説明

毛髪ストランドの束にヘアトリートメント組成物を適用するためのアプリケータ

本発明は、ヘアトリートメント組成物を適用するためのアプリケータ(1)に関する。アプリケータ(1)は、このアプリケータ(1)が閉じた状態と開いた状態との間をとり得るように、接続部(30)によって可動に連結された、プレート(10)及び収容部分(20)を含む。第1フィン(50)、好ましくは第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から突出し、アプリケータ(1)の使用中に、毛髪ストランドを収容部分(20)の内部に曲げる。本発明によるヘアトリートメントアプリケータは、ヘアトリートメント組成物の、毛髪への、特に毛髪ストランド、及びより好ましくは毛髪ストランドの束への、正確で、乱雑でなく、均一な適用を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維、好ましくはケラチン性繊維への、美容組成物の正確で、乱雑でなく、均一な適用を可能にするアプリケータに関する。本発明によるアプリケータは、特に、毛髪ストランドに効果を提供するヘアトリートメント組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
個別の毛髪ストランドへのヘアトリートメント組成物の適用は、ユーザーが、頭部全体への適用とは異なる外観を達成することを可能にする。毛髪ストランドに効果を提供するためのヘアトリートメント組成物には、ハイライト組成物、染色組成物、パーマ組成物、スタイリング組成物、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0003】
ハイライト組成物、及び染色組成物によって提供されるものなどの毛髪ストランド効果は、所望の場所に正確に適用されなくてはならない。例えば、多すぎる量のハイライト組成物が根元に適用されると、周辺の選択されない毛髪ストランドに移動する恐れがある。これは全体的な最終結果を変えることがあり、ユーザーが作り出そうとしたパターンを完全に乱すことがある。加えて、ハイライト及び染色組成物などのヘアトリートメント組成物は、メラニン色素を漂白するための強い酸化剤を含む。その反応性のある化学的性質を考慮すると、ハイライト及び染色組成物のほとんどの適用は、予期せず過剰に根元ラインに供給された場合にまた、頭皮に移動することがあり、これはいくつかの場合において、不必要な皮膚の炎症に繋がる。加えて、過剰な量の製品が根元に適用された場合、着色効果は毛髪の長さに沿って一定ではなく、望ましくない視覚的効果に繋がる。代わりに、不十分な組成物が毛髪ストランドに適用された場合、毛髪ストランド効果の均一性が達成されず、視覚的に許容不可能な最終結果を生じることがある。したがって、処理される毛髪ストランドに沿って、一定量の製品が均一に適用されることが重要である。
【0004】
毛髪ストランドにハイライトなどの効果を提供するための1つの周知の方法は、キャップ・アンド・フックシステムである。穴を備えるキャップが、頭の上に位置付けられ、毛髪ストランドが、フックで引き出される。到底正確ではなく、キャップ・アンド・フックシステムは、キャップの穴を介した毛髪ストランドの無作為な選択、及びハイライト組成物を選択された毛髪ストランドの一部のみに適用して根元部分に適用しない可能性を含む、いくつかの欠点を有する。
【0005】
ヘアトリートメント組成物を、別々の毛髪ストランドの束に適用するために、いくつかのヘアトリートメントアプリケータが、キャップ・アンド・フックシステムの代替として、設計されてきた。これらのアプリケータは、2つの一般分野に属する。一分野は、櫛及び/又はブラシに基づくアプリケータを含む。もう一方の群は、一方が他方に関して可動である、2つの関節構造を呈する部分を有するアプリケータを含む。この後者の分野において、多くの試みが開示されてきた。米国特許第3,030,968号は、浸漬によって充填される、液体処理物質のためのアプリケータに言及する。このアプリケータは、U字型の弾力性のあるバネの脚部の端部に取り付けられる、トラフ及び毛髪案内部材を含む。バネは、手動の圧縮を可能にし、毛髪案内部材をトラフ内に適合させる。米国特許第6,062,231号は、毛髪製品を毛髪ストランドに提供するためのデバイスを開示する。このデバイスは、2つの関節構造を呈する部分を含み、浸漬によって充填される適用手段、及びデバイスの使用中に、毛髪ストランドをアプリケータ手段の上に維持するための保持部材である。別の試みが、米国特許第2003/0024544号に示され、毛髪製品のための空洞、及び弾性的に変形可能な保持部材を備えるデバイスが、開示される。保持部材は、多孔質、又は繊維性の材料を含んでもよく、空洞は、ヘアトリートメント組成物の適用中に、毛髪ストランドを適所に維持するための、少なくとも1つのノッチを備える。
【0006】
毛髪ストランドに効果をもたらすための組成物の自己適用、特に、ハイライト及び染色のためのものは、それ自体が困難であることが、一般的に認識されている。期待される最終結果を達成するためには、ヘアトリートメント組成物の自己適用を促進することができるヘアトリートメントアプリケータが考案されて、いくつかの技術的課題に対処する必要がある。
【0007】
第1に、ヘアトリートメントアプリケータは、周辺のストランド、又は頭皮及び皮膚に移動することなく、毛髪ストランドに効果を提供するのに十分な量のヘアトリートメント組成物を適用するべきである。
【0008】
第2に、ヘアトリートメントアプリケータは、ユーザーがアプリケータを毛髪ストランドの束に沿って動かす間に、ヘアトリートメント組成物を適用して、それから続いて擦り落とすべきではない。
【0009】
第3に、特にハイライト及び染色組成物は、その中に含まれる化学的性質が、ケラチン性繊維に効果を提供するために十分に長い期間適所に留まるように、配合される。ヘアトリートメントアプリケータは、したがって、典型的にゲル、クリーム、又はペーストとして配合されるヘアトリートメント組成物を容易に適用し、ユーザーが毛髪を処理する間にアプリケータから排出され、零れ落ちることを避けるように設計されるべきである。
【0010】
第4に、全体の適用プロセスは、ヘアトリートメント組成物が不注意にヘアトリートメントアプリケータから排出されることなく、整然とした、清潔な方法で行われるべきである。
【0011】
加えて、ヘアトリートメントアプリケータは、ヘアトリートメント組成物をアプリケータ内部に、未使用のまま又は隔離されたままにするべきではない。ヘアトリートメント組成物が視覚的に隔離されている場合、ユーザーが再充填するきっかけを強め、したがってユーザーが、デバイスが収容し得るより多くのヘアトリートメント組成物を充填するように促し、ヘアトリートメント組成物の適用中に、ユーザーにとって乱雑さの危険を増加することにつながり得る。
【0012】
更に、ヘアトリートメントアプリケータは、別々の毛髪ストランドの束に、組成物を均一に適用するべきである。組成物が、ハイライト又は染色組成物である場合、均一性は非常に重要である。これらの組成物によってもたらされる永続的効果は、適用後、直ぐには目に見えず、結果が魅力的でない場合でも、容易に戻せない。ヘアトリートメントアプリケータはしたがって、毛髪ストランドの束の長さ及び幅に沿った、かつ同様に前側及び後側表面上の、均質なコーティングを確実にするべきである。
【0013】
最後に、ヘアトリートメント組成物のためのアプリケータは、使用が容易であるべきであり、これは間違いなく安価で、生産が容易であるべきであり、ヘアトリートメント組成物をどのくらい、及びどこに充填すべきかなどの事柄について、いかなる特別な経験及び訓練をも必要とするべきではない。理想的には、消費者は、製造者によって提供されるいくつかの取扱指示に単に従うことによって、アプリケータを充填及び使用することができなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許第3,030,968号
【特許文献2】米国特許第6,062,231号
【特許文献3】米国特許第2003/0024544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、当該技術分野において、依然として解決されずに残るものは、上記で定義された技術的問題を克服することができるアプリケータである。
【0016】
アプリケータ(本明細書において以下に定義される)は、毛髪ストランドに効果を提供するための、ヘアトリートメント組成物の適用を著しく改善し得ることが今では見出されている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明により、プレート(10)及び収容部分(20)を含む、ヘアトリートメント組成物を毛髪に適用するためのアプリケータ(1)が提供され、このプレート(10)は、周囲部(103)、実質的に平坦な内部表面(101)及び外部表面(102)を有し、この収容部分(20)は、基部(201)及び壁(202)を含み、この壁(202)は、この基部(201)から始まって上方に延び、この壁(202)はリム(222)を有し、このリム(222)は、この収容部分(20)の開口部(203)及び内部容量(204)を画定し、このプレート(10)及びこの収容部分(20)は、このアプリケータ(1)が閉じた状態と開いた状態との間をとり得るように、接続部(30)によって可動に連結され、このアプリケータ(1)が閉じた状態にあるとき、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)は、この収容部分(20)のこの開口部(203)と並置関係にあり、このアプリケータ(1)が開いた状態にあるとき、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)は、この収容部分(20)のこの開口部(203)と遠位の関係にあり、第1フィン(50)は、このプレート(10)の、この実質的に平坦な内部表面(101)から突出し、この実質的に平坦な内部表面(101)と25°〜55°の鋭角αを形成し、この第1フィン(50)は、1mm〜50mmの平均第1長さ(L1)で延び、この第1フィン(50)は、近位縁部(501)及び末端縁部(502)を含み、この近位縁部(501)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)に取り付けられる。
【0018】
更に、ヘアトリートメントアプリケータ(1)の手段により毛髪を処理する方法、ヘアトリートメントアプリケータ(1)を含むキット、及び毛髪ストランドに効果を提供するための、本発明によるヘアトリートメントアプリケータ(1)でのヘアトリートメント組成物の使用についてもまた記載される。
【0019】
最後に、本発明により、ヘアトリートメント組成物を毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に適用するためのヘアトリートメントアプリケータ(1)の使用が提供され、この使用は、この毛髪ストランドを、第1フィン(50)、好ましくは第1フィン(50)及び第2フィン(60)を含むプレート(10)と、収容部分(20)との間にこの毛髪ストランドを真っ直ぐに配置し、次に、この収容部分(20)の内部で、この第1フィン(50)、好ましくはこの第1フィン(50)及び第2フィン(60)で、この毛髪ストランド、好ましくはこの毛髪ストランドの束を曲げることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明によるアプリケータの一実施形態の斜視図。アプリケータ(1)が、閉じた状態で図示される。外部表面(102)、実質的に平坦な内部表面(101)、及び周囲部(103)を含むプレート(10)が、接続部(30)を通じて収容部分(20)に接続される。プレート(10)は、軸Yを含む。収容部分(20)の部分が、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から軸Yに沿って突出する第1フィン(50)を図示するために、この図から取り除かれている。収容部分(20)は、基部(201)及び壁(202)を含む。壁(201)のリム(222)は、収容部分(20)の開口部(203)及び、内部容量(204)を画定する。
【図1B】本発明によるアプリケータの一実施形態の斜視図。ここに図示される実施形態は、図1Aに示されるものと同様。アプリケータ(1)が、閉じた状態で図示される。収容部分(20)の部分が、第1フィン(50)及び第2フィン(60)を図示するために、この図から取り除かれている。第1フィン(50)及び第2フィン(60)が、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出する。このフィン(50;60)はそれぞれ、近位縁部(501;601)及び末端縁部(502;602)を含む。近位縁部(501;601)は、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)に取り付けられており、一方で、この実施形態において末端縁部(502;602)は一方が他方に向かって近づいたもの。
