説明

水栓設備における吐水装置

小型化が可能であって美観に優れ、しかも快適なシャワー吐水とストレート吐水とを実現することのできる吐水装置28は、分散して配置された小孔の多数の散水孔62の群と、散水孔62を外周側において取り囲むように周方向に沿って配置され、周方向に連続して延びるストレート吐水用の吐水口74とを有する。散水孔62からの吐水によってシャワー吐水が行われ、散水孔62からの吐水と吐水口74からの吐水との両方によって1本の整流束でのストレート吐水が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水栓設備における吐水装置に関し、詳しくはシャワー吐水とストレート吐水との切替機構を有する吐水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水栓設備における吐水装置は、通例シャワー吐水と1本の整流束でのストレート吐水とを切替可能となしてある。
【0003】
そのために従来の吐水装置ではシャワー吐水口とストレート吐水口とを別々の位置に配置、詳しくはストレート吐水口を中心部に、シャワー吐水口をストレート吐水口を取り囲むようにその外周側に配置した上、切替機構によってシャワー吐水口からのシャワー吐水とストレート吐水口からのストレート吐水とを切り替えるようにしている。
【0004】
この場合の切替機構は、シャワー吐水口への吐水路とストレート吐水口への吐水路との一方を閉鎖して他方を開放、または一方を開放して他方を閉鎖するといったものである。
【0005】
図17,図18A及び図18Bはこのような切替機構を備えた特開2001−11916号公報の吐水装置を示す。
【0006】
図17において、200は水栓設備における吐水ヘッド202に設けられた吐水装置で、204は散水部材206の中心部に設けられたストレート吐水口、208はそのストレート吐水口204を取り囲むように外周側に設けられた、小孔の複数の散水孔208aから成るシャワー吐水口である。
【0007】
210,212はストレート吐水口204,シャワー吐水口208への吐水路で互いに独立に形成されている。また214,216(図18A,18B参照)は、それら吐水路210,212に連通して設けられた連通開口である。
【0008】
これら連通開口214,216は、弁プレート218を貫通する形態で設けられている。
【0009】
220は吐水路210,212の切替えを行う弁体で、アーム222,軸224を介してシーソー式のスイッチ操作部226に作動的に連結されている。
【0010】
スイッチ操作部226の正面(図17中右側)から見て左端部を押動操作すると、弁体220が軸224,アーム222と一体に回動して、図18Aに示しているように一方の連通開口214を閉鎖、他方の連通開口216を開放状態とする。即ちストレート吐水口204に到る吐水路210を閉鎖、シャワー吐水口208に到る吐水路212を開放状態とする。
【0011】
ここにおいて給水はシャワー吐水口208へと導かれて、そこから外部にシャワー吐水される。
【0012】
一方、スイッチ操作部226の右端部を押動操作すると、今度は弁体220が図18Bに示しているように一方の連通開口214を開放、他方の連通開口216を閉鎖した状態となる。即ちストレート吐水口204に到る吐水路210を開放、シャワー吐水口208に到る吐水路212を閉鎖した状態となる。
【0013】
ここにおいて給水はストレート吐水口204に導かれて、そこから外部に1本の整流束でストレート吐水される。
【0014】
しかしながら、この、吐水装置200の場合、ストレート吐水口204,シャワー吐水口208が別々に設けてあることから、それらストレート吐水口204,シャワー吐水口208それぞれによる吐水面積(吐水空間)が狭くなる。これに伴って散水孔208aの孔数が制限されたり、またストレート吐水口204の口径が狭く制限される。
【0015】
また、シャワー吐水とストレート吐水との切替えのための切替機構が複雑となり、そしてこれに伴って吐水装置200全体が必然的に大型化してしまい、美観を損ねたり、またデザインの自由度が制限されたりする問題が生じていた。
【0016】
[発明の概要]
本発明は、小型化が可能であって美観に優れ、しかも快適なシャワー吐水とストレート吐水とを実現することのできる水栓設備における吐水装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明の吐水装置は、シャワー吐水用の複数の散水孔よりなる散水孔群と、ストレート吐水用の吐水口とを有する。このストレート吐水用の吐水口は、該散水孔群の周囲を周回している。この吐水装置は、シャワー吐水を行わせるために、該散水孔群にのみ水を供給する第1の流路選択と、ストレート吐水を行わせるために該散水孔群と吐水口との双方に水を供給する第2の流路選択とを行う流路切替機構を有する。
【0018】
散水孔群の周囲を周回した吐水口からの吐水と併せて該散水孔群からの吐水が行われた場合、該吐水口からの円筒状の吐水の内側が散水孔群からのシャワー水で満たされ、これにより空気の巻込みが防止され、流水に乱れのない1本の整流束よりなるストレート吐水が形成される。
