説明

気泡浴槽の吸気装置

【課題】目的は、気泡浴槽の吸気装置において、取付強度を維持しつつ、コンパクト化が可能な吸気装置を提供することである。
【解決手段】ネジ部材20の右回転操作のネジ込みにより、押え部材21は、縮径状態から螺合部21eを中心とした右回動とフランジ部12への接近移動とを開始する。押え部材21が拡径状態になったとき、押え部材21の右回動が円弧部21aと第1ストッパ部22との当接により規制され、フランジ部12に対する接近移動のみが行われる。更にネジ込みを進めると、円弧部21bと第2ストッパ部23とが当接し、押え部材21は左回動も規制された状態でフランジ部12に対する接近移動を継続し、エプロン8の裏面に当接した後、フランジ部12と協働してエプロン8を挟持可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアを浴槽内に供給可能な気泡浴槽の吸気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の風呂給湯システムは、風呂給湯器から新規な高温の湯水が供給される注湯運転モード、浴槽内の湯水を再度給湯器に戻して加熱、再供給する追焚運転モード、微細な気泡を湯水に混在させて微細気泡噴流を浴槽に噴出させる気泡運転モード等消費者のニーズに合せて様々な湯水の供給形態を有している。
【0003】
気泡運転モードを備えた循環アダプタでは、浴槽に取り付けられるアダプタの湯水噴出口に一端を接続するエア管を設け、浴室外等に設置された他端側の吸気口からエアを取込む吸気装置が別途設けられる。浴室外からエアを取込む場合、エアに対する異物の混入やエア管の取り回し等の問題が存在するため、最近では浴室内からエアを取り込む吸気装置が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1は、浴槽上縁となる天板上にエアインテークパイプの一端側の開口部を設け、この開口部にエア導入口を備えた着脱自在のキャツプを被装した技術を提案している。特許文献1では、エアインテークパイプ内に侵入する異物を防止し、エアインテークパイプの洗浄が容易にできる。
【0005】
また、エア導入口等を備える吸気装置は、特許文献1のように天板上に装着される仕様、或いは浴槽の側壁、所謂エプロンに水平方向に向かって装着される仕様等デザインに応じて複数の仕様が存在している。図10及び図11に基づいて、水平方向に向かって浴槽に装着される従来の吸気装置を説明する。吸気装置50は、円筒状凹部を有する吸気本体51、吸気本体51の表面側外周部分のフランジ部52、吸気本体51の裏面側に設けられる接続部53、吸気本体51及びフランジ部52の表面を覆うカバー部材54から構成されている。尚、図11は、カバー部材54を取り外した吸気装置50の正面図である。
【0006】
吸気本体51の凹部には、表面側に吸入口55aを有すると共にフィルタ部材57をビスで固定する第1仕切り部55、裏面側にオリフィス56aを有する第2仕切り部56が設置されている。吸気装置50は、浴槽のエプロンに設けられた開口Hに装着される。開口H周りのエプロンにプラグボルト58を打ち込み、複数のネジ部材59をネジ込み吸気本体51を締結固定した後、カバー部材54を第1仕切り部55に固定する。以上の構成によって、カバー部材54とフランジ部52との間隙から導入されたエアは、吸入口55aからフィルタ部材57、オリフィス56aを通過してエア管に送られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−89544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、吸気装置の装着では、吸気装置が取付壁から脱落しないように、前述したようなネジ部材による締結固定が行われている。特許文献1のように、吸気装置を上方に開口した状態で取付壁上に載置するものであっても、取付壁が浴槽の天板のように薄板状の取付壁の場合、充分な取付強度を得ることができない。
【0009】
また、吸気装置の取付強度を得るには、複数のネジ部材間の距離を所定長さ確保する必要があると共に、取付壁自体の強度を確保するため、ネジ部材の締結位置を取付壁開口縁部から充分に離した位置にする必要がある。つまり、吸気装置の吸気本体を小型化しても、取付強度の確保のため、大きなフランジ部を形成した結果、外観上、大きな吸気装置と視認されることとなる。
【0010】
浴室内部、特に浴槽のエプロン等の壁部分に吸気装置を装着する場合は、ユーザから視認され易く、デザイン上、コンパクト化が一層重要な要件となるものの、前述のように、取付強度を確保するためには、大きなフランジ部が必要であった。
