説明

水性接着剤の製造方法

【課題】 凝集物などの無い、安定した水性接着剤を製造する方法を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂水性分散体と粘着付与剤のアルコール溶液とを混合して水性接着剤を製造する方法において、粘着付与剤のアルコール溶液を予めアミンを用いてpH8〜10に調整することを特徴とする水性接着剤の製造方法であり、好ましくは、粘着付与剤が、ロジンエステル又はマレイン化若しくはフマル化ロジンエステルを含むものであり、また好ましくは、アミンが、アンモニア又は有機アミンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水性接着剤の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エチレンやプロピレン等の成分を主体とするポリオレフィン樹脂は、力学特性や電気特性等の物性のバランスが良好であり、さらに安価であることから、自動車、電気、包装等の各種分野で、幅広く使用されている。さらに、近年、そのような材料に高付加価値や高機能性を付与するためにポリオレフィン樹脂の水性分散体とその他樹脂の水性分散体や溶液とを混合する技術について多くの検討が行われている。
【0003】
このような中、ポリオレフィン樹脂とエマルション型粘着付与剤を混合させ水性接着剤を製造する方法が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2004−51884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法で粘着付与剤のアルコール溶液を混合すると、凝集物が生じたり、水性接着剤が固化するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、粘着付与剤のアルコール溶液をアミンを用いてpH調整することにより、凝集物などの無い安定した水性接着剤を製造する方法を見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。
【0006】
すなわち本発明は、ポリオレフィン樹脂水性分散体と粘着付与剤のアルコール溶液とを混合して水性接着剤を製造する方法において、粘着付与剤のアルコール溶液を予めアミンを用いてpH8〜10に調整することを特徴とする水性接着剤の製造方法を要旨とするものであり、好ましくは、粘着付与剤が、ロジンエステル又はマレイン化若しくはフマル化ロジンエステルを含むものであり、また好ましくは、アミンが、アンモニア又は有機アミンであるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、安定性に優れ且つ性能安定性に優れた水性接着剤を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明の製造方法において用いられるポリオレフィン樹脂水性分散体は、ポリオレフィン樹脂が水性媒体に分散しているものである。
【0010】
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、主たる構成モノマーとして、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン成分を含む樹脂であり、これらのモノマーの混合物であってもよい。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のオレフィンがより好ましく、特にエチレン、プロピレンが好ましい。
【0011】
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸を含有したものである。ここで、不飽和カルボン酸とは、分子内(モノマー成分内)に少なくとも1個のカルボキシル基又は酸無水物基を有する化合物をいい、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。ポリオレフィン樹脂中の不飽和カルボン酸の含有量は、0.5〜10質量%であり、1.0〜5.0質量%が好ましく、1.5〜4.0質量%がより好ましく、1.5〜3.0質量%が最も好ましい。不飽和カルボン酸の含有量が0.5質量%未満であると水性分散化が困難となり、10質量%を超えると、水性分散化はより容易になるが、水性分散体から得られる塗膜の極性が高くなってしまい、極性の低い基材(例えばポリオレフィン樹脂など)に塗布するときの接着性が低下する傾向にあるため採用できない。上記した不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されるものではないが、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0012】
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、水性分散体を様々な樹脂基材に塗布したときの良好な接着性を持たせるために、(メタ)アクリル酸エステルを含有していることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、質量比で、オレフィン成分/(メタ)アクリル酸エステル成分が55/45〜99/1の範囲であることが好ましく、75/25〜95/5の範囲であることがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステル成分の比率が1質量%未満では、接着性が低下する傾向があり、反対に45質量%を超えると、オレフィン成分由来の樹脂の性質が失われて、水性分散体から得られる塗膜の耐水性、接着性等の性能が低下する。
【0013】