【0019】
この吐水装置は、シャワー用散水孔群は軸直角方向において外向きに、また吐水口からの吐水については軸直角方向内向きに角度をつけて吐水するように構成されてもよく、これにより、シャワー用散水孔群からのシャワー吐水と、その周囲を周回した吐水口からの吐水とがきれいに合流して1本の整流束でのストレート吐水が良好に形成される。
【0020】
本発明装置にあっては、シャワー用散水孔群がシャワー吐水のための吐水口とストレート吐水のための吐水口とを兼ねている。
【0021】
このため、シャワー吐水及びストレート吐水の吐水面積(吐水空間)を広くとることが可能であり、これにより快適なシャワー吐水,ストレート吐水を実現することができる。
【0022】
これに伴って、従来の吐水装置のようにシャワー吐水口,ストレート吐水口が別々のスペースを占めることによる吐水装置全体の大型化の問題も解決でき、吐水装置をコンパクトに構成してその美観も良好となすことができ、併せてデザインの自由度も高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るキッチン水栓を備えたキッチンを示す図である。
【図2】図2Aはシャワー吐水状態にある本発明の実施の形態に係る吐水装置の縦断面図である。図2Bは図2AのIIB−IIB線断面図である。
【図3】図3Aは実施の形態の吐水装置のストレート吐水状態を示す縦断面図である。図3Bは図3AのIIIB−IIIB線断面図である。
【図4】図4Aは図2AのIVA−IVA線断面図である。図4Bは図3AのIVB−IVB線断面図である。
【図5】図5Aはシャワー吐水時の吐水装置の側面図であり、一部が破断されている。図5Bはストレート吐水時の吐水装置の側面図であり、一部が破断されている。
【図6】吐水装置の分解断面図である。
【図7】吐水装置の分解斜視図である。
【図8】図8Aは継手本体の平面図である。図8Bは図8AのVIIIB−VIIIB線断面図である。図8Cは継手本体の斜視図である。
【図9】図9Aは操作部材としての操作リングの平面図である。図9Bは図9AのIXB−IXB線断面図である。図9Cは操作リングの斜視図である。
【図10】図10Aは散水部材の側面図であり、左半分は縦断面を示している。図10Bは散水部材の底面図である。
【図11】図11Aは筒部材の平面図である。図11Bは図11AのXIB−XIB線断面図である。図11Cは筒部材の斜視図である。
【図12】図12Aはシャワー吐水中の散水装置の斜視図である。図12Bはストレート吐水中の散水装置の斜視図である。
【図13】図13Aは第2の実施の形態に係る吐水装置の一部の縦断面図である。図13Bは第2の実施の形態に係る吐水装置の散水部材の斜視図である。
【図14】第3の実施の形態に係る吐水装置の縦断面図である。
【図15】図15Aは第4の実施の形態に係る吐水装置のシャワー吐水時の縦断面図である。図15Bは第4の実施の形態に係る吐水装置のストレート吐水時の縦断面図である。
【図16】図16Aは第5の実施の形態に係る吐水装置の側面図であり、上部は縦断面図を示している。図16Bは第5の実施の形態に係る吐水装置の分解図である。
【図17】従来の吐水装置の縦断面図である。
【図18】図18Aは図17の吐水装置のシャワー吐水を示す断面図である。図18Bは図17の吐水装置のストレート吐水を示す断面図である。
【図19】第6の実施の形態に係る吐水装置の縦断面図であり、シャワー吐水時を示している。
【図20】図19の吐水装置のストレート吐水時の縦断面図である。
【図21】図17の吐水装置の分解斜視図である。
【図22】図17の吐水装置の底面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の第1の実施の形態を図1〜12Bに基づいて以下に詳しく説明する。
【0025】
図1において、10はキッチンの流し台、12はシンク、14はキャビネット、16はカウンターで、このカウンター16上にキッチン水栓(水栓設備)18が設置されている。
【0026】
キッチン水栓18はシングルレバー式の混合水栓で、20は水栓本体であり、その上部に操作レバー22が左右及び上下に回動可能に設けられている。
【0027】
水栓本体20からは吐水管24がシンク12上方に向けて前方に延び出しており、その先端部の吐水ヘッド26に本実施の形態の吐水装置28が設けられている。
【0028】
この吐水装置28の全体的な構成が図2A,2B及び図3A,3Bに示してある。
【0029】
これらの図に示しているように、吐水装置28は吐水ヘッド26の吐水口用の開口部30に着脱可能に構成されている。
【0030】
32は吐水装置28における継手本体で、その上端部が連結手段としてのねじリング34により開口部30に取り付けられている。
【0031】
詳しくは、ねじリング34は内周面に雌ねじが、外周面に雄ねじが形成されていて、その外周面の雄ねじが開口部30の内周面の雌ねじに螺合され、また内周面の雌ねじに対して継手本体32の上端部外周面に形成された雄ねじが螺合されている。
【0032】
これにより継手本体32が開口部30に対しねじリング34を介してねじ結合されている。
【0033】