【0011】
本発明の目的は、気泡浴槽の吸気装置において、取付強度を維持しつつ、コンパクト化が可能な吸気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る気泡浴槽の吸気装置は、浴槽内にエアを供給可能な吸気本体と、この吸気本体の外周部分に形成され且つ取付壁の表面に設置されるフランジ部とを有する。
【0013】
請求項1の発明は、取付壁の裏面に当接させた状態では前記フランジ部と協働して前記取付壁を挟持可能に構成された押え部材であって、吸気本体に接近した縮径状態と、この縮径状態よりも外周側へ回動した拡径状態とに亙って所定角度回動可能な押え部材と、前記吸気本体に形成された保持部に貫通状に支持され且つ前記押え部材に螺合されて前記押え部材を前記フランジ部に対して接近・離隔可能なネジ部材とを備え、前記ネジ部材のネジ込みにより前記押え部材を縮径状態から前記所定角度回動させて拡径状態に切換えて前記フランジ部と協働して前記取付壁を挟持するように構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明では、縮径状態から拡径状態とに亙って回動可能な押え部材を有するため、装着時、押え部材を縮径状態にすることができ、取付壁の開口を小径にできると共に開口縁部から離間した位置で取付壁を挟持できる。また、取付壁を挟持するためのネジ部材のネジ込み動作を押え部材の縮径状態から拡径状態への回動動作に利用でき、作業性に優れる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、吸気本体は、前記押え部材の縮径状態から拡径状態までの回動を可能にすると共に前記拡径状態以降の回動を禁止するストッパ部を有することを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、ストッパ部は、前記押え部材の回動を円弧状の面接触でガイドするガイド部を有することを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかの発明において、吸気本体は、表面に取付壁と平行な壁部を有すると共にこの取付壁に形成された開口よりも小径とされ、前記保持部は前記壁部に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、取付強度を維持しつつ、吸気装置のコンパクト化が可能とできる。つまり、押え部材がフランジ部と協働して開口縁部から離間した位置で取付壁を挟持できるため、取付強度を確保できる。しかも、ネジ部材は、フランジ部ではなく吸気本体に形成された保持部に支持されるため、フランジ部を小さくし、吸気装置をコンパクト化できる。
【0019】
請求項2の発明によれば、押え部材の縮径状態から拡径状態までの回動を可能にすると共に前記拡径状態以降の回動を禁止するストッパ部を有するため、最も取付強度の高い拡径状態で取付壁を挟持できる。
【0020】
請求項3の発明によれば、押え部材の回動を円弧状の面接触でガイドするガイド部を有するため、吸気装置の取付け時、ネジ部材のネジ込み動作によって、押え部材の縮径状態から拡径状態までの回動を円滑に行うことができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、吸気本体は、表面に取付壁と平行な壁部を有すると共にこの取付壁に形成された開口よりも小径とされ、前記保持部は前記壁部に設けられるため、吸気装置が一層コンパクトにでき、更に、取付壁には壁部が通過可能な開口を設けることで吸気装置を装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例の風呂給湯システムの全体説明図である。
【図2】実施例に係る吸気装置の正面図である。
【図3】実施例に係る吸気装置の背面図である。
【図4】実施例に係る吸気装置の側面図である。
【図5】図2におけるV−V線断面を示す図である。
【図6】カバー部材を取り外した吸気装置の正面図である。
【図7】押え部材が縮径状態とされたときの吸気装置の背面図である。
【図8】装着工程の説明図であって、吸気装置を取付壁の開口に装着する前を示す図である。
【図9】装着工程の説明図であって、吸気装置を取付壁の開口に装着した後を示す図である。
【図10】従来の吸気装置の説明図である。
