説明

水素生成装置、プラス極側カバー

【課題】簡単な構成により、気体生成装置に対する安定的な給水を実現することのできる水素発生装置を提供する。
【解決手段】電圧が印加されることにより、水を電気分解する固体高分子電解質膜と、固体高分子電解質膜にて電気分解されるべき水を、固体高分子電解質膜のプラス極側に接するように貯水する酸素極側プレート101であって、外部から給水される水をプラス極側カバー内に吐き出す水吐出口101weと、該水吐出口101weよりも高い高さ位置に設けられ固体高分子電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口101aeとが形成されている酸素極側プレート101を有する水素発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を電気分解することにより、所望の気体を生成させる技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水を電気分解させることにより、所望の気体を生成させる気体生成技術が知られる。
【0003】
上記従来技術において、電気分解される水は燃料に相当するものであり、上記気体生成処理を安定的に行うためには、当該気体生成処理を行う装置に対して安定的に水を供給する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
もちろん、センサや流量計等を用いる複雑な構成を採用すれば、装置に対して安定的に水を供給することは可能であるが、低コスト化および装置の小型化の観点から好ましいとは言えない。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、簡単な構成により、気体生成装置に対する安定的な給水を実現することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る水素生成装置は、水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、該水吐出口よりも高い高さ位置に設けられ前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーと、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明に係る水素生成装置は、水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、該水吐出口よりも広い開口面積を有し前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーと、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明に係る水素生成装置は、水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーとを備え、前記プラス極側カバーの内壁は、酸素取込口近傍が水吐出口近傍よりも高くなるように形成されていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明に係る水素生成装置は、水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、前記プラス極側カバーの貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーと、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0010】
また、上述のような構成の水素生成装置において、前記電解質膜のマイナス極側に配置され、前記電解質膜のプラス極側からマイナス極側へ該電解質膜を透過する水を貯水する気液分離部であって、前記気液分離部の貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口が形成されている気液分離部を備えることを特徴とすることができる。
【0011】
また、上述のような構成の水素生成装置において、前記電解質膜を挟むように配置され該電解質膜に電圧を印加するための電極であって、該電極にて電力供給を受けるための端子が、前記水素生成装置側面に位置するように形成されている電極を備えることを特徴とすることができる。
【0012】
また、上述のような構成の水素生成装置において、前記電極の端子は、前記水素生成装置側面における上下方向中央位置よりも上側に位置するように形成されていることを特徴とすることができる。
【0013】
また、上述のような構成の水素生成装置において、前記プラス極側カバー上方に配置される給水タンクであって、前記水吐出口へ向けて該給水タンク内の水を供給するための第1の穴部と、前記酸素取込口から排気される酸素を該給水タンク内に取り込むための第2の穴部とが形成された給水タンクを備えることを特徴とすることができる。
【0014】
また、本発明に係るプラス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、該水吐出口部よりも高い高さ位置に設けられ前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0015】
また、本発明に係るプラス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、該水吐出口部よりも広い開口面積を有し前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0016】
また、本発明に係るプラス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部とを備え、記貯水部の内壁は、酸素取込口部近傍が水吐出口部近傍よりも高くなるように形成されていることを特徴とすることができる。
【0017】
