説明

水中曝気撹拌装置

【目的】貯水池内に配置される水流発生機および水中ブロアの給電ケーブルエアー供給管の損傷を防止するとともに、水流発生機および水中ブロアのメンテナンスを安全にかつ容易に行う。
【構成】スライド台20上に据え付けられた水流発生機31および水中ブロア32が案内柱10に沿って下降されることにより貯留水内に配置され、貯留水の撹拌および曝気が行われる。水流発生機31および水中ブロア32に対して給電する給電ケーブル33および水中ブロア32に対して空気を供給するエアー供給管34は、中空になった案内柱10の切欠溝11から案内柱10内に進入して案内柱10の内部を挿通し、案内柱10の上端部から延出して、地表に配置された巻き取り機60の各巻き取りドラム63および64に巻き取られている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沈砂池、汚水処理槽等の貯水池における貯留水を撹拌および曝気して浄化するために使用される水中曝気撹拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】貯水池内の貯留水は、長時間にわたって滞留していると、活性化されずに腐敗するおそれがある。このために、曝気撹拌装置によって、貯留水を撹拌するとともに、貯留水内に空気を吹き込んで曝気処理することが行われている。
【0003】特開平4−260498号公報には、水流発生機および水中ブロアーを相互に近接した状態で水中に配置する水中曝気撹拌装置が開示されている。この公報に開示された水中曝気撹拌装置は、水流発生機および水中ブロアが、貯水池の側壁に沿って上下方向に配置された案内柱に沿って昇降し得るようになっている。そして、水流発生機および水中ブロアに対する給電のための給電ケーブルおよび水中ブロアに対する空気供給のためのエアー供給管は、貯水池の側壁に沿って、あるいは案内柱の内部を通って、地表にまで延出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような水中曝気撹拌装置は、メンテナンス等のために、水流発生機および水中ブロアが水中から引き上げられるようになっている。水流発生機および水中ブロアが水中から引き上げられる際には、給電ケーブルおよびエアー供給管が撓んだ状態になり、貯水池の側壁等に接触して損傷するおそれがある。また、給電ケーブルおよびエアー供給管が貯留水内に浸漬された状態では、貯留水内の汚れ等が付着したり激しく磨耗するおそれがあり、頻繁に清掃等のメンテナンスをする必要もある。
【0005】また、水流発生機および水中ブロアは、貯水池の側壁に沿って設けられた案内柱に沿って引き上げられた状態でメンテナンスされるようになっているが、引き上げられた水流発生機および水中ブロアは、貯水池の側壁から貯水池の水面上に延出した状態になっている。このために、地表から水面上に身を乗り出すようにして、水流発生機および水中ブロアをメンテナンスする必要があり、メンテナンス作業が容易ではなく、また、危険でもある。
【0006】本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、その目的は、水中に配置される水流発生機および水中ブロアに接続された給電ケーブルおよびエアー供給管の損傷、汚れの付着、磨耗等を抑制して、メンテナンス作業の頻度を低減し得る水中曝気撹拌装置を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、水流発生機および水中ブロアを水中から引き上げてメンテナンする場合の作業性に優れており、しかも、そのようなメンテナンスに際しても給電ケーブルおよびエアー供給管が損傷するおそれのない水中曝気撹拌装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の水中曝気撹拌装置は、貯水池の側壁に沿って上下方向に配置されており、上下方向に沿って切欠溝が形成された中空の案内柱と、この案内柱に上下方向にスライドし得るように支持されたスライド台と、このスライド台上にそれぞれ据え付けられた水流発生機および水中ブロワーを有する水中曝気撹拌本体部と、水中曝気撹拌本体部に対する給電およびエアー供給のために、この水中曝気撹拌本体部にそれぞれ接続されており、前記案内柱の切欠溝を通って案内柱の内部に進入し、この案内柱の内部を挿通して案内柱の上端部から延出した可撓性を有する給電ケーブルおよびエアー供給管と、前記案内柱の上端部に近接した地表上に配置されており、給電ケーブルおよびエアー供給管がそれぞれ巻き取られるように、それぞれの巻き取り方向に付勢された一対の巻き取りドラムを有する巻き取り装置と、を具備することを特徴とするものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0009】前記案内柱は水平方向に旋回可能であって、前記スライド台は案内柱の旋回に伴って旋回するようになっており、前記巻き取り装置は、案内柱の旋回方向に直線的にスライドし得るように配置されている。
