説明

永磁式マグネットリフト

本発明は磁式マグネットリフトの一種に関するものである。構造:ハウジングの下部に物体に吸着する吸着面を持つ;固定永久磁石とはハウジング内部に固定されている磁石を指す;可動永久磁石とは固定永久磁石に対しハウジング内部で動く磁石を指す。可動永久磁石が固定永久磁石に対し第一ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し発生する磁力がゼロとなる。可動永久磁石が固定永久磁石に対し第三ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し発生する磁力が最大となる。本永磁式マグネットリフト装置には第二ポジションが設定されており、可動永久磁石が固定永久磁石的第二ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し物体のテスト吸着に使用するテスト吸着磁力が発生する。このテスト吸着磁力はゼロ磁力より大きく最大磁力より弱いものである。これにより操作者はテスト吸着をスムーズに行うことができ、特定の条件下における永磁式マグネットリフトの最大吸着力と加工品重量との比率が2倍か3倍またはその他特定の数値になるか知ることができる。テスト吸着を通し一層安全リスクを避けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は永磁式マグネットリフトに関するものである。この装置はハウジング、固定永久磁石、可動永久磁石を持ち、吸着面を使用し物体に吸着する永磁式マグネットリフトを指す。
【背景技術】
【0002】
現在市場に出ているほとんどの永磁式マグネットリフトの理想条件での安全起重係数は公称吊り上げ能力の3倍である。例えば、永磁式マグネットリフトの公称吊り上げ能力が250Kgである場合、理想条件での最大吸着力は750Kgである。つまり理想条件での最大吸着力は公称吊り上げ能力の3倍となり、これが我々の言う安全起重係数である。永磁式マグネットリフトの最大吸着力には加工品の材質、寸法、表面状况および加工品と永磁式マグネットリフトの接触面積といった多くの要素が関係しているため、同じ永磁式マグネットリフトであっても各特定条件下での最大吸着力はそれぞれ異なる。公称吊り上げ能力が250Kgである永磁式マグネットリフトがある特定の状況下で最大吸着力が250Kg以下となる可能性もある。操作者がある特定の公称吊り上げ能力を持つ永磁式マグネットリフトのそれぞれの特定条件下での最大吸着力すべてを知ることは不可能である。加工品の重量が公称吊り上げ値より小さく、加工品を吊り上げることができたとしても、もし加工品を吊り上げた段階ですでに臨界状態であった場合、加工品を運ぶ際その加速度から発生する外力を受け、加工品が落下し安全問題が発生することもあり得る。このように絶対の安全運行を保証することはできない。
【0003】
もし操作者が各特定条件下での永磁式マグネットリフトの最大吸着力と加工品の重量との的比率が一定の数値に達する、あるいは超過することを知ることができるならば、操作者はその特定条件下で特定の加工品を吊り上げることが安全かどうか判断することができる。この比率がいくつならば安全保障ができるかというのは、使用する永磁式マグネットリフトの吊り上げ構造の運行パラメータと関係する。これは本特許申請の範囲ではないが、通常この比率は2と設定される。つまり該当する永磁式マグネットリフトの最大吸着力と加工品の重量との比率が2またはそれ以上である場合、基本的に安全リスクはないと判断することができる。
【発明の概要】
【0004】
上記の問題点を踏まえ、本発明は操作者がテスト吸着をスムーズに行い、特定の条件下において永磁式マグネットリフトの最大吸着力と加工品重量との比率が2倍か3倍またはその他特定の数値になるか知ることができ、テスト吸着を行うことにより一層の安全リスクを避けることができる永磁式マグネットリフトを提供する。
【0005】
本発明の技術ソリューション1:これは永磁式マグネットリフトである。構造:ハウジングの下部に物体に吸着する吸着面を持つ;固定永久磁石とはハウジング内部に固定されている磁石を指す;可動永久磁石とは固定永久磁石に対しハウジング内部で動く磁石を指す。可動永久磁石が固定永久磁石に対し第一ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し発生する磁力がゼロとなる。可動永久磁石が固定永久磁石に対し第三ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し発生する磁力が最大となる。本永磁式マグネットリフト装置の特徴は第二ポジションを設定したところにある。可動永久磁石が固定永久磁石的第二ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し物体のテスト吸着に使用するテスト吸着磁力が発生する。このテスト吸着磁力はゼロ磁力より大きく最大磁力より弱いものである。
【0006】
本発明の技術ソリューション2:固定永久磁石と可動永久磁石が共に直方体である。固定永久磁石はその高さの向きに吸着面がある平面に対し垂直となっている。固定永久磁石はその側面両端がそれぞれS極とN極となっている。可動永久磁石はその側面両端がS極とN極となっている。可動永久磁石は自身の長さの中心を軸に回転する。可動永久磁石が第一ポジションに移動すると、可動永久磁石のN極と固定永久磁石のS極が固定永久磁石の一側面上に並び、可動永久磁石のS極と固定永久磁石のN極が固定永久磁石の反対側の一側面上に並ぶ。可動永久磁石が第二ポジションに移動すると、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面と固定永久磁石を高さに対し等分した中心面との間に夾角ができる。可動永久磁石が第三ポジションに移動すると、可動永久磁石のS極と固定永久磁石のS極が固定永久磁石の一側面上に並び、可動永久磁石のN極と固定永久磁石のN極が固定永久磁石の反対側の一側面上に並ぶ。
【0007】
本発明の技術ソリューション3:固定永久磁石と可動永久磁石が共に直方体である。一組の固定永久磁石が絶縁体の横方向の両側に並んで一体となっている。この絶縁体の縦と横方向に形成される平面は吸着面に平行し、固定永久磁石のS極とN極はそれぞれ吸着面のある平面に向かい合う側面とその反対の側面に位置する。また可動永久磁石はその横方向の両側に固定永久磁石と逆の極性となるS極とN極を持つ。可動永久磁石は自身の長さの中心を軸に回転する。可動永久磁石が第一ポジションに移動する時、一組の固定永久磁石のうちの一つは可動永久磁石のN極側に位置し、この固定永久磁石の可動永久磁石に近づく側をS極とする。もう一つの固定永久磁石は可動永久磁石のS極側に位置し、この固定永久磁石が可動永久磁石に近づく側をN極とする。可動永久磁石が第二ポジションに移動する時、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面と絶縁体を高さに対し等分した中心面との間に夾角ができる。可動永久磁石が第三ポジションに移動すると、一組の固定永久磁石のうちの一つは可動永久磁石のS極側に位置し、この固定永久磁石の可動永久磁石に近づく側をS極とする。もう一つの固定永久磁石は可動永久磁石のN極側に位置し、この固定永久磁石が可動永久磁石に近づく側をN極とする。
【0008】
本発明の技術ソリューション4:固定永久磁石と可動永久磁石は共に直方体である。一組の固定永久磁石が吸着面の中心面に対し垂直方向に対称に八の字型を形成する。一組の固定永久磁石の向き合う側がそれぞれS極とN極となっており、外側がそれぞれN極とS極となっている。可動永久磁石は側面がそれぞれS極とN極となっており、可動永久磁石は自身の長さの中心を軸に回転する。可動永久磁石が第一ポジションに移動する時、固定永久磁石の向き合う面の片側のS極に対し、このS極と向かい合う可動永久磁石の面はN極となる。この固定永久磁石に向かい合う固定永久磁石の面はN極であり、可動永久磁石の反対側はS極である。可動永久磁石が第二ポジションに移動すると、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面と吸着面に垂直な中心面との間に夾角ができる。可動永久磁石が第三ポジションに移動する時、固定永久磁石の向き合う面の片側のS極に対し、このS極と向かい合う可動永久磁石の面はS極となる。この固定永久磁石に向かい合う固定永久磁石の面はN極であり、可動永久磁石の反対側はN極である。
【0009】
本発明の技術ソリューション5:本永磁式マグネットリフトはハンドルがついている。このハンドルはハウジングの外部に設置されており、操作者は手動で操作する。可動永久磁石を第一ポジション、第二ポジションまたは第三ポジションに回転させる。
【0010】