【図11】従来の吸気装置のカバー部材を取り外した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施する為の最良の形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0024】
図1に示すように、実施例の風呂供給システムは、浴槽1、風呂給湯器2、循環回路3、アダプタ4及び吸気装置5から構成される。浴室内の浴槽1は、湯水が供給される桶部6と、桶部6の上縁部分から所定の間隔を持って水平方向に延設される天板7と、洗い場から天板7の外縁部分に向かって略鉛直方向に延設する樹脂製エプロン8(取付壁)とから構成され、エプロン8は所定の脱着機構によって浴槽1に対して取外し可能となっている。
【0025】
浴室内と隔壁9で仕切られて配置されている風呂給湯器2は、ガス等の燃焼部と熱交換部とからなる熱供給部と、湯水を循環させるためのポンプとから構成され、夫々の機器は図示しないコントローラによって制御される。ユーザが運転モードを選択することによって風呂の湯張指示や気泡運転モード等各種のモードに対応した風呂給湯器2の作動が開始可能となっている。風呂給湯器2の作動については、従来と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0026】
エプロン8に固定装着され、その大部分を桶部6と天板7とエプロン8とで形成される空間に収容されると共に、洗い場に向かって略水平方向に設置される吸気装置5には架橋ポリエチレン等の樹脂製のエア管10の一端が接続されている。エア管10は、桶部6の周囲と天板7とエプロン8とで形成される空間に収容され、その他端をアダプタ4に接続されている。ユーザが気泡運転モードを選択した場合、吸気装置5で導入された浴室内のエアがエア管10を通ってアダプタ4に供給され、アダプタ4内で湯水と混合された後、微細気泡が混入された湯水が浴槽1に噴出される。
【0027】
次に、吸気装置5について図2〜図7に基づいて説明する。
図2は吸気装置5の正面図、図3は吸気装置5の背面図、図4は吸気装置5の側面図、図5は図2のV−V線断面図、図6はカバー部材14を取外した吸気装置5の正面図、図7は押え部材21が縮径状態とされたときの吸気装置の背面図を示す。
【0028】
吸気装置5は、吸気本体11、吸気本体11の表面外周部分に設けられる円環状のフランジ部12、吸気本体11の裏面に設けられエア管10に接続される接続部13、吸気本体11及びフランジ部12の表面を覆うカバー部材14とから構成される。
【0029】
吸気本体11は、装着状態でエプロン8と平行とされる側壁部15と、ストッパ部16と、円筒状の本体部17と、本体部17の上下端部に設けられた一対のリブ部18とから構成している。
【0030】
側壁部15には、本体部17を挟んで側壁部15を貫通する左右一対の貫通穴19(保持部)が形成され、夫々の貫通穴19は螺旋状にネジ山が形成されたネジ部材20を貫通状態で支持可能に構成されている。
【0031】
ネジ部材20のネジ山部分には、このネジ山部分に螺合可能とされると共に、ネジ部材20の回動動作によってフランジ部12に対して接近・離隔可能な押え部材21が設けられている。押え部材21は、まゆ状の板部材によって形成され、円弧部21a,円弧部21aの径よりも小径とされ且つ同心円の円弧部21b、本体部17側の半円部21c,反本体部17側の半円部21d及び半円部21cの円の中心部分に形成されると共にネジ部材20と螺合可能な螺合部21eとから構成している。
【0032】
以上の構成により、ネジ部材20をドライバ等の工具で右回転操作したとき、押え部材21は、フランジ部12に対して接近すると共に、ネジ部材20との摺動抵抗が作用することによって螺合部21eを中心として正面視で右回動を行う。また、ネジ部材20を左回転操作したとき、押え部材21は、フランジ部12に対して離隔すると共に、螺合部21eを中心として正面視で左回動を行う。
【0033】
ストッパ部16は、第1ストッパ部22と、第2ストッパ部23と、ガイド部24とから構成している。第1ストッパ部22は、押え部材21が最も拡径した状態、所謂半円部21dが水平方向を向き、吸気本体11の軸心から最も離れた状態のとき、円弧部21aと当接することで押え部材21の正面視で右回動を禁止し、フランジ部12に対する接近移動のみを許容するよう構成している。
【0034】
第2ストッパ部23は、押え部材21がフランジ部12に接近したとき、円弧部21bと当接することで押え部材21の縮径方向への正面視で左回動を禁止し、フランジ部12に対する接近移動のみを許容するよう構成している。ガイド部24は、半円部21cと面接触するよう湾曲面形状に形成されると共に押え部材21の左右回動をガイドするよう構成している。
