説明

水銀放電管及びそれを用いた表示装置用照明装置及び表示装置

【課題】発光面積を減少させることなく冷却機構を設け、長時間の使用に対しても輝度が低下しない水銀放電管及びそれを用いた表示装置用照明装置、液晶表示装置を提供する。
【解決手段】気密状態で且つ水銀を内封してなる外管4bの中心軸上に内管4aが挿通され、外管4bに電極13が設けられ、且つ、外管4b内壁に蛍光体4dが設けられた水銀放電管4の内管4a内に冷却用流体を流通させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水銀放電管、表示装置用照明装置及び表示装置に関し、より具体的には発光面積を減らすことなく、水銀放電管の管内温度の上昇を抑え、長時間の使用に対して輝度の低下を抑える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は従来の液晶表示装置1を示す断面図である。直下型の液晶表示装置1は照明装置2と液晶パネル3で構成され、照明装置2は液晶パネル3の背後に配置されている。また、照明装置2は複数の線状光源4が並列に配置されており、液晶パネル3と照明装置2の間にはプリズムシート6を含む光学シート7及び拡散板8が配されている。このような液晶表示装置1では線状光源4から出射された光は拡散板8、光学シート7を通り液晶パネル3に到達する。
【0003】
ここで、線状光源4には、熱陰極管(hcfl)、冷陰極管(ccfl)等の水銀放電管を用いる。水銀放電管は両管端部に電極を備え、電極に電圧を印可し発生する電子を封入した水銀に当て紫外線を発生させる。そして、この紫外線が放電管内部に塗布された蛍光体に照射され可視光が放射される。このとき、熱陰極管と冷陰極管の発光原理は同じであるが、熱陰極管の電極はフィラメントを用い、電極を加熱して熱電子を放出するのに対して、冷陰極管は電極間の電圧差を利用して電子を発生させる。
【0004】
また、水銀放電管の輝度は発生する紫外線の発生量に比例し、この紫外線発生量は管内の水銀蒸気圧量によって変化する。しかし、水銀蒸気圧が多い方が紫外線の発生量が多いとはいえず、水銀蒸気圧が一定以上になると紫外線が減る特性がある。また、水銀蒸気圧は水銀放電管の管内温度によって変化する。図12は光源の輝度と光源周辺の周囲温度との関係を示したものであり、光源の周囲温度が所定値(約40℃)を越えると輝度が低下することから、水銀放電管の管内温度もある値を超えると輝度が低下すると考えられる。つまり、長時間、水銀放電管を使用し続けると光源の管内温度が上昇し、所定のピーク温度を超えたとき、輝度が減少し始める。
【0005】
また、図11で示した液晶表示装置1においては、湿気や埃等の浸入を防ぐため線状光源4はランプハウス内に密封収納されており、外部からの通気性が確保されていない。このため長時間光源を使用した場合、光源周辺の温度が上昇し、輝度低下が問題となっていた。また、大型の液晶表示装置において、光源の輝度を確保する必要から光源の数が増え、ランプハウス内の温度が上昇し易い。
【0006】
従来この問題を解決するため、様々な形状のランプが提案されていたが、冷却機構を設けることによりランプの発光面積が減少し、輝度低下が問題となっていた。また、本発明に係る放電管と同じく2重管構造により構成されている放電管もあったが、これら2重構造を有する放電管は光源の管内温度を低下させるための構成ではなく、光源の点灯時により良好な点灯を実現するための断熱構造であった(特許文献1,2,3参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2000−173542号公報
【特許文献2】特開2000−208097号公報
【特許文献3】特開平9−92210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題に鑑み、発光面積を減少させることなく光源に冷却機構を設け長時間の使用に対しても輝度が低下しない水銀放電管及びそれを用いた表示装置用照明装置、液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、気密状態で且つ水銀を内封してなる外管の中心軸上に内管が挿通され、前記外管に電極が設けられ、且つ、前記外管内壁に蛍光体が設けられた水銀放電管において、前記内管内を冷却用流体が流通することを特徴とする水銀放電管である。