また、本発明に係るプラス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、前記貯水部の貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上に詳述したように本発明によれば、簡単な構成により、気体生成装置に対する安定的な給水を実現することのできる技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置について説明する。本実施の形態による水素生成装置は、固体高分子電解質であるイオン交換膜(電解質膜)を電解質として純水を電気分解する「SPE(Solid Polymer Electrolyte)電解法」を用いて水を電気分解するものである。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置の分解斜視図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置をx軸方向において図1とは反対方向から見た分解斜視図である。
【0022】
また、図3は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における正面図であり、図4は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における平面図であり、図5は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における側面図であり、図6は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における背面図である。ここで、図1〜図6におけるz軸の矢印方向が、当該水素生成装置使用時における上方に相当するものとする。
【0023】
具体的に、本実施の形態による水素生成装置1は、酸素極側プレート101、ガスケット102、セパレータ103、ガスケット104、MEA105、ガスケット106、セパレータ107、ガスケット108および水素極側プレート109を備えてなる構成となっている。これら水素生成装置1の構成部材である酸素極側プレート101〜水素極側プレート109は、図1および図2に示す位置関係で、ボルトBと水素極側プレート109に形成されているメネジ109bとによって締結される。また、後述の水吐出用穴101wおよび酸素取込用穴101aには、装置内へのゴミ等の侵入を防止するための栓Sを装着可能となっている。
【0024】
以下、本実施の形態による水素生成装置1を構成する各構成要素の機能について詳細に説明する。
【0025】
まず、酸素極側プレート101(プラス極側カバーに相当)は、水素生成装置1のプラス極側における最も外側に配置され、水素生成装置1のプラス極側のカバーとしての役割を有している。図7は、酸素極側プレート101の正面図であり、図8は、酸素極側プレート101の背面図であり、図9は、酸素極側プレート101の平面図であり、図10は、酸素極側プレート101の側面図である。
【0026】
具体的に、酸素極側プレート101は、貯水部101d、水吐出用穴101wおよび酸素取込用穴101aを備えている。
【0027】
ここで、貯水部101dは、後述の固体高分子電解質膜105aにて電気分解されるべき水を、固体高分子電解質膜105aのプラス極側に接するように貯水するための機能を有している。
【0028】
水吐出用穴101wは、外部から給水される水を酸素極側プレート101の貯水部101dの貯水空間内に吐き出すための給水路としての役割を有している。
【0029】
酸素取込用穴101aは、電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を装置外に排気するための排気路としての役割を有している。なお、これら水吐出用穴101wおよび酸素取込用穴101aの断面形状は、ここでは円形となっているが、水の搬送または気体の排気が可能であればよく、その断面形状は問わない。
【0030】
貯水部101dは、x軸方向を中心軸とするような丸穴形状の凹部を、酸素極側プレート101の固体高分子電解質膜105aと対向する側の面に形成することにより設けられている。
【0031】
電圧が印加された固体高分子電解質膜105aは、供給された水の電気分解を行い、そのプラス極側で酸素を発生させ、マイナス極側で水素を発生させる。よって、連続的な水素の生成を行うためには、固体高分子電解質膜105aのプラス極側に安定的に純水を供給するとともに、当該プラス極側にて発生する酸素を効率的に装置外(少なくとも貯水部101dの外側)に排気する必要がある。
【0032】
そこで、本実施の形態では、酸素取込用穴101aの貯水部101dに臨む酸素取込口(酸素取込口部)101aeが、水吐出用穴101wの貯水部101dに臨む水吐出口(水吐出口部)101weよりも高さNだけ高い高さ位置となるような構成としている。プラス極側で発生する酸素は、貯水部101dに給水された水の中を重力方向上側に上昇してゆくため、酸素取込口101aeを水吐出口101weよりも高い位置に配置することにより、酸素取込口101aeに酸素が入り込む確率(酸素取込口101aeから酸素が排出される確率)を水吐出口101weに酸素が入り込む確率よりも高めることができる。
【0033】
また、酸素取込口101aeは、貯水部101dの貯水空間内における最も高い位置(丸穴形状の凹部の頂点位置)に位置するように形成されている。一般に、密閉された空間内で発生した気体は、その空間の内壁に沿って、より上に移動しようとする。よって、貯水部の最上位置に酸素取込口101aeを配置することにより、プラス極側にて発生する酸素をより効率的に酸素取込口101aeに導くことができる。
【0034】
外部と通じる穴が1つしかない貯水空間に対して、当該穴から給水する場合、当該穴は貯水空間への給水路としての機能を有するとともに、当該貯水空間内に存在する気体を排出するための排気路としての機能も併せ持つことになる。このような場合、給水される水と排気される気体とが当該穴内でしばしば衝突し、貯水空間への給水および貯水空間からの排気は不安定なものとなりやすい。このような給水や排気の不安定化は、水素生成装置における水素の生成性能の安定性にも影響を及ぼすおそれがある。
【0035】
一般に、外部と通じる穴が2つ以上ある貯水空間において、これら複数の穴の内いずれか1つから空気の排出が安定的に開始されると、他の穴からの給水が安定的に開始される現象が知られる。本実施の形態のように、貯水空間と外部を繋ぐように設けられた複数の穴の内いずれかを給水用穴として機能させ、他の穴(気体が排気され易い構成とした穴)を排気用穴として機能させることにより、貯水空間内部(固体高分子電解質膜105a表面付近)における水の流れを安定させることができ、水素生成装置としての水素生成処理の安定化に寄与することができる。
【0036】