【0010】前記巻き取り装置は、案内柱の上端部から延出する給電ケーブルおよびエアー供給管に張力を付与するテンションローラーを有している。
【0011】
【作用】本発明の水中曝気撹拌装置では、スライド台上に据え付けられた水流発生機および水中ブロアが案内柱に沿って下降されることにより貯留水内に配置され、貯留水の撹拌および曝気が行われる。水流発生機および水中ブロアに対して給電する給電ケーブルおよび水中ブロアに対して空気を供給するエアー供給管は、中空になった案内柱の切欠溝から案内柱内に進入して案内柱の内部を挿通し、案内柱の上端部から延出して、地表に配置された巻き取り機の各巻き取りドラムに巻き取られている。
【0012】水流発生機および水中ブロアを水中から引き上げてメンテナンスする際には、スライド台が案内柱に沿って上昇される。このとき、給電ケーブルおよびエアー供給管は、巻き取り機の各巻き取りドラムによって自動的に巻き取られて、案内柱内を上昇する。
【0013】引き上げられた水流発生機および水中ブロアをメンテナンスする場合には、案内柱を水平方向に旋回させることにより、スライド台上に保持された水中曝気撹拌本体部が、貯水池の側壁に接近される。このとき、地表に配置された巻き取り機がスライドされる。スライド台の旋回に伴って、案内柱から各巻き取りドラムまでの給電ケーブルおよびエアー供給管の距離が変動するが、巻き取り機のスライドによって、その距離の変動が吸収される。また、案内管から延出した給電ケーブルおよびエアー供給管に対してテンションローラーによって付与される張力が変化することによっても、案内柱から巻き取り機の各巻き取りドラムまでの給電ケーブルおよびエアー供給管の距離の変動が吸収される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。
【0015】図1は本発明の水中曝気撹拌装置の側面図、図2はその水中曝気撹拌装置の正面図、図3はその平面図である。
【0016】この水中曝気撹拌装置は、図1に示すように、貯水池40の側壁41に鉛直状態で支持された1本の案内柱10と、この案内柱10に上下方向へのスライド可能に支持されたスライド台20と、このスライド台20上に据え付けられた水中曝気撹拌本体部30とを有している。
【0017】案内柱10は、内部が中空になった管状になっており、貯水池40の側壁41に取り付けられた上下一対のブラケット42および43によって、貯留水の上方に延出した上部および貯留水内に浸漬された下部がそれぞれ保持されている。案内柱10の上端部は、貯水池40の側壁41上端部近傍にまで達している。
【0018】図4は図1のA−A線における断面図である。案内柱10は、断面が正方形状になっており、貯水池40における側壁41の遠方側の側面に、上下方向に沿って全体にわたって切欠された切欠溝11が設けられている。
【0019】各ブラケット42および43は、図1に示すように、貯水池40の側壁41に水平状態で取り付けられたアーム部材42aおよび43aと、各アーム部材42aおよび43aの先端部に鉛直状態で支持された支持軸42bおよび43bにより回動可能に連結された回動部材42cおよび43cとを有している。
【0020】各回動部材42cおよび43cは、各アーム部材42aおよび43aに対して、各支持軸42bおよび43bを中心として水平方向に回動するようになっている。各回動部材42cおよび43cは、アーム部材42aおよび43aの遠方側が、案内柱10の周囲に嵌合する環状になっており、切欠溝11に対向する部分が切欠されて、切欠溝11が露出した状態になっている。
【0021】各回動部材42cおよび43cによって保持された案内柱10の上部および下部は、回動部材42cおよび43cが支持軸42bおよび43bを中心として水平方向に回動することにより、支持軸42bおよび43bを中心として、鉛直状態を保持した状態で水平方向に旋回する。
【0022】図1および図4に示すように、上側のブラケット42における回動部材42cには、半円板状になった固定板42dがアーム部材42a上に延出するように水平状態で取り付けられている。この固定板42dは、回動部材42cと一体となって支持軸42bを中心として回動するようになっており、図4に示すように、円弧状になった外周縁部には、周方向に所定の間隔をあけて複数の貫通孔42fが設けられている。そして、回動部材42cの回動によって各貫通孔42fにそれぞれ対向するように、アーム部材42aに1個の取付孔(図示せず)が設けられている。そして、固定板42dのいずれかの貫通孔42fとアーム部材42aの取付孔とを対向させた状態で、その貫通孔42fおよび取付孔にアイボルト42eが挿通されることにより、回動部材42cが回動しないように固定されるようになっている。