【0010】
また本発明は、気密状態で且つ水銀を内封してなる外管の中心軸上に内管が設けられ、前記外管に電極が設けられ、且つ、前記外管内壁に蛍光体が設けられた水銀放電管において、前記内管が前記電極近傍で屈曲して前記外管側面を貫通し、前記内管内を冷却用流体が流通することを特徴とする水銀放電管。
【0011】
また本発明は、上記構成の水銀放電管において、前記内管の中心軸と前記外管の中心軸が同軸上にないことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記構成の水銀放電管において、前記電極がフィラメントコイルを有し、前記フィラメントコイルが前記内管外周に巻かれていることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、光源に上記構成の水銀放電管を用いたことを特徴とする表示装置用照明装置である。
【0014】
また本発明は、上記表示装置用照明装置と、前記光源から出射した光を制御する光制御部材とを備えることを特徴とする表示装置である。
【0015】
また本発明は、上記構成の表示装置において、前記光制御部材は液晶パネルであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の構成によると、気密状態で且つ水銀を内封してなる外管の中心軸上に内管が挿通され、外管内に電極が設けられた場合、この内管と外管の間の空間が発光領域となる。また、内管の一端から内部に冷却用流体を流入し、他端から流出させることで放電管を内部から冷却することができる。これにより、水銀放電管の管内温度を発光効率が最適な温度に調整することができる。なお、この冷却用流体としては気体又は液体どちらでもよいが、液体の方が冷却効果に優れる。
【0017】
また、外管内壁に蛍光体を塗布しているため、この水銀放冷管の発光面は外管外面である。したがって、内管内部に塵埃等が溜まったり、内管外面に水銀が付着し内管の透明性が失われた場合でも、外管の発光面積は減少しない。
【0018】
また、本発明の第2の構成によると、気密状態で且つ水銀を内封してなる外管の中心軸上に内管が設けられ、外管内に電極が設けられた場合、この内管と外管の間の空間が発光領域となる。また、内管が電極近傍で屈曲して外管側面を貫通しているため、電極の設置スペースを十分確保することができる。また、内管の一端から内部に冷却用流体を流入し、他端から流出させることで放電管を内部から冷却することができる。これにより、水銀放電管の管内温度を発光効率が最適な温度に調整することができる。なお、この冷却用流体としては気体又は液体どちらでもよいが、液体の方が冷却効果に優れる。
【0019】
また、外管内壁に蛍光体を塗布しているため、この水銀放冷管の発光面は外管外面である。したがって、内管内部に塵埃等が溜まったり、内管外面に水銀が付着し内管の透明性が失われた場合でも、外管発光面積は減少しない。また、電極近傍は有効発光部ではないため、内管が電極近傍で屈曲し外管側面を貫通した場合でも、発光面積の減少を最小限に抑えることができる。また、当該貫通部分を照射方向とは反対側に配せば、輝度ムラの低下を軽減することができる。
【0020】
また、本発明の第3の構成によると、内管の中心軸と外管の中心軸を同軸上からずらすことで、照射方向の光量を調節することができる。
【0021】
また、本発明の第4の構成によると、電極にフィラメントコイルを用いることによりフィラメントコイルの加熱により放電管内部に発生する熱電子を利用して、可視光を発生させることができる。このとき、フィラメントコイルを内管に巻きつけて設けることにより、内管の配置スペースを確保することができる。
【0022】
また、本発明の第5の構成によると、上記水銀放電管を用いて表示装置用照明装置を構成することにより、所定の輝度を確保しながら長時間の使用においても輝度の低下が少ない表示装置用照明装置を提供することができる。
【0023】
また、本発明の第6の構成によると、表示装置用照明装置の光源からの光を制御する光制御部材を備えることで、所定の輝度を確保しながら長時間の使用においても輝度の低下が少ない表示装置を提供することができる。
