説明

水銀灯発光管による加熱装置

【課題】省エネ化、効率化を図った暖房器具を提供する。
【解決手段】金属製の外箱3の内部に水銀灯発光管1を取り付け、外箱の内部に熱媒(液体)2を満たして外箱3に蓋をした構造の暖房機。水銀灯発光管1の電源をオンにすると水銀灯が点灯し、蒸気圧が一気圧を超え、蒸気中の電流密度が増すと、蒸気温度は急に上昇し、約2000度に達する原理を利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水銀灯発光管を熱源として使うための工夫である。
【背景技術】
【0002】
従来の技術ではアーク炉、誘導加熱、誘電加熱、ニクロム線、カーボン抵抗器、ハロゲンランプ等で電気エネルギーを熱エネルギーに変換しているが、これらの方法では省電力化が難しい。
【0003】
まず従来の技術で効率が良いものだけを説明しますと、アーク炉の場合、直接アーク炉と間接アーク炉の二種類があり、直接アーク炉では、電源が三相80V〜250Vで加熱温度は1,600℃以上になり、後者では、電源が単相80V〜140Vで加熱温度は1000℃〜1500℃になります。
次に、誘導加熱の場合、無鉄心型と有鉄心型の二種類があり、無鉄心型は、るつぼのまわりに巻かれたコイルに交流電流を流し、それによって、るつぼ中の被熱物(電気導体)にうず電流を誘起させ、その電流による発熱を利用しているが、ここでは有鉄心型の説明は省略する。
最後に誘電加熱について、この加熱装置(マグネトロン)は家庭用電子レンジに多く使用されているが、これの被熱物(誘電体)の単位体積あたりの電力損失は、電界の強さの二乗に比例し、周波数f、比誘電率εs、誘電体力率tanΘの積に比例する。
【先行技術文献】
【特許文献1】
【0004】
特開平07−139813 公報
【非特許文献1】
【0005】
日本資格技能協会 第三種電気主任技術者講座 テキスト機械IIの34頁〜35頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冬は熱源を暖房器具として使用するが、従来の方法で熱量を発生させるのでは抵抗値が大きく、消費電力も大きい。高周波を使用したものも同様である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、従来の構成が有していた問題点を解決しようとするものであり、少ない消費電力で大きな熱量を発生させることを実現することを目的とする。
【発明の効果】
【0008】
少ない消費電力で電気エネルギーを大きな熱エネルギーに変換できる。
これにより、暖房器具、電気ボイラーの省エネ化が可能。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図1、図2、図3に基づいて説明する。
【0010】
図1においては、1は熱源で、スィッチがオンになると光と熱量を発生し、時間の経過と共に2の熱媒に熱流が伝わると3の金属製外箱に熱流が伝わり、最後に空中に放熱される構造である。
【0010】
図3においては図1の試作品にファンを取り付け、10を中空のフィンとしたものである。
【実施例】
【0011】
本発明の注意点を図1、図2、図3に基づいて説明する。
8の膨張弁は、風船またはベローズの様な構造とし、熱媒の体積変化による内圧を逃がすことにより、破裂を防止する。
【0012】
図1、図3において、3の外箱と12の電気回路部の間には12の電気回路部の熱流による誤動作と損傷を防止するため、断熱構造とする。
【0013】
図1、図2において、11の土台(または脚)と3の外箱本体の下部には熱流が伝わらないように、3の外箱本体の下に断熱材13を使用する。
【産業上の利用可能性】
【0014】
暖房器具、電気ボイラーへの応用。
【符号の説明】
【0015】
1 発光管
2 熱媒
3 外箱
4 熱流
5 過熱防止回路
6 温度計
7 温度センサー
8 膨張弁
9 ファン
10 フィン
11 土台(脚)
12 電気回路部
13 断熱材
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】試作図
【0017】
【図2】原理図
【0018】
【図3】試作図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図2において、1の発熱体の熱流が2の熱媒に伝わり、次に3の金属製の外箱に伝わり、最後に空中に放熱されるもので、1の発熱体は水銀灯発光管で製作し、その電源をオンにすると水銀灯が点灯し、蒸気圧が一気圧を超え、蒸気中の電流密度が増すと、蒸気温度は急に上昇し、約2000度に達する原理を利用した水銀灯発光管による加熱装置である。
【請求項2】
図1、図2、図3において、金属製の外箱の内部に水銀灯発行管を取り付け、外箱の内部に熱媒(液体)を満たして外箱に蓋をした構造だが、内圧による危険防止の為、8の膨張弁を取り付け、外箱底部と電気回路部に熱流を伝えないため、特定箇所に断熱材を使用することで、簡単な安全対策を考慮した水銀灯発光管による加熱装置である。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−12943(P2011−12943A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−174766(P2009−174766)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(504145135)