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルが好ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステルは、樹脂の水性分散化の際に、エステル結合の一部が加水分解して(メタ)アクリル酸に変化することがあるが、そのような場合には、変化後の構成成分比が上記の範囲内にあればよい。
【0014】
本発明におけるポリオレフィン樹脂の組成は上述の通りであるが、その具体例としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−ブテン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、プロピレン−ブテン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体などが挙げられる。なかでも、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸(および/またはアクリル酸)共重合体が好ましい。
【0015】
本発明におけるポリオレフィン樹脂には、さらに上記以外のモノマーが、この樹脂全体の20質量%以下で共重合されていてもよい。このようなモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類や、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類や、ジエン類や、(メタ)アクリロニトリルや、ハロゲン化ビニル類や、ハロゲン化ビリニデン類や、一酸化炭素や、二酸化硫黄等が挙げられる。
【0016】
本発明におけるポリオレフィン樹脂は、分子量の目安となる、温度190℃、荷重21.2kN(2160g)におけるメルトフローレートが0.01〜500g/10分であるものが好ましく、0.1〜400g/10分であるものがより好ましく、1〜300g/10分であるものがさらに好ましく、5〜200g/10分であるものが最も好ましい。ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが0.01g/10分未満では、樹脂の水性分散化が困難となるか、あるいは、水性分散体を基材に塗布することによって形成される塗膜の接着性が低下することがある。一方、ポリオレフィン樹脂のメルトフローレートが500g/10分を超えると、得られる塗膜が硬くてもろくなる傾向にあり、それによって接着性が低下しやすくなる。
【0017】
本発明の製造方法で用いられるポリオレフィン樹脂水性分散体は、上述したポリオレフィン樹脂を水性媒体に分散させることにより得られるものである。ここで水性媒体とは、塩基性化合物、水溶性有機溶媒及び水を含む水溶性の媒体のことである。以下、各成分について説明する。
【0018】
水性媒体に含まれる塩基性化合物は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基を中和して、カルボキシルアニオンを生成させるために用いられる。アニオン間の電気反発力によって微粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。塩基性化合物としては、塗膜形成時に揮発するアンモニア又は有機アミン化合物が、塗膜の耐水性の面から好ましい。中でも、沸点が30〜250℃、さらには50〜200℃の有機アミン化合物がより好ましい。沸点が30℃よりも低いと、後述する樹脂の水性分散化時に揮発する割合が多くなり、水性分散化が完全に進行しない場合がある。沸点が250℃を超えると、樹脂塗膜から乾燥によって有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。
【0019】
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
【0020】
水性分散化の際の塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量であることがより好ましく、1.0〜2.0倍当量であることが最も好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると、塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散体が着色したりすることがある。
【0021】
水性媒体に含まれるもう一つの成分である水溶性有機溶媒は、ポリオレフィン樹脂の水性分散化を促進させるために用いられる。この水溶性有機溶媒は、20℃における水に対する溶解度が10g/L以上のものが好ましく、50g/L以上のものがより好ましい。さらに、水溶性有機溶媒の沸点は30〜250℃であるものが好ましく、50〜200℃であるものがより好ましい。ポリオレフィン樹脂を常圧で水性分散化する場合は、90℃〜200℃であるものが好ましい。水溶性有機溶媒の沸点が30℃未満の場合は、水性分散化時に揮発する割合が多くなって、水性分散化の効率が十分に高まらない場合がある。沸点が250℃を超える水溶性有機溶媒は、樹脂塗膜から乾燥によって飛散させることが困難であり、このため塗膜の耐水性が悪化する場合がある。また常圧で水性分散化する場合に、沸点が90℃以下であると、水性分散化を良好に行うために必要な温度に達することができず、水性分散化が困難になる傾向がある。
【0022】
このような水溶性有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類や、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類や、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体などが挙げられる。さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒は、2種以上を混合して使用してもよい。
