説明

段違い平行棒用補助台

【課題】従来の段違い平行棒用補助台にあっては、箱状の踏み台型は床面若しくは着地マット上に載置使用する為安定性に難点が有るばかりか、ピットに設置した段違い平行棒では使用できなかった。又、高支柱取付け型踏み台では高支柱のみの単柱に取付ける為、踏み板の巾が制限され、更に幅員調節時、踏み板が傾斜し十分な補助活動が出来なかった。
【解決手段】高支柱と低支柱夫々の上下所定位置に横架支承した伸縮杆の略央部に昇降自在な複合支柱と高支柱にも昇降自在なガイド支柱を設け夫々の上端部と巾広な踏み台の一側とを軸着し、その他側と複合支柱、前記ガイド支柱夫々の所定位置とをステーで連結してピットに設置した平行棒でも使用出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器械体操の段違い平行棒の練習時に使用する補助台に係り、特に、使用者の身長差及び技の内容によるバー間隔の幅員調節に伴い広狭作動する高、低支柱夫々へ着脱自在に取付け、踏み板を昇降自在、水平保持、更に上方格納する段違い平行棒用補助台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の補助台に於いては、段違い平行棒一側の高、低支柱のバー側の床面上又は、着地マット上に箱状の踏み台を載置するものか又、前記平行棒の高支柱に踏み台を取付けて使用していたことは知られている。(例えば図7a、b参照)
【0003】
以下、図7a、bにより従来の補助台について説明する。図に於いて、段違い平行棒一側の高、低支柱のバー側の床面上又は、着地マット上に箱状の踏み台を載置するものか又、前記平行棒の高支柱に踏み台を取付けて使用していたが、前記箱状の踏み台の場合は、床面上又は、着地マット上に載置し使用する為、踏み台本体が不安定で十分な補助が行なえず補助者が落下転倒すると云う危険性を有していた、又、難度の高い技を練習する場合は、使用者が落下しても安全なピットに前記平行棒を設置し使用するが、この場合箱状の補助台は使用出来ないと云う問題点を有していた。(ピットとは床面を切り開き掘り下げた舛状の彫り込みを設け、その内部に約20cm角のウレタンフォームブロックを多数個入れ、使用者が落下した際その衝撃を吸収する装置)。
【0004】
又、踏み台を前記平行棒の高支柱に取付けるので、バーの幅員調節に伴い支柱が傾斜する為、踏み台の水平保持が不可能であると共に、支柱1本に取付けるため踏み台の横幅が狭く、補助者の足場確保に支障を来すと云う問題点を有していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く、従来の補助台に於いては、箱状の補助台は不安定で、且つピットに設置した段違い平行棒には使用出来ず、又、前記平行棒の高支柱に取付ける補助台はバーの幅員調節に伴い支柱が傾斜し踏み台の水平保持が不可能であると共に、支柱1本に取付けるため踏み台の横幅が狭く補助者の足場確保が困難であった。
【0006】
本発明は、従来技術の有する上述問題点に鑑み為されたものであり、前記平行棒一側の高、低支柱に取付ける支持金具を夫々の両端に枢着した伸縮自在な対の連動杆と昇降自在な複数の支柱を挿通した複合支持支柱及び昇降支柱、踏み板を軸着した踏み板取付杆、更に、前記踏み板を支持するステーを備え、バーの幅員調節に伴い高、低夫々の支柱が競技規定内で傾斜しても踏み板を常時水平位に保持すると共に、高低調節自在としピットに設置した段違い平行棒にも装着使用出来る段違い平行棒用補助台の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する為に、本発明の段違い平行棒用補助台に於いては、前記平行棒一側の高、低両支柱夫々の上下所定位置へ着脱自在に横架支承した伸縮自在な夫々の連結杆と、それらの略央部へ上下夫々を枢着したガイド支柱と、その内部に昇降支柱、外部へ一側面に切り込み開口溝を設けたステー受け杆とを夫々昇降自在に挿通した複合支持支柱及び、前記平行棒の高支柱へ昇降自在に嵌着した昇降支柱、更に踏み板の一側を回動自在に軸着した踏み板取付け杆の所定位置と前記複合、昇降支柱夫々の一端部とを枢着すると共に、前記踏み板の他側と前記夫々の支柱とを複数本のステーを介し連結して成り、該平行棒のバー間隔の幅員調節作動に拘らず踏み板を水平位保持し昇降自在としたものである。
【0008】
上記目的を達成する為に、本発明に於いては、踏み板の一側に復数本枢着した前記ステーをコイルスプリング等の弾発力を介し伸縮自在なステーとし、指導者が登壇しない未使用時には踏み板を回動収納するよう構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
上述の如く、本発明の段違い平行棒用補助台に於いては、前記平行棒一側の高、低両支柱夫々に取付ける為、ピットに設置した該平行棒でも使用出来ると共に、バーの幅員調節に伴う支柱の傾斜にも対応する段違い平行棒用補助台を提供出来る。
【0010】
又、指導者が踏み板を不使用時には回動収納される為、使用者はバー側への突出物がなく安心して練習出来るものである。
【発明の実施するための最良の形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。
