説明

気泡発生装置

【課題】気泡による効果と芳香による効果を同時に得ることができる気泡発生装置を提供する。
【解決手段】空気供給手段15と、この空気供給手段15から供給された空気により気泡を発生する気泡発生部たる座板3とを備える。空気供給手段15をケース11内に収納し、このケース11内に吸気路17を設け、この吸気路17に芳香材収納部22を設け、この芳香材収納部22の芳香源を交換可能に設けたから、吸気路17の空気に芳香を付与し、芳香を備えた気泡が得られる。また、芳香源26を交換することにより、種々の芳香を楽しむことができる。さらに、マイナスイオン発生部34を備えるから、発生する気泡からマイナスイオンが発生し、マイナスイオン効果をも得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴槽などにおいて気泡を発生させる気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、浴槽に配置する椅子本体に気泡を発生する機構を具備してなり、断面円形に成る管材を数本適当間隔をおいて構成した座部の下方部に散気管を設置し、この散気管に送風して微細気泡を発生せしめるように構成した気泡発生装置があり、気泡発生装置では、浴槽に配置した椅子本体の散気管に送風することにより、多孔質からなる散気管から微細気泡が発生し、この微細気泡は座部の多数の並列管材間をスムーズに且つ均等に上昇し、下半身に良好な刺激を与える(例えば特許文献1)。
【0003】
また、入浴などにおいて、芳香薬剤を配合した入浴剤を用いることによりアロマセラピー効果が得られることが知られている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−73301
【特許文献2】特開平6−271455
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術のように、入浴などにおいて、気泡による効果と芳香による効果を同時に得るためには、気泡発生装置と入浴剤とを別々に用いる必要があり、手間が掛かる面がある。
【0005】
また、芳香効果以外にも、入浴に適した雰囲気が得られれば、さらに商品価値が向上する。
【0006】
そこで、本発明は、気泡による効果と芳香による効果を同時に得ることができる気泡発生装置を提供することを目的とし、加えて、他の効果を付与することにより商品価値を高めることができる気泡発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1では、空気供給手段と、この空気供給手段から供給された空気により気泡を発生する気泡発生部とを備えた気泡発生装置において、前記空気に芳香を付与する芳香付与手段を備えるものである。
【0008】
本発明の請求項2では、前記空気供給手段をケース内に収納し、このケース内に空気通路を設け、この空気通路に前記芳香付与手段を設けたものである。
【0009】
本発明の請求項3では、前記空気通路に吸気部を設け、この吸気部に前記芳香材付与手段を設け、この芳香材付与手段に芳香材の供給源を交換可能に設けたものである。
【0010】
本発明の請求項4では、前記空気通路にマイナスイオンを供給するマイナスイオン発生部を備えるものである。
【0011】
本発明の請求項5では、前記気泡発生部が、前記空気通路の末端側に連結され、気泡を発生する複数の小孔を有する座板であるものである。
【0012】
本発明の請求項6では、前記座板には、左右の前後突条とこれら前後突条を連結する左右突条との間に着座面を設けたものである。
【0013】
本発明の請求項7では、前記座板に鉱石を収納したことを特徴とする請求項5又は6記載の気泡発生装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、発生する気泡と気泡に含まれる芳香により、マッサージ効果と芳香効果とを同時に得ることができる。
【0015】
本発明の請求項2によれば、空気通路の空気に芳香を付与し、芳香を備えた気泡が得られる。
【0016】
本発明の請求項3によれば、芳香材の供給源を交換することにより、種々の芳香を楽しむことができる。
【0017】
本発明の請求項4によれば、発生する気泡からマイナスイオンが発生し、マイナスイオン効果をも得られる。
【0018】
本発明の請求項5によれば、浴槽に配置した座板に着座した状態で、気泡によるマッサージ効果を得ることができる。