また、貯水空間と外部を繋ぐように設けられた複数の穴の内の特定の穴から安定的に給水を行うことができるようになることで、排気される気体により給水される水の流れが妨げられることがなく、単位時間あたりに貯水空間に給水する水量を安定させることができる。
【0037】
ガスケット102は、酸素極側プレート101とセパレータ103との間に配置され、ボルトB締め付け時における水密性と気密性を確保するためのシーリング部材である。なお、水素極側プレート109とセパレータ107との間に配置されるガスケット108もガスケット102と同様の構成および機能を有するため、説明は割愛する。図11は、ガスケット102の正面図である。
【0038】
セパレータ103は、後述の酸素発生側電極105eおよびプラス極給電体105fと協働して、固体高分子電解質膜105aに対して電圧を印加する役割を有している。図12は、セパレータ103の正面図である。ここでは、セパレータ103、酸素発生側電極105eおよびプラス極給電体105fにより電極が構成されている。
【0039】
また、セパレータ103は、電極にて電力供給を受けるための端子103tが、水素生成装置1側面における上下方向(Z方向)中央位置よりも上側に位置するように形成されている。このように、電力供給を受ける端子を装置の上側に設けることにより、操作性の向上および漏水に起因する漏電の防止に寄与することができる。また、電極の端子を装置側面に設ける形状としたことにより、装置上側からの純水の給水を行い易くすることができる。
【0040】
なお、セパレータ107もセパレータ103と同様の構成および機能を有している。本実施の形態では、セパレータ103、酸素発生側電極105e(後述)およびプラス極給電体105f(後述)からなる電極と、セパレータ107、水素発生側電極105d(後述)およびマイナス極給電体105b(後述)からなる電極とにより固体高分子電解質膜105a(後述)を挟み、両電極によって該電解質膜に電圧を印加する。
【0041】
なお、本実施の形態におけるセパレータ103および107は、例えば、カーボン、膨張黒鉛、金属、導電性セラミックおよび導電性ポリマーの内少なくともいずれかから形成されていることが好ましい。
【0042】
ガスケット104は、セパレータ103とMEA105との間に配置され、ボルトB締め付け時における水密性と気密性を確保するためのシーリング部材である。図13は、ガスケット104の正面図である。なお、MEA105とセパレータ107との間に配置されるガスケット106もガスケット104と同様の構成および機能を有するため、説明は割愛する。
【0043】
MEA(Membrane Electrode Assembly)105は、電極触媒層と固体電解質材料の膜を接合させた発電ユニットである。図14は、MEA105の正面図であり、図15は、MEA105の背面図である。また、図16は、MEA105の積層状態について説明するための分解図であり、図17は、酸素発生側電極105eの正面図であり、図18は、固体高分子電解質膜105aの正面図であり、図19は、水素発生側電極105dの正面図である。
【0044】
具体的に、MEA105は、固体高分子電解質膜105a(電解質膜に相当)、マイナス極給電体105b、ガス拡散層105c、水素発生側電極105d、酸素発生側電極105e(拡散層付)、プラス極給電体105fを、熱圧着させることにより得られる。ここで、MEA105の熱圧着処理の処理条件としては、例えば、温度を常温〜約150度の範囲とし、圧力を0.1MPa〜10MPa程度とし、加圧時間が数秒間から数時間の範囲とすることが好ましい。
【0045】
このように、電極とイオン交換膜を熱圧着させた構成とすることにより、電極とイオン交換膜をボルト締め付け等によって圧接させる構成(例えば、水素生成量1.4〜2.1ml/min)に比べて、水素発生量を大幅に増加させることができる(例えば、水素生成量11.2ml/min)。
【0046】
ここで、酸素発生側電極105eの電極としては、白金族(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムおよび白金など)の金属やその合金、あるいはその酸化物などを採用可能である。また、本実施の形態では、酸素発生側電極105eのガス拡散電極として金属のメッシュ状のものを採用しているが、繊維状のものや多孔質状のものも採用可能であり、材質についても金属に制限されるものではない。
【0047】
また、本実施の形態において採用される固体高分子電解質膜105aは、フッ素系のイオン交換膜を採用しているが、これに限られるものではなく、例えば炭化水素系のイオン交換膜を採用することもできる。
【0048】
また、ここでのマイナス極給電体105bおよびプラス極給電体105fには、カーボンを採用している。もちろん、これに限られるものではなく、イオン交換膜までの流水路があり、金属等のように電気を通すものであれば材質は問わない。また、その形態についても、メッシュ状、繊維状、多孔質性状および中空構造などを選択可能であるが、上記機能を満たすものであれば、これらの形態以外を採用することも可能である。
【0049】
図20は、水素極側プレート109の正面図である。水素極側プレート109(マイナス極側カバーに相当)は、MEA105のマイナス極側に配置される。
【0050】
具体的に、水素極側プレート109は、排気穴109hおよび貯水部109dを備えている。ここでは、これら水素取込穴109hおよび貯水部109dが気液分離部に相当する。
【0051】
貯水部109dは、固体高分子電解質膜105aのプラス極側からマイナス極側へ固体高分子電解質膜105aを透過する水を貯水する役割を有している。
【0052】
また、水素取込穴109hの水素取込口は、貯水部109dの貯水空間におけるz軸方向での最上位置に位置するように形成されており、固体高分子電解質膜105aのマイナス極側にて発生する水素を装置外部に排気するために取り込む役割を有している。
【0053】
なお、酸素極側プレート101および水素極側プレート109は、例えばアクリル等の透明な絶縁材料から構成することが望ましい。このようにすることで、プラス極側に供給されている水の残量、プラス極側において発生する酸素の発生状況および排気状況、プラス極側から電解質膜を透過してマイナス極側にしみ出している水の量、マイナス極側における水素の発生状況および排気状況などを水素生成装置外部から視認することが可能となる。
【0054】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分には同一符号を付し、説明は割愛する。本実施の形態と第1の実施の形態とは、酸素取込口と水吐出口との関係が異なる。
