は、以下の1つ以上を含み得る。機械は、迅速プロトタイピング機であり得る。この装置は、理想の配置からの対象物の逸脱を決定するための手段およびこの逸脱を最小化するためにこの対象物の位置を反復的に調節するための手段を備え得る。
【0047】
テンプレートの利点としては、以下の1つ以上が挙げられ得る。テンプレートが、エッチングするためまたは歯上にブラケットを位置付けるために使用され得る。処置は、視覚的になされ得、そしてブラケットの配置は、取り外し可能なガイドであるテンプレートデバイスを使用してなされ得る。このデバイスは、ブラケットの正確な配置を可能にし、そして全体的な歯列弓の幾何学的形状とは独立して特定の歯の上にブラケットの配置を可能にする。テンプレートによって、あまり十分な訓練を受けていない人または訓練されていない人が、ブラケットを結合することが容易にされる。このシステムは、距離および角度の認識におけるバリエーションを最小化する。テンプレートは、ブラケットの配置に対して非常に正確な制御を提供する。ブラケットの配置が首尾良い処置に対する重要な変数の1つであるので、テンプレートは、患者間および歯間の処置の正確性を改善する。
【0048】
テンプレートの他の利点としては、以下の1つ以上が挙げられ得る。歯科矯正テンプレートの必要なデジタル表示を形成するために使用される、方法、工程、およびアルゴリズムは、上記される。さらなる特徴、本体、または成分データファイルは、前記テンプレートを形成するために使用された歯ファイルに加えて使用され得る。上記作製方法の要素または概念は、混合されても、結び付けられてもよい。すなわち、ファイルはまた、1つの方法からのいくつかの工程および1つ以上の他の方法からの他の工程を使用することによって作製され得る。
【0049】
テンプレートは、ブラケットの基礎が設計されたノルム(norm)からの歯表面のバリエーションに関わらず、標準化されたブラケットが、歯に正確に位置決めされることを可能にする。処理は、バーチャルに実施され得、ブラケットの配置は、除去可能なガイドであるテンプレートデバイスを使用して実施され得る。このデバイスは、ブラケットの正確な配置を可能にし、全体的な歯列弓形状に依存せず、特定の歯に対するブラケットの配置を可能にする。テンプレートは、あまり熟練していない人または全く熟練していない人が、ブラケットを結合することを容易にする。システムは、知覚距離および知覚角度のバリエーションを最小にする。テンプレートは、ブラケットの配置に対する非常に正確な制御を提供する。ブラケット配置が、首尾よい処理に対する重大な変数の1つであるので、テンプレートは、患者間および歯間で、処理精度を改善する。
【0050】
デバイス自体は、従来の間接的結合(IDB)テンプレートを備えるようなブラケットを必ずしも備えなくてもよいが、ブラケットが、形状適合に基づいて配置されるべき正確な位置に関してユーザを指向する。
【0051】
テンプレートの他の利点としては、以下の1つ以上が挙げられ得る。テンプレートは、歯に対してブラケットをエッチングするか、または位置決めするために使用され得る。処理は、バーチャルに実施され得、ブラケットの配置は、除去可能なガイドであるテンプレートデバイスを使用して実施され得る。このデバイスは、ブラケットの正確な配置を可能にし、全体的なアーチ形状に依存せず、特定の歯に対するブラケットの配置を可能にする。テンプレートは、あまり熟練していない人または全く熟練していない人が、ブラケットを結合することを容易にする。システムは、知覚距離および知覚角度のバリエーションを最小にする。テンプレートは、ブラケットの配置に対する非常に正確な制御を提供する。ブラケット配置が、首尾よい処理に対する重大な変数の1つであるので、テンプレートは、患者間および歯間で、処理精度を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、歯科用テンプレートを製造し、患者の歯に対して対象物を位置決めするための例示的な方法またはプロセスを示す。
【図2A】図2Aは、患者の歯に対して歯科矯正対象物を配置するための例示的な方法またはプロセスを示す。
【図2B】図2Bは、患者の歯に対して歯科矯正対象物を配置するための第2の方法を示す。
【図3A】図3Aは、歯科用テンプレートを製造するための例示的なプロセスを示す。
【図3B】図3Bは、4つの可能なテンプレートを提供するためのプロセスを示す。
【図4−1】図4−1は、種々のテンプレートの斜視図を示す。
【図4−2】図4−2は、種々のテンプレートの斜視図を示す。
【図5】図5Aおよび5Bは、関節付きテンプレートの2つの実施形態を示す。
【図6A】図6Aは、患者の歯に対象物を位置決めし、初期位置から標的位置まで歯を動かすための歯科用テンプレートを製造するためのプロセスを示す。
【図6B】図6Bは、最終位置で歯に対して位置決めされたブラケットの例を示す。
【図6C】図6Cは、ユーザが歯を各処理段階で可視化し得る、例示的なユーザインターフェースを示す。
【図6D】図6Dは、初期位置に戻される場合の例示的ブラケットを示す。
【図7】図7は、対象物を歯に取り付けるプロセスのダイヤグラムである。
【図8】図8は、ワイヤを歯に適合させるプロセスのダイヤグラムである。
【図9】図9は、アタッチメント配置に対するワイヤのマーキングを示すダイヤグラムである。
【図10】図10は、歯科用テンプレートを使用するアタッチメントマウンティングを示すダイヤグラムである。
【図11】図11A〜11Cは、歯におけるブラケット基部の制御された配置を可能にする1つの実施形態を示す。
【図12】図12A〜12Bは、所望される角形成および/または傾斜を有して、歯に対して歯科矯正対象物を位置決めするための他の実施形態を示す。
【図13】図13は、所定の角形成および/または傾斜を有して、任意の3D位置に歯科矯正対象物を位置決めするためのプロセスの例示的なフローチャートである。
【図14】図14は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図15】図15は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図16】図16は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図17】図17は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図18】図18は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図19】図19は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図20】図20は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図21】図21は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図22】図22は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図23】図23は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図24】図24は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図25】図25は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図26】図26は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図27】図27は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図28】図28は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図29】図29は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図30】図30は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図31】図31は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図32】図32は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図33】図33は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図34】図34は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図35】図35は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図36】図36は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図37】図37は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図38】図38は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図39】図39は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図40】図40は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図41】図41は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図42】図42は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図43】図43は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図44】図44は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図45】図45は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図46】図46は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(説明)
図1は、患者の歯に対象物を位置決めするための歯科用テンプレートを製造する例示的な方法またはプロセスを示す。まず、プロセスは、患者の歯をデジタル化する(10)。次に、仮想的な対象物が、このデジタル化された歯上の前もって決定された位置に追加される(12)。最後に、プロセスは、患者の歯上に対象物を配置するための歯科用テンプレートを製造する(14)。図1の1つの詳細な実行が、以下の図3Aおよび3Bに記載される。
【0054】
図2Aは、患者の歯上に歯科矯正対象物を配置するための例示的な方法またはプロセスを示す。このプロセスは、図1のプロセスにおいて製造されたテンプレートを使用する。このプロセスは、以下の工程を包含する:患者の歯にテンプレートを配置する工程(20);テンプレートと歯との間に歯科矯正対象物をマウントする工程(22);および歯にこの歯科矯正対象物を結合する工程(24)。結合操作において、化学硬化性接着剤または光硬化性接着剤が、使用され得る。化学硬化において、別々に供給された硬化成分が、一緒に混合され、わずかな量の混合物が、ブラケットの後に配置され、その後、歯上にブラケットを配置する。光硬化性接着剤は、一旦接着剤が、十分な量の光に曝されると、硬化反応を開始する光開始剤を含有する。直接結合のための光硬化性接着剤を使用する共通の方法は、ブラケットの底に少量の接着剤を配置する工程、および、次いで、患者の歯にこのブラケットを配置する工程、を包含する。次いで、開業医は、必要とされ得るように、歯上でブラケットを移動する。一旦、ブラケットが、その正確な意図される位置になると、歯の硬化ユニットからの光は、接着剤を十分に硬化するために十分な期間、接着剤の方に指向される。
【0055】
図2Bは、患者の歯上に歯科矯正対象物を配置する第2の方法を示す。このプロセスにおいて、歯科矯正対象物は、テンプレート上に配置される(30)。次に、このプロセスは、患者の歯上にこの歯科矯正対象物を含むテンプレートを挿入する工程を包含する(32)。最後に、このプロセスは、歯に歯科矯正対象物を結合する工程を包含する(34)。
【0056】
図3Aは、歯科用テンプレートを製造する例示的プロセスを示す。まず、患者の歯のデジタルモデルが得られる(102)。デジタルモデルは、種々の方法において得られ得る。例えば、患者の歯は、周知の技術(例えば、X線、三次元的X線、コンピューター補助断層撮影画像またはデータセット、磁気共鳴画像など)を使用して、走査され得るかまたは画像化され得る。種々の範囲取得システムが存在し、これらは、一般的に、取得のプロセスが、三次元対象物との接触を必要とするかどうかによって分類される。接触型の範囲取得システムは、プローブを使用し、複数の程度の並進自由度および/または回転自由度を有する。サンプル表面を越えて引かれる場合プローブの物理的変位を記録することによって、サンプル対象物のコンピューター読み取り可能表示が作製される。非接触型の範囲取得デバイスは、反射型システムまたは透過型システムのいずれかであり得る。種々の反射型システムが用いられている。これらの反射型システムのいくつかは、非光学的入射エネルギー源(例えば、マイクロ波レーダーまたはマイクロ波ソナー)を使用する。他のものは、光学的エネルギーを使用する。反射された光学的エネルギーによって作動するこれらの非反射型システムは、実施されるべき特定の測定技術を可能にするように構成された特殊な装置(例えば、画像化レーダー、三角測量およびインターフェロメトリー)をさらに備える。
【0057】
次に、仮想的なブラケットが選択される(104)。仮想的なブラケットは、現存するブラケットの3Dモデルである。3Dモデルは、コンピューター支援設計(CAD)モデルであり得るか、または、上記のスキャナーを使用してスキャンされ得る。ブラケットは、デジタル化された歯上に、適切なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)および画像を見、そして改変するために適切なソフトウェアを有する、コンピューターまたはワークステーションを使用して位置決めされ得る。上記の成分同定および成分操作ソフトウェアは、操作者の熟練レベルに比例した複雑さで操作されるように設計される。例えば、成分操作ソフトウェアは、歯科矯正の熟練を有さないコンピューター操作者を、歯の許容操作および禁制操作に関するフィードバックを提供することによって、補助し得る。他方、口内生理学および歯移動動力学においてより高い熟練を有する歯科矯正医は、ツールとして成分同定および操作ソフトウェアを単純に使用し、アドバイスを抑止するか、またはそうでなければ無視する。
【0058】
方法は、デジタルデータのコンピューター操作を頼みにし、その一方で、歯科用テンプレートまたは器具は、非コンピューター補助技術によって作成され得る。例えば、上記されるように得られる硬膏剤キャストは、ナイフ、鋸子または他の切断ツールを使用して切断され、キャスティング内の個々の歯の再位置決めを可能にする。次いで、ばらばらにされた歯は、ソフトワックスまたは他の延性材料によって適所に保持され得、次いで、複数の中間の歯配列が、患者の歯の改変された石膏剤キャスティングのようなものを使用して調製され得る。異なる配置は、圧力成型技術および真空成型技術を使用してテンプレートを調製するために使用され得る。本発明の器具システムのこのような手での作成が、一般的にあまり好ましくない、その一方で、このように作成されたシステムは、本発明の範囲内に含まれる。
【0059】
CADワークステーションを使用して、仮想的ブラケットと歯とを合わせたデジタルモデルが、作成される(106)。
【0060】
1つの実行において、図3Bにより詳細に議論されるように、以下の4つのテンプレート実施形態のうちの1つが、選択され得る:直接的関節付きテンプレート、間接的関節付きテンプレート、直接的一体化されたテンプレート、および間接的一体化されたテンプレート。
【0061】
1つの実施形態において、一旦テンプレートが製造されると、システムは、患者の歯列弓のモデル上にテンプレートを取り付けるか、そうでなければ、これらのそれぞれの歯の隣接する位置にテンプレートを位置決めする。熱成型された層、キャスト層、またはそうでなければ可撓性材料の形成された層が、本体上に配置される。この層は、テンプレートの、本体との接触を、密接かつ比較的丈夫にする。これは、とりわけ、体に対する外形を加算するかまたは減算し、材料層と良好に係合することによって、達成され得る。この方法は、工場かまたは歯科矯正医の診療所のいずれかで実施され得る。
【0062】
システムは、テンプレート本体および歯内部分の両方を同時に生成し、続いて、種々の部分の剛性を変更する。これを達成する1つの方法は、3−Dプリンターを用いて歯列弓全体を生成すること、歯内部分から歯体をマスクすること、および歯体を剛性化剤を用いて埋め、可撓性を生成するための薬剤を用いて歯内部分を埋めることである。
【0063】
関節付きテンプレートが製造されるべき場合、プロセスは、108から、110まで進行し、ここで、直接形成されたテンプレートが製造される場合、プロセスは、114に進行し、ここで、各歯がスケールされ;歯科用テンプレートまたは器具が患者の歯に挿入される場合、空洞が、歯を取り囲むように形成される。次に、不必要な構造がデジタルモデルから除去される。デジタルモデルは、物理的モデルとして生成される。可撓性柔軟層が、形成され、得られた組み合わせは、適切な適合および機能を可能にするように形を整えられる。
【0064】
あるいは、間接的な形成がなされるべき場合、プロセスは、110から、アライナーを形成し、切断し、そして過剰の材料を除去する(112)。
【0065】
108から、非統合テンプレートが間接的に製造されるべき場合(116)、アライナーが、形成され、そして形を整えられる(118)。直接的に形成された非統合テンプレートの場合(116)、プロセスは、120に進行し、ここで、アーチ内の各歯がスケールされ;歯科用テンプレートまたは器具が、患者の歯の上に挿入される場合、空洞は、歯を取り囲むように形成される。次に、不必要な構造が、デジタルモデルから除去される。デジタルモデルが、物理的モデルとして生成される。
【0066】
図3Bは、4つの可能なテンプレートを提供するためのプロセスを示す。まず、プロセスは、歯列のデジタルモデルを取得し、歯に仮想的ブラケットを追加し、そして合わせたモデルを作成する(180)。次に、4つのテンプレート選択肢のうち1つが、選択され得る。第1の選択肢は、一体化されたか(または単一の断片であり)(プロセスがアーチをスケール(推定105〜150%)する直接製造選択肢)、同じ3D空間においてオリジナルのアーチおよびスケールされたアーチを配置し、スケールされたアーチの内部にオリジナルの空洞を作製し、歯肉部分、舌歯表面の実質部分、仮想的ブラケットを覆う頬面歯肉表面を除去し、そしてデジタルモデルから実際のアーチモデルを作成する(182)。
【0067】
第2の選択肢(一体化された間接的製造)において、プロセスは、デジタルモデルから実際のアーチモデルを作成し、実際のアーチモデル上に取り外し可能な器具(アライナー)テンプレートを形成する。テンプレートは、実際のモデルから取り外され、次いで、歯肉部分、舌歯表面の実質部分、仮想的ブラケットを覆う頬面歯肉表面を除去する(184)。
【0068】
第3の選択肢(関節付き直接的製造)において、プロセスは、個々の歯をスケール(推定105〜150%)し、同じ3D空間においてオリジナルの歯およびそのスケールされたバージョンを各々配置し、スケールされたバージョンの内部に各オリジナルの空洞を作製し、歯肉部分、舌歯表面の実質部分、仮想的ブラケットを覆う頬面歯肉表面を除去し、デジタルモデルから実際の歯モデルを作成し、適切な位置および方向に歯を位置決めし、歯の上に可撓性材料または柔軟な材料を形成し、そしてテンプレートから過剰の材料を切り取る(186)。
【0069】
4つ目の選択肢において(関節付き間接的製作)、このプロセスは、歯列弓の鋳型におけるアライナー様のテンプレートを形成する。このテンプレートは、鋳型から取り除かれ、そして実質上のブラケットを覆う歯肉部分、舌の近くの歯表面のかなりの部分および頬筋歯肉表面が、切り取られる。このプロセスは、個々の歯における歯列弓状のテンプレートを、切断する。テンプレート上の可撓性のある層または形成しやすい層が形成され、そして過剰な材料が、切り取られる(188)。
【0070】
なお別の実施形態において、プロセスが、歯の外形を得る。直接の製作が用いられる場合、このプロセスは、以下を実施する:
歯を105%〜150%の範囲内のような値にスケールする。
【0071】
同じ3次元空間で元の(100%)歯およびスケールされた歯を、共に配置する。
【0072】
特定の位置で、および各々の歯が処理される特定の向きにおいて実質的なブラケットまたは他の適切な外形を配置する。
【0073】
元の歯およびスケールされた歯におけるブラケットに穴を開ける。