本発明の技術ソリューション6:第二ポジションの定位構造;ハンドルを使用し可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションまで動かす過程で、ハウジング上のハンドルの移動経路に対応する部分に第一クランプピンを設置する;第一ばねは第一クランプピンに弾力性と推力を加えるものである。第一クランプピンが常にハウジングの外に飛び出すようにする;作動装置をハウジング外に露出させることにより操作者が操作時に第一クランプピンがハウジング内部に入り込んでしまうことを第一ばねの弾力性と推力で防ぐものである。
【0011】
本発明の技術ソリューション7:第一クランプピンの前端部に斜面を持たせることで、ハンドルを使用し可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションに移動させる際に、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態で、ハンドルがクランプピンの傾斜面に押し当てられたとき、第一ばねの弾力性と推力に逆らい第一クランプピンがハウジング内部に押し込まれることにより、ハンドルが第一クランプピンの位置を通過することができる。ハンドルで可動永久磁石を第三ポジションから第一ポジションに移動させる過程では、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態で、ハンドルは第一クランプピンの傾斜面の反対側に当たり、第一クランプピンにさえぎられる。これにより第一クランプピンの位置に定位される。
【0012】
本発明の技術ソリューション8:第一クランプピンの後端部分と第一ばねを接合する。第一クランプピンの中間部分と作動装置は連結され一体となっている。第一クランプピンの斜面は第一クランプピンの軸線と交差する部分で第一クランプピンの前端部を切断し斜平面となっている。
【0013】
本発明の技術ソリューション9:第一クランプピンの前端部を斜面にしない。ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションに移動させる過程で、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態で、ハンドルがクランプピンの傾斜面に押し当てても、第一クランプピンの位置を通過することができない。作動装置が操作されている状態では第一ばねの弾力性と推力に逆らい第一クランプピンがハウジング内部に押し込まれることにより、ハンドルが第一クランプピンの位置を通過することができる。ハンドルで可動永久磁石を第三ポジションから第一ポジションに移動させる過程では、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態で、ハンドルは第一クランプピンの傾斜面の反対側に当たり、第一クランプピンにさえぎられる。これにより第一クランプピンの位置に定位される。
【0014】
本発明の技術ソリューション10:第二ポジションの定位構造。ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションまで動かす過程で、ハウジング上のハンドルの移動経路に対応する部分に第二クランプピンを設置する;第一ばねは第一クランプピンに弾力性と推力を加えるものである。第一クランプピンが常にハウジングの外に飛び出すようにする。ハンドルには以下のものが取り付けられる。ストッパー:ハンドルの外周面からハウジング側に向けて突き出る。ボタン装置:ストッパーと連結した棒状の物で、ハンドル外側の一定の距離まで突出したもの。操作者はボタンを押し込むことによりストッパーを移動する。第二ばね:ボタン装置に弾力性と推力を加えることにより、ボタン装置が常にハンドル外側の一定の距離に突出した状態にする。
【0015】
本発明の技術ソリューション11:ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションまで動かす、または第三ポジションから第一ポジションまで動かす過程で、ハンドルが第二クランプピンの位置に来たとき、押しボタン装置が押されていない状況では、ハンドルのストッパーが第二クランプピンに当たるため、第二クランプピンの位置を通過することができない。押しボタン装置を操作者が押すとストッパーが移動し第二クランプピンに当たらないため、ハンドルは第二クランプピンの位置を通過することができる。
【0016】
本発明の技術ソリューション12:テスト吸着磁力は最大磁力の10%-90%の範囲内である。
【0017】
本発明の技術ソリューション13:テスト吸着磁力が最大磁力の50%である。
【0018】
本発明の技術ソリューションの内、第二ポジション定位構造を利用して可動永久磁石を第二ポジションに設定し、テスト吸着磁力を0磁力以上最大磁力未満にする。これにより操作者はテスト吸着をスムーズに行うことができ、特定の条件下における永磁式マグネットリフトの最大吸着力と加工品重量との比率が2倍か3倍またはその他特定の数値になるか知ることができる。テスト吸着を通し一層安全リスクを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明第一実施例で永磁式マグネットリフトの可動永久磁石が第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図2】同実施例で永磁式マグネットリフトの可動永久磁石が第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図3】同実施例で永磁式マグネットリフトの可動永久磁石が第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図4】同実施例の永磁式マグネットリフトが第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図5】同実施例の永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図6】同実施例の永磁式マグネットリフトが第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図7】同実施例の永磁式マグネットリフトの縦方向の局部断面図である。
【図8】本発明第二実施例の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図9】同実施例の永磁式マグネットリフトが第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図10】同実施例の永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図11】同実施例の永磁式マグネットリフトは第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図12】本発明第三実施例の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図13】同実施例の永磁式マグネットリフトが第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図14】同実施例の永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図15】同実施例の永磁式マグネットリフトが第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図16】本発明第四実施例の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図17】同実施例の永磁式マグネットリフトが第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図18】同実施例の永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図19】同実施例の永磁式マグネットリフトが第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図20】本発明第五実施例の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図21】同実施例の永磁式マグネットリフトが第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図22】同実施例の永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図23】同実施例の永磁式マグネットリフトが第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図24】本発明第六実施例の永磁式マグネットリフトの外観立体図である。
