説明

水容器付き給水器の製造方法

二重栓式水容器を上部に逆さに装着して、給水器の内部に水を供給する水容器付き給水器の製造方法において、上部は広く下部は狭い漏斗状をしており、上部の周縁部に水容器を支持する水容器装着部と、水容器装着部の下部の中央部から上側に突出し、上部が水容器の入口に挿入され、上部の側面に水が流入する流入口が設けられて下側に水を供給する水供給管と、水供給管の上部の中心部から上側に突出し、水供給管の内径より小さな直径を有する支持棒とを上下金型を使用して一体に成形する本体の成形工程と、水容器の内栓が挿入される半球形に形成され、中心部に垂直方向に支持棒が挿入される貫通孔が形成された栓固定部を支持棒と結合させる栓固定部の結合工程とを含む水容器付き給水器の製造方法。水容器付き給水器をスライドコアのない金型で製造するため、製造コストを著しく低下させ、金型跡によって水容器の外栓が破損することを防止できる。
【代表図】 図1


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水容器付き給水器の製造方法に関し、更に詳細には、二重栓式水容器を取付けて水を供給する水容器付き給水器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、給水器は、上部に水容器を逆さに装着して使用する方式が多く利用されている。前記の給水器の上部には、水容器を支持する水容器付き給水器が設けられる。水容器付き給水器は、水容器の入り口に挿入される水供給管を備えて、水容器内の水を給水器に供給することができる。
【0003】
ところが前記のような水容器付き給水器は、水容器を逆さに装着しなければならないため、水容器の装着時に、水がこぼれる恐れがある。この問題点を解決するための方策として、二重栓を使用する水容器が開示されている。
【0004】
二重栓は、外栓が水容器の首部を密閉し、内栓が栓の中央に形成された管を密閉する構造を有する。二重栓式水容器は、給水器の上部に逆さに装着され、水供給管が内栓を水容器の内部に押し込みつつ、栓の中央に形成された管に挿入される。したがって、水がこぼれることなく、水供給管が水容器の内部に挿入される。
【0005】
このような二重栓式水容器に挿入される水供給管は、内栓を水容器の内部に押し込みながら、上端が内栓により閉じられるため、水が流入する流入口が水供給管の側面に設けられることを特徴とする。
【0006】
このような二重栓式水容器が装着される水容器付き給水器は、水供給管の側面に流入口を設けなければならないため、従来は、横方向に移動するスライドコアを有する金型で、水容器装着部および水供給管部を別々に製造して組み立てる方法により製造していた。
【0007】
上述のように、水容器付き給水器は、横方向に移動するスライドコアを有する金型を用いて、水供給管部の側面を貫通する水流入口を形成しながら水供給管部を作製し、そして、水供給管部を水容器付き給水器に結合させるという、複雑で時間のかかる過程により製造される。
【0008】
ところが、横方向に移動するスライドコアを有する金型を用いる水容器付き給水器の製造工程は、水供給管部を製造したのち、水供給管の側面に流入口を設け、それを水容器装着部と結合するという複雑な過程を経るため、製造コストが高くなるという問題があった。
【0009】
さらに、横方向に移動するスライドコアによる横方向の金型跡が水供給管の側面に残り、縦方向に動く水容器の外栓の動作により、横方向の金型跡と水容器の外栓の動く方向が直交する。したがって水容器の装着時に、水容器の外栓が破損する恐れがあり、破損または分離した水容器の外栓が水供給管を通って、ユーザーに供給される水に混入するという問題があった。
【0010】
また、別々に製造された水容器装着部および水供給管部を組み立てなければならないため、製造時間が長く、組立て過程で不良品が発生する恐れがあり、結合が堅固でないため、漏水が発生する恐れがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、二重栓式水容器を装着する水容器付き給水器を、スライドコアのない金型を使用して、一体物として製造する方法を提供することを目的とする。
【0012】
本発明の他の目的および長所は、下記に説明されるとおりであり、本発明の実施形態によって理解される。また、本発明の目的および長所は、特許請求の範囲に示す手段および組み合わせにより実現される。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を解決するため、本発明の水容器付き給水器の製造方法は、外栓および内栓からなる二重栓式水容器を給水器の上部に逆さに装着して、給水器に水を供給する水容器付き給水器の製造方法において、
上部は広く下部は狭い漏斗状をしており、上部の周縁部に前記水容器を支持する水容器装着部と、
水容器装着部の下部の中央部から上側に突出し、上部が水容器の入口に挿入され、上部の側面に水が流入し得る流入口が設けられて下側に水を供給する水供給管と、