【0074】
生じるテンプレート、または歯肉の線より下である面を取り除く。ブラケットに対して頬側および歯肉側で生じる本体の部分の除去は、生じる本体の舌の近くの側面のかなりの部分または全てを取り除く。
【0075】
このコンピューターモデルを、迅速原型作製法を介して実際の部分に変換する(例えば、溶解配置モデル、3D印刷、および立体リソグラフィー)。
【0076】
間接的製作が行なわれる場合、以下の操作が、歯列弓モデルを用いて行なわれる:
ブラケットまたは歯上に適切に位置した他の適切な外形を有する歯列弓モデル上に、アライナー様器具またはテンプレートを形成する。
【0077】
アライナーまたはテンプレートから歯肉の線の下である面または隣接する歯に接触する直接の隣接歯間を取り除く。ブラケットに対して頬側および歯肉側のアライナーの部分を取り除く。アライナーの舌の近くの面のかなりの部分または全てを取り除く。完了後、このプロセスは、処理の開始においてか、または処理が要求される場合のいずれにおいても歯科矯正医に対してテンプレート、本体または完成した器具を発送する。
【0078】
図4Aは、鋳型210上で形成された歯科用テンプレート220または器具の1つの実施形態を示す。このテンプレートは、除去可能な器具のように見えるが、これは、開口部222もしくはフットプリントに近づく「ポート穴」、フットプリントの重要な部分、および/またはブラケットの可能性のある他の幾何学的特徴を有し、各々の歯におけるブラケットの厳密な配置を導く。開口部222または「ポート穴」を有するこのテンプレート220はまた、エナメル質エッチングまたは粘着配置のための指針であり得る。
【0079】
鋳型210は、迅速原型作製法を用いて作製されたデジタルモデルの物理的翻訳である。突出または突起212が、鋳型210から生じ、歯科用テンプレートまたは器具が熱的に形成される場合、開口部222が、テンプレート220上に形成される。開口部222は、テンプレートが突出または突起212の端に沿ってテンプレートが切られる位置である。開口部222は、ブラケット支持端226を有し、その操作は、図4Bにより詳細に記載される。支持端226に加えて、テンプレート220は、歯の解剖学における保持を最小化する特徴を有し得る。例えば、デバイスの舌に近い面が、最大の被覆を有し得るわけではない。
【0080】
鋳型210についての作製方法は、立体リソグラフィー機械または統合された配置モデリング機械のような迅速原型作製デバイスを利用する。適切な迅速原型作製機械は、3D System、Valencia、Califから入手可能なモデルSLA−250/50である。迅速原型作製機械は、液体または他の非硬化樹脂を3次元的構造に選択的に硬化し、これは残っている非硬化樹脂から分離され、洗われ、およびこの器具として直接またはこの器具を作り出すための鋳型として間接的にのいずれかで用いられ得る。原型機械は、個々のデジタルデータセットを受け、所望される器具の各々に対応する1つの構造を作り出す。一般に、立体リソグラフィー機械が、最適でない機械特性を有し得、かつ患者の使用のために一般に受容可能でないかもしれない樹脂を利用し得るために、原型機械は、鋳型210を作り出す。正のモデルが調製される後、従来の加圧または真空成型機械を使用して、Tru−Tain Plastics、Rochester、Minn.55902より入手可能な0.03インチの熱形成歯材料のような、より適切な材料から器具を作り出し得る。適切な圧力成型装置が、Great Lakes Orthodontics,Ltd.,Tonawanda,N.Y.14150から商品名BIOSTARの下、入手可能である。成型機械が、正の歯モデルおよび所望される材料から直接各々の器具を作り出す。適切な真空成型機械が、Raintree Essix,Inc.から入手可能である。
【0081】
1つの実施形態において、テンプレートが、厚い材料(例えば、0.03インチ以上)から作られ、使用者に深部方向におけるさらなる指針を提供する。さらに、厚いテンプレートは、ブラケットを歯により容易に整列させることを可能にする。
【0082】
歯科用テンプレートまたは器具の作製についてのより多くの情報は、米国特許第6,499,997号「Manipulable dental model system for fabrication of a dental appliance」;米国特許第6,497,574号「Modified tooth positioning appliances and methods and systems for their manufacture」;米国特許第6,488,499号「Methods for correcting deviations in preplanned tooth rearrangements」;米国特許第6,485,298号「System and method for releasing tooth positioning appliances」;米国特許第6,471,511号「Defining tooth−moving appliances computationally」;米国特許第6,463,344号「Efficient data representation of teeth model」;米国特許第6,457,972号「System for determining final position of teeth」;米国特許第6,454,565号「Systems and methods for varying elastic modulus appliances」;米国特許第6,450,807号「System and method for positioning teeth」;米国特許第6,409,504号「Manipulating a digital dentition model to form models of individual dentition components」;米国特許第6,406,292号「System for determining final position of teeth」;米国特許第6,398,548号「Method and system for incrementally moving teeth」;米国特許第6,394,801号「Manipulable dental model system for fabrication of dental appliances」;米国特許第6,390,812号「System and method for releasing tooth positioning appliances」;米国特許第6,386,878号「Systems and methods for removing gingiva from teeth」;米国特許第6,386,864号「Stress indicators for tooth positioning appliances」;米国特許第6,371,761号「Flexible plane for separating teeth models」;米国特許第6,318,994号「Tooth path treatment plan」;米国特許第6,309,215号「Attachment devices and method for a dental appliance」;米国特許第6,299,440号「System and method for producing tooth movement」;米国特許第6,227,851号「Manipulable dental model system for fabrication of a dental appliance」;米国特許第6,227,850号「Teeth viewing system」;米国特許第6,217,325号「Method and system for incrementally moving teeth」;米国特許第6,210,162号「Creating a positive mold of a patient’s dentition for use in forming an orthodontic appliance」;および米国特許第5,975,893号「Method and system for incrementally moving teeth」に開示され、その内容は参照によって本明細書中に援用される。
【0083】
さて図4Bに注意すると、テンプレート220が、鋳型210から分離される。開口部222が、ブラケット基部が、開口部222に適合することを可能にする。ブラケット支持端226は、テンプレート220中にブラケットを安全に位置する必要がある。この実施形態において、ブラケット支持端226は曲線美がある。端226が、単純な平らな端として終結する場合、ブラケットは、歯のXおよびY表面上に位置し得るが、Z方向(頬の舌の方向)は、制御されない。端226が、Z方向におけるブラケットの自由度の必要とされる制御を提供し、任意の所定の軸についてブラケットの方向付けを可能にする。これらの特徴は、ブラケットが、各々の歯における適切な位置および向きに固定されることを可能にする。端226は、売り手に依存して、または処方箋に依存して変わり得る。
【0084】
テンプレートの別の実施形態を、患者の歯におけるエッチング結合化合物として用い得る。エッチングテンプレートは、使用者を、結合される必要のある歯表面上の所定の位置に向ける。このエッチングテンプレートは、窓のあるテンプレートまたは結合ゲルが凹面に充填されるか、または予め充填される、凹面表面のテンプレートの形式のいずれかであり得る。
【0085】
図4Cは、テンプレート220中の各々の開口部、切り出し、ポート穴、またはスロット222が、特定のブラケット4A、4Bおよび4Cに適合するように設計され、各々のブラケットが、テンプレート上の各々の部分に適合する、テンプレートを示す。
【0086】
図4Dは、システムが、ブラケット設計または形に制限されないことを示す。図4Dにおいて、大臼歯チューブブラケット215が、開口部222上に配置され得る。従って、テンプレート220は、いずれの特定のブラケットにも制限されない。むしろ、歯上に置かれた固定された歯科矯正器具の任意の形態が、収容され得る。
【0087】
図5Aおよび5Bは、関連付けられるテンプレートの2つの例示的な実施形態を例示する。図5Aは、2つの近位の歯の隣接歯間の領域で結合される2つのセグメントを示す。結合方法が、または1つの隣接歯間領域から次のものに交互であるか、または代わり得ることを包含する、歯を結合させる多くの代わりの方法が、用いられ得る。さらに、結合方法はまた、図5Bで描かれるような歯のさらなる表面または異なる表面を覆う層であり得る。
【0088】
図5Aにおいて、テンプレートが、数多くの移動可能なテンプレート成分250から構成されている。各々のテンプレート成分250が、患者の歯上に置かれ、ブラケット結合を容易にし得る。移動可能なテンプレート成分250が、成分250の上に置かれる材料252のシートにより一緒に物理的に結合され、その結果この成分は、鋳型または立体リソグラフィー器具(SLA)モデルからの除去の際に崩壊せず、さもなければ分解されない。関連付けられるテンプレートは、これらがより大きな調節可撓性を提供するという点で利点がある。
【0089】
このテンプレートを、エッチングテンプレートとしてさらに用い得る。エッチングテンプレートは、医師が、ブラケットが配置される歯の領域を、正確にエッチングすることを可能にする。小さな窓が、エッチングされる領域と境界を接し、エッチングまたは所望されないエナメル質除去に対する歯の感受性を最小化する。このエッチングテンプレートの別の種類において、カットアウトが形成されない。その代わりに、歯の表面に面する領域が、凹面である。これらの凹面は、エッチング化合物を含む。使用者は、エッチング化合物をむき出しにするか、または活性化してから、歯上にテンプレートを設置する。
【0090】
テンプレート220は、除去の容易さのための物理的特性スイッチを含む材料から構成され得る。これらのスイッチとしては、温度応答性、pH応答性、湿気応答性または層が、変動する物理的特性を有する多層系が挙げられ得る。セクション500(図5B)は、可撓性または成形しやすい材料を表す。さらに、この材料は、繊維、ひも、繊維網、または繊維で補強された固体であり得る。隣接歯間の材料は、同質でも異質でもよい。
【0091】
テンプレートセクション252は、除去を容易にするための物理的特性スイッチを含む材料から構成され得る。これらのスイッチとしては、温度応答性、pH応答性、湿気応答性または層が、変動する物理的特性を有する多層系が挙げられ得る。セクション252は、可撓性または成形しやすい材料を表す。さらに、この材料は、繊維、ひも、繊維網、または繊維で補強された固体であり得る。隣接歯間の材料は、同質でも異質でもよい。
【0092】
除去可能な器具(例えば、米国特許第6,309,215号に記載されるような)ならびにワイヤーおよびブラケット器具の両方を用いる1つの例示的な処置の間、医者は、診察の間処置が必要な患者の歯列弓を眺め得、そして続いて彼/彼女が用いて、処置の一部を実施する、特定のワイヤーを選択し得る。ワイヤーの選択において、医者は、医者の処方に基づく実質的なセットアップシステムに対する情報を提出する。別の実施において、データ採掘は、以前に蓄積したデータを用いて歯科用器具を用いる歯の移動の成功率、および失敗率の可能性を示し得る。このデータを、3つの領域にカテゴライズして、成功の処置および移動の可能性を記載する:例えば、高い成功の可能性;処置の結果における減少した成功の可能性;およびほとんどない成功の可能性からまったくない成功の可能性まで。データ採掘の結果に基づいて、システムは、歯科用器具使用の適切な順序を推薦する。
【0093】
順序決めは、どのアライナーの可能な運動が、容易さの程度または効果的な処置の結果に対する必要に従って、最初に実施されるべきかを決定することである。組み合わせ処置の1つの例示的な実行が、処置におけるより早い信頼性の高い動きを実施し、より挑戦的な動きが続く。これは、除去可能な器具が、処置の第1の段階で用いられ、接着およびワイヤー処置が続くことを意味し得る。あるいは;ある場合について接着およびワイヤー処置を最初に用い、除去可能な器具を、処置の最終段階で用い得る。処置方法がまた、変わり得(すなわち、アライナー、付属品およびワイヤー、アライナーが続く)および組み合わせ処置が、同時に用いられ得る(すなわち、アライナーならびに付属品およびワイヤーが同時に用いられる)。付属品およびワイヤーが、歯の頬側または舌側において配置され得る。器具はまた、部分的(例えば、3−3前方歯列弓のような)であり得、部分的付属品およびワイヤー処置と組み合わされ得る(すなわち、臼歯上または後方の歯上に配置される)。1つの実施例反復において、IPR(隣接歯間減少)を用いて、患者の顎の上部の歯列弓における双頭歯のような歯上の空間を作り出す。続いて、ワイヤーを載せて、前方の歯を歯列弓の大きさが減少し、そして隣接歯間の空間が閉まるように後ろに引っ張り、アライナーを用いて達成される3−3移動が続く。
【0094】
図6Aは、歯科用テンプレートを作製して、目的物(例えば、ブラケットのような)を患者の歯上に位置し、始めの位置から標的位置に歯を動かすプロセスを例示する。このプロセスは、始めの位置での患者の歯のモデルをデジタル化する工程を包含する(602)。次に、標的位置が決定される(604)。標的位置は、処置の終わりの歯の最後の位置であり得る。
【0095】
次に、テンプレートの作製の後、医者が標的位置にて患者の歯上に複数のブラケットを配置し、スロットを有する各々のブラケットは、患者の歯の最後の位置における載せられたブラケットを示す図6Bに例示されるような、それを通る歯科矯正のワイヤーを受けるよう適合される(606)。このプロセスは、必要に応じてブラケットを整列し、標的位置でのワイヤーにおけるひずみを最小化する(608)。
【0096】
このプロセスは、歯がその最初の位置に届くまで、同時に一段階で、歯の最後の位置から後戻りすることによって最初の位置にて目的物の位置を決定する(610)。歯を最後の位置から最初の位置に動かすための座標変換が適用され、目的物の最初の位置の位置を決定する。
【0097】
図6Cは、ユーザが歯を各処置段階において可視化することを可能にする、例示的なユーザインターフェースを示す。1つの例において、歯は、ある時点において1つの段階に退却され、最初の位置に達し得る。ブラケットが歯に固定されるので、ブラケットの退却位置もまた決定され得る。図6Dは、ブラケットが最初の位置に退却した場合の例示的なブラケットを示す。このプロセスはまた、理想的な配置からの対象物の変位を決定し得、そして対象物の位置を繰り返し調節して、この変位を最小にし得る。
【0098】
図6Aに戻って参照すると、最終的に、歯科用テンプレートは、医師が患者の歯に対象物を配置することを可能にするために、作製される(612)。このテンプレートは、迅速原型作製法を使用して、作製され得る。1つ以上のブラケット対象物が歯科用テンプレートに埋め込まれ得、そしてこの歯科用テンプレートが、患者の歯を覆って挿入され得る。あるいは、ブラケット対象物は、歯に接着される前に、歯科用テンプレート上の開口部に挿入され得る。
【0099】
図7は、組み合わせ処置の1つの例示的な実施を記載する。処置の段階が選択される(工程702)。このプロセスは、取り外し可能な装具を処置のために使用するか、またはアタッチメントおよびワイヤを使用することのいずれかの、医師に好都合な処置の予測を行う(工程704)。
【0100】
症例の最終配列に基づいて、適切なアタッチメントが選択される(工程706)。一旦、アタッチメントが決定されると、予め決定されたフィット値(例えば、FACC点)が規定される(工程708)。FACC点の決定に含まれる要因としては、歯、アタッチメント、およびワイヤの衝突が挙げられる。一旦、FACC点が決定されると、データベースは、医師によって使用される最適なワイヤを提供する(工程710)。歯科医は、患者のためにワイヤを選択する場合に、個々のアプローチを使用する。ある医師は、単一の型のワイヤを使用し、ある医師は、多数の異なるワイヤから選択する。あるいは、標準的なワイヤが使用され得る。一旦選択されると、そのワイヤは、アタッチメントの適切な配置のためにマーキングされる(工程712)。最後に、アタッチメントおよびワイヤが、患者の歯に設置される(工程714)。
【0101】
図8は、工程710を記載する。最適なワイヤが、一連の単純な最小二乗法の数学式を使用して決定される。特定の患者症例が与えられると(工程722)、ワイヤが選択される。処置の最終位置を使用して(工程724)、ブラケット先端からワイヤの縁部までの最短距離が計算される(726)。
【0102】
d=アタッチメントとワイヤとの間の距離とすると、
i=1〜16または17〜32(いずれの歯/顎かに依存する)の任意のiについて、di>0
di<D
であり、ここで、Dは、0.1mmと50mmとの間で規定される数である。このワイヤは、アタッチメントとワイヤとの間の最短距離を有する、最適なワイヤであると設定される(728)。全ての引き続くワイヤが、同じ計算を使用して測定される(730〜734)。
【0103】
図9は、医師によるアタッチメントの配置のためにワイヤにマーキングする、より詳細な工程712を記載する。測定値が、初期位置における顎へのアタッチメントの配置から検索される。距離および方向が、地点の間で測定される(742)。2つのさらなる領域が測定され得る:1)ワイヤの物理的特性(すなわち、ワイヤがどの程度屈曲し得るか)(工程744)、および2)1つのブラケット先端から隣のブラケット先端までの曲線距離(工程746)。最後に、最初のアタッチメントが停止する場所を示すための点が、ワイヤに配置される(工程748)。同じ繰り返しが、各引き続くアタッチメントについて反復される。
【0104】
図10は、より詳細な工程714を示す。ワイヤおよびアタッチメントを設置するために、歯の基部からワイヤへの移行構造が決定される(752)。アタッチメント対象物が、アライナーのポケット領域の内側に配置される(754)。充填材料(セメントが最もあり得る)が、アライナー中で、アタッチメントの後方かつ残りのアライナーの領域に配置される(756および758)。これは、アタッチメントが歯に配置される後の段階において、アライナーの取り外しの容易さを増加させる。医師は、このアライナーを、アタッチメントおよびセメントと共に、歯に嵌める(760)。紫外線が使用されて、セメント充填材料を歯に固定する(762)。Testaベースのアライナーについては、熱水が、このアライナーに撒布される(工程764)。なぜなら、Testa材料は、より柔軟になることによって、熱に応答するからである。一旦、アライナーが冷却されると(766)、医師は、このアライナーを患者の口から、比較的容易に取り外し得る(768)。このアタッチメントはここで、歯に固定され、これは、ブラケットを配置する標準的な歯科矯正学的原理に従う。最後に、医師は、工程712において参照としてワイヤ上にマークされた印を使用して、ワイヤを各アタッチメントに接続する。
【0105】
組み合わせ処置を実施するための例示的な擬似コードは、以下の通りである:
処置の段階を選択する。
