説明

歯科診療録生成システム、歯科診療録生成方法、および歯科診療録生成プログラム

【課題】画像を用いた歯科診療録の作成負荷を軽減するとともに、歯科診療録への入力誤りを防止する。
【解決手段】複数の歯科用画像が記憶された画像記憶手段21と、複数のコメントが記憶されたコメント記憶手段22と、診療情報とともに当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付手段11と、診療情報に対応する歯科用画像を画像記憶手段21から特定する画像特定手段12と、診療情報に基づいてコメント記憶手段22から複数のコメントを抽出するコメント抽出手段13と、画像特定手段12が特定した歯科用画像とコメント抽出手段13が抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成手段15と、編集画面で選択されたコメントおよび編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶手段24に登録する登録手段16と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科診療録を生成する歯科診療録生成システム、歯科診療録生成方法、および歯科診療録生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のコンピュータ技術の発達により、コンピュータの小型化が進み、各種の分野においてコンピュータが使用されるようになっている。歯科治療の分野においても同様であり、患者ごとの歯科診療情報をコンピュータに入力し、随時読み出すことができるものが登場してきている。例えば、特許文献1には、患者毎の歯科治療情報を登録し、登録データを処理する歯科治療処理装置が記載されている。
【特許文献1】特開平9−131356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さて、歯科診療情報の中には、文章(テキスト)では表現しにくい場合がある。また、歯科医師が診療内容を患者に説明する際に、口頭での説明だけでは患者にとって診療内容を理解することが難しい場合がある。このような場合、シェーマ図などの画像が用いられるが、歯科診療においては、患者毎に診療している部位・病名が異なる場合が多く、また義歯、ブリッジ装置なども患者毎に異なる。そのため、患者の診療内容に応じた画像を作成することは、作業負荷が大きく、また入力ミスにより誤った画像を作成してしまう可能性がある。
【0004】
また、歯科医師は、診療を行っている最中に、その場で診療内容を患者に説明する場合があるが、この場合、短時間での画像の作成が要求される。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、画像を用いた歯科診療録の作成負荷を軽減するとともに、歯科診療録への入力誤りを防止する歯科診療録生成システム、歯科診療録生成方法、および歯科診療録生成プログラム提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、歯科診療録生成システムであって、複数の歯科用画像が記憶された画像記憶手段と、複数のコメントが記憶されたコメント記憶手段と、診療情報とともに、当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付手段と、前記診療情報に対応する歯科用画像を前記画像記憶手段から特定する画像特定手段と、前記診療情報に基づいて、前記コメント記憶手段から複数のコメントを抽出するコメント抽出手段と、前記画像特定手段が特定した歯科用画像と、前記コメント抽出手段が抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成手段と、前記編集画面で選択されたコメントおよび前記編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶手段に登録する登録手段と、を有する。
【0007】
また、本発明は、歯科診療録生成システムが行う、歯科診療記録生成方法であって、前記歯科診療録生成システムは、複数の歯科用画像が記憶された画像記憶部と、複数のコメントが記憶されたコメント記憶部と、処理部と、を有し、前記処理部は、診療情報とともに、当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付ステップと、前記診療情報に対応する歯科用画像を前記画像記憶部から特定する画像特定ステップと、前記診療情報に基づいて、前記コメント記憶部から複数のコメントを抽出するコメント抽出ステップと、前記画像特定ステップで特定した歯科用画像と、前記コメント抽出ステップで抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成ステップと、前記編集画面で選択されたコメントおよび前記編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶部に登録する登録ステップと、を行う。
【0008】
