説明

水石鹸の補給装置

【課題】水石鹸の補給に際して、水石鹸タンクが満水状態となったことを簡単且つ速やかに知ることができ、水石鹸タンクへの水石鹸の過剰供給を防ぐことのできる水石鹸の補給装置を提供する。
【解決手段】水石鹸の補給装置12を、補給口40と、補給管30と、水石鹸タンク18のエア抜孔56から上向きに延び出したエア抜管32と、底部60に水石鹸の注入口70を備えた漏斗62及び漏斗62の底部60且つ注入口70とは異なった位置に設けられたエア出し筒64を有し、注入口70を補給口40に、またエア出し筒64をエア抜管32に連通させる状態に脱着可能にセットされる水石鹸の補給器具28と、を備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は水石鹸吐出装置における水石鹸タンクに水石鹸を補給する補給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水石鹸吐出装置における水タンクに水石鹸を補給するための補給装置として、水石鹸の補給口と、下方の水石鹸タンクと補給口とを連絡する水石鹸の補給管と、水石鹸タンク内部のエアを抜くためのエア抜管とを備えたものが公知である。
例えば下記特許文献1にこの種の水石鹸の補給装置が開示されている。
【0003】
ところで従来のこの種の水石鹸の補給装置の場合、通常、水石鹸タンクが補給口より下方の隠蔽された位置にあるため、補給口から水石鹸を補給する際に、水石鹸タンクがいつ満水状態になったかが分からず、そのため水石鹸を過剰に供給してしまって、補給口から水石鹸が溢れてしまうといったことが生じがちであった。
このように水石鹸が補給口から溢れてしまうと、その後始末が大変となる。
またこのように補給口から水石鹸が溢れてしまわないようにするため、水石鹸を補給する際に注意深く補給作業を行うことが必要となって、水石鹸の補給に際し神経を遣い、また補給作業を速やかに行うことができないといった問題があった。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2526965号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような事情を背景とし、水石鹸の補給に際して水石鹸タンクが満水状態となったことを簡単且つ速やかに知ることができ、水石鹸タンクへの水石鹸の過剰供給を防ぐことのできる水石鹸の補給装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
而して請求項1のものは、(イ)水石鹸の補給口と、(ロ)該補給口より下方に延び出して下端側が水石鹸タンクの内部且つ底部まで挿入された水石鹸の補給管と、(ハ)該水石鹸タンクの設定満水位置より上部のエア抜孔から上向きに延び出したエア抜管と、(ニ)すり鉢状をなして底部に水石鹸の注入口を備えた漏斗、及び該漏斗の底部且つ該注入口とは異なった位置に設けられたエア出し筒を有し、該注入口を前記補給口に、また前記エア出し筒を前記エア抜管に連通させる石鹸液の補給部と、を有していることを特徴とする。
【0007】
請求項2のものは、請求項1において、前記補給部は、前記石鹸液の補給の際に前記注入口を前記補給口に、また前記エア出し筒を前記エア抜管内部に連通させる状態にセットされる脱着可能な補給器具として構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記漏斗は、前記注入口よりも下向きに延び出した注入筒を有しているとともに、前記エア出し筒は、該漏斗の底部から該注入筒の外側で下向きに突き出していることを特徴とする。
【0009】
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記注入口が前記漏斗の底部の中心部に設けてあるとともに、前記エア出し筒が該注入口から偏心した位置で前記底部から前記漏斗の上端よりも高く突き出しており、該エア出し筒の上端のエア出し口が、前記注入口側に向けて斜めのカット形状となしてあることを特徴とする。
【0010】
請求項5のものは、(イ)水石鹸の補給口と、(ロ)該補給口より下方に延び出して下端側が水石鹸タンクの内部且つ底部まで挿入された水石鹸の補給管と、(ハ)該水石鹸タンクの設定満水位置より上部のエア抜孔から上向きに延び出したエア抜管と、(ニ)すり鉢状をなして底部に水石鹸の注入口を備えた漏斗を有し、該注入口を前記補給口に連通させる水石鹸の補給部と、(ホ)前記漏斗の上端と同等以上の高さに設けられ、前記水石鹸タンクの満水表示を行う表示灯と、を有していることを特徴とする。