【図25】同実施例の永磁式マグネットリフトが第一ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図26】同実施例の永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図27】同実施例の永磁式マグネットリフトが第三ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【図28】一変形例で永磁式マグネットリフトが第二ポジションにくる時の永磁式マグネットリフトと加工品内部の磁力線の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図1-7を参照しつつ本発明の第一実施例の詳細説明を行う。
【0021】
永磁式マグネットリフト1の構造:ハウジング2の下部に物体4に吸着する吸着面3を持つ;固定永久磁石5とはハウジング2内部に固定されている磁石を指す;可動永久磁石6とは固定永久磁石5に対しハウジング2内部で動く磁石を指す。可動永久磁石6が固定永久磁石5に対し第一ポジションにくる時、固定永久磁石5と可動永久磁石6の吸着面3に対し発生する磁力がゼロとなる。可動永久磁石6が固定永久磁石5に対し第三ポジションにくる時、固定永久磁石5と可動永久磁石6の吸着面3に対し発生する磁力が最大となる。本永磁式マグネットリフト1の特徴は第二ポジションの定位装置7を設定したところにある。可動永久磁石6が固定永久磁石5の第二ポジションにくる時、固定永久磁石5と可動永久磁石6の吸着面3に対し物体4のテスト吸着に使用するテスト吸着磁力が発生する。このテスト吸着磁力はゼロ磁力より大きく最大磁力より弱いものである。テスト吸着磁力は最大磁力の10%-90%の範囲内である。テスト吸着磁力は最も良い状態で最大磁力の50%となる。つまり第二ポジションのテスト吸着磁力である加工品を吊り上げることができるということは、当該特定条件下で永磁式マグネットリフトが第三ポジションにおいて発揮する最大吸着力と加工品重量の比率は確実に第二ポジションで設定される比率である1/50%、つまり2倍に到達する、あるいはそれを超過するという意味である。同様に第二ポジションで設定するテスト吸着磁力が最大磁力の30%である場合、第二ポジションの設定比率は1/30%、つまり3.33倍となる。
【0022】
吸着面3とはハウジング2下部表面の左右対称な二つの平面部分を指す。
【0023】
固定永久磁石5と可動永久磁石6はともに直方体である。固定永久磁石5はハウジング2内の上部、永磁式マグネットリフト1の左右方向から見た中央部分に固定される。固定永久磁石5は吸着面3の平面に縦に垂直に固定される。その縦の向きは上下の向きに一致する。その横の向きは左右の向きに一致する。その長さの向きは前後の向きと一致する。固定永久磁石5の側面がそれぞれS極とN極となる。可動永久磁石6の側面がそれぞれS極とN極になる。可動永久磁石6はハウジング2内の下部、永磁式マグネットリフト1の左右方向から見た中央部分に設置される。可動永久磁石6の長さの向きは前後の向きと一致する。またその長さの向きと並行する自身の中心線62に沿って回転する。その中心線62は固定永久磁石5の高さの向きに沿って固定永久磁石5を等分する中心面51がある平面上に位置する。
【0024】
可動永久磁石6が第一ポジションの位置にくると、可動永久磁石6の縦方向に可動永久磁石6を等分する中心面61が固定永久磁石5の中心面51とそろい(可動永久磁石6的磁気エネルギーが固定永久磁石5の磁気エネルギーより大きい場合、可動永久磁石6の中心面61は固定永久磁石5の中心面51より少し角度が小さくなる。この場合可動永久磁石6の磁気エネルギーは一部ショートした後、残りの磁気エネルギーは固定永久磁石5の磁気エネルギーと中和される)、ほぼ同一平面に位置する。可動永久磁石6はその横方向が左右方向に、その縦方向は上下方向に一致するよう設置される。また可動永久磁石6のN極と固定永久磁石5のS極は固定永久磁石5の左側に、可動永久磁石6のS極と固定永久磁石5のN極は固定永久磁石5の右側となる。当然、可動永久磁石6と固定永久磁石5の極性は上記の説明の逆となる場合、固定永久磁石5の磁場の向きは可動永久磁石6の磁場の向きと全く逆となる。図4の磁力線が示すように、二つの磁場は中和され、吸着面3に対する磁力は0となるため、吸着物体4を吸着しない。
【0025】
可動永久磁石6が第二ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61は固定永久磁石5の中心面51に対し夾角となる。この場合図5の磁力線が示すように、固定永久磁石5の一部分は磁気コア81の鉄製部分によりショートし、可動永久磁石6の一部分はハウジング2の鉄製部分によりショートする。これらの別の一部分の磁場方向が一致し、二つの磁場がし、吸着面3に対し物体4へのテスト吸着磁力が発生する。このテスト吸着磁力は0より大きく最大磁力より小さいもので、最大磁力の10%-90%の範囲内である。最も良いのは最大磁力の50%である。物体4への吸着テストを行う。
【0026】
可動永久磁石6が第三ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61は固定永久磁石5の中心面51とそろい、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6はその横方向と左右の向きが一致し、その縦の向きは上下方向と一致する。また可動永久磁石6のS極と固定永久磁石5のS極は固定永久磁石5の左側であり、可動永久磁石6のN極と固定永久磁石5のN極は固定永久磁石5の右側となる。この時固定永久磁石5の磁場の向きは可動永久磁石6の磁場の向きと一致する。図6の磁力線が示すように、二つの磁場が重畳し、吸着面3に対し最大磁力となり、物体4に吸着する。
【0027】
この永磁式マグネットリフト1にはハンドル8がついている。このハンドル8はハウジング2の外部に設置されており、操作者は手動で操作する。可動永久磁石6を第一ポジション、第二ポジションまたは第三ポジションに回転させる。ハンドル8の構造:磁気コア81。この磁気コア81の一部分に可動永久磁石6を設置し、該当部分をハウジング2内部の孔21内に差し込む。磁気コア81の一部分はハウジング2から外に露出する。この露出部分に直径に沿って貫通する孔83がある;握り部82。握り部82の一端は操作者がハウジング2の外から手動操作するためのものであり、もう一方の先端部は貫通する孔83に差し込む。操作者は握り部82を握り回転させる。これにより磁気コア81が回転し、可動永久磁石6も磁気コア81と一緒に回転する。
【0028】
第二ポジション定位装置7の構造:クランプピン71。ハンドル8を使用し可動永久磁石6を第一ポジションから第三ポジションまで動かす過程で、ハウジング2上のハンドル6の移動経路に対応する部分に第一クランプピン71を設置する;ばね72はクランプピン71に弾力性と推力を加え、クランプピン71が常にハウジング2の外に飛び出すようにする;作動装置73をハウジング2外に露出させることにより操作者が操作時にクランプピン71がハウジング2内部に入り込んでしまうことをばね72の弾力性と推力で防ぐ。
【0029】
クランプピン71の前端部に斜面74を持たせることで、ハンドル8を使用し可動永久磁石6を第一ポジションから第三ポジションに移動させる際に、ハンドル8が第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置73が操作されていない状況で、ハンドル8がクランプピン71の傾斜面74に押し当てられたとき、ばね72の弾力性と推力に逆らいクランプピン71がハウジング2内部に押し込まれることにより、ハンドル8がクランプピン71の位置を通過することができる。ハンドル8で可動永久磁石6を第三ポジションから第一ポジションに移動させる過程では、ハンドル8がクランプピン71の位置に来たとき、作動装置73が操作されていない状況で、ハンドル8はクランプピン71の傾斜面74の反対側に当たり、クランプピン71にさえぎられる。これによりクランプピン71の位置に定位される。
【0030】
ハウジング2前部表面のハンドルの移動経路にあたる部分の上方に前後の向きに開けられた深孔22があり、ばね72はこの深孔22の内部に設置される。このばね72の後端部は深孔22の底部が連結し、クランプピン71の後端部とばね72が接合する。クランプピン71の中間部分と作動装置73は連結し一体となっている。クランプピン71の斜面74はクランプピン71の軸線と交差する部分でクランプピン71の前端部を切断し斜平面となっている。斜面74は後ろから前に、右から左に傾斜する斜面である。
【0031】
クランプピン71の前端部を斜面にしないことも可能である。その場合、ハンドル8で可動永久磁石6を第一ポジションから第三ポジションに移動させる過程で、ハンドル8がクランプピン71の位置に来たとき、作動装置73が操作されていない状況で、ハンドル8がクランプピン71に押し当てても、クランプピン71の位置を通過することができない。作動装置73が操作されている状態ではばね72の弾力性と推力に逆らいクランプピン71がハウジング2内部に押し込まれることにより、ハンドル8はクランプピン71の位置を通過することができる。ハンドル8で可動永久磁石6を第三ポジションから第一ポジションに移動させる過程では、ハンドル8がクランプピン71の位置に来たとき、作動装置73が操作されていない状況では、ハンドル8はクランプピン71の反対側に当たり、クランプピン71にさえぎられる。これによりクランプピン71の位置に定位される。