また、本発明は、歯科診療録生成システムが実行する、歯科診療記録生成プログラムであって、前記歯科診療録生成システムは、複数の歯科用画像が記憶された画像記憶部と、複数のコメントが記憶されたコメント記憶部と、処理部と、を有し、前記処理部に、診療情報とともに、当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付ステップと、前記診療情報に対応する歯科用画像を前記画像記憶部から特定する画像特定ステップと、前記診療情報に基づいて、前記コメント記憶部から複数のコメントを抽出するコメント抽出ステップと、前記画像特定ステップで特定した歯科用画像と、前記コメント抽出ステップで抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成ステップと、前記編集画面で選択されたコメントおよび前記編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶部に登録する登録ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像を用いた歯科診療録の作成負荷を軽減するとともに、歯科診療録への入力誤りを防止する歯科診療録生成システム、歯科診療録生成方法、および歯科診療録生成プログラム提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係る歯科診療録生成システム1の概略構成図である。図示する歯科診療録生成システム1は、要求受付部11と、テンプレート特定部12(画像特定手段)と、コメント抽出部13と、部品特定部14と、生成部15と、登録部16と、DB更新部17と、テンプレートDB21(画像記憶手段)と、コメントDB22と、部品DB23と、歯科診療録DB24とを備える。
【0012】
要求受付部11は、画像データの編集要求を受け付ける。テンプレート特定部12は、テンプレートDB21を参照し、診療情報に対応するテンプレートを特定する。コメント抽出部13は、コメントDB22を参照し、診療情報に適したコメントを抽出する。
【0013】
部品特定部14は、部品DB23を参照し、各テンプレートに対応する部品を特定する。生成部15は、テンプレート特定部12が特定したテンプレート、およびコメント抽出13が抽出したコメントに基づいて編集画面を生成し、出力装置(不図示)に表示する。登録部16は、編集画面に入力されたテンプレートに関する情報、コメントに関する情報、部品に関する情報などを、歯科診療録DB24に登録する。DB更新部17は、編集画面に入力された情報に基づいて、テンプレートDB21、コメントDB22および部品DB23を更新する。
【0014】
テンプレートDB21には、複数のテンプレート(歯科用画像)が記憶されている。
【0015】
図2は、テンプレートDB21の一例を示す図である。図示するテンプレートDB21は、テンプレートコード211と、テンプレート画像(イメージ)212と、部位213と、歯番および使用回数214と、病名および使用回数215と、治療内容および使用回数216とを有する。
【0016】
テンプレート画像212には、歯科に関する各種の部位および各種の状態を示す画像(いわゆるシェーマ図)が設定されている。部位213には、対応するテンプレート画像212の部位の種別(歯周、歯牙、ブリッジ、義歯など)が設定されている。
【0017】
歯番214には、対応するテンプレート画像212が編集画像で用いられたときの歯番とその使用回数とが設定される。なお、歯番は、歯の位置を特定する識別番号である。病名215には、対応するテンプレート画像212が編集画像で用いられたときの病名とその使用回数とが設定される。治療内容216には、対応するテンプレート画像212が編集画像で用いられたときの治療内容のキーワードとその使用回数とが設定される。
【0018】
コメントDB22には、テンプレートに付加(貼付)する複数のコメントが記憶されている。
【0019】
図3は、コメントDB22の一例を示す図である。図示するコメントDB22は、コメントコード221と、コメント222と、部位および使用回数223と、歯番および使用回数224と、病名および使用回数225と、治療内容および使用回数226と、テンプレートコードおよび使用回数227と、を有する。
【0020】
コメント222には、歯科診療で用いられる各種のコメント(例えば、排膿あり、C1、C2、症状変化なし等)が設定されている。部位223には、対応するコメント222が編集画像で用いられたときの部位とその使用回数とが設定される。歯番224には、対応するコメント222が編集画像で用いられたときの歯番とその使用回数とが設定される。病名225には、対応するコメント222が編集画像で用いられたときの病名とその使用回数とが設定される。治療内容226には、対応するコメント222が編集画像で用いられたときの治療内容のキーワードとその使用回数とが設定される。テンプレートコード227には、対応するコメント222が編集画像で用いられたときのテンプレートコードとその使用回数とが設定される。
【0021】
部品DB23には、テンプレートに付加(貼付)する部品の情報が記憶されている。なお本実施形態の部品には、テンプレートの所定の箇所を囲むための枠と、枠で囲まれた箇所を指示する矢印とがある。