【0019】
本発明の請求項6によれば、着座面に安定して着座することができる。
【0020】
本発明の請求項7によれば、鉱石により遠赤外線効果などが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。各実施例では、従来とは異なる新規な気泡発生装置を採用することにより、従来にない気泡発生装置が得られ、その気泡発生装置について記述する。
【実施例1】
【0022】
以下、本発明の実施例1について、図1〜図10を参照して説明する。同図に示すように、気泡発生装置1は、装置本体2と、気泡を発生する気泡発生部たる座板3とを備える。前記装置本体2は、ケース本体11を備え、このケース本体11は、下ケース12と、この下部ケース12の上部に着脱自在に設ける蓋ケース13とを備え、この蓋ケース13は断面略逆U字状をなし、前記下ケース12は、底板部12Aと相互に対向する側板部12B,12Cとを備え、底板部12Aの下部に脚部14を備える。
【0023】
前記ケース本体11内にダイヤフラムブロアなどの空気供給手段15を内蔵し、この空気供給手段15の吸込口と一方の側板部12Bに設けた吸気部16とを吸気路17により連結し、前記空気供給手段15の吐出口と他方の側板部12Cに設けた吐出部18とを吐出路19により連結する。尚、前記吸気路17と空気供給手段15と吐出路19が空気通路である。
【0024】
前記吸気部16は、前記側板部12Bに縦長方形の開口部19を有し、この開口部21に底角筒型の芳香材収納部22が設けられ、この芳香材収納部22の下部前側を枢軸23により側板部12Bに回動自在に設けると共に、閉めた状態で、芳香材収納部22の前板22Mが前記開口部21を塞ぐ。この状態で、芳香材収納部22の上部開口22Jが、吸気路17に連通する。また、前記前板部22Mの上部には摘み24が設けられ、前板部22Mの下部には複数の小孔からなる吸気口25が設けられている。尚、芳香材収納部22の側面にも、図示しない吸気口25が穿設されている。
【0025】
そして、前記摘み24を外側に引いて、芳香材収納部22の上部を前側に倒すと、前記芳香材収納部22の後面部の上縁22Uが、開口部21の上縁内面21Nに当接し、位置決めされ、芳香材収納部22の上部開口22Jから芳香源26を出し入れすることができる。この芳香源26は芳香材の供給源であって、芳香材を詰めたアロマポットや、芳香材を含んだスポンジなどが例示され、芳香材は各種のものを用いることができる。
【0026】
前記ケース11内の側板部12C側には、制御手段たる制御基板31が設けられると共に、この制御基板31の上部を覆う板状の覆い32が設けられ、この覆い32の下部にマイナスイオン発生器33が取り付けられ、このマイナスイオン発生器33は、高電圧発生装置などからなり、前記吐出路17に設けたマイナスイオン発生部34において、マイナスイオンを発生せしめる。マイナスイオン発生部34は放電電極などにより構成され、マイナスイオン発生器33により高電圧が印加されることにより、コロナ放電などにより、マイナスイオンを発生する。尚、マイナスイオン発生器33及び空気供給手段15の制御は、前記制御基板31により行われる。また、側板部12Cには、気泡発生装置1を操作する操作部35が設けられ、この操作部35により装置1のオン・オフやマイナスイオン発生のオン・オフやそれらを連続運転と間欠運転に切り替えたり、さらにはタイマー運転により設定した時間だけ気泡発生及び/又はマイナスイオンの発生の運転をするように設定したりすることができる。尚、図中、36は装置本体2を持ち運ぶ際などに使用するハンドルである。
【0027】
前記吐出路19の先端に位置する前記吐出部18は、雌ソケットになっており、可撓性管材であるホース41が接続され、このホース41の他端には、気泡発生部たる座板3が接続される。
【0028】
この座板3は略長方形形状の板状をなし、四隅の角部が湾曲状に形成され、前側角部52,52が後側角部より大きな曲率の湾曲状に形成されている。前記座板3は、下板部53と上板部54とからなり、図7に示すように、周囲溝55と、周囲溝55を連結する中央の左右溝56と、この左右溝56と周囲溝55の前側中央を連結する前側溝57とを備え、上,下板部53,54を組み立てることにより、これら上板部53により周囲溝55,左右溝56及び前側溝57の上部が閉塞されて周囲溝通路55A,左右溝通路56A及び前側溝通路57Aが形成され、そして、周囲溝55の前側角部52位置に接続管59が突設され、この接続管58は前記周囲溝通路55Aに連通し、その接続管59に前記ホース41の他端が接続されている。