【0024】
また、本発明の第7の構成によると、光制御部材に液晶パネルを用いることで所定の輝度を確保しながら長時間の使用においても輝度の低下が少ない液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、冷却機能を備え、長時間の使用においても輝度低下が起こりにくい水銀放電管及びそれを用いた液晶表示装置である。これらの構成について、図等を利用してさらに詳細に説明する。なお、従来例の図11と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0026】
[実施例1]
図1に本実施形態に係る液晶表示装置を説明するための分解斜視図を示す。図1に示すように、液晶表示装置1は、照明装置2と、液晶パネル(光制御部材)3と、表示装置用フレーム9とを含んでいる。また、照明装置2は、線状光源4と、ランプハウス10と、反射シート(図示せず)と、ランプホルダ11で構成され、樹脂製の拡散板8、光学シート7と、照明装置用フレーム12が液晶パネル3と照明装置2の間に配置されている。
【0027】
また、駆動装置(不図示)が液晶パネル3および線状光源4に接続されて液晶パネル3および線状光源4を駆動制御する。ここでは、駆動装置は上記駆動制御をするための回路、装置等を総称するものとする。また、液晶パネル3は対向基板間に液晶が封入されたものである。
【0028】
液晶表示装置1において、光源4から出射した光は、拡散板8および光学シート7を介して液晶パネル3に照射され、液晶パネル3の各画素(または各セル)によって光強度(階調)が制御されたり着色されたりする。すなわち、液晶パネル3は光源4から出射し拡散板8および光学シート7を透過した光を光強度や色等について制御して表示光を作り出す。
【0029】
ここで、拡散板8はアクリル(PMMA)、メタクリルスチレン(MS)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP、例えば日本ゼオン株式会社の商品「ゼオノア(登録商標)」)等の樹脂から成る平板部材である。拡散板8は、ランプ群からの光を拡散させる役割をするとともに、拡散板8上に光学シート7が配置されている。
【0030】
また、光学シート7は、例えば拡散シート5、プリズムシート6、レンズシート等の各種光学シートの1枚または複数枚から成る。なお、光学シート7を構成する各種光学シートの枚数は図示の3枚に限られない。また、光学シートに同種の光学シート(例えば拡散シート)を複数枚含ませても構わない。
【0031】
また、本実施形態では線状光源4として冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)を用いる。図2(a)は本実施形態に係る冷陰極管4の斜視図であり、説明上、一部断面図を含んでいる。また、図2(b)は冷陰極管4の長手方向における断面図であり、図2(c)は冷陰極管4の短手方向における断面図である。この冷陰極管4は内管4aの外側に外管4bを有する2重管型の放電管であり、内管4aと外管4bの間の空間は閉塞され、気密状態にある。また、この空間4cには水銀が封入されるとともに管端に陽極13a及び陰極13bが設けられており、両電極間に電圧を印可すると密封空間4c内に電子が放出され、この電子が気密空間4c内の水銀に衝突し、紫外線が発生する。そして、この紫外線が外管4b内壁に塗布された蛍光体4dに照射され可視光を放出される。
【0032】
また、内管4aの開口部が内管4aと外管4bの間の空間4cを気密状態にしたまま、外管4b外部に通ずるよう形成されており、一方の開口部から流入した気体は内管4a内部を通り他方の開口部より外管4b外部へ流出する(図2(b)矢印参照)。
【0033】
これにより、内管4aを介して冷陰極管4内部を気体が通り抜けるため、冷陰極管4の管内温度の上昇を抑え、輝度の低下を防ぐことができる。また、気体だけでなく冷却効果を高めるため液体を流入させてもよい。また、内管4a内部に酸化アルミ等熱伝導性に優れる材料を充填して冷却効果を得ることもできる。
【0034】
また、図3は冷陰極管4の発光過程を示す冷陰極管の断面図であるが、紫外線14が外管内壁に塗布された蛍光体4dに照射され冷陰極管4が発光するため、内管4aは冷陰極管外部に出射した光を遮断する位置にない。したがって、内管4aをもうけることで外管4bの発光面積が減ることはない。