【0022】
図4は、部品DB23の一例を示す図である。図示する部品DB23は、テンプレートコード231と、当該テンプレートコード231に対応付けられた枠に関する情報232および矢印に関する情報233と、を有する。枠に関する情報232には、対応するテンプレートコード231のテンプレートで前回使用された枠に関する情報が設定される。枠に関する情報232としては、例えば、枠の形状を示す部品コード、線の太さ、線の色などが考えられる。なお、枠の形状としては、丸や四角などがある。
【0023】
矢印に関する情報233には、対応するテンプレートコード231のテンプレートで前回使用された矢印に関する情報が設定される。矢印に関する情報233としては、例えば、矢印の形状を示す部品コード、線の太さ、線の色などが考えられる。
【0024】
なお、テンプレートDB21、コメントDB22および部品DB23の更新処理については、後述する。
【0025】
歯科診療録DB24は、患者の診療記録のデータが格納されたデータベースである。診療記録データには、例えば、患者単位に診療日時、診療対象の部位、病名、診療内容、患者情報(氏名、生年月日、性別など)などがある。
【0026】
図5は、診療記録データをディスプレイに表示した場合の表示例を示したものである。図示する診療記録データでは、51が部位、52が歯番、53が病名、54が診療内容である
以上説明した、歯科診療録生成システム1は、少なくともCPU(中央演算装置)と、メモリ(主記憶装置)とを備えた汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPUがメモリ上にロードされた、歯科診療録生成システム用のプログラムを実行することにより、各機能が実現される。また、歯科診療録生成システム1は、ハードディスク等の補助記憶装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置とを備えることとしてもよい。なお、テンプレートDB21、コメントDB22、部品DB23および歯科診療録DB24には、メモリまたは外部記憶装置が用いられる。
【0027】
また、歯科診療録生成システム1の各種処理を実行するプログラムは、メモリまたは補助記憶装置に格納されているものである。そして、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも、ネットワークを介して配信することも可能である。
【0028】
なお、図1は、歯科診療録生成システム1の論理的な機能構成を示しているものであって、物理的な構成は図1に限定されない。例えば、歯科診療録生成システム1は、1つのコンピュータ装置で構築される場合であっても、各DB21、22、23、24を一元的に管理しているサーバと、その他の各部を備える各クライアントとがネットワークを介して接続されている場合であってもよい。
【0029】
次に、本実施形態に係る歯科診療録生成システム1の処理について説明する。
【0030】
図6は、歯科診療録生成システム1の処理を示すフローチャートである。
【0031】
まず、歯科診療録生成システム1の要求受付部11は、所定の診療情報が指定された描画編集要求を受け付ける(S11)。ユーザは、例えば、図5に示す診療記録データの表示画面の操作ボタン55をクリックすることにより、当該操作ボタン55に対応する治療内容56に関する描画編集要求指示を入力することが考えられる。この場合、要求受付部11は、当該表示画面に表示されている診療記録データの診療情報(部位51、歯番52、病名53、治療内容55)をパラメータとして取得し、テンプレート特定部12およびコメント抽出部13に送出する。
【0032】
そして、テンプレート特定部12は、テンプレートDB21を参照し、S11で指定された診療情報の部位51に対応するテンプレート群を選択する(S12)。すなわち、テンプレート特定部12は、テンプレートDB21(図2参照)のデータの中からS11で指定された部位を検索キーとして、対応するテンプレートを全て抽出する。例えば、部位が歯牙の場合、歯牙に対応する複数のテンプレートが選択され、後述する処理により選択されたテンプレート群が、図7に示す描画編集画面のテンプレート群表示部71に表示される。
【0033】
そして、テンプレート特定部12は、テンプレートDB21を参照し、S12で選択されたテンプレート群の中からS11で指定された診療情報(歯番52、病名53、治療内容54)に適したテンプレートを特定する(S13)。
【0034】
テンプレートを特定する方法としては、例えば、テンプレートDB21を参照し、S12で選択したテンプレート各々について、S11で指定された診療情報52、53、54のそれぞれの使用回数の合計値を算出する。そして、使用回数の合計値が最も大きいテンプレートを特定するものとする。図5に示す診療情報の場合、歯番52が「上右7」で、病名52が「Pul」で、治療内容54のキーワードが「抜髄」である。この場合、テンプレート特定部12は、テンプレート毎に、「上右7」、「pul」、「抜髄」に対応する使用回数を特定し、当該使用回数の合計値を算出する。なお、使用回数を合計する際に、項目によって重み付けを行うこととしてもよい。
