説明

永久磁石型回転電機の回転子

【課題】突極性を向上させることにより、回転子の回転角度の検出精度を向上させた永久磁石型回転電機の回転子を提供する。
【解決手段】回転子鉄心32に配置された複数の永久磁石33をそれぞれ取り囲む導通回路34を備える。導通回路34は、永久磁石33の間に配置され回転軸31の方向に延在する一対の第1導体40を備え、一対の第1導体40の内側45同士の間隔は、永久磁石33の周方向の幅よりも大きく、かつ、周方向に連続する永久磁石33のうち所定の永久磁石33の両側で隣り合う他の永久磁石33の対向する端面46同士の間隔以下に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回転子鉄心に永久磁石を備え、整流子を用いずに回転する永久磁石型回転電機の回転子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回転子鉄心に永久磁石を備え、整流子を用いずに駆動する永久磁石型回転電機は、近年、様々な用途に採用されており、低コスト化、小型化が求められている。この要求に応えるために、回転電機の突極性を利用し、固定子巻線に高周波電流を印加することによって回転子の回転角度を検出し、エンコーダやレゾルバなどの回転角度検出装置を備えずに回転電機を駆動する、いわゆる「センサレス駆動」技術が開発されている。
【0003】
回転子の回転角度検出の精度を向上させるためには、突極性の向上が求められ、様々な工夫がなされている。従来の永久磁石型回転電機では、回転子の外表面に、回転子のN極とS極とを区分する極間から、回転子の正回転方向と逆回転方向に例えば電気角80〜100°の角度区間に渡って、導電性の非磁性体層を形成している。(例えば、特許文献1参照)
【0004】
また、他の従来の永久磁石型回転電機では、センサレス駆動が目的ではないが、永久磁石からの漏洩磁界を低減し、突極性を向上させるために、永久磁石の一端または両端に非磁性電気導体を設けている。そして、永久磁石に発生する渦電流を抑制するために、永久磁石の周囲に接して非磁性電気導体を設けている。(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−56193号公報(第3頁、図2)
【特許文献2】特開2005−117858号公報(第4−8頁、図2、図4、図8、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような永久磁石型回転電機にあっては、非磁性体層が回転子の外表面に設けられているため、得られる突極性は不充分であるという問題点があった。
【0007】
また、非磁性電気導体を永久磁石に接して設けた場合においても、永久磁石端部の近傍を通過する磁束に対してのみ有効であり、効果が限定的であった。このため、突極性が不充分であった。
【0008】
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、突極性を向上させることにより、回転子の回転角度の検出精度を向上させた永久磁石型回転電機の回転子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る永久磁石型回転電機の回転子は、回転子鉄心に配置された複数の永久磁石をそれぞれ取り囲む導通回路を備え、回転子の周方向におけるこの導通回路の内側の幅を、永久磁石の周方向の幅よりも大きく、かつ、周方向に連続する永久磁石のうち所定の永久磁石に注目するとき、所定の永久磁石の両側で隣り合う他の永久磁石の、この所定の永久磁石と対向する端面同士の間隔以下に設定されたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、回転子の周方向における導通回路の内側の幅を、永久磁石の周方向の幅よりも大きく、かつ、この永久磁石と隣り合う両側の他の永久磁石の、この永久磁石に対向する端面同士の間隔以下にしたことにより、導通回路に鎖交する磁束を大きくすることができ、突極性が向上する。これにより、回転子の回転角度の検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機を示す平面図である。
【図2】この発明の実施の形態1における回転子を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1における回転子を示す平面図である。
【図4】この発明の実施の形態1における導通回路を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態1における連続する3つの永久磁石および導通回路だけを取り出して示す平面図である。
【図6】この発明の実施の形態1における固定子巻線に印加された高周波電流のリサージュ波形を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機の突極性の目安と駆動電流との関係を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2における回転子を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態2における回転子を示す平面図である。
【図10】この発明の実施の形態2における連続する3つの永久磁石および導通回路だけを取り出して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機1を示す平面図である。まず、この発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機1の構成の概略を説明する。図1において、永久磁石型回転電機1は固定子20を備え、この固定子20との間に所定の間隙をもって回転子30aが固定子20の内周側に回転自在に設けられた構成となっている。
【0013】
次に、固定子20の構成について説明する。図1において、固定子20は、固定子鉄心21を備えている。この固定子鉄心21は、環状のヨーク部22と、このヨーク部22の径方向内側に等間隔に突き出たティース部23、ティース部23同士の間の溝であるスロット24を備えている。ティース部23には固定子巻線25が巻回されている。図1では、一例として、スロット24を12個設けた場合を示しているが、これに限られることはない。
【0014】