【0029】
前記上板部54には、前記通路53A,54A,55Aに連通する大きさの異なる小孔58,58A,58Bが複数穿設され、これら小孔58,58A,58Bから気泡が発生する。前記小孔58,58A,58Bの直径は、5mm,4mm,2mmなどが例示される。
【0030】
このように座板3の内部全体に空気を吹き込むことなく、通路53A,54A,55Aに空気を圧送することにより、騒音を低減することができる。すなわち、通路がないと、座板3内に共鳴が発生し、騒音が大となる。
【0031】
また、大きさの異なる小孔58,58A,58Bから気泡を出すことにより、大きさの異なる気泡が発生し、気泡が割れる際、洋々な領域の超音波が発生し、マッサージ効果が得られる。
【0032】
前記座板3の上板部54には、後側の左右に前後突条61,61を設け、これら前後突条61,61は前後方向に設けられ、両側の前後突条61,61の前側を左右方向の左右突条62により連結している。図8に示すように、前後突条61,61の内側は緩やかな湾曲傾斜面61A,61Aに形成され、図9に示すように、左右突条62は、前後突条61,61より低く形成されている。そして、前記前後突条61,61と左右突条62との間に着座面66が形成される。
【0033】
したがって、前後突条61,61間に着座することにより、安定して着座することができ、さらに、骨盤の広がりを縮小し、左右の骨盤の矯正を行うことができる。また、左右突条62により前後に滑ることがない。
【0034】
また、前記周囲溝55,左右溝56及び前側溝57の間の収納空間63には、トルマリン,アパタイト・麦飯石・ゲルマニュームなどの遠赤外線効果が期待できる鉱石64を収納し、収納空間63に対応して、前記上板部54に複数の通水孔65が穿設されている。
【0035】
次に、前記構成につき、その作用を説明する。芳香材収納部22に好みの芳香源26を入れ、芳香材収納部22により開口部21を閉める。一方、座板3をお湯を入れた浴槽(図示せず)の底面上に配置する。
【0036】
操作部35を操作して空気供給手段15を駆動すると、空気が吸気口25から吸い込まれ、芳香材収納部22の芳香源26により芳香が付与され、この芳香が付与された空気が、吸気路17,空気供給手段15,吐出路19,ホース41を通って座板3へと送られ、前記通路53A,54A,55Aを通って小孔58,58A,58Bから気泡が発生する。この気泡には、アロマオイルや香料などの芳香が付与されており、香りと共に気泡のマッサージ効果を得ることができる。
【0037】
また、操作部35の操作により、マイナスイオン発生器33を駆動し、空気にマイナスイオンを混合すれば、マイナスイオンを含んだ気泡が発生し、マイナスイオン効果が得られる。
【0038】
上記のように溝状の通路55A,56A,57Aを設けることにより、騒音が低減される。また、鉱石64の効果により、マイナスイオンや遠赤外線効果や新陳代謝などの効果がえられ、体の汚れや老廃物が落ち易くなり、発汗作用も得られる。また、座板3にすらることにより骨盤の広がりを縮小し、左右の骨盤の矯正効果が期待できる。
【0039】
このように本実施例では、請求項1に対応して、空気供給手段15と、この空気供給手段15から供給された空気により気泡を発生する気泡発生部たる座板3とを備えた気泡発生装置において、空気に芳香を付与する芳香付与手段たる芳香材収納部22を備えるから、発生する気泡と気泡に含まれる芳香により、マッサージ効果と芳香効果とを同時に得ることができる。
【0040】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、空気供給手段15をケース11内に収納し、このケース11内に空気通路たる吸気路17を設け、この吸気路に芳香付与手段たる芳香材収納部22を設けたから、吸気路17の空気に芳香を付与し、芳香を備えた気泡が得られる。
【0041】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、空気通路たる吸気路17に吸気部16を設け、この吸気部16に前記芳香材付与手段たる芳香材収納部22を設け、このたる芳香材収納部22に芳香材の供給源たる芳香源26を交換可能に設けたから、芳香源26を交換することにより、種々の芳香を楽しむことができる。
