説明

毛髪化粧料

【課題】皮膚に染着せず、毛髪に対して徐々に着色する効果を有し、二次付着せず、ベタつかず、セット保持力に優れた毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【解決手段】塩基性染料と両性高分子樹脂とを含有し、pHが3.0〜8.0である毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発明は、毛髪化粧料に関し、更に詳しくは、皮膚に染着せず、毛髪に対して徐々に着色する効果を有し、二次付着せず、ベタつかず、セット保持力に優れた毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自分の髪のニュアンスを変えたり、白髪を隠したいという消費者の要望が高まり、毛髪を染毛する多くの商品が開発されている。染毛料分野においては、白髪を目立たないように染めるだけでなく、普通の黒髪の人が赤色、紫色、緑色といった様々な色に毛髪を着色する行為が一つのファッションとして男女を問わず定着している。このため、このような白髪を隠したり、黒髪の髪色のニュアンスを変えることのできる毛髪化粧料が求められている。従来より、カラースティック、カラースプレー、カラームース等の染毛剤は、その使用方法が簡単であることから利用されてきた。
【0003】しかしながら、このようなカラースティックやカラースプレーは、染毛効果は一時的であり、シャンプーすることによって落ちてしまい、染毛効果の持続性に欠け、また、被接触物に染料が付着したり、汗、雨、水浴等の際に染料が流れ落ちて皮膚や衣服を汚染してしまうことがあった。そして、着色性を高めるために顔料や酸性染料の配合量を多くすると、このような二次付着性は大きくなってしまうため、十分な着色性を有しながら二次付着性の少ない染毛料を得ることは非常に困難であった。また、毛髪化粧料中で染料が沈殿したり凝集して製品安定性が低下したり、着色がムラになったりすることもあった。
【0004】また、酸性染料は、通常半永久染毛剤に用いられ、酸化染料に比べて毛髪への浸透性は低いものの毛髪中のキューティクルやその内部のコルテクッスにも浸透して毛髪そのものを染着する。しかしながら、酸性染料を用いた場合には、手や皮膚が染まり、完全に色が落ちないという問題点もあった。また、二次付着を防止するために通常樹脂を多量に配合しているため、使用後は毛髪がごわついたりすることがあった。
【0005】このような中で、種々の試みが為されてきた。例えば、特開昭54−67039号公報には、ベタイン部を有する両性高分子樹脂と、酸性染料を特定の重量比で配合した組成物が開示されている。これは、両性高分子樹脂のカチオン部分と酸性染料の酸性基が錯体を形成し、この複合体を配合することによって、二次付着性や分散安定性を改善しようとするものであったが、毛髪の着色は一時的で、シャンプー後に染料が毛髪に残ることなく、また、二次付着性において十分と言えるものではなかった。
【0006】また、特開平7−53339号公報には、ポリオキシアルキレン誘導体と、有機溶剤および直接染料からなる組成物が開示されている。これは、繰り返し使用することによって染毛効果が向上する毛髪化粧料であり、徐々に染毛される機能は有するものの、容易に衣服や帽子などの被接触物に二次付着性が起こり十分と言えるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従来技術の課題に鑑み成されたものであり、その目的は、皮膚に染着せず、毛髪に対して徐々に着色する効果を有し、二次付着せず、ベタつかず、セット保持力に優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、斯かる実情に鑑み鋭意検討した結果、 塩基性染料と両性高分子樹脂とを含有し、特定のpH領域に調整した毛髪化粧料が、皮膚に染着せず、毛髪に対して徐々に着色する効果を有し、二次付着せず、ベタつかず、セット保持力に優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は、塩基性染料と両性高分子樹脂とを含有し、pHが3.0〜8.0である毛髪化粧料である。また、請求項2は、更に、顔料を配合してなる請求項1記載の毛髪化粧料である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明に用いられる塩基性染料としては、BASIC BLUE 3、BASIC BLUE 6、BASIC BLUE 7、BASIC BLUE 9、BASIC BLUE 26、BASIC BLUE 41、BASIC BLUE 99、BASIC BROWN 4、BASIC BROWN 16、BASIC BROWN 17、BASIC GREEN 1、BASIC GREEN 4、BASIC ORANGE 1、BASIC ORANGE 2、BASIC RED 1、BASIC RED 2、BASIC RED 22、BASIC RED 46、BASIC RED 76、BASIC RED118、BASIC VIOLET 1、BASIC VIOLET 3、BASIC VIOLET 4、BASIC VIOLET 10、BASICVIOLET 11:1、BASIC VIOLET 14、BASIC VIOLET 16、BASIC YELLOW 11、BASIC YELLOW28、BASIC YELLOW 57等が挙げられる。