医師に対して最も高度な好都合さに基づいて、アタッチメントおよびワイヤを使用する処置の予測を行う。
症例の最終配列に基づいて、適切なアタッチメントを選択する。
FACC点を規定する。
最小自乗式を使用して、最適なワイヤを決定する。
【0106】
ワイヤを選択する
処置の最終位置に行く
ブラケット先端からワイヤの縁部までの最短距離を計算する
この値を(set_minimum distance)および最適なワイヤとして設定する
次のワイヤを選択する
ブラケット先端からワイヤの縁部までの最短距離を計算する
距離の値(mmで)が第一のワイヤの最短距離より小さい場合、このワイヤが最適なワイヤとして再設定される
距離の値(mmで)がより大きい場合、第一のワイヤが、最適として選択される
アタッチメントの適切な配置のために、ワイヤをマーキングする。
【0107】
アタッチメント点間の距離および方向を測定する
ワイヤの物理的特性を測定する
1つの先端から隣の先端までの曲線距離を計算する
最終位置においてアタッチメント点をマーキングする
点が認容可能である場合、この繰り返しを、各引き続くアタッチメントについて反復する
ワイヤおよびアタッチメントを患者の歯に設置する。
【0108】
歯の基部からワイヤへの移行構造を決定する
指定されたアライナー「ポケット」内にアタッチメントを配置する
アライナーの後部および各アタッチメントの周りに、セメント/充填剤を充填する
さらなるセメント充填剤をアライナー内に配置して、アライナーの取り外しの容易さを増加させる
アライナーを歯に嵌める
UV光を使用してアタッチメントを歯に固定する
熱水をTestaベースのアライナーに撒布する
アライナーを冷却する
アライナーを取り外す。
【0109】
従って、上記プロセスは、履歴データに基づいて、最適な処置手順を決定する;そして歯を移動させるための1つ以上の歯科デバイスを作製し、このデバイスは、コンピュータで合成された維持装置またはアタッチメントとワイヤとの組み合わせから選択される。最適な処置手順の決定は、患者の歯のデジタルモデルを捕捉する工程;およびこのデジタルモデルを、履歴処置症例のライブラリーと比較する工程を包含し得る。この処置は、保持器具を用いて歯を移動させる工程、およびアライナーでの処置の終了時に、アタッチメントが埋包された保持器具を製造する工程を包含し得る。
【0110】
歯科矯正学用ブラケットは、所定の製造者の処方および使用について、固定された基部プロフィールで設計および作製される。ブラケットの基部は、歯と界面を接するその表面をいう。患者の歯の形態は独特であるので、ブラケットの基部およびその下にある歯は、十分に歯嵌合しないかもしれない。代表的に、ブラケットの基部と歯の表面との間には、ギャップが存在する。このギャップは、充填されて、「あつらえ基部」を形成する必要がある。あつらえ基部は、ブラケットが歯に適用される場合の、ブラケット基部の角形成および/または傾きの調節を包含し得る。
【0111】
図11A〜11Cは、ブラケット基部の歯404への制御された配置を可能にする、別の実施形態を示す。図11Aは、歯404を覆うテンプレート400を示し、一方で図11Bは、モデル413を覆うテンプレート400を示す。テンプレート400は、ブラケット402を備える。ギャップ406が、歯404とテンプレート400との間に存在する。図11Bにおいて、ギャップ406は、ブラケットとモデルとの間に存在する。ブラケットは、予め決定されたトルク(傾き)および予め決定された先端(角形成)を有する、その好ましい位置に配置される。図11Cは、シェル付のモデル上のテンプレートを示し、これは、ギャップがモデル414内から充填され得るように、貫通孔を有する。適切なエポキシが、このギャップを充填するために適用される。
【0112】
結合テンプレートは、ギャップ406へのアクセスをなお残したままで、ブラケットを空間的に固定し得る。テンプレートは、実際の歯または歯のモデルに適用され得る。このアクセスは、この目的のために設計されたアプリケータを用いてかまたは用いずに、テンプレートにおける適切な構造を介し得る。
【0113】
歯のモデルを使用する場合において、このモデルは、ブラケット402の背後へのアクセスのための穴412を有するシェルであり得る。また、あつらえられた基部は、1つのモデルを別のモデルにプレスすることによって形成され得、同時にブラケットがテンプレート400によって空間的に固定される。この場合、外側「モデル」は、テンプレートと類似の構造であるが、より剛性であり、かつ歯の表面のより多くを覆う。内側「モデル」は、実際の歯を置きかえる。基部のギャップは、まず結合媒体(例えば、接着剤)で充填される。2つのモデルが一緒にフィットされる場合、結合媒体は、このギャップ内に圧縮され、そしてブラケットの周りのすべての過剰のばりが除去される。なお別の方法は、歯を置き換えるための中空モデル、このモデルを覆ってブラケットを適所に固定するテンプレート、および第一の中空モデル内に入れ子にされる第二のモデルを有する。この後者が中空モデルに押し込まれる場合、接着剤が、中空モデル内の穴(これは、ブラケットの基部の背後に位置する)を強制的に通される。接着剤を硬化させた後に、2つのモデルが取り外され、これによって、ブラケットおよびそのあつらえ基部が、テンプレート内に残る。
【0114】
予め選択されたかまたは予め決定された傾きまたは角形成を有するテンプレートは、以下のように設計される。第一に、このシステムは、患者の歯をデジタル化する。次に、操作者は、歯科CADシステムを使用して、仮想的な対象物を、デジタル化された歯の上の予め決定された位置に追加する。このCADシステムは、仮想的な対象物を、歯の上の予め決定された傾きまたは予め決定された角形成に移動させるために使用される。生じるデータは、歯科用テンプレートを製造するための製造機械に送信され、決定された傾きおよび/または角形成を用いて、患者の歯の上での対象物を具体的に位置決定する。
【0115】
使用の間、歯科の専門家は、歯科矯正用対象物またはブラケットをテンプレート上に設置し、そしてこのテンプレートを、患者の歯またはそのモデルに配置する。テンプレートは、予め処方された角形成および/または傾きでブラケットを保持するので、このブラケットの基部は、歯の上で正確に配置される。歯科の専門家は、エポキシを、ブラケットと歯との間のギャップに注入して、所望の角形成および/または傾きで、歯科矯正用対象物を歯に結合する。
【0116】
図12A〜12Bは、所望の角形成および/または傾きで、歯に歯科矯正用対象物を配置するための、他の実施形態を示す。図12Aの実施形態において、複数のレール432が、歯のモデル430に形成される。図12Bの実施形態において、レール442がまた、歯のモデル440に配置される。複数の開口部444が、モデル440に提供されて、レール上またはレール内に設置されるブラケットの基部へのアクセスを可能にする。レール432および442は、適切な位置に加えて、歯の上でのブラケットの適切な角形成および/または傾きを提供するように、設計される。
【0117】
1つの実施形態において、2つ以上のレールまたはリッジが、適切なモデル基材上で、ブラケットの外側縁部に沿って作製される。この基材は、プラスター、樹脂、またはポリマーの基材であり得る。結合媒体が、基部の近隣を覆って適用される。この結合媒体またはエポキシは、基部の寸法を超えて流れ得る。次いで、ブラケットは、レールに対して、またはレール内のチャネル内へと押し込まれ、これは、ブラケットの基部を適合させて、正確な空間的位置を矯正し、そしてまた、正確な面位置に制限する。これらのレールはまた、ブラケットの基部を、正確な面位置に制限する。次いで、結合媒体が硬化される。ブラケットおよびあつらえ基部が、基材から取り外され、この基材は、主として支持せず、または弾性結合を接着させない。
【0118】
ここで図13を参照すると、あらゆる任意の三次元位置でブラケットを位置決めし得るテンプレートを形成するための、例示的なプロセスが示されている。第一に、このプロセスは、歯のデジタルモデルを獲得する(450)。次に、このプロセスは、テンプレートによって支持されるべきブラケットのデジタルモデルを獲得する(452)。次に、このプロセスは、3D空間において、各ブラケットを、その下にある歯に対して配置する(454)。これらの位置を決定する方法は、以下を包含する:Andrewの直状ワイヤ、Roth、MBT、ブラケット構造と生物学的参照との間の距離および角度を測定すること、または医師の特定の理論もしくは哲学に基づくこと。次いで、このプロセスは、本明細書中に開示されるようなテンプレートファイルを作成する(456)。このテンプレートは、完成したデジタルファイルから作成される(458)。
【0119】
図14は、ヒトの歯502、504、506の、3回走査されたかまたは他の様式で捕捉されたデジタルモデルまたは表現の、100%スケールでの表現を示す。図15は、図14の歯からスケールを変更した歯のモデルを示す。この実施形態において、尺度因子は140%であるが、このスケールは、約105%と150%との間であり得る。図16は、歯のモデル508と512とが重なった箇所を示す。ワイヤフレーム表現が、共通の体積510を示すために使用されている。この共通の体積は、適切なテンプレートを作成することと矛盾し得る対象物を同定する。図17は、隔壁510の実線表現である。
【0120】
図18および19は、スケーリングされた歯のモデル508を示し、この場合、歯のモデル508は、140%に拡大されている。図18は、歯のモデル508とその隣接する歯のモデル512との間で共有される、共通の体積510のモデルの近位側(観察者に最も近い側)からの除去を示す。図19は、共通の体積510が歯の近位表面から除去され、「かつ」100%の歯のモデルが歯のモデル508から減算された、歯のモデル508を示す。従って、図19は、100%の歯のモデルを覆うシェルである。
【0121】
図20および21は、共通の体積510を隣接する歯のモデルから除去する必要性を図示する。図20は、図15のスケーリングされた歯のモデルから図14のもとの歯のモデルを減算して、隔壁510によって分離される空洞509を形成することを示す。このような形成は、テンプレートが患者の歯を覆って配置されることを除外する。図21において、共通の体積512および514は、歯のモデル511と歯のモデル513との間、および歯のモデル513と歯のモデル515との間に位置する。体積512および514は、これらの除去または減算の前で示されている。図22は、共通の体積がテンプレートモデルから除去されたモデルを示す。この場合、共通の体積520および522は、明瞭さのために拡大されているが、実際には、共通の体積の形状をもたらす歯の尺度因子によって規定される体積の大きさである。図23および24は、接合していない歯のモデルを接続するための、バットレスまたは手段の追加を示す。図22に戻って参照すると、一旦、これらの共通の体積520および522が除去されると、ギャップ524および526は、それぞれ歯のモデル525、527および529の間に存在し得る。
【0122】
図23〜24は、患者の歯の上に配置されるべき1つの連続テンプレートである、固体本体の液性を示す。図23の場合において、接合要素またはバットレス要素530〜532が、別個の対象物として、テンプレートモデルの作製後に挿入される。バットレス要素530は、円形要素であるが、一方でバットレス要素532は、三日月形状の要素である。これらは代表的な形状の2つの可能性を示し、多くの他のものが可能である。バットレス要素の表面は、テンプレートモデルの表面に接合される。図24は、空洞を形成するための上記配向に続いての、バットレス要素540〜542の追加を示す。この操作において、3つの歯のモデルおよびバットレス要素540〜542を含む1つの連続対象物は、全て同時に形成される。両方の場合において、バットレス要素は、テンプレートモデル中に構成される。テンプレートモデルまたはその要素をさらに形成するために、引き続く工程がなされ得る。
【0123】
歯のスケーリングアプローチを使用してテンプレートを作成するための擬似コードは、以下の通りである:
1.歯のデジタル表現が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
2.この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自体が変更されることを可能にする。
3.歯が100%より大きいスケール(代表的に、105〜150%の範囲)にされる;そして別個のファイルとして保存される。
・もとの歯のファイル(すなわち、100%スケール)が、スケーリングされた歯内で同じ場所に配置される。
・もとの歯の構造が、スケーリングされた歯から減算されて、中空体またはシェル状体を残す。
・歯根および歯肉下の外観が、この対象物から除去される。この除去は、維持されるべき対象物から切断されるか、空洞化されるか、または減算されるさらなる対象物または表面の使用を介して実施され得る。
(隣接する歯を空洞化する方法A)
・中実(中空ではない)の、スケーリングされたバージョンの隣接する歯を、この本体から、この本体が重なるかまたは交差する位置で減算する。
(隣接する歯を空洞化する方法B)
・目的の歯と隣接する歯とに共通する構造を、この本体から減算する。この工程は、目的の歯を中空にする前に、最良に実施される。
4.次いで、テンプレートの一部となる、目的の弓における全ての歯を、それらの適切な相対位置および配向にして、各弓についてのテンプレートを形成する。
【0124】
5. 外部隣接歯間領域を、必要に応じて、歯シェルセグメントを一緒に結合するように埋める。この「バットレス(buttressing)」プロセスは、中でも以下の、多くの可能性を有する:
歯の頬側表面を越えて伸長する中実体を加え、そして、空洞化しなければ歯にぶつかる所を再び空洞化する。
【0125】
100%の頬側表面から外へ向かう、隣接する歯および/またはスケーリングした歯の間の隣接歯間領域を個々に埋める。
【0126】
各々の歯上に別の大きくスケーリングした歯を加え、そして空洞化しなければ下にある歯とぶつかる所を再び空洞化する。
【0127】
切縁/咬合性表面上および切縁/咬合性表面中に中実体を適用することによって、隣接歯間領域をばらばらにすることを可能にするが、各々の歯を結合され得ない。必要に応じてこれを再空洞化する。
【0128】
6. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状を除去する。これは、ブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記のように、除去は、保持された本体から切断されるか、空洞化されるか、または減算されるために使用される、さらなる本体または表面の使用を介して行なわれ得る。
【0129】
7. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0130】
図25〜32は、かぶせた空洞の実施形態を説明する様々な図を示す。図25において、ブロック550を、任意の本体として使用し、そして100%スケーリング歯モデル552をその本体の内側に配置する。図26において、各外観において図25のブロック550の本体と同じ大きさを有する同じブロック550は、スケーリング歯554(例えば、140%スケーリング歯モデル)を含む。各々の場合において、本体は元の歯モデルおよびスケーリング歯モデルを完全に含む。図27において、100%歯は、ブロック550から空洞化されるか、またはくり抜かれ、そして図28において、140%スケーリング歯モデル554は、ブロック550から空洞化される。図29において、100%歯モデル552を含む空洞化ブロック550は、140%歯モデル554を含む空洞化ブロック550と同じ場所に位置し、その結果、モデル552はモデル554の内側になる。
【0131】
図30は、100%歯モデルに対する空洞化ブロック550およびスケーリング歯モデルに対する空洞化ブロック550の減算を示し、100%スケーリングモデルおよび140%スケーリングモデル552および554各々の間の領域によって定義される本体を作成する。元の100%歯モデル552の中実モデルを有する、スケーリング歯モデル554のワイヤフレームモデルを図31に示す。図32は、図31のモデル断面図であり、スケーリング歯モデル554により定義される外表面を有する100%スケーリング歯モデル552を囲むシェル560を示す。
【0132】
かぶせた空洞の実施形態を実行するための疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0133】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身がファイルを変更することを可能にする。
【0134】
3. 全ての歯で占められた空間のより多くを含む本体を、アプリケーション中で作成するか、または開く。これは、画像中のブロック550である。あるいは、含まれる本体を、個々の歯または歯の群のために作成し得る。これらの本体を、後に1つのテンプレートファイル中に一緒に運ぶ(図25)。
【0135】
4. 優先的に、全ての対象歯をこのファイル中のこれらの適切な位置および方向に運ぶ。次いで本体を歯で空洞化する。あるいは、本体を、個々の歯によって連続して空洞化し得る。結果として生じる本体を保存する。
【0136】
5. 次いで、各歯が100%より大きいスケーリング(代表的に、105〜150%の範囲)に拡大される;そして、別個のファイルとして保存される。
【0137】
6. 第2の同一の、全てを含む本体(550)が、アプリケーションにおいて作成されるか、または開かれる。この本体、ブロック550は、ブロック550と厳密に同じ寸法を必然的に有する(図26)。
【0138】
7. 工程4を、ブロック550(図26)に対して、工程5のスケーリング歯を使用するという差異で、反復する。あるいは、スケーリング歯の作成および使用は、必要とされない。むしろ、元の歯がブロック550において、100%スケールより大きいスケールで空洞化され得る。
【0139】
8. 図25のブロック550および図26のブロック550は、それらのファイルの1つか、または、これらの2つの対象物のみを優先的に含む新しいファイルにおいて同じ場所に位置する。
【0140】
9. 図26のブロック550は、図25のブロック550から減算される。これは、1つ以上のシェル本体、スケーリング歯により定義された外部表面を、および元の非スケーリング歯による内部表面を残す。
【0141】
10. 歯根および歯肉下の外観が、本体から除去される。この除去は、維持されるべき対象物から切断されるか、空洞化されるか、または減算されるさらなる本体、または表面の使用を介して実施され得る。
【0142】
11. 連続的にか、または同時に、目的歯およびその隣接する歯に共通する幾何学的形状を本体から減算する。
【0143】
12. 外部隣接歯間領域を、必要に応じて、歯シェルセグメントを一緒に結合するように埋める。この「バットレス」プロセスは、多くの可能性を有する:
歯の頬側表面を越えて伸長する中実体を加え、そして、空洞化しなければ歯にぶつかる所を再び空洞化する。
【0144】
頬側表面から外へ向かう、隣接する歯の間の隣接歯間領域を個々に埋める。
【0145】
各々の歯上に別のより大きなスケールの歯を加え、そして空洞化しなければ下にある歯とぶつかる所を再び空洞化する。
【0146】
切縁/咬合性表面上および切縁/咬合性表面中に中実体を適用することによって、隣接歯間領域をばらばらにすることを可能にするが、個々の歯を結合させる。必要に応じてこれを再空洞化する。
【0147】
バットレスは、工程7および/または工程8の前に、工程7および/または工程8と同時に、または工程7および/または工程8の後で、スケーリング歯上に配置され得るか、または制定され得る。それは、優先的に工程9の前に実行される。
【0148】
13. 任意の望ましくないか、または妨害する幾何学的形状が除去される(例えば、内部隣接歯間領域)。この除去は、ブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素を含み得る。この除去は、上記のように達成され得る。
【0149】
14. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0150】
図33は、歯モデルをスケーリングするための別の実施形態を説明する。この実施形態において、元の歯モデル表面は、所定の数学的式を用いるか、または所定のポイントまたは制約数を使用するオフセット(565)である。この実施形態は、多くの表面をオフセットし、歯モデルを拡大するか、または同じ形状に束縛されるが、歯モデルの拡大スケールである、表面を作製する代替の方法を示す。図34は、図33からの表面(565)を歯に向かう内部に厚くする、本体567を形成する。図35は、同じ表面(565)であるが、ここで、歯から外へ厚され、そして図36は、同時に内部および外部の両方に厚くすることを示す。
【0151】