【図1C】本発明による一実施形態のプレート(10)の断面図。軸Yに対し、及びプレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)に対し、横断方向である。実質的に同一の第1及び第2フィン(50;60)は、実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出し、かつプレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)と実質的に同一の鋭角α及びβをそれぞれ独立して形成する。実質的に同一の第1及び第2フィン(50;60)は、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から、実質的に同一の平均第1長さ(L1)及び平均第2長さ(L2)で、独立して延びる。この実施形態における、実質的に同一の平均第1高さ(H1)及び平均第2高さ(H2)が図示される。連結手段(38)が、第1フィン(50)と第2フィン(60)を接続する。
【図2】本発明によるアプリケータ(1)の一実施形態の斜視図。アプリケータ(1)が、開いた状態で図示される。プレート(10)は、支点(35)を含む接続部(30)によって収容部分(20)に接続される。プレート(10)は、周囲部(103)、実質的に平坦な内部表面(101)及び外部表面(102)を含む。第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出し、かつそれぞれ独立して矩形の形状を有する。密封手段(401)が、収容部分(20)の壁(202)のリム(222)上で、接続部(30)に隣接するようにして図示される。この実施形態では2つの実質的に同一の半球(402;403)によって表される2つの停止機構が、収容部分(20)の壁(202)のリム(222)上に位置付けられる。
【図3】本発明によるアプリケータ(1)の一実施形態の断面図。アプリケータ(1)は閉じた状態にある。プレート(10)は、軸Y(ここでは示されない)を含み、断面図は、軸Yに対し、及びプレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)に対して横断方向にとられている。第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、このプレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から突出し、この実質的に平坦な内部表面(101)と、実質的に同一の鋭角α及びβを形成する。このプレート(10)とこの収容部分(20)との間の毛髪ストランドの束は、この収容部分(20)の内部容量(204)の内部で、このフィン(50;60)によって曲げられる。円の内部において、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)と収容部分(20)の壁(202)のリム(222)との間の平均距離(D1)が拡大される。図3の上部の二重矢印は、アプリケータ(1)が、双方向性であることを示している。
【図4A】本発明によるアプリケータの、プレート(10)の一実施形態。第1及び第2フィン(50;60)は、プレート(10)の実質的に平坦な表面(101)から独立して突出し、かつこの実質的に平坦な内部表面(10)と実質的に同一の鋭角α及びβを独立して形成する。3つの追加のフィン(70;80;90)は、1つが他からは独立して、また、この第1及び第2フィン(50;60)からも独立して突出する。第1及び第2フィン(50;60)の末端縁部(502;602)は一方が他方に向かって近づいたものである。
【図4B】本発明によるアプリケータの一実施形態。第1及び第2フィン(50;60)は、プレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出し、かつこの実質的に平坦な内部表面(10)と実質的に同一の鋭角α及びβを独立して形成する。第1フィン(50)及び第2フィン(60)の末端縁部(502;602)は、接近することなく同じ方向を指している。3つの追加のフィン(70;80;90)は、1つが他からは独立して、また、この第1及び第2フィン(50;60)からも独立して突出する。図4Bの上部の単一の矢印は、アプリケータ(1)が、本明細書で後に説明されるように、単向性であることを示している。支持手段の一実施形態が(40)として示される。
【図5A】本発明によるこのプレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)の図。軸Yに垂直であり、この実質的に平坦な内部表面(101)に平行な、平面(P11、P12、P13、P14、及びP15)が、この第1フィン(50)、及び第2フィン(60)の近位縁部(501)を等分する。平面(P11〜P15)は、このプレート(10)のこの周囲部(103)を横断し、平均距離(D1)を測定する、このプレート(10)のこの周囲部(103)上の10箇所の位置(1001〜1010)を特定する。
【図5B】本発明によるプレート(10)の実質的に平坦な内側表面(101)の図。軸Yが図示されて、プレート(10)の内側表面(101)上に位置付けられ停止機構として機能する2つのストリップ(11;12)を横切る。2つのスロット(49;59)がプレート(10)にわたって存在する。
【図5C】平面(P11〜P15)のいずれかに沿って、又はこれらの平面(P11〜P15)の間の平行な任意の平面上でとられた、図5Bのプレート(10)の断面図。この図では、第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、矩形の形状を有するスロット(49;59)の中に滑り込むように示され、実質的に同一の鋭角α及びβ、並びに実質的に同一の第1及び第2平均長さ(L1;L2)を有する。第1及び第2フィン(50;60)を図示するために、1つのストリップが取り除かれ、他方のストリップ(12)が図示される。
【図5D】本発明によるプレート(10)の実質的に平坦な内側表面(101)の図。軸Yが図示されて、プレート(10)の内側表面(101)上に位置付けられ停止機構として機能する2つのストリップ(11;12)を横切る。2つのスロット(49;59)がプレート(10)にわたって存在する。
【図6】本発明によるヘアトリートメントアプリケータ(1)の一実施形態に関し、着色したカーボポール(商標)956溶液が、毛髪ストランドの束に適用される場合に、平均毛髪上投薬量(◆)、及び平均均一性(■)が、鋭角α及びβを変化させることによってどのように変化するかを示す。
【図7】本発明によるヘアトリートメントアプリケータ(1)の一実施形態に関し、ハイライト組成物が毛髪ストランドの束に適用される場合に、平均毛髪上投薬量(◆)、及び平均均一性(■)が、鋭角α及びβを変化させることによってどのように変化するかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、本明細書において記載される特徴が、上記の技術的問題を解決するために本発明の範囲内で選択される特定の関係において共に組み合わされた場合に、有する相乗関係によって特徴付けられる。
【0022】
本発明の目的では、毛髪という用語は、生きている毛髪、すなわち、生物上の毛髪と、生きていない毛髪、すなわち、かつら、ヘアピース、又は生きていないケラチン繊維の他の集合体との両方を指す。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が意図される。
【0023】
本発明の目的のために、用語「毛髪ストランド」とは、単一のケラチン性繊維を意味し、用語「毛髪ストランドの束」とは、複数の、本明細書において示される意味による毛髪ストランドを意味する。
【0024】
本明細書において記載される技術的効果を達成するため、図1Aに示されるように、本発明による、毛髪にヘアトリートメント組成物を適用するためのアプリケータ(1)は、接続部(30)によって収容部分(20)に可動に連結されるプレート(10)を含む。このプレート(10)は、周囲部(103)、実質的に平坦な内部表面(101)、及び外部表面(102)を含む。アプリケータ(1)は、第1フィン(50)によって特徴付けられ、これは、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から突出し、約1mm〜約50mmの平均第1長さ(L1)で延びる。この第1フィン(50)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)と約25°〜約55°の鋭角αを形成する。好ましくは、第2フィン(60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面から、この第1フィン(50)から独立して突出し、かつ約1mm〜約50mmの平均第2長さで独立して延びる。この第2フィン(60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)と、この第1フィン(50)から独立して約25°〜約55°の鋭角βを形成する。
【0025】
好ましくはこの鋭角α及び/又はこの鋭角βは、約35°〜約55°、より好ましくは約35°〜約50°である。
【0026】
本発明によるアプリケータ(1)のこのプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)は、軸Yを含み、これはこのプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)の中央から真っ直ぐに延び、この接続部(30)を横断方向に、好ましくは接続部(30)に垂直に横切る。この第1フィン(50)及び第2フィン(60)はそれぞれ、近位縁部(501;601)、及び末端縁部(502;602)を有する。図1Bに示されるように、この近位縁部(501;601)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)に取り付けられるものである。好ましくは、この第1フィン(50)のこの近位縁部(501)は、この第2フィン(60)のこの近位縁部(601)に実質的に平行である。より好ましくは、図1Bに図示されるように、この第1フィン及び第2フィン(50;60)のこの末端縁部(502;602)は、一方が他方に向かって接近する。更により好ましくは、この第1フィン(50)のこの近位縁部(501)、及びこの第2フィン(60)のこの近位縁部(601)は、この軸Yと実質的に平行である。図1Cに示されるように、この第1及び第2フィン(50;60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出し、かつ、好ましくは、この実質的に平坦な内部表面(101)と実質的に同一の鋭角α及びβを独立して形成す。より好ましくは、図1Cに示されるように、この第1及び第2フィン(50;60)は、実質的に同一の平均長さ(L1)及び(L2)で、独立して延びる。
【0027】
本発明による収容部分(20)は、基部(201)及び壁(202)によって形成され、この壁(202)は、この基部(201)から始まって上方に延びている。この壁(202)は、この収容部分(20)の開口部(203)及び内部容量(204)を画定するリム(222)を有する。したがって、収容部分(20)は、上記のヘアトリートメント組成物を収容するための任意の手段を備える。収容部分(20)は、更にユーザーの手のひらによって提供されてもよく、ここで、このプレート(10)へのこの接続部(30)は、拇指球である。このプレート(10)及びこの収容部分(20)は、このアプリケータ(1)が開いた状態と閉じた状態との間をとり得るように、接続部(30)によって可動に連結される。この後者の状態では、このプレート(10)の、この実質的に平坦な内部表面(101)は、この収容部分(20)のこの開口部(203)と並置関係にある。図3に図示されるように、このアプリケータ(1)が閉じた状態にある場合、アプリケータ(1)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)からこの収容部分(20)のこのリム(222)までに平均距離(D1)を有する。この平均距離(D1)は、好ましくは、約0.5mm〜約5mm、より好ましくは約0.8mm〜約4.0mm、更により好ましくは約1.0mm〜約3.0mmである。
【0028】
本発明によるアプリケータ(1)内部の特徴のこの特定の組み合わせは、上記の技術的問題への解決法を提供し、ヘアトリートメント組成物での毛髪のコーティングが達成され、十分であるが、過剰でないヘアトリートメント組成物の堆積を提供し、均一かつ乱雑でない適用を可能にする。
【0029】
1.アプリケータ
本発明によるこのヘアトリートメントアプリケータ(1)のこのプレート(10)及びこの収容部分(20)は、人間工学的な大きさであり、したがっていずれの手にも容易にフィットすることができる。このプレート(10)の形状は変化し得る。製造が容易であるために、矩形、正方形、円形、楕円形、長円形又はこれらの組み合わせが有用であり得るが、他の形状、特に消費者によって容易に認識されるものもまた、使用され得る。
【0030】
このプレート(10)の周囲部(103)、及びこの収容部分(20)のこの壁(202)のリム(222)は、曲線状であっても、又は鋭くてもよい。これらの形状とは無関係に、好ましくは、このプレート(10)のこの周囲部(103)は、この収容部分(20)のこのリム(222)と実質的に同じ広がりを有する。
【0031】