【0011】
請求項6のものは、請求項5において、前記補給部は、水石鹸の補給の際に前記注入口を前記補給口に連通させる状態にセットされる脱着可能な補給器具として構成されているとともに、前記表示灯が、該補給器具に設けられて該補給器具と一体に脱着可能とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項7のものは、請求項6において、前記表示灯が前記補給器具のセット状態で信号の供給源と電気的に接続するようになしてあることを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0013】
以上のように請求項1のものは、水石鹸の補給口と、補給口から下方に延び出して水石鹸タンクの内部に且つ底部まで挿入された水石鹸の補給管と、水石鹸タンクの設定満水位置より上部のエア抜孔から上向きに延び出したエア抜管と、底部に水石鹸の注入口を備えた漏斗及び漏斗の底部且つ注入口とは異なった位置に設けられたエア出し筒を有し、注入口を補給口に、またエア出し筒をエア抜管に連通させる石鹸液の補給部と、を備えて水石鹸の補給装置を構成したものである。
【0014】
本発明の水石鹸の補給装置では、水石鹸タンクに水石鹸を補給する際に、補給管から水石鹸が水石鹸タンク内部に且つその底部に静かに流入して行くため、水石鹸タンク内部で殆ど泡立ちを生ぜしめない。
従って水石鹸タンク内部で生じた泡が水石鹸の補給途中でエア抜管から溢れ出すといったことが殆ど無い。
そして最終的に水石鹸タンク内部に補給された水石鹸の水面が満水位置まで来たところで、初めて水石鹸タンク内部で僅かに生じた泡がエア抜管を通じて水石鹸タンク内部から上向きに追い出され、そして補給部のエア出し筒から溢れ出す。
【0015】
従ってこの発明において、エア出し筒からの泡の噴出しは、即ち水石鹸タンク内部が満水状態となったことを告知するものであり、従って使用者はこの泡の噴出しをもって、水石鹸タンク内部が満水状態となったことを容易に知ることができる。これにより水石鹸の過注入を防止することができる。
また水石鹸タンクが満水状態となったことが容易に分かるため、安心して速やかに水石鹸の注入を行うことができる。
またエア抜筒から噴き出した泡は漏斗内部に溢れ出すため、噴き出した泡が周辺に飛び散ったり漏出したりする問題も生じない。
【0016】
本発明では、上記補給部を脱着可能な補給器具として構成しておくことができる(請求項2)。
このようにしておけば、通常時は補給器具を取り外した状態とし、そこに蓋をしておくことによって補給口周辺の外観を良好となしておくことができる。
【0017】
本発明においては、上記エア出し筒を、漏斗の注入口より下向きに延び出した注入筒の外側で漏斗の底部から下向きに突き出させておくことができる(請求項3)。
このようにすれば、石鹸液の補給路と水石鹸タンク内部のエア抜き、即ち泡出しのための通路とを容易に分離独立して構成しておくことができる。
【0018】
次に請求項4は、注入口を漏斗の底部の中心部に設けるとともに、エア出し筒を注入口から偏心した位置で底部から漏斗の上端よりも高く突き出させ、そしてエア出し筒の上端のエア出し口を注入口側に向けて斜めのカット形状となしたもので、このようにしておけば、漏斗内に水石鹸を満水状態に注入しても、漏斗内の水石鹸がエア出し筒内部に入り込まず、従って水石鹸がエア抜きのための通路を逆流して水石鹸タンク内部に流入してしまうのを防止することができ、ひいては満水時におけるエア抜き及び泡出しの機能を確保することができ、水石鹸タンクが満水状態となったときに確実に泡出しを行わせ得て、満水状態の告知を行わせることができる。
またこの請求項4では、エア出し筒の上端のエア出し口が注入口側に向けて斜めのカット形状となしてあるため、エア出し口から噴き出した泡を確実に漏斗の真中に導くことができる。
これにより、漏斗内に溢れ出た泡が漏斗から溢れ出るのを有効に防止することができる。
【0019】
次に請求項5は、満水状態の表示を行う表示灯を、漏斗の上端と同等以上の高さに設け、水石鹸タンクが満水状態となったときにその表示灯にて表示を行わせるようになしたものである。