ねじリング34と吐水ヘッド26との間にはシート状のシール部材40が介設されていて、それらの間がこのシール部材40によって水密にシールされている。
【0034】
継手本体32の上部は、穴48を有した円筒状である。継手本体32の下部には複数の貫通口46が該円筒の軸心線方向と平行方向に延設されている。該貫通口46は穴48の底面に開口しており、継手本体32の上端面と下端面とが穴48と貫通口46とを介して連通している。
【0035】
穴48の上縁に段部が周設され、この段部にメッシュ38が係止されている。このメッシュ38は穴48を横断するように配置されている。
【0036】
継手本体32の下部の中央には、継手本体32の軸心線方向に貫通する嵌入口44が設けられている。この嵌入口44を上方へ延長させるようにして、短い円筒部42が穴48の底面から上方へ突設されている。円筒部42の内部も嵌入口44の一部を構成している。
【0037】
吐水装置28は、この継手本体32の他に散水部材50,筒部材52及び操作リング(操作部材)54を主要素として有している。
【0038】
上記散水部材50は図6,図7,図10A,10Bにも示しているように中心部に軸部56を有しており、その軸部56が継手本体32における中心部の嵌入口44に図中上下方向、即ち軸方向に摺動可能に嵌入されている。
【0039】
この軸部56の上端部には止輪58が装着されており、この止輪58が円筒部42の上端に当接することによって、散水部材50が継手本体32から図中下向きに抜止めされている。
【0040】
軸部56の下端部には平板状且つ平面形状が円形をなす散水板60が一体に形成されている。
【0041】
この散水板60には、図10A,10Bにも示しているように小孔の多数の散水孔62が分散して配置されている。
【0042】
この散水板60の外周部には円形の堤部66が図中上向きに立ち上がる形態で形成されており、その堤部66の内側に凹部68が形成されている。
【0043】
そしてこの凹部68と継手本体32における上記の穴48,貫通口46等によって、吐水ヘッド26の中心口36から水が散水孔62へ流れる。
【0044】
筒部材52は、図7及び図11A〜11Cにも示しているように内孔72を有した円筒形状をなしており、散水部材50における散水板60との間に、即ち散水孔62の群を全周にわたって取り巻くようにしてストレート吐水用の円環形の吐水口74を形成している。
【0045】
図2A,2Bに示しているように散水部材50が図中上向きに持ち上げられて、堤部66が継手本体32に装着されたシール部材76に着座することにより吐水口74への通水が遮断される。
【0046】
散水部材50が図2A,2Bに示す状態から図3A,3Bに示すように図中下向きに下降移動して堤部66がシール部材76から離間し、そこに隙間を形成することで吐水口74が開放される。
【0047】
ここでシール部材76は、全体としてリングブロック状をなしており、その底面に、散水部材50における堤部66の上端が当接可能となっている。シール部材76は、筒部材52の内周面に弾性接触するリップ部80を有している。
【0048】
即ちこのシール部材76は、継手本体32と散水部材50における堤部66との間を水密にシールしうる機能と、継手本体32と筒部材52との間を水密にシールしうる機能とを有する。
【0049】
シール部材76は継手本体32に対し接着により固定されている。
【0050】
散水部材50は、軸部56を嵌入口44内部において上下に摺動させつつ、継手本体32に対し所定ストローク上下移動可能、即ち軸方向に移動可能とされている。
【0051】
筒部材52はその下端部が散水部材50における散水板60の外周部のテーパ形状に対応した形状の逆テーパ部82とされており、この逆テーパ部82が散水板60の外周部に当接して、自身の上昇とともに散水部材50を図中上向きに持ち上げるようになっている。
【0052】
筒部材52は、継手部材32の下部に対し、上下方向移動可能に外嵌している。筒部材52の上下方向のストローク長は、散水部材50のストローク長よりも大きい。
【0053】
操作リング54は、図6,図7,図9A,9B,9Cにも示しているように上端部に内向きのフランジ部84を有しており、このフランジ部84が、継手本体32の外向きのフランジ部86によって回転可能に支持されている。
【0054】
このフランジ部84は、継手本体32のフランジ部86とCリング状のスペーサ部材88とによって上下から挟まれており、操作リング54は上下方向に移動しない。
【0055】
この操作リング54は、軸回りの回転範囲が一定範囲に規制されている。
【0056】
詳しくは、この操作リング54のフランジ部84の内周には図4A,4B,図7及び図9A,9B,9Cに示しているようにストッパ部90が形成されており、このストッパ部90が、継手本体32に形成されたストッパ部92の端面92a,92bに当接することによって回転位置が規制されるようになっている。
【0057】
継手本体32の外周面には、周方向に約205°の範囲にわたって延在する突出したストッパ部92と、約155°の範囲にわたって延在する平坦部93とが設けられている。
【0058】
平坦部93は、ストッパ部92の周方向の一端面92aから他端面92bまで延在している。
