説明

段積み装置

【課題】安定したシート供給ができる段積み装置を提供する。
【解決手段】段積み装置1は、所定の整列パターンに整列した物品群Wを落下開口部10から落下させて供給する物品群供給手段11を備える。落下開口部10から落下する物品群Wを昇降台12で受け取り、この昇降台12上に物品群Wを段積みする。段積み装置1は、落下開口部10の下方で、昇降台12上の物品群W上にシートSを供給するシート供給手段13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定したシート供給ができる段積み装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された段積み装置が知られている。
【0003】
この従来の段積み装置は、所定の整列パターンに整列された物品群をランニングローラの退避により落下開口部から落下させて供給する物品群供給手段と、落下開口部から落下してくる物品群を受け取り予め設定された設定段数まで物品群が段積みされる昇降手段と、シートの端部をレイヤコンベヤとランニングローラとの間に突出させた状態で物品群をレイヤコンベヤからランニングローラへ移動させることにより物品群の下面側にシートを敷き込むように供給するシート供給手段とを備えている。
【特許文献1】特開平6−115696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の段積み装置のように、物品群供給手段のランニングローラ上で物品群の下面側にシートを敷き込むように供給する構成では、例えば比較的厚いシートの場合には物品群がシートの端部に乗り移った際にシートが折り曲げられてシートに皺が発生する等の不具合が発生し、また比較的薄いシートの場合にはシートがランニングローラに巻き込まれる等の不具合が発生し、安定したシート供給ができないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、シートの厚さに関係なく、安定したシート供給ができる段積み装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の段積み装置は、所定の整列パターンに整列された物品群を開口部から下降させて供給する物品群供給手段と、この物品群供給手段にて供給される物品群を受け取り、物品群が段積みされる昇降手段と、前記開口部の下方で前記昇降手段上の物品群上にシートを供給するシート供給手段とを備えるものである。
【0007】
請求項2記載の段積み装置は、請求項1記載の段積み装置において、シート供給手段は、シート保持位置とシート保持解除位置とに移動可能な移動体と、この移動体に設けられ、前記移動体がシート保持位置に位置した状態時にシートを吸引保持し、前記移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に開口部の下方でシートの吸引保持を解除することにより昇降手段上の物品群上にシートを供給するシート供給体とを有するものである。
【0008】
請求項3記載の段積み装置は、請求項2記載の段積み装置において、シート供給体は、移動体に回動可能に設けられ、一方向への回動によりシートと対向する対向状態になり、他方向への回動によりシートと対向しない非対向状態になるものであり、前記移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に、前記シート供給体が非対向状態になると、昇降手段が物品群を受け取る物品群受取位置まで上昇するものである。
【0009】
請求項4記載の段積み装置は、請求項2または3記載の段積み装置において、移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に、シート供給体にて吸引保持されたシートを下方から支持するシート受け手段を備え、このシート受け手段は、前記シート供給体によるシートの吸引保持解除と同時に、シートの下方支持を解除するものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、開口部の下方で昇降手段上の物品群上にシートを供給するシート供給手段を備える構成であるため、シートの厚さに関係なく、安定したシート供給ができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、移動体がシート保持位置に位置した状態時にシートを吸引保持し移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に開口部の下方でシートの吸引保持を解除することにより昇降手段上の物品群上にシートを供給するシート供給体によって、安定したシート供給ができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、移動体がシート保持解除位置に位置した状態時にシート供給