【0032】
第一ポジションと第三ポジションの定位装置9はハウジング2の前部表面にねじで止められる。ハンドル8の磁気コア81の真下に磁気コア81と隣接する位置とする。第一ポジションと第三ポジションの定位装置9もハウジング2の一部となる。第一ポジションと第三ポジションの定位装置9はほぼ凹型となる。可動永久磁石6が第一ポジションと第三ポジションにくる時、握り部82のもう片側はばね91の推力により第一ポジションと第三ポジションの定位装置9の左右両側のでっぱりの真上にくる。握り部82の動きは第一ポジションと第三ポジション定位装置9の左右両側のでっぱりによって止められるのである。このように可動永久磁石6は第一ポジションと第三ポジションに位置が確定される。操作者がハンドル8を動かす時、必ずばね91の推力に逆らい握り部82を左右両側のでっぱりの上部から引き離すことにより動かすことができる。
【0033】
以下に、操作者が本発明の永磁式マグネットリフト1を利用し物体4を吸着し吊り上げる操作の過程を説明する。
【0034】
まず、永磁式マグネットリフト1を吸着対象の物体4の上方に移動し、吸着面3と吸着対象の物体4の上表面を接触させる。この時、ハンドル8は右側のOFFの位置、つまり可動永久磁石6が第一ポジションにきている。可動永久磁石6と固定永久磁石5の磁場は中和されるため、吸着面3に対し磁力は0であり、物体4に吸着しない。
【0035】
次に操作者は握り部82を握り、第一ポジションと第三ポジションの定位装置9の左右側両方から引き離すため、ハンドル8を逆時計回りに回す。
【0036】
ハンドル8がクランプピン71の位置に来たとき、ハンドル8は作動装置73が操作されていない状況で斜面74を押し込むことにより、クランプピン71がばね72の弾性と推力に勝ちハウジング2内に入り込むため、ハンドル8はクランプピン71の位置を通過する。
【0037】
この時操作者がハンドル8を放すと、可動永久磁石6は固定永久磁石5の磁場作用下で時計回りの力を受けるため、ハンドル8も時計回りに動く。ハンドル8が自動的にクランプピン71の位置まで動くと、ハンドル8は作動装置73が操作されていない状況でクランプピン71の斜面74と反対の面75にぶつかりクランプピン71によって止められる。このようにクランプピン71の位置に固定される、つまり可動永久磁石6は第二ポジションに確定される。この時固定永久磁石5と可動永久磁石6の磁場の一部分は永磁式マグネットリフト1内の磁気コア81によりハウジング2とショートする。これはもう一部分の磁場の向きと一致し、二つの磁場が重畳することにより、吸着面3に物体4のテスト吸着磁力が発生する。操作者は永磁式マグネットリフト1を引き揚げ吊り上げテストを行う。
【0038】
もし永磁式マグネットリフト1が吸着物体4を引き揚げることができない場合、第三ポジションで吊り上げる時の永磁式マグネットリフト1の最大吸着力と加工品重量の比率が第二ポジションの設定比率より小さいという意味であり、操作者に吸着物体4の吊り上げを行うべきか注意及び警告を行う。この時、操作者は作動装置73を操作し、クランプピン71をハウジング2内に引き込ませる。同時にハンドル8を時計回りに動かしクランプピン71の位置からOFFの位置まで移動させる。
【0039】
もし永磁式マグネットリフト1が吸着物体4を引き揚げることができるならば、永磁式マグネットリフト1の今回の特定条件での最大吸着力と加工品重量の比率が第二ポジションの設定比率に達している、または超過しているという意味である。操作者はハンドル8を引き続き逆時計回りに動かし、ハンドル8を左側のONの位置にする。つまり可動永久磁石6を第三ポジションまで移動する。操作者がハンドル8を放すと、握り部82のもう一端はばね91の推力を受け第一ポジションと第三ポジションの定位装置9の右側でっぱりの真上にくる。握り部82の移動は第一ポジションと第三ポジションの定位装置9の左右両側のでっぱりに止められるため、ここが可動永久磁石6の第三ポジションとなる。この時、固定永久磁石5の磁場は可動永久磁石6の磁場と重畳し、吸着面3に対し最大磁力を発生させ吸着物体4に吸着する。操作者は吸着物体4を第三ポジションで引き揚げる。
【0040】
吸着物体4を規定の地点まで引き上げた後、操作者は加工品を離し、ハンドルを引く。ONの位置にあるハンドル8を時計回りにクランプピン71の位置まで動かす。作動装置73を操作し、クランプピン71をハウジング2内に引き込むことで、ハンドル8を通過させOFFの位置まで移動させる。
【0041】
続いて添付図8-11を参照しつつ本発明の第二実施例の詳細説明を行う。
【0042】
第二実施例では、第一実施例と同じ構造に対する記号の説明を省略する。
【0043】
第二実施例と第一実施例の構造上の違いは固定永久磁石の位置にある。固定永久磁石251、252および可動永久磁石6はすべて直方体である。一組の固定永久磁石251、252は絶縁体253の横方向の両側に連結し一体となっており、ハウジング2内部の上部に設置される。絶縁体253の横方向は左右の方向と一致し、縦方向は前後の向きと一致する。高さは上下方向と一致する。絶縁体253の縦方向と横方向によって形成する平面は吸着面3の平面に平行となっている。固定永久磁石251、252のS極とN極はそれぞれ吸着面3の平面に向かい合う面とその面の反対側である。また固定永久磁石251、252の極性は相反する。つまり固定永久磁石251のS極と固定永久磁石252のN極は吸着面3の平面に向かい合う面となっている。固定永久磁石251のN極と固定永久磁石252のS極はその反対側の面である。可動永久磁石6はハウジング2内部の下半分の部分に設置される。これは永磁式マグネットリフト1の左右の中心に位置する。可動永久磁石6の横方向の側面がそれぞれS極とN極となっており、可動永久磁石6はその縦方向の自身の中心線62に平行して回転する。中心線62はほぼ絶縁体253の縦方向に絶縁体253を等分した中心面254がある平面上に位置する。
【0044】
可動永久磁石6が第一ポジションにくる時、可動永久磁石6の縦方向に可動永久磁石6を等分した中心面61と絶縁体253の中心面254がそろい(可動永久磁石6の磁気エネルギーが固定永久磁石251、252の磁気エネルギーの総和より大きい場合、可動永久磁石6の中心面61は絶縁体253の中心面254より少し角度が小さくなってもよい。この時可動永久磁石6の磁気エネルギーの一部がショートし、残りの磁気エネルギーは固定永久磁石251、252の磁気エネルギーと中和する)、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6の横方向は左右の向きと一致し、その縦方向は上下の向きと一致する。固定永久磁石251は可動永久磁石6のN極側に位置し、固定永久磁石251の可動永久磁石6に向かう面はS極となる。固定永久磁石252は可動永久磁石6のS極側に位置し、その固定永久磁石252の可動永久磁石6に向かう面はN極となる。当然可動永久磁石6と固定永久磁石251、252の極性は上記の逆となる場合もある。この場合、固定永久磁石251、252の磁場方向は可動永久磁石6の磁場方向と完全に逆となり、図9の磁力線が示すように磁場は互いに中和し、吸着面3への磁力は0となるため物体4への吸着は行われない。
【0045】
可動永久磁石6が第二ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61は絶縁体253の中心面254に対し夾角となる。この時図10の磁力線が示すように、固定永久磁石251、252と可動永久磁石6の磁場の一部分が永磁式マグネットリフト1内で磁気コアとハウジングのショートを起こす。別の部分の磁場の向きと一致するため、磁場が重畳し、吸着面3に対し物体4のテスト吸着用磁力が発生する。このテスト吸着磁力は0より大きく最大磁力より小さい。最大磁力の10%-90%の範囲内のうち、最も良いのは最大磁力の50%である。吸着物体4にテスト吸着を行う。
【0046】
可動永久磁石6が第三ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61と絶縁体253の中心面254がそろい、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6は横方向と左右方向が一致、縦方向が上下方向に一致する位置となる。固定永久磁石251は可動永久磁石6のS極側となり、固定永久磁石251の可動永久磁石6に向き合う側はS極である。固定永久磁石252は可動永久磁石6のN極側となり、固定永久磁石252の可動永久磁石6に向き合う側がN極である。この時、固定永久磁石251、252の磁場の向きは可動永久磁石6の磁場の向きと一致する。図11の磁力線が示すように、磁場は互いに重畳し、吸着面3に対し最大磁力を発揮し、物体4に吸着する。
【0047】