このプレート(10)の、この実質的に平坦な内部表面(101)、この外部表面(102)、加えてこの収容部分(20)のこの基部(201)及びこの壁(202)は、1つ以上の領域を更に含んでもよく、これらの領域は、この実質的に平坦な内部表面(101)から及び/若しくはこの外部表面(102)から、並びに/又はこの基部(201)及び/若しくはこの壁(202)からの、視覚的及び/又は触覚的な違いを有する。この視覚的、又は触覚的な違いは、色及び/若しくは濃淡の違い、パターンの違い、マーク、並びに/又はエンボス加工を含む。これらの視覚的又は触覚的な違い、色及び/若しくは濃淡の違い、パターンの違い、マーク、並びに/又はエンボス加工、特に収容部分(20)内に存在するものは、どこに、及びどのくらい、ヘアトリートメント組成物がヘアトリートメントアプリケータ(1)内に充填されるべきかを示すために提供され得る。
【0032】
このプレート(10)のこの内部表面(101)は、実質的に平坦であり、一方で、このプレート(10)のこの外部表面(102)、この収容部分(20)のこの基部(201)及びこの壁(202)は、独立して実質的に平坦であるか、又は湾曲していてもよい。好ましくは、この収容部分(20)の基部(201)は、実質的に平坦である。この実質的に平坦な内部表面(101)は、約2cm2〜150cm2、好ましくは、約2cm2〜約70cm2、より好ましくは約3cm2〜約50cm2、更により好ましくは、約4cm2〜約30cm2の表面積を有し得る。
【0033】
このプレート(10)及び/若しくはこの収容部分(20)、又はこれらの少なくとも一部は、1つ以上の空洞、1つ以上のV若しくはU字型の溝、又はこれらの組み合わせを含み得る。この空洞又は溝は、この実質的に平坦な内部表面(101)上に、この外部表面(102)上に、この基部(201)上に、この壁(202)上に、又はこれらの組み合わせに、独立して位置し得る。
【0034】
このプレート(10)、及びこの収容部分(20)は、ヘアトリートメント組成物を支持することが可能な任意の周知の材料又は材料の組み合わせから製造され得る。好適な材料は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのようなポリマー樹脂である。使用できる他の材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アセチル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン若しくは熱可塑性エラストマー、適切な場合熱可塑性バルカネート(vulcanate)若しくはコポリマー;可撓性のある柔軟な基材、例えば板紙、金属系の基材及びアルミニウム箔、フィルム状基材、又はこれらの材料の多数の積層若しくは多数の層の組み合わせが挙げられる。
【0035】
このプレート(10)及びこの収容部分(20)の製造方法としては、射出成形、共射出成形、オーバーモルディング、インモルドアセンブリ、圧縮成形、吹込成形、ブリスター型シェルの熱成形若しくは真空成形、及び水平面若しくは垂直面におけるキャリアプラスチック若しくはボード材料上の積層が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
接続部(30)は、このプレート(10)とこの収容部分(20)とを可動に連結する。接続部(30)は、ユーザーの、アプリケータ(1)の制御の認識を向上するために、及びユーザーが、アプリケータ(1)を、いずれかの手を使用して、正確及び容易に各毛髪ストランドの束に導くことを可能にするために、アプリケータ(1)内において必要である。加えて、接続部(30)は、ユーザーが、各適用の後に、このプレート(10)の位置を、この収容部分(20)上へと調節することを必要とせずに、アプリケータ(1)を毛髪ストランドの1つの束から、別の束へと移動させることを可能にする。
【0037】
本発明による、このプレート(10)とこの収容部分(20)との間の接続部(30)は、このヘアトリートメントアプリケータ(1)が、開いた状態から閉じた状態へ移行することを可能にする。図2に図示されるように、開いた状態にあるこのアプリケータ(1)の一実施形態では、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)と、この収容部分(20)のこの壁(202)のリム(222)との間の角度は、20°〜275°、好ましくは30°〜190°、より好ましくは40°〜90°の範囲に及び得る。図1A及び1Bに図示されるように、アプリケータ(1)が閉じた状態にある場合、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)は、この収容部分(20)のこの開口部(203)と並置関係にあり、この第1フィン(50)の少なくとも一部、好ましくは、この第1フィン(50)及び/又はこの第2フィン(60)の一部が、この収容部分(20)のこの内部容量(204)の内部にある。図3に示されるように、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)は、この壁(202)のこのリム(222)から、平均距離(D1)を有する。この平均距離(D1)は、好ましくは約0.5mm〜約5.0mm、より好ましくは約0.8mm〜約4.0mm、更により好ましくは約1.0mm〜約3.0mmである。平均距離(D1)は、以下に記載されるミツトヨ・デジマチック(Mitutoyo Digimatic)キャリパーを使用して決定された。このアプリケータ(1)が、閉じた状態にあり、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)が、この収容部分(20)のこの開口部(203)と並置関係にあるときに、ミツトヨ・デジマチック(Mitutoyo Digimatic)キャリパーが、このプレート(10)の周囲部(103)に配置され、このリム(222)からの距離が測定された。この工程は、10箇所の異なる位置で繰り返された。このプレート(10)のこの周囲部(103)上の、これら10箇所の異なる位置は、図5Aに図示される、点1001〜1010であった。平面(P11〜P15)は、軸Yに垂直であり、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)に平行であった。これら5つの平面(P11〜P15)は、この第1フィン(50)のこの近位縁部(501)を等分した。第2フィン(60)が存在する場合、本明細書で以下に記載される、この近位縁部(501;601)の最大平均幅(W1;W2)を有するフィンは、これら5つの平面(P11〜P15)によって等分されるフィンである。
【0038】
閉じた状態とは、図3に図示されるように、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束が、この収容部分(20)と、第1フィン(50)、好ましくは第1フィン(50)及び第2フィン(60)を含むこのプレート(10)との間に実質的に真っ直ぐに位置付けられた場合に、この毛髪ストランド、又は毛髪ストランドの束が、この第1フィン(50)により、好ましくはこの第1フィン(50)及びこの第2フィン(60)によって、この収容部分(20)の内部容量(204)内へと曲げられるような状態である。
【0039】
このプレート(10)及びこの収容部分(20)は、この接続部(30)の周囲を旋回して、開いた状態から閉じた状態へと動いてもよく、一実施形態では、ヘアトリートメントアプリケータ(1)は開いた状態にあり、ユーザーがこのプレート(10)の外部表面(102)に、及びこの収容部分(20)のこの基部(201)に圧力を適用し、このアプリケータ(1)を閉じた状態にする。このプレート(10)及びこの収容部分(20)を閉じた状態から、開いた状態へと動かして戻すために、このプレート(10)のこの外側表面(102)、及びこの収容部分(20)のこの基部(201)のいずれかが、ユーザーの指のための1つ以上のフィッティング手段を独立して備えてもよく、又は接続部(30)それ自体が、このプレート(10)及び収容部分(20)の最初の向きに、好ましくは跳ね戻りによって、復帰させてもよい。この跳ね戻り特性は、そうでなければユーザーの手及び指を傷付ける恐れがあるので、好ましくは、制御不可能に及び意図せずに生じるべきではない。制御不可能な跳ね戻りは、ヘアトリートメント組成物を、ヘアトリートメントアプリケータ(1)から不注意に排出し、乱雑さを生じる恐れがある。接続部(30)は、好ましくは、ほとんどの消費者の使用にとって好適な、適用可能な圧力で機能するべきである。
【0040】
この接続部(30)の特徴は、この接続部(30)を製造するために使用される材料の固有の特性であってもよく、又は接続部(30)それ自体の設計によってもたらされてもよい。接続部(30)は、好ましくは、数回の適用の間に破断、又は損傷して有用性に影響するべきではない。接続部(30)は、好ましくは、ユーザーによって適用される圧力に対して過度に抵抗するべきではなく、そうでなければ、ユーザーの手及び指が、繰り返して使用する間に痛む恐れがある。接続部(30)はまた、過度に弱かったり、又は、ヘアトリートメントアプリケータ(1)における誘導をほとんど、若しくは全くもたらさないようであってはならない。
【0041】
プレート(10)及び収容部分(20)は、ユーザーの手を含む、接続部(30)のための上記の要件を満たす任意の好適な手段によって、例えば親指及び人差し指によって接続される。一実施形態では、このプレート(10)及びこの収容部分(20)は、ピンセット様、又はトング様接続部(30)のアームの端部に取り付けられる。別の実施形態では、このプレート(10)、及びこの収容部分(20)は、1つ以上のヒンジ、好ましくは1つのヒンジによって接続される。図2に図示されるように、この接続部(30)は、支点(35)を含み得る。より好ましくは、この接続部(30)は、このプレート(10)のこの周囲部(103)に、及びこの収容部分(20)のこのリム(222)に接触し、隣接して位置している。この1つ以上のヒンジは、「ライブ(live)」射出成形ヒンジ、共射出ヒンジ、オーバーモルドヒンジ、インモルドアセンブリ、板バネ若しくは他のいずれかの適切なバネアセンブリ、ストラップヒンジ、キスカットによって形成された折り目、スコア(score)又はクリース(crease)を含めた、多くの方法で形成することができる。
【0042】
ある実施形態では、このプレート(10)及びこの収容部分(20)の両方が、これらの設計に組み込まれたヒンジの雌部分を有する。ヒンジの雌部分は、このプレート(10)及びこの第2収容部分(20)の製造プロセス中に、例えば、射出成形プロセス中に生成される。このプレート(10)及びこの収容部分(20)上に生成されたヒンジの両方の雌部分にフィットするように、ピンが設計される。好ましくは矩形の形状のピンが、ポリオレフィン、好ましくはポリプロピレンのようなポリマー樹脂から製造される。このプレート(10)及びこの収容部分(20)の雌部分にピンが組み込まれて、ヒンジを生成する。
【0043】
ある実施形態では、このプレート(10)及びこの収容部分(20)の両方が、同じ射出成形金型内部で、例えばポリプロピレンから製造されてもよい。ポリプロピレン製の一体型ヒンジ(living hinge)もまた、このプレート(10)とこの収容部分(20)との間に作り出してもよい。破断せずに複数回曲げることのできる一体型ヒンジ(living hinge)を提供するために、ポリプロピレンが使用されてもよい。一体型ヒンジ(living hinge)は、典型的には離型プロセス中に閉じられる。
【0044】
ある実施形態では、このプレート(10)及びこの収容部分(20)の両方が、同一の射出成形金型内部で例えばポリプロピレンから製造されてもよく、またヒンジは、熱可塑性エラストマー、又は熱可塑性加硫物、又は上記に列挙された特性を有するヒンジを提供するために使用できるあらゆる他の材料の共射出、インモルドアセンブリ又はオーバーモルディングによって生成され得る。
【0045】
2.フィン
本発明によるアプリケータ(1)は、第1フィン(50)、好ましくは第1及び第2フィン(60)を含み、これは、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出する。本発明の範囲内において、用語「フィン」とは、好ましくは以下に記載されるように実質的に一定の厚さである、材料のストリップ、又はシートを示す。この第1フィン(50)及び/又は第2フィン(60)の形状は変化してもよく、好ましくはこの第1フィン(50)及び/又は第2フィン(60)は、平行六面体の形状を有し、6つの面の内の2つが、他の4つの面のいずれの面積よりも、少なくとも2倍大きい、より好ましくは5倍大きい面積だけ広がる。これらの2つの面は、好ましくは実質的に平坦な表面を有する。この第1フィン(50)及び第2フィン(60)の形状は、変化し得る。矩形、正方形、円形、楕円形、長円形、又はこれらの組み合わせが有用であり得る。図1〜3に図示される矩形の形状が好ましい。
【0046】
このアプリケータ(1)が、1つのフィンのみを含む場合、このフィンは第1フィン(50)と称され、この第1フィン(50)が、このプレート(10)の、この実質的に平坦な内部表面(101)となす角度は、鋭角αと称され、このアプリケータ(1)が2つのフィンを含む場合、このフィンは第1フィン(50)及び第2フィン(60)と称される。この第2フィン(60)によって形成される鋭角は、これを鋭角αと区別するために鋭角βと称される。
【0047】