【0023】
上記の水溶性有機溶剤の中でも、ポリオレフィン樹脂の水性分散化促進に効果が高い、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールがより好ましい。常圧で水性分散化する際は、n−プロパノールが好ましい。
【0024】
上記の水溶性有機溶媒の添加量は、水性分散体に含まれる全水性媒体の40質量%以下であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、2〜35質量%であることがさらに好ましく、3〜30質量%であることが最も好ましい。水溶性有機溶媒の添加量が40質量%を超える場合は、実質的に水性媒体とはみなせなくなり、本発明の趣旨のひとつである環境保護を逸脱するだけでなく、使用する有機溶媒によっては水性分散体の安定性が低下してしまう場合がある。
【0025】
本発明の製造方法で用いられるポリオレフィン樹脂水性分散体は、上述したポリオレフィン樹脂を上述した水性媒体に分散させることにより得られるものであり、ポリオレフィン樹脂の添加量は、水性分散化原料であるポリオレフィン樹脂、水性媒体の総和100質量%に対して1〜60質量%であることが好ましく、3〜55質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましく、5〜45質量%であることが最も好ましい。添加量が1質量%未満の場合は、得られる水性分散体の樹脂含有率が低すぎて、基材に塗布したときに塗膜の性能が発現しにくい傾向があり、反対に60質量%を超えた場合は水性分散化が困難となる傾向がある。
【0026】
次に、ポリオレフィン樹脂を水性媒体に分散させてポリオレフィン樹脂水性分散体を得る方法の好適な例について説明する。ポリオレフィン樹脂と水性媒体とを密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。このとき、水性化に用いられる樹脂の形状は特に限定されないが、水性化速度を高めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、公知の固/液撹拌装置や乳化機を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置が好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。
【0027】
この装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を50〜200℃、好ましくは60〜200℃の温度に保ちつつ、5〜120分間攪拌を続けることにより樹脂を十分に水性化させ、その後、攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が50℃未満の場合は、樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える場合には、樹脂の分子量が低下するおそれがある。
【0028】
本発明の製造方法で用いられるポリオレフィン樹脂水性分散体は、上述のようにして製造することができるが、本発明においては、市販のものも好適に使用することができる。そのようなポリオレフィン樹脂水性分散体としては、日本製紙ケミカル社製のスーパークロンシリーズ(E−723、E−503など)、住友精化社製のザイクセンシリーズ(ザイクセンA、ザイクセンL)、三井化学社製のケミパールシリーズ(S−100、S−75Nなど)、ユニチカ社製のアローベースシリーズ(SB−1200、SE−1200など)等が挙げられる。
【0029】
次に、本発明の製造方法で用いられる粘着付与剤のアルコール溶液について説明をする。ここで用いられる粘着付与剤は、次のものが含まれているものが好ましい。ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたロジンエステル;原料ロジンを部分的にフマル化又はマレイン化し、次いで多価アルコールでエステル化して得られるマレイン化又はフマル化ロジンエステル;原料ロジンを部分的にフマル化又はマレイン化させた後、不均化し、次いで多価アルコールでエステル化して得られるマレイン化又はフマル化不均化ロジンエステルである。上記のロジンエステル系粘着付与剤の中で、熱可塑性樹脂基材との接着性向上効果に優れるため、フマル化又はマレイン化されているロジンエステルが好ましく、マレイン化されたロジンエステルがより好ましい。前記エステル化に用いられる多価アルコールは、特に限定はされず、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール等を例示できる。
【0030】
粘着付与剤は、市販のものも使用でき、そのようなものとして、ハリマ化成社製のハリマックAS−5、ハリマック135GN、T−80等が挙げられる。
【0031】
上記の粘着付与剤を溶解するアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノールが挙げられ、そのうち、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが低温での乾燥性が良好な理由により好ましい。
【0032】
粘着付与成分のアルコール溶液中の濃度(含有量)は、30質量%以上であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましく、50〜70質量%であることが最も好ましい。