次に、回転子30aの構成について説明する。図2はこの発明の実施の形態1における回転子30aを示す斜視図であり、図3はこの発明の実施の形態1における回転子30aを示す平面図である。図2、図3において、回転軸31の外周側に回転子鉄心32が取り付けられ、この回転子鉄心32の外周表面に極性の異なる永久磁石33が交互に周方向に関して等間隔に配置されている。そして、永久磁石33を取り囲む導通回路34がそれぞれ取り付けられている。図2、図3では、一例として、永久磁石33を10極設け、導通回路34を全ての永久磁石33に取り付けた場合を示しているが、これに限られることはない。
【0015】
回転子鉄心32の外周表面には、永久磁石33の位置決め用突起部35が設けられ、永久磁石33は、この位置決め用突起部35に挟まれて配置されている。このため、永久磁石33の周方向の幅は、電気角180°よりも小さくなっている。
【0016】
また、図1に示すように、永久磁石33や導通回路34を保護するために、例えばSUS製で円筒状の飛散防止部材36を、この回転子30aの外周面を覆うように設けるが、図2、図3では省略している。
【0017】
次に、導通回路34の構成について説明する。図4はこの発明の実施の形態1における導通回路34を示す斜視図であり、図5はこの発明の実施の形態1における連続する3つの永久磁石33および導通回路34だけを取り出して示す平面図である。図4、図5において、導通回路34は、永久磁石33の間に配置され回転軸31の方向に延在する一対の第1導体40を備え、これら一対の第1導体40の端部同士が一対の第2導体41によって電気的に接続されている。これら、第1導体40と第2導体41により構成される導通回路34によって永久磁石33が取り囲まれている。
【0018】
第1導体40と第2導体41は、例えば銅、アルミニウム、真鍮などの導体により形成され、表面は皮膜で覆われるなどの絶縁処理が施されていることが好ましい。図4では、角状の断面形状をした導体を用いた例を示しているが、これに限られることはなく、円状でも楕円状でも他の形状でもよい。
【0019】
図5において、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aは、電気角180°より大きく構成されている。永久磁石33の周方向の幅Bは電気角180°よりも小さくなっているので、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aは、永久磁石33の周方向の幅Bよりも大きくなっている。このため、第1導体40の内側45は永久磁石33に接していない。さらに、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aは、周方向に連続する3つの永久磁石33のうち中央に位置する永久磁石33に注目するとき、この中央に位置する永久磁石33の両側で隣り合う永久磁石33の、中央に位置する永久磁石33と対向する端面46同士の間隔C以下に設定される。
【0020】
以上のように、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aを設定することにより、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48が、隣り合う他の導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向で互いに重なり合う構成となっている。
【0021】
導通回路34の形成方法としては、例えば、1本の銅線を巻き付けた後、銅線の端部同士を接合する方法や、パイプ状の銅管を拡管成形する方法などがある。これらの方法では、歩留りが高く、容易に導通回路34を形成することができる。また、パイプ状の銅管を拡管成形する方法では、端部の接合なしで導通回路34を形成できる。
【0022】
次に、導通回路34の配置について説明する。図3において、上述のように導通回路34は、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48が、隣り合う他の導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向で互いに重なり合うようにしてそれぞれの永久磁石33の周囲に配置される。隣り合う導通回路34において、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48同士が互いに重なり合うために、回転子鉄心32と接して配置される導通回路34と、この導通回路34よりも回転軸31の中心50との距離が大きい導通回路34とが、周方向に関して交互に配置されている。即ち、径方向内側に位置する導通回路34と径方向外側に位置する導通回路34とが、周方向に関して交互に配置されている。
【0023】
次に、永久磁石型回転電機1の回転子30aの回転角度の検出動作について説明する。上述のように、回転子30aの回転角度の検出には、突極性、即ち、回転子30aの回転角度による固定子巻線25のインピーダンスの差異を利用している。
【0024】
固定子巻線25に、永久磁石型回転電機1の駆動電流よりも高い周波数の高周波電流を印加し、交流磁束を発生させる。交流磁束が導通回路34に鎖交すると、導通回路34に誘導電流が流れる。この誘導電流によって発生する磁束により、高周波電流によって発生する磁束が打ち消され、固定子巻線25のインピーダンスが小さくなる。
【0025】
例えば、図3における、磁極方向と同じ向きであるd軸51で交流磁束の振幅が最大になる場合は、導通回路34に鎖交する磁束量は最大となり、固定子巻線25のインピーダンス変化は最大となる。また、磁極方向と直交する向きであるq軸52で交流磁束の振幅が最大になる場合は、導通回路34に鎖交する磁束は互いに打ち消し合うため、誘導電流は流れず、固定子巻線25のインピーダンスは変化しない。
【0026】
このように、固定子巻線25のインピーダンスの変化量は回転子30aの回転角度によって異なる。よって、固定子巻線25に流れる電流を検出することにより、回転子30aの回転角度を検出することができる。
【0027】
印加する高周波電流の周波数としては、駆動電流の周波数の2倍以上が必要であるが、検出精度を上げるためには、より高い周波数の電流を印加することが好ましく、駆動電流の10〜15倍以上の周波数を用いることが好ましい。例えば、駆動電流が125Hz以下であるような回転電機の場合は、1kHz以上、より好ましくは3kHz以上の周波数が用いられる。
【0028】