【0012】
図に於いて、アは段違い平行棒の幅員調節用ハンドル、イは高支柱、ウは低支柱、エはバー、オは幅員調節器、カは土台である。
【0013】
1の踏み板を備えた踏み板取付け枠4と踏み板取付け杆3とをヒンジ2を介し軸着し、両端部に摺動用ソケット5、5a夫々を枢着した伸縮杆6と両端部に固定用ソケット5c、5d夫々を枢着した伸縮杆6a夫々の略央部へ高支柱イへ昇降自在に取付けたカイド支柱9と平行に上端部でスペーサー18を介し昇降支柱13と案内支柱19を止着し揺動ガイド支柱8に嵌合して取付け、揺動ガイド支柱8と昇降支柱13の所定位置に設けたステー取付け金具14、14aと踏み板取付け枠4に設けたステー取付け金具14c、14d夫々にコイルスプリング等の弾発力を介し伸長する内管を有するステー12、12aを取付けて成る段違い平行棒用補助台。
【0013】
1の踏み板を備えた踏み板取付け枠4と踏み板取付け杆3とをヒンジ2を介し回動自在に軸着してある。
【0014】
又、両端部に固定用ソケット5、5a夫々を枢着した伸縮杆6と両端部に固定用ソケット5c、5d夫々を枢着した伸縮杆6a夫々を前記平行棒の高支柱イと低支柱ウの所定位置に止着する。尚、固定用ソケット5の一側にはガイド支柱9を挿通するソケットが設けてある。
【0015】
更に、上端部でスペーサー18を介し昇降支柱13と案内支柱19を止着し揺動ガイド支柱8に嵌合し複合支柱としてある。
【0016】
更に又、高支柱イの所定位置へ両端部に嵌着金具を設けたガイド支柱9を前記固定用ソケット5の一側に設けたソケットに挿通し摺動自在に取付ける。
【0017】
そして、前記揺動ガイド支柱8に嵌合し複合支柱とした上部に設けた踏み板取付け杆接続金具11aと高支柱イに取付けたガイド支柱9の上部に設けた踏み板取付け杆接続金具11とを前記踏み板取付け杆3に軸着すると共に、揺動ガイド支柱8と昇降支柱13の所定位置に設けたステー取付け金具14、14aと踏み板取付け枠4に設けたステー取付け金具14c、14d夫々にコイルスプリング等の弾発力を介し伸長する内管を有するステー12、12aを取付けて成る段違い平行棒用補助台。
【0018】
1の踏み板は指導者が登壇すると水平位に保持され、降りるとコイルスプリング等の弾発力を介し上方に収納されるよう成してる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】 本発明の実施形態を示す段違い平行棒用補助台の正面図(a)、同右側面図(b)である。
【図2】 同例の前記平行棒の巾広幅員調節した状態の背面図で3点鎖線は踏み板を際上部位にしたもので(a)、同左側面図(b)である。
【図3】 同例の同右側面図で3点鎖線は踏み板を際上部位にしたものと踏み板の収納状態を示すものである。
【図4】 同例の平面図である。
【図5】 同例の複合支柱のA−A断面図(a)、B−B断面図(b)、C−C断面図(c)である。
【図6】 同例の作動状態の斜視図である。
【図7】 従来例の箱状の踏み台使用時(a)、従来例の高支柱取付け型踏み台(b)である。
【符号の説明】
【0020】
1 踏み板
2 ヒンジ
3 踏み板取付け杆
4 踏み板取付け枠
5、5a、5c、5d 伸縮杆取付けソケット
6、6a 伸縮杆
7 案内支柱
8 揺動ガイト支柱
9 ガイド支柱
10 締着レバー
11 踏み板取付け杆接続金具
12、12a ステー
13 昇降支柱
14〜14d ステー取付け金具
15、15a 止め栓
16 ステップ兼昇降操作用ハンドル
17 緩衝材
18 スペーサー
19 案内支柱
ア 幅員調節器操作ハンドル
イ 高支柱
ウ 低支柱
エ バー
オ 幅員調節器
カ 土台
キ 従来の箱状の踏み台
ク 従来の高支柱取付け型踏み台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段違い平行棒一側の高、低両支柱の上下所定位置夫々へ着脱自在に横架支承した伸縮自在な連結杆と、それらの略央部へ上下夫々を枢着したガイド支柱と、その内部に昇降支柱、外部へ一側面に切込み開口溝を設けたステー受け杆とを夫々昇降自在に挿通した複合支持支柱及び前記平行棒の高支柱へ昇降自在に嵌着した昇降支柱、更に踏み板の一側を回動自在に軸着した踏み板取付け杆の所定位置と前記複合、昇降支柱夫々の一端部とを枢着すると共に、前記踏み板の他側と前記夫々の支柱とを複数本のステーを介し連結して成り、該平行棒のバー間隔の幅員調節作動に拘らず踏み板を水平保持し昇降自在としたことを特徴とする段違い平行棒用補助台。
【請求項2】
踏み板の一側に複数本枢着した前記ステーをコイルスプリング等の弾発力を介し伸縮自在なステーとし、不使用時には回動収納することを特徴とする請求項1記載の段違い平行棒用補助台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−158493(P2010−158493A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−20782(P2009−20782)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(000184920)