体が非対向状態になると昇降手段が物品群を受け取る物品群受取位置まで上昇するので、次のシートの保持のために移動体がシート保持位置まで戻る前に、物品群を開口部から供給でき、作業効率の向上を図ることができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、シート受け手段にてシートを下方から支持することにより、例えばシートが自重で大きく撓むこと等を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の段積み装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1ないし図4において、1は段積み装置で、この段積み装置1は、例えば外形略直方体状の複数個の物品(段ボール箱等)W1から所定の整列パターンに整列された物品群Wを形成し、この形成した物品群WをパレットP上に段積みし、この段積みした物品群WをパレットPごと搬出するパレタイザである。また、この段積み装置1は、荷崩れ防止のために、パレットPと最下位の物品群Wとの間および上下に隣り合う物品群W間に、四角形状、例えば略矩形状のシート(段ボールシート等)Sが介在するように、物品群Wを段積みしながらシート供給をするものである。
【0016】
段積み装置1は、図4に示されるように、物品W1を搬送する物品搬送手段2と、この物品搬送手段2からの物品W1を搬送しながら所定の整列パターンに整列して物品群W1を形成しこの形成した物品群Wを搬送する物品群形成手段3とを備えている。物品群形成手段3は、方向転換部4、整列パターン形成部5および物品群形成部6等にて構成されている。
【0017】
また、段積み装置1は、図1ないし図4に示されるように、物品群形成手段3から物品群Wを受け入れて開口部である落下開口部10上まで搬送した後、物品群Wを落下開口部10から下降つまり落下させて供給する物品群供給手段11と、物品群供給手段11にて落下供給される物品群Wを受け取り予め設定された設定段数まで物品群Wが上面上にパレットPを介して段積みされる昇降可能な昇降手段である昇降台(エレベータフォーク)12と、落下開口部10の下方で昇降台12上のパレットP上およびこのパレットP上に既に積み付けられた物品群W上にシートSを1枚ずつ供給するシート供給手段13とを備えている。
【0018】
物品群供給手段11は、落下開口部10を開閉するキャリッジ等の開閉体21と、この開閉体21の開動作時に物品群Wの4面外周と接触して物品群Wの落下をガイドするガイド体22とを有している。
【0019】
開閉体21は、例えば複数本のキャリッジローラ23等にて構成されている。開閉体21は、落下開口部10への進出移動であると閉動作により落下開口部10を閉じる閉状態と、落下開口部10からの退避移動である開動作により落下開口部10を開口させる開状態になる。開閉体21は、閉状態時には、物品群形成手段3から物品群Wを受け入れて落下開口部10上まで搬送し、所定の供給タイミングまで物品群Wを下方から支持した状態で待機させる。所定の供給タイミングになると、開閉体21は、開状態になって物品群Wの下方支持を解除して物品群Wを落下開口部10から昇降台12上のパレットP上またはこのパレットP上に既に積み付けられた物品群W上に向けて落下させる。
【0020】
ガイド体22は、例えば物品群Wの前面(開閉体21による搬送方向前側の面)と接触する前面ガイド25、物品群Wの後面(開閉体21による搬送方向後側の面)と接触する後面ガイド26、および物品群Wの左右側面(開閉体21による搬送方向左右両側の面)と接触する側面ガイド27等にて構成されている。
【0021】
後面ガイド26は、水平方向の軸28を中心として上下方向に回動可能で、上方回動により物品群Wの移動領域から退避した退避状態になり、下方回動により物品群Wの後面と接触するガイド状態になる。また、側面ガイド27は、水平移動により物品群Wの側面と接触するガイド状態および物品群W側から離れる退避状態になる。
【0022】
昇降台12は、落下開口部10の下方領域である段積み領域内において機枠31に対して昇降可能で、物品群受取位置に位置した状態で落下開口部10から落下してくる物品群WをパレットPまたはこのパレットP上に既に積み付けられた物品群Wを介して受け取る。また、昇降台12は、物品群受取位置より下方のシート受取位置に位置した状態で、シート供給手段13から供給されるシートSを受け取る。なお、段積み領域は、昇降台12上で物品群Wが段積みされる領域である。
【0023】
昇降台12は、機枠31に固設された上下方向長手状のガイドレール部32に沿って昇降する取付フレーム33に取り付けられている。この取付フレーム33を昇降させる昇降駆動手段34は、例えばモータ35、ワイヤ36およびウエイト37等にて構成されている。
【0024】