【0023】案内柱10にスライド可能に支持されたスライド台20は、水中曝気撹拌本体部30が据え付けられる水平状態の支持板21と、案内柱10に近接した支持板21上に鉛直状態で取り付けられたフレームパネル22とを有している。
【0024】フレームパネル22は、案内柱10の切欠溝11に対向する背面の上部および下部に、基端部がそれぞれ取り付けられた水平な支持ロッド23および24を有している。各支持ロッド23および24の先端部は、切欠溝11内を挿通して、案内柱10内に進入している。
【0025】案内柱10内に進入した各支持ロッド23および24の先端部には、切欠溝11が設けられた案内柱10の内側面を転接する一対のガイドローラー25および26がそれぞれ設けられており、さらに各ガイドローラー25および26に並設して、案内柱10の切欠溝11に対向する内側面に転接する一対のガイドローラー27および28がそれぞれ設けられている。上部の一対のガイドローラー25および下部の一対のガイドローラー26は、切欠溝11が設けられた案内柱10の内側面に圧接されており、上部の一対のガイドローラー27および下部の一対のガイドローラー28は、切欠溝11に対向する案内柱10の内側面に圧接されている。これにより、スライド台20の支持板21は、水平状態に保持されている。
【0026】各ブラケット42および43によって水平方向への旋回可能に支持された案内柱10から、切欠溝11を通って延出した各支持ロッド23および24は、案内柱10の水平方向への旋回に対して、一体となって水平方向に旋回するようになっている。
【0027】鉛直状態になったフレームパネル22の上部には、吊り具29が取り付けられており、この吊り具29に、チェーン51の下端部が係止されている。チェーン51の上端部は、走行クレーン等の適当な昇降装置のフック54に係止されるようになっており、その昇降装置によってチェーン51を昇降させることにより、スライド台20が案内柱10に沿って水平状態で昇降される。スライド台20が昇降する際には、各ガイドローラー25〜28が、案内柱10の内周面を転接するために、スライド台20は案内柱10に沿って円滑に昇降する。
【0028】スライド台20上に据えつけられた水中曝気撹拌本体部30は、例えば、特開平4−260498号公報に開示されているように、案内柱10の遠方側に配置された水流発生機31と、案内柱10に近接して配置された水中ブロア32とを有している。水流発生機31は、内部に配置された回転羽根が回転することにより、周囲の貯留水を、案内柱10から離れる方向へ、撹拌しつつ吐出する。水中ブロア32は、水面上の大気を吸引して、水流発生機31に向かって大気を吐出するようになっている。
【0029】水流発生機31および水中ブロア32に対する給電線は、可撓性を有する給電ケーブル33内に一括されており、この給電ケーブル33は、案内柱10の切欠溝11を通って案内柱10内に挿入されている。同様に、水中ブロア32に水面上の大気を導入する可撓性のエアー供給管34も、案内柱10の切欠溝11を通って案内柱10内に挿入されている。
【0030】案内柱10内に挿入された給電ケーブル33およびエアー供給管34は、案内柱10の内部を挿通して、案内柱10の開口した上端面から延出している。そして、貯水池40の側壁41上である地表に配置された巻き取り機60にて、それぞれ巻き取られている。
【0031】巻き取り機60は、案内柱10に対して接離する方向に対して直交する方向に直線的にスライドし得るように、下面に2組のガイド輪65が設けられた水平状の基板61と、この基板61上に取り付けられたドラムベース62と、このドラムベース62上にそれぞれ取り付けられた給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64と有している。
【0032】給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64は、それぞれの軸心が、基板61のスライド方向に沿うように、ドラムベース62に回転可能に支持されている。そして、給電ケーブル用巻き取りドラム63には給電ケーブル33が巻き取られており、エアー供給管用巻き取りドラム64にはエアー供給管34が巻き取られている。給電ケーブル供給管33が巻き取られた給電ケーブル用巻き取りドラム63には、給電ケーブル供給管33の端部と電気的に接続された給電線63aが設けられており、この給電線63aが電源に電気的に接続されている。また、エアー供給管34が巻き取られたエアー供給管用巻き取りドラム64には、エアー供給管34の端部が連通状態で接続された大気導入部64bが設けられている。
【0033】給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64は、給電ケーブル33の巻き取り方向およびエアー供給管34の巻き取り方向に、それぞれ、常時、付勢された状態になっており、従って、給電ケーブル33およびエアー供給管34は、案内柱10内をたるまない状態で挿通している。