【0055】
図21は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置における酸素極側プレート101’の正面図である。
【0056】
本実施の形態における酸素極側プレート101’には、外部から給水される水を貯水部101d内に吐き出す水吐出用穴101wと、該水吐出用穴101wよりも広い開口面積を有し固体高分子電解質膜105aのプラス極側にて発生する酸素を装置外に排気するために取り込む酸素取込用穴101a’とが形成されている。同図に示すように、水吐出用穴101wの直径をDwとし、酸素取込用穴101aの直径をDaとするとき、Dw<Daとなっている。
【0057】
このように、貯水部101d内から装置外への酸素の排気を行うための酸素取込用穴101a’の開口面積を水吐出用穴101wの開口面積よりも広く設定することにより、貯水部101d内で発生して上昇する酸素が酸素取込用穴101a’に入り易くすることができ、結果として第1の実施の形態と同様な効果を奏することができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、水吐出用穴の流路の断面積よりも酸素取込用穴の流路の断面積が広い構成を例示したが、必ずしも流路全体の断面積が水吐出用穴よりも大きい必要はなく、少なくとも、水吐出用穴の水吐出口よりも酸素取込用穴の酸素取込口の開口面積が大きければよい。
【0059】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態の変形例である。以下、本実施の形態において、第1の実施の形態にてすでに説明した部分と同様な機能を有する部分には同一符号を付し、説明は割愛する。本実施の形態と第1の実施の形態とは、酸素極側プレートにおける貯水空間の内壁の形状が異なる。
【0060】
図22は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置における酸素極側プレート101”の正面図である。
【0061】
本実施の形態における酸素極側プレート101”には、外部から給水される水を貯水部101d’内に吐き出す水吐出用穴101wと、固体高分子電解質膜105aのプラス極側にて発生する酸素を装置外に排気するために取り込む酸素取込用穴101aとが形成されている。
【0062】
また、本実施の形態における貯水部101’の貯水空間は、酸素取込口近傍の内壁部分101daが水吐出口近傍の内壁部分101dw近傍よりも高さ方向(z軸方向)において高くなるように形成されている。
【0063】
このような構成とすることにより、貯水部101d’内で発生して貯水部内の水中を上昇する酸素を壁面によって酸素取込用穴101a付近に導き、酸素取込用穴101aに入り易くすることができ、結果として上述の各実施の形態と同様な効果を奏することができる。
【0064】
なお、本実施の形態では、貯水部の貯水空間がなめらかな曲線を描く内壁形状である例を示したが、これに限られるものではなく、例えば階段状に内壁形状が変化していてもよい。
【0065】
続いて、上述の各実施の形態による水素生成装置に対する給水方法の一例について説明する。
【0066】
図23は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す斜視図であり、図24は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す正面図であり、図25は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す側面図であり、図26は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す背面図であり、図27は、本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す平面図である。また、図28は、給水タンク2の正面図であり、図29は、給水タンク2の側面図であり、図30は、給水タンク2の平面図である。
【0067】
給水タンク2は、内部に純水を貯水するための貯水空間を有する円柱形状となっており、その貯水量を視認し易いようにアクリル等の透明部材によって形成されている。
【0068】
また、本実施の形態における給水タンク2は、酸素極側プレートの上方に位置するように、水素生成装置1’に対して装着されるようになっている。給水タンク2の底面には、第1の穴部201wおよび第2の穴部201aが形成されている。これら第1の穴部201wおよび第2の穴部201aは、例えばクイックコネクタ等を用いて、水素生成装置1’における水吐出用穴101wおよび酸素取込用穴101a’と連結される。
【0069】
給水タンク2内に貯水される純水は、その自重によって落下することによって水素生成装置1’に供給される。ここでの第1の穴部201wは、水吐出用穴101wの水吐出口へ向けて給水タンク2内の水を供給する役割を有しており、第2の穴部201aは、酸素取込用穴101aの酸素取込口から装置外に排気される酸素を給水タンク2内に取り込む役割を有している。
【0070】
なお、ここでは第2の実施の形態による水素生成装置に給水タンクを装着する例を示したが、これに限られるものではなく、第1および第3の実施の形態による水素生成装置に対しても同様に適用可能であることは言うまでもない。このように、水素生成装置上部に装着される給水タンクから重力を利用して給水する方式を採用することにより、簡単な構成によって安定的な給水を行うことができる。また、上述の各実施の形態のような構成とすることにより、給水タンク2に形成された二つの穴の内一方からの給水を安定的に行わせることができ、ひいては給水タンク2からの単位時間辺りの給水量を安定させることができる(図24参照)。
【0071】
また、ここでは1つの給水タンクから1つの水素生成装置に対して給水する構成を例示したが、これに限られるものではなく、例えば複数の水素生成装置に対して1つの給水タンクから給水するような構成において本発明を適用することにより、給水タンクにおける水排出口からの排水(単位時間辺りの給水量)を安定させることができ、複数の水素生成装置それぞれへの単位時間辺りの給水量もばらつきの無いものとすることができる。
【0072】
続いて、上述の実施の形態による水素生成装置の発電システムへの適用例について説明する。