この請求項5によれば、表示灯にて水石鹸タンクの満水状態を表示できることから、この請求項5においても水石鹸の補給の際に過注入をしてしまうことを防止することができる。
また表示灯は漏斗の上端と同等以上の高さに設けられているため表示灯による表示が見易く、例えばこれを漏斗の付根位置に設けた場合のように表示灯が漏斗の下側に隠れて見難くなってしまい、表示灯が点灯し満水状態を表示しているにも拘らずこれに気付かずに水石鹸を過注入してしまうのを有効に防止できる。
ここで表示灯としてはLEDを好適に用いることができる。
【0020】
この請求項5において、上記補給部を水石鹸の補給の際にセットされる脱着可能な補給器具として構成しておくことともに、上記表示灯をその補給器具に設けて、かかる補給器具と一体に脱着可能となしておくことができる(請求項6)。
このようにすれば固定側の補給口の側を、表示灯を設けるために複雑な構造としなくても良く、補給器具をセットしていない通常時において補給口周りの外観を良好となすことができる。
また表示灯を交換等メンテナンスする際の作業性も良好となる。
【0021】
この場合においてその表示灯は、補給器具のセット状態で信号の供給源と電気的に接続するようになしておくことができる(請求項7)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は水石鹸の吐出装置,12は水石鹸の補給装置である。
水石鹸の吐出装置10は、カウンター14上に設けられた吐出部16と、カウンター14の下方に設けられた水石鹸タンク18と、水石鹸タンク18内に貯溜された水石鹸を水石鹸ポンプ(図示省略)にて吐出部16に供給する給液管20,エアポンプ(図示省略)にてエアを供給する給気管22を有している。
吐出部16は、供給されて来た水石鹸とエアとを混合してムース状とし、ノズル24から吐出する。
【0023】
水石鹸の補給装置12は、カウンター14に取り付けられた口部材26と、口部材26にセットされて水石鹸の補給を行う補給器具(補給部)28と、水石鹸の補給管30及び水石鹸タンク18からエア抜きを行うためのエア抜管32とを有している。
口部材26は、図4に詳しく示しているようにカウンター14の取付孔34に挿通され、その状態で下端部の外周面にねじ込まれた固定ナット36と、上端のフランジ38とによりカウンター14に固定されている。
この口部材26には、これを上下に貫通する石鹸液の補給口40とエア出し口42とが備えられている。
【0024】
補給管30は、図1に示しているように補給口40から下向きに延び出しており、そして下端側が水石鹸タンク18内部に挿入されている。
補給管30は、水石鹸タンク18より上側の上部44と、水石鹸タンク18内部に挿入された挿入部46とを有している。
挿入部46は可撓性のホースから成っており、その下端部は水石鹸タンク18の底部48まで達している。
詳しくはこの挿入部46は、その下端部が底部48の底面に接触し且つ底面に沿って横向きに湾曲し、その先端の流出口50が底部48の底面に沿って横向きをなしている。
【0025】
尚この挿入部46にはまた、下端の横向きの流出口50に加えてその上部且つ設定満水位置に上部孔52が、挿入部46を内外に貫通する形態で設けられている。
この上部孔52もまた、水石鹸の補給の際に水石鹸を挿入部46内部から外部に即ち水石鹸タンク18内部に流出する。
【0026】
水石鹸タンク18には、その上壁に上向きに起立する円筒形状の突出部54が設けられており、その突出部54の上端に水石鹸タンク18内部のエア抜きのためのエア抜孔56が設けられている。
上記エア抜管32は、水石鹸タンク18のこのエア抜孔56に下端部が接続されている。
また一方、上端部が口部材26のエア出し口42に接続されている。
【0027】
ここで補給口40及びこれに連通した補給管30内部の流路から成る補給路と、エア出し口42及びこれに連通したエア抜管32内部の流路から成るエア抜路とは、それぞれ図1から明らかなように互いに独立した流路を成している。
尚、図4において58は蓋体で、通常時は口部材26の補給口40及びエア出し口42は、この蓋体58にて閉鎖された状態にある。
【0028】
上記補給器具28は、水石鹸の補給の際に口部材26にセットされて使用されるもので、図2及び図3に詳しく示しているように底部60がすり鉢状をなす漏斗62と、漏斗62に一体に構成されたエア出し筒64とを有している。
漏斗62は、すり鉢状の底部60の上端から垂直に起立した円筒形状の周壁部66と、その上端のフランジ部68とを有している。