【0034】貯水池40の側壁41上をスライドし得る基板61は、側壁41に埋め込まれるボルト67によって、その位置が固定されるようになっている。
【0035】水平状態になった基板61には、案内柱10から上方に延出して、給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64にて巻き取られる給電ケーブル33およびエアー供給管34に転接して張力を与えるテンションローラー66が取り付けられている。このテンションローラー66の軸心は、給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64の各軸心と平行になっており、貯水池40の側壁41から貯水池40内の水面上に位置するように突出した状態になっている。
【0036】このような構成の水中曝気撹拌装置は、昇降装置によってスライド台20が案内柱10に沿って下降されて、貯水池40の貯留水内に水中曝気撹拌本体部30が配置されるようになっている。このとき、水流発生機31および水中ブロア32の並設方向が側壁41に対してほぼ直交状態となるように、案内柱10が水平方向に旋回される。そして、上側のブラケット42における固定板42dの所定の貫通孔42fとアーム部材42aに設けられた取付孔とを整合状態として、それらにアイボルト42eを挿通することにより、案内柱10は旋回しない状態に固定される。
【0037】このような状態で、スライド台20が案内柱10に沿って下降されて、貯留水内の所定位置に水中曝気撹拌本体部30が配置されると、水中曝気撹拌本体部30の水流発生機31および水中ブロア32が駆動され、水流発生機31によって周囲の貯留水が撹拌されるとともに、エアー供給管34によって水中ブロア32に供給される空気が、撹拌された貯留水内に吹き込まれる、これにより、貯留水が撹拌および曝気される。
【0038】水中曝気撹拌本体部30に対する給電ケーブル33およびエアー供給管34は、案内柱10内を挿通して、水面上にまで引き上げられており、水中に配置された水中曝気撹拌本体部30による曝気および撹拌に際して、水中の汚れ等の付着、磨耗が抑制される。
【0039】水中曝気撹拌本体部30をメンテナンスする場合には、昇降装置によって、スライド台20とともに水中曝気撹拌本体部30が、案内柱10に沿って引き上げられる。このとき、案内柱10内を挿通する給電ケーブル33およびエアー供給管34は、地表に配置された巻き取り機60のテンションローラー66によってテンションが付与された状態で、巻き取り機60の給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64によって、それぞれ、順次、巻き取られる。このために、給電ケーブル33およびエアー供給管34は、案内管10内に沿って引き上げられる際にもたるむおそれがなく、給電ケーブル33およびエアー供給管34の損傷が防止される。
【0040】このようにして、水面上に水中曝気撹拌本体部30が引き上げられると、上側のブラケット42のアイボルト42eがはずされて、案内柱10が、各ブラケット42および43の支持軸42bおよび43bを中心として水平方向に旋回される。これにより、図3に二点鎖線で示すように、水面上に引き上げられた水中曝気撹拌本体部30全体が、貯水池40の側壁41に接近される。そして、水中曝気撹拌本体部30が、貯水池40の側壁41に接近した適当な位置になると、上側のブラケット42の固定板42dにおける適当な貫通孔42fとアーム部材42aに設けられた取付孔とにアイボルト42eが挿通されて、案内柱10およびスライド台20が旋回しないように固定される。
【0041】案内柱10の旋回によって、案内柱10の上端面から延出して、巻き取り機60の各給電ケーブル用巻き取りドラム63およびエアー供給管用巻き取りドラム64に巻き取られた給電ケーブル33およびエアー供給管34は、当初の状態から旋回方向にずれた状態になる。このために、巻き取り機60は、ボルト67を貯水池40の側壁41から取り外して、そのずれた寸法に相当する距離だけ、旋回方向に直線的にスライドされる。これにより、給電ケーブル33およびエアー供給管34の旋回方向のずれが吸収され、両者に無理な力が加わらず、損傷するおそれがない。
【0042】案内柱10の旋回によって、同時に、給電ケーブル33およびエアー供給管34は、貯水池40の側壁41上に配置された巻き取り機60に接近するが、その接近にともなって給電ケーブル33およびエアー供給管34は、巻き取り機60のテンションローラー66によって大きなテンションが付与された状態になり、両者は、当初の湾曲状態よりも曲率半径が大きくなった湾曲状態になる。これにより、給電ケーブル33およびエアー供給管34の損傷が防止される。また、給電ケーブル33およびエアー供給管34は、可撓性を有しているために、案内柱10の水平方向への旋回に伴って発生する軸心回りの捻じれも吸収されることになり、両者の破損が防止される。