【0073】
図31は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置1に対して太陽光発電装置3から電力供給を行うシステム例を示す図である。同図に示すシステムでは、まず、太陽光発電装置3から電力供給を受けた水素生成装置1にて、給水タンク2から供給される水が電気分解される。水素生成装置1からは出力として水素が排気される。ここでは、水素生成装置1にて生成された水素の量は、流量モニタ装置4によって視認できるようになっている。流量モニタ装置4を経由した水素は、燃料電池5へと供給され、燃料電池5にて発生した電気によって負荷6が駆動される。
【0074】
図32は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置1に対して手回し発電装置7から電力供給を行うシステム例を示す図である。同図に示すシステムでは、まず、手回し発電装置7から電力供給を受けた水素生成装置1にて、水が電気分解される。水素生成装置1からは出力として水素が排気される。ここでは、水素生成装置1にて生成された水素は、風船8に注入されるようになっている。使用者は、このときの風船8の膨らみ方によって水素生成装置1における水素生成量を視認することができる。そして、風船8内に蓄えられた水素は、燃料電池5へと供給され、燃料電池5にて発生した電気によって負荷6が駆動される。
【0075】
図33は、本発明の第1の実施の形態による水素生成装置1に対して手回し発電装置7から電力供給を行う他のシステム例を示す図である。同図に示すシステムでは、まず、手回し発電装置7から電力供給を受けた水素生成装置1にて、給水タンク2から供給される水が電気分解される。水素生成装置1からは出力として水素が排気される。ここでは、水素生成装置1にて生成された水素は、風船8に注入されるようになっている。使用者は、このときの風船8の膨らみ方によって水素生成装置1における水素生成量を視認することができる。そして、風船8内に蓄えられた水素は、燃料電池5へと供給され、燃料電池5にて発生した電気によって負荷6が駆動される。
【0076】
もちろん、図31〜図33にて示したシステムには、上述の第2および第3の実施の形態による水素生成装置も適用可能であることは言うまでもない。
【0077】
また、上述の各実施の形態では、電解質膜のプラス極側に水を供給し、マイナス極側にて発生する水素を出力とする水素生成装置を例示したが、本発明の適用例はこれに限られるものではなく、例えば、電解質膜のマイナス極側に水を供給し、プラス極側にて発生する酸素を出力とする酸素生成装置に適用することも可能である。
【0078】
具体的に、本発明の実施の形態による酸素生成装置は、水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水するマイナス極側カバーであって、外部から給水される水を前記マイナス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、該水吐出口よりも高い高さ位置に設けられ前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口とが形成されているマイナス極側カバーと、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0079】
また、本発明の他の実施の形態による酸素生成装置は、水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水するマイナス極側カバーであって、外部から給水される水を前記マイナス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、該水吐出口よりも広い開口面積を有し前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口とが形成されているマイナス極側カバーと、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0080】
また、本発明の他の実施の形態による酸素生成装置は、水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水するマイナス極側カバーであって、外部から給水される水を前記マイナス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口とが形成されているマイナス極側カバーとを備え、前記マイナス極側カバーの内壁は、水素取込口近傍が水吐出口近傍よりも高くなるように形成されていることを特徴とすることができる。
【0081】
また、本発明の他の実施の形態による酸素生成装置は、水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置であって、電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水するマイナス極側カバーであって、外部から給水される水を前記マイナス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、前記マイナス極側カバーの貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口とが形成されているマイナス極側カバーと、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0082】
また、上述のような構成の酸素生成装置において、前記電解質膜のプラス極側に配置され、前記電解質膜のマイナス極側からプラス極側へ該電解質膜を透過する水を貯水する気液分離部であって、前記気液分離部の貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口が形成されている気液分離部を備えることを特徴とすることができる。
【0083】
また、上述のような構成の酸素生成装置において、前記電解質膜を挟むように配置され該電解質膜に電圧を印加するための電極であって、該電極にて電力供給を受けるための端子が、前記酸素生成装置側面に位置するように形成されている電極を備えることを特徴とすることができる。
【0084】
また、上述のような構成の酸素生成装置において、前記電極の端子は、前記酸素生成装置側面における上下方向中央位置よりも上側に位置するように形成されていることを特徴とすることができる。