なお、昇降台12は、その上面上に載置されたパレットP上に設定段数の物品群Wが段積みされると、下限の物品群搬出位置まで下降し、設定段数の物品群Wが物品群搬出手段である実パレット搬出コンベヤ38上に乗り移る。そして、設定段数の物品群Wは、パレットPごと実パレット搬出コンベヤ38にて次工程に向けて搬出される。また、昇降台12上には空のパレットPが空パレット搬入コンベヤ39にて搬入される。
【0025】
シート供給手段13は、シート保持位置とシート保持解除位置とこれら両位置の間の待機位置とに水平方向に沿って移動可能な取付フレーム等の移動体41と、移動体41に上下方向の軸43を中心として水平方向に回動可能に設けられ、移動体41がシート保持位置に位置した状態時にシートSを吸引保持し、この吸引保持したシートSを移動体41との移動によりシート保持位置からシート保持解除位置まで移送し、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態時に落下開口部10の下方(閉状態の開閉体21の下方)でシートSの吸引保持を解除することにより昇降台12上のパレットP上またはこのパレットP上に既に積み付けられた物品群W上にシートSを載置供給つまり直接移載する複数、例えば4つの吸引保持手段であるシート供給体42とを有している。
【0026】
なお、シート供給体42にてシートSが移送される移送領域の下方には、シートSの移送途中でシートSがシート供給体42から落ちてしまった場合にそのシートSを受け取る落下防止手段57が配設されている。この落下防止手段57は、例えばシートSの移送方向Aに長手方向を有する複数本、例えば3本の棒部材58にて構成されている。
【0027】
移動体41は、モータ等の駆動源45からの動力で回転するベルト等の無端体46に取り付けられ、その無端体46の回転によりシート保持位置、待機位置およびシート保持解除位置に移動する。また、移動体41は、図3に示されるように、互いに離間対向するフレーム部44に固設されたガイドレール部47と嵌合しこのガイドレール部47に沿ってスライド移動するブロック状のレール嵌合部48を有している。無端体46は、フレーム部44に回転可能に設けられた複数のプーリ等の回転体49に掛け渡されている。
【0028】
4つのシート供給体42は、いずれもシートSの隅部を吸引保持するもので、シートSの移送方向A両側に位置する2つが1組となっている。組をなす2つのシート供給体42は、連結リンク50で連結され、1つのエアシリンダ等の駆動源51からの動力で同時に回動する。
【0029】
そして、各シート供給体42は、軸43を中心とする一方向への回動によりシートSと対向する対向状態になり、軸43を中心とする他方向への回動によりシートSと対向しない非対向状態になる。このため、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態時に、シート供給体42が非対向状態になると、昇降台12が物品群Wを受け取る物品群受取位置まで上昇可能である。
【0030】
また、各シート供給体42は、図3に示されるように、移動体41に軸43を中心として回動可能に取り付けられたフレーム部53と、このフレーム部53に取り付けられ上下方向に沿って伸縮可能な伸縮駆動部である昇降用シリンダ部54と、この昇降用シリンダ部54のロッドに取り付けられシートSの隅部を吸引保持する吸引保持部55とを有している。吸引保持部55は、例えば真空発生器等に接続されたバキュームカップ等にて構成され、昇降用シリンダ部54の伸縮により昇降する。
【0031】
さらに、段積み装置1は、機枠61に対して昇降可能なシート用昇降手段であるシート用昇降台62を備えている。シート用昇降台62は、機枠61に固設された上下方向長手状のガイドレール部63に沿って昇降する取付フレーム64に取り付けられている。この取付フレーム64を昇降させる昇降駆動手段は、例えばモータ、ワイヤおよびウエイト等にて構成されている。
【0032】
そして、シート用昇降台62上には、複数枚のシートSが積み重ねられたシートパレットP1が搬入コンベヤ65にて搬入され、空になったシートパレットP1は搬出コンベヤ66にて搬出される。シート供給体42は、シート用昇降台62上のシートSを上から順に1枚ずつ吸引保持して移送する。
【0033】
次に、上記段積み装置1の動作等について説明する。
【0034】
図5(a)および(b)には、物品群形成手段3から搬入された物品群Wが閉状態の開閉体21上で待機し、シート供給体42にて水平状に吸引保持されたシートSが閉状態の開閉体21の下方つまり落下開口部10の下方で待機し、昇降台12がシートSを受け取るシート受取位置に位置した状態が示されている。また、この状態では移動体41はシート保持解除位置に位置している。
【0035】
そして、この状態で、シート供給体42がシートSの吸引保持を解除すると、シートSは、シート供給体42から切り離されて落下し、昇降台12上のパレットP上に載置供給される。すなわち、落下開口部10の下方位置で、昇降台12上のパレットPに対してシートSが供給される。