図37〜40は、鋳型を作製するための別の実施形態を示す。この実施形態において、幾何学的形状的本体570(図37)が配置され、その結果それは、歯574上の歯科矯正構成要素572に隣接している。一つの実施形態において、構成要素572はブラケットである。ブラケットの位置は、この加えられた本体がある場所を規定し;この場合、本体570の角は、2つの側面上のブラケット572に隣接する。図37〜40の実施形態において、3つのブラケットが配置され、3つの幾何学的形状的本体が、図37のブラケット572に対して位置付けられる。図38において、本体570が、本体570の間の2つの結合要素576と結合される。図39において、図38の構造が歯の上または下(例えば、切歯表面または咬合表面)まで伸長される。図39〜40は、本体570の咬合図および頬側図および歯574上の結合要素576を示す。図39〜40において、伸長される本体575は、本体507および576と連結され、そして取り付けの組み合わせの高さを伸ばす。
【0152】
図41および42は、一旦本体570が図39および40に示されるように伸ばされると、さらなる被覆物質580が、咬合表面または切縁表面上に配置され得、テンプレートが、歯と相対する空間にある場所を完全に規定することを示し、そしてこの場合、単純プレート形状が示される。しかし、より複雑な幾何学的形状が使用され得る。
【0153】
歯プレーティングの実施形態のための疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0154】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身がファイルを変更することを可能にする。
【0155】
3. 歯科矯正構成要素あるいは歯科構成要素が、その意図された位置の歯の上に配置される。あるいは、このプレートは、構成要素が配置されることが知られる場所に対して配置される。
【0156】
4. 本体が、歯の上、歯の中、および/または歯を覆って配置され、従って、本体は所望な場合、その所望の自由度を制限するために十分に接触する構成成分と接触する。この本体は、標準化された形状であり得るか、または歯の型に関してカスタマイズされ得るか、あるいは所定の患者の歯に特異的であり得る。最低限で、この本体は、これらの特質または特徴を有する:構成成分の直径の約半分より大きいが、一般的に構成成分およびそのそれぞれの歯の厚さの合計よりも小さい、頬舌厚;歯の近遠心幅より大きくなり得るか、小さくなり得るか、または等しくなり得る、近遠心長;および歯の高さより大きくなり得るか、小さくなり得るか、または等しくなり得る、咬合歯肉(occlusogingival)の高さ。本体は、単純な長方形であり得るか、または歯または口の形態学と同じく複雑であり得、そして歯科矯正構成成分のための嵌合空洞をまた含み得る。あるいは、構成成分は、後者がただ大体に配置された場合、本体において後に空洞化され得る。
【0157】
5. 全ての歯が「プレート」された後、そのプレートが、ギャップがあるところで合併され、接続され、または結合され、そしてそれらが望まない突出である場合、切断されるか、削られるか、または成形される。切縁/咬合性要素はまた、この時、プレート中に合併され得る。
【0158】
6. 必要な場合、歯本体はプレートおよび任意の切縁/咬合性要素から構成される本体から減算される。
【0159】
7. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状が除去される。これは、ブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記の除去方法を参照のこと。
【0160】
8. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0161】
図43および44は、表面オフセット方法の別の実施形態を示す。この実施形態において、2つの表面590および592が、むしろちょうど1つの表面よりも使用される。図43において、1つの表面592が、歯でか、または歯の近くでオフセットされる。第2の表面590が、2つの表面において生じる表面592からの距離よりも長い距離でオフセットされる。この2つの表面は、本質的に一致するが、異なる距離に位置する。図44は、中実体に結合する2つの表面590および592を示す。中実体は、多くの方法において詳細に記載され得る。例えば、1つの表面がもう一つの表面、あるいは、表面ギャップが閉じられ得る縁(591)に向かって押し出され得る。
【0162】
表面オフセットの疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0163】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身が変更されることを可能にする。
【0164】
3. 歯の表面が、所望の距離にオフセットされる。
【0165】
4. オフセット距離が、ゼロより大きい場合、表面が、外向きの半径方向に、太くされる。オフセット距離が、ゼロより大きい場合、表面が、内向きまたは内向きおよび外向きの半径方向に、太くされる。内向きに方向付けられた厚さは、歯の表面を優先的に貫通しない。しかし、それが起こる場合、歯本体は、続いてオフセット表面を厚くすることによって作成される固体から減算され得る。
【0166】
5. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状が除去される。これらは、隣接歯間領域ならびにブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記の除去方法を参照のこと。
【0167】
6. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0168】
複数の表面オフセットの疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0169】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身が変更されることを可能にする。
【0170】
3. 歯の表面が、所望の第1の距離にオフセットされる。
【0171】
4. 歯の表面が、所望の第2の距離(第1の距離より優先的に大きいかまたは小さい)にオフセットされる。
【0172】
5. 次いで、第1の表面および第2の表面の間の容積が埋められ、中実体を形成する。
【0173】
6. オフセット距離の1つが歯本体の内側の一致する表面をセットする場合、中実体が元の歯本体により空洞化され得る。
【0174】
7. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状が除去される。これらは、隣接歯間領域ならびにブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記の除去方法を参照のこと。
【0175】
8. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0176】
図45および46は、テンプレート切断の1つの実施形態を示す。切断本体593は、下にあるブラケット572を部分的に含み、テンプレート中に「窓」を作成する。このテンプレート中で、ブラケットは、配置され得、そして添付され得、一方テンプレートの後の除去が依然として可能である。一つの実施形態において、切断本体593は、単純な幾何学的形状を有する。他の形状は、必要性または意図に基づいた、多少の内在的な歯科矯正構成要素または歯科構成要素を含み得る。さらに、本体593の形状は、より複雑であり、さらなる利点(例えば、所定の位置に、構成成分「ハンズフリー」を保持するための部分的ロック)を作成し得、テンプレートが除去のために容易に破壊されるか、または、結合または硬化のための容易なアクセスを可能にするものに沿って、継ぎ目を生じ得る。この例において、含有本体593は、テンプレートの頬側表面に舌を続け、テンプレートを容易に破壊するその頬側縁に沿って鋭く鋭い縁の薄い領域594を生じる。
【0177】
本体593は、テンプレート中でカットアウトを作成し、歯科矯正構成要素あるいは歯科構成要素(例えば、ブラケット)を配置する。全ての幾何学的形状を捕捉する必要はなく、むしろブラケットまたは構成要素を正しい位置に配置するのに十分な幾何学的形状表面の外観を捕捉する必要がある。この場合、中心の歯は、ブラケットを覆う本体を有する。この本体は、ブラケット本体を越えて歯肉を伸長し、従って、ブラケットが、テンプレート中に配置され得、そして歯の上に結合され得、そして続いてテンプレートが除去され得る。
【0178】
図46は、同じブラケット、本体、およびテンプレート部分の咬合図であるが、本体中に組みこまれ得る他の特徴を示す。この場合、テンプレートを切断して、破壊縁594または剥離線を形成する切断本体593中に、三角形の外観がある。1つ以上の構成要素を配置するための異なるアクセス経路があることに必要であり得るので、より複雑な幾何学的形状が、激しく回転されるか、または激しく傾けた歯に使用され得る。これは、テンプレート除去もまた促進し得る。
【0179】
上記のテンプレートはまた、任意の3D位置にブラケットを配置し、ブラケットについての所定の角および傾斜の詳細を支持し得る。この場合、テンプレートは、歯と相対的な空間にブラケットを固定する。
【0180】
様々な代替物、改良物、および同等物が上記の構成要素の代わりに使用され得る。さらに、本明細書に記載された技術は、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいは2つの組み合わせにおいて実行され得る。この技術は、プログラム可能なコンピューターで実行するコンピュータープログラムで実行され得る。このプログラム可能なコンピューターは各々、プロセッサー、プロセッサーで読み取り可能な保存媒体(揮発性メモリおよび非揮発性メモリ、および/または保存要素を含む)、および適切な入力および出力デバイスを備える。プログラムコードは、入力デバイスを用いて入力されるデータに適用され、記載される機能を実行し、そして出力情報を生成する。出力情報が、1つ以上の出力デバイスに適用される。各プログラムが、高レベル手順または対象物指向性プログラミング言語で実行され得、コンピューターシステムと共に作動し得る。しかし、このプログラムは、所望の場合、アセンブリまたは機械語で実行され得る。任意の場合、言語は、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語であり得る。このようなコンピュータープログラムの各々において、保存媒体またはデバイス(例えば、CD−ROM、ハードディスクまたは磁気ディスク)上に保存され得る。保存媒体またはデバイスがコンピューターにより読み取られ、記載の手順を実行する場合、コンピューターを設定し、作動するために汎用または特殊目的プログラム可能なコンピューターによって、保存媒体またはデバイスは読み取り可能である。このシステムはまた、コンピューター読み取り可能保存媒体として実行され得る。これは、コンピュータープログラムとともに構成され得る。ここで、このように構成された保存媒体は、特定の方法および所定の方法でコンピューターを作動させる。さらに、本発明がそれらの実施形態に対し、参考文献とともに示され、そして記載された場合、当業者は、添付の特許請求の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における上記の変化または他の変化がなされ得ることを理解する。
【0181】
患者の歯上に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートは、患者の歯をデジタル化すること;仮想的な対象物をこのデジタル化された歯上の所定の位置に加えること;および患者の歯上にこの対象物を位置付けるように、この歯科用テンプレートを作製することを包含する。このテンプレートは、エッチングするため、またはブラケットを歯上に位置付けるために使用され得る。
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2004年3月4日に出願された米国特許出願10/794,324号、および2004年3月4日に出願された米国特許出願第10/794,325号(これらは、2003年2月26日に出願された米国特許出願第10/375,223号の一部継続出願である)からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、一般的に、歯科矯正学の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
歯科矯正学における1つの目的は、患者の歯を、歯が最適に機能し、そしてまた審美的に満足である位置に移動させることである。従来の器具(例えば、ブレスおよびワイヤ)は、歯科矯正医または適切に訓練された歯科医のような処置提供者によって、患者の歯上に位置付けられ得る。一旦、歯に取り付けられると、ハードウェアは、歯に連続的な力を及ぼし、次第に歯をそれらの理想の位置に押しやる。経時的に、処置提供者は、歯をそれらの最終の行き先に向けて移動させるために、ブレスおよびワイヤを調節する。
【0004】
歯科矯正ブラケットは、しばしば、患者の歯に直接結合される。代表的に、少量の接着剤が、各ブラケットの基部に配置され、次いでブラケットが、選択された歯に配置される。接着剤が硬化される前に、ブラケットは、歯の所望の位置へと誘導される。一旦接着剤が硬化すると、ブラケットは、処置が進行したときのその後の歯科矯正力に耐えるのに十分な力で歯に結合される。この技術を用いる1つの欠点は、重度に混雑した歯または結合表面が、顎を閉じる間に対向する歯列弓における歯によって妨害される歯における、ブラケットの配置のために最適な表面にアクセスすることの困難性である。後方の歯について、処置提供者は、歯の表面に対してブラケットの正確な位置を見ることの困難性を有し得る。結合手順を実施するための必要とされる時間は、患者および処置提供者の両方にとって厄介であり得る。また、患者の唾液からの水分混入物を最小化する必要性は、手順を長くさせ、そしてまた歯へのブラケットの配置の正確性を過度に損ない得る。これらの因子の全てが、最終的な接着剤の結合が処置の間、歯上にブラケットを保持するのに十分な力を有さない可能性を増加する。直接的なブラケットの配置の制限のいくつかを克服するための1つの方法は、間接的な結合である。代表的に、患者の歯の歯列弓の各々の型穴(impression)がとられ、そしてレプリカプラスターまたは「ストーン(stone)」モデルが各型穴から作製され、そしてシールされる。ブラケットが、一時的なセメントを使用して、シールされたストーンモデルに結合される。次いで、モデルとモデル上のブラケットとの両方の上に、マトリクス材料を配置することによって、移動トレーが作製される。例えば、加熱されたプラスチックシートマトリクス材料が、モデルおよびブラケットの上に配置され得、次いで、圧力下にされ得る。次いで、プラスチックシート材料が、所望の位置にブラケットを有するストーンモデルのレプリカの歯の形状に正確に一致する構成をとる。次いで、プラスチック材料は、冷却および硬化されて、トレーを形成する。一時的な接着剤を除去し、そして永久的な接着剤を、トレーの各ブラケットの基部に配置し、次いで、埋め込まれたブラケットを有するトレーを、患者の歯の歯列弓の一致する部分の上に配置する。トレーの内面の構成が患者の歯の歯列弓のそれぞれの部分に密接に一致するので、各ブラケットは、最終的に、ストーンモデル上の同じブラケットの以前の位置に対応する同じ位置に正確に、患者の歯上に位置付けられる。接着剤は、硬化され、そしてマトリクス材料が、除去され、所望の位置にブラケットを残す。しかし、この方法は、労働集約的である。間接的な方法を用いるさらなる問題は、ブラケットが、歯科歯列弓からのマトリクスの除去の間に取り外され得ることである。重度に屈曲した歯またはブラケットが配置され得ないように対向する歯列弓で妨害する歯の場合における、最適な配置のための歯の表面への適切なアクセスの問題もまた、取り組まれていない。
【0005】
特許文献1(本発明の譲受人に対して同一人に譲渡された)に記載されるような新たな方法によって、処置が、先に計画され得、そして複数のポリマー性シェル器具が、処置の始めに作製される。ポリマーシェル器具の使用は、より快適で;あまり見えず;そして患者によって取り外し可能な処置を提供し、そして患者のコンプライアンス、快適性、および満足を大きく改善する。
【0006】
各患者が固有であり、時々、カスタマイズされた処置を必要とするので、患者は、ブレス/ワイヤおよびシェル器具の組合せを利用する必要があり得る。理想的には、デバイスは、マトリクスの除去の際にブラケットをずらす危険を最小限にして、歯上にブラケットの正確な配置を可能し、隣接する幾何学的形状とは独立して、最終の配置を可能にする。言い換えると、不明瞭な歯の表面の配置は、歯の表面が、重度に重なった歯が最初に混雑していないことによって曝露される場合に、後に、達成され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,975,893号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると、以下の項目1〜31が提供され、上記目的が達成される。
【0009】
(項目1)
患者の歯に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートを作製する方法であって、以下の工程:
患者の歯のモデルを作製する工程;
歯のモデル上の所定の位置に対象物を加える工程;および
該対象物を該患者の歯に位置付けるように、該歯科用テンプレートを作製する工程、
を包含する、方法。
【0010】
(項目2)
項目1に記載の方法であって、前記歯のモデルをスケーリング(scaling)する工程をさらに包含する、方法。
【0011】
(項目3)
項目2に記載の方法であって、元の歯のモデルの上に、前記スケーリングされた歯のモデルを重ねる工程をさらに包含する、方法。
【0012】
(項目4)
項目3に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされた歯のモデル上に仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0013】
(項目5)
項目3に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされた歯のモデルに、所定の配置および方向で、仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0014】
(項目6)
項目3に記載の方法であって、前記歯のモデルを前記スケーリングされた歯のモデルから除去して、仮想的な器具を形成する工程をさらに包含する、方法。
【0015】
(項目7)
項目1に記載の方法であって、歯肉ラインにおいて、歯肉ラインの下で、または歯肉ラインに沿って、デジタル化された構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0016】
(項目8)
項目1に記載の方法であって、隣接する歯と近接して接触する構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0017】
(項目9)
項目1に記載の方法であって、前記歯のモデルが、物理的モデルまたはデジタルモデルのいずれかである、方法。
【0018】
(項目10)
項目1に記載の方法であって、作製する工程が、迅速原型作製法(rapid prototyping method)を使用して、物理的歯科用テンプレートを与える工程を包含する、方法。
【0019】
(項目11)
患者の歯に歯科矯正対象物を配置する方法であって、以下の工程:
該患者の歯をデジタル化する工程;
該デジタル化した歯の所定の位置に仮想的な対象物を加える工程;
患者の歯に歯科矯正ブラケットを配置するように、テンプレートを作製する工程;
該患者の歯に該テンプレートを配置する工程;
該テンプレートと該歯との間に、該歯科矯正対象物をマウントする工程;および
該歯科矯正対象物を該歯に結合する工程、
を包含する、方法。
【0020】
(項目12)
項目11に記載の方法であって、前記デジタルの歯をスケーリングする工程をさらに包含する、方法。
【0021】
(項目13)
項目12に記載の方法であって、前記デジタルの歯の上に、前記スケーリングされたデジタルの歯を重ねる工程をさらに包含する、方法。
【0022】
(項目14)
項目13に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされたデジタルの歯に、前記仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0023】
(項目15)
項目13に記載の方法であって、前記重ねられたスケーリングされたデジタルの歯に、所定の位置および配向で前記仮想的な対象物を配置する工程をさらに包含する、方法。
【0024】
(項目16)
項目13に記載の方法であって、前記スケーリングされたデジタル化された歯から前記デジタル化された歯を除去して、仮想的な器具を形成する工程をさらに包含する、方法。
【0025】
(項目17)