これらの塩基性染料は、Cosmetic Ingredient Dictionary andHandbook(The Cosmetic,Toiletry,andFragrance Association、第8巻、2000年)に記載された公知の染料である。これら塩基性染料の中でも、BASIC BLUE 99、BASIC BROWN 16、BASIC BROWN 17、BASIC RED 76、BASIC YELLOW 57が特に好ましく、Williams社よりARIANOR Sienna Brown、ARIANORMahogany、ARIANOR Madder Red、ARIANORSteel Blue、ARIANOR Straw Yellow等の商品名で市販されている。
【0012】本発明の毛髪化粧料において、これらの塩基性染料は、それぞれ単独で用いることができるし、また二種以上を組み合わせて用いることもできる。また、これらの塩基性染料の本発明毛髪化粧料全量中への配合量は、好ましくは0.05〜3.0質量%(以下、単に%と記する)、更に好ましくは、0.1〜1.0%の範囲である。塩基性染料の配合量が0.05%未満の場合には充分な染色効果が得られない場合があり、3.0%を超えると手や皮膚への染着が激しくなり使用上問題を生じる場合がある。
【0013】本発明に用いられる両性高分子樹脂としては、ジアルキルアミノエチルアクリレート,ジアルキルアミノエチルメタクリレートの他、ダイアセトンアクリルアミド等とアクリル酸,アクリル酸アルキルエステル,メタクリル酸,メタクリル酸アルキルエステル等とを共重合し、ハロゲン化酢酸等で両性化したアクリル系両性樹脂等が挙げられる。その具体例としては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体及びオクチルアクリルアミドブチルアミノエチルメタクリレート(メタ)アクリル酸/メタアクリル酸エステル共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体等が挙げられ、ユカフォーマー(三菱化学社製)、Amphomer(National Starch社製)、マーコート(CALGON社製)として市販されている。
【0014】両性高分子樹脂は、水、エタノールやイソプロパノール等の低級アルコール等に溶解して用いてもよく、使用する水、低級アルコールの量は、通常、該両性高分子樹脂に対して、両性高分子樹脂物:水または低級アルコール=1:1〜1:20程度が好ましく、より好ましくは1:2〜1:9程度である。
【0015】本発明には、これらの両性高分子樹脂は、1種または2種以上で用いられ、その配合量は、本発明毛髪化粧料全量中、両性高分子樹脂の配合量は、好ましくは0.1〜15.0%であり、更に好ましくは、0.5〜8.0%である。両性高分子樹脂の配合量が0.1%未満の場合、十分なセット性を有しない場合があり、また二次付着を防止することができない場合がある。また、15.0%を超えると、セットしたときに毛髪のごわつきを感じ、毛髪の染毛性も疎外する等の問題を生じる場合がある。
【0016】本発明においては、更に顔料を配合することによって、本発明の効果を損なうことなく、使用直後から白髪等を隠蔽したり、髪の色ニュアンスを変化させることも可能となる。顔料は、通常一時染毛剤や半永久染毛剤に用いられているものであれば特に限定されず、有機顔料、無機顔料の他、レーキを用いることができる。なお、着色性の点からは、有機顔料、レーキが好ましい。
【0017】有機顔料としては、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料等が挙げられる。無機顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、群青、紺青、カーボンブラック等が挙げられる。レーキとしては、赤色202号、204号、206号、207号、220号等のレーキ顔料の他、アルミニウムレーキ等の染料レーキが挙げられる。
【0018】また、これらの顔料は比重が小さく、製剤中で沈殿や凝集、分離等がなく分散安定性に優れるものであることが好適である。また、その配合量は、好ましくは0.01〜5.0%であり、更に好ましくは、0.05〜2.0%である。顔料の配合量が0.01%未満の場合、使用直後の染色性に劣る場合があり、5.0%を超えると、顔料の配合量が多すぎて二次付着を生じやすくなり、また、分散安定性も低下する場合があり好ましくない。
