説明

水素化金属の製造方法

【課題】水素化金属化合物MH(式中、xが1もしくは2であり、Mがアルカリ金属、BeもしくはMgである)の製造方法を提供する。
【解決手段】式:(RO)Mの化合物を、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種、アルミニウム、並びに水素と一緒にして、式:MHの化合物を生じさせる。(Rはフェニルであるか、またはアルキル基もしくはアルコキシ基の少なくとも1つで置換されたフェニル。アルミニウム:(RO)Mのモル比が0.1:1〜1:1。触媒はアルミニウムの重量を基準にして少なくとも200ppm。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は米国エネルギー省により付与されたコンタクト番号DE−FC36−05GO15053の下での米国政府の支援を伴ってなされた。米国政府は本発明における特定の権利を有する。
本発明は概して水素化金属の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ナトリウムおよび水素からの水素化ナトリウムの製造は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第2,898,195号に記載されている。しかし、ナトリウムは高価でありかつ取り扱うのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第2,898,195号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって取り組まれる課題は効率的で経済的な水素化金属化合物の製造方法を見いだすことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は水素化金属化合物MH(式中、xは1もしくは2であり、Mはアルカリ金属、BeもしくはMgである)の製造方法に関する。当該方法は、式:(RO)M(式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基もしくはアルコキシ基の少なくとも1つによって置換されたフェニルである)の化合物を、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属触媒、アルミニウム、並びに水素と一緒にして、式:MHの化合物を生じさせることを含み;アルミニウム:(RO)Mのモル比が0.1:1〜1:1であり;並びにアルミニウムの重量を基準にして少なくとも200ppmの量で前記触媒が存在する。
本発明は、水素化金属化合物MH(式中、xは1もしくは2であり、Mはアルカリ金属、BeもしくはMgである)の製造方法であって、当該方法が式:(RO)M(式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基もしくはアルコキシ基の少なくとも1つで置換されたフェニルである)の化合物を水素化アルミニウム化合物と一緒にすることを含む、水素化金属化合物MHの製造方法にさらに関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
他に示されない限りは、全てのパーセンテージは重量パーセンテージ(重量%)であり、温度は℃単位である。「アルキル」基は、1〜12個の炭素原子を線状、分岐もしくは環式の配置で有する飽和ヒドロカルビル基である。好ましくは、アルキル基は、非環式;あるいはC−C非環式である。「アリール」基は6〜10個の炭素原子を有し、場合によってはアルキルおよび/またはアルコキシ置換基を有する芳香族ヒドロカルビル基である。「アラルキル」基はアリール基で置換されたアルキル基であり、例えば、ベンジル基である。「水素化金属化合物」は式:MH(式中、xはMの価数に応じて1または2であり、Mはアルカリ金属、BeまたはMgである)の化合物である。
【0007】
好ましくは、Mはアルカリ金属であり、かつxが1であり;好ましくはアルカリ金属はリチウム、ナトリウムもしくはカリウムであり;好ましくはナトリウムもしくはカリウムであり;好ましくはナトリウムである。
【0008】
好ましくはRはフェニルであるか、または(i)1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜6個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つによって置換されたフェニルである。好ましくはRはフェニルであるか、または(i)1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜4個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つによって置換されたフェニルである。好ましくは、Rはフェニルではなく、またはメチルで置換されたフェニルではない。好ましくはRは(i)1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜4個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つによって置換されたフェニルである。好ましくは、Rは1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、好ましくは、メトキシまたはエトキシ、好ましくはメトキシで置換されたフェニルである。好ましくは、Rは4−メトキシフェニル;2−メトキシフェニル;3−メトキシフェニル;4−エトキシフェニル;2−エトキシフェニル;3−エトキシフェニル;4−イソプロピルフェニル;2−イソプロピルフェニル;3−イソプロピルフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル;2,4−ジ−t−ブチルフェニル;2,5−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル;または2,6−ジ−イソプロピルフェニルである。好ましくは、Rは4−メトキシフェニル;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル;または2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェニル;好ましくは、4−メトキシフェニルである。