すり鉢状の底部60には、その中心部に石鹸液の注入口70が形成されており、そしてこの注入口70から円筒形状の注入筒72が下向きに延び出している。
尚74はフランジ部68に設けられた貫通孔である。
【0029】
上記エア出し筒64は、漏斗62の中心部の注入口70から偏心した位置に設けられている。
このエア出し筒64は、漏斗62の底部60を上下に貫通する形態をなしており、そして底部60から上向きに突き出した上部76は、漏斗62の上端よりも上側に突き出している。この上部76の上端はエア出し口78を成している。このエア出し口78は、漏斗62の中心部の注入口70に向けて斜めのカット形状をなしている。
一方エア出し筒64の下部80は、注入筒72の外側で底部60から下向きに突き出している。
【0030】
尚、図1に示しているように水石鹸タンク18には計量室82が設けられており、その内部にフロートスイッチ84が設けられている。
このフロートスイッチ84は、水石鹸タンク18内部の水石鹸の残量を検知するもので、フロート86の下降により残量が設定量より少なくなったことを検知して検知信号を出力する。
【0031】
フロートスイッチ84は、図5に示しているように固定の軸部88と、フロート86と一体に昇降する筒部90とを有しており、それら軸部88と筒部90とによって、フロート86が上下に摺動案内されて水石鹸の水面Wとともに昇降する。
このフロートスイッチ84では、軸部88と筒部90の摺動部への水石鹸の付着,乾燥が繰り返されると同部分で水石鹸が固まって軸部88と筒部90とが固着し、フロート86が円滑に昇降動作しなくなってしまう。
【0032】
そこでここでは計量室82を区画する区画壁92を設け、水石鹸の水面Wが区画壁92の下端部94に達したところで、内部に密閉空間96(図5(B)参照)を形成するようにしている。
このように水面Wが下端部94に達すると、それ以後水石鹸タンク18内部に水石鹸が補給されても、密閉空間96に空気が閉じ込められた状態となることからそれ以上同空間には水石鹸が浸入しなくなる。
従って軸部88と筒部90との摺動部には水石鹸が付着することは無く、水石鹸の付着による摺動部の固着が良好に防止される。即ちフロート86の円滑な昇降動作が確保される。
【0033】
次に本実施形態の作用を図6及び図7に基づいて説明する。
本実施形態において、水石鹸タンク18に水石鹸の補給を行う際には、図4に示す蓋体58を取り外して補給器具28を口部材26にセットする。
詳しくは補給器具28の注入筒72を補給口40の挿込部40Aに挿し込み、また同時にエア出し筒64の下部80をエア出し口42の挿込部42Aに挿し込む。
【0034】
この状態で図6に示しているように漏斗62内部に水石鹸を注ぎ込み、これを漏斗62の注入口70,補給管30を通じて水石鹸タンク18内部に流入させる。
このとき、漏斗62を通じて注入された水石鹸は、水石鹸タンク18内部において底部48に接した流出口50からその底面に沿って横向きに静かに流入する。
従ってその際に空気の巻込みによる泡の発生が良好に抑制される。
このようにして水石鹸タンク18内に水石鹸を補給する際、水石鹸タンク18内部の空気は、エア抜孔56及びエア抜管32を通じて外部に抜き出される。
【0035】
水石鹸タンク18内部に水石鹸がある程度溜まって来ると、水面Wの上昇によって、補給管30における挿入部46の下端の流出口50からの流出に対する抵抗が大きくなる。
このときに上部孔52から併せて水石鹸が水石鹸タンク18内部へと流入する。
このときにも上部孔52から流出した水石鹸は、挿入部46の外周面を伝って静かに流下するため、その際にも泡の発生は抑制される。
【0036】
さて図7に示しているように水石鹸タンク18内部で水石鹸がほぼ満水になると、水石鹸タンク18内部で僅かに発生した泡が逃げ場を無くしてエア抜孔56からエア抜管32内部に入り込み、更にこのエア抜管32を通って補給器具28におけるエア出し筒64の上端のエア出し口78から漏斗62内部に溢れ出す。
即ちこのエア出し口78からの泡の噴出しは、水石鹸タンク18内部で水石鹸が満水状態となったことを表す告知となる。
従って使用者は、このエア出し口78からの泡の噴出しによって、水石鹸タンク18内部に水石鹸が満水状態となったことを知ることができる。
【0037】
以上のような本実施形態によれば、水石鹸タンク18に水石鹸を補給する際に、補給管30から水石鹸が水石鹸タンク18の底部48に静かに流入して行くため、水石鹸タンク18内部で殆ど泡立ちを生ぜしめない。