次に、添付図12-15を参照しつつ本発明の第三実例の詳細説明を行う。
【0048】
第三実施例では、第一実施例と同じ構造に対する記号の説明を省略する。
【0049】
第三実施例と第一実施例の構造上の違いはハンドル、第二ポジション定位装置、第一ポジションおよび第三ポジションの定位装置の構造にある。
【0050】
第二ポジションの定位装置とはクランプピン307である。このクランプピン307はハンドル8が可動永久磁石6を第一ポジションから第三ポジションまで動かす過程において、ハウジング2上のハンドル8の移動経路に対応する部分に固定され、ハウジング2の外側に飛び出ている。ハンドル8の構造:ストッパー383がハンドル8の外周面からハウジングに向けて突出する;ボタン384は棒状体386およびストッパー383とつながっており、ハンドル8の外側に飛び出している。操作者はボタンを押しストッパー383を動かす;ばね385によりボタン384は弾性と推力を持つ。これによりボタン384は常にハンドル8から外側に一定の距離飛び出した状態を保つ。
【0051】
ハンドル8の握り部382には縦方向に沿って長孔387がある。この長孔387の磁気コア81に近い部分(以下内段)の口径と磁気コア81から離れた部分(以下外段)の口径は大きめで、中間段の口径は小さめとなっている。ストッパー383は長孔387の内段中最も中間段に近い位置に取り付ける。また上記の中間段内部の棒状体386を指し通し、長孔387の外段のボタン384と連結する。このボタン384の一部分はハンドル8の外側の一定距離飛び出している。ばね385の一端は長孔387の中間段と外段のでっぱり部分と連結し、反対の一端はボタン384と連結する。これによりボタン384は弾性と推力をもち、常にハンドル8の外側に一定の距離飛び出している状態を保つことができる。また握り部382のハウジング2に近い表面は握り部382の縦方向に溝を持つ。この溝の部分は長孔387の内段と対応し、長孔387の内段と通じている。ストッパー383はこの溝部分から握り部382の外側に突き出る。操作者がボタン384を押すと、ボタン384はばねの推力に逆らい棒状体386によりストッパー383を溝部に沿って磁気コア81方向に動かす。
【0052】
ハンドル8で可動永久磁石6を第一ポジションから第三ポジションへ動かす、あるいは第三ポジションから第一ポジションに動かす時、ハンドル8がクランプピン307の位置に来る。ボタン384が押されていない状態ではハンドル8のストッパー383がクランプピン307と当たるため、ハンドル8はクランプピン307に止められる。操作者がボタン384を押すとストッパー383が動きクランプピン307とぶつからないため、ハンドル8はクランプピン307の場所を通過することができる。
【0053】
第一ポジションおよび第三ポジションの定位装置は定位ピン391、392、およびクランプピン393である。その内、定位ピン391、392はそれぞれ個別にハウジング2前部表面の左右両側下部に固定する。クランプピン393はハウジング2前部表面の左側中央部に固定する。可動永久磁石6が第一ポジションにある時、ハンドル8はボタン384が押されていない状態でそのストッパー383は定位ピン392の上方の定位ピン392と接触する位置にあり、可動永久磁石6は第一ポジションに定位する。可動永久磁石6が第三ポジションにある時、ハンドル8のボタン384が押されていない状態でそのストッパー383は定位ピン391の上方およびクランプピン393の下方に位置する。また定位ピン391とクランプピン393に触れるため、可動永久磁石6を第三ポジションの位置に定位する。
【0054】
次に操作者が本発明の永磁式マグネットリフト1を利用し物体4を吸着し吊り上げる操作の過程を説明する。
【0055】
まず、永磁式マグネットリフト1を吸着対象物4の上方に移動し、吸着面3を吸着対象物4の上表面と接触させる。この時、ハンドル8は右側のOFFの位置にある。つまり可動永久磁石6は第一ポジションにあり、可動永久磁石6と固定永久磁石5の磁場が中和されるため、吸着面3の磁力は0となり物体4に吸着しない。
【0056】
次に操作者はハンドル8を逆時計回りに動かす。
【0057】
ハンドル8がクランプピン307の位置に来たら、操作者はボタン384を押しストッパー383を磁気コア81に向け移動させる。これによりストッパー383はクランプピン307とぶつからないため、ハンドル8はクランプピン307の位置を通過する。
【0058】
この時、操作者がハンドル8を放すと、可動永久磁石6は固定永久磁石5の磁場作用を受け、時計回りに動かす力が働き、ハンドル8も時計回りに動く。ハンドル8が自動的にクランプピン307の位置に戻る時、ハンドル8はボタン384を押さない状態でクランプピン307とぶつかり止められる。これによりクランプピン307の位置に止まる。すなわち可動永久磁石6は第二ポジションに定位される。この時固定永久磁石5と可動永久磁石6の磁場の一部分は永磁式マグネットリフト1内で磁気コアとハウジングとショートし、別の部分の磁場の向きと一致する。二つの磁場は重畳し、吸着面3の物体4に対しテスト吸着磁力を発する。操作者は永磁式マグネットリフト1を引き揚げ、テスト吊り上げを行う。
【0059】
永磁式マグネットリフト1が吸着物体4を引き揚げられない場合、第三ポジションで吊り上げを行う時永磁式マグネットリフト1の最大吸着力と加工品重量の比率が第二ポジションの設定する比率より小さいという意味であり、操作者に吸着物体4の吊り上げを行うべきか注意及び警告を行う。この時、操作者はボタン384を押し、ストッパー3837を磁気コア81に向け動かすことにより、クランプピン307と接触をしないようにする。同時にハンドル8を時計回りに動かしクランプピン307の位置からOFFの位置まで移動させる。
【0060】
もし永磁式マグネットリフト1が吸着物体4を引き揚げることができるならば、永磁式マグネットリフト1の今回の特定条件での最大吸着力と加工品重量の比率が第二ポジションの設定比率に達している、または超過しているという意味である。操作者はハンドル8を引き続き逆時計回りに動かし、ハンドル8をクランプピン393の位置に来たとき、操作者はボタン383を押し、ストッパーを磁気コア81の方向に移動させることによりクランプピン393と接触しないようにし、ハンドル8はクランプピン393の位置を通過する。この時ハンドル8は左側のONの位置に移動、つまり可動永久磁石6は第三ポジションまで移動する。ハンドル8のストッパー383は定位ピン391の上方およびクランプピン393の下方にくる。ボタン384を押さない状態でストッパー383は定位ピン391とクランプピン393に触れる。これによりハンドル8は定位される、すなわち可動永久磁石6は第三ポジションに定位される。この時、固定永久磁石5の磁場は可動永久磁石6の磁場と重畳し、吸着面3は最大磁力を発生し、吸着物体4に吸着する。操作者は吸着物体4に第三ポジションで吊り上げを行う。
【0061】
吸着対象物4を規定の位置まで吊り上げた後、操作者は加工品を下す。ボタン384を押しストッパーを磁気コア81に向けクランプピン393とぶつからないようにしながらハンドル8を時計回りに動かしクランプピン393の位置を通過させる。クランプピン307の位置まで移動してから再度ボタン384を押し、ストッパー383を磁気コア81に向け動かし、クランプピン307に触れないようにする。このようにハンドル8をクランプピン307の位置からOFFの位置まで移動させる。
【0062】
続いて、添付図16-19を参照し本発明の第四実施例の詳細説明を行う。
【0063】
第四実施例では、第三実施例と同じ構造に対する記号の説明を省略する。
【0064】
第四実施例と第三実施例との構造上の違いは固定永久磁石の部分にある。固定永久磁石451、452と可動永久磁石6はすべて直方体である。一組の固定永久磁石451、452は絶縁体453の横方向の両側に連結し一体となっており、ハウジング2内部の上部に設置される。絶縁体453の横方向は左右の方向と一致し、縦方向は前後の向きと一致する。高さは上下方向と一致する。絶縁体453の縦方向と横方向によって形成する平面は吸着面3の平面に平行となっている。固定永久磁石451、452のS極とN極はそれぞれ吸着面3の平面に向かい合う面とその面の反対側である。また固定永久磁石451、452の極性は相反する。つまり固定永久磁石451のS極と固定永久磁石452のN極は吸着面3の平面に向かい合う面となっている。固定永久磁石451のN極と固定永久磁石452のS極はその反対側の面である。可動永久磁石6はハウジング2内部の下半分の部分に設置される。これは永磁式マグネットリフト1の左右の中心に位置する。可動永久磁石6の横方向の側面がそれぞれS極とN極となっており、可動永久磁石6はその縦方向の自身の中心線62に平行して回転する。中心線62はほぼ絶縁体453の縦方向に絶縁体453を等分した中心面254がある平面上に位置する。
【0065】