【0033】
粘着付与剤のアルコール溶液は、粘着付与剤をアルコールに添加して常温で、あるいは加熱しながら撹拌することにより得ることができる。加熱する場合は50℃以下が好ましく、40℃以下が特に好ましい。加熱温度が50℃を超えると加水分解が促進する場合があり、接着性などの性能が低下する恐れがある。
【0034】
本発明の水性接着剤の製造方法は、ポリオレフィン樹脂水性分散体と粘着付与剤のアルコール溶液とを安定に混合するために、粘着付与剤のアルコール溶液を予めアミンを用いてpH8〜10に調整することを特徴とするものである。最も好ましくは、pH8〜9である。pHが8未満の場合は、ポリオレフィン樹脂水性分散体との混合安定性が悪化し、pHが10を超える場合は、水性接着剤を作液後約30日で接着性が低下する傾向にある。
【0035】
粘着付与剤のアルコール溶液をpH8〜10に調整する為のアミンとしては、ポリオレフィン樹脂水性分散体との混合安定性を考えて有機アミンが好ましい。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
【0036】
本発明の水性接着剤の製造方法は、ポリオレフィン樹脂水性分散体と、予めアミンによりpH8〜10に調整した粘着付与剤のアルコール溶液を混合するものであるが、混合する方法としては、メカニカルスターラーなどの公知の方法で攪拌しながら混合すればよい。
【0037】
また、ポリオレフィン樹脂水性分散体と、予めアミンによりpH8〜10に調整した粘着付与剤のアルコール溶液との混合割合としては、100質量部に対して5〜50質量部とすることが好ましく、ヒートシール性の観点から、10〜50質量部がより好ましく、20〜40質量部が特に好ましい。5質量部未満の場合には、熱可塑性樹脂基材との接着性の向上に乏しく、50質量部を超える場合には、熱可塑性樹脂基材との接着性が低下する傾向がある。
【0038】
最後に、本発明の製造方法によって得られる水性接着剤の使用方法について説明する。水性接着剤から媒体を除去して得られる樹脂組成物は、各種基材への塗膜として使用すれば、密着性や接着性に優れるため、様々な基材の接着剤として使用できる。
【0039】
基材としては、液晶樹脂基材、紙、合成紙、熱可塑性樹脂フィルム、プラスチック製品、鋼板、アルミ箔等の金属箔、木材、織布、編布、不織布、石膏ボード、木質ボード等が挙げられる。
【0040】
熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、全芳香族ポリエステル、芳香族ポリアゾメチン、芳香族脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルカーボネート等の液晶樹脂(LCP樹脂)、ポリグリコール酸やポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂に代表される生分解性樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、PP、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられる。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1〜500μmの範囲であればよい。さらに、未延伸フィルムに本発明の水性接着剤を塗布し、そのコートフィルムを延伸する、いわゆるインラインコートを行ってもよい。
【0041】
水性接着剤を基材に塗工する方法は、特に限定されるものではないが、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。水性接着剤の塗布量は、基材によって適宜、決定すればよく、0.1〜10μm程度で使用できる。
【0042】
水性接着剤から媒体を除去するための乾燥温度は、特に限定されず、基材の耐熱温度等によって適宜、決定すればよいが、通常、50〜240℃である。乾燥温度が50℃未満の場合、水性媒体を十分、揮発させることができないことがある。一方、乾燥温度が240℃を超えると接着性能が低下してしまう傾向がある。加熱時間は特に限定されないが、例えば、1秒〜20分の範囲で適宜選択される。
【実施例】
【0043】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、各種の特性については以下の方法によって測定又は評価した。
【0044】
〔ポリエステル樹脂水性分散体の特性〕
(1)ポリオレフィン樹脂の構成
オルトジクロロベンゼン(d)中、120℃にてH−NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い求めた。
(2)ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート
JIS 6730記載の方法(190℃、2160g荷重)で測定した値である。
(3)ポリオレフィン樹脂の融点
DSC(Perkin Elmer社製DSC−7)を用いて昇温速度10℃/分で測定した値である。
(4)ポリオレフィン樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリオレフィン樹脂水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
(5)ポリオレフィン樹脂粒子の平均粒子径
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用い、数平均粒子径、重量平均粒子径を求めた。
【0045】
〔水性接着剤の接着性能〕
以下の評価においては、LCP基材として、ユニチカ社製ロッドランLC5030MFの厚み0.8mmのシートを用いた。