【0019】本発明の毛髪化粧料においては、pH領域を3.0〜8.0にすることが必要であり、好ましくは、pH4.0〜7.0である。pHが3.0よりも低いと毛髪にごわつきを生じたり、染毛性が劣る。またpHが8.0を超えると、手や皮膚へ染着しやすく、更に二次付着を生じる等の問題点が発生する。
【0020】本発明の毛髪化粧料には、本発明の効果を損なわない質的、量的範囲内で、必要に応じて、さらに油分、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、染料、顔料、色素、防腐剤、ビタミン剤、ホルモン剤、消臭剤、pH調整剤、固着剤等の、一般に毛髪化粧料に用いられる成分を配合しても良い。
【0021】尚、本発明にいう毛髪化粧料とは、頭髪に使用する任意の化粧料を意味し、ヘアクリーム、ヘアローション、ヘアミスト(ノンガスタイプ)、ヘアフォーム、ヘアトリートメント、ヘアスプレー等のいわゆる頭髪処理剤等を広く含むものである。
【0022】またその剤型も任意であり、エアゾール、非エアゾールのいずれも適用し得る。好ましい剤型としては、容器内へ噴射剤とともに加圧封入したフォーム状のエアゾールである。噴射剤としては、プロパン、ブタンおよびイソブタンを主成分とする液化石油ガス(LPG)、ジメチルエーテルおよび炭酸ガス、窒素ガス等の圧縮ガス等の単独またはそれらの混合物を使用することができる。これらのなかでもLPG及びジメチルエーテルが特に好ましい。この場合、塩基性染料と両性高分子樹脂を含む原液と、噴射剤との配合比は、原液50〜97%に対して噴射剤95〜50%が好ましく、特には原液80〜96%に対して噴射剤20〜4%である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明するが、これらにより本発明の技術的範囲が限定解釈されるべきものではない。尚、実施例に先立って各実施例で採用した試験法及び評価法を説明する。
【0024】(1)皮膚への染着性試験健常人の上腕内側部の3cm×3cmの面積部に本発明の毛髪化粧料0.3gを塗布し、1分間放置する。その後、温水で30秒間洗浄して乾燥した後、ミノルタ社製色差計(CR−300)を用いて測色を行い、下記の式に従って、毛髪化粧料塗布前との色差(ΔE)を求め、皮膚への染着性を評価した。尚、ΔEが大きいほど皮膚への染着性が高いことを示す。
【0025】
色差(ΔE)=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2ΔL:塗布前後のL値の差Δa:塗布前後のa値の差Δb:塗布前後のb値の差
【0026】(2)染毛性試験市販のヒト白髪毛髪より作成したヘアーピース(10cm、1g)に本発明の毛髪化粧料0.5gを塗布し、乾燥させる。乾燥後、ヘアーピースをお湯で濡らし、市販のシャンプー剤0.5gを塗布して、30秒間泡立てて揉み洗いを行い、温水にて1分間濯ぎ、乾燥した。この処理操作を5回繰り返した後、ミノルタ社製色差計(CR−300)を用いて測色を行い、下記の式に従って、処理前の毛髪との色差(ΔE)を求め、染毛性を評価した。尚、ΔEが大きいほど染毛性が高いことを示す。
【0027】
色差(ΔE)=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2ΔL:処理前後のL値の差Δa:処理前後のa値の差Δb:処理前後のb値の差
【0028】(3)白髪隠蔽力試験市販のヒト白髪毛髪より作成したヘアーピース(10cm、1g)に本発明の毛髪化粧料0.5gを塗布し、乾燥させる。乾燥後、ミノルタ社製色差計(CR−300)を用いて測色を行い、下記の式に従って、処理前の毛髪との色差(ΔE)を求め、染毛性を評価した。尚、ΔEが大きいほど染毛性が高いことを示す。
【0029】
色差(ΔE)=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2ΔL:処理前後のL値の差Δa:処理前後のa値の差Δb:処理前後のb値の差
【0030】(4)二次付着性試験市販のヒト白髪毛髪より作成したヘアーピース(10cm、1g)に本発明の毛髪化粧料0.5gを塗布し、乾燥させる。乾燥後、500gの荷重をかけた白色布(JIS L 0803、JIS染色堅ろう度試験布)にて10回ヘアーピースを擦り、擦った前後の色の差(色差ΔE)を下記計算式による求め、二次付着性を評価した。
【0031】
色差(ΔE)=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)2]1/2ΔL:摩擦前後のL値の差Δa:摩擦前後のa値の差Δb:摩擦前後のb値の差
【0032】また、評価の基準を次のように設定した。
◎:二次付着性が極めて良好(色差ΔEが2未満)
○:二次付着性が良好(色差ΔEが2以上,5未満)
△:二次付着性が普通(色差ΔEが5以上,10未満)