【0035】
そして、生成部15は、S12で選択したテンプレート群と、S13で特定したテンプレートとに基づいて描画編集画面を生成し、出力装置に表示する(S14)。
【0036】
図7は、描画編集画面の一例を示すものである。図示する画面は、テンプレート群表示エリア71と、編集エリア72とを有する。生成部15は、S12で選択されたテンプレート群をテンプレート群表示エリア71に設定し、S13で特定されたテンプレートを編集エリア72に設定する。
【0037】
なお、編集エリア72に表示されたテンプレートが、ユーザの意図するテンプレートでなかった場合、ユーザはテンプレート群表示エリア71の中から所望のテンプレートをマウスなどを用いてクリック(選択)する。これにより、生成部15は、クリックされたテンプレートを編集エリア72に表示する。
【0038】
また、S11で指定された診療情報が少ない場合など、S13において有効なテンプレートを特定できない場合は、図8に示す描画編集画面のように、テンプレート群表示エリア71のみを表示することとしてもよい。ユーザは、テンプレート群表示エリア71の中から所望のテンプレートをクリックし、これにより、生成部15は、クリックされたテンプレートを編集エリア72に表示する。
【0039】
編集エリア72のテンプレートが決定した後、ユーザは、所定の操作ボタン73、74をクリックし、当該テンプレート上に付加する部品の編集要求を入力する。これにより、部品特定部14は、部品DB23を参照し、編集エリア72に表示されたテンプレートにおいて、前回使用された部品を特定する(S15)。すなわち、部品特定部14は、編集エリア72のテンプレートのテンプレートコードを取得し、当該テンプレートコードに対応する前回使用した枠および矢印を部品DB23から取得する。なお、本実施形態の部品は、図4で説明したように、枠と矢印である。
【0040】
そして、生成部15は、部品特定部が特定した部品を、編集エリアのテンプレートに付加した描画編集画面を生成し、出力装置に表示する(S16)。
【0041】
図9は、部品の矢印を編集する際の描画編集画面の一例である。図示する画面は、複数の矢印が表示された矢印選択エリア91と、部品93、94が付加されたテンプレートが表示される編集エリア92とを有する。生成部15は、あらかじめメモリまたは補助記憶装置に記憶された矢印選択エリア91の画像データを読み出し、矢印選択エリア91に設定するものとする。
【0042】
なお、編集エリア92に表示された矢印93が、ユーザの意図する矢印でなかった場合、ユーザは矢印選択エリア91の中から所望の矢印をマウスなどを用いてクリック(選択)する。これにより、生成部15は、クリックされた矢印を編集エリア92に表示する。
【0043】
また、部品の枠94については、図9と同様に、枠を編集する際の描画編集画面を用いて編集するものとする。
【0044】
部品の編集が終了した後、ユーザは、所定の操作ボタンをクリックし、当該テンプレート上に付加するコメントの編集要求を入力する。これにより、コメント抽出部13は、コメントDB22を参照し、S11で指定された診療情報、および、描画編集画面の編集エリアのテンプレートに基づいてコメントを抽出し、優先度の順に並び替える(S17)。
【0045】
コメントを抽出する方法としては、例えば、コメントDB22を参照し、コメント各々について、S11で指定された診療情報51、52、53、54および編集エリアのテンプレートコードの、それぞれの使用回数の合計値を算出する。そして、使用回数の合計値(優先度)の順にコメントを並べ替えるものとする。なお、合計値が「0」または所定の値以下のコメントについては、抽出しないこととする。また、なお、使用回数を合計する際に、項目によって重み付けを行うこととしてもよい。
【0046】
そして、生成部15は、コメント編集時の描画編集画面を生成し、表示する(S18)。
【0047】
図10は、コメント編集時の描画編集画面の一例である。図示する画面は、S17で抽出され並べ替えられたコメント一覧が表示されるコメント選択エリア101と、編集エリア102とを有する。ユーザはコメント選択エリア101の中から所望のコメントをマウスなどを用いてクリック(選択)する。これにより、生成部15は、クリックされたコメントを編集エリア102の所定の場所103に設定する。
【0048】
コメント選択エリア101には、あらかじめ診療情報およびテンプレートに応じた使用頻度の高いコメントが、絞り込まれて表示され、ユーザは、所望のコメントにカーソルを移動してクリックするだけで、コメントをテンプレートに貼付することができる。これにより、ユーザの作業負荷を軽減し、入力ミスを軽減することができる。
【0049】
そして、コメントの編集が終了した後、生成部15は、例えば図11に示す編集エリアの画像を表示した編集確認画面を表示する。そして、ユーザの登録指示を受け付けて、登録部16は、編集確認画面に表示されたテンプレートの情報、部品の情報およびコメントの情報を歯科診療録DB24に登録する(S19)。すなわち、登録部15は、S11で描画編集要求を行った患者に対する診療情報として、編集エリアで使用したテンプレートのテンプレートコードと、部品の情報と、コメントの情報とを関連付けて歯科診療録DB24に登録する。部品の情報は、部品コード、線の太さ、線の色、貼付された位置を示す座標情報などである。コメントの情報は、コメントコード、座標情報などである。