項目11に記載の方法であって、歯肉ラインにおいて、歯肉ラインの下で、または歯肉ラインに沿って、デジタル化された構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0026】
(項目18)
項目11に記載の方法であって、隣接する歯と直接的に近位間で接触するか、または望ましくなく近位にあるデジタル化された構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0027】
(項目19)
項目11に記載の方法であって、頬構造、歯肉構造、または舌の構造を除去する工程をさらに包含する、方法。
【0028】
(項目20)
項目11に記載の方法であって、作製する工程が、迅速原型作製法を使用して、物理的歯科用テンプレートを与える工程をさらに包含する、方法。
【0029】
(項目21)
歯科矯正対象物を患者の歯に配置する方法であって、以下の工程:
該患者の歯をデジタル化する工程;
該デジタル化した歯の所定の位置に仮想的な対象物を加える工程;
患者の歯に歯科矯正ブラケットを配置するように、テンプレートを作製する工程;
該テンプレートに該歯科矯正対象物を配置する工程;
該歯科矯正対象物を含むテンプレートを、該患者の歯上に挿入する工程;および
該歯科矯正対象物を該歯に結合する工程、
を包含する、方法。
【0030】
(項目22)
歯科矯正結合テンプレートであって、患者の歯の上に挿入されるように成形された複数の空洞(cavity)を有するシェルを備え、該シェルが、該シェルの開口部の上に配置された歯科矯正デバイスを受容するように適合された少なくとも1つの開口部を有する、歯科矯正結合テンプレート。
【0031】
(項目23)
項目22に記載のテンプレートであって、前記シェルが、ポリマーである、テンプレート。
【0032】
(項目24)
項目22に記載のテンプレートであって、前記歯科矯正デバイスを前記シェルに固定するために、前記開口部上に曲線の縁部をさらに備える、テンプレート。
【0033】
(項目25)
項目22に記載のテンプレートであって、前記歯科矯正デバイスが、ブラケットである、テンプレート。
【0034】
(項目26)
項目22に記載のテンプレートであって、前記シェルが、複数の可撓性の連結された空洞を備え、関節状(articulable)である、テンプレート。
【0035】
(項目27)
項目26に記載のテンプレートであって、前記シェルが、直接作製される、テンプレート。
【0036】
(項目28)
項目26に記載のテンプレートであって、前記シェルが、間接的に作製される、テンプレート。
【0037】
(項目29)
項目22に記載のテンプレートであって、前記テンプレートが、非関節状のユニットである、テンプレート。
【0038】
(項目30)
項目22に記載のテンプレートであって、前記開口部が、結合剤が前記歯の所定の領域に適用され得るようなウィンドウを備える、テンプレート。
【0039】
(項目31)
患者の歯上に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートを作製する方法であって、以下の工程:
該患者の歯をデジタル化する工程;
仮想的な対象物を、該デジタル化された歯上の所定の位置に加える工程;および
該患者の歯上に該対象物を位置付けるように、該歯科用テンプレートを作製する工程、を包含する、方法。
【0040】
(要旨)
1つの局面において、歯科用テンプレートは、全体として全ての対象物が、使用者が規定した理想的な配置に並べられるように配向された患者の歯の上に対象物を位置付けることを支持するために開示される。また、テンプレートを作製するための方法が、開示される。この方法は、患者の歯をデジタル化する工程;仮想的な対象物をデジタル化された歯の上の所定の位置に加える工程;および患者の歯の上に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製する工程を包含する。
【0041】
別の局面において、歯科用テンプレートは、全体として全ての対象物が、使用者が規定した理想的な配置に並べられるように配向された患者の歯の上に対象物を位置付けることを支持するために開示される。また、テンプレートを作製するための方法が、開示される。この方法は、患者の歯をデジタル化する工程;仮想的な対象物をデジタル化された歯の上の所定の位置に加える工程;および患者の歯の上に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製する工程を包含する。この歯科用テンプレートは、患者の歯において所定の傾斜または所定の角度で各対象物を位置付けるように設計される。このテンプレートは、エッチングするためまたはブラケットを歯上に位置付けるために使用され得る。
【0042】
別の局面において、対象物を患者の歯上に位置付け、歯を最初の位置から標的位置に移動させるための歯科用テンプレートを作製するためのシステムおよび方法が開示される。このシステムは、最初の位置において患者の歯のモデルをデジタル化し;対象物を歯モデル上の標的位置に配置し;最初の位置における対象物の位置を決定し;そして患者の歯に対象物を位置付けるように、歯科用テンプレートを作製する。
【0043】
別の局面において、患者の歯上にブラケットを位置付けるための方法は、最初の歯の位置で患者の歯をデジタル化する工程;歯の最終位置を決定する工程;ブラケットを最終的な歯の位置に配置する工程;最終的な歯の位置のブラケットの位置に基づいて、最初の歯の位置のブラケットの位置を決定する工程;および患者の歯上にブラケットを取り付けるように歯科用器具を作製する工程を包含する。
【0044】
上記局面の実行は、以下の1つ以上を含み得る。対象物は、ブラケットであり得、そしてブラケットは、そのスロット内に位置付けられて、歯科矯正ワイヤを受容する。この方法は、複数のブラケットを患者の歯の標的位置に位置付ける工程であって、各々のブラケットが、歯科矯正ワイヤを中を通して受容するように適合されたスロットを有する、工程;および標的位置におけるワイヤの歪みを最小化するようにブラケットを整列させる工程を包含する。標的位置におけるワイヤは、アーチ形状であり、そして最初の位置のワイヤは、不規則である。この方法は、対象物の位置を相互作用的に調節する工程を包含する。この方法はまた、理想的な配置からの対象物の逸脱を決定する工程およびこの逸脱を最小化するように、対象物の位置を反復的に調節する工程を包含する。作製は、迅速原型作製法(rapid prototyping method)を使用して、物理的歯科用テンプレートを与える工程を包含する。この対象物は、歯科用テンプレートに埋め込まれ得るか、または歯上に結合される前に、歯科用テンプレートの開口部に挿入され得る。標的位置におけるワイヤは、アーチ形状であり、一方、最初の位置のワイヤは、不規則である。テンプレートは、複数の可撓性の連結された空洞を有して、関節状(articulable)である。テンプレートは、取り外し可能な器具および固定器具の組合せを使用して、歯を処置するために使用され得る。固定器具は、歯列弓(歯列弓の一部)または歯列弓全体の上の2つ以上の歯を覆う。固定器具はまた、患者の歯の舌側に位置付けられ得る。
【0045】
なお別の局面において、対象物を患者の歯上に位置付け、歯を最初の位置から標的位置に移動させるための歯科用テンプレートを作製するための装置は、最初の位置の患者の歯のモデルをデジタル化するためのスキャナー;標的位置において歯のモデル上に対象物を配置するための手段;最初の位置の対象物の位置を決定するための手段;および患者の歯に対象物を位置付けるように歯科用テンプレートを作製するための機械を備える。
【0046】
上記局面の実施は、以下の1つ以上を含み得る。機械は、迅速プロトタイピング機であり得る。この装置は、理想の配置からの対象物の逸脱を決定するための手段およびこの逸脱を最小化するためにこの対象物の位置を反復的に調節するための手段を備え得る。
【0047】
テンプレートの利点としては、以下の1つ以上が挙げられ得る。テンプレートが、エッチングするためまたは歯上にブラケットを位置付けるために使用され得る。処置は、視覚的になされ得、そしてブラケットの配置は、取り外し可能なガイドであるテンプレートデバイスを使用してなされ得る。このデバイスは、ブラケットの正確な配置を可能にし、そして全体的な歯列弓の幾何学的形状とは独立して特定の歯の上にブラケットの配置を可能にする。テンプレートによって、あまり十分な訓練を受けていない人または訓練されていない人が、ブラケットを結合することが容易にされる。このシステムは、距離および角度の認識におけるバリエーションを最小化する。テンプレートは、ブラケットの配置に対して非常に正確な制御を提供する。ブラケットの配置が首尾良い処置に対する重要な変数の1つであるので、テンプレートは、患者間および歯間の処置の正確性を改善する。
【0048】
テンプレートの他の利点としては、以下の1つ以上が挙げられ得る。歯科矯正テンプレートの必要なデジタル表示を形成するために使用される、方法、工程、およびアルゴリズムは、上記される。さらなる特徴、本体、または成分データファイルは、前記テンプレートを形成するために使用された歯ファイルに加えて使用され得る。上記作製方法の要素または概念は、混合されても、結び付けられてもよい。すなわち、ファイルはまた、1つの方法からのいくつかの工程および1つ以上の他の方法からの他の工程を使用することによって作製され得る。
【0049】
テンプレートは、ブラケットの基礎が設計されたノルム(norm)からの歯表面のバリエーションに関わらず、標準化されたブラケットが、歯に正確に位置決めされることを可能にする。処理は、バーチャルに実施され得、ブラケットの配置は、除去可能なガイドであるテンプレートデバイスを使用して実施され得る。このデバイスは、ブラケットの正確な配置を可能にし、全体的な歯列弓形状に依存せず、特定の歯に対するブラケットの配置を可能にする。テンプレートは、あまり熟練していない人または全く熟練していない人が、ブラケットを結合することを容易にする。システムは、知覚距離および知覚角度のバリエーションを最小にする。テンプレートは、ブラケットの配置に対する非常に正確な制御を提供する。ブラケット配置が、首尾よい処理に対する重大な変数の1つであるので、テンプレートは、患者間および歯間で、処理精度を改善する。
【0050】
デバイス自体は、従来の間接的結合(IDB)テンプレートを備えるようなブラケットを必ずしも備えなくてもよいが、ブラケットが、形状適合に基づいて配置されるべき正確な位置に関してユーザを指向する。
【0051】
テンプレートの他の利点としては、以下の1つ以上が挙げられ得る。テンプレートは、歯に対してブラケットをエッチングするか、または位置決めするために使用され得る。処理は、バーチャルに実施され得、ブラケットの配置は、除去可能なガイドであるテンプレートデバイスを使用して実施され得る。このデバイスは、ブラケットの正確な配置を可能にし、全体的なアーチ形状に依存せず、特定の歯に対するブラケットの配置を可能にする。テンプレートは、あまり熟練していない人または全く熟練していない人が、ブラケットを結合することを容易にする。システムは、知覚距離および知覚角度のバリエーションを最小にする。テンプレートは、ブラケットの配置に対する非常に正確な制御を提供する。ブラケット配置が、首尾よい処理に対する重大な変数の1つであるので、テンプレートは、患者間および歯間で、処理精度を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、歯科用テンプレートを製造し、患者の歯に対して対象物を位置決めするための例示的な方法またはプロセスを示す。
【図2A】図2Aは、患者の歯に対して歯科矯正対象物を配置するための例示的な方法またはプロセスを示す。
【図2B】図2Bは、患者の歯に対して歯科矯正対象物を配置するための第2の方法を示す。
【図3A】図3Aは、歯科用テンプレートを製造するための例示的なプロセスを示す。
【図3B】図3Bは、4つの可能なテンプレートを提供するためのプロセスを示す。
【図4−1】図4−1は、種々のテンプレートの斜視図を示す。
【図4−2】図4−2は、種々のテンプレートの斜視図を示す。
【図5】図5Aおよび5Bは、関節付きテンプレートの2つの実施形態を示す。
【図6A】図6Aは、患者の歯に対象物を位置決めし、初期位置から標的位置まで歯を動かすための歯科用テンプレートを製造するためのプロセスを示す。
【図6B】図6Bは、最終位置で歯に対して位置決めされたブラケットの例を示す。
【図6C】図6Cは、ユーザが歯を各処理段階で可視化し得る、例示的なユーザインターフェースを示す。
【図6D】図6Dは、初期位置に戻される場合の例示的ブラケットを示す。
【図7】図7は、対象物を歯に取り付けるプロセスのダイヤグラムである。
【図8】図8は、ワイヤを歯に適合させるプロセスのダイヤグラムである。
【図9】図9は、アタッチメント配置に対するワイヤのマーキングを示すダイヤグラムである。
【図10】図10は、歯科用テンプレートを使用するアタッチメントマウンティングを示すダイヤグラムである。
【図11】図11A〜11Cは、歯におけるブラケット基部の制御された配置を可能にする1つの実施形態を示す。
【図12】図12A〜12Bは、所望される角形成および/または傾斜を有して、歯に対して歯科矯正対象物を位置決めするための他の実施形態を示す。
【図13】図13は、所定の角形成および/または傾斜を有して、任意の3D位置に歯科矯正対象物を位置決めするためのプロセスの例示的なフローチャートである。
【図14】図14は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図15】図15は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図16】図16は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図17】図17は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図18】図18は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図19】図19は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図20】図20は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図21】図21は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図22】図22は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図23】図23は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図24】図24は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図25】図25は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図26】図26は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図27】図27は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図28】図28は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図29】図29は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図30】図30は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図31】図31は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図32】図32は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図33】図33は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図34】図34は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図35】図35は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図36】図36は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図37】図37は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図38】図38は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図39】図39は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図40】図40は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図41】図41は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図42】図42は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図43】図43は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図44】図44は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図45】図45は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【図46】図46は、歯科用テンプレートをデジタル的に規定し、そして形成する種々の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
(説明)
図1は、患者の歯に対象物を位置決めするための歯科用テンプレートを製造する例示的な方法またはプロセスを示す。まず、プロセスは、患者の歯をデジタル化する(10)。次に、仮想的な対象物が、このデジタル化された歯上の前もって決定された位置に追加される(12)。最後に、プロセスは、患者の歯上に対象物を配置するための歯科用テンプレートを製造する(14)。図1の1つの詳細な実行が、以下の図3Aおよび3Bに記載される。
【0054】
図2Aは、患者の歯上に歯科矯正対象物を配置するための例示的な方法またはプロセスを示す。このプロセスは、図1のプロセスにおいて製造されたテンプレートを使用する。このプロセスは、以下の工程を包含する:患者の歯にテンプレートを配置する工程(20);テンプレートと歯との間に歯科矯正対象物をマウントする工程(22);および歯にこの歯科矯正対象物を結合する工程(24)。結合操作において、化学硬化性接着剤または光硬化性接着剤が、使用され得る。化学硬化において、別々に供給された硬化成分が、一緒に混合され、わずかな量の混合物が、ブラケットの後に配置され、その後、歯上にブラケットを配置する。光硬化性接着剤は、一旦接着剤が、十分な量の光に曝されると、硬化反応を開始する光開始剤を含有する。直接結合のための光硬化性接着剤を使用する共通の方法は、ブラケットの底に少量の接着剤を配置する工程、および、次いで、患者の歯にこのブラケットを配置する工程、を包含する。次いで、開業医は、必要とされ得るように、歯上でブラケットを移動する。一旦、ブラケットが、その正確な意図される位置になると、歯の硬化ユニットからの光は、接着剤を十分に硬化するために十分な期間、接着剤の方に指向される。
【0055】
図2Bは、患者の歯上に歯科矯正対象物を配置する第2の方法を示す。このプロセスにおいて、歯科矯正対象物は、テンプレート上に配置される(30)。次に、このプロセスは、患者の歯上にこの歯科矯正対象物を含むテンプレートを挿入する工程を包含する(32)。最後に、このプロセスは、歯に歯科矯正対象物を結合する工程を包含する(34)。
【0056】
図3Aは、歯科用テンプレートを製造する例示的プロセスを示す。まず、患者の歯のデジタルモデルが得られる(102)。デジタルモデルは、種々の方法において得られ得る。例えば、患者の歯は、周知の技術(例えば、X線、三次元的X線、コンピューター補助断層撮影画像またはデータセット、磁気共鳴画像など)を使用して、走査され得るかまたは画像化され得る。種々の範囲取得システムが存在し、これらは、一般的に、取得のプロセスが、三次元対象物との接触を必要とするかどうかによって分類される。接触型の範囲取得システムは、プローブを使用し、複数の程度の並進自由度および/または回転自由度を有する。サンプル表面を越えて引かれる場合プローブの物理的変位を記録することによって、サンプル対象物のコンピューター読み取り可能表示が作製される。非接触型の範囲取得デバイスは、反射型システムまたは透過型システムのいずれかであり得る。種々の反射型システムが用いられている。これらの反射型システムのいくつかは、非光学的入射エネルギー源(例えば、マイクロ波レーダーまたはマイクロ波ソナー)を使用する。他のものは、光学的エネルギーを使用する。反射された光学的エネルギーによって作動するこれらの非反射型システムは、実施されるべき特定の測定技術を可能にするように構成された特殊な装置(例えば、画像化レーダー、三角測量およびインターフェロメトリー)をさらに備える。