可動永久磁石6が第一ポジションにくる時、可動永久磁石6の縦方向に可動永久磁石6を等分した中心面61と絶縁体453の中心面454がそろい(可動永久磁石6の磁気エネルギーが固定永久磁石451、452の磁気エネルギーの総和より大きい場合、可動永久磁石6の中心面61は絶縁体453の中心面454より少し角度が小さくなってもよい。この時可動永久磁石6の磁気エネルギーの一部がショートし、残りの磁気エネルギーは固定永久磁石451、452の磁気エネルギーと中和する)、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6の横方向は左右の向きと一致し、その縦方向は上下の向きと一致する。固定永久磁石451は可動永久磁石6のN極側に位置し、固定永久磁石451の可動永久磁石6に向かう面はS極となる。固定永久磁石452は可動永久磁石6のS極側に位置し、その固定永久磁石452の可動永久磁石6に向かう面はN極となる。この場合、固定永久磁石451、452の磁場方向は可動永久磁石6の磁場方向と完全に逆となり、図17の磁力線が示すように磁場は互いに中和し、吸着面3への磁力は0となるため物体4への吸着は行われない。
【0066】
可動永久磁石6が第二ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61は絶縁体453の中心面454に対し夾角となる。この時図18の磁力線が示すように、固定永久磁石451、452と可動永久磁石6の磁場の一部分が永磁式マグネットリフト1内で磁気コアとハウジングのショートを起こす。別の部分の磁場の向きと一致するため、磁場が重畳し、吸着面3に対し物体4のテスト吸着用磁力が発生する。このテスト吸着磁力は0より大きく最大磁力より小さい。最大磁力の10%-90%の範囲内のうち、最も良いのは最大磁力の50%である。吸着物体4にテスト吸着を行う。
【0067】
可動永久磁石6が第三ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61と絶縁体453の中心面454がそろい、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6は横方向と左右方向が一致、縦方向が上下方向に一致する位置となる。固定永久磁石451は可動永久磁石6のS極側となり、固定永久磁石451の可動永久磁石6に向き合う側はS極である。固定永久磁石452は可動永久磁石6のN極側となり、固定永久磁石452の可動永久磁石6に向き合う側がN極である。この時、固定永久磁石451、452の磁場の向きは可動永久磁石6の磁場の向きと一致する。図19の磁力線が示すように、磁場は互いに重畳し、吸着面3に対し最大磁力を発揮し、物体4に吸着する。
【0068】
次に、添付図20-23を参照にしつつ本発明の第五実施例の詳細説明を行う。
【0069】
第五実施例では、第一実施例と同じ構造に対する記号の説明を省略する。
【0070】
第五実施例と第一実施例の構造上の違いは第一ポジションと第三ポジションの定位装置の構造にある。
【0071】
第一ポジションと第三ポジションの定位装置:クランプ装置570、定位ピン591、592。
【0072】
クランプ装置570は第二ポジションの定位装置7の構造と完全に同じである:クランプピン571はハンドル8が可動永久磁石6を伴い第二ポジションから第三ポジションに動く過程でハウジング2のハンドル移動経路に対応する部分に設置される。つまりハウジング2の前部表面左側の中央部である;ばねを使用しクランプピン571に弾性と推力を加えることにより施クランプピン571は常にハウジング2から外に突出する;作動装置573はハウジング2の外に出ており、操作者はクランプピン571をばねの弾性と推力に逆らいハウジング2内部に引き込む操作を行う際に使用する。
【0073】
クランプピン571の前端部は斜面574となっている。ハンドル8が可動永久磁石6を伴い第二ポジションから第三ポジションに向けて移動する途中、ハンドル8がクランプピン571の位置に来る時、ハンドル8は作動装置573が操作されない状態で、斜面574に接触し、斜面574を押し込むことによりクランプピン571がばねの弾性と推力に逆らいハウジング2内部に引き込まれる。これによりハンドル8はクランプピン571の位置を通過する。ハンドル8が可動永久磁石6を伴い第三ポジションから第二ポジションに向け移動する途中、ハンドル8がクランプピン571の位置にくる時、ハンドル8は作動装置573が操作されていない状態でクランプピン571の斜面574の反対の面である575にぶつかり、クランプピン571に抑えられる。このようにクランプピン571の位置に定位される。
【0074】
ハウジング2前部表面のハンドルの移動経路にあたる部分の上方に前後の向きに開けられた深孔22があり、ばねはこの深孔22の内部に設置される。クランプピン571の後端部とばねの前端部が接合し、クランプピン571の中間部分と作動装置573が連結し一体となっている。クランプピン571の斜面574はクランプピン571の軸線と交差する部分でクランプピン571の前端部を切断し斜平面となっている。斜面574は後ろから前に、右から左に傾斜する斜面である。
【0075】
定位ピン591、592をそれぞれハウジング2前部表面の左右両側下部両方に設置する。可動永久磁石6が第一ポジションにくる時、ハンドル8の握り部82は定位ピン592の上方に位置し定位ピン592に接する。これにより可動永久磁石6は第一ポジションに定位される。可動永久磁石6が第三ポジションにくる時、握り部82はピン591の上方およびクランプピン571の下方にくる。定位ピン591とクランプピン571に接することにより可動永久磁石6は第三ポジションに定位される。
【0076】
以下に、操作者が本発明の永磁式マグネットリフト1を利用し物体4を吸着し吊り上げる操作の過程を説明する。
【0077】
まず、永磁式マグネットリフト1を吸着対象の物体4の上方に移動し、吸着面3と吸着対象の物体4の上表面を接触させる。この時、ハンドル8は右側のOFFの位置、つまり可動永久磁石6が第一ポジションにきている。可動永久磁石6と固定永久磁石5の磁場は中和されるため、吸着面3に対し磁力は0であり、物体4に吸着しない。
【0078】
次にハンドル8を逆時計回りに回す。
【0079】
ハンドル8がクランプピン71の位置に来たとき、ハンドル8は作動装置73が操作されていない状況で斜面74を押し込むことにより、クランプピン71がばね72の弾性と推力に勝ちハウジング2内に入り込むため、ハンドル8はクランプピン71の位置を通過する。
【0080】
この時操作者がハンドル8を放すと、可動永久磁石6は固定永久磁石5の磁場作用下で時計回りの力を受けるため、ハンドル8も時計回りに動く。ハンドル8が自動的にクランプピン71の位置まで動くと、ハンドル8は作動装置73が操作されていない状況でクランプピン71の斜面74と反対の面75にぶつかりクランプピン71によって止められる。このようにクランプピン71の位置に固定される、つまり可動永久磁石6は第二ポジションに確定される。この時固定永久磁石5と可動永久磁石6の磁場の一部分は永磁式マグネットリフト1内の磁気コア81によりハウジング2とショートする。これはもう一部分の磁場の向きと一致し、二つの磁場が重畳することにより、吸着面3に物体4のテスト吸着磁力が発生する。操作者は永磁式マグネットリフト1を引き揚げ吊り上げテストを行う。
【0081】
もし永磁式マグネットリフト1が吸着物体4を引き揚げることができない場合、第三ポジションで吊り上げる時の永磁式マグネットリフト1の最大吸着力と加工品重量の比率が第二ポジションの設定比率より小さいという意味であり、操作者に吸着物体4の吊り上げを行うべきか注意及び警告を行う。この時、操作者は作動装置73を操作し、クランプピン71をハウジング2内に引き込ませる。同時にハンドル8を時計回りに動かしクランプピン71の位置からOFFの位置まで移動させる。
【0082】
もし永磁式マグネットリフト1が吸着物体4を引き揚げることができるならば、永磁式マグネットリフト1の今回の特定条件での最大吸着力と加工品重量の比率が第二ポジションの設定比率に達している、または超過しているという意味である。操作者がハンドル8を引き続き逆時計回りに動かし、ハンドル8がクランプピン571の位置にくる時、ハンドル8は動作装置573が操作されていな状態で斜面574に接触し斜面574を押し下げることによりクランプピン571がばねの弾性と推力に逆らいハウジング2の内部に押し込まれる。これによりハンドル8はクランプピン571の位置を通過することができる。この時、ハンドル8は左側ONの位置まで移動する、つまり可動永久磁石が第三ポジションに移動する。ハンドル8の握り部82は定位ピン591の上方及びクランプピン571の下方に位置する。ハンドル8は定位ピン591に接触し、作動装置573が操作されていない状態でクランプピン571の斜面574の反対の面575とも接触する。これによりハンドル8は定位される、すなわち可動永久磁石6が第三ポジションに定位される。この時、固定永久磁石5の磁場は可動永久磁石6の磁場と重畳し、吸着面3に対し最大磁力を発生させ吸着物体4に吸着する。操作者は吸着物体4を第三ポジションで引き揚げる。