従って水石鹸の補給途中で、エア抜管32から水石鹸タンク18内部で生じた泡が溢れ出すといったことは殆ど無い。
そして最終的に水石鹸タンク18内部に補給された水石鹸の水面Wが満水位置まで来たところで、初めて水石鹸タンク18内部で僅かに生じた泡が、エア抜管32を通じて水石鹸タンク18内部から上向きに追い出され、そして補給器具28のエア出し筒64から溢れ出す。
【0038】
そして使用者はこの泡の噴出しにより、水石鹸タンク18内部が満水状態となったことを容易に知ることができる。これにより水石鹸の過注入を防止することができる。
また水石鹸タンク18が満水状態となったことが容易に分かるため、安心して速やかに水石鹸の注入を行うことができる。
またエア出し筒64から噴き出した泡は漏斗62内部に溢れ出すため、噴き出した泡が周辺に飛び散ったり漏出したりする問題も生じない。
【0039】
本実施形態では、補給器具28を脱着可能となしてあるため、通常時は補給器具28を取り外した状態とし且つそこに蓋58をしておくことで、補給口40周りの外観を良好に保つことができる。
【0040】
更に本実施形態では、注入口70を漏斗62の底部60の中心部に設けるとともに、エア出し筒64を注入口70から偏心した位置で底部60から漏斗62の上端よりも高く突き出させ、そしてエア出し筒64の上端のエア出し口78を注入口70側に向けて斜めのカット形状となしてあるため、漏斗62内に水石鹸を満水状態に注入しても、漏斗62内の水石鹸がエア出し筒64内部に入り込まず、従って水石鹸がエア抜きのための通路を逆流して水石鹸タンク18内部に流入してしまうのを防止することができ、ひいては満水時におけるエア抜き及び泡出しの機能を確保することができ、水石鹸タンク18が満水状態となったときに、確実に泡出しを行わせ得て、満水状態の告知機能を確保することができる。
またエア出し筒64の上端のエア出し口78が注入口70側に向けて斜めのカット形状となしてあるため、エア出し口78から噴き出した泡を、確実に漏斗62の真中に導くことができる。
これにより漏斗62内に溢れ出た泡が、漏斗62から溢れ出るのを有効に防止することができる。
【0041】
次に図8及び図9は本発明の他の実施形態を示している。
この例では、漏斗62自体にて補給器具が構成されている。
漏斗62の上端の直上位置には、水石鹸タンク18内部の満水状態を表示するためのLED(表示灯)98が設けられ、このLED98が漏斗62と一体に口部材26に対し着脱されるようになっている。
【0042】
この例では、水石鹸タンク18に水石鹸の満水を検知する満水検知手段としてのフロートスイッチ100が設けられており、このフロートスイッチ100と口部材26の接点102とが電気配線104にて接続されている。
一方漏斗62の側に設けられたLED98には端子106が設けられており、その端子106の接点108が、漏斗62のセット時に口部材26側の接点102に接触せしめられるようになっている。
即ち漏斗62のセット状態で、LED98が電気配線104を介してフロートスイッチ100に電気的に接続した状態となる。
【0043】
尚口部材26には、図9に示しているように上向きに起立した堤部110が設けられていて、その堤部110の内側に上記接点102が設けられている。
この実施形態では、漏斗62を通じて水石鹸の補給を行う際、水石鹸タンク18が満水状態となるとフロートスイッチ100から満水の検知信号が出力され、これによりLED98が点灯して水石鹸タンク18が満水状態となったことを表示する。
【0044】
本実施形態によれば、LED98にて水石鹸タンク18の満水状態を表示できることから、水石鹸の補給の際に過注入をしてしまうことを防止することができる。
またLED98は、漏斗62の上端以上の高さに設けられているためLED98による表示が見易く、例えばこれを漏斗62の付根位置に設けた場合のように、LED98が漏斗62の下側に隠れて見難くなってしまい、LED98が点灯し満水状態を表示しているにも拘らず、これに気付かずに水石鹸を過注入してしまうのを防止できる。
【0045】
またLED98を補給器具28に設けて、かかる補給器具28と一体に脱着可能となしてあるため、固定側の補給口40の側を、LED98を設けるために複雑な構造としなくても良く、補給器具28をセットしていない通常時において、補給口40周りの外観を良好となすことができる。