水供給管の上部の中心部から上側に突出し、水供給管の内径より小さな直径を有する支持棒とを、上下金型を使用して一体に成形する成形工程と、
水容器の内栓を挿入しうる半球形に形成され、中心部に垂直方向に支持棒を挿入しうる貫通孔が形成された栓固定部を、支持棒と結合させる栓固定部の結合工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
また本発明の水容器付き給水器の製造方法は、成形工程において、水供給管の上部の内側に位置し、水供給管の内壁から中心側に板状に突出し、上部では互いに連結され、下に行くほど水供給管の内壁側に傾いた形状を有する誘導板が一体に成形されることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明の水容器付き給水器の製造方法は、栓固定部の結合工程で、栓固定部と支持棒とが熱融着法によって結合されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の水容器付き給水器の製造方法によれば、二重栓式水容器が取付けられた水容器付き給水器を、横方向に移動するスライドコアを有しない金型を用いて、一度に製造することができるため、製造工程が簡単であり、かつ製造コストを著しく低くすることができる。
【0017】
また、横方向に移動するスライドコアが製造過程で使用されないため、スライドコアによる横方向の金型跡によって、縦方向に移動する水容器の外栓が破損することを防止できる。
【0018】
さらに水容器付き給水器が一体的に製造されるため、非常に堅固であり、組立て不良による不良品が発生することがない。したがって漏水を防止することができる。水供給管の内部の誘導板を一体に製造することによって、水および空気が水供給管を円滑に流れることができるため、ユーザーに水を間断なく供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲で使用された用語および単語は、通常的・辞書的な意味に限定解釈してはならない。また、発明者は自身の発明を最善の方法で説明するため用語の概念を適切に定義できるという原則に基づいて、用語および単語は本発明の技術的思想に符合する意味および概念に解釈しなければならない。
【0021】
したがって、本明細書に記載された実施形態および図面に示す構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て示すものではないため、本出願時点において、それらを代替することができる多様な均等物および変形例があり得る。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る水容器付き給水器の製造方法を示すフローチャートであり、図2は図1に示す製造方法により製造された水容器付き給水器の斜視図であり、図3は図2に示す水容器付き給水器の分解斜視図であり、図4は図2に示す水容器付き給水器の断面図であり、図5は図2に示す水容器付き給水器が給水器に設置された状態を示す断面図である。
【0023】
図1〜図5に示すように、本発明の一実施形態に係る水容器付き給水器の製造方法は、水容器付き給水器本体の成形工程および栓固定部の結合工程を含む。
【0024】
まず水容器付き給水器本体の成形工程(図1、S100)を説明する。
【0025】
水容器付き給水器本体の成形工程(図1、S100)は、水容器付き給水器100の本体をスライドコアのない上下金型を使用して、一体に成形する工程である。
【0026】
水容器付き給水器本体は水容器装着部110および水供給管120を備える。
【0027】
水容器装着部110は、上部は広く、下部は狭い漏斗状をしており、上部の周縁部により水容器200を支持する。
【0028】
また水供給管120は、水容器装着部110の下部中央部から上側に突出した形状を有する。したがって、水容器200が水容器装着部110に装着されれば、水供給管120は水容器200の入口に挿入される。
【0029】
このとき水供給管120の上部は、水容器200の内栓(図示しない)によって閉じられた状態となり、上部の側面に設けられた流入口121を通って水が流入する。
【0030】
そして、流入口121を通って水が流入し、水供給管120の下方に流れると、それと同時に、空気が水供給管120を通って水容器200に供給される。ところが水と空気の流れは互いに逆方向であるため、水と空気が衝突して円滑に流れることができない。
【0031】
したがって、水および空気の円滑な流れのため、水供給管120の内部に一つ以上の誘導板123を形成することが好ましい。
【0032】
誘導板123は水供給管120の内側の上部に位置し、水供給管120の内壁から中心側へ板状に突出して、上部で互いに連結され、下へいくほど水供給管120の内壁側に傾いた形状を有する。
【0033】
誘導板123が4個である場合、水供給管120は誘導板123によって4つの部分に分けられ、水および空気の流れも分けられる。したがって、水と空気は互いに衝突せずに円滑に流れる。