【0057】
次に、仮想的なブラケットが選択される(104)。仮想的なブラケットは、現存するブラケットの3Dモデルである。3Dモデルは、コンピューター支援設計(CAD)モデルであり得るか、または、上記のスキャナーを使用してスキャンされ得る。ブラケットは、デジタル化された歯上に、適切なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)および画像を見、そして改変するために適切なソフトウェアを有する、コンピューターまたはワークステーションを使用して位置決めされ得る。上記の成分同定および成分操作ソフトウェアは、操作者の熟練レベルに比例した複雑さで操作されるように設計される。例えば、成分操作ソフトウェアは、歯科矯正の熟練を有さないコンピューター操作者を、歯の許容操作および禁制操作に関するフィードバックを提供することによって、補助し得る。他方、口内生理学および歯移動動力学においてより高い熟練を有する歯科矯正医は、ツールとして成分同定および操作ソフトウェアを単純に使用し、アドバイスを抑止するか、またはそうでなければ無視する。
【0058】
方法は、デジタルデータのコンピューター操作を頼みにし、その一方で、歯科用テンプレートまたは器具は、非コンピューター補助技術によって作成され得る。例えば、上記されるように得られる硬膏剤キャストは、ナイフ、鋸子または他の切断ツールを使用して切断され、キャスティング内の個々の歯の再位置決めを可能にする。次いで、ばらばらにされた歯は、ソフトワックスまたは他の延性材料によって適所に保持され得、次いで、複数の中間の歯配列が、患者の歯の改変された石膏剤キャスティングのようなものを使用して調製され得る。異なる配置は、圧力成型技術および真空成型技術を使用してテンプレートを調製するために使用され得る。本発明の器具システムのこのような手での作成が、一般的にあまり好ましくない、その一方で、このように作成されたシステムは、本発明の範囲内に含まれる。
【0059】
CADワークステーションを使用して、仮想的ブラケットと歯とを合わせたデジタルモデルが、作成される(106)。
【0060】
1つの実行において、図3Bにより詳細に議論されるように、以下の4つのテンプレート実施形態のうちの1つが、選択され得る:直接的関節付きテンプレート、間接的関節付きテンプレート、直接的一体化されたテンプレート、および間接的一体化されたテンプレート。
【0061】
1つの実施形態において、一旦テンプレートが製造されると、システムは、患者の歯列弓のモデル上にテンプレートを取り付けるか、そうでなければ、これらのそれぞれの歯の隣接する位置にテンプレートを位置決めする。熱成型された層、キャスト層、またはそうでなければ可撓性材料の形成された層が、本体上に配置される。この層は、テンプレートの、本体との接触を、密接かつ比較的丈夫にする。これは、とりわけ、体に対する外形を加算するかまたは減算し、材料層と良好に係合することによって、達成され得る。この方法は、工場かまたは歯科矯正医の診療所のいずれかで実施され得る。
【0062】
システムは、テンプレート本体および歯内部分の両方を同時に生成し、続いて、種々の部分の剛性を変更する。これを達成する1つの方法は、3−Dプリンターを用いて歯列弓全体を生成すること、歯内部分から歯体をマスクすること、および歯体を剛性化剤を用いて埋め、可撓性を生成するための薬剤を用いて歯内部分を埋めることである。
【0063】
関節付きテンプレートが製造されるべき場合、プロセスは、108から、110まで進行し、ここで、直接形成されたテンプレートが製造される場合、プロセスは、114に進行し、ここで、各歯がスケールされ;歯科用テンプレートまたは器具が患者の歯に挿入される場合、空洞が、歯を取り囲むように形成される。次に、不必要な構造がデジタルモデルから除去される。デジタルモデルは、物理的モデルとして生成される。可撓性柔軟層が、形成され、得られた組み合わせは、適切な適合および機能を可能にするように形を整えられる。
【0064】
あるいは、間接的な形成がなされるべき場合、プロセスは、110から、アライナーを形成し、切断し、そして過剰の材料を除去する(112)。
【0065】
108から、非統合テンプレートが間接的に製造されるべき場合(116)、アライナーが、形成され、そして形を整えられる(118)。直接的に形成された非統合テンプレートの場合(116)、プロセスは、120に進行し、ここで、アーチ内の各歯がスケールされ;歯科用テンプレートまたは器具が、患者の歯の上に挿入される場合、空洞は、歯を取り囲むように形成される。次に、不必要な構造が、デジタルモデルから除去される。デジタルモデルが、物理的モデルとして生成される。
【0066】
図3Bは、4つの可能なテンプレートを提供するためのプロセスを示す。まず、プロセスは、歯列のデジタルモデルを取得し、歯に仮想的ブラケットを追加し、そして合わせたモデルを作成する(180)。次に、4つのテンプレート選択肢のうち1つが、選択され得る。第1の選択肢は、一体化されたか(または単一の断片であり)(プロセスがアーチをスケール(推定105〜150%)する直接製造選択肢)、同じ3D空間においてオリジナルのアーチおよびスケールされたアーチを配置し、スケールされたアーチの内部にオリジナルの空洞を作製し、歯肉部分、舌歯表面の実質部分、仮想的ブラケットを覆う頬面歯肉表面を除去し、そしてデジタルモデルから実際のアーチモデルを作成する(182)。
【0067】
第2の選択肢(一体化された間接的製造)において、プロセスは、デジタルモデルから実際のアーチモデルを作成し、実際のアーチモデル上に取り外し可能な器具(アライナー)テンプレートを形成する。テンプレートは、実際のモデルから取り外され、次いで、歯肉部分、舌歯表面の実質部分、仮想的ブラケットを覆う頬面歯肉表面を除去する(184)。
【0068】
第3の選択肢(関節付き直接的製造)において、プロセスは、個々の歯をスケール(推定105〜150%)し、同じ3D空間においてオリジナルの歯およびそのスケールされたバージョンを各々配置し、スケールされたバージョンの内部に各オリジナルの空洞を作製し、歯肉部分、舌歯表面の実質部分、仮想的ブラケットを覆う頬面歯肉表面を除去し、デジタルモデルから実際の歯モデルを作成し、適切な位置および方向に歯を位置決めし、歯の上に可撓性材料または柔軟な材料を形成し、そしてテンプレートから過剰の材料を切り取る(186)。
【0069】
4つ目の選択肢において(関節付き間接的製作)、このプロセスは、歯列弓の鋳型におけるアライナー様のテンプレートを形成する。このテンプレートは、鋳型から取り除かれ、そして実質上のブラケットを覆う歯肉部分、舌の近くの歯表面のかなりの部分および頬筋歯肉表面が、切り取られる。このプロセスは、個々の歯における歯列弓状のテンプレートを、切断する。テンプレート上の可撓性のある層または形成しやすい層が形成され、そして過剰な材料が、切り取られる(188)。
【0070】
なお別の実施形態において、プロセスが、歯の外形を得る。直接の製作が用いられる場合、このプロセスは、以下を実施する:
歯を105%〜150%の範囲内のような値にスケールする。
【0071】
同じ3次元空間で元の(100%)歯およびスケールされた歯を、共に配置する。
【0072】
特定の位置で、および各々の歯が処理される特定の向きにおいて実質的なブラケットまたは他の適切な外形を配置する。
【0073】
元の歯およびスケールされた歯におけるブラケットに穴を開ける。
【0074】
生じるテンプレート、または歯肉の線より下である面を取り除く。ブラケットに対して頬側および歯肉側で生じる本体の部分の除去は、生じる本体の舌の近くの側面のかなりの部分または全てを取り除く。
【0075】
このコンピューターモデルを、迅速原型作製法を介して実際の部分に変換する(例えば、溶解配置モデル、3D印刷、および立体リソグラフィー)。
【0076】
間接的製作が行なわれる場合、以下の操作が、歯列弓モデルを用いて行なわれる:
ブラケットまたは歯上に適切に位置した他の適切な外形を有する歯列弓モデル上に、アライナー様器具またはテンプレートを形成する。
【0077】
アライナーまたはテンプレートから歯肉の線の下である面または隣接する歯に接触する直接の隣接歯間を取り除く。ブラケットに対して頬側および歯肉側のアライナーの部分を取り除く。アライナーの舌の近くの面のかなりの部分または全てを取り除く。完了後、このプロセスは、処理の開始においてか、または処理が要求される場合のいずれにおいても歯科矯正医に対してテンプレート、本体または完成した器具を発送する。
【0078】
図4Aは、鋳型210上で形成された歯科用テンプレート220または器具の1つの実施形態を示す。このテンプレートは、除去可能な器具のように見えるが、これは、開口部222もしくはフットプリントに近づく「ポート穴」、フットプリントの重要な部分、および/またはブラケットの可能性のある他の幾何学的特徴を有し、各々の歯におけるブラケットの厳密な配置を導く。開口部222または「ポート穴」を有するこのテンプレート220はまた、エナメル質エッチングまたは粘着配置のための指針であり得る。
【0079】
鋳型210は、迅速原型作製法を用いて作製されたデジタルモデルの物理的翻訳である。突出または突起212が、鋳型210から生じ、歯科用テンプレートまたは器具が熱的に形成される場合、開口部222が、テンプレート220上に形成される。開口部222は、テンプレートが突出または突起212の端に沿ってテンプレートが切られる位置である。開口部222は、ブラケット支持端226を有し、その操作は、図4Bにより詳細に記載される。支持端226に加えて、テンプレート220は、歯の解剖学における保持を最小化する特徴を有し得る。例えば、デバイスの舌に近い面が、最大の被覆を有し得るわけではない。
【0080】
鋳型210についての作製方法は、立体リソグラフィー機械または統合された配置モデリング機械のような迅速原型作製デバイスを利用する。適切な迅速原型作製機械は、3D System、Valencia、Califから入手可能なモデルSLA−250/50である。迅速原型作製機械は、液体または他の非硬化樹脂を3次元的構造に選択的に硬化し、これは残っている非硬化樹脂から分離され、洗われ、およびこの器具として直接またはこの器具を作り出すための鋳型として間接的にのいずれかで用いられ得る。原型機械は、個々のデジタルデータセットを受け、所望される器具の各々に対応する1つの構造を作り出す。一般に、立体リソグラフィー機械が、最適でない機械特性を有し得、かつ患者の使用のために一般に受容可能でないかもしれない樹脂を利用し得るために、原型機械は、鋳型210を作り出す。正のモデルが調製される後、従来の加圧または真空成型機械を使用して、Tru−Tain Plastics、Rochester、Minn.55902より入手可能な0.03インチの熱形成歯材料のような、より適切な材料から器具を作り出し得る。適切な圧力成型装置が、Great Lakes Orthodontics,Ltd.,Tonawanda,N.Y.14150から商品名BIOSTARの下、入手可能である。成型機械が、正の歯モデルおよび所望される材料から直接各々の器具を作り出す。適切な真空成型機械が、Raintree Essix,Inc.から入手可能である。
【0081】
1つの実施形態において、テンプレートが、厚い材料(例えば、0.03インチ以上)から作られ、使用者に深部方向におけるさらなる指針を提供する。さらに、厚いテンプレートは、ブラケットを歯により容易に整列させることを可能にする。
【0082】
歯科用テンプレートまたは器具の作製についてのより多くの情報は、米国特許第6,499,997号「Manipulable dental model system for fabrication of a dental appliance」;米国特許第6,497,574号「Modified tooth positioning appliances and methods and systems for their manufacture」;米国特許第6,488,499号「Methods for correcting deviations in preplanned tooth rearrangements」;米国特許第6,485,298号「System and method for releasing tooth positioning appliances」;米国特許第6,471,511号「Defining tooth−moving appliances computationally」;米国特許第6,463,344号「Efficient data representation of teeth model」;米国特許第6,457,972号「System for determining final position of teeth」;米国特許第6,454,565号「Systems and methods for varying elastic modulus appliances」;米国特許第6,450,807号「System and method for positioning teeth」;米国特許第6,409,504号「Manipulating a digital dentition model to form models of individual dentition components」;米国特許第6,406,292号「System for determining final position of teeth」;米国特許第6,398,548号「Method and system for incrementally moving teeth」;米国特許第6,394,801号「Manipulable dental model system for fabrication of dental appliances」;米国特許第6,390,812号「System and method for releasing tooth positioning appliances」;米国特許第6,386,878号「Systems and methods for removing gingiva from teeth」;米国特許第6,386,864号「Stress indicators for tooth positioning appliances」;米国特許第6,371,761号「Flexible plane for separating teeth models」;米国特許第6,318,994号「Tooth path treatment plan」;米国特許第6,309,215号「Attachment devices and method for a dental appliance」;米国特許第6,299,440号「System and method for producing tooth movement」;米国特許第6,227,851号「Manipulable dental model system for fabrication of a dental appliance」;米国特許第6,227,850号「Teeth viewing system」;米国特許第6,217,325号「Method and system for incrementally moving teeth」;米国特許第6,210,162号「Creating a positive mold of a patient’s dentition for use in forming an orthodontic appliance」;および米国特許第5,975,893号「Method and system for incrementally moving teeth」に開示され、その内容は参照によって本明細書中に援用される。
【0083】
さて図4Bに注意すると、テンプレート220が、鋳型210から分離される。開口部222が、ブラケット基部が、開口部222に適合することを可能にする。ブラケット支持端226は、テンプレート220中にブラケットを安全に位置する必要がある。この実施形態において、ブラケット支持端226は曲線美がある。端226が、単純な平らな端として終結する場合、ブラケットは、歯のXおよびY表面上に位置し得るが、Z方向(頬の舌の方向)は、制御されない。端226が、Z方向におけるブラケットの自由度の必要とされる制御を提供し、任意の所定の軸についてブラケットの方向付けを可能にする。これらの特徴は、ブラケットが、各々の歯における適切な位置および向きに固定されることを可能にする。端226は、売り手に依存して、または処方箋に依存して変わり得る。
【0084】
テンプレートの別の実施形態を、患者の歯におけるエッチング結合化合物として用い得る。エッチングテンプレートは、使用者を、結合される必要のある歯表面上の所定の位置に向ける。このエッチングテンプレートは、窓のあるテンプレートまたは結合ゲルが凹面に充填されるか、または予め充填される、凹面表面のテンプレートの形式のいずれかであり得る。
【0085】
図4Cは、テンプレート220中の各々の開口部、切り出し、ポート穴、またはスロット222が、特定のブラケット4A、4Bおよび4Cに適合するように設計され、各々のブラケットが、テンプレート上の各々の部分に適合する、テンプレートを示す。
【0086】
図4Dは、システムが、ブラケット設計または形に制限されないことを示す。図4Dにおいて、大臼歯チューブブラケット215が、開口部222上に配置され得る。従って、テンプレート220は、いずれの特定のブラケットにも制限されない。むしろ、歯上に置かれた固定された歯科矯正器具の任意の形態が、収容され得る。
【0087】
図5Aおよび5Bは、関連付けられるテンプレートの2つの例示的な実施形態を例示する。図5Aは、2つの近位の歯の隣接歯間の領域で結合される2つのセグメントを示す。結合方法が、または1つの隣接歯間領域から次のものに交互であるか、または代わり得ることを包含する、歯を結合させる多くの代わりの方法が、用いられ得る。さらに、結合方法はまた、図5Bで描かれるような歯のさらなる表面または異なる表面を覆う層であり得る。
【0088】
図5Aにおいて、テンプレートが、数多くの移動可能なテンプレート成分250から構成されている。各々のテンプレート成分250が、患者の歯上に置かれ、ブラケット結合を容易にし得る。移動可能なテンプレート成分250が、成分250の上に置かれる材料252のシートにより一緒に物理的に結合され、その結果この成分は、鋳型または立体リソグラフィー器具(SLA)モデルからの除去の際に崩壊せず、さもなければ分解されない。関連付けられるテンプレートは、これらがより大きな調節可撓性を提供するという点で利点がある。
【0089】
このテンプレートを、エッチングテンプレートとしてさらに用い得る。エッチングテンプレートは、医師が、ブラケットが配置される歯の領域を、正確にエッチングすることを可能にする。小さな窓が、エッチングされる領域と境界を接し、エッチングまたは所望されないエナメル質除去に対する歯の感受性を最小化する。このエッチングテンプレートの別の種類において、カットアウトが形成されない。その代わりに、歯の表面に面する領域が、凹面である。これらの凹面は、エッチング化合物を含む。使用者は、エッチング化合物をむき出しにするか、または活性化してから、歯上にテンプレートを設置する。
【0090】
テンプレート220は、除去の容易さのための物理的特性スイッチを含む材料から構成され得る。これらのスイッチとしては、温度応答性、pH応答性、湿気応答性または層が、変動する物理的特性を有する多層系が挙げられ得る。セクション500(図5B)は、可撓性または成形しやすい材料を表す。さらに、この材料は、繊維、ひも、繊維網、または繊維で補強された固体であり得る。隣接歯間の材料は、同質でも異質でもよい。
【0091】
テンプレートセクション252は、除去を容易にするための物理的特性スイッチを含む材料から構成され得る。これらのスイッチとしては、温度応答性、pH応答性、湿気応答性または層が、変動する物理的特性を有する多層系が挙げられ得る。セクション252は、可撓性または成形しやすい材料を表す。さらに、この材料は、繊維、ひも、繊維網、または繊維で補強された固体であり得る。隣接歯間の材料は、同質でも異質でもよい。
【0092】
除去可能な器具(例えば、米国特許第6,309,215号に記載されるような)ならびにワイヤーおよびブラケット器具の両方を用いる1つの例示的な処置の間、医者は、診察の間処置が必要な患者の歯列弓を眺め得、そして続いて彼/彼女が用いて、処置の一部を実施する、特定のワイヤーを選択し得る。ワイヤーの選択において、医者は、医者の処方に基づく実質的なセットアップシステムに対する情報を提出する。別の実施において、データ採掘は、以前に蓄積したデータを用いて歯科用器具を用いる歯の移動の成功率、および失敗率の可能性を示し得る。このデータを、3つの領域にカテゴライズして、成功の処置および移動の可能性を記載する:例えば、高い成功の可能性;処置の結果における減少した成功の可能性;およびほとんどない成功の可能性からまったくない成功の可能性まで。データ採掘の結果に基づいて、システムは、歯科用器具使用の適切な順序を推薦する。
