汎用コンバイン
【課題】汎用コンバインでの収穫作業中に操縦席の前側で巻き上がる塵埃を効果的に除去して、作業者の運転操作を容易化し、刈取作業の能率を高める。
【解決手段】汎用コンバインにおいて、フィーダーケース(5)の外側面に該フィーダーケース(5)内の塵埃を吸引する吸引ファン(7)を設けると共に、フィーダーケース(5)の操縦席(3)側の面に吸塵口(6)を設ける。また、吸引ファン(7)の一部をフィーダーケース(5)の上面から上方へ突出させ、吸引ファン(7)を覆うダクト(24)に操縦席(3)側に向けて開口する第二吸塵口(8)を設ける。また、吸塵口(6)に穀粒の通過を阻む目抜き鉄板或いは金網を設ける。また、吸引ファン(7)を電動モータ(9)で駆動する。また、フィーダーケース(5)の吸引ファン(7)側の部位に穀稈投入用の開閉口(10)を設ける。
【解決手段】汎用コンバインにおいて、フィーダーケース(5)の外側面に該フィーダーケース(5)内の塵埃を吸引する吸引ファン(7)を設けると共に、フィーダーケース(5)の操縦席(3)側の面に吸塵口(6)を設ける。また、吸引ファン(7)の一部をフィーダーケース(5)の上面から上方へ突出させ、吸引ファン(7)を覆うダクト(24)に操縦席(3)側に向けて開口する第二吸塵口(8)を設ける。また、吸塵口(6)に穀粒の通過を阻む目抜き鉄板或いは金網を設ける。また、吸引ファン(7)を電動モータ(9)で駆動する。また、フィーダーケース(5)の吸引ファン(7)側の部位に穀稈投入用の開閉口(10)を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈り取った穀稈の全てを脱穀装置に投入して脱穀処理する汎用コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
汎用コンバインは、刈取装置で刈り取った穀稈をオーガで寄せ集め、フィーダーによって脱穀装置に供給して脱穀処理する構成である。
この汎用コンバインでの刈り取り作業中には、穀稈から塵埃が巻き上がって操縦席からの機体前方視界が悪くなり、刈取作業の能率が低下する問題がある。これを防ぐために、例えば、特許文献1には、フィーダーを囲うフィーダーケースの側面に設けた排塵ファンによって、刈取装置側から塵埃を吸引して機体後方へ排出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−178428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の汎用コンバインでは、刈取装置側から巻き上がる塵埃を少なく出来るが、フィーダーケースの周囲に巻き上がる塵埃が多く、特に操縦席の前方へ巻き上がる塵埃が運転に支障となることが有る。
【0005】
そのために、本発明では、汎用コンバインでの収穫作業中に操縦席の前側で巻き上がる塵埃を効果的に除去して作業者の運転操作を容易化し、刈取作業の能率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、機体の前側に刈取装置(16)と掻込オーガ(20)を備えた刈取前処理装置(13)を設け、該刈取前処理装置(13)の後側には、左右一側に操縦席(3)を設け、左右他側には刈取装置(16)で刈り取った穀稈を掻込オーガ(20)から引き継いで脱穀装置(4)へ供給するフィーダー(21)を内装したフィーダーケース(5)を設けた汎用コンバインにおいて、前記フィーダーケース(5)の外側面に該フィーダーケース(5)内の塵埃を吸引する吸引ファン(7)を設けると共に、フィーダーケース(5)の操縦席(3)側の面に吸塵口(6)を設けたことを特徴とする汎用コンバインとする。
【0007】
この構成によって、吸引ファン(7)によってフィーダーケース(5)内の塵埃が吸引されると共にフィーダーケース(5)の吸塵口(6)から操縦席(3)側の周囲に巻き上がる塵埃が吸引される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記吸引ファン(7)の一部をフィーダーケース(5)の上面から上方へ突出させ、吸引ファン(7)を覆うダクト(24)に操縦席(3)側に向けて開口する第二吸塵口(8)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインとする。
【0009】
この構成によって、フィーダーケース(5)の上面に巻き上がる塵埃が第二吸塵口(8)から吸引ファン(7)で吸引され、操縦席(3)近くのフィーダーケース(5)上方の視界が良くなる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記吸塵口(6)に穀粒の通過を阻む目抜き鉄板或いは金網を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汎用コンバインとする。
この構成で、フィーダーケース5内の穀稈が吸塵口6から飛び出しにくくなる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記吸引ファン(7)を電動モータ(9)で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバインとする。