この発明の実施の形態1では、導通回路34の一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aが、永久磁石33の周方向の幅Bよりも大きくなっているため、導通回路34を永久磁石33に接して配置した場合と比べて、導通回路34に鎖交する磁束量が多くなる。このため、導通回路34に流れる誘導電流が大きくなり、固定子巻線25のインピーダンス変化が大きくなる、つまり、突極性が向上するという効果が得られる。
【0029】
さらに、一対の第1導体40の内側45同士の間隔を電気角180°より大きくすることにより、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48が、隣り合う他の導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向で互いに重なり合うようにしたことによる効果について説明する。
【0030】
図6はこの発明の実施の形態1における固定子巻線25に印加された高周波電流のリサージュ波形を示す図である。横軸はd軸電流、縦軸はq軸電流を示している。回転子30aの回転角度によって固定子巻線25のインピーダンスが変化するため、d軸電流とq軸電流に差異が生じ、リサージュ波形は楕円形状となる。突極性が高いほど、d軸電流が大きく、即ち、リサージュ波形の長軸が長くなる。
【0031】
図6において実線で示した駆動電流を流さない無負荷時のリサージュ波形55は、長軸が横軸、短軸が縦軸に一致する楕円となる。図6において破線で示した駆動電流を大きくした高負荷時は、固定子鉄心21の磁気飽和の影響により、リサージュ波形56の軸が傾き、さらに、無負荷時のリサージュ波形55よりも長軸が短くなる。これは、駆動電流を大きくしたときに突極性が低下することを示している。
【0032】
図7はこの発明の実施の形態1における永久磁石型回転電機1の突極性の目安と駆動電流との関係を解析によって求めた図である。図7において、横軸は駆動電流の大きさを、縦軸は突極性の目安の大きさを示す。ただし、横軸の駆動電流の大きさは定格負荷時を100%とし、縦軸の突極性の目安の大きさは駆動電流を流さない無負荷時の値で規格化している。ここで、突極性の目安とは、d軸電流とq軸電流の比を示している。
【0033】
図7において、この発明の実施の形態1における回転子30aを用いた場合、即ち、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aを電気角180°より大きくすることにより、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48が、隣り合う他の導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向で互いに重なり合うようにした場合の永久磁石型回転電機1の突極性の目安と駆動電流との関係60を実線で示す。そして、導通回路34を永久磁石33に接して配置した場合、即ち、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aと永久磁石33の周方向の幅Bが等しい場合の従来の永久磁石型回転電機の突極性の目安と駆動電流との関係61を破線で示す。
【0034】
図7を見て分かるように、この発明の実施の形態1における回転子30aを用いた場合と、導通回路34を永久磁石33に接して配置した場合と、ともに駆動電流が大きくなるに従って突極性の目安は小さくなっている。しかし、この発明の実施の形態1における回転子30aを用いた場合は突極性の目安の低下が従来のものより抑えられている。つまり、駆動電流を大きくしたときの突極性の低下を抑える効果がある。
【0035】
この発明の実施の形態1では、以上のように、導通回路34の一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aを、永久磁石33の周方向の幅Bよりも大きくしたことにより、突極性が向上するという効果が得られる。さらに、一対の第1導体40の内側45同士の間隔Aを電気角180°より大きくすることにより、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48が、隣り合う他の導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向で互いに重なり合うようにしたことによって、駆動電流を大きくしたときの突極性の低下を抑える効果がある。これにより、回転子30aの回転角度の検出精度が向上するという効果がある。
【0036】
また、突極性が向上したため、固定子巻線25に印加する高周波電流の振幅を小さくしても回転子30aの回転角度を検出できる。この高周波電流は、回転電機の振動や騒音の原因となるため、高周波電流の振幅を小さくすることにより、振動、騒音を小さく抑えることができる。
【0037】
尚、この発明の実施の形態1では、導通回路34は1回巻き付けただけの構成を示した。しかし、これに限られることはなく、複数ターン巻回し、両端を接合して形成してもよい。これにより、導通回路34に流れる誘導電流が大きくなるため、突極性がさらに向上する効果が得られる。突極性がさらに向上することにより、回転子30aの回転角度の検出精度がさらに向上する。また、印加する高周波電流の振幅をさらに小さくしても回転角度を検出できるようになるため、振動、騒音をさらに低減できる。
【0038】
さらに、この発明の実施の形態1では、径方向内側に位置する導通回路34を回転子鉄心32と接して配置した。しかし、導通回路34と回転子鉄心32が接している必要はなく、導通回路34と回転子鉄心32との間に間隔があいていてもよい。
【0039】
加えて、この発明の実施の形態1では、径方向内側に位置する導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向外側に位置する導通回路34によって囲まれる空間47の一部48とが互いに重なり合うように配置した。しかし、重なり合っている必要はなく、間隔をあけて互いに対向している構成でもよい。
【0040】
また、この発明の実施の形態1では、表面配置型永久磁石回転子の例により説明した。しかし、埋め込み型永久磁石回転子に同様の導通回路34を用いても、突極性を向上させる効果が得られる。この場合は、回転子鉄心31に形成された永久磁石33の埋め込み孔に導通回路34を挿入する、あるいは、回転子鉄心31の外表面に導通回路34を配置する方法がある。両者では、回転子鉄心31の外表面に導通回路34を配置する場合の方が、より突極性を向上させることができる。
【0041】
実施の形態2.