【0059】
操作リング54のストッパ部90は、この平坦部93に配置されている。ストッパ部90は、周方向に約45°の範囲にわたって延在している。従って、操作リング54は、図4Aのθで示すように約110°の範囲だけ回動しうる。
【0060】
この操作リング54の内周面には、図5A,5B,図6及び図9A,9B,9Cに示しているように2条の螺旋溝96が形成されている。
【0061】
上記筒部材52の上端部の外周面には、図5A〜図7及び図11A,11B,11Cに示しているように径方向外向きに突出する突部98が設けられており、これら突部98が2条の螺旋溝96に且つその螺旋溝96に沿って摺動可能に係入している。
【0062】
これら螺旋溝96と突部98とは螺進機構を成すもので、操作リング54を回転操作したとき、突部98が螺旋溝96と摺動することによって筒部材52が図中上下に移動する。
【0063】
筒部材52が操作リング54と一体に回転しないように、筒部材52と継手本体32との間には筒部材52の回転を抑制するための機構が設けてある。
【0064】
具体的には、図2B,図3B及び図6〜図8C,図11A,11B,11Cに示しているように継手本体32には図中上下方向に延びるキー溝100が形成されている。筒部材52には、その上端部に径方向内向きに突出するスライドキー102が設けられていて、そのスライドキー102がキー溝100にスライド可能に係合しており、これによって、筒部材52が継手本体32に対し回転不能に係合している。
【0065】
次に本実施の形態の吐水装置28の作動を説明する。
【0066】
[シャワー吐水]
図2A,2B,図4A,図5A,図12Aはシャワー吐水時の状態を示しており、このとき、図4Aに示しているように操作リング54のストッパ部90は、継手本体32におけるストッパ部92の一端部92aに当接した状態にある。このとき図2Aに示しているように散水部材50及び筒部材52は何れも上昇位置にあり、逆テーパ部82と散水部材50の散水板60における外周部との当接によって、吐水口74は閉鎖された状態にある。
【0067】
この状態では、吐水ヘッド26の中心口36から流下した水は散水孔62にのみ導かれて、そこから下向きにシャワー吐水のみが行われる。このときシャワー吐水の外周部は若干外向きとなる。
【0068】
図12Aは散水孔62からだけ吐水させるシャワー吐水を行ったときの状態を示している。
【0069】
[シャワー吐水からストレート吐水への切替]
この状態から操作リング54を図4A,4Bにおいて時計方向に回転操作すると、操作リング54の螺旋溝96と筒部材52の突部98とが摺動し、筒部材52が下降移動し、またこれに連動して筒部材52によって支持されていた散水部材50が自重及び水圧の作用により同じく下降移動する。
【0070】
この筒部材52の移動ストロークの途中において、散水部材50が止輪58と継手本体32における円筒部42の上端との当接により、下降移動が停止する。
【0071】
筒部材52は、更にこの状態から引き続いて下降移動する。操作リング54のストッパ部90が、図4Bに示しているように継手本体32のストッパ部92の端部92bに当接した時点で、操作リング54が停止し、筒部材52が停止し、ストレート吐水への切替が完了する。
【0072】
[ストレート吐水]
この状態が図3A,3B,図4B,図5B,図12に示すストレート吐水時の状態である。このとき図3A,3Bに示しているように散水部材50における堤部66とシール部材76との間に上下の隙間が形成されるとともに、逆テーパ部82と散水板60の外周部との間にも隙間が生じて、吐水口74が全周に亘り開放された状態となる。
【0073】
従って、水が散水孔62から下向きに吐水されるとともに、貫通口46を下向きに向う水の一部が散水部材50における堤部66を乗り越えて散水孔62の外周側に回り込み、吐水口74へと流れ込んでその吐水口74から下向きに吐水される。
【0074】
このとき、散水孔62からの吐水と吐水口74からの吐水との両方が同時に行われる。この散水孔62からの吐水と円環形の吐水口74からの吐水とが一体化して図12Bの通り1本の整流束でのストレート吐水を形成する。
【0075】
図12Bは散水孔62からの吐水と吐水口74からの吐水とによって、1本の整流束でのストレート吐水が形成される様子を示している。
【0076】
図12Bの通り、流れの整った1本の整流束でのストレート吐水が形成される理由は次の通りである。
【0077】
吐水口74からの吐水に加えて散水孔62からの吐水を同時に行った場合、吐水口74からの円筒状の吐水の内側は散水孔62からの吐水で満たされた状態となって、吐水口74からの吐水の内側部分は空洞状態とならず、従って空気を巻き込んだ流れとならない。
【0078】
内孔72からの吐水流は、逆テーパ部82に案内されて下方ほど窄まるように流れる。このため、吐水口74から流出して流れ落ちる円筒状の吐水流と散水孔62から流出して流れ落ちる吐水流とが途中できれいに合流して、そこに1本の規則正しい流れの整流束でのストレート吐水を形成するのである。
【0079】
[ストレート吐水からシャワー吐水への切替]