【0035】
具体的には、第1ストッパ部22と第2ストッパ部23のフランジ部12側端部は、側壁部15に接続され、フランジ部12の反対側端部は、第1ストッパ部22の端部が第2ストッパ部23の端部よりも後方に長く形成されている。つまり、ストッパ部16の断面形状は、吸気本体11の長さ方向後方側で略S字状とされ、吸気本体11の長さ方向前方側で略U字状とされる。
【0036】
この構成により、押え部材21が最も縮径した状態、所謂半円部21dが吸気本体11の軸心に最も近接した状態のとき、円弧部21bは本体部17の外周面に当接し、背面からの投影面積を最小とすることができる。尚、第1ストッパ部22、第2ストッパ部23、ガイド部24は吸気本体11の軸心に対して左右位置に一対設けられると共に、この軸心に対して点対称となるように配置されている。
【0037】
以上の構成によって、ネジ部材20の右回転操作のネジ込みにより、押え部材21は、ガイド部24にガイドされて縮径状態から螺合部21eを中心とした右回動とフランジ部12に対する接近移動とを開始する。押え部材21が拡径状態になったとき、押え部材21の右回動が円弧部21aと第1ストッパ部22との当接により規制され、フランジ部12に対する接近移動のみが行われる。更にネジ部材20のネジ込みを進めると、円弧部21bと第2ストッパ部23とが当接し、押え部材21は左回動も規制された状態でフランジ部12に対する接近移動を継続し、エプロン8の裏面に当接した後、フランジ部12と協働してエプロン8を挟持可能となっている。
【0038】
本体部17は、側壁部15に開口する円柱状の第1凹部25と、第1凹部25の後方側に連続する円柱状の第2凹部26とを備えている。第1凹部25は、その内部に円筒状の第1仕切り部27が嵌入されている。第1仕切り部27の内部には、カップ形状のフィルタ部材28が、その開口を第2凹部26に向けて装着されている。更に、第1仕切り部27の側壁部15側端部にはエアを第1仕切り部27の内部に吸入する吸入開口部29が90°毎に配置されている。
【0039】
第2凹部26は、その内部に略ハット状の第2仕切り部30が嵌入されている。第2仕切り部30の内部には、一端をフィルタ部材28に向けて接続部13方向に延設するエア通路31と、エア通路31の他端と接続部13とを連結するオリフィス32とが形成されている。尚、第2仕切り部30の外周には溝が形成されており、第2凹部26とOリングによってシール性を確保している。
【0040】
フランジ部12は、外周部分に表面から立設する円環状のカバー部材14の取付部33と、下方部分に取付部33の端部と離間する段差部34とを有している。
カバー部材14は、エプロン8と平行位置となる円板状の表面部35と、表面部35の外周縁部に形成され、取付部33に嵌合可能な側縁部36と、表面部35に等間隔に配置される複数のエア導入穴37とから構成している。
【0041】
以上の構成によって、段差部34及びエア導入穴37から吸気装置5に導入されたエアは、吸入開口部29から第1仕切り部27の内部に吸入され、フィルタ部材28によって異物が除去される。フィルタ部材28を通過したエアは、エア通路31とオリフィス32とを通過して接続部13からエア管10に送られる。
【0042】
次に、図8及び図9に基づき、吸気装置5をエプロン8に取り付ける装着工程を説明する。尚、図8は吸気装置5をエプロン8の開口Hに装着する前を示す図、図9は吸気装置5をエプロン8の開口Hに装着した後を示す図である。
【0043】
(第1工程)
まず、エプロン8に吸気装置5を装着するための開口Hを加工装置によって形成する。開口Hは、押え部材21が最も縮径した状態で、吸気本体11が通過可能な大きさとされる。図8に示すように、カバー部材14が外された吸気装置5は、ネジ部材20を左回転操作して、押え部材21を縮径状態にする。尚、開口Hの外周縁部にパッキンを配置する場合は、予めパッキンを吸気装置5或いは開口Hの外周縁部に設置する。
【0044】
(第2工程)
エプロン8の外部から、押え部材21を縮径状態とした吸気本体11を接続部13から開口Hに通過させ、吸気本体11が桶部6とエプロン8との間に位置すると共に、フランジ部12がエプロン8の表面に位置するように配置する。
【0045】
(第3工程)
所定の工具によって、一方のネジ部材20の右回転操作を開始する。ネジ部材20の右回転操作のネジ込みにより、押え部材21は、ガイド部24にガイドされて縮径状態から螺合部21eを中心とした右回動とフランジ部12に対する接近移動とを開始する。図9に示すように、押え部材21が拡径状態になったとき、フランジ部12に対する接近移動のみが行われ、その後、押え部材21がエプロン8の裏面に当接する。押え部材21とフランジ部12とのエプロン8の挟み込み力が所定値以上になった時点で、ネジ部材20の右回転操作のネジ込みを終了する。