【0085】
また、上述のような構成の酸素生成装置において、前記マイナス極側カバー上方に配置される給水タンクであって、前記水吐出口へ向けて該給水タンク内の水を供給するための第1の穴部と、前記水素取込口から排気される水素を該給水タンク内に取り込むための第2の穴部とが形成された給水タンクを備えることを特徴とすることができる。
【0086】
また、本発明の実施の形態によるマイナス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置における該電解質膜のマイナス極側に装着可能なマイナス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、該水吐出口よりも高い高さ位置に設けられ前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0087】
また、本発明の他の実施の形態によるマイナス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置における該電解質膜のマイナス極側に装着可能なマイナス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、該水吐出口部よりも広い開口面積を有し前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0088】
また、本発明の他の実施の形態によるマイナス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置における該電解質膜のマイナス極側に装着可能なマイナス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口部とを備え、前記貯水部の内壁は、水素取込口部近傍が水吐出口部近傍よりも高くなるように形成されていることを特徴とすることができる。
【0089】
また、本発明の他の実施の形態によるマイナス極側カバーは、電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて酸素を生成する酸素生成装置における該電解質膜のマイナス極側に装着可能なマイナス極側カバーであって、前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のマイナス極側に接するように貯水する貯水部と、外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、前記貯水部の貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口部と、を備えてなることを特徴とすることができる。
【0090】
また、上述した(1)水吐出口よりも気体取込口の高さを高くする構成、(2)水吐出口よりも気体取込口の開口面積を大きくする構成および(3)水吐出口よりも気体取込口近傍の内壁を高くする構成は、必ずしもそれぞれを個別に採用する必要はなく、これら構成を任意に組み合わせて採用することが可能であることは言うまでもない。
【0091】
本発明を特定の態様により詳細に説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱しないかぎり、様々な変更および改質がなされ得ることは、当業者には自明であろう。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置をx軸方向において図1とは反対方向から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置を組み立てた状態における背面図である。
【図7】酸素極側プレート101の正面図である。
【図8】酸素極側プレート101の背面図である。
【図9】酸素極側プレート101の平面図である。
【図10】酸素極側プレート101の側面図である。
【図11】ガスケット102の正面図である。
【図12】セパレータ103の正面図である。
【図13】ガスケット104の正面図である。
【図14】MEA105の正面図である。
【図15】MEA105の背面図である。
【図16】MEA105の積層状態について説明するための分解図である。
【図17】酸素発生側電極105eの正面図である。
【図18】固体高分子電解質膜105aの正面図である。
【図19】水素発生側電極105dの正面図である。
【図20】水素極側プレート109の正面図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置における酸素極側プレート101’の正面図である。
【図22】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置における酸素極側プレート101”の正面図である。
【図23】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す斜視図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す正面図である。
【図25】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す側面図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す背面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態による水素生成装置1’に対して給水タンク2を装着した状態を示す平面図である。
【図28】給水タンク2の正面図である。
【図29】給水タンク2の側面図である。
【図30】給水タンク2の平面図である。
【図31】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置1に対して太陽光発電装置3から電力供給を行うシステム例を示す図である。
【図32】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置1に対して手回し発電装置7から電力供給を行うシステム例を示す図である。
【図33】本発明の第1の実施の形態による水素生成装置1に対して手回し発電装置7から電力供給を行う他のシステム例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