ストレート吐水からシャワー吐水へ切り替えるには、操作リング54を図4Bにおいて反時計方向に回転操作する。そうすると、先ず筒部材52が上向きに移動し、その移動ストロークの途中で筒部材52の逆テーパ部82が散水部材50の外周面に当って、筒部材52と散水部材50とが一緒に上方に移動する。
【0080】
図4Aに示すように、操作リング54のストッパ部90が、ストッパ部92の端部92aに当接したところで、ストレート吐水からシャワー吐水への切替が終了する。前述の通り、このシャワー吐水状態では、散水部材50の堤部66の上端が継手本体32に装着されたシール部材76に着座し、逆テーパ部82が散水部材50の外周面に当接しているので、吐水口74が閉鎖されている。
【0081】
本実施の形態の吐水装置28によれば、散水孔62がシャワー吐水のための吐水機能と、ストレート吐水のための吐水時に吐水口74からの円筒状流出水の中に水を注ぎ込む機能とを兼ねており、従来の吐水装置のようにかかるシャワー吐水口が純粋にシャワー吐水口だけのためのものとして構成されていないため、シャワー吐水及びストレート吐水の吐水面積(吐水空間)を広くとることが可能であり、これにより快適なシャワー吐水、ストレート吐水を実現することができる。
【0082】
また、これに伴って、従来のようにシャワー吐水口,ストレート吐水口が別々のスペースを占めることによって必然的に吐水装置全体が大型化するといったことがなく、吐水装置28をコンパクトに構成してその美観も良好となすことができ、併せてデザインの自由度も高めることができる。
【0083】
本実施の形態では、吐水口74の閉鎖によりシャワー吐水し、吐水口74を開放することにより、ストレート吐水を行うようにしているため、簡単な構造で容易にシャワー吐水とストレート吐水とを切り替えることができる。
【0084】
本実施の形態では、散水孔62の設けられた散水部材50を軸方向に移動可能に設け、その散水部材50の移動によって吐水口74を閉鎖又は開放するようにしているため、容易に吐水口74の閉鎖又は開放を行うことができる。
【0085】
本実施の形態においては、シール部材76を継手本体32と散水部材50との間のシール部材及び継手本体32と筒部材52との間のシール部材の両方を兼用して構成してあるため、必要なシール部材の数を少なくすることができ、且つ散水部材50をシール部材76に着座させることで吐水口74を良好に水密に閉鎖することができる。
【0086】
本実施の形態では、単に操作リング54を回転操作するだけで筒部材52を軸方向に移動させることができ、操作性が良好である特長も有する。
【0087】
図13A,13Bは本発明の第2の実施の形態に係る吐水装置28Aの一部を示したものである。
【0088】
この実施の形態では、散水部材50Aの外周部に整流部104が設けられている。この整流部104は、堤部66の外周面から放射方向に突出した小突起よりなる。該整流部104は、堤部66の外周面の全周にわたって一定間隔をおいて設けられている。整流部104の先端は内孔72の内周面に摺動可能に接しているが、若干離隔していてもよい。散水部材50Aのその他の構成は上記散水部材50と同一である。
【0089】
この整流部104を設けたことにより、吐水口74から流出する水の流量が吐水口74の周方向にわたって均等になり、ストレート吐水時の整流束が安定する。
【0090】
この実施の形態では整流部104は散水部材50Aの外周面に設けられているが、内孔72の内周面に設けられてもよい。
【0091】
図14は本発明の第3の実施の形態に係る吐水装置28Bの一部を示している。この実施の形態では、散水部材50Bに傘状のガイド部材106が設けられている。
【0092】
ガイド部材106は、軸部56に外嵌しており、その上面は外方ほど下位となる下り勾配を有している。ガイド部材106と堤部66との間及びガイド部材106と散水板60との間には、水がガイド部材106の外周を回り込んで各散水孔62へ十分に流れるように十分な間隙が形成されている。ガイド部材106は、ストレート吐水時に吐水口74へ流れる水量を増加させ、整流束を安定化させる機能を有する。図14の散水部材50Bのその他の構成は上記散水部材50と同一である。
【0093】
図15A,15Bは本発明の第4の実施の形態を示している。
【0094】
この実施の形態においても、吐水ヘッド26の開口部30内にねじリング34が螺着され、このねじリング34に吐水装置が取り付けられている。
【0095】
この実施の形態に係る吐水装置28aは、吐水装置28と類似の構成を有しており、同一構成の部材には同一符号が付され、少しだけ構成が異なるが同一機能を奏する部材は“a”を付した符号が付されている。
【0096】
この吐水装置28aにあっては、円筒状の継手本体32aの上部外周面に雄ねじが形成され、この雄ねじがねじリング34の内周面の雌ねじに螺着されている。
【0097】
継手本体32aの内部は上下方向に貫通する孔となっており、その内部の上下方向の中間に段部が形成され、この段部に係止されるようにしてメッシュ38が配設されている。
【0098】
継手本体32aの外周面の上下方向中間からフランジ部86aが突設されている。このフランジ部86aよりも下側には、上下方向に延在するキー溝100aが形成されている。