【0043】このように、案内柱10の水平方向への旋回により、水中曝気撹拌本体部30が貯水池40の側壁41に接近しても、巻き取り機60のスライド、テンションローラー66による給電ケーブル33およびエアー供給管34に加わる張力の変動、給電ケーブル33およびエアー供給管34自身の可撓性等によって、給電ケーブル33およびエアー供給管34は破損するおそれがない。
【0044】水中曝気撹拌本体部30が貯水池40の側壁41に近接した状態になると、貯水池40の側壁41上に位置する作業員によって、水中曝気撹拌本体部30の水流発生機31および水中ブロア32のメンテナンスが実施される。水中曝気撹拌本体部30は、貯水池40の側壁41に近接した状態になっているために、メンテナンス作業が容易に、かつ、安全に実施することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の水中曝気撹拌装置は、このように、水中曝気撹拌本体部が据え付けられたスライド台がスライドする案内柱内を給電ケーブルおよびエアー供給管が挿通しているために、給電ケーブルおよびエアー供給管が汚れたり磨耗することが抑制される。水中曝気撹拌本体部をメンテナンスする際には、水中曝気撹拌本体部の引き上げにともなって、給電ケーブルおよびエアー供給管が巻き取り機の各巻き取りドラムによって自動的に巻き取られて、案内柱内を上昇するために、給電ケーブルおよびエアー供給管の損傷等が防止される。
【0046】案内柱は水平方向に旋回可能になっており、案内柱の旋回に伴って、スライド台に保持された水中曝気撹拌本体部も水平方向に旋回するために、水中曝気撹拌本体部は、貯水池の側壁に近接した状態になり、メンテナンス作業を安全にかつ容易に実施できる。水中曝気撹拌本体部の旋回に伴って、給電ケーブルおよびエアー供給管に無理な力が加わっても、巻き取り機のスライド、および巻き取り機に設けられたテンションローラーによる張力の変化等によって、給電ケーブルおよびエアー供給管は損傷するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水中曝気撹拌装置の一例を示す側面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】その平面図である。
【図4】図1のA−A線における断面図である。
【符号の説明】
10 案内柱
11 切欠溝
20 スライド台
21 支持板
22 フレームパネル
30 水中曝気撹拌本体部
31 水流発生機
32 水中ブロア
33 給電ケーブル
34 エアー供給管
40 貯水池
41 側壁
42 ブラケット
43 ブラケット
60 巻き取り機
63 給電ケーブル用巻き取りドラム
64 エアー供給管用巻き取りドラム
66 テンションローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 貯水池の側壁に沿って上下方向に配置されており、上下方向に沿って切欠溝が形成された中空の案内柱と、この案内柱に上下方向にスライドし得るように支持されたスライド台と、このスライド台上にそれぞれ据え付けられた水流発生機および水中ブロワーを有する水中曝気撹拌本体部と、水中曝気撹拌本体部に対する給電およびエアー供給のために、この水中曝気撹拌本体部にそれぞれ接続されており、前記案内柱の切欠溝を通って案内柱の内部に進入し、この案内柱の内部を挿通して案内柱の上端部から延出した可撓性を有する給電ケーブルおよびエアー供給管と、前記案内柱の上端部に近接した地表上に配置されており、給電ケーブルおよびエアー供給管がそれぞれ巻き取られるように、それぞれの巻き取り方向に付勢された一対の巻き取りドラムを有する巻き取り装置と、を具備することを特徴とする水中曝気撹拌装置。
【請求項2】 前記案内柱は水平方向に旋回可能であって、前記スライド台は案内柱の旋回に伴って旋回するようになっており、前記巻き取り装置は、案内柱の旋回方向に直線的にスライドし得るように配置されている請求項1に記載の水中曝気攪拌装置。
【請求項3】 前記巻き取り装置は、案内柱の上端部から延出する給電ケーブルおよびエアー供給管に張力を付与するテンションローラーを有している請求項2に記載の水中曝気攪拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平7−275883
【公開日】平成7年(1995)10月24日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−70755
【出願日】平成6年(1994)4月8日
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【出願人】(592260848)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)