101 酸素極側プレート、101d 貯水部、101w 水吐出用穴、101a 酸素取込用穴、102 ガスケット、103 セパレータ、104 ガスケット、105 MEA、106 ガスケット、107 セパレータ、108 ガスケット、109 水素極側プレート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、
電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、該水吐出口よりも高い高さ位置に設けられ前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーと、
を備えてなる水素生成装置。
【請求項2】
水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、
電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、該水吐出口よりも広い開口面積を有し前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーと、
を備えてなる水素生成装置。
【請求項3】
水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、
電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーとを備え、
前記プラス極側カバーの内壁は、酸素取込口近傍が水吐出口近傍よりも高くなるように形成されている水素生成装置。
【請求項4】
水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置であって、
電圧を印加されることにより、水を電気分解する電解質膜と、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水するプラス極側カバーであって、外部から給水される水を前記プラス極側カバー内に吐き出す水吐出口と、前記プラス極側カバーの貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口とが形成されているプラス極側カバーと、
を備えてなる水素生成装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の内いずれか1項に記載の水素生成装置において、
前記電解質膜のマイナス極側に配置され、前記電解質膜のプラス極側からマイナス極側へ該電解質膜を透過する水を貯水する気液分離部であって、前記気液分離部の貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のマイナス極側にて発生する水素を排気するために取り込む水素取込口が形成されている気液分離部を備える水素生成装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の内いずれか1項に記載の水素生成装置において、
前記電解質膜を挟むように配置され該電解質膜に電圧を印加するための電極であって、該電極にて電力供給を受けるための端子が、前記水素生成装置側面に位置するように形成されている電極を備える水素生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の水素生成装置において、
前記電極の端子は、前記水素生成装置側面における上下方向中央位置よりも上側に位置するように形成されている水素生成装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の内いずれか1項に記載の水素生成装置において、
前記プラス極側カバー上方に配置される給水タンクであって、前記水吐出口へ向けて該給水タンク内の水を供給するための第1の穴部と、前記酸素取込口から排気される酸素を該給水タンク内に取り込むための第2の穴部とが形成された給水タンクを備える水素生成装置。
【請求項9】
電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、
外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、
該水吐出口部よりも高い高さ位置に設けられ前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部と、
を備えてなるプラス極側カバー。
【請求項10】
電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、
外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、
該水吐出口部よりも広い開口面積を有し前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部と、
を備えてなるプラス極側カバー。
【請求項11】
電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、
外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、
前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部とを備え、
前記貯水部の内壁は、酸素取込口部近傍が水吐出口部近傍よりも高くなるように形成されているプラス極側カバー。
【請求項12】
電圧を印加される電解質膜により水を電気分解させて水素を生成する水素生成装置における該電解質膜のプラス極側に装着可能なプラス極側カバーであって、
前記電解質膜にて電気分解されるべき水を、前記電解質膜のプラス極側に接するように貯水する貯水部と、
外部から給水される水を前記貯水部内に吐き出す水吐出口部と、
前記貯水部の貯水空間における最上位置に位置し、前記電解質膜のプラス極側にて発生する酸素を排気するために取り込む酸素取込口部と、
を備えてなるプラス極側カバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2009−114498(P2009−114498A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288961(P2007−288961)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(597103023)株式会社 ケミックス (7)
【Fターム(参考)】