【0036】
その後、図6(a)および(b)に示すように、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態で、シート供給体42は、回動により対向状態から非対向状態になり、パレットP上のシートSの上方位置から退避する。
【0037】
すると、図7(a)および(b)に示すように、昇降台12は、シート供給体42より上方の位置であって物品群Wを受け取る物品群受取位置まで上昇する。すなわち、昇降台12は、この昇降台12上のパレットP上のシートSまたはパレットP上に既に物品群Wが積み付けられている場合には最上位の物品群W上のシートSを落下開口部10の近傍に位置させる物品群受取位置まで、上昇する。
【0038】
その後、図8(a)および(b)に示すように、開閉体21が開動作で閉状態から開状態になることにより落下開口部10が開口し、物品群Wはその開口した落下開口部10から下降落下し、昇降台12上のパレットP上に載置されたシートS上に載置供給される。
【0039】
また、移動体41がシート保持位置まで移動し、シート供給体42が回動により非対向状態から対向状態になる。そして、対向状態のシート供給体42は、シートSを吸引保持する。
【0040】
ここで、シート供給体42がシートSが吸引保持する場合について詳細に説明すると、シートパレットP上に積み付けられたシートSは搬入コンベヤ65にて所定位置まで搬送され、シート用昇降台62の上昇により最上位のシートSの上面がシート供給体42によるシート移送時のシート天場手前まで上昇する。その後、シート移送時のシート天場(シート移送高さ)に待機していたシート供給体42の吸引保持部55が、最上位のシートSの上面に接触するまで下降し、シートSを吸引保持する。そして、このシートSを吸引保持した吸引保持部55は、シート移送時のシート天場まで上昇復帰し、その後、移動体41とともに水平移動することによりシートSを移送することとなる。
【0041】
なお、シート用昇降台62は、例えば光電スイッチ等のセンサがオンした後、所定時間経過すると上昇停止するもので、最上位のシートSの上面がセンサ位置より例えば25mm上方の位置で上昇停止するように設定されている。吸引保持部55は、下面がセンサ位置より例えば5mm下方の位置で下降停止するように設定されている。そして、センサのオフにて再上昇し、センサのオン後、所定時間経過すると上昇停止する。なお、吸引保持部55は、シートSとの接触時にシートSへの押圧力を吸収するばね等の吸収手段、およびシートSの吸引保持を検出する真空スイッチ等を有している。
【0042】
シート供給体42によるシートSの吸引保持後、図9(a)および(b)に示すように、移動体41は、シートSを吸引保持したシート供給体42とともに、待機位置まで移動する。そして、昇降台12は、シート供給体42と干渉することなく、シート供給体42より下方の位置であるシート受取位置まで下降する。
【0043】
次いで、図10(a)および(b)に示すように、移動体41は、シートSを吸引保持したシート供給体42とともに、シート保持解除位置まで移動し、この移動によりシートSが落下開口部10の下方位置まで移送させる。
【0044】
そして、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態で、シート供給体42がシートSの吸引保持を解除すると、シートSは、シート供給体42から切り離されて落下し、昇降台12上の物品群W上に載置供給される。すなわち、落下開口部10の下方位置で、昇降台12上の物品群Wに対してシートSが供給される。
【0045】
次いで、図11(a)および(b)に示すように、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態で、シート供給体42は、回動により対向状態から非対向状態になり、物品群W上のシートSの上方位置から退避し、その後、昇降台12が一時停止位置まで上昇する。
【0046】
この一時停止位置は、次の物品群受取位置よりやや下方の位置であり、昇降台12がこの一時停止位置に位置した状態時に、開閉体21が閉動作で開状態から閉状態になり、落下開口部10を閉じる。このため、昇降台12上の物品群WやシートS等は開閉体21の閉動作による悪影響を受けない。そして、閉状態になった開閉体21上には、次の物品群Wが物品群形成手段3から搬入供給される。
【0047】
また、図12(a)および(b)に示すように、昇降台12が一時停止位置に位置した状態時において、移動体41がシート保持位置まで移動する。
【0048】
次いで、図13(a)および(b)に示すように、移動体41がシート保持位置に位置した状態で、シート供給体42は、回動により非対向状態から対向状態になる。また、昇降台12は、次の物品群Wを受け取る物品群受取位置まで上昇する。
【0049】