【0046】
(第4工程)
他方のネジ部材20についても同様の作業を行った後、エア管10と接続部13との接続及びカバー部材14の装着を行って吸気装置5の装着工程を終了する。
【0047】
次に、本実施例に係る吸気装置5の作用・効果を説明する。
吸気装置5の装着時、押え部材21を縮径状態にするため、取付壁となるエプロン8の開口Hを小径にできる。また、開口Hの縁部から離間した位置でエプロン8を挟持できるため、エプロン8自体の強度と吸気装置5の取付強度を確保できる。
【0048】
しかも、ネジ部材20は、フランジ部12ではなく吸気本体11に形成された貫通穴19に支持されるため、一層フランジ部12を小さくし、吸気装置5をコンパクト化できる。
また、押え部材31の回動を円弧状の面接触でガイドするガイド部24を有するため、吸気装置5の装着時、ネジ部材20のネジ込み動作によって、押え部材21の縮径状態から拡径状態までの回動を円滑に行うことができる。
【0049】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、一対の押え部材を設けた例について説明したが、少なくとも1つの押え部材を有するものであれば良く、3つ以上設けるものであっても良い。
【0050】
2〕前記実施例においては、吸気装置を浴槽のエプロンに設ける例について説明したが、浴室の壁、或いは建物の外壁等屋外に設ける場合にも適用できる。また、吸気装置は水平方向に装着するものに限られず、垂直方向に向けて装着することも可能である。
【0051】
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、エアを浴槽内に供給可能な気泡浴槽の吸気装置全般に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 浴槽
4 アダプタ
5 吸気装置
8 エプロン
11 吸気本体
12 フランジ部
15 側壁部
16 ストッパ部
19 貫通穴
20 ネジ部材
21 押え部材
22 第1ストッパ部
23 第2ストッパ部
24 ガイド部
H 開口




【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽内にエアを供給可能な吸気本体と、この吸気本体の外周部分に形成され且つ取付壁の表面に設置されるフランジ部とを有する気泡浴槽の吸気装置において、
取付壁の裏面に当接させた状態では前記フランジ部と協働して前記取付壁を挟持可能に構成された押え部材であって、吸気本体に接近した縮径状態と、この縮径状態よりも外周側へ回動した拡径状態とに亙って所定角度回動可能な押え部材と、
前記吸気本体に形成された保持部に貫通状に支持され且つ前記押え部材に螺合されて前記押え部材を前記フランジ部に対して接近・離隔可能なネジ部材とを備え、
前記ネジ部材のネジ込みにより前記押え部材を縮径状態から前記所定角度回動させて拡径状態に切換えて前記フランジ部と協働して前記取付壁を挟持するように構成したことを特徴とする気泡浴槽の吸気装置。
【請求項2】
前記吸気本体は、前記押え部材の縮径状態から拡径状態までの回動を可能にすると共に前記拡径状態以降の回動を禁止するストッパ部を有することを特徴とする請求項1に記載の気泡浴槽の吸気装置。
【請求項3】
前記ストッパ部は、前記押え部材の回動を円弧状の面接触でガイドするガイド部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の気泡浴槽の吸気装置。
【請求項4】
前記吸気本体は、表面に取付壁と平行な壁部を有すると共にこの取付壁に形成された開口よりも小径とされ、前記保持部は前記壁部に設けられたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気泡浴槽の吸気装置。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−166953(P2010−166953A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−9747(P2009−9747)
【出願日】平成21年1月20日(2009.1.20)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】