【0050】
編集エリアの画像データそのものを登録せずに、前述したようにコードや番号などのデータの集合体で歯科診療録DB24に登録することにより、データベースの容量を削減することができる。また、一旦登録したデータを、後で修正する場合に、各パーツの修正作業を容易に行うことができる。
【0051】
そして、DB更新部17は、編集終了後の編集確認画面(編集エリア)に表示されたテンプレートの情報、部品の情報およびコメントの情報に基づいて、テンプレートDB21、部品DB23およびコメントDB22を更新する(S20)。すなわち、DB更新部17は、テンプレートDB21の当該使用されたテンプレートに対応するデータの中から、S11で指定された診療情報(歯番、病名、治療内容)と一致する項目を特定し、当該項目の使用回数に「1」を加算する。なお、テンプレートDB21に記憶された当該データの中に、指定された診療情報と一致する項目が存在しない場合、DB更新部17は、当該項目をテンプレートDB21に追加し、使用回数に「1」を設定する。
【0052】
また、DB更新部17は、部品DB23の当該使用されたテンプレートに対応する枠および矢印に、使用された部品の情報(部品コード、色、太さ等)を設定する。
【0053】
また、DB更新部17は、コメントDB22の当該使用されたコメントに対応するデータの中から、S11で指定された診療情報(部位、歯番、病名、治療内容)および使用されたテンプレートコードと一致する項目を特定し、当該項目の使用回数に「1」を加算する。なお、コメントDB22に記憶された当該データの中に、指定された診療情報またはテンプレートコードと一致する項目が存在しない場合、DB更新部17は、当該項目をコメントDB22に追加し、使用回数に「1」を設定する。
【0054】
以上説明した本実施形態の歯科診療録生成システム1では、画像を用いた歯科診療録の作成負荷を軽減するとともに、歯科診療録への入力誤りを防止することができる。
【0055】
すなわち、本実施形態では、テンプレートDB21に記憶された複数のテンプレートの中から、診療情報に適したテンプレートを特定し、描画編集画面に表示する。これにより、ユーザのテンプレート選択作業の負荷を軽減し、選択ミスを軽減することができる。
【0056】
また、本実施形態では、診療情報および使用したテンプレートに基づいて、コメントDB22に記憶された全てのコメントの中からコメントを絞り込んで描画編集画面に表示し、かつ、絞り込んだコメントを使用頻度を用いてを並び替えて表示する。これにより、ユーザは、所望のコメントを容易に選択でき、また、コメントの選択ミスを軽減することができる。
【0057】
また、本実施形態の歯科診療録生成システム1では、使用したテンプレートおよびコメントに基づいて、テンプレートDB21およびコメントDB22の使用回数を更新する。これにより、次回の描画編集時において、使用頻度の高いテンプレートおよびコメントに基づいて、描画編集画面を生成することかできる。すなわち、ユーザにとって、より使い勝手の良い描画編集画面を提供することができる。
【0058】
また、本実施形態の歯科診療録生成システム1では、部品DB23にはテンプレート毎に、前回使用した部品の情報が記憶され、部品の編集時に部品DB23に記憶された前回の部品を表示する。これにより、ユーザの作業負荷を低減することができる。
【0059】
また、本実施形態の歯科診療録生成システム1では、編集後の画像データそのものを登録せずに、コードや番号などのデータの集合体で歯科診療録DB24に登録する。これにより、データベースの容量を削減することができ、また、一旦登録したデータを後で修正する場合に各パーツの修正作業を容易に行うことができる。
【0060】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施の形態に係る歯科診療録生成システムの概略構成図である。
【図2】テンプレートDBの一例を示す図である。
【図3】コメントDBの一例を示す図である。
【図4】部品DBの一例を示す図である。
【図5】歯科診療録DBに記憶された診療データの表示例である。
【図6】歯科診療録生成システムの処理のフローチャートである。
【図7】描画編集画面(テンプレート選択時)の一例を示す図である。
【図8】描画編集画面(テンプレート選択時)の一例を示す図である。
【図9】描画編集画面(部品編集時)の一例を示す図である。
【図10】描画編集画面(コメント編集時)の一例を示す図である。
【図11】編集確認画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 歯科診療録生成システム
11 要求受付部
12 テンプレート特定部
13 コメント抽出部
14 部品特定部
15 生成部
16 登録部
17 DB更新部
21 テンプレートDB
22 コメントDB
23 部品DB
24 歯科診療録DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科診療録生成システムであって、