×:二次付着性が不良(色差ΔEが10以上)
【0033】(5)べたつきのなさ市販のヒト白髪毛髪より作成したヘアーピース(10cm、1g)に本発明の毛髪化粧料0.5gを塗布し、乾燥させる。乾燥後、20名の専門パネラーによって、べたつきの無さについて官能評価した。
【0034】評価基準は、以下の通りである。
◎:非常に良好(べたつかないと答えた人が18名以上)
○:良好(べたつかないと答えた人が18名未満15名以上)
△:やや悪い(べたつかないと答えた人が15名未満10名以上)
×:悪い(べたつかないと答えた人が10名未満)
【0035】(6)セット保持力試験長さ15cm、重さ1.0gからなる日本人黒色毛のヘアーピースに本発明の毛髪化粧料0.5gを均等に塗布し、直径2cmのロッドに巻き、室温にて一昼夜放置して完全に乾燥させた。乾燥後、ロッドをはずして、毛束のみかけの長さ(L)を測定し、次いで温度30℃、湿度90%の恒温恒湿室に毛束を吊し、30分後に取り出し、再び毛束のみかけの長さ(L0)を測定した。
【0036】セット保持力を次式にて求めた。
セット保持力(%)=〔(15−L0)÷(15−L)〕×100この値が100に近いほどセット保持力が強いことを示す。
【0037】評価基準は、以下の通りである。
◎:非常に良好 セット保持力80%以上○:良好 セット保持力50%以上、80%未満△:やや悪い セット保持力30%以上、50%未満×:悪い セット保持力30%未満
【0038】実施例1〜7、比較例1〜4表1に示す配合組成のフォームを常法に従って調製し、皮膚染着性、染毛性、白髪隠蔽力、べたつきのなさ及びセット保持力を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0039】
【表1】


【0040】表1から明らかなように、実施例1〜7の本発明の毛髪化粧料は、本発明の必須成分のいずれかを含まない比較例1〜4と比較して、明らかに皮膚染着性、染毛性、白髪隠蔽力、べたつきのなさ及びセット保持力のいずれの項目においても優れていた。また、塩基性染料でなく酸性染料(黒色401号)を使用したものや両性高分子樹脂を含まないものは、皮膚に染着しやすく、毛髪への染毛性が悪かった。
【0041】実施例8〜13、比較例5〜8表2に示す配合組成のフォームを常法に従って調製し、皮膚染着性、染毛性、白髪隠蔽力、べたつきのなさ及びセット保持力を評価した。その結果を併せて表2に示す。
【0042】
【表2】


【0043】表2から明らかなように、実施例8〜13の本発明の毛髪化粧料は、本発明の必須成分のいずれかを含まない比較例5〜8と比較して、明らかに皮膚染着性、染毛性、白髪隠蔽力、べたつきのなさ及びセット保持力のいずれの項目においても優れていた。
【0044】
実施例14 フォーム 組成 配合%(1)両性高分子樹脂 2.4 (商品名:ユカフォーマーAM−75、三菱化学社製) (2)BASIC BROWN 16 0.1(3)BASIC BLUE 99 0.2(4)カーボンブラック 0.5(5)グリセリン 1.0(6)ジメチルポリシロキサン(100cs) 3.0(7)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 2.0(8)エタノール 10.0(9)イオン交換水 残 余(10)香料 適 量(11)液化石油ガス 8.0
【0045】(製法)(1)〜(10)を均一に混合溶解し、原液とした。この原液をエアゾール缶に充填し、(11)を加えてフォームとした。
【0046】
実施例15 フォーム 組成 配合%(1)両性高分子樹脂 2.5 (商品名:ユカフォーマーSM、三菱化学社製) (2)両性高分子樹脂 0.5 (商品名:マーコート3330、CALGON社製) (3)BASIC RED 76 0.1(4)BASIC YELLOW 57 0.2(5)1,3−ブチレングリコール 1.0(6)ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 2.0(7)オクタメチルシクロテトラシロキサン 5.0(8)エタノール 8.0(9)赤色404号 0.2(10)イオン交換水 残 余(11)香料 適 量(12)液化石油ガス 4.0(13)ジメチルエーテル 2.0
【0047】(製法)(1)〜(11)を均一に混合溶解し原液とした。この原液をエアゾール缶に充填し、(12)及び(13)を加えてフォームとした。
【0048】
実施例16 ミスト 組成 配合%(1)両性高分子樹脂 1.0 (商品名:アンフォマー28-4910、ナショナルスターチ社製) (2)BASIC BROWN 16 0.1(3)BASIC BLUE 99 0.05(4)カーボンブラック 0.1(5)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0(6)1,3−ブチレングリコール 2.0(7)ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 1.5(8)エタノール 30.0(9)イオン交換水 残 余(10)香料 適 量