図1Aに図示されるように、第1フィン(50)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から突出し、約1mm〜約50mm、好ましくは約2mm〜約25mm、より好ましくは約3mm〜約15mmの平均第1長さ(L1)で延びる。この第1フィン(50)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)と、約25°〜約55°の鋭角αを形成する。好ましくはこの鋭角αは約35°〜約55°、より好ましくは約35°〜約50°である。
【0048】
好ましくは、図1B、1C及び2に図示されるように、第2フィン(60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から、この第1フィン(50)から独立して突出し、かつ約1mm〜約50mm、好ましくは約2mm〜約25mm、より好ましくは約3mm〜約15mmの平均第2長さ(L2)で、この第1フィン(50)から独立して延びる。この第2フィン(60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)と約25°〜約55°の鋭角βを、第1フィン(50)によって形成される鋭角αから独立して形成する。好ましくは、この鋭角βは、約35°〜約55°、より好ましくは約35°〜約50°である。
【0049】
第1フィン(50)及び第2フィン(60)はそれぞれ、近位縁部(501;601)、及び末端縁部(502;602)を有する。図1Bに図示されるように、この近位縁部(501;601)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)に取り付けられるものである。この末端縁部(502;602)は、正弦波形状、又は銃眼形状(crenellated)であってもよく、好ましくは、この末端縁部(502;602)は、真っ直ぐであり、これらの輪郭は、曲線状であるか、又は鋭くてもよい。この近位縁部(501;601)は、それぞれ、独立してこの第1フィン(50)の平均幅(W1)、この第2フィン(60)の平均幅(W2)によって、並びにそれぞれ、独立して、この第1フィン(50)の平均厚さ(T1)、及びこの第2フィン(60)の平均厚さ(T2)によって画定される。この平均幅(W1)及び(W2)は、好ましくは約20cm〜約0.5cm、より好ましくは15cm〜1.0cm、更により好ましくは10cm〜1.5cmである。
【0050】
一方で、この平均厚さ(T1)及び(T2)は、好ましくは約5mm〜約0.1mm、より好ましくは約4mm〜0.5mm、更により好ましくは約3mm〜0.5mmである。
【0051】
好ましくは、この末端縁部(502;602)は、実質的に同一の平均幅(W1;W2)、及び実質的に同一の平均厚さ(T1;T2)を有するこの末端縁部(501;601)は、この近位縁部(502;602)に関して先に記載されたものと、同様の大きさを有し得る。
【0052】
本発明により、第1フィン(50)及び第2フィン(60)が存在する場合、この末端縁部(501;601)の最大平均幅(W1;W2)を有するフィンは、第1フィン(50)と称される。
【0053】
図1Cに図示されるように、平均第1長さ(L1)及び、この第1フィン(50)の鋭角αは、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)からの、この第1フィン(50)の平均第1高さ(H1)を、三角法によって画定する。図1Cに図示されるように、この第2フィン(60)の、平均第2長さ(L2)及び、鋭角βもまた、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)からの、この第2フィン(60)からの平均第2高さ(H2)を、三角法によって画定する。この第1フィン(50)の、この平均第1高さ(H1)、及びこの第2フィン(60)のこの平均第2高さ(H2)は、好ましくは約41.0mm〜約0.4mm、より好ましくは約20.5mm〜約0.8mm、及び更により好ましくは約12.3mm〜約1.3mmである。
【0054】
この第1及び第2フィン(50;60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から、一方が他方に関して任意の向きを有するように突出し得る。好ましくは、この第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、この第1フィン(50)のこの近位縁部(501)が、この第2フィン(60)のこの近位縁部(601)に対して実質的に平行であるように、この実質的に平坦な内部表面(101)から突出する。好ましくは、図1Bに図示されるように、この第1フィン(50)のこの近位縁部(501)、より好ましくは、この第1フィン(50)のこの近位縁部(501)及びこの第2フィン(60)のこの近位縁部(601)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)のこの軸Yに対して実質的に平行である。
【0055】
アプリケータ(1)が第1及び第2フィン(50;60)を含む場合、この第1フィン(50)のこの末端縁部(502)、及びこの第2フィン(60)の末端縁部(602)は、図1Bに図示されるように、一方が他方に向かって接近していてもよく、又は反対の方向に向かって離れていてもよく、又は図4Bに図示されるように、これらは接近せずに同じ方向を指していてもよい。
【0056】
好ましくは、図1Bに図示されるように、この第1及び第2フィン(50;60)は、この末端縁部(502;602)の一方が他方に向かって接近するように、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から突出する。更により好ましくは、図1Cに図示されるように、この第1及び第2フィン(50;60)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出し、かつこの実質的に平坦な内部表面(101)と実質的に同一の鋭角α及びβを独立して形成する。更により好ましくは、図1Cに示されるように、この第1及び第2フィン(50;60)は、実質的に同一の平均長さ(L1)及び(L2)で、独立して延びる。
【0057】
本発明によるアプリケータ(1)が、図1Aに図示されるように、第1フィン(50)のみを含む場合、又は図4Bに示されるように、同じ方向を指す第1フィン(50)及び第2フィン(60)を含む場合、アプリケータ(1)は単向性である。アプリケータ(1)が、第1フィン(50)及び第2フィン(60)を含み、この末端縁部(502;602)の一方が他方に向かって近づいたものであるか、又は反対の方向に向かって離れている場合、アプリケータ(1)は、双方向性である。用語「単向性」及び「双方向性」は、以下の使用方法の節で、より詳細に説明される。
【0058】
本発明により、1つ以上の追加のフィン(70;80;90)が存在し得る。図4A及び4Bに図示されるように、この1つ以上の追加のフィン(70;80;90)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から、独立して突出する。
【0059】
この第1フィン(50)、第2フィン(60)及びこの追加のフィン(70;80;90)は、様々な材料を含み、このアプリケータ(1)と別に製造され得る。この第1フィン(50)及び第2フィン(60)のために有用な材料の例としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレートなどのポリオレフィンなどの、ポリマー樹脂が挙げられるがこれらに限定されない。適切な場合、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アセチル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリクロロプレン(polychloropene)、エチレンビニルアセテート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアセテート若しくはポリスチレン、天然ゴム、ラテックス、ナイロン、ニトリル、シリコーンポリウレタン、若しくは熱可塑性エラストマー若しくはコポリマー、又はフォーム、又は可撓性のある柔軟な基材、例えば紙、板、金属系基材及びアルミニウム箔、フィルム状基材、又はこれらの材料の多数の積層若しくは多数の層の組み合わせ、を含む他の材料が使用され得る。好ましくはこの第1フィン(50)、第2フィン(60)及び追加のフィン(70、80、90)は、可撓性である。
【0060】
ある実施形態では、第1フィン及び第2フィン(50;60)、並びにこのプレート(10)の双方が、同じ射出、又は共射出成形金型内部で、例えばポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン、又は熱可塑性エラストマーから製造されてもよい。この第1及び第2フィン(50;60)の製造方法は、この適用デバイス(1)とは別であり得る。有用な製造プロセスとしては、射出成形、共射出成形、オーバーモルディング、インモルドアセンブリ、圧縮成形、吹込成形、熱成形若しくは真空成形が挙げられるがこれらに限定されない。この第1フィン及び第2フィン(50;60)並びにこの追加のフィン(70;80;90)は、適用デバイス(1)とは別に製造され、これらは、任意の好適な方法によってこのプレート(10)の内部表面(101)に取り付けられ得る。有用な方法は、圧力、超音波力、ラジオ波若しくは高周波を包含する熱溶接、同時押出された熱活性化接着剤であるが、これらに限定されない。この第1フィン及びこの第2フィン(50;60)はまた、両面テープ、熱硬化性樹脂、ホットメルト及びコールドシール、接着若しくは押出積層を含む、接着剤によって適用デバイス(1)に取り付けられてもよい。ベルクロ(Velcro)(登録商標)、クランプ固定、スナップロック、シール・ビーズ、止めピン及び磁性などの機械的インターロック又はエンタングルメントを使用して、この第1フィン及びこの第2フィン(50;60)を適用デバイス(1)に接着してもよい。最後に、この第1及び第2フィン(50;60)は、以下の実験データに記載されるように、プレート(10)に切り開かれたスロットに、機械的にフィットしてもよい。
【0061】
図1Bに図示されるように、この第1フィン(50)をこの第2フィン(60)に接続するために、1つ以上の連結手段(38)が任意に提供され得る。この1つ以上の連結手段(30)はまた、この1つ以上の追加のフィン(70;80;90)のいずれか1つを、この第1フィン(50)及び/又は第2フィン(60)に接続し得る。連結手段(38)は、梯子の横桟と同様の機能を有し、これは、好ましくは、アプリケータの使用中に、ヘアトリートメント組成物のいかなる排出をも引き起こさない、最適な大きさである。
【0062】
図4Bに図示されるように、1つ以上の支持手段(40)が、この第1フィン(50)及び/又は第2フィン(60)を、この実質的に平坦な内部表面(101)に接続するために、任意に提供され得る。この1つ以上の支持手段(40)は、また、この1つ以上の追加のフィン(70;80;90)のいずれか1つを、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)に接続し得る。
【0063】
この連結手段(38)及びこの支持手段(40)を製造するための、好適な材料は、上記で詳述された、この第1フィン(50)を製造するためのものから、選択され得る。
【0064】
3.実験データ
ヘアトリートメント組成物を、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に満足に適用するために、この毛髪ストランドが、第1にはアプリケータ(1)の内部に含まれるヘアトリートメント組成物に接触する必要があり、第2には、この毛髪ストランドと接触したばかりのこのヘアトリートメント組成物がこの毛髪ストランドに適用されるべきであり、第3には、このアプリケータ(1)をこの毛髪ストランドの長さ全体に沿って使用している間に、適用されたばかりのヘアトリートメント組成物が、この毛髪ストランドから除去されるべきではないことを、本発明者は驚くべきことに見出した。
【0065】
理論に束縛されるものではないが、ヘアトリートメント組成物を毛髪ストランドに、好ましくは毛髪ストランドの束に適用するために、この毛髪ストランドは、収容部分(20)と、第1フィン(50)、好ましくは第1フィン(50)及び第2フィン(60)を含むプレート(10)との間に実質的に真っ直ぐに位置し、次にこの毛髪ストランドは、この第1フィン(50)、好ましくはこの第1フィン(50)及び第2フィン(60)によって、ヘアトリートメント組成物が予め充填された、この収容部分(20)の中に曲げられるものと考えられる。この収容部分(20)の内部での、この毛髪ストランドの曲げは、主に、鋭角α及び/又はβの、並びにまた、フィン長さL1及びL2の関数である。
【0066】
毛髪ストランドへの、好ましくは毛髪ストランドの束への、ヘアトリートメント組成物の良好な適用を達成するためには、鋭角α及び/又はβは、独立して約25°〜約55°、好ましくは約35°〜約55°、より好ましくは約35°〜約50°であることを、本発明者は驚くべきことに見出した。本明細書に記載されるアプリケータ(1)が、毛髪ストランドへの、好ましくは毛髪ストランドの束への、ヘアトリートメント組成物の適用を提供し得ることを実証するために、鋭角α及び/又はβを変化させることによって平均毛髪上投薬量、及び平均均一性がどのように変化するかが、本明細書において示される。