【0035】
また、内管4aは透明であることが望ましいが、内管4a内部に塵埃が溜まったり、内管4a外面に水銀が付着した場合でも、このことが原因で外管4bの発光面積が減ることはない。なお、内管4a内部に液体を流入する場合、外管4bの光が青色に着色される可能性があるが、このとき、内管4aに青色を吸収する材料を塗付することで青色発色を抑えることができる。また、逆に内管4aに青色以外の光を吸収する材料を塗付することで青色に発色させることもできる。また、外管4b内壁に形成した蛍光体の形成にムラがある場合、光源の軸方向に色ムラが発生するが場合があるが、内管4aに色ムラを相殺する着色を施すことによりこの色ムラを低減することができる。
【0036】
また、冷陰極管の内径は通常2mm〜4mmであり、管端部に電極及び内管4aを設けるのはスペース確保の点から困難である。したがって、図4に示すように内管4aを電極13a、13b近傍で屈曲させ、その開口部を外管側面に設けてもよい。このとき、冷陰極管4の照射方向とは反対側に開口部を向けることで光源の輝度ムラを抑えることができる。
【0037】
また、開口部の一方を外管4b側面に設け、もう一方の開口部を外管4bの管端部に設けてもよい。図5は開口部の一方を外管4b側面に設け、もう一方を外管4bの管端部に設けた冷陰極管4を備える液晶表示装置1の断面図であり、外管4b側面に設けた開口部はチューブでつながれランプハウス10背部の駆動装置17の間から液晶表示装置1背面へ導出され、換気装置18と接続している。また、もう一方の開口部は冷陰極管4の管端部から液晶表示装置1外部にチューブで導出されている。これにより、換気装置18により開口部へ送り込まれた外部の空気は、冷陰極管4内を通り液晶表示装置1側面の開口部より外部へ放出される(図5矢印参照)。この構成によると、ランプハウス10内を密封し、埃塵の浸入を防ぎながら、冷陰極管4内に空気を流通させ管内温度の上昇を抑えることができる。また、これら気体循環機構を液晶表示装置1内にコンパクトに収納することもできる。
【0038】
次に内管4aと外管4bの配置と光量の関係について説明する。図6は冷陰極管4の断面図であり、光の出射方向を白抜きの矢印で示している。図6(a)のように、内管4aの同心軸と外管4bの中心軸が一致している場合、外管4bから出射する光は外管の中心軸を中心に放射状に発射されるが、内管4aの中心軸と外管4bの中心軸をずらして冷陰極管4を形成した場合、光は放射状に出射しない。つまり、内管4aの中心軸と外管4bの中心軸をずらした場合、図6(b)に示すように、内管4aが遠ざかった外管4bの面から出射する光量が増加し、内管4aが接近した外管4bの面から出射する光量は減少する。
【0039】
図7は図1で示した液晶表示装置1を簡略化して示した断面図であり、線状光源には、図2で示した2重管型の冷陰極管4を用いている。ここで、線状光源4と真正面に対向する部位近傍は直射光の単位面積当りの入射光量が最も多いため輝度が高く、線状光源間の中間位置に対向する部位近傍は単位面積当りの入射光量が少なく輝度が低い。
【0040】
したがって、これら輝度の高低が拡散板8上で線状光源の像となって現われ、輝度むらが生じることがある。また、冷陰極管4と拡散板8を近づけるにつれ拡散板上に線状光源の像がより顕著に現れる。
【0041】
この問題を解決するために、上述した内管4aの中心軸と外管4bの中心軸が同軸上にない冷陰極管4を用いることができる。図8(a)は内管4aの中心軸を拡散板8側にずらして形成した冷陰極管4を用いた液晶表示装置1である。このような構造の冷陰極管4は図6(b)に示した通り拡散板8方向へ出射する光量が少なく、冷陰極管4と拡散板8が近づけて配置されても線状光源4の像は表出し難い。なお、このとき、輝度及び輝度均一性を確保するため反射板からの反射光を利用する必要がある。
【0042】
また、図8(b)に示すように内管4aの中心軸を拡散板8から遠ざけるようにずらして冷陰極管4を形成することで冷陰極管4の拡散板8方向へ出射する光の量は増加し、輝度が向上する。なお、このとき、線状光源4の像が表出しないよう、線状光源4と拡散板8の距離を十分確保する必要がある。また、図8(c)に示すようにこれらを組み合わせて輝度及び輝度均一性が最適な照明装置を作製することもできる。