【0083】
吸着物体4を規定の地点まで引き上げた後、操作者は加工品を離す。まず作動装置573を操作し、クランプピン571をハウジング2内に引き込むことで、ハンドル8がクランプピン571の位置を通過し、クランプピン71位置まで移動する。続いて作動装置73を操作し、クランプピン71をハウジング内に押し込み、ハンドル8をクランプピン71の位置からOFFの位置まで移動させる。
【0084】
続いて、添付図24-27を参照にしつつ本発明の第六実施例の詳細説明を行う。
【0085】
第六実施例中、第五実施例と同じ構造に対する記号の説明を省略する。
【0086】
第六実施例と第五実施例の構造上の相違点は固定永久磁石の部分にある。固定永久磁石651、652および可動永久磁石6はすべて直方体である。一組の固定永久磁石651、652は絶縁体653の横方向の両側に連結し一体となっており、ハウジング2内部の上部に設置される。絶縁体653の横方向は左右の方向と一致し、縦方向は前後の向きと一致する。高さは上下方向と一致する。絶縁体653の縦方向と横方向によって形成する平面は吸着面3の平面に平行となっている。固定永久磁石651、652のS極とN極はそれぞれ吸着面3の平面に向かい合う面とその面の反対側である。また固定永久磁石651、652の極性は相反する。つまり固定永久磁石651のS極と固定永久磁石652のN極は吸着面3の平面に向かい合う面となっている。固定永久磁石651のN極と固定永久磁石652のS極はその反対側の面である。可動永久磁石6はハウジング2内部の下半分の部分に設置される。これは永磁式マグネットリフト1の左右の中心に位置する。可動永久磁石6の横方向の側面がそれぞれS極とN極となっており、可動永久磁石6はその縦方向の自身の中心線62に平行して回転する。中心線62は絶縁体653の縦方向に絶縁体653を等分した中心面654がある平面上に位置する。
【0087】
可動永久磁石6が第一ポジションにくる時、可動永久磁石6の縦方向に可動永久磁石6を等分した中心面61と絶縁体653の中心面654がそろい(可動永久磁石6の磁気エネルギーが固定永久磁石651、652の磁気エネルギーの総和より大きい場合、可動永久磁石6の中心面61は絶縁体653の中心面654より少し角度が小さくなってもよい。この時可動永久磁石6の磁気エネルギーの一部がショートし、残りの磁気エネルギーは固定永久磁石651、652の磁気エネルギーと中和する)、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6の横方向は左右の向きと一致し、その縦方向は上下の向きと一致する。固定永久磁石651は可動永久磁石6のN極側に位置し、固定永久磁石651の可動永久磁石6に向かう面はS極となる。固定永久磁石652は可動永久磁石6のS極側に位置し、その固定永久磁石652の可動永久磁石6に向かう面はN極となる。この場合、固定永久磁石651、652の磁場方向は可動永久磁石6の磁場方向と完全に逆となり、図25の磁力線が示すように磁場は互いに中和し、吸着面3への磁力は0となるため物体4への吸着は行われない。
【0088】
可動永久磁石6が第二ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61は絶縁体653の中心面654に対し夾角となる。この時図26の磁力線が示すように、固定永久磁石651、652と可動永久磁石6の磁場の一部分が永磁式マグネットリフト1内で磁気コアとハウジングのショートを起こす。別の部分の磁場の向きと一致するため、磁場が重畳し、吸着面3に対し物体4のテスト吸着用磁力が発生する。このテスト吸着磁力は0より大きく最大磁力より小さい。最大磁力の10%-90%の範囲内のうち、最も良いのは最大磁力の50%である。吸着物体4にテスト吸着を行う。
【0089】
可動永久磁石6が第三ポジションにくる時、可動永久磁石6の中心面61と絶縁体653の中心面654がそろい、ほぼ同一平面上となる。可動永久磁石6は横方向と左右方向が一致、縦方向が上下方向に一致する位置となる。固定永久磁石651は可動永久磁石6のS極側となり、固定永久磁石651の可動永久磁石6に向き合う側はS極である。固定永久磁石652は可動永久磁石6のN極側となり、固定永久磁石652の可動永久磁石6に向き合う側がN極である。この時、固定永久磁石651、652の磁場の向きは可動永久磁石6の磁場の向きと一致する。図27の磁力線が示すように、磁場は互いに重畳し、吸着面3に対し最大磁力を発揮し、物体4に吸着する。
【0090】
上記の永磁式マグネットリフト1では、第二ポジション定位装置を利用し可動永久磁石を第二ポジションに定位する。この場合のテスト吸着磁力は0より大きく最大磁力より小さい。これにより操作者がスムーズにテスト吸着の操作を行うことができる。テスト吸着の操作を行うことにより第三ポジションで吊り上げを行う時に発生する安全リスクを徹底的に排除することができる。
【0091】
以上、本発明実施例の説明を行ったが、本発明はここに述べる実施例に限られるものではない。具体的な構造が本発明の主要目的の範囲から外れないものに関しては、実施例に挙げる特徴に基づき適切な変更を加え、または各実施例中の特徴を組み合わせることができる。
【0092】
以上に挙げる実施例では固定永久磁石は可動永久磁石の上方に設置されているが、この限りではない。固定永久磁石は可動永久磁石の下方に設置することもできる。
【0093】
上記の実施例では、固定永久磁石は垂直または水平にハウジング内部に固定されているが、本発明ではこの限りではない。図28の固定永久磁石751、752のようにハウジング内部に斜めに八の字型に固定することができる。具体例を挙げる:固定永久磁石751、752と可動永久磁石6は共に直方体である。一組の固定永久磁石751、752は吸着面の中心面に対し垂直方向に対称に八の字型を形成する。一組の固定永久磁石751、752の向き合う側がそれぞれS極とN極となっており、外側がそれぞれN極とS極となっている。可動永久磁石6は側面がそれぞれS極とN極となっており、可動永久磁石6は自身の長さの中心線62を軸に回転する。可動永久磁石6が第一ポジションに移動する時、可動永久磁石6の高さの向きに可動永久磁石6を等分する中心面61と吸着面3に垂直な中心面がそろい、ほぼ同一平面上に並ぶ。固定永久磁石751、752の相対する左右両側の内左側がS極であり、このS極と向かい合う可動永久磁石6の面はN極となる。この固定永久磁石751、752の相対する左右両側の内右側がN極となり、可動永久磁石の反対側はS極である。(当然、可動永久磁石6と固定永久磁石751、752の極性は上記の反対となってもよい)。可動永久磁石6が第二ポジションに移動すると、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面61と吸着面3に垂直な中心面との間に夾角ができる。可動永久磁石6が第三ポジションに移動する時、固定永久磁751、752の向き合う面の左側がS極となり、このS極と向かい合う可動永久磁石6の面はS極となる。この固定永久磁石751、752の右側はN極であり、可動永久磁石6の反対側はN極である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永磁式マグネットリフトの一種。構造:ハウジングの下部に物体に吸着する吸着面を持つ;固定永久磁石とはハウジング内部に固定されている磁石を指す;可動永久磁石とは固定永久磁石に対しハウジング内部で動く磁石を指す。可動永久磁石が固定永久磁石に対し第一ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し発生する磁力がゼロとなる。可動永久磁石が固定永久磁石に対し第三ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し発生する磁力が最大となる。
本永磁式マグネットリフト装置の特徴は第二ポジションを設定したところにある。可動永久磁石が固定永久磁石的第二ポジションにくる時、固定永久磁石と可動永久磁石の吸着面に対し物体のテスト吸着に使用するテスト吸着磁力が発生する。このテスト吸着磁力はゼロ磁力より大きく最大磁力より弱いものである。
【請求項2】
特許請求の範囲1に述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、固定永久磁石と可動永久磁石が共に直方体であること、固定永久磁石が吸着面に対し垂直に設置されていることにある。固定永久磁石はその側面両端がそれぞれS極とN極となっている。可動永久磁石はその側面両端がS極とN極となっている。可動永久磁石は自身の長さの中心を軸に回転する。
可動永久磁石が第一ポジションに移動すると、可動永久磁石のN極と固定永久磁石のS極が固定永久磁石の一側面上に並び、可動永久磁石のS極と固定永久磁石のN極が固定永久磁石の反対側の一側面上に並ぶ。
可動永久磁石が第二ポジションに移動すると、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面と固定永久磁石を高さに対し等分した中心面との間に夾角ができる。