【0067】
図5B及び5Cに図示されるような、長さ約68mm、幅約39mm、及び高さ約2mmの寸法を有する矩形のプレート(10)が、アクリル中で製造された。長さ約68mm、幅約4mm、及び高さ約2mmの寸法を有するアクリルの2つのストリップ(11;12)が、それぞれ、この矩形プレート(10)の68mm縁部の一方に沿って、コールドシールで固定された。ストリップがコールドシールで固定された、この矩形プレート(10)の表面は、このプレート(10)の内部表面である。軸Yは、この矩形プレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面の中央から真っ直ぐに延び、両方のアクリルストリップ(11;12)を、横断方向に横切る。
【0068】
2つのスロット(49;59)が、このプレート(10)に切り込まれた。このスロット(49;59)はそれぞれ、長さ約24mm、及び幅約1mmとなった。このスロットはそれぞれ、この平坦な内部表面(101)の、各39mmの縁部から約7mm、及び各68mmの縁部から約7.5mmで切り込まれた。このプレート(10)は、このプレート(10)を通して、この内部表面(101)から一定の角度α及びβで第1及び第2フィン(50;60)を配向できるようにするために、異なる角度のスロット(49;59)を備えた。一連の第1及び第2フィン(50;60)は、MCPシリコンラバーRTC(MCP Silicon Rubber RTC)−1604で製造され、この第1及びこの第2フィン(50;60)は、実質的に同一の寸法を有し、表2に示される平均第1及び第2長さ(L1;L2)、約24mmの平均幅(W1;W2)、並びに約1mmの平均厚さ(T1;T2)をもたらす。図5Cに示されるように、この第1及びこの第2フィン(50;60)は、この矩形のプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)を通して、このスロット(49;59)に滑り入れられた。この第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、このフィン(50;60)がそれぞれ、この実質的に平坦な内部表面(101)から、平均第1及び第2長さ(L1;L2)で突出するように、このスロット(49;59)に滑り入れられた。この第1フィン(50)及び第2フィン(60)は、機械的フィットにより、このスロット(49;59)の内部で、適所に保持された。以下の実験全てにおいて、約6mmで一定の平均第1及び第2高さ(H1;H2)が維持された。
【0069】
この2つのアクリルのストリップ(11;12)は、停止機構として機能し、上記のこのプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)に平均距離(D1)をもたらす。この第1及び第2フィンは、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)から突出するフィンの長さ(L1、L2)が、第1及び第2高さ(H1、H2)が全ての角度α及びβに対して維持されるような長さとなるように、このプレート(10)上に位置する上記のスロットへと配置された。
【0070】
矩形の部分(20)は、アクリルで作製された。基部(201)及び壁(202)は、長さ約58mm、及び幅約29mm、及び高さ約5mmの内部寸法を有する内部容量(204)を画定した。収容部分(20)の外部寸法は、長さ約68mm、及び幅39mmであった。この壁(202)のこのリム(222)は、幅約5mmであった。
【0071】
プレート(10)及び収容部分は別々に保たれ、収容部分(20)には、以下の表1に従って調製されるカーボポール(Carbopol)(商標)956(ノベオン(Noveon)から入手可能)溶液が約2.0グラム充填された。
【0072】
カーボポール(Carbopol)(商標)956溶液の粘度は、S52円錐取り付け具を有するブルックフィールド(Brookfield)DV−II+粘度計上で決定された。カーボポール
(Carbopol)(商標)956溶液の0.5mLのサンプルが、測定の前に、およそ26.7℃、及び1rpmで、1分間平衡化され、この際、3つの個別の読取り値の平均が、1rpmでとられた。
【0073】
【表1】

【0074】
0.30グラムの毛髪ストランドの束、約30.5cm長さ(コーカシアンライトブラウン−ニューヨーク州バルハラ(Valhalla)のインターナショナル・ヘア・インポーツ・アンド・プロダクツ(International Hair Imports and Products))が、この正方形のプレート(10)の、この実質的に平坦な内部表面(101)が、この正方形の収容部分(20)の開口部と並置関係になったときに、この毛髪ストランドの束が、この第1フィン(50)及び第2フィン(60)と垂直であり、停止機構として機能するストリップと平行であるように、この正方形の収容部分(20)のリム(222)上に配置された。プレート(10)及び収容部分(20)は、停止機構として機能するストリップが、収容部分(20)のリム(222)に接触するところまで来て並置関係になった。このプレート(10)の実質的に平坦な内部表面(101)は、この開口部(203)及びこの収容部分(20)のリム(222)と同じ広がりを有し、このプレートは、これが、この開口部(203)及びこのリム(222)を完全かつ正確に被覆するように、収容部分上に置かれる。毛髪ストランドの束は、ヘアトリートメント組成物が充填されたこの収容部分の内部で曲げられる。プレート(10)、及び収容部分(20)を毛髪ストランドの束の上に維持しながら、毛髪ストランドの束の長さ全体が、約3秒かけて引かれた。毛髪ストランドの束の重量が記録された。同じ実験が3度繰り返され、結果が平均化され、毛髪の1グラム当たりに堆積された着色したカーボポール(Carbopol)(登録商標)956溶液が、表2及び図6に、グラムで示された。
【0075】
【表2】

【0076】
このプレート(10)は、この第1及び第2フィン(50;60)が、異なる角度α及びβで、この内部表面(101)から配向され得るように、異なるスロットで製造された。この第1フィン(50)のこの第1平均高さ(H1)、及びこの第2フィン(60)のこの第2平均高さ(H2)は、約6mmになるように選択され、この毛髪ストランドが、この収容部分(20)の内部のカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液の内部で曲げられることを確実にした。
【0077】
適用の均一性が、根元から毛先(毛束の長さに沿って);中央から縁部(毛束の幅にわたって)、及び前から後ろ(毛束の表裏両側)に関し、1〜5の評価尺度(1が最も低い均一性)を使用して、視覚的に判断された。これらの評価は、組み合わされて、表2に示される平均均一性をもたらした。
【0078】
図6は、毛髪1グラム当たりに堆積された、着色したカーボポール(Carbopol)(登録商標)956溶液の、グラムでの平均毛髪上投薬量(記号◆で示される)、及び、鋭角α及びβの関数としての、平均均一性(記号■で示される)を示す。本発明者により、良好なヘアトリートメントの適用は、少なくとも約3の平均均一性と、毛髪1グラム当たり少なくとも約0.4グラムの、着色したカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液の平均毛髪上投薬量と、の組み合わせであると定義された。
【0079】
鋭角α及びβが約25°未満である場合、平均毛髪上投薬量が、毛髪1g当たりの着色したカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液約0.4グラムを上回っても、平均均一性は約3未満である。したがって、毛髪ストランドの束が、第1フィン(50)及び第2フィン(60)によって曲げられ、この実質的に平坦な内部表面(101)と、約25°未満の鋭角α、及びβを形成する場合、ヘアトリートメント組成物の毛髪ストランドの束への適用は乏しく、良好ではない。
【0080】
鋭角α及びβが、約25°〜約55°である場合、着色したカーボポール(Carbopol)(登録商標)956溶液の毛髪ストランドの束への適用は、平均毛髪上投薬量、及び平均均一性の双方が、本明細書において定義される下限を上回るため、良好であり、したがって最善の組み合わせを提供する。
【0081】
鋭角α及びβが約55°を超える場合、平均毛髪上投薬量は、毛髪1グラム当たりの着色したカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液、約0.4グラムを下回る。加えて、約65°を超える鋭角α及びβに関しては、平均均一性が約3を下回った。したがって、この適用は乏しく、良好ではない。
【0082】
一連の第2の正方形のプレート(10)が、上記の寸法に従って製造され、この実施例では、図5Dに示されるように、このプレート(10)、及び同一のストリップ(11及び12)の長さは、約39mmであった。第2の収容部分(20)もまた、上記の内部寸法に従って生成されたが、ただし、このプレート(10)の内部長さは、約29mm、及びこのプレート(10)の外部長さは約39mmであった。この壁(202)のこのリム(222)は、幅が約5mmであった。この第2プレート(10)及び第2収容部分(20)は、この第2プレート(10)の39mm長さが、この第2収容部分(20)の39mm長さに揃うように揃えられ、別々に保たれた。
【0083】
図5Dに図示されるこの第2アプリケータ(1)により、上記と同じ種類の毛髪で、かつ同じ方法で、実験が繰り返されたが、この実施例では、第2の収容部分(20)には、着色したカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液の代わりに、以下の表3によって調製されるハイライト組成物、2.00グラムが充填された。
【0084】
【表3】

【0085】
ハイライト組成物は、約100mLのボトル内で、約9.71グラムの過硫酸塩粉末を、約35.00グラムの顕色剤と混合することによって調製された。混合は、ボトルを約30秒間ハンドシェーキングすることによって行われた。
【0086】
平均毛髪上投薬量、及び平均均一性は、以下の表4で示され、図7にプロットされる。
【0087】
【表4】

【0088】
ハイライト製品は、約30℃で約30分間、毛髪ストランドの束上に放置され、水で1分間すすがれ、24時間風乾された。55°〜25°の角度をもたらすアプリケータによって処理された毛髪ストランドの束は、均一な、より明るい色に変わったことが観察された。65°及び75°のフィン角度で処理されたものは、共に、色がより暗く、色の変化はより不均一であった。
【0089】
図7は、平均毛髪上投薬量及び平均均一性について、着色したカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液と同様の傾向を示している。鋭角α及びβが約55°を超える場合、平均毛髪上投薬量が、毛髪1グラム当たりのハイライト組成物で概ね0.5グラムであっても、平均均一性は、約3.0を下回った。したがって、本発明によれば、この適用は乏しく、良好ではない。約25°〜約55°の鋭角α及びβに関しては、着色したカーボポール(Carbopol)(商標)956溶液について既に示されたように、ハイライト組成物の適用は、満足のできるものであるとみなされる。
【0090】
要約すると、第1に、本明細書において定義される、鋭角α及び/又はβは、平均毛髪上投薬量、及び平均均一性と相関し、第2に、鋭角α及び/又はβの値の特定の範囲のみが、満足のできる結果をもたらし、第3に、この鋭角α及び/又はβの値の範囲は、適用されるヘアトリートメント組成物の種類とは無関係である。
【0091】
4.追加的な機構
アプリケータ(1)は、1つ以上の密封手段を更に含んでもよく、好ましくは1つの密封手段(401)が、ヘアトリートメントアプリケータ(1)の内部に存在する。この密封手段(401)は、この収容部分(20)の内部の、この基部(201)上の壁(202)で、この接続部(30)に隣接して位置してもよい。この密封手段(401)は、図2に図示されるように、この壁(202)のこのリム(222)上で、この接続部(30)に隣接して、又は、この実質的に平坦な内部表面(101)上で、この接続部(30)に隣接して位置してもよい。好ましくは、この密封手段(401)は、この接続部(30)の部分である。
【0092】
密封手段(401)は、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)が、この収容部分(20)のこの開口部(203)と並置関係になったときに、ヘアトリートメント組成物が接続部(30)に向かって排出されること、及び毛髪がこの接続部(30)の内部に捕われることを避けるために、提供される。プレート(10)が、接続部(30)の周囲を旋回することにより収容部分(20)に向かって動くときに、ヘアトリートメント組成物が接続部(30)自体に向かって排出される恐れがあり、密封手段(401)をこの接続部(30)に隣接して有することにより、排出は避け得る。密封手段(401)は、ヘアトリートメント組成物のための障壁として機能し、ヘアトリートメント組成物は、むしろこの収容部分(20)の内部に留められ、ここで、乱雑状態を避けて毛髪ストランドをコーティングするために利用可能となる。