【0034】
誘導板123は下側に行くほど水供給管120の内壁側に傾いた形状を有するため、誘導板123を経て下側に流れる水は、水供給管120の内壁側に誘導される。
【0035】
したがって、水供給管120の下部では水が内壁に沿って流れ、水供給管120の中心部に形成された空間には空気が流れることができる。したがって、誘導板123が形成されていない水供給管120の下部においても、水と空気は互いに流れを妨害せず円滑に流れる。
【0036】
次いで、栓固定部の結合工程(S200)を説明する。
【0037】
栓固定部の結合工程(S200)は、栓固定部130を支持棒122に結合させる工程である。
【0038】
支持棒122は、水供給管120の上部の中心から上側に突出し、水供給管120の内径より小さな直径を有する。
【0039】
また、支持棒122は、本体の成形工程(S100)において、水容器装着部110および水供給管120と共に一体に成形されることが好ましい。
【0040】
栓固定部130は、水容器200の内栓(図示せず)が挿入されうる半球形に形成されており、栓固定部130の中心部には垂直方向に貫通孔131が形成されて、支持棒122に挿入されて結合される。
【0041】
支持棒122は、栓固定部130を貫通して栓固定部130の上側に突出する程度の長さを有し、支持棒122の突出した部分を熱融着法によって栓固定部130に固定させる。
【0042】
このとき、栓固定部130に形成された貫通孔131は、上部に行くほど内径が大きくなることが好ましい。したがって、支持棒122は、突出した部分が熱融着されれば、貫通孔131の形状のように、上部に行くほど直径が大きくなる形状になる。
【0043】
前述の、栓固定部130に形成された貫通孔131の形状、および、熱融着された支持棒122の形状によって、栓固定部130および支持棒122はさらに堅く結合する。
【0044】
以上、本発明は限定された実施形態によって説明されたが、本発明はそれによって限定されることはなく、当業者によって本発明の技術思想および特許請求の範囲の均等な範囲内で多様な修正および変形が可能であるということは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る水容器付き給水器の製造方法を示すフローチャート
【図2】図1に示す製造方法により製造された水容器付き給水器の斜視図
【図3】図2に示す水容器付き給水器の分解斜視図
【図4】図2に示す水容器付き給水器の断面図
【図5】図2に示す水容器付き給水器が給水器に設置された状態を示す断面図
【符号の説明】
【0046】
100 水容器付き給水器
110 水容器装着部
120 水供給管
121 流入口
122 支持棒
123 誘導板
130 栓固定部
131 貫通孔
200 水容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外栓および内栓からなる二重栓式水容器を給水器の上部に逆さに装着して、前記給水器に水を供給する水容器付き給水器の製造方法において、
上部は広く、下部は狭い漏斗状をしており、前記上部の周縁部に前記水容器を支持する水容器装着部と
前記水容器装着部の下部の中央部から上側に突出し、上部が前記水容器の入口に挿入され、上部の側面に水が流入し得る流入口が設けられて下側に水を供給する水供給管と
前記水供給管の上部の中心部から上側に突出し、前記水供給管の内径より小さな直径を有する支持棒とを、上下金型を使用して一体に成形する成形工程と、
前記水容器の内栓を挿入しうる半球形に形成され、中心部に垂直方向に前記支持棒を挿入しうる貫通孔が形成された栓固定部を、前記支持棒と結合させる栓固定部の結合工程とを含むことを特徴とする水容器付き給水器の製造方法。
【請求項2】
前記成形工程において、前記水供給管の上部の内側に位置し、前記水供給管の内壁から中心側に板状に突出し、上部では互いに連結され、下に行くほど水供給管の内壁側に傾いた形状を有する誘導板が一体に成形されることを特徴とする請求項1に記載の水容器付き給水器の製造方法。
【請求項3】
前記栓固定部の結合工程では、前記栓固定部と前記支持棒とが熱融着法によって結合されることを特徴とする請求項1または2に記載の水容器付き給水器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−537405(P2009−537405A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510894(P2009−510894)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002415
【国際公開番号】WO2007/133053
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508329933)クローバー カンパニー リミティッド (2)
【Fターム(参考)】