またLED98を交換等メンテナンスする際の作業性も良好となる。
【0046】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態である水石鹸の補給装置を水石鹸の吐出装置とともに示す図である。
【図2】図1の補給装置の要部拡大断面図である。
【図3】図1の補給器具を単体で示す図である。
【図4】同実施形態の要部を補給器具をセットしていない状態で示す図である。
【図5】図1の水石鹸タンクの計量室を拡大して示す図である。
【図6】同実施形態の作用を示す説明図である。
【図7】図6に続く作用を示す説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図9】図8の実施形態の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0048】
12 水石鹸の補給装置
18 水石鹸タンク
28 補給器具(補給部)
30 補給管
32 エア抜管
40 補給口
48 底部
56 エア抜孔
60 底部
62 漏斗
64 エア出し筒
70 注入口
72 注入筒
78 エア出し口
80 下部
98 LED(表示灯)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)水石鹸の補給口と、(ロ)該補給口より下方に延び出して下端側が水石鹸タンクの内部且つ底部まで挿入された水石鹸の補給管と、(ハ)該水石鹸タンクの設定満水位置より上部のエア抜孔から上向きに延び出したエア抜管と、(ニ)すり鉢状をなして底部に水石鹸の注入口を備えた漏斗、及び該漏斗の底部且つ該注入口とは異なった位置に設けられたエア出し筒を有し、該注入口を前記補給口に、また前記エア出し筒を前記エア抜管に連通させる石鹸液の補給部と、を有していることを特徴とする水石鹸の補給装置。
【請求項2】
請求項1において、前記補給部は、前記石鹸液の補給の際に前記注入口を前記補給口に、また前記エア出し筒を前記エア抜管内部に連通させる状態にセットされる脱着可能な補給器具として構成されていることを特徴とする水石鹸の補給装置。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記漏斗は、前記注入口よりも下向きに延び出した注入筒を有しているとともに、前記エア出し筒は、該漏斗の底部から該注入筒の外側で下向きに突き出していることを特徴とする水石鹸の補給装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかにおいて、前記注入口が前記漏斗の底部の中心部に設けてあるとともに、前記エア出し筒が該注入口から偏心した位置で前記底部から前記漏斗の上端よりも高く突き出しており、該エア出し筒の上端のエア出し口が、前記注入口側に向けて斜めのカット形状となしてあることを特徴とする水石鹸の補給装置。
【請求項5】
(イ)水石鹸の補給口と、(ロ)該補給口より下方に延び出して下端側が水石鹸タンクの内部且つ底部まで挿入された水石鹸の補給管と、(ハ)該水石鹸タンクの設定満水位置より上部のエア抜孔から上向きに延び出したエア抜管と、(ニ)すり鉢状をなして底部に水石鹸の注入口を備えた漏斗を有し、該注入口を前記補給口に連通させる水石鹸の補給部と、(ホ)前記漏斗の上端と同等以上の高さに設けられ、前記水石鹸タンクの満水表示を行う表示灯と、を有していることを特徴とする水石鹸の補給装置。
【請求項6】
請求項5において、前記補給部は、水石鹸の補給の際に前記注入口を前記補給口に連通させる状態にセットされる脱着可能な補給器具として構成されているとともに、前記表示灯が、該補給器具に設けられて該補給器具と一体に脱着可能とされていることを特徴とする水石鹸の補給装置。
【請求項7】
請求項6において、前記表示灯が前記補給器具のセット状態で信号の供給源と電気的に接続するようになしてあることを特徴とする水石鹸の補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−215875(P2007−215875A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41707(P2006−41707)
【出願日】平成18年2月18日(2006.2.18)
【出願人】(000000479)株式会社INAX (1,429)
【Fターム(参考)】