【0093】
この密封手段(401)の、ある実施形態に関する追加的な利点は、ユーザーが、この収容部分(20)の内部容量(204)の内部において、どこにどのくらいヘアトリートメント組成物が充填されるべきかを理解することを助けるための視覚的補助を含む。
【0094】
密封手段(401)を製造するための有用な材料は、このプレート(10)を製造するための、本明細書において上記で詳述されたものから選択され得る。やはり使用され得る他の材料としては、適切な場合、ポリウレタン若しくはポリオレフィンフォーム、不織布、フェルト;可撓性の柔軟な基材、例えば板紙、金属系の基材及びアルミニウム箔、フィルム状基材、又はこれらの材料の多数の積層若しくは多数の層の組み合わせが挙げられる。この密封手段(401)は、上記の材料の組み合わせによって製造され得る。
【0095】
1つ以上の停止機構が、このヘアトリートメントアプリケータ(1)に組み込まれてもよい。停止機構はこの接続部(30)と協働し、このプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)が、この収容部分(20)のこの開口部(203)と並置関係になったときに、実質的に平坦な内部表面(101)と、このリム(222)との間の平均距離(D1)が制御されることを、確実にする。1つ以上の停止機構が、ヘアトリートメント組成物を、この収容部分(20)のこのリム(222)を超えて進ませることを軽減し得る。
【0096】
ある実施形態では、この停止機構は、このプレート(10)、この収容部分(20)、及びこの接続部(30)と同じ製造工程において、同じ又は異なる材料で、製造され得る。ある実施形態では、停止機構は、1つ以上の歯、櫛状構造の歯であり得る。図2に示される一実施形態では、2つの停止機構がこの収容部分(20)のこの壁(201)のこのリム(222)上に含まれ、好ましくは、この2つのストッパーは、2つの実質的に同一な半球(402;403)である。図5C及び5Dに示される別の実施形態では、この停止機構は、材料、好ましくはこのプレート(10)を製造するために使用されるものと同じ材料の、2つのストリップ(11;12)を含んでもよく、このストリップ(11;12)は、このプレート(10)の周囲部(103)に位置付けられる。ある他の実施形態では、本明細書では図示されないが、停止機構は、接続部(30)自体の内部に組み込まれ得る。
【0097】
停止機構(402)を製造するための有用な材料は、適切な場合、このプレート(10)を製造するために本明細書において上記で詳述されたもの、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
【0098】
ヘアトリートメントが適用されるべき毛髪ストランドを選択するために、指が使用されてもよい。本発明のアプリケータ(1)は、しかしながら、毛髪ストランド選択手段を更に備えてもよい。毛髪の房の選択手段の例は、これに限定されるものではないが、スパイク、フック、鉤針、クリップ又はビーズである。毛髪ストランド選択手段は、このプレート(10)及び/又はこの収容部分(20)に組み込まれてもよい。この手段はまた、ペンナイフの刃の場合に起こるように、毛髪ストランド選択手段がこのプレート(10)及び/又はこの収容部分(20)に近い位置から遠い位置へと揺動し得るように、スナップ機構を通じてこのプレート(10)及び/又はこの収容部分(20)に取り付けられてもよい。毛髪ストランド選択手段はまた、本明細書にて後述されるようなキットの構成要素として、本発明のアプリケータ(1)に別個に提供されてもよい。
【0099】
本明細書において開示されるアプリケータ(1)は、このプレート(10)の外部表面(102)上及び/又はこの収容部分(20)のこの基部(201)上に把持領域を更に含んでもよい。この把持領域は、把持部を提供するように設計される。これらの把持領域は、ヘアトリートメントアプリケータが製造されるときに、共射出、又はオーバーモルディング技術を使用して製造され得る。有用な材料としては、この密封手段(401)の製造のために、本明細書において上記で詳述された材料、及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0100】
加えて、把持領域は、このプレート(10)の外部表面(102)、及び/又はこの収容部分(20)のこの基部(201)の、エンボス加工、デボス加工、又はコーティングによって形成されてもよい。把持手段は、このプレート(10)の外部表面(102)、及び/又はこの収容部分(20)のこの基部(201)上に存在する空洞であってもよい。最後に、この把持手段は、ユーザーの指に適合するための、締着手段として提供されてもよい。
【0101】
このプレート(10)の、この実質的に平坦な内部表面(101)、及び/又はこの収容部分(20)の開口部(203)を保護するために、剥離ライナー、又はバリアが存在してもよい。剥離ライナー又はバリアは、剥離可能又は再密封可能であってもよく、また、プラスチック、アルミニウム積層構造物から構成されてもよい。これらの材料の幾つかの例としては、低密度ポリエチレンの積層体、又はアルミニウム箔及びポリエチレンテレフタレートを有するポリ−イソブチレンとポリエチレンのブレンド、又は二軸配向ポリプロピレン剥離可能箔が挙げられ、耐ガス材料、特に過酸化水素を含むヘアトリートメント組成物用のものから作製されてもよく、アルミニウム積層化箔、プラスチック支持体上への金属化アルミニウム、アクラー(Aclar)(登録商標)ポリクロロ−トリフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シリカ及び酸化アルミニウムが挙げられる。
【0102】
本発明によるアプリケータ(1)内へのヘアトリートメント組成物の充填を行うための、分配又は充填デバイスを取り付ける、適合する、又は導入するために好適な1つ以上の手段が存在してもよい。この手段の例は、このプレート(10)並びに/又は、この収容部分(20)のこの基部(201)及び/若しくは壁(202)上に存在する、ノズル及び開口部、パウチポケット、又は一方向弁若しくは二方向弁であるが、これらに限定されない。この手段は、アプリケータ(1)に恒久的に接続されてもよく、又は取り外し可能であってもよく、それらは、使い捨て可能又は再生利用可能であってもよく、本明細書にて後述されるようなキットの別個の構成要素として提供されてもよい。
【0103】
4.使用方法
本発明はまた、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束を、本発明によるこのアプリケータ(1)に接触させることにより、毛髪を処理する方法にも関する。このアプリケータ(1)は、1つ以上のヘアトリートメント組成物を予備充填されてもよいが、好ましくは1つ以上のヘアトリートメント組成物が、この毛髪ストランド、好ましくはこの毛髪ストランドの束をこのアプリケータ(1)と接触させる前に、このアプリケータ(1)内に充填される。
【0104】
ヘアトリートメント組成物は、任意の手段によって、このアプリケータ(1)に充填され得る。一実施形態では、ヘアトリートメント組成物は、ヘアトリートメント組成物を例えばスパチュラ若しくは注射器で適用することによって、圧搾可能なチューブによって、分配ボトルによって、単一若しくは二相ポンプによって、押しのけ容積を生じる単一若しくは二相ピストンによって、サッシェによって、又は他の任意の好適なディスペンサーによって、この収容部分(20)のこの内部容量(204)へと直接的に充填される。上記の、ヘアトリートメント組成物のこのアプリケータ(1)への充填を行うための任意の手段が存在する場合、ヘアトリートメント組成物は、この手段、及び/又はこの収容部分(20)のこの壁(202)若しくは基部(201)に存在する、一方向又は二方向弁によって、この収容部分(20)に充填され得る。
【0105】
ヘアトリートメント組成物は、毛髪への適用の前に第2ヘアトリートメント組成物との混合を必要とする、第1ヘアトリートメント組成物から形成され得る。好ましくは、この第1及び第2ヘアトリートメント組成物は、混合されて、第3ヘアトリートメント組成物を形成する。この第3ヘアトリートメント組成物は、毛髪をこのアプリケータ(1)と接触させる前に、このアプリケータ(1)に充填される。この第1及び第2ヘアトリートメント組成物は、このアプリケータ(1)に充填される前に震盪又は攪拌することによって混合されてもよく、又は静的ミキサーと繋がれた専用の2チャンバ若しくはマルチチャンバ型容器を利用することによって充填手順の間に混合されてもよい。混合はまた、2つ以上のヘアトリートメント組成物を混合することができるか、又は粉末を水若しくは他の溶媒と混合してヘアトリートメント組成物を作製することができる、追加の手段を介在させることによって行われてもよい。この介在手段は、混合したヘアトリートメント組成物をこのアプリケータ(1)に注入又は充填するための機構を備えることもできる。
【0106】
多数の、又は続いて行われる充填は、このアプリケータ(1)をトレイの中に位置付けるか、又はアプリケータ(1)をマルチチャンバボトル、チューブ、又は必要とされるヘアトリートメント組成物の単一量、又は全量のいずれかを分配することのできる他のアプリケータに、接続するか又は取り付けることによって、達成され得る。トレイが使用される場合、このトレイは、このアプリケータ(1)が位置付けられるか、又は適合される、少なくとも一区画を含む。トレイは、ヘアトリートメントアプリケータ(1)と連通しヘアトリートメント組成物が充填及び/又は貯蔵される、1つ以上の区画を更に含んでもよい。
【0107】
このアプリケータ(1)に充填されるヘアトリートメント組成物の量は、そのアプリケータの大きさ及び最大容量、並びに所望の最終結果に依存する。このアプリケータ(1)は、好ましくは、ヘアトリートメント組成物の量、約0.5グラム〜約20グラム、より好ましくは約0.75グラム〜約17グラム、更により好ましくは約1グラム〜約10グラムの、ヘアトリートメント組成物を充填されてもよい。
【0108】
一度このアプリケータ(1)が1つ以上のヘアトリートメント組成物を充填されると、ユーザーは、このプレート(10)の外部表面(102)、及びこの収容部分(20)の基部(201)を通じて、このアプリケータ(1)を、一方の手で、好ましくは親指と人差し指との間で把持する。一度ユーザーが処理される毛髪ストランドを選択すると、この毛髪ストランド、好ましくはこの毛髪ストランドの束は、アプリケータ(1)が開いた状態にある間に、このプレート(10)と、この収容部分(20)との間で、実質的に真っ直ぐに位置付けられる。続いて、このアプリケータ(1)は、閉じた状態になる。閉じた状態に維持されたまま、ヘアトリートメントアプリケータ(1)は、この毛髪ストランド、好ましくはこの毛髪ストランドの束の長さに沿って引かれ、この1つ以上のヘアトリートメント組成物を適用する。より好ましくは、このアプリケータ(1)は、この毛髪ストランドの根元ライン、好ましくは、この毛髪ストランドの束の根元ラインに位置する。また、毛髪の限られた領域のみにヘアトリートメント組成物を適用してもよく、即ち、ユーザーは、ヘアトリートメント組成物で根元ラインのみをコーティングすることができる。二度以上、好ましくは二度繰り返し引いてよい。
【0109】
本発明によるアプリケータ(1)は、「単方向性」又は「双方向性」であり得る。用語単方向性、及び双方向性は、本発明によるアプリケータ(1)の使用方法に関連する。第1フィン(50)のみが存在する場合、アプリケータ(1)は、毛髪ストランドの根元ラインに、好ましくは毛髪ストランドの束の根元ラインに位置付けられるべきであり、その結果、この毛髪ストランドがこの第1フィン(50)のこの末端縁部(502)と垂直となり、この第1フィン(50)とこのプレート(10)のこの実質的に平坦な内部表面(101)とによって形成される鋭角αは、この毛髪ストランドの先端に面するべきである。
【0110】
第1フィン(50)及び第2フィン(60)が、存在する場合、この第1フィン(50)及び第2フィン(60)のこの末端縁部(502;602)の一方が他方に向かって接近するか、双方が同じ方向に向くか、又はそれぞれ反対の方向を向くかは、場合による。この末端縁部(502;602)が双方とも同じ方向を指している場合、アプリケータ(1)は、第1フィン(50)のみが存在するかのように使用されるべきであり、鋭角α又はβは、この毛髪ストランドの先端に面しているべきである。
【0111】
この末端縁部(502;602)が反対の方向を向いているか、又は好ましくは一方が他方に向かって近づいたものである場合、アプリケータ(1)は、鋭角α又は鋭角βのいずれかをこの毛髪ストランドの先端に面するように配置することによって使用され得る。
【0112】
ある実施形態では、第1ヘアトリートメント組成物が、既知の従来的な方法のいずれかによって、前処理、又は後処理として毛髪に適用され、第2ヘアトリートメント組成物が次に、本発明によるこのアプリケータ(1)によって適用され得る。例えば、第1ヘアトリートメント組成物は、頭部全体の着色を行うための染色組成物であり、第2ヘアトリートメント組成物は、頭部全体の着色に色の変化を加えるために使用されるハイライト組成物である。あるいは、毛髪の色に変化を加えるために、頭部全体の着色の後に異なる染色組成物が使用され得る。異なる結果を作り出すために、このような多くのヘアトリートメント組成物の組み合わせが使用され得ることを、当業者は理解するだろう。