複数の歯科用画像が記憶された画像記憶手段と、
複数のコメントが記憶されたコメント記憶手段と、
診療情報とともに、当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付手段と、
前記診療情報に対応する歯科用画像を前記画像記憶手段から特定する画像特定手段と、
前記診療情報に基づいて、前記コメント記憶手段から複数のコメントを抽出するコメント抽出手段と、
前記画像特定手段が特定した歯科用画像と、前記コメント抽出手段が抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成手段と、
前記編集画面で選択されたコメントおよび前記編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶手段に登録する登録手段と、を有すること
を特徴とする歯科診療録生成システム。
【請求項2】
請求項1記載の歯科診療録生成システムであって、
前記画像記憶手段に記憶された歯科用画像毎に、対応する部品が記憶された部品記憶手段と、
前記編集画面に表示された歯科用画像に対応する部品を、前記部品記憶手段から特定する部品特定手段と、をさらに有し、
前記生成手段は、前記部品特定手段が特定した部品を、前記編集画面に表示された歯科用画像上に表示すること
を特徴とする歯科診療録生成システム。
【請求項3】
請求項1記載の歯科診療録生成システムであって、
前記画像記憶手段の前記編集画面に表示された歯科用画像における、前記診療情報の使用回数を更新するとともに、前記コメント記憶手段の前記編集画面で選択されたコメントにおける、前記診療情報の使用回数を更新する更新手段と、をさらに有し、
前記画像特定手段は、前記診療情報の使用回数が最大となる歯科用画像を、前記画像記憶手段から特定し、
前記コメント抽出部は、前記診療情報の使用回数が所定の回数以上のコメントを、前記コメント記憶手段から抽出すること
を特徴とする歯科診療録生成システム。
【請求項4】
歯科診療録生成システムが行う、歯科診療記録生成方法であって、
前記歯科診療録生成システムは、複数の歯科用画像が記憶された画像記憶部と、複数のコメントが記憶されたコメント記憶部と、処理部と、を有し、
前記処理部は、
診療情報とともに、当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付ステップと、
前記診療情報に対応する歯科用画像を前記画像記憶部から特定する画像特定ステップと、
前記診療情報に基づいて、前記コメント記憶部から複数のコメントを抽出するコメント抽出ステップと、
前記画像特定ステップで特定した歯科用画像と、前記コメント抽出ステップで抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成ステップと、
前記編集画面で選択されたコメントおよび前記編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶部に登録する登録ステップと、を行うこと
を特徴とする歯科診療録生成方法。
【請求項5】
請求項4記載の歯科診療録生成方法であって、
前記画像記憶部に記憶された歯科用画像毎に、対応する部品が記憶された部品記憶部を、さらに有し、
前記編集画面に表示された歯科用画像に対応する部品を、前記部品記憶部から特定する部品特定ステップと、
前記部品特定ステップで特定した部品を、前記編集画面に表示された歯科用画像上に設定する部品設定ステップと、をさらに行うこと
を特徴とする歯科診療録生成方法。
【請求項6】
歯科診療録生成システムが実行する、歯科診療記録生成プログラムであって、
前記歯科診療録生成システムは、複数の歯科用画像が記憶された画像記憶部と、複数のコメントが記憶されたコメント記憶部と、処理部と、を有し、
前記処理部に、
診療情報とともに、当該診療情報用の画像の編集要求を受け付ける要求受付ステップと、
前記診療情報に対応する歯科用画像を前記画像記憶部から特定する画像特定ステップと、
前記診療情報に基づいて、前記コメント記憶部から複数のコメントを抽出するコメント抽出ステップと、
前記画像特定ステップで特定した歯科用画像と、前記コメント抽出ステップで抽出した複数のコメントとを含む編集画面を生成する生成ステップと、
前記編集画面で選択されたコメントおよび前記編集画面に表示された歯科用画像とを関連付けて歯科診療録記憶部に登録する登録ステップと、を実行させること
を特徴とする歯科診療録生成プログラム。
【請求項7】
請求項6記載の歯科診療録生成プログラムであって、
前記画像記憶部に記憶された歯科用画像毎に、対応する部品が記憶された部品記憶部を、さらに有し、
前記編集画面に表示された歯科用画像に対応する部品を、前記部品記憶部から特定する部品特定ステップと、
前記部品特定ステップで特定した部品を、前記編集画面に表示された歯科用画像上に設定する部品設定ステップと、をさらに実行させること
を特徴とする歯科診療録生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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