図8はこの発明の実施の形態2における回転子30bを示す斜視図であり、図9はこの発明の実施の形態2における回転子30bを示す平面図である。また、図10はこの発明の実施の形態2における連続する3つの永久磁石33および導通回路34だけを取り出して示す平面図である。尚、図10において、紙面の表方向が回転子30bの外側、紙面の裏方向が回転子30bの内側である。図8において図2と、図9において図3と、図10において図5と同じ符号を付けたものは、同一または相当の構成を示しており、その説明を省略する。この発明の実施の形態1とは、導通回路34の配置の仕方を変えた点が相違している。
【0042】
即ち、この発明の実施の形態2においては、一対の第1導体40の一方65と回転軸31の中心50との距離よりも、他方66と回転軸31の中心50との距離の方が大きくなるように導通回路34が構成されている。つまり、一対の第1導体40の一方65が径方向内側、他方66が径方向外側となっている。このようにして、導通回路34によって囲まれる空間47の一部48が、隣り合う他の導通回路34によって囲まれる空間47の一部48と径方向で互いに重なり合う構成となっている。
【0043】
この実施の形態2では、以上のような構成としたことにより、全ての導通回路34が同じ関係で配置されるので、導通回路34に発生する誘導電流が全ての導通回路34において均一にできる。このため、固定子巻線25のインピーダンス変化のばらつきを低減できる効果がある。
【0044】
また、導通回路34同士が互いに端部を押さえ合っているため、導通回路34が飛散しにくいという効果も得られる。
【0045】
以上、この発明の実施の形態1および2について説明した。これらの、この発明の実施の形態1および2で説明した構成は互いに組合せることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 永久磁石型回転電機
30a、30b 回転子
31 回転軸
32 回転子鉄心
33 永久磁石
34 導通回路
40 第1導体
41 第2導体
45 第1導体の内側
46 永久磁石の端面
47 導通回路によって囲まれる空間
48 導通回路によって囲まれる空間の一部
50 回転軸の中心
65 一対の第1導体の一方
66 一対の第1導体の他方

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
回転子鉄心と、
前記回転子鉄心に周方向に関して等間隔に配置された永久磁石と、
を備えた永久磁石型回転電機の回転子において、
前記永久磁石の間に配置され前記回転軸の方向に延在する一対の第1導体と、前記一対の第1導体間を電気的に接続する一対の第2導体とを有し、前記永久磁石をそれぞれ取り囲む導通回路を備え、
前記一対の第1導体の内側の間隔は、所定の永久磁石の周方向の幅より大きく、前記所定の永久磁石と隣り合う両側の他の永久磁石の前記所定の永久磁石に対向する端面同士の間隔以下であることを特徴とする永久磁石型回転電機の回転子。
【請求項2】
導通回路によって囲まれる空間の一部が、隣り合う他の導通回路によって囲まれる空間の一部と径方向で互いに対向するように、前記導通回路が配置されたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機の回転子。
【請求項3】
回転軸中心と所定の距離にある導通回路と、前記回転軸中心との距離が前記導通回路より大きい他の導通回路とが、周方向に関して交互に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の永久磁石型回転電機の回転子。
【請求項4】
一対の第1導体の一方と回転軸中心との距離よりも、他方と前記回転軸中心との距離の方が大きくなるように導通回路が構成され、他方の前記第1導体は、前記導通回路と隣り合う他の導通回路の一方の前記第1導体側に配置されたことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の永久磁石型回転電機の回転子。
【請求項5】
導通回路は、1つにつき複数ターン巻回されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の永久磁石型回転電機の回転子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−10439(P2011−10439A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150943(P2009−150943)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】