その後、図14(a)および(b)に示すように、シート供給体42はシートSを吸引保持し、また、開閉体21が開動作で閉状態から開状態になることにより落下開口部10が開口し、次の物品群Wは、その開口した落下開口部10から落下し、昇降台12上のパレットPに積み付けられた物品群W上のシートS上に載置供給される。
【0050】
次いで、図15(a)および(b)に示すように、移動体41は、シートSを吸引保持したシート供給体42とともに、待機位置まで移動する。そして、昇降台12は、シート供給体42と干渉することなく、次のシート受取位置まで下降する。
【0051】
このような動作の繰り返しにより、複数の物品群WがパレットP上に設定段数になるまで段積みされる。そして、昇降台12上のパレットP上に設定段数の物品群Wが段積みされると、昇降台12は、下限の物品群搬出位置まで下降し、設定段数の物品群WはパレットPごと実パレット搬出コンベヤ38にて次工程に向けて搬出される。また、昇降台12上には空のパレットPが空パレット搬入コンベヤ39にて搬入され、上述の段積み作業が行われる。
【0052】
そして、このような段積み装置1によれば、落下開口部10の下方で昇降台12上のパレットPおよび物品群W上にシートSを供給するシート供給手段13を備える構成であるため、シートSの厚さに関係なく、安定したシート供給ができる。すなわち例えばシートSが折り曲げられてシートSに皺が発生することがなく、シートSがキャリッジローラ23等に巻き込まれること等もない。しかも、落下開口部10の下方でシート供給を行うため、物品群Wの平面サイズよりも大きな平面サイズのシートSを供給することができる。
【0053】
また、シート供給手段13の移動体41がシート保持位置に位置した状態時にシートSを吸引保持し移動体41がシート保持解除位置に位置した状態時に落下開口部10の下方でシートSの吸引保持を解除することによりシート供給を行うシート供給体42によって、より一層安定したシート供給ができる。
【0054】
さらに、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態時にシート供給体42が非対向状態になると昇降台12が物品群Wを受け取る所定の物品群受取位置まで上昇するので、シート供給体42による次のシートSの保持のために移動体41がシート保持位置まで戻る前に、開閉体21の開動作により物品群Wを落下開口部10から落下供給でき、作業効率の向上を図ることができる。
【0055】
なお、上記実施の形態では、4つのシート供給体42を用いてシートSの4つの隅部を吸引保持してシートSを水平状に保持する構成について説明したが、例えば図16および図17に示すように、複数、例えば2つのシート供給体42を用いてシートSの移送方向前側のみ、すなわち例えば前側の2つの隅部を吸引保持してシートSを保持するようにしてよい。
【0056】
そして、この段積み装置1は、移動体41がシート保持解除位置に位置した状態時に、シート供給体42にてシートSの移送方向前側のみで吸引保持されたシートSの移送方向後側の縁部を下方から支持するシート受け手段71を備え、このシート受け手段71がシート供給体42によるシートSの吸引保持解除と同時にシートSの下方支持を解除する。また、この段積み装置1は、シート供給体42によるシートSの移送時に、シートSの移送方向後側を下方から支持してシートSを水平状に維持するシート支持手段72を備えている。
【0057】
シート受け手段71は、例えばフレーム部73に取り付けられシートSの移送方向Aの水平方向に沿って伸縮可能な複数、例えば2つの伸縮駆動部であるシリンダ部74と、この各シリンダ部74のロッドに取り付けられシートSを下方から支持するシート受け部75とを有している。
【0058】
シート受け部75は、シリンダ部74の伸び動作により段積み領域内に進出する進出状態になり、シリンダ部74の縮み動作により段積み領域内から退避する退避状態になる。そして、シート受け部75は、進出状態でシートSの移送方向後側の縁部を2箇所で下方から支持し、シート供給体42によるシートSの吸引保持解除と同時に退避状態になると、シートSの下方支持を解除してシートSを落下させる。また、シート支持手段72は、例えばシートSの移送方向Aに長手方向を有する複数本、例えば3本の棒部材77にて構成されている。各棒部材77は、シート供給体42にてシートSが移送される移送領域の下方に水平状に配設されている。なお、各棒部材77の段積み領域側とは反対の端部には、下り傾斜する傾斜部77aが形成されている。隣り合う棒部材77間に、シート受け手段71が配設されている。
【0059】
また、段積み装置1は、シート供給体42が移動体41に回動可能に設けられた構成には限定されず、例えば図18に示すように、1つのシート供給体42を移動体41に固設した構成でもよい。このシート供給体42は、シートSの移送方向前側を吸引保持する複数、例えば3つの吸引保持部55を有している。各吸引保持部55は、移動体41に固設したフレーム部53に取り付けられた昇降用シリンダ部54のロッドに取り付けられている。この構成では、シート供給体42が段積み領域内から退避した後、昇降台12が物品群受取位置へ上昇する。