【0043】
[実施例2]
次に、本実施形態では線状光源として熱陰極管15(HCFL;Hot Cathode Fluorescent Lamp)を用いた場合について検討する。熱陰極管15を図1で示した液晶表示装置中の線状光源4として使用することができる。特に近年、液晶表示装置の画面サイズが大型化するのに伴い、所定の輝度を確保する必要があり、冷陰極管よりも輝度の高い熱陰極管の使用が検討されている。
【0044】
図9は本発明に係る熱陰極管15を示す斜視図及び断面図である。熱陰極管も上記実施例1で示した冷陰極管4と同じ構造をとり、内管15aの外側に外管15bを有する2重管型の放電管である。内管15aと外管15bの間の空間は閉塞され、気密状態にある。また、この気密空間15cには水銀が封入されるとともにフィラメントコイル16が設けられた電極が配置されており、フィラメントコイル16を熱して熱電子を放出し、この熱電子が水銀から紫外線を発生させ、この紫外線が外管15b内壁に塗布された蛍光体に照射され可視光が放出される。
【0045】
また、内管15aの開口部が、外管15b外部に通ずるよう形成されており、一方の開口部から流入した気体を内管15a内部を通し他方の開口部から外管15b外部へ流出させることができる(図9(b)矢印参照)。
【0046】
これにより、内管15aを介して熱陰極管15内部を気体が通り抜けるため、熱陰極管15の管内温度の上昇を抑え、輝度の低下を防ぐことができる。また、気体の代わりに液体を流入させ冷却効果を高めることも可能であるし、内管15a内に熱伝導性に優れる材料を充填してもよい。
【0047】
また、図9に示すようにフィラメントコイル16を内管15aを取り巻くように設け、フィラメントコイル16の配置スペースを確保することができる。なお、フィラメントコイル16は内管15a外周に必ず取り巻く必要はなく、図10に示すように内管15aの開口部を外管15b側面に設けフィラメント設置のためのスペースを確保することも可能である。なお、熱陰極管15の内径は15mm〜30mmであり、フィラメントを配置するスペースを確保することは冷陰極管に比べ容易である。
【0048】
また、図5に示すような構成の液晶表示装置1において冷陰極管4の代わりに熱陰極管15を用いることが可能であるとともに、図6〜図8で上述したように内管15aの中心軸と外管15bの中心軸をずらした熱陰極管15を用いて所定の輝度均一性及び輝度を確保することができる。
【0049】
以上の説明は本発明のあくまでも一例に過ぎず、種々の変形や応用が考えられる。例えば、照明装置2の光源として、例示した冷陰極管、熱陰極管の代わりに、セミポットを用いることもできるし、拡散板8の直下に光源4が配置される上述の直下型照明装置だけでなくエッジライト型照明装置にも本発明にかかる水銀放電管を適用できる。
【0050】
さらに、液晶パネル3以外の非自発光型表示パネルを「光制御部材」として照明装置20と組み合わせて表示装置を構成することも可能である。ここで、照明装置2から出射される光(照明光)の光強度(階調)や色等を制御可能な部材を「光制御部材」と呼ぶとき、液晶パネル3等の表示パネル以外にも、例えば駅等に設置されるバックライト付き看板における当該看板も「光制御部材」に該当する。このとき、上記バックライト付き看板は「表示装置」に該当するとともに、当該バックライトは「表示装置用照明装置」に該当する。さらに、プレゼンテーション等で利用されるオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)や、レントゲン写真を裏面から照らすためのシャウカステンや、製図等で利用されるバックライトボックス等についても照明装置2を応用することができる。
【0051】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、管内温度の上昇により生じる輝度の低下を防止可能な水銀放電管を得ることができ、さらにそのような水銀放電管によって表示品位を改善可能な表示装置用照明装置を得ることができ、その結果、表示品位が改善された表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】は、本実施形態に係る液晶表示装置を説明するための分解斜視図である。