【0049】(製法)(1)を(8)に溶解し、次いで、(2)〜(7)を加えて均一に混合し、さらに(10)を加えて十分に混合してミストとした。
【0050】
実施例17 ジェル 組成 配合%(1)両性高分子樹脂 3.0 (商品名:ユカフォーマー301、三菱化学社製) (2)BASIC BROWN 17 0.2(3)BASIC BLUE 99 0.05(4)BASIC RED 76 0.05(5)カーボンブラック 1.0(6)マルチトール 3.0(7)ポリビニルピロリドン 0.5(8)エデト酸二ナトリウム 0.1(9)カルボキシメチルビニルポリマー 0.6(10)エタノール 10.0(11)ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 0.5(12)メチルパラベン 0.1(13)香料 適 量(14)水酸化カリウム 0.2(15)イオン交換水 残 余
【0051】(製法)(9)を(15)の一部に溶解し、その中に(1)〜(14)、(15)の残部を溶解したものを添加し、均一に混合してジェルとした。
【0052】
実施例18 ポマード 組成 配合%(1)マイクロクリスタリンワックス 12.0(2)スクワレン 23.0(3)シェルゾールTM71(沸点173〜195℃) 23.0(4)アイソパーTME(沸点116℃〜143℃) 12.0(5)両性高分子樹脂 5.0 (商品名:マーコート295、CALGON社製) (6)エタノール 5.0(7)BASIC BLUE 99 0.1(8)BASIC RED 76 0.2(9)カーボンブラック 3.0(10)ポリオキシエチレン(10) 10.0 硬化ヒマシ油トリイソステアレート (11)香料 適 量(12)イオン交換水 残 余
【0053】(製法)(5)〜(9)及び(12)を60℃にて均一に溶解したものに、(1)〜(4)及び(10)80℃にて均一に溶解したものを加えて十分混合した。これに(11)を混合してポマードを得た。
【0054】
実施例19 ヘアスプレー 組成 配合%(1)両性高分子樹脂 5.0 (商品名:ユカフォーマーW、三菱化学社製) (2)エタノール 50.0(3)BASIC RED 76 0.3(4)黒酸化鉄 0.5(5)メチルパラベン 0.1(6)メチルフェニルポリシロキサン 0.2(7)香料 適 量(8)イオン交換水 残 余(9)液化石油ガス 30.0
【0055】(製法)(1)〜(8)を混合溶解し原液としてエアゾール缶に充填し、(9)を加えてヘアスプレーを得た。
【0056】
実施例20 スプレーフォーム 組成 配合%(1)テトラオクタン酸ペンタエリスリット 10.0(2)ジメチルポリシロキサン(10万cs) 3.0(3)グリセリン 2.0(4)ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油 1.0(5)ヒドロキシプロピルセルロース 1.0(6)エタノール 12.0(7)両性高分子樹脂 1.5 (ユカフォーマー205、三菱化学社製) (8)BASIC YELLOW 57 0.1(9)BASIC RED 76 0.2(10)赤色404号 0.2(11)精製水 残 余(12)香料 0.2(13)n−ブタン 20.0
【0057】(製法)(1)〜(12)を均一に撹拌混合し、原液とした。この原液をエアゾール缶に充填し、(13)を加えてスプレーフォームとした。
【0058】上記実施例14〜20の毛髪化粧料は、明らかに皮膚染着性、染毛性、白髪隠蔽力、べたつきのなさ及びセット保持力のいずれの項目においても優れていた。
【0059】尚、上記の処方中、用いた香料は下記のものである。
【0060】
【表3】


【0061】
【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、皮膚に染着せず、毛髪に対して徐々に着色する効果を有し、二次付着せず、ベタつかず、セット保持力に優れた効果を与えるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩基性染料と両性高分子樹脂とを含有し、pHが3.0〜8.0である毛髪化粧料。
【請求項2】 更に、顔料を配合してなる請求項1記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2003−246714(P2003−246714A)
【公開日】平成15年9月2日(2003.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−45812(P2002−45812)
【出願日】平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【Fターム(参考)】