【0042】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、空気通路たる吐出路19にマイナスイオンを供給するマイナスイオン発生部34を備えるから、発生する気泡からマイナスイオンが発生し、マイナスイオン効果をも得られる。
【0043】
また、このように本実施例では、請求項5に対応して、前記気泡発生部は、空気通路たる吐出路19の末端側にホース41により連結され、気泡を発生する複数の小孔58,58A,58Bを有する座板3であるから、浴槽に配置した座板3に着座した状態で、気泡によるマッサージ効果を得ることができる。
【0044】
また、このように本実施例では、請求項6に対応して、座板3には、左右の前後突条61,61とこれら前後突条61,61を連結する左右突条62との間に着座面66を設けたから、着座面66に安定して着座することができる。
【0045】
また、このように本実施例では、請求項7に対応して、座板3に鉱石64を収納したから、遠赤外線効果なども得られる。
【0046】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、小孔の大きさは適宜選定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1を示すケースの断面図である。
【図2】同上、ケースの一方の側面図である。
【図3】同上、ケースの他方の側面図である。
【図4】同上、芳香材収納部回りの断面図である。
【図5】同上、気泡発生部の斜視図である。
【図6】同上、気泡発生部の平面図である。
【図7】同上、気泡発生部の下板部の平面図である。
【図8】同上、気泡発生部の正面図である。
【図9】同上、気泡発生部の背面図である。
【図10】同上、気泡発生部の側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 気泡発生器
2 装置本体
3 座板(気泡発生部)
11 ケース
15 空気供給手段
16 吸気部
17 吸気路(空気通路)
18 吐出部
19 吐出路(空気通路)
22 芳香材収納部(芳香材付与手段)
25 吸気口
26 芳香源(芳香材の供給源)
34 マイナスイオン発生部
41 ホース(可撓性管材)
58 小孔
61 前後突条
62 左右突条
64 鉱石
66 着座面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気供給手段と、この空気供給手段から供給された空気により気泡を発生する気泡発生部とを備えた気泡発生装置において、前記空気に芳香を付与する芳香付与手段を備えることを特徴とする気泡発生装置。
【請求項2】
前記空気供給手段をケース内に収納し、このケース内に空気通路を設け、この空気通路に前記芳香付与手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の気泡発生装置。
【請求項3】
前記空気通路に吸気部を設け、この吸気部に前記芳香材付与手段を設け、この芳香材付与手段に芳香材の供給源を交換可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の気泡発生装置。
【請求項4】
前記空気通路にマイナスイオンを供給するマイナスイオン発生部を備えることを特徴とする請求項2記載の気泡発生装置。
【請求項5】
前記気泡発生部が、前記空気通路の末端側に連結され、気泡を発生する複数の小孔を有する座板であることを特徴とする請求項2記載の気泡発生装置。
【請求項6】
前記座板には、左右の前後突条とこれら前後突条を連結する左右突条との間に着座面を設けたことを特徴とする請求項5記載の気泡発生装置。
【請求項7】
前記座板に鉱石を収納したことを特徴とする請求項5又は6記載の気泡発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−88746(P2010−88746A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263227(P2008−263227)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(592022925)株式会社ダイレクトジャパン (5)
【Fターム(参考)】