【0113】
最後に、ヘアトリートメント組成物の適用は、ぬれた状態又は乾燥した状態の毛髪上で発生してもよく、任意に、第1及び第2の組成物の毛髪への適用の間に、リンス又はシャンプー工程を含めることができる。
【0114】
5.ヘアトリートメント組成物、これらの使用及びキット
本発明によるこのアプリケータ(1)によって適用され得るヘアトリートメント組成物の例が以下に説明される。好ましくは、これらの組成物は、スタイリング組成物、染色組成物、ハイライト組成物、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。これらのヘアトリートメント組成物のそれぞれ、又はこれらの組み合わせは、毛髪ストランドに効果をもたらすために、上記のこのアプリケータ(1)と共に使用され得る。より好ましくは、本発明は、毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束をハイライトするためのハイライト組成物の、本明細書で請求されるアプリケータ(1)での使用に関する。このハイライト組成物は、好ましくは、1.0s-1において、約10Pa〜約160Pa、より好ましくは約12Pa〜約120Pa、最も好ましくは15Pa〜80Paのレオロジーを有する。
【0115】
ヘアトリートメント組成物のレオロジーは、TAインスツルメント・アドバンスト・レオメーター(TA Instruments Advanced Rheometer)(AR)2000を使用して測定された。計器は、15.00mmの内部半径を有する共軸円筒基盤、及び14.00mmの半径、及び42.00mmの高さを有する標準的な大きさのベーンジオメトリーを備える。このジオメトリーギャップは、4000マイクロメートルに設定される。2つ以上の配合物で作製されるヘアトリートメント組成物は、30秒間、サンプルポット内でハンドシェーキングして、これらの様々な配合物を十分に混合することにより、調製される。混合されたヘアトリートメント組成物は、直ちに共軸円筒基盤内に配置され、ベーンの上部がヘアトリートメント組成物によって被覆されるように、標準ベーンジオメトリーはジオメトリーギャップまで下げられる。温度は、25℃に平衡化され、続いてヘアトリートメント組成物は、剪断速度が約0.05〜約200s-1まで対数的に増加するまで、更に30秒間放置され、10回当たり7点記録する。全ての段階において、温度は、25℃に維持される。剪断応力は、1.0s-1で記録され、Paで報告された。
【0116】
本発明によるこのアプリケータ(1)と共に使用され得るヘアトリートメント組成物の例は、以下で表5、6、及び7に示される。
【0117】
ヘアトリートメント組成物は、既知である、従来使用されている、ないしは別の形でヘアトリートメント組成物に、特に酸化脱色用及び染色組成物に使用するのに有効な成分を更に含んでもよく、これは、顕色剤と染料の配合物(developer dye compounds)、発色剤配合物(coupler dye compounds)、直接染料、医薬品及び化粧品用オレンジ4号、アシッドイエロー、医薬品及び化粧品用赤色28号、ディスパース赤色17号、HC青色15号、アシッドブルー、酸化剤、還元剤、増粘剤、キレート剤、アモジメチコン、エチレンジアミンジコハク酸(ethylenediamine disuccinic acid)、pH変性剤及び緩衝剤、アルカリ化剤、炭酸塩イオン源及びラジカルスカベンジャー系、グリシン、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、若しくは両性イオン性界面活性剤又はそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、若しくは両性イオン性ポリマー、疎水性変性ポリマー又はそれらの混合物、香料、分散剤、溶剤、過酸化物安定化剤、キレート剤、湿潤剤、タンパク質及びその誘導体、植物材料(例えば、アロエ、カモミール、及びヘンナ抽出物)、シリコーン(揮発性若しくは不揮発性、変性若しくは未変性)、被膜形成剤、セルロースポリマー及びその誘導体、セラミド、防腐剤、ゲル網目、変色指示薬、並びに乳白剤が挙げられるが、それらに限定されない。好適ないくつかの補助剤が、国際化粧品成分事典及びハンドブック(International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook)(第8版、化粧品、洗面用化粧品、及び芳香剤協会(The Cosmetics, Toiletry, and Fragrance Association))に列挙されている。特に、第2巻、3項(化学分類)及び4項(機能)は、特定の目的又は複数の目的を達成するための具体的な補助剤を識別するのに有用である。代表的であるが網羅的ではないポリマー及び増粘剤のリストは、「化粧品用のポリマー及び増粘剤百科事典(The Encyclopaedia of Polymers and Thickeners for Cosmetics)」、ロバート・Y・ロックヘッド(Robert Y. Lochhead)PhD及びウィリアム・R・フロン(William R. Fron)編集・監修、南ミシシッピ大学(University of Southern Mississippi)、ポリマー科学学部(Department of Polymer Science)に見出すことができる。
【0118】
本発明は更に、キットを含む。このキットは、1つ以上の上記のアプリケータ(1)、及び1つ以上の個別に包装されたヘアトリートメント組成物を含む。
【0119】
本発明の一実施形態では、この1つ以上の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、第1の個別に包装されたヘアトリートメント組成物、及び第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物を含む。混合されると、この第1及び第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、第3ヘアトリートメント組成物を形成する。そのような組成物の例としては、典型的には酸化染料と酸化剤とを含有するいわゆる半永久及び永久着色剤、並びに、酸化剤とアルカリ化剤とを含有し、任意に過硫酸塩を有するハイライト用組成物が挙げられる。好ましくは、この第1の個別に包装された組成物は酸化剤を含み、この第2の個別に包装された組成物はアルカリ化剤を含む。好ましくは、この酸化剤は、過酸化水素である。より好ましくは、この第1及び/又は第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物の少なくとも1つは、過硫酸塩を含む。
【0120】
本発明によるキットの一実施形態では、この第1の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、この第1の個別に包装されたヘアトリートメント組成物の3重量%〜12重量%の過酸化水素を含み、この第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は粉末又はペーストの形態であり、この第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、この第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物の10重量%〜60重量%の過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、又はこれらの組み合わせから選択される過硫酸塩を含む。このキットは、水溶性溶媒中に、その3重量%〜25重量%のアルカリ化剤を含む、第3の個別に包装されたヘアトリートメント組成物を任意に含む。
【0121】
本発明の別の実施形態では、この第1の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、この第1の個別に包装されたヘアトリートメント組成物の1.5重量%〜12重量%の過酸化水素を含み、この第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、この第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物の0.01重量%〜6重量%の、直接染料、酸化染料前駆体、酸化染料発色剤、及びこれらの混合物から選択される染料を含む。
【0122】
要素キット内には、追加の個別に包装されたヘアトリートメント組成物が存在してもよく、シャンプー、コンディショナー、及びスタイリング製品などの構成要素を含んでもよい。
【0123】
本明細書において以下で、本発明によるこのアプリケータ(1)に充填され得る、ヘアトリートメント組成物のいくつかの例が示される。
【0124】
毛髪漂白組成物が、液体形態である相1の配合物(表5の1.1、2.1、3.1、4.1、5.1、6.1、7.1、8.1、又は9.1、)のいずれか約45gと、粉末形態である相2の配合物(表5の1.2、2.2、3.2、4.2、5.2、6.2、7.2、8.2、又は9.2)のいずれか約15gとを混合することによって調製された。混合は以下のように達成された:相2の粉末配合物が混合トレイに配置され、相1の液体配合物が粉末の上に注がれた。次に、漂白組成物を形成するために、スパチュラを使用して2つの配合物が共に混合された。漂白組成物が視覚的に均質に見えた時点で、混合は達成された。
【0125】
【表5】

1カーボポール(商標)956、ノベオン(Noveon)社
2ケルトロール(Keltrol)(商標)T−CPケルコ(Kelco)
3ステアリルアルコールクロダコール(Crodacol)S−95、クロダ(Croda)社
4セチルアルコールクロダコール(Crodacol)C−70、クロダ(Croda)社
5セテアレス(Cetearth)25、クレモフォアA25、BASFコーポレーション(BASF Corporation)
6アキューリン(Aculyn)(商標)33、ローム・アンド・ハース(Rohm and Hass Company)社
7ナトロソール(Natrosol)(商標)プラスCS等級330、ハーキュレス
8サルケア(商標)SC90、チバ・スペシャルティ・ケミカル(Ciba Specialty Chemicals)社
9カーボポール(商標)ウルトレズ(Ultrez)10
【0126】
別の実施例では、過酸化水素水を含む、表6の組成物(a1)30gと、過硫酸塩を含む、表6の組成物(b1)15gとを、スパチュラでトレイ内へと混合することによって漂白組成物が調製された。別の実施例では、漂白組成物は以下のように調製された:粉末形態の、過硫酸塩を含む、表6の構成成分(b2)10gが、表6の構成成分(a2)約60gを既に含んだ、約160mLのボトルの内部へと加えられた。最後に、エタノールアミンを含む、表6の構成成分(c2)約20gがボトルに加えられた。ボトルはノズルを備えたキャップによって閉じられた。混合は、3つの構成成分を含むボトルを、均質な毛髪漂白組成物が形成されるまでハンドシェーキングすることによって達成された。
【0127】
【表6−1】

【0128】
【表6−2】

10セテアリルアルコール−クロダコールCS−50、クロダ(Croda)社
11トリデセス2カルボキサミドMEA−アミノールA15、花王ケミカル(Kao Chemicals)社
12セテアレス−30オイムルギン(Eumulgin)(商標)B3、コグニス(Cognis)社
13ペンタン酸五ナトリウム−ヴェルスネクス(Versenex)80、ダウ・ケミカル社
14セテアリルアルコール(及び)セテアレス−20−クロデクスN(Crodex N)、クロダ(Croda)社
15グリセリルステアレート−シスロール(Cithrol)GMS 0400、クロダ(Croda)社
16オレス−10−ボルポ(Volpo)10、クロダ(Croda)社
17オレス−2−ボルポ(Volpo)N2、クロダ(Croda)社
18ステアルアミドプロピルジメチルアミン−インクロミン(Incromine)SB、クロダ(Croda)社
19アクリレート類/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、カルボポール(Carbopol)(商標)ウルトレズ(Ultrez)20、ノベオン(Noveon)社
20ステアリン酸マグネシウム−ラジアスター(Radiastar)(商標)1100、オレオン(Oleon)NV社
21ジエチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ゲロポン(Geropon)SS−0−75、ローディア(Rhodia)社
22VP/VAコポリマールビスコル(Luviskol)(商標)VA73E BASF社
23ピュアシン(商標)1000エクソンモービル・ケミカル(ExxonMobil Chemical)社
24ラウリル硫酸ナトリウムエンピコール(Empicol)(登録商標)LX32、オルブライト・アンド・ウィルソン(Albright & Wilson)UK社
25セテアリルアルコール/ヒドロキシエチルベヘナミドプロピルジモニウムクロリド/ヘキシレングリコール、インクロクァット・ベヘニル(INCROQUAT BEHENYL)HE、クロダ(Croda)社
26コカミド(Cocamide)MEA、アミデクス(Amidex)(登録商標)CME、ローディア(Rhodia)社