【0093】
順序決めは、どのアライナーの可能な運動が、容易さの程度または効果的な処置の結果に対する必要に従って、最初に実施されるべきかを決定することである。組み合わせ処置の1つの例示的な実行が、処置におけるより早い信頼性の高い動きを実施し、より挑戦的な動きが続く。これは、除去可能な器具が、処置の第1の段階で用いられ、接着およびワイヤー処置が続くことを意味し得る。あるいは;ある場合について接着およびワイヤー処置を最初に用い、除去可能な器具を、処置の最終段階で用い得る。処置方法がまた、変わり得(すなわち、アライナー、付属品およびワイヤー、アライナーが続く)および組み合わせ処置が、同時に用いられ得る(すなわち、アライナーならびに付属品およびワイヤーが同時に用いられる)。付属品およびワイヤーが、歯の頬側または舌側において配置され得る。器具はまた、部分的(例えば、3−3前方歯列弓のような)であり得、部分的付属品およびワイヤー処置と組み合わされ得る(すなわち、臼歯上または後方の歯上に配置される)。1つの実施例反復において、IPR(隣接歯間減少)を用いて、患者の顎の上部の歯列弓における双頭歯のような歯上の空間を作り出す。続いて、ワイヤーを載せて、前方の歯を歯列弓の大きさが減少し、そして隣接歯間の空間が閉まるように後ろに引っ張り、アライナーを用いて達成される3−3移動が続く。
【0094】
図6Aは、歯科用テンプレートを作製して、目的物(例えば、ブラケットのような)を患者の歯上に位置し、始めの位置から標的位置に歯を動かすプロセスを例示する。このプロセスは、始めの位置での患者の歯のモデルをデジタル化する工程を包含する(602)。次に、標的位置が決定される(604)。標的位置は、処置の終わりの歯の最後の位置であり得る。
【0095】
次に、テンプレートの作製の後、医者が標的位置にて患者の歯上に複数のブラケットを配置し、スロットを有する各々のブラケットは、患者の歯の最後の位置における載せられたブラケットを示す図6Bに例示されるような、それを通る歯科矯正のワイヤーを受けるよう適合される(606)。このプロセスは、必要に応じてブラケットを整列し、標的位置でのワイヤーにおけるひずみを最小化する(608)。
【0096】
このプロセスは、歯がその最初の位置に届くまで、同時に一段階で、歯の最後の位置から後戻りすることによって最初の位置にて目的物の位置を決定する(610)。歯を最後の位置から最初の位置に動かすための座標変換が適用され、目的物の最初の位置の位置を決定する。
【0097】
図6Cは、ユーザが歯を各処置段階において可視化することを可能にする、例示的なユーザインターフェースを示す。1つの例において、歯は、ある時点において1つの段階に退却され、最初の位置に達し得る。ブラケットが歯に固定されるので、ブラケットの退却位置もまた決定され得る。図6Dは、ブラケットが最初の位置に退却した場合の例示的なブラケットを示す。このプロセスはまた、理想的な配置からの対象物の変位を決定し得、そして対象物の位置を繰り返し調節して、この変位を最小にし得る。
【0098】
図6Aに戻って参照すると、最終的に、歯科用テンプレートは、医師が患者の歯に対象物を配置することを可能にするために、作製される(612)。このテンプレートは、迅速原型作製法を使用して、作製され得る。1つ以上のブラケット対象物が歯科用テンプレートに埋め込まれ得、そしてこの歯科用テンプレートが、患者の歯を覆って挿入され得る。あるいは、ブラケット対象物は、歯に接着される前に、歯科用テンプレート上の開口部に挿入され得る。
【0099】
図7は、組み合わせ処置の1つの例示的な実施を記載する。処置の段階が選択される(工程702)。このプロセスは、取り外し可能な装具を処置のために使用するか、またはアタッチメントおよびワイヤを使用することのいずれかの、医師に好都合な処置の予測を行う(工程704)。
【0100】
症例の最終配列に基づいて、適切なアタッチメントが選択される(工程706)。一旦、アタッチメントが決定されると、予め決定されたフィット値(例えば、FACC点)が規定される(工程708)。FACC点の決定に含まれる要因としては、歯、アタッチメント、およびワイヤの衝突が挙げられる。一旦、FACC点が決定されると、データベースは、医師によって使用される最適なワイヤを提供する(工程710)。歯科医は、患者のためにワイヤを選択する場合に、個々のアプローチを使用する。ある医師は、単一の型のワイヤを使用し、ある医師は、多数の異なるワイヤから選択する。あるいは、標準的なワイヤが使用され得る。一旦選択されると、そのワイヤは、アタッチメントの適切な配置のためにマーキングされる(工程712)。最後に、アタッチメントおよびワイヤが、患者の歯に設置される(工程714)。
【0101】
図8は、工程710を記載する。最適なワイヤが、一連の単純な最小二乗法の数学式を使用して決定される。特定の患者症例が与えられると(工程722)、ワイヤが選択される。処置の最終位置を使用して(工程724)、ブラケット先端からワイヤの縁部までの最短距離が計算される(726)。
【0102】
d=アタッチメントとワイヤとの間の距離とすると、
i=1〜16または17〜32(いずれの歯/顎かに依存する)の任意のiについて、di>0
di<D
であり、ここで、Dは、0.1mmと50mmとの間で規定される数である。このワイヤは、アタッチメントとワイヤとの間の最短距離を有する、最適なワイヤであると設定される(728)。全ての引き続くワイヤが、同じ計算を使用して測定される(730〜734)。
【0103】
図9は、医師によるアタッチメントの配置のためにワイヤにマーキングする、より詳細な工程712を記載する。測定値が、初期位置における顎へのアタッチメントの配置から検索される。距離および方向が、地点の間で測定される(742)。2つのさらなる領域が測定され得る:1)ワイヤの物理的特性(すなわち、ワイヤがどの程度屈曲し得るか)(工程744)、および2)1つのブラケット先端から隣のブラケット先端までの曲線距離(工程746)。最後に、最初のアタッチメントが停止する場所を示すための点が、ワイヤに配置される(工程748)。同じ繰り返しが、各引き続くアタッチメントについて反復される。
【0104】
図10は、より詳細な工程714を示す。ワイヤおよびアタッチメントを設置するために、歯の基部からワイヤへの移行構造が決定される(752)。アタッチメント対象物が、アライナーのポケット領域の内側に配置される(754)。充填材料(セメントが最もあり得る)が、アライナー中で、アタッチメントの後方かつ残りのアライナーの領域に配置される(756および758)。これは、アタッチメントが歯に配置される後の段階において、アライナーの取り外しの容易さを増加させる。医師は、このアライナーを、アタッチメントおよびセメントと共に、歯に嵌める(760)。紫外線が使用されて、セメント充填材料を歯に固定する(762)。Testaベースのアライナーについては、熱水が、このアライナーに撒布される(工程764)。なぜなら、Testa材料は、より柔軟になることによって、熱に応答するからである。一旦、アライナーが冷却されると(766)、医師は、このアライナーを患者の口から、比較的容易に取り外し得る(768)。このアタッチメントはここで、歯に固定され、これは、ブラケットを配置する標準的な歯科矯正学的原理に従う。最後に、医師は、工程712において参照としてワイヤ上にマークされた印を使用して、ワイヤを各アタッチメントに接続する。
【0105】
組み合わせ処置を実施するための例示的な擬似コードは、以下の通りである:
処置の段階を選択する。
医師に対して最も高度な好都合さに基づいて、アタッチメントおよびワイヤを使用する処置の予測を行う。
症例の最終配列に基づいて、適切なアタッチメントを選択する。
FACC点を規定する。
最小自乗式を使用して、最適なワイヤを決定する。
【0106】
ワイヤを選択する
処置の最終位置に行く
ブラケット先端からワイヤの縁部までの最短距離を計算する
この値を(set_minimum distance)および最適なワイヤとして設定する
次のワイヤを選択する
ブラケット先端からワイヤの縁部までの最短距離を計算する
距離の値(mmで)が第一のワイヤの最短距離より小さい場合、このワイヤが最適なワイヤとして再設定される
距離の値(mmで)がより大きい場合、第一のワイヤが、最適として選択される
アタッチメントの適切な配置のために、ワイヤをマーキングする。
【0107】
アタッチメント点間の距離および方向を測定する
ワイヤの物理的特性を測定する
1つの先端から隣の先端までの曲線距離を計算する
最終位置においてアタッチメント点をマーキングする
点が認容可能である場合、この繰り返しを、各引き続くアタッチメントについて反復する
ワイヤおよびアタッチメントを患者の歯に設置する。
【0108】
歯の基部からワイヤへの移行構造を決定する
指定されたアライナー「ポケット」内にアタッチメントを配置する
アライナーの後部および各アタッチメントの周りに、セメント/充填剤を充填する
さらなるセメント充填剤をアライナー内に配置して、アライナーの取り外しの容易さを増加させる
アライナーを歯に嵌める
UV光を使用してアタッチメントを歯に固定する
熱水をTestaベースのアライナーに撒布する
アライナーを冷却する
アライナーを取り外す。
【0109】
従って、上記プロセスは、履歴データに基づいて、最適な処置手順を決定する;そして歯を移動させるための1つ以上の歯科デバイスを作製し、このデバイスは、コンピュータで合成された維持装置またはアタッチメントとワイヤとの組み合わせから選択される。最適な処置手順の決定は、患者の歯のデジタルモデルを捕捉する工程;およびこのデジタルモデルを、履歴処置症例のライブラリーと比較する工程を包含し得る。この処置は、保持器具を用いて歯を移動させる工程、およびアライナーでの処置の終了時に、アタッチメントが埋包された保持器具を製造する工程を包含し得る。
【0110】
歯科矯正学用ブラケットは、所定の製造者の処方および使用について、固定された基部プロフィールで設計および作製される。ブラケットの基部は、歯と界面を接するその表面をいう。患者の歯の形態は独特であるので、ブラケットの基部およびその下にある歯は、十分に歯嵌合しないかもしれない。代表的に、ブラケットの基部と歯の表面との間には、ギャップが存在する。このギャップは、充填されて、「あつらえ基部」を形成する必要がある。あつらえ基部は、ブラケットが歯に適用される場合の、ブラケット基部の角形成および/または傾きの調節を包含し得る。
【0111】
図11A〜11Cは、ブラケット基部の歯404への制御された配置を可能にする、別の実施形態を示す。図11Aは、歯404を覆うテンプレート400を示し、一方で図11Bは、モデル413を覆うテンプレート400を示す。テンプレート400は、ブラケット402を備える。ギャップ406が、歯404とテンプレート400との間に存在する。図11Bにおいて、ギャップ406は、ブラケットとモデルとの間に存在する。ブラケットは、予め決定されたトルク(傾き)および予め決定された先端(角形成)を有する、その好ましい位置に配置される。図11Cは、シェル付のモデル上のテンプレートを示し、これは、ギャップがモデル414内から充填され得るように、貫通孔を有する。適切なエポキシが、このギャップを充填するために適用される。
【0112】
結合テンプレートは、ギャップ406へのアクセスをなお残したままで、ブラケットを空間的に固定し得る。テンプレートは、実際の歯または歯のモデルに適用され得る。このアクセスは、この目的のために設計されたアプリケータを用いてかまたは用いずに、テンプレートにおける適切な構造を介し得る。
【0113】
歯のモデルを使用する場合において、このモデルは、ブラケット402の背後へのアクセスのための穴412を有するシェルであり得る。また、あつらえられた基部は、1つのモデルを別のモデルにプレスすることによって形成され得、同時にブラケットがテンプレート400によって空間的に固定される。この場合、外側「モデル」は、テンプレートと類似の構造であるが、より剛性であり、かつ歯の表面のより多くを覆う。内側「モデル」は、実際の歯を置きかえる。基部のギャップは、まず結合媒体(例えば、接着剤)で充填される。2つのモデルが一緒にフィットされる場合、結合媒体は、このギャップ内に圧縮され、そしてブラケットの周りのすべての過剰のばりが除去される。なお別の方法は、歯を置き換えるための中空モデル、このモデルを覆ってブラケットを適所に固定するテンプレート、および第一の中空モデル内に入れ子にされる第二のモデルを有する。この後者が中空モデルに押し込まれる場合、接着剤が、中空モデル内の穴(これは、ブラケットの基部の背後に位置する)を強制的に通される。接着剤を硬化させた後に、2つのモデルが取り外され、これによって、ブラケットおよびそのあつらえ基部が、テンプレート内に残る。
【0114】
予め選択されたかまたは予め決定された傾きまたは角形成を有するテンプレートは、以下のように設計される。第一に、このシステムは、患者の歯をデジタル化する。次に、操作者は、歯科CADシステムを使用して、仮想的な対象物を、デジタル化された歯の上の予め決定された位置に追加する。このCADシステムは、仮想的な対象物を、歯の上の予め決定された傾きまたは予め決定された角形成に移動させるために使用される。生じるデータは、歯科用テンプレートを製造するための製造機械に送信され、決定された傾きおよび/または角形成を用いて、患者の歯の上での対象物を具体的に位置決定する。
【0115】
使用の間、歯科の専門家は、歯科矯正用対象物またはブラケットをテンプレート上に設置し、そしてこのテンプレートを、患者の歯またはそのモデルに配置する。テンプレートは、予め処方された角形成および/または傾きでブラケットを保持するので、このブラケットの基部は、歯の上で正確に配置される。歯科の専門家は、エポキシを、ブラケットと歯との間のギャップに注入して、所望の角形成および/または傾きで、歯科矯正用対象物を歯に結合する。
【0116】
図12A〜12Bは、所望の角形成および/または傾きで、歯に歯科矯正用対象物を配置するための、他の実施形態を示す。図12Aの実施形態において、複数のレール432が、歯のモデル430に形成される。図12Bの実施形態において、レール442がまた、歯のモデル440に配置される。複数の開口部444が、モデル440に提供されて、レール上またはレール内に設置されるブラケットの基部へのアクセスを可能にする。レール432および442は、適切な位置に加えて、歯の上でのブラケットの適切な角形成および/または傾きを提供するように、設計される。
【0117】
1つの実施形態において、2つ以上のレールまたはリッジが、適切なモデル基材上で、ブラケットの外側縁部に沿って作製される。この基材は、プラスター、樹脂、またはポリマーの基材であり得る。結合媒体が、基部の近隣を覆って適用される。この結合媒体またはエポキシは、基部の寸法を超えて流れ得る。次いで、ブラケットは、レールに対して、またはレール内のチャネル内へと押し込まれ、これは、ブラケットの基部を適合させて、正確な空間的位置を矯正し、そしてまた、正確な面位置に制限する。これらのレールはまた、ブラケットの基部を、正確な面位置に制限する。次いで、結合媒体が硬化される。ブラケットおよびあつらえ基部が、基材から取り外され、この基材は、主として支持せず、または弾性結合を接着させない。
【0118】
ここで図13を参照すると、あらゆる任意の三次元位置でブラケットを位置決めし得るテンプレートを形成するための、例示的なプロセスが示されている。第一に、このプロセスは、歯のデジタルモデルを獲得する(450)。次に、このプロセスは、テンプレートによって支持されるべきブラケットのデジタルモデルを獲得する(452)。次に、このプロセスは、3D空間において、各ブラケットを、その下にある歯に対して配置する(454)。これらの位置を決定する方法は、以下を包含する:Andrewの直状ワイヤ、Roth、MBT、ブラケット構造と生物学的参照との間の距離および角度を測定すること、または医師の特定の理論もしくは哲学に基づくこと。次いで、このプロセスは、本明細書中に開示されるようなテンプレートファイルを作成する(456)。このテンプレートは、完成したデジタルファイルから作成される(458)。
【0119】
図14は、ヒトの歯502、504、506の、3回走査されたかまたは他の様式で捕捉されたデジタルモデルまたは表現の、100%スケールでの表現を示す。図15は、図14の歯からスケールを変更した歯のモデルを示す。この実施形態において、尺度因子は140%であるが、このスケールは、約105%と150%との間であり得る。図16は、歯のモデル508と512とが重なった箇所を示す。ワイヤフレーム表現が、共通の体積510を示すために使用されている。この共通の体積は、適切なテンプレートを作成することと矛盾し得る対象物を同定する。図17は、隔壁510の実線表現である。
【0120】
図18および19は、スケーリングされた歯のモデル508を示し、この場合、歯のモデル508は、140%に拡大されている。図18は、歯のモデル508とその隣接する歯のモデル512との間で共有される、共通の体積510のモデルの近位側(観察者に最も近い側)からの除去を示す。図19は、共通の体積510が歯の近位表面から除去され、「かつ」100%の歯のモデルが歯のモデル508から減算された、歯のモデル508を示す。従って、図19は、100%の歯のモデルを覆うシェルである。
【0121】
図20および21は、共通の体積510を隣接する歯のモデルから除去する必要性を図示する。図20は、図15のスケーリングされた歯のモデルから図14のもとの歯のモデルを減算して、隔壁510によって分離される空洞509を形成することを示す。このような形成は、テンプレートが患者の歯を覆って配置されることを除外する。図21において、共通の体積512および514は、歯のモデル511と歯のモデル513との間、および歯のモデル513と歯のモデル515との間に位置する。体積512および514は、これらの除去または減算の前で示されている。図22は、共通の体積がテンプレートモデルから除去されたモデルを示す。この場合、共通の体積520および522は、明瞭さのために拡大されているが、実際には、共通の体積の形状をもたらす歯の尺度因子によって規定される体積の大きさである。図23および24は、接合していない歯のモデルを接続するための、バットレスまたは手段の追加を示す。図22に戻って参照すると、一旦、これらの共通の体積520および522が除去されると、ギャップ524および526は、それぞれ歯のモデル525、527および529の間に存在し得る。
【0122】
図23〜24は、患者の歯の上に配置されるべき1つの連続テンプレートである、固体本体の液性を示す。図23の場合において、接合要素またはバットレス要素530〜532が、別個の対象物として、テンプレートモデルの作製後に挿入される。バットレス要素530は、円形要素であるが、一方でバットレス要素532は、三日月形状の要素である。これらは代表的な形状の2つの可能性を示し、多くの他のものが可能である。バットレス要素の表面は、テンプレートモデルの表面に接合される。図24は、空洞を形成するための上記配向に続いての、バットレス要素540〜542の追加を示す。この操作において、3つの歯のモデルおよびバットレス要素540〜542を含む1つの連続対象物は、全て同時に形成される。両方の場合において、バットレス要素は、テンプレートモデル中に構成される。テンプレートモデルまたはその要素をさらに形成するために、引き続く工程がなされ得る。
【0123】
歯のスケーリングアプローチを使用してテンプレートを作成するための擬似コードは、以下の通りである:
1.歯のデジタル表現が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
2.この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自体が変更されることを可能にする。
3.歯が100%より大きいスケール(代表的に、105〜150%の範囲)にされる;そして別個のファイルとして保存される。
・もとの歯のファイル(すなわち、100%スケール)が、スケーリングされた歯内で同じ場所に配置される。
・もとの歯の構造が、スケーリングされた歯から減算されて、中空体またはシェル状体を残す。
・歯根および歯肉下の外観が、この対象物から除去される。この除去は、維持されるべき対象物から切断されるか、空洞化されるか、または減算されるさらなる対象物または表面の使用を介して実施され得る。
(隣接する歯を空洞化する方法A)
・中実(中空ではない)の、スケーリングされたバージョンの隣接する歯を、この本体から、この本体が重なるかまたは交差する位置で減算する。
(隣接する歯を空洞化する方法B)
・目的の歯と隣接する歯とに共通する構造を、この本体から減算する。この工程は、目的の歯を中空にする前に、最良に実施される。
4.次いで、テンプレートの一部となる、目的の弓における全ての歯を、それらの適切な相対位置および配向にして、各弓についてのテンプレートを形成する。
【0124】