【0099】
継手本体32aの下端面にシール部材76aが接着等により固着されている。このシール部材76aは、筒部材52aの内周面に水密的に且つ摺動自在に接している。
【0100】
継手本体32aに対し筒部材52aが外嵌している。この筒部材52aの上端部の内周からスライドキー102aが突設されている。このスライドキー102aがキー溝100aにスライド自在に係合することにより、筒部材52aは継手本体32aに対し上下方向移動自在とされ、周方向への回転が阻止されるように嵌合している。
【0101】
この筒部材52aの外周面から突部98aが突設されている。筒部材52aに操作リング54が外嵌している。この操作リング54は前記第1の実施の形態の操作リング54と同一構造である。即ち、操作リング54の上端部から内方へフランジ部84が突設され、このフランジ部84が継手本体32aのフランジ部86aに上側から重なっている。これにより、操作リング54は継手本体32aに対し周方向に回転自在に係合している。
【0102】
このフランジ部86aの内周面からストッパ部90が突設されている。図4A,4Bと同じく、このストッパ部90は平坦部93(図15A,15Bでは符号略)内に配置されているので、操作リング54は図4Aの角度θの範囲だけ回動可能となっている。
【0103】
フランジ部86aとねじリング34の下端面との間にスペーサ部材88が介在されており、操作リング54の上方への移動が阻止されている。
【0104】
操作リング54の内周面に設けられた螺旋溝96に対し、筒部材52aの外周面から突設された突部98aが係合している。これにより、操作リング54を回転させると、前述の筒部材52と同様に筒部材52aが上下方向に移動する。
【0105】
この実施の形態では、筒部材52aと散水部材50aとが一体化され、両者が一体に上下動する。散水部材50aと筒部材52aとは、ブリッジ部50bを介してつながっている。ブリッジ部50bは散水部材50aの外周の周方向に間隔をおいて複数個設けられている。ブリッジ部50b同士の間は開放しており、ここを通って水が下方へ流れ得るように構成されている。
【0106】
散水部材50aは、円形の散水板60aを有している。この散水板60aの中央からボス部(図示略)が突設され、このボス部の上面に傘状のガイド部材106aが固着されている。
【0107】
散水板60aには多数の散水孔62aが貫設されている。散水板60aの外周縁の上面に堤部66aが周設されている。前記ブリッジ部50bはこの堤部66aの外周面から放射方向に突出している。
【0108】
ガイド部材106aの上面は、外方ほど低位となるように下り勾配となっている。ガイド部材106aと堤部66aとの間、及びガイド部材106aと散水板60aとの間には、水が散水孔62aに十分に流れ込むように十分な間隙があいている。
【0109】
この散水装置28aにあっては、図15Aの通り、操作リング54を回して図4Aの状態にすると、筒部材52a及びそれと一体の散水部材50aが上昇し、堤部66aがシール部材76aに接する。これにより、吐水ヘッド26からの水は、散水孔62aのみから流出してシャワー吐水が行われる。
【0110】
操作リング54を逆方向に回して図4Bの状態にすると、図15Bの通り、筒部材52a及び散水部材50aが下降し、堤部66aがシール部材76aから離反する。これにより、水は散水孔62aだけでなく、散水部材50aと筒部材52aとの間の内孔72aを通り、筒部材52aの吐水口74aからも流出する。内孔72aの下端部は下方ほど小径となる逆テーパ部82aとなっているので、吐水口74aから流出した水は下方ほど小径となるように流出する。この吐水口74aからの流出水の内側に対し散水孔62aからの流出水が注ぎ込まれるので、散水装置28aからの吐水は整流束よりなるストレート吐水となる。
【0111】
尚この実施の形態ではガイド部材106aが設けてあるが、このガイド部材106は第1の実施の形態(図1〜図12B)と同様に省略することも可能である。
【0112】
上記実施の形態では、図2A〜3Bの通り吐水ヘッド26の開口部30の内周面にねじリング34を螺着させ、このねじリング34の内周面に継手本体32を螺着させているが、図16A,16Bの通り、吐水ヘッド26Aから円筒状の吐水パイプ300を突出させ、このパイプ300に対し筒状継手310を介して継手本体32を連結してもよい。
【0113】
パイプ300の下部外周面に雄ねじ301が設けられ、筒状継手310の上部の内周面の雌ねじ312が該雄ねじ301に螺合している。
【0114】
筒状継手310の内周面の上下方向の中間から鍔部311が突設されている。この鍔部311とパイプ300の下端との間にシール部材320が介在されている。
【0115】
筒状継手310の下部内周面に雌ねじ313が設けられており、この雌ねじ313に対し継手部材32の上部外周面の雄ねじが螺合している。この継手部材32を有した吐水装置28の構成は、上記実施の形態と同一であり、同一符号は同一部分を示している。即ち、図16A,16Bにおいて38はメッシュ、52は筒部材、54は操作リング、56は軸部、58は止輪、88はスペーサ部材である。吐水装置28の使用方法は前述の実施の形態と同一である。