【0009】
好ましくは、アルミニウム:ROMのモル比は、0.2以上:1、好ましくは0.25以上:1であり;好ましくは、この比率は0.9以下:1、好ましくは0.7以下:1、好ましくは0.5以下:1、好ましくは0.4以下:1、好ましくは0.3以下:1である。
【0010】
式:(RO)Mの化合物と、アルミニウム、水素および金属触媒との反応は、下記式に示され、式中、Rは4−メトキシフェニルであり、Mはナトリウムであり、金属触媒はチタンであり、アルミニウム:RONa比は0.25:1である:
【化1】

【0011】
好ましくは、水素化金属は反応溶液から沈殿して、容易に分離されることができ、一方で、アリールオキシド化合物は可溶性であり溶液中に留まる。
【0012】
好ましくは、金属触媒は、チタン、ジルコニウム、ハフニウムまたはこれらの組み合わせを含み、好ましくはチタンを含む。好ましくは、金属触媒はアルミニウムの重量を基準にして、少なくとも240ppm、好ましくは少なくとも280ppm、好ましくは少なくとも300ppm、好ましくは少なくとも320ppm、好ましくは少なくとも340ppmの量でアルミニウムに組み込まれる。好ましくは、金属触媒は、アルミニウムの重量を基準にして10,000ppm以下、好ましくは5,000ppm以下の量でアルミニウムに組み込まれる。好ましくは、金属触媒は上述のと同じ量で、その金属の化合物として添加されうる。金属触媒がチタンの場合には、チタンはアルミニウム中の合金として、チタン(IV)イソプロポキシドもしくは塩化チタン(IV)のようなチタンの化合物として、またはフリーのチタン金属として添加されうる。好ましくは、アルミニウムは50〜1000ミクロン、好ましくは75〜700ミクロンの平均粒子サイズを有する。好ましくは式:(RO)M(式中、Mはアルカリ金属、BeまたはMgである)の化合物と、アルミニウム、水素および金属触媒との反応は少なくとも100psi(0.7MPa)、好ましくは少なくとも200psi(1.4MPa)、好ましくは少なくとも300psi(2MPa)、好ましくは少なくとも500psi(3.4MPa)の絶対圧力下で進行する。好ましくはこの反応は、1500psi(10.3MPa)以下、あるいは1200psi(8.3MPa)以下、好ましくは1000psi(6.9MPa)以下の圧力で進行する。好ましくは、この反応は少なくとも40℃、好ましくは少なくとも80℃、好ましくは少なくとも100℃、好ましくは少なくとも120℃の温度で進行する。好ましくは、この反応は200℃以下、好ましくは180℃以下、好ましくは160℃以下、好ましくは140℃以下の温度で進行する。
【0013】
好ましくは、金属触媒の存在下での(RO)Mとアルミニウムおよび水素との反応は溶媒中で進行する。金属触媒の存在下での(RO)Mとアルミニウムおよび水素との反応に好適な溶媒には、エーテル、例えば、ジグリム、テトラグリム、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジブチルジグリム、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、および2−メチルテトラヒドロフラン;並びに芳香族溶媒、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンが挙げられる。濃度は重要ではないが、(RO)Mが溶媒中に完全に溶解されているのが好ましい。
【0014】
ある好ましい実施形態においては、化合物MHは水素およびアルミニウムと一緒にされて、水素化アルカリ金属アルミニウムMAlHを生じさせ、これはボラート、ボロキシンまたはボラジン化合物と反応させられて、MBHを形成する。好ましくは、ボラートもしくはボロキシン化合物は式:B(ORもしくは(ROBO)(式中、Rはアリールもしくはアラルキルである)を有するボロキシンであり、好ましくはRがアリールであるボロキシンである。好ましくはRはアリールである。好ましくは、RはRと同じである。好ましくは、この反応は0℃〜50℃、好ましくは10℃〜35℃の範囲の温度で進行する。好ましくは、水素化ホウ素金属は反応溶媒から沈殿し、分離され、一方でアリールオキシド塩は溶液中に留まる。
【0015】
金属触媒の存在下での(RO)Mとアルミニウムおよび水素との反応に好適な溶媒は、その溶媒中で水素化金属が限定された溶解度を有する溶媒であり、例えば、エーテル、例えば、2−メチル−テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ジエチルエーテル、ジブチルエーテルおよびジブチルジグリム;芳香族溶媒;並びに、アルカンが挙げられる。特に好ましい溶媒には、2−メチル−テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランおよびジメトキシエタンが挙げられる。
【0016】