(1)テープ剥離試験(密着性)
LCP基材に接着剤を乾燥後の膜厚が1μmになるようにマイヤーバーを用いて塗布した後、90℃で90秒、乾燥させた。得られた積層フィルムは室温で1日放置後、評価した。接着剤面にセロハンテープ(ニチバン社製TF−12)を貼り付け、テープを一気に剥がした場合の剥がれの程度を次の基準で目視評価した。
【0046】
○:全く剥がれなし
△:一部、剥がれた
×:全て剥がれた
(2)接着性
接着剤を、5cm角LCP基材2枚を乾燥後の膜厚が3μmになるように塗布し、90℃で90秒乾燥させた。得られた1枚のLCP基材のコート層ともう1枚のLCP基材のコート層とを接着面寸法が縦2cm、横5cmになるように貼り合わせ、掴みしろそれぞれ3cm設け、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで60秒間)にて150℃でプレスした。このサンプルを15mm幅で切り出し、1日後、引張試験機(インテスコ株式会社製インテスコ精密万能材料試験機2020型)を用い、引張速度10mm/分、引張角度180度で被膜のせん断接着強度を測定した。せん断接着強度200N/15mm以上を合格ラインとした。なお、せん断接着強度は、300N/15mm以上がより好ましく、400N/15mm以上が特に好ましい。
【0047】
以下の製造例において使用したポリオレフィン樹脂の組成を表1に示す。
【0048】
【表1】

製造例1−1〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−1の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、125.0gのポリオレフィン樹脂(ア)〔ボンダインHX−8290、アトフィナジャパン社製〕、75.0gのイソプロパノール(以下、IPAという。)、7.0gのトリエチルアミン(以下、TEAという。)および293gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−1を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
【0049】
【表2】

製造例1−2〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−2の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1Lガラス容器を備えた撹拌機を用いて、100.0gのポリオレフィン樹脂(イ)〔ボンダインTX−8030、アトフィナジャパン社製〕、150.0gのIPA、6.0gのTEAおよび244.0gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を130℃に保ってさらに30分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体E−2を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
【0050】
製造例1−3〔ポリオレフィン樹脂水性分散体E−3の製造〕
ポリオレフィン樹脂(ウ)〔ボンダインHX−8210、アトフィナジャパン社製〕を用いた以外は、E−1と同様の操作でポリオレフィン樹脂水性分散体E−3を得た。この水性分散体の各種特性を表2に示した。
【0051】
上記したE−1〜3の他に、市販の三井化学社製ケミパールS-75N(固形分濃度24質量%、、水分76質量%)をポリオレフィン樹脂水性分散体E−4とし、住友精化社製ザイクセンL(固形分濃度24質量%、水分76質量%)をポリオレフィン樹脂水性分散体E−5として用意した。E−4、E−5の組成を表3に示す。
【0052】
【表3】

製造例2−1〔ロジンエステル系粘着付与剤のアルコール溶液T−1の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、50.0gのロジンエステル樹脂〔ハリエスターMSR−4,ハリマ化成社製〕、115.0gのIPAをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、溶融状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を40〜50℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、pH9になるように35.0gのTEAを添加しpH調整を行った。その後300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、赤褐色の透明な粘着付与剤溶液T−1を得た。T−1の固形分濃度は25.0質量%、IPA濃度は57.5質量%であった。
【0053】
製造例2−2〔マレイン化ロジンエステル系粘着付与剤のアルコール溶液T−2の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、50.0gのマレイン化ロジンエステル樹脂〔ハリマックT−80,ハリマ化成社製〕、115.0gのIPAをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、溶融状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を40〜50℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、pH9になるように35.0gのTEAを添加しpH調整を行った。その後300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、赤褐色の透明な粘着付与剤溶液T−2を得た。T−2の固形分濃度は25.0質量%、IPA濃度は57.5質量%であった。