27ジリノール酸、エンポール(EMPOL)(登録商標)1008、コグニス(Cognis)社
28小麦胚芽アンホ二酢酸二ナトリウム、マッカム(Mackam)2W、マッキンタイア・グループ(McIntyre)社
29リノールアミドプロピルジメチルアミン二量体ジリノレート、ネコン(Necon)L0−80、アルゾ/ベーネル・ケミカル(Alzo/Bernal Chemical)社
30ステアルアミドMEAリウォーミッド(MEA Rewomid)(登録商標)S280、デグサケア・アンド・サーフェス・スペシャルティーズ(Degussa Care and Surface Specialities)社
【0129】
別の実施例では、表8に示される直接染料を含む染色組成物、配合物(a4)は、調製工程を必要とせずに直接使用され得る。
【0130】
更なる実施例では、酸化染料を含む染色組成物は、表7の配合物(a5)約60gと、表7の配合物(b5)約60gとを、激しく震盪してボトル内で混合することによって調製される。
【0131】
【表7】

31オレス−10−ボルポ10クロダ(Croda)社
32C12〜15パレス−3、ネオドール(Neodol)25−3、シェル・ケミカル(Shell Chemical)社
33ステアレス−21−クロマル(Cromul)EM1207、クロダ(Croda)社
34ジリノール酸−エンポール(登録商標)1008、コグニス(Cognis)社
35コカミド(Cocamide)MEA−アミデクス(Amidex)(登録商標)CME、ローディア(Rhodia)社
36ベヘントリモニウムクロリド−インクロクァット・ベヘニル(INCROQUAT BEHENYL)TMC−85、クロダ(Croda)社
37リノールアミドプロピルジメチルアミン二量体ジリノレート−ネコン(Necon)L0−80、アルゾ/ベーネル・ケミカル(Alzo/Bernal Chemical)社
38M−アミノフェノール−ロドル(Rodol)EGジョス(Jos)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
391−ナフトール−ロドル(Rodol)ERN、ジョス(Jos)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
40レゾルシノール(Resorcinol)−ロドル(Rodol)ERN、ジョス(Jos)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
41P−フェニレンジアミン−ロドル(Rodol)D、ジョス(Jos)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
42P−アミノフェノール ロドルPベース(Rodol P Base)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
43HCイエロー2号−ベルソール(Velsol)イエロー2、クラリアント(Clariant)社
44ディスパース黒色9−Lowadeneブラック9、ジョス(Jos)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
45HCレッド3号−ベルソール(Velsol)レッド3、クラリアント(Clariant)社
46ディスパースバイオレット1−Lowadeneバイオレット1、ジョス(Jos)H.ローウェンスタイン・アンド・サンズ(Lowenstein & Sons)社
47カーボポール(商標)956、ノベオン(Noveon)社
48HCオレンジ1号−カラレックス(Colorex)HC01、ケミカル・コンパウンズ(Chemical Compounds)社
【0132】
本発明によるキットは、毛髪ストランドを選択する手段、櫛若しくはブラシ、手袋、穴のあるキャップ、ピンセット、トング、フック、又はこれらの組み合わせなどの追加の構成要素を更に含み得る。
【0133】
本発明によるキットは、本発明によるキットの、少なくとも1つの構成要素を使用するための、取扱説明書を更に含み得る。好ましくは、このキットは、このキットの構成要素をどのように充填及び/又は使用するかを指示する、消費者のための取扱説明書を含んでもよく、この取扱説明書は、キット自体のパッケージ、紙材、コンパクトディスク、DVD、ウェブサイトのアドレス、又は分配手段及び/若しくはこのアプリケータ(1)それ自体など、任意の種類の媒体に記録される。
【0134】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート(10)及び収容部分(20)を含む、ヘアトリートメント組成物を毛髪に適用するためのアプリケータ(1)であって、
前記プレート(10)は、周囲部(103)、実質的に平坦な内部表面(101)、及び外部表面(102)を有し、前記収容部分(20)は、基部(201)及び壁(202)を含み、前記壁(202)は、前記基部(201)から始まって上方に延び、前記壁(202)はリム(222)を有し、前記リム(202)は、前記収容部分(20)の開口部(203)及び内部容量(204)を画定し、
前記プレート(10)及び前記収容部分(20)は、前記アプリケータ(1)が閉じた状態と開いた状態との間をとり得るように、接続部(30)によって可動に連結され、前記アプリケータ(1)が閉じた状態にある場合、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)は、前記収容部分(20)の前記開口部(203)と並置関係にあり、前記アプリケータ(1)が開いた状態にあるとき、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)は、前記収容部分(20)の前記開口部(203)と、遠位の関係にあり、
第1フィン(50)は、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)から突出して、前記実質的に平坦な内部表面(101)と25°〜55°の鋭角αを形成し、前記第1フィン(50)は、1mm〜50mmの平均第1長さ(L1)で延び、前記第1フィン(50)は、近位縁部(501)及び末端縁部(502)を含み、前記近位縁部(501)は、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)に取り付けられる、アプリケータ(1)。
【請求項2】
第2フィン(60)が、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)から、前記第1フィン(50)から独立して突出し、かつ前記実質的に平坦な内部表面(101)と25°〜55°の鋭角βを独立して形成し、前記第2フィン(60)は、1mm〜50mmの平均第2長さ(L2)で、前記第1フィン(50)から独立して延び、前記第2フィン(60)は、近位縁部(601)及び末端縁部(602)を含み、前記近位縁部(601)は、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)に取り付けられる、請求項1に記載のアプリケータ(1)。
【請求項3】
前記鋭角α及び/又はβが、35°〜55°、好ましくは35°〜50°である、請求項2に記載のアプリケータ(1)。
【請求項4】
前記鋭角α及び前記鋭角βが、好ましくは実質的に同一である、請求項2又は3に記載のアプリケータ(1)。
【請求項5】
前記平均第1長さ(L1)及び前記平均第2長さ(L2)が、好ましくは実質的に同一である、請求項2〜4のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項6】
前記第1フィン(50)及び前記第2フィン(60)が、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)から独立して突出し、前記末端縁部(502;602)の一方が他方に向かって近づいたものである、請求項2〜5のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項7】
前記第1フィン(50)の前記近位縁部(501)が、前記第2フィン(60)の前記近位縁部(601)と実質的に平行である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項8】
前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)が、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)の中央から真っ直ぐに延びる軸Yであって、前記接続部(30)を横断方向に横切る軸Yを含み、前記第1フィン(50)の前記近位縁部(501)、好ましくは前記第1フィン(50)及び前記第2フィン(60)の前記近位縁部(501;601)が、前記軸Yと実質的に平行である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項9】
前記アプリケータ(1)が閉じた状態にある場合、該アプリケータ(1)は、前記プレート(10)の前記実質的に平坦な内部表面(101)から前記収容部分(20)の前記壁(202)の前記リム(222)までに平均距離(D1)を有し、該平均距離(D1)は、好ましくは0.5mm〜5.0mm、より好ましくは、0.8mm〜4.0mm、更により好ましくは1.0mm〜3.0mmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項10】
前記プレート(10)の前記周囲部(103)が、前記収容部分(20)の前記壁(222)の前記リム(222)と実質的に同一の広がりを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項11】
前記第1フィン(50)及び/又は前記第2フィン(60)、好ましくは前記第1フィン及び前記第2フィン(50;60)は、可撓性材料を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)に、一本の毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束を接触させる、毛髪を処理する方法。
【請求項13】
ヘアトリートメント組成物が前記アプリケータ(1)に充填され、該アプリケータ(1)は、開いた状態で、前記一本の毛髪ストランドの根元ラインに、好ましくは前記毛髪ストランドの束の根元ラインに位置付けられ、続いて閉じた状態にされ、その状態で、前記一本の毛髪ストランドに、好ましくは前記毛髪ストランドの束に沿って引かれる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)を少なくとも1つ含み、かつ1つ以上の個別に包装されたヘアトリートメント組成物を含む、キット。
【請求項15】
前記1つ以上の個別に包装されたヘアトリートメント組成物が、少なくとも第1及び第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物を含み、該第1及び第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物が、混合されて第3のヘアトリートメント組成物を形成し、前記第1の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、酸化剤を含み、前記第2の個別に包装されたヘアトリートメント組成物は、アルカリ化剤を含む、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
前記第1及び第2の個別に包装された組成物の少なくとも一方が、過硫酸塩を含む、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
前記アプリケータ(1)を使用するための取扱説明書を更に含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載のキット。
【請求項18】
毛髪ストランドに効果を提供するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)でのヘアトリートメント組成物の使用。
【請求項19】
毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束をハイライトするための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のアプリケータ(1)でのハイライト組成物の使用。
【請求項20】
前記組成物が、1s-1で、10Pa〜160Pa、好ましくは12Pa〜120Paのレオロジーを含む、請求項18又は19に記載の使用。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2010−529889(P2010−529889A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512283(P2010−512283)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/066266
【国際公開番号】WO2008/157104
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】