【0116】
図19〜22は本発明の第6の実施の形態を示している。
【0117】
この実施の形態に係る吐水装置28Cも、図1〜12の吐水装置28と類似の構成を有しており、同一構成の部材には同一符号が付され、少しだけ構成が異なるが同一機能を奏する部材は“C”を付した符号が付されている。
【0118】
この吐水装置28Cにおいては、操作リング54Cにレバー400が取り付けられている。
【0119】
このレバー400は、該操作リング54Cに対し同軸状に外嵌する環状のベースリング401と、該ベースリング401を該操作リング54Cに固定する固定リング402と、該ベースリング401から側方(放射方向)へ延出したレバー本体403とを有している。
【0120】
図21の通り、ベースリング401の内周面にはセレーション404が形成されている。操作リング54Cの外周面には、このセレーション404に係合する凸条405が周方向に間隔をおいて複数条設けられている。該セレーション404の上端側には、図19,20の通り、ベースリング401の内側に張り出す凸段部406が形成されている。該べースリング401の下端側内周面には雌ねじ407が形成されている。
【0121】
固定リング402の外周面には、この雌ねじ407に螺合する雄ねじ408(図21)が設けられている。図19,20の通り、この固定リング402の内側の孔の直径は、該操作リング54Cの内側の筒部材52Cの外径よりも若干大きなものとなっている。
【0122】
この実施の形態では、図示の通り、レバー本体403は略半円形の平板状のものであるが、レバー本体の形状はこれに限定されない。レバー本体は、例えば、棒状やリング状であってもよい。
【0123】
レバー400を操作リング54Cに取り付けるに当っては、まず、凸条405をセレーション404に係合させつつ、ベースリング401を操作リング54Cに対し上方から外嵌させる。その後、固定リング402を雌ねじ407にねじ込む。この際、凸段部406が凸条405の上端面に対し上方から当接すると共に、固定リング402が下方から操作リング54Cの下端面に重なる。これにより、ベースリング401が操作リング54Cに固定され、レバー400と操作リング54Cとが一体化される。
【0124】
この吐水装置28Cにおいては、図19の通り、筒部材52Cは、ストレート吐水口74を閉鎖した上昇位置にある場合、その下端部内側の逆テーパ部82が散水板60の外周部の上下方向途中部に当接し、下端面410が該散水板60の下面よりも上方に位置するよう構成されている。即ち、シャワー吐水時には、筒部材52Cが散水板60の側周囲から避退し、該散水板60の下部が筒部材52Cの下端面410から下方へ突出する。
【0125】
この実施の形態では、吐水装置28Cは、手持ち型(グリップ型)の吐水ヘッド26Cの開口部(吐水口)30Cに筒状継手420を介して連結されている。
【0126】
筒状継手420の下部内周面には雌ねじが設けられている。この雌ねじに、継手本体32の上部外周面の雄ねじがねじ込まれている。該筒状継手420の下部外周面からは、放射状に外向きフランジ部421が突設されている。この実施の形態では、該フランジ部421と、継手本体32の途中部の外向きフランジ部86との間に、操作リング54Cの上端側の内向きフランジ部84が回転可能に保持されている。
【0127】
該筒状継手420の上部外周面にはOリング422が装着されている。また、該筒状継手420の上部内周縁には段部が形成され、この段部に係止されるようにしてメッシュ38が配設されている。
【0128】
筒状継手420の途中部の外周面には、該筒状継手420を吐水ヘッド26Cに固定するためのロックねじ26aが係合する凹所423が設けられている。
【0129】
吐水ヘッド26Cの側面には、該ロックねじ26aがねじ込まれる雌ねじ孔26bが設けられている。該雌ねじ孔26bは、吐水ヘッド26Cの側面を貫通して開口部30Cの内側に連通している。
【0130】
吐水装置28Cを吐水ヘッド26Cに連結するに当っては、まず、継手本体32の上部の雄ねじを筒状継手420の下部の雌ねじにねじ込み、吐水装置28Cと筒状継手420とを連結する。次に、この筒状継手420を開口部30Cに内嵌させ、雌ねじ孔26bにロックねじ26aをねじ込む。このロックねじ26aの先端が雌ねじ孔26bを介して開口部30C内に張り出し、凹所423に係合することにより、筒状継手420が開口部30C内に固定される。この結果、吐水装置28Cと吐水ヘッド26とが連結される。
【0131】
この吐水装置28Cにあっては、操作リング54Cにレバー400が設けられているので、このレバー400に指や手を掛けて該レバー400を前後に押すこと又は引くことにより、比較的少ない労力で簡単に操作リング54Cを回転させることができる。
【0132】
また、この吐水装置28Cにあっては、シャワー吐水時には、筒部材52Cが散水板60の側周囲から避退し、散水板60の下部が筒部材52Cの下端面410から下方へ突出するので、この散水板60の下面の散水孔62から吐出された水が該筒部材52C等に当って周囲に発散することが防止される。