【0054】
製造例2−3〔マレイン化ロジンエステル系粘着付与剤のアルコール溶液T−3の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、50.0gのマレイン化ロジンエステル樹脂〔ハリマックT−80,ハリマ化成社製〕、75.0gのIPAをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、溶融状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を40〜50℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、pH11になるように50.0gのTEAを添加しpH調整を行った。その後300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、赤褐色の透明な粘着付与剤溶液T−3を得た。T−3の固形分濃度は25.0質量%、IPA濃度は37.5質量%であった。
【0055】
製造例2−4〔マレイン化ロジンエステル系粘着付与剤のアルコール溶液T−4の製造〕
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、50.0gのマレイン化ロジンエステル樹脂〔ハリマックT−80,ハリマ化成社製〕、135.0gのIPAをガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、溶融状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を40〜50℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、pH7になるように15.0gのTEAを添加しpH調整を行った。その後300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、赤褐色の透明な粘着付与剤溶液T−4を得た。T−4の固形分濃度は25.0質量%、IPA濃度は67.5質量%であった。
【0056】
製造例2−1〜−4において得られた粘着付与剤のアルコール溶液を表4に示す。
【0057】
【表4】

実施例1
E−1とT−1とをE−1の固形分100質量部に対してT−1の固形分が25質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、接着剤J−1を調製した。接着剤J−1を作製直後にLCP基材に塗布し各性能を確認した。
【0058】
実施例2
E−1とT−1とをE−1の固形分100質量部に対してT−1の固形分が25質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、接着剤J−2を調製した。接着剤J−2を作製30日後にLCP基材に塗布し各性能を確認した。
【0059】
実施例3〜7
表5に示すように、ポリオレフィン樹脂水性分散体の種類やポリオレフィン樹脂水性分散体、アルコール溶解させた粘着付与剤の混合比を変えた以外は、実施例1と同様の操作を行って接着剤J−3〜J−7を得た。接着剤J−3〜J−7を作製直後にLCP基材に塗布し各性能を確認した。
【0060】
実施例1〜7において得られた水性接着剤の評価結果を表5に示す。
【0061】
【表5】

比較例1
E−1とT−3とをE−1の固形分100質量部に対してT−3の固形分が25質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、接着剤H−1を調製した。接着剤H−1を作製30日後にLCP基材に塗布し各性能を確認した。
【0062】
比較例2
E−1とT−4とをE−1の固形分100質量部に対してT−4の固形分が25質量部となるように室温にてメカニカルスターラーで攪拌(100rpm)・混合し、接着剤H−2を調製した。
【0063】
比較例1、2において得られた水性接着剤の評価結果を表6に示す。
【0064】
【表6】

実施例1〜7では、水性接着剤から得られる塗膜は、LCP基材との密着性が良好であった。さらに、この塗膜を接着層とした場合には、LCP基材同士の接着性に優れていた。また、作液後30日の水性接着剤でも接着性に優れており、液安定性も良好であった。
【0065】
これに対し、比較例1はアルコール溶解させた粘着付与剤のpHが11であった為、水性接着剤作製30日後で接着性、密着性が低下していた。比較例2は、pHが7であった為、ポリオレフィン水性分散体と混合した際に液安定性が低下した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオレフィン樹脂水性分散体と粘着付与剤のアルコール溶液とを混合して水性接着剤を製造する方法において、粘着付与剤のアルコール溶液を予めアミンを用いてpH8〜10に調整することを特徴とする水性接着剤の製造方法。
【請求項2】
粘着付与剤が、ロジンエステル又はマレイン化若しくはフマル化ロジンエステルを含むものである請求項1記載の水性接着剤の製造方法。
【請求項3】
アミンが、アンモニア又は有機アミンである請求項1又は2記載の水性接着剤の製造方法。

【公開番号】特開2010−65197(P2010−65197A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235327(P2008−235327)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000004503)ユニチカ株式会社 (1,214)
【Fターム(参考)】