水素化金属と共に形成されるアルミニウム含有生成物は錯体である場合があり、アルカリ金属アリールオキシドを伴う場合がある。好ましくは、水素化アルカリ金属と共に形成され、アルカリ金属および/またはアルミニウムを含むアリールオキシド化合物はこの水素化金属から分離されて、水もしくは水性酸、好ましくは鉱酸で処理されて、再利用のためにフェノールもしくは置換フェノール、ROHを再生させる。好ましい水性酸には硫酸および塩酸が挙げられる。回収されるフェノールは再利用されうる。フェノールもしくは置換フェノールはホウ酸(またはメタホウ酸もしくは酸化ホウ素)またはトリアルキルボラートと一緒にされて、その反応の化学量論量および温度に応じて、トリアリールボラート(ArO)B、またはトリアリールボロキシン(ArOBO)を形成し;そのホウ素化合物とアルコールもしくはフェノールとの間の1:1化学量論量および高温はボロキシンに有利である。好ましくは反応温度は100℃〜300℃、好ましくは110℃〜250℃、好ましくは110℃〜200℃である。ボロキシンを形成する反応は以下に示され、この場合では置換フェノールは4−メトキシフェノールであり、これはホウ酸と反応する:
【0017】
【化2】

【0018】
ボラジンはオルトアミノ置換基を有するフェノールとホウ酸もしくはトリアルキルボラートとの反応から生じうる。
【0019】
この反応は溶媒なしでも、例えば、スラリープロセスとして、または固体反応物質をグラインドすることによっても進められうる。反応物質のグラインディングは反応を促進させるであろうし、固体粒子にエネルギーを適用し、機械化学反応を誘起する何らかの方法、特に、固体をミクロンサイズ範囲、好ましくはサブミクロンサイズ範囲まで小さくし、反応のための新しい表面を継続的に露出させる何らかの方法、例えば、インパクトミリング、ジェットミリングまたは摩擦ミリングを用いて達成されうる。好ましい方法には、ボールミリング、振動(超音波を含む)ミリング、空気分類ミリング、ユニバーサル/ピンミリング、ジェット(スパイラルおよび流動化ジェットを含む)ミリング、ローターミリング、パールミリングが挙げられる。特に好ましい方法は、遊星ボールミリング、遠心ボールミリング、および同様の種類の高運動エネルギーロータリーボールミリングである。好ましくは、ミリングは水素雰囲気もしくは不活性雰囲気、例えば、窒素雰囲気で行われる。溶媒が使用される実施形態においては、反応物質のグラインディングはスラリーをグラインディングするのに好適な何らかの方法を用いて達成されうる。溶媒は熱移動を容易にし、それにより、ホットスポットを最小限にし、より良好な温度制御を可能にする。方法の経済性を向上させるために、溶媒の再利用が可能である。この方法中に使用するのに好適な溶媒の例には、アミン、特に第三級アミン;アルカンおよびシクロアルカン、特にC−C12アルカンおよびシクロアルカン;イオン性液体;液体クラウンエーテル;並びに、より低い温度の反応条件のためには、トルエン、グリムおよびエーテルが挙げられる。好適な反応溶媒は、水素化ホウ素化合物が可溶性であり、かつ水素化ホウ素と相対的に非反応性である溶媒である。
【0020】
反応を促進させる別の方法は、放射技術を単独で、もしくは反応性ミリングと組み合わせて使用することである。例えば、マイクロ波照射は特定の反応面にエネルギーを向かわせることができ、反応物質の素早い加熱および深いエネルギー透過を提供することができる。ミリング媒体として使用されることができた金属粉体のようなマイクロ波吸収体、および両性(dipolar)有機液体が反応系に添加され、反応を促進することもできる。これらの技術の利点は、抵抗加熱熱技術で得られたよりもかなり低い処理温度で高い反応速度が起こりうることである。
【0021】
「水素化アルミニウム化合物」は、少なくとも1つの水素原子に直接結合したアルミニウムを有する化合物である。このような化合物の例には、M(AlH、M(AlHOR(式中、Mはアルカリ金属、BeもしくはMgであり;xは1もしくは2であり;並びに、Rはフェニルであるか、または(i)1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基;および(ii)3〜12個の炭素原子を有するアルキル基;の少なくとも1つで置換されたフェニルである)、並びにAlHが挙げられる。M(AlHORは、様々な量の式:M(AlH4−x(OR(式中、yは0〜4の整数である)を有する他の関連する化合物を含むことができ、例えば、様々な量のM(AlHを含むことができる。式:(RO)Mの化合物が水素化アルミニウム化合物と一緒にされて、MHを生じさせる場合には、アルミニウム:(RO)MおよびM(AlH4−x(ORの双方に存在する全てのRO基のモル比は、好ましくは0.2以上:1、好ましくは0.25以上:1であり、好ましくは、この比率は0.9以下:1、好ましくは0.7以下:1、好ましくは0.5以下:1、好ましくは0.4以下:1、好ましくは0.3以下:1である。
【実施例】
【0022】
実施例1(モル比Al/Na=0.34;165℃/950psig)
窒素を充満させたグローブボックス内で、300mlのPARR圧力容器に、アルミニウム(1.258g、ECKA、ロット番号035386、0.185重量%のTiを含有)、ナトリウムp−メトキシフェノラート(20.0g、無水物)および80gのテトラヒドロフランを入れた。この反応器を密閉し、グローブボックスから取り出し、反応器スタンドに取り付けて、水素で600psig(4.1MPa)に加圧し、次いで165℃に加熱した。165℃で、反応器圧力は950psig(6.7MPa)に調節された。この圧力は加熱時間の残りにわたって維持された。この反応は約300分間所定の温度に維持された。室温への冷却後、水素がベントされ、反応器はグローブボックス内に戻された。反応生成物はろ過され、1.95gの固体が得られた(使用されたNaOArに基づいて収率59%のNaH)。可溶性水素化アルミニウムは4.1重量パーセント(NaMEHQに基づいて18.8%の収率に等しい)で検出された。単離された固体はNaHと特徴づけられた(粉体x線回折および加水分解データ)。
【0023】
例2(比較)(モル比Al/Na=1.23;160℃/350psig)