【0012】
この構成で、吸引ファン7の駆動構成が簡略化する。
請求項5に記載の発明は、前記フィーダーケース(5)の吸引ファン(7)側の部位に穀稈投入用の開閉口(10)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバインとする。
【0013】
この構成で、枕刈で刈った穀稈を穀稈投入用開閉口10からフィーダーケース5に投入して安全に脱穀出来る。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、吸引ファン(7)によってフィーダーケース(5)内の塵埃を吸引すると共にフィーダーケース(5)の吸塵口(6)から操縦席(3)側の周囲に巻き上がる塵埃を吸引することができ、操縦席(3)の作業者が機体の前方周りを視認しやすくなり、操作の容易化によって刈取作業の能率を高めることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載の発明の効果に加え、フィーダーケース(5)の上面に巻き上がる塵埃を第二吸塵口(8)から吸引ファン(7)で吸引することができ、操縦席(3)近くのフィーダーケース(5)上方の視界が良くなり、視認性の向上によって刈取作業の能率を更に高めることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2に記載の発明の効果を奏するうえに、フィーダーケース(5)内の穀粒が吸塵口(6)から飛び出しにくくなり、穀粒の収穫損失を低減することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、上記請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、吸引ファン(7)の駆動構成が簡素化でき、安価に提供することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、作業者が手刈りした穀稈を脱穀装置(4)に供給することが容易になり、手扱ぎ作業の能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】汎用コンバインの全体左側面図である。
【図2】汎用コンバインの全体平面図である。
【図3】汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図4】図3のS−S断面図である。
【図5】第一実施例の汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図6】図5のS1−S1断面図である。
【図7】第二実施例の汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図8】図7のS2−S2断面図である。
【図9】第三実施例の汎用コンバインの機体前部の平面図である。
【図10】第三実施例の汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図11】二番縦ラセンの平面図である。
【図12】繋ぎラセンの平面図である。
【図13】跳出板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
汎用コンバインは、図1と図2に示すように、左右に一対のクロ−ラ11,11を装備した車体12上に穀稈供給口を前側にして脱穀装置4を搭載し、その前方に刈取前処理装置13を設けて、一連の刈取脱穀作業ができる構成としている。そして、脱穀装置4は、刈り取った穀稈の全部を扱室に投入する全稈投入式の構成であって、上側に扱室を、下側に選別室をそれぞれ配置した汎用コンバイン用脱穀装置に構成されている。
【0021】
次に、刈取前処理装置13は、図面に示すように、取付けのベースとなるテーブル14を低位置に横向きにして延長し、その左右両端に、上方に立ち上がった支持枠15,15を設け、該支持枠15,15と前記テーブル14とに刈取装置16と掻込みリール18を取り付けて支持した構成となっている。
【0022】
刈取装置16は、図3に示すように、前記支持枠15,15の前部両側から前方に向けて延長して設けた分草杆17,17の間において、前記テーブル14の前縁に沿わせて設けた構成としている。そして、掻込みリール18は、前記左右両側の支持枠15,15の後部上側に、基部を上下自在に枢着して取付けたリール支持アーム19,19を油圧シリンダによって昇降自由に支持し、このリール支持アーム19,19を前方側に延長して先端部分に軸架して設けた構成としている。
【0023】
掻込オーガ20は、図面に示すように、前記刈取装置16の刈幅と同等の長さに形成して横向きに設け、その両端を左右の支持枠15,15に横軸で軸受支持し、フィーダーケース5の取り込み口に向けて搬送作用するラセン36と左右適宜間隔で設ける掻込フィンガー35を有し、掻込フィンガー35が刈取装置16先端とメインフレーム34を結ぶ直線S(図10参照)よりも前に突き出して穀稈を引き込み、回転に伴って刈取穀稈をラセン36と掻込フィンガー35で掻き込みながら機体の右側に集める構成としている。