可動永久磁石が第三ポジションに移動すると、可動永久磁石のS極と固定永久磁石のS極が固定永久磁石の一側面上に並び、可動永久磁石のN極と固定永久磁石のN極が固定永久磁石の反対側の一側面上に並ぶ。
【請求項3】
特許請求の範囲1に述べた永磁式マグネットリフトの特徴は、固定永久磁石と可動永久磁石が共に直方体であり、一組の固定永久磁石が絶縁体の横方向の両側に並んで一体となっていることにある。この絶縁体の縦と横方向に形成される平面は吸着面に平行し、固定永久磁石のS極とN極はそれぞれ吸着面のある平面に向かい合う側面とその反対の側面に位置する。また可動永久磁石はその横方向の両側に固定永久磁石と逆の極性となるS極とN極を持つ。可動永久磁石は自身の長さの中心を軸に回転する。
可動永久磁石が第一ポジションに移動する時、一組の固定永久磁石のうちの一つは可動永久磁石のN極側に位置し、この固定永久磁石の可動永久磁石に近づく側をS極とする。もう一つの固定永久磁石は可動永久磁石のS極側に位置し、この固定永久磁石が可動永久磁石に近づく側をN極とする。
可動永久磁石が第二ポジションに移動する時、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面と絶縁体を高さに対し等分した中心面との間に夾角ができる。
可動永久磁石が第三ポジションに移動すると、一組の固定永久磁石のうちの一つは可動永久磁石のS極側に位置し、この固定永久磁石の可動永久磁石に近づく側がS極となる。もう一つの固定永久磁石は可動永久磁石のN極側に位置し、この固定永久磁石が可動永久磁石に近づく側がN極となる。
【請求項4】
特許請求の範囲1に述べた永磁式マグネットリフトの特徴は、固定永久磁石と可動永久磁石が共に直方体であること、一組の固定永久磁石が吸着面の中心面に対し垂直方向に対称に八の字型を形成していることである。一組の固定永久磁石の向き合う側がそれぞれS極とN極であり、外側がそれぞれN極とS極である。可動永久磁石は側面がそれぞれS極とN極であり、可動永久磁石は自身の長さの中心を軸に回転する。
可動永久磁石が第一ポジションに移動する時、固定永久磁石の向き合う面の片側のS極に対し、このS極と向かい合う可動永久磁石の面はN極となる。この固定永久磁石に向かい合う固定永久磁石の面はN極であり、可動永久磁石の反対側はS極である。
可動永久磁石が第二ポジションに移動すると、可動永久磁石を高さに対し等分した中心面と吸着面に垂直な中心面との間に夾角ができる。
可動永久磁石が第三ポジションに移動する時、固定永久磁石の向き合う面の片側のS極に対し、このS極と向かい合う可動永久磁石の面はS極となる。この固定永久磁石に向かい合う固定永久磁石の面はN極であり、可動永久磁石の反対側はN極である。
【請求項5】
特許請求の範囲1-4で述べた永磁式マグネットリフトはすべて、ハンドルがついている。このハンドルはハウジングの外部に設置されており、操作者は手動で操作を行う。可動永久磁石を第一ポジション、第二ポジションまたは第三ポジションに回転させる。
【請求項6】
特許請求の範囲5の述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、第二ポジションの定位構造である:ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションまで動かす過程で、ハウジング上のハンドルの移動経路に対応する部分に第一クランプピンを設置する;第一ばねは第一クランプピンに弾力性と推力を加え、第一クランプピンが常にハウジングの外に飛び出るようにする;作動装置をハウジング外に露出させる。操作者は作動装置を使って第一ばねの弾力性と推力に反し第一クランプピンをハウジング内部に押し込むことができる。
【請求項7】
特許請求の範囲6で述べる永磁式マグネットリフトの特徴は第一クランプピンの前端部が斜めになっていることである。ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションに移動させる過程で、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態で、ハンドルがクランプピンの傾斜面に押し当てる。これにより第一ばねの弾力性と推力に逆らい第一クランプピンはハウジング内部に押し込まれ、ハンドルは第一クランプピンの位置を通過する。ハンドルで可動永久磁石を第三ポジションから第一ポジションに移動させる過程では、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態で、ハンドルは第一クランプピンの傾斜面の反対側に当たり、第一クランプピンにさえぎられる。これにより第一クランプピンの位置に定位される。
【請求項8】
特許請求の範囲7で述べる永磁式マグネットリフトの特徴は第一クランプピンの後端部分と第一ばねの接合である。第一クランプピンの中間部分と作動装置は連結され一体となっている。第一クランプピンの斜面は第一クランプピンの軸線と交差する部分で第一クランプピンの前端部を切断し斜平面となっている。
【請求項9】
特許請求の範囲6で述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、第一クランプピンの前端部が斜面となっていないことである。ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションに移動させる過程で、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態でハンドルをクランプピンの傾斜面に押し当てても、第一クランプピンの位置を通過することができない。作動装置が操作されている状態では第一ばねの弾力性と推力に逆らい第一クランプピンはハウジング内部に押し込まれるため、ハンドルは第一クランプピンの位置を通過することができる。ハンドルで可動永久磁石を第三ポジションから第一ポジションに移動する過程では、ハンドルが第一クランプピンの位置に来たとき、作動装置を操作しない状態ではハンドルは第一クランプピンの傾斜面の反対側に当たり、第一クランプピンにさえぎられる。これにより第一クランプピンの位置に定位される。
【請求項10】
特許請求の範囲5の述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、第二ポジションの定位構造である:ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションまで動かす過程で、ハウジング上のハンドルの移動経路に対応する部分に第二クランプピンを設置する;第一ばねは第一クランプピンに弾力性と推力を加えるものである。第一クランプピンが常にハウジングの外にとび出る状態にする。ハンドルには以下のものが取り付けられる。ストッパー:ハンドルの外周面からハウジング側に向けて突き出る。ボタン:ストッパーと連結した棒状の物で、ハンドル外側の一定の距離まで突出したもの。操作者はボタンを押し込み、ストッパーを移動する。第二ばね:ボタンに弾力性と推力を加えることにより、ボタンが常にハンドル外側の一定の距離にとび出た状態を保持する。
【請求項11】
特許請求の範囲10に述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、ハンドルで可動永久磁石を第一ポジションから第三ポジションまで動かす、または第三ポジションから第一ポジションまで動かす際、ハンドルが第二クランプピンの位置に来たとき、ボタンが押されていない場合、ハンドルのストッパーが第二クランプピンに当たるため、第二クランプピンの位置を通過することができない。ボタンを操作者が押すとストッパーが移動し第二クランプピンに当たらないため、ハンドルは第二クランプピンの位置を通過することができる。
【請求項12】
特許請求の範囲1で述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、テスト吸着磁力が最大磁力の10%-90%の範囲内であることである。
【請求項13】
特許請求の範囲1で述べる永磁式マグネットリフトの特徴は、テスト吸着磁力が最大磁力の50%であることである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2013−519601(P2013−519601A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552220(P2012−552220)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際出願番号】PCT/CN2010/000199
【国際公開番号】WO2011/097761
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(512178662)ソフ マグネティクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】