【0060】
さらに、例えば図19に示すように、複数、例えば2つのシート供給体42を移動体41に固設した構成でもよい。一方のシート供給体42はシートSの移送方向前側を吸引保持する複数、例えば3つの吸引保持部55を有し、他方のシート供給体42はシートSの移送方向後側を吸引保持する複数、例えば3つの吸引保持部55を有している。この構成では、シート受け手段71およびシート支持手段72が不要である。
【0061】
また、落下開口部10を開閉する開閉体21は、例えばキャリッジプレートを用いた構成等でもよい。
【0062】
さらに、シート供給体42は、吸引保持部55が昇降用シリンダ54の作動で昇降する構成には限定されず、例えば吸引保持部55が昇降しない構成でもよい。
【0063】
また、図2に示す実施の形態では、組をなす2つのシート供給体42が連結リンク50にて連結されて同一方向に回動する構成について説明したが、例えば組をなす2つのシート供給体42がそれぞれ反対方向に回動する構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施の形態に係る段積み装置の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】同上段積み装置の部分平面図である。
【図4】同上段積み装置の全体平面図である。
【図5】同上段積み装置の動作説明図である。
【図6】図5に続く動作説明図である。
【図7】図6に続く動作説明図である。
【図8】図7に続く動作説明図である。
【図9】図8に続く動作説明図である。
【図10】図9に続く動作説明図である。
【図11】図10に続く動作説明図である。
【図12】図11に続く動作説明図である。
【図13】図12に続く動作説明図である。
【図14】図13に続く動作説明図である。
【図15】図14に続く動作説明図である。
【図16】本発明の他の実施の形態に係る段積み装置の正面図である。
【図17】図16のA−A断面図である。
【図18】シート供給手段の変形例を示す図である。
【図19】シート供給手段の別の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 段積み装置
10 開口部である落下開口部
11 物品群供給手段
12 昇降手段である昇降台
13 シート供給手段
41 移動体
42 シート供給体
71 シート受け手段
W 物品群
S シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の整列パターンに整列された物品群を開口部から下降させて供給する物品群供給手段と、
この物品群供給手段にて供給される物品群を受け取り、物品群が段積みされる昇降手段と、
前記開口部の下方で前記昇降手段上の物品群上にシートを供給するシート供給手段と
を備えることを特徴とする段積み装置。
【請求項2】
シート供給手段は、
シート保持位置とシート保持解除位置とに移動可能な移動体と、
この移動体に設けられ、前記移動体がシート保持位置に位置した状態時にシートを吸引保持し、前記移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に開口部の下方でシートの吸引保持を解除することにより昇降手段上の物品群上にシートを供給するシート供給体とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の段積み装置。
【請求項3】
シート供給体は、移動体に回動可能に設けられ、一方向への回動によりシートと対向する対向状態になり、他方向への回動によりシートと対向しない非対向状態になるものであり、
前記移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に、前記シート供給体が非対向状態になると、昇降手段が物品群を受け取る物品群受取位置まで上昇する
ことを特徴とする請求項2記載の段積み装置。
【請求項4】
移動体がシート保持解除位置に位置した状態時に、シート供給体にて吸引保持されたシートを下方から支持するシート受け手段を備え、
このシート受け手段は、前記シート供給体によるシートの吸引保持解除と同時に、シートの下方支持を解除する
ことを特徴とする請求項2または3記載の段積み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−292545(P2009−292545A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145237(P2008−145237)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)