【0024】
掻込オーガ20によって穀稈を集める位置に穀稈を脱穀装置4へ搬送するフィーダー21を設けて、このフィーダー21の搬送始端部を掻込オーガ20の背後に臨ませて、搬送終端部を前記脱穀装置4の穀稈供給口に連通させて設け、前記掻込オーガ20が集めた刈取穀稈を脱穀装置4まで搬送して供給する構成としている。
【0025】
このフィーダー21は、断面四角形状のフィーダーケース5で囲って、前後略中間の左側面に電動モータ9で駆動する吸引ファン7を設け、目抜き鉄板で構成したフィーダーケース5の吸引口26から塵埃を吸引する。吸引ファン7はダクト24で覆い、その下部に側方へ向いて開口した排出口25から塵埃と共に排風する。
【0026】
後述する操縦席3側のフィーダーケース5の側面には、目抜き鉄板或いは金網で構成した吸塵口6を設けて、この周囲に発生する塵埃をフィーダーケース5内へ吸い込むようにしている。
【0027】
従って、フィーダーケース5内の塵埃とフィーダーケース5の外側で操作席3側の塵埃を吸引ファン7で吸引し、操縦席3からの視界を良好にすることができる。また、吸引口26及び吸塵口6には目抜き鉄板によって穀粒の飛び出しを防ぐので、塵埃のみを機体の外側方に排出することができる。
【0028】
フィーダーケース5と脱穀装置4に対して、機体の右側に作業者が搭乗するキャビン22と収穫した穀粒を一時的に貯留するグレンタンク23を車体12上に搭載している。
キャビン22は、作業者が座る操縦席3と操縦装置とを設けている。
【0029】
図5と図6に示す実施例では、吸引ファン7をフィーダーケース5の高い位置に取り付け、この吸引ファン7を囲うダクト24のフィーダーケース5上面側に第二吸塵口8を開口し、この第二吸塵口8からフィーダーケース5の上面に漂う塵埃を吸引するようにしている。フィーダーケース5の上面よりも上方の塵埃を吸引できるので、更に視認性が高まる。
【0030】
図7と図8に示す実施例では、吸引ファン7の位置に穀稈投入用の開閉口10をフィーダーケース5に開口し、この穀稈投入用の開閉口10を閉じる投入蓋27を下部のヒンジ28で取り付け、上部をノブボルト29で閉じている。この投入蓋27を開いて斜め下方に向かって支持し、作業者が手刈りした穀稈をフィーダーケース5内へ投入できる。
【0031】
なお、図示を省略するが、穀稈投入用の開閉口10に隣接して吸引ファン7を設ける構成すると好適である。
図9と図10に示す実施例では、掻込オーガ20上のキャビン22前方で左右支持枠15を連結するメインフレーム34より前上方に穀稈送りラセン30を設けて、メインフレーム34に倒れかかる長い穀稈の穂先側をフィーダーケース5の取り込み口に向けて送るようにしている。この穀稈送りラセン30は、駆動軸32から掻込みリール18の支持軸33と共にチェン31で駆動され、掻込みリール18の回転と同期している。
【0032】
なお、穀稈送りラセン30の駆動を電動モータで行って、車速センサの検出する走行速度に応じて回転速度を変化するようにしても良い。
図11,12,13は、二番縦ラセン37を示し、縦ラセン軸37aに巻きつけるラセン37b、37cを中間部で離して分割し、この中間部に繋ぎラセン38や跳出板39を着脱可能にし、ラセン筒に設ける掃除口から交換作業を行えるようにして、棚還元や胴還元が行えるようにしている。縦ラセン軸37aの中間部は、径が小さく、繋ぎラセン38や跳出板39を取り付けると全体の軸径が同じになるようにしている。
【0033】
図12は、繋ぎラセン38を示し、軸部38aよりもラセン部38bを長くして本体部のラセン37b、37cと繋ぎ易くしている。
【符号の説明】
【0034】
3 操縦席
4 脱穀装置
5 フィーダーケース
6 吸塵口
7 吸引ファン
8 第二吸塵口
9 電動モータ
10 開閉口
16 刈取装置
20 掻込オーガ
24 ダクト
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈り取った穀稈の全てを脱穀装置に投入して脱穀処理する汎用コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
汎用コンバインは、刈取装置で刈り取った穀稈をオーガで寄せ集め、フィーダーによって脱穀装置に供給して脱穀処理する構成である。
この汎用コンバインでの刈り取り作業中には、穀稈から塵埃が巻き上がって操縦席からの機体前方視界が悪くなり、刈取作業の能率が低下する問題がある。これを防ぐために、例えば、特許文献1には、フィーダーを囲うフィーダーケースの側面に設けた排塵ファンによって、刈取装置側から塵埃を吸引して機体後方へ排出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−178428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の汎用コンバインでは、刈取装置側から巻き上がる塵埃を少なく出来るが、フィーダーケースの周囲に巻き上がる塵埃が多く、特に操縦席の前方へ巻き上がる塵埃が運転に支障となることが有る。
【0005】
そのために、本発明では、汎用コンバインでの収穫作業