5. 外部隣接歯間領域を、必要に応じて、歯シェルセグメントを一緒に結合するように埋める。この「バットレス(buttressing)」プロセスは、中でも以下の、多くの可能性を有する:
歯の頬側表面を越えて伸長する中実体を加え、そして、空洞化しなければ歯にぶつかる所を再び空洞化する。
【0125】
100%の頬側表面から外へ向かう、隣接する歯および/またはスケーリングした歯の間の隣接歯間領域を個々に埋める。
【0126】
各々の歯上に別の大きくスケーリングした歯を加え、そして空洞化しなければ下にある歯とぶつかる所を再び空洞化する。
【0127】
切縁/咬合性表面上および切縁/咬合性表面中に中実体を適用することによって、隣接歯間領域をばらばらにすることを可能にするが、各々の歯を結合され得ない。必要に応じてこれを再空洞化する。
【0128】
6. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状を除去する。これは、ブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記のように、除去は、保持された本体から切断されるか、空洞化されるか、または減算されるために使用される、さらなる本体または表面の使用を介して行なわれ得る。
【0129】
7. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0130】
図25〜32は、かぶせた空洞の実施形態を説明する様々な図を示す。図25において、ブロック550を、任意の本体として使用し、そして100%スケーリング歯モデル552をその本体の内側に配置する。図26において、各外観において図25のブロック550の本体と同じ大きさを有する同じブロック550は、スケーリング歯554(例えば、140%スケーリング歯モデル)を含む。各々の場合において、本体は元の歯モデルおよびスケーリング歯モデルを完全に含む。図27において、100%歯は、ブロック550から空洞化されるか、またはくり抜かれ、そして図28において、140%スケーリング歯モデル554は、ブロック550から空洞化される。図29において、100%歯モデル552を含む空洞化ブロック550は、140%歯モデル554を含む空洞化ブロック550と同じ場所に位置し、その結果、モデル552はモデル554の内側になる。
【0131】
図30は、100%歯モデルに対する空洞化ブロック550およびスケーリング歯モデルに対する空洞化ブロック550の減算を示し、100%スケーリングモデルおよび140%スケーリングモデル552および554各々の間の領域によって定義される本体を作成する。元の100%歯モデル552の中実モデルを有する、スケーリング歯モデル554のワイヤフレームモデルを図31に示す。図32は、図31のモデル断面図であり、スケーリング歯モデル554により定義される外表面を有する100%スケーリング歯モデル552を囲むシェル560を示す。
【0132】
かぶせた空洞の実施形態を実行するための疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0133】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身がファイルを変更することを可能にする。
【0134】
3. 全ての歯で占められた空間のより多くを含む本体を、アプリケーション中で作成するか、または開く。これは、画像中のブロック550である。あるいは、含まれる本体を、個々の歯または歯の群のために作成し得る。これらの本体を、後に1つのテンプレートファイル中に一緒に運ぶ(図25)。
【0135】
4. 優先的に、全ての対象歯をこのファイル中のこれらの適切な位置および方向に運ぶ。次いで本体を歯で空洞化する。あるいは、本体を、個々の歯によって連続して空洞化し得る。結果として生じる本体を保存する。
【0136】
5. 次いで、各歯が100%より大きいスケーリング(代表的に、105〜150%の範囲)に拡大される;そして、別個のファイルとして保存される。
【0137】
6. 第2の同一の、全てを含む本体(550)が、アプリケーションにおいて作成されるか、または開かれる。この本体、ブロック550は、ブロック550と厳密に同じ寸法を必然的に有する(図26)。
【0138】
7. 工程4を、ブロック550(図26)に対して、工程5のスケーリング歯を使用するという差異で、反復する。あるいは、スケーリング歯の作成および使用は、必要とされない。むしろ、元の歯がブロック550において、100%スケールより大きいスケールで空洞化され得る。
【0139】
8. 図25のブロック550および図26のブロック550は、それらのファイルの1つか、または、これらの2つの対象物のみを優先的に含む新しいファイルにおいて同じ場所に位置する。
【0140】
9. 図26のブロック550は、図25のブロック550から減算される。これは、1つ以上のシェル本体、スケーリング歯により定義された外部表面を、および元の非スケーリング歯による内部表面を残す。
【0141】
10. 歯根および歯肉下の外観が、本体から除去される。この除去は、維持されるべき対象物から切断されるか、空洞化されるか、または減算されるさらなる本体、または表面の使用を介して実施され得る。
【0142】
11. 連続的にか、または同時に、目的歯およびその隣接する歯に共通する幾何学的形状を本体から減算する。
【0143】
12. 外部隣接歯間領域を、必要に応じて、歯シェルセグメントを一緒に結合するように埋める。この「バットレス」プロセスは、多くの可能性を有する:
歯の頬側表面を越えて伸長する中実体を加え、そして、空洞化しなければ歯にぶつかる所を再び空洞化する。
【0144】
頬側表面から外へ向かう、隣接する歯の間の隣接歯間領域を個々に埋める。
【0145】
各々の歯上に別のより大きなスケールの歯を加え、そして空洞化しなければ下にある歯とぶつかる所を再び空洞化する。
【0146】
切縁/咬合性表面上および切縁/咬合性表面中に中実体を適用することによって、隣接歯間領域をばらばらにすることを可能にするが、個々の歯を結合させる。必要に応じてこれを再空洞化する。
【0147】
バットレスは、工程7および/または工程8の前に、工程7および/または工程8と同時に、または工程7および/または工程8の後で、スケーリング歯上に配置され得るか、または制定され得る。それは、優先的に工程9の前に実行される。
【0148】
13. 任意の望ましくないか、または妨害する幾何学的形状が除去される(例えば、内部隣接歯間領域)。この除去は、ブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素を含み得る。この除去は、上記のように達成され得る。
【0149】
14. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0150】
図33は、歯モデルをスケーリングするための別の実施形態を説明する。この実施形態において、元の歯モデル表面は、所定の数学的式を用いるか、または所定のポイントまたは制約数を使用するオフセット(565)である。この実施形態は、多くの表面をオフセットし、歯モデルを拡大するか、または同じ形状に束縛されるが、歯モデルの拡大スケールである、表面を作製する代替の方法を示す。図34は、図33からの表面(565)を歯に向かう内部に厚くする、本体567を形成する。図35は、同じ表面(565)であるが、ここで、歯から外へ厚され、そして図36は、同時に内部および外部の両方に厚くすることを示す。
【0151】
図37〜40は、鋳型を作製するための別の実施形態を示す。この実施形態において、幾何学的形状的本体570(図37)が配置され、その結果それは、歯574上の歯科矯正構成要素572に隣接している。一つの実施形態において、構成要素572はブラケットである。ブラケットの位置は、この加えられた本体がある場所を規定し;この場合、本体570の角は、2つの側面上のブラケット572に隣接する。図37〜40の実施形態において、3つのブラケットが配置され、3つの幾何学的形状的本体が、図37のブラケット572に対して位置付けられる。図38において、本体570が、本体570の間の2つの結合要素576と結合される。図39において、図38の構造が歯の上または下(例えば、切歯表面または咬合表面)まで伸長される。図39〜40は、本体570の咬合図および頬側図および歯574上の結合要素576を示す。図39〜40において、伸長される本体575は、本体507および576と連結され、そして取り付けの組み合わせの高さを伸ばす。
【0152】
図41および42は、一旦本体570が図39および40に示されるように伸ばされると、さらなる被覆物質580が、咬合表面または切縁表面上に配置され得、テンプレートが、歯と相対する空間にある場所を完全に規定することを示し、そしてこの場合、単純プレート形状が示される。しかし、より複雑な幾何学的形状が使用され得る。
【0153】
歯プレーティングの実施形態のための疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0154】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身がファイルを変更することを可能にする。
【0155】
3. 歯科矯正構成要素あるいは歯科構成要素が、その意図された位置の歯の上に配置される。あるいは、このプレートは、構成要素が配置されることが知られる場所に対して配置される。
【0156】
4. 本体が、歯の上、歯の中、および/または歯を覆って配置され、従って、本体は所望な場合、その所望の自由度を制限するために十分に接触する構成成分と接触する。この本体は、標準化された形状であり得るか、または歯の型に関してカスタマイズされ得るか、あるいは所定の患者の歯に特異的であり得る。最低限で、この本体は、これらの特質または特徴を有する:構成成分の直径の約半分より大きいが、一般的に構成成分およびそのそれぞれの歯の厚さの合計よりも小さい、頬舌厚;歯の近遠心幅より大きくなり得るか、小さくなり得るか、または等しくなり得る、近遠心長;および歯の高さより大きくなり得るか、小さくなり得るか、または等しくなり得る、咬合歯肉(occlusogingival)の高さ。本体は、単純な長方形であり得るか、または歯または口の形態学と同じく複雑であり得、そして歯科矯正構成成分のための嵌合空洞をまた含み得る。あるいは、構成成分は、後者がただ大体に配置された場合、本体において後に空洞化され得る。
【0157】
5. 全ての歯が「プレート」された後、そのプレートが、ギャップがあるところで合併され、接続され、または結合され、そしてそれらが望まない突出である場合、切断されるか、削られるか、または成形される。切縁/咬合性要素はまた、この時、プレート中に合併され得る。
【0158】
6. 必要な場合、歯本体はプレートおよび任意の切縁/咬合性要素から構成される本体から減算される。
【0159】
7. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状が除去される。これは、ブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記の除去方法を参照のこと。
【0160】
8. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0161】
図43および44は、表面オフセット方法の別の実施形態を示す。この実施形態において、2つの表面590および592が、むしろちょうど1つの表面よりも使用される。図43において、1つの表面592が、歯でか、または歯の近くでオフセットされる。第2の表面590が、2つの表面において生じる表面592からの距離よりも長い距離でオフセットされる。この2つの表面は、本質的に一致するが、異なる距離に位置する。図44は、中実体に結合する2つの表面590および592を示す。中実体は、多くの方法において詳細に記載され得る。例えば、1つの表面がもう一つの表面、あるいは、表面ギャップが閉じられ得る縁(591)に向かって押し出され得る。
【0162】
表面オフセットの疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0163】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身が変更されることを可能にする。
【0164】
3. 歯の表面が、所望の距離にオフセットされる。
【0165】
4. オフセット距離が、ゼロより大きい場合、表面が、外向きの半径方向に、太くされる。オフセット距離が、ゼロより大きい場合、表面が、内向きまたは内向きおよび外向きの半径方向に、太くされる。内向きに方向付けられた厚さは、歯の表面を優先的に貫通しない。しかし、それが起こる場合、歯本体は、続いてオフセット表面を厚くすることによって作成される固体から減算され得る。
【0166】
5. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状が除去される。これらは、隣接歯間領域ならびにブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記の除去方法を参照のこと。
【0167】
6. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0168】
複数の表面オフセットの疑似コードは、以下である:
1. 歯のデジタル表示が、走査または他のデジタル化手段を介して獲得される。
【0169】
2. この歯のファイルがコンピュータアプリケーションにおいて開かれ、これは、使用者がファイルを変更すること、またはファイル自身が変更されることを可能にする。
【0170】
3. 歯の表面が、所望の第1の距離にオフセットされる。
【0171】
4. 歯の表面が、所望の第2の距離(第1の距離より優先的に大きいかまたは小さい)にオフセットされる。
【0172】
5. 次いで、第1の表面および第2の表面の間の容積が埋められ、中実体を形成する。
【0173】
6. オフセット距離の1つが歯本体の内側の一致する表面をセットする場合、中実体が元の歯本体により空洞化され得る。
【0174】
7. 任意の所望ではない幾何学的形状、または妨害する幾何学的形状が除去される。これらは、隣接歯間領域ならびにブラケットまたは他の歯科矯正構成要素もしくは歯科構成要素の位置を含み得る。上記の除去方法を参照のこと。
【0175】
8. 必要な場合、結果として生じるファイルが迅速原型作製法に必要とされるフォーマットに変換される。
【0176】
図45および46は、テンプレート切断の1つの実施形態を示す。切断本体593は、下にあるブラケット572を部分的に含み、テンプレート中に「窓」を作成する。このテンプレート中で、ブラケットは、配置され得、そして添付され得、一方テンプレートの後の除去が依然として可能である。一つの実施形態において、切断本体593は、単純な幾何学的形状を有する。他の形状は、必要性または意図に基づいた、多少の内在的な歯科矯正構成要素または歯科構成要素を含み得る。さらに、本体593の形状は、より複雑であり、さらなる利点(例えば、所定の位置に、構成成分「ハンズフリー」を保持するための部分的ロック)を作成し得、テンプレートが除去のために容易に破壊されるか、または、結合または硬化のための容易なアクセスを可能にするものに沿って、継ぎ目を生じ得る。この例において、含有本体593は、テンプレートの頬側表面に舌を続け、テンプレートを容易に破壊するその頬側縁に沿って鋭く鋭い縁の薄い領域594を生じる。
【0177】
本体593は、テンプレート中でカットアウトを作成し、歯科矯正構成要素あるいは歯科構成要素(例えば、ブラケット)を配置する。全ての幾何学的形状を捕捉する必要はなく、むしろブラケットまたは構成要素を正しい位置に配置するのに十分な幾何学的形状表面の外観を捕捉する必要がある。この場合、中心の歯は、ブラケットを覆う本体を有する。この本体は、ブラケット本体を越えて歯肉を伸長し、従って、ブラケットが、テンプレート中に配置され得、そして歯の上に結合され得、そして続いてテンプレートが除去され得る。
【0178】
図46は、同じブラケット、本体、およびテンプレート部分の咬合図であるが、本体中に組みこまれ得る他の特徴を示す。この場合、テンプレートを切断して、破壊縁594または剥離線を形成する切断本体593中に、三角形の外観がある。1つ以上の構成要素を配置するための異なるアクセス経路があることに必要であり得るので、より複雑な幾何学的形状が、激しく回転されるか、または激しく傾けた歯に使用され得る。これは、テンプレート除去もまた促進し得る。
【0179】
上記のテンプレートはまた、任意の3D位置にブラケットを配置し、ブラケットについての所定の角および傾斜の詳細を支持し得る。この場合、テンプレートは、歯と相対的な空間にブラケットを固定する。
【0180】
様々な代替物、改良物、および同等物が上記の構成要素の代わりに使用され得る。さらに、本明細書に記載された技術は、ハードウェアまたはソフトウェア、あるいは2つの組み合わせにおいて実行され得る。この技術は、プログラム可能なコンピューターで実行するコンピュータープログラムで実行され得る。このプログラム可能なコンピューターは各々、プロセッサー、プロセッサーで読み取り可能な保存媒体(揮発性メモリおよび非揮発性メモリ、および/または保存要素を含む)、および適切な入力および出力デバイスを備える。プログラムコードは、入力デバイスを用いて入力されるデータに適用され、記載される機能を実行し、そして出力情報を生成する。出力情報が、1つ以上の出力デバイスに適用される。各プログラムが、高レベル手順または対象物指向性プログラミング言語で実行され得、コンピューターシステムと共に作動し得る。しかし、このプログラムは、所望の場合、アセンブリまたは機械語で実行され得る。任意の場合、言語は、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語であり得る。このようなコンピュータープログラムの各々において、保存媒体またはデバイス(例えば、CD−ROM、ハードディスクまたは磁気ディスク)上に保存され得る。保存媒体またはデバイスがコンピューターにより読み取られ、記載の手順を実行する場合、コンピューターを設定し、作動するために汎用または特殊目的プログラム可能なコンピューターによって、保存媒体またはデバイスは読み取り可能である。このシステムはまた、コンピューター読み取り可能保存媒体として実行され得る。これは、コンピュータープログラムとともに構成され得る。ここで、このように構成された保存媒体は、特定の方法および所定の方法でコンピューターを作動させる。さらに、本発明がそれらの実施形態に対し、参考文献とともに示され、そして記載された場合、当業者は、添付の特許請求の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における上記の変化または他の変化がなされ得ることを理解する。
【0181】
患者の歯上に対象物を位置付けるための歯科用テンプレートは、患者の歯をデジタル化すること;仮想的な対象物をこのデジタル化された歯上の所定の位置に加えること;および患者の歯上にこの対象物を位置付けるように、この歯科用テンプレートを作製することを包含する。このテンプレートは、エッチングするため、またはブラケットを歯上に位置付けるために使用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載される発明。
【請求項1】
本明細書中に記載される発明。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4−1】
【図4−2】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4−1】
【図4−2】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公開番号】特開2011−120928(P2011−120928A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−11431(P2011−11431)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【分割の表示】特願2004−214985(P2004−214985)の分割
【原出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504087190)アライン テクノロジー, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【分割の表示】特願2004−214985(P2004−214985)の分割
【原出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504087190)アライン テクノロジー, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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