【0133】
以上本発明の実施の形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワー吐水用の複数の散水孔よりなる散水孔群と、ストレート吐水用の吐水口とを有する、水栓設備に設けられる吐水装置において、
該ストレート吐水用の吐水口は、該散水孔群の周囲を周回しており、
該吐水装置は、シャワー吐水を行わせるために該散水孔群にのみ水を供給する第1の流路選択と、ストレート吐水を行わせるために該散水孔群と吐水口との双方に水を供給する第2の流路選択とを行う流路切替機構を有することを特徴とする吐水装置。
【請求項2】
請求項1において、ストレート吐水用の吐水口は円環形であることを特徴とする吐水装置。
【請求項3】
請求項2において、該吐水装置は散水部材を有しており、該散水部材に前記散水孔が設けられており、前記吐水口が該散水部材の外周を取り巻いていることを特徴とする吐水装置。
【請求項4】
請求項3において、該吐水装置は内孔を有した筒部材を有しており、
該内孔の内部に前記散水部材が設けられており、
該内孔の内周面と散水部材の外周との間に前記吐水口が形成されていることを特徴とする吐水装置。
【請求項5】
請求項4において、該吐水装置は、上端側から水が流入し下端側から水が流出する継手部材と、
該継手部材の下部に設けられたシール部材とを有しており、
前記筒部材は該継手部材及びシール部材に外嵌していることを特徴とする吐水装置。
【請求項6】
請求項5において、該シール部材は、該筒部材の内周面に水密的に且つ摺動自在に接していることを特徴とする吐水装置。
【請求項7】
請求項5において、前記散水部材は上下方向移動可能であり、
該吐水装置は、該散水部材を上下移動させるための操作部材を備えており、
該散水部材が上方に移動して該散水部材の外周縁が前記シール部材に接触すると、前記吐水口への水の供給が遮断されて散水孔のみへ水が流れ、
該散水部材が下方に移動して該散水部材の外周縁が前記シール部材から離隔すると、散水孔及び吐水口の双方へ水が流れることを特徴とする吐水装置。
【請求項8】
請求項7において、前記筒部材が上下方向移動可能であり、
前記操作部材は該筒部材を上下移動させて前記散水部材を上下移動させることを特徴とする吐水装置。
【請求項9】
請求項8において、前記操作部材は、前記筒部材に外嵌した筒状部材であり、
該操作部材の内周面と筒部材の外周面との一方に螺旋溝が設けられ、他方に突部が設けられており、該突部が該螺旋溝に係合しており、
前記継手部材の外周面及び筒部材の内周面の一方には、上下方向に延在したキー溝が設けられ、他方には該キー溝にスライド自在に係合し、筒部材の周方向への回転を阻止するキーが設けられており、
これにより、前記操作部材が回転すると該筒部材が上下方向に移動することを特徴とする吐水装置。
【請求項10】
請求項8において、該筒部材と該散水部材とが一体であることを特徴とする吐水装置。
【請求項11】
請求項8において、該吐水装置は、該散水部材が前記シール部材から離れて所定ストロークだけ下方に移動するとそれ以上散水部材が下方に移動することを阻止する止輪などの止め部材を有しており、
前記筒部材は、下部の内周面に逆テーパ部などの周回凸部を有しており、
該筒部材は、該散水部材よりも長いストロークだけ上下方向に移動可能であり、
該散水部材が該所定ストローク下方に移動するまでは該散水部材の外周縁部が該周回凸部に上方から接しており、
該散水部材が該所定ストロークだけ下方に移動した後、該筒部材がさらに下方に移動することにより、該周回凸部と該散水部材の外周縁部とが離隔し、両者の間に水が流出する間隙が形成されることを特徴とする吐水装置。
【請求項12】
請求項11において、該周回凸部は、下方ほど径が小さくなる逆テーパ部であることを特徴とする吐水装置。
【請求項13】
請求項11において、前記継手部材は、上下方向に貫通した嵌入口を有しており、
前記散水部材は、上方に延在した軸部を有しており、
該軸部は該嵌入口に摺動自在に挿入されており、該軸部の上部は、該嵌入口の上端よりも上方に突出しており、該軸部の上部に前記止め部材が装着されており、
該止め部材が嵌入口の上端面に当接することにより該散水部材の下方移動が阻止されることを特徴とする吐水装置。
【請求項14】
請求項13において、該嵌入口の周囲に、上下方向に貫通した複数の貫通口が設けられ、該貫通口を通って水が下方に流れることを特徴とする吐水装置。
【請求項15】
請求項2において、該吐水口に整流部材が設けられていることを特徴とする吐水装置。
【請求項16】
請求項4において、該内孔内の水の一部を前記吐水口へ導くためのガイド部材が設けられていることを特徴とする吐水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【国際公開番号】WO2005/031074
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514163(P2005−514163)
【国際出願番号】PCT/JP2004/012120
【国際出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】