窒素を充満させたグローブボックス内で、300mlのPARR圧力容器に、アルミニウム(5.4g、ECKA、ロット番号035386、0.185重量%のTiを含有、あらかじめ活性化した)、ナトリウムp−メトキシフェノラート(23.7g、無水物)およびテトラヒドロフラン(114.8g)を入れた。この溶液を1.2gのナトリウムトリヒドリドアルミニウム−(4−メトキシ)フェノキシド(STAMP)溶液(24重量パーセントのSTAMP)で処理して活性なHが存在しないことを確実にした。この反応器を密閉し、グローブボックスから取り出し、反応器スタンドに取り付けて、水素で250psig(1.7MPa)に加圧し、次いで160℃に加熱した。160℃で、反応器圧力は350psig(2.4MPa)に調節された。この圧力は加熱時間の残りにわたって維持された。この反応は約120分間所定の温度に維持された。室温への冷却後、水素がベントされ、反応器はグローブボックス内に戻された。反応生成物はろ過され、3.99gの固体が得られた(x線分析によると、AlとNaHとの混合物)。STAMPとして表される可溶性水素化アルミニウムは16.3重量パーセントであり、これはNaMEHQに基づいて61.3%の収率に等しかった。この固体質量残部から、NaMEHQに基づくNaH収率はわずか29.5%であった。
【0024】
実施例3:水素化アルミニウムからの水素化ナトリウム
前記グローブボックス内で、テトラヒドロフラン中のナトリウムp−メトキシフェノラートの20.0重量パーセント溶液80.00gを、トップを備えたプラスチック容器に移した。0.109当量の水素化物を含むSTAMP反応生成物31.42g(0.0363モル濃度のSTAMP)を添加し、この容器を閉じた。反応物質を室温で2時間攪拌した。生成物をろ過し、白色固体を得て、この白色固体は真空乾燥されて2.495gの最終重量であった。
【0025】
トリス(4−メトキシフェノキシ)−ボロキシンの製造:
250mLの攪拌2つ口丸底フラスコに61.83g(1.0mol)のオルトホウ酸および130.3g(1.05mol)の4−メトキシフェノールが入れられた。このフラスコには、1つの口上にショートパス蒸留カラムが取り付けられており、もう一方の口上には熱電対および不活性ガスニードルが取り付けられていた。この反応器を窒素でフラッシュし、温度を120℃に上げると、この時点で水が生じていた。1時間後、温度を160℃に上げてさらに1時間保持した。水が観察されなくなった後で、温度を180℃に設定した。次いで、真空が適用されて過剰な4−メトキシフェノールを除去して、トリス(4−メトキシフェノキシ)−ボロキシン(149g(0.33mol))を残した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素化金属化合物MH(式中、xは1もしくは2であり、Mはアルカリ金属、BeもしくはMgである)の製造方法であって;
当該方法は、式:(RO)M(式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基もしくはアルコキシ基の少なくとも1つによって置換されたフェニルである)の化合物を、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、バナジウム、タンタルおよび鉄からなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む金属触媒、アルミニウム、並びに水素と一緒にして、式:MHの化合物を生じさせることを含み;
アルミニウム:(RO)Mのモル比が0.1:1〜1:1であり;並びに
アルミニウムの重量を基準にして少なくとも200ppmの量で前記触媒が存在する;
水素化金属化合物MHの製造方法。
【請求項2】
Mがリチウム、ナトリウムもしくはカリウムであり、かつxが1である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルミニウム:ROMのモル比が0.1:1〜0.7:1である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
が1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されたフェニルである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1種の金属がチタンである請求項4に記載の方法。
【請求項6】
Mがナトリウムであり、かつRが4−メトキシフェニルである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
アルミニウム:RONaのモル比が0.2:1〜0.5:1である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
水素化金属化合物MH(式中、xは1もしくは2であり、Mはアルカリ金属、BeもしくはMgである)の製造方法であって;
当該方法が式:(RO)M(式中、Rはフェニルであるか、またはアルキル基もしくはアルコキシ基の少なくとも1つで置換されたフェニルである)の化合物を水素化アルミニウム化合物と一緒にすることを含む;
水素化金属化合物MHの製造方法。

【公開番号】特開2011−207748(P2011−207748A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−49745(P2011−49745)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【出願人】(590000020)ザ ダウ ケミカル カンパニー (24)
【氏名又は名称原語表記】THE DOW CHEMICAL COMPANY
【Fターム(参考)】