【図2】は、(a)本実施形態に係る冷陰極管を説明するための斜視図、(b)本実施形態に係る冷陰極管の長手方向における断面図、(c)本実施形態に係る冷陰極管の短手方向における断面図である。
【図3】は、本実施形態に係る冷陰極管の発光の原理を説明するための冷陰極管の短手方向における断面図である。
【図4】は、本実施形態に係る冷陰極管の第2例を説明するための冷陰極管の長手方向における 断面図である。
【図5】は、本実施形態に係る冷陰極管の第3例を説明するための液晶表示装置の断面図である。
【図6】は、本実施形態に係る冷陰極管における内管と外管の配置と光量の関係と説明するための冷陰極管の短手方向の断面図である。
【図7】は、本実施形態に係る冷陰極管を用いた液晶表示装置の断面図である。
【図8】は、(a)本実施形態に係る冷陰極管を用いた液晶表示装置の第2例を説明するための断面図、(b)本実施形態に係る冷陰極管を用いた液晶表示装置の第3例を説明するための断面図、(c)本実施形態に係る冷陰極管を用いた液晶表示装置の第4例を説明するための断面図である。
【図9】は、(a)本実施形態に係る熱陰極管を説明するための斜視図、(b)本実施形態に係る熱陰極管の長手方向における断面図、(c)本実施形態に係る熱陰極管の短手方向における断面図である。
【図10】は、本実施形態に係る熱陰極管の第2例を説明するための断面図である。
【図11】は、従来の液晶表示装置を説明するための断面図である。
【図12】は、管内温度と輝度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0054】
1 液晶表示装置
2 照明装置
3 液晶パネル(光制御部材)
4 冷陰極管
4a 内管
4b 外管
4c 空間
4d 蛍光体
5 拡散シート
6 プリズムシート
7 光学シート
8 拡散板
9 表示装置用フレーム
10 ランプハウス
11 ランプホルダ
12 照明装置用フレーム
13a 陽極
13b 陰極
14 紫外線
15 熱陰極管
15a 内管
15b 外管
15c 空間
15d 蛍光体
16 フィラメント
17 駆動装置
18 換気装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密状態で且つ水銀を内封してなる外管の中心軸上に内管が挿通され、
前記外管に電極が設けられ、且つ、前記外管内壁に蛍光体が設けられた水銀放電管において、
前記内管内を冷却用流体が流通することを特徴とする水銀放電管。
【請求項2】
気密状態で且つ水銀を内封してなる外管の中心軸上に内管が設けられ、
前記外管に電極が設けられ、且つ、前記外管内壁に蛍光体が設けられた水銀放電管において、
前記内管が前記電極近傍で屈曲して前記外管側面を貫通し、
前記内管内を冷却用流体が流通することを特徴とする水銀放電管。
【請求項3】
前記内管の中心軸と前記外管の中心軸が同軸上にないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水銀放電管。
【請求項4】
前記電極がフィラメントコイルを有し、前記フィラメントコイルが前記内管を取り巻くように設けられていることを特徴とする請求項1及至請求項3のいずれか1に記載の水銀放電管。
【請求項5】
光源に請求項1及至請求項4のいずれかの水銀放電管を用いたことを特徴とする表示装置用照明装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表示装置用照明装置と、前記光源から出射した光を制御する光制御部材とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
前記光制御部材は液晶パネルであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−112657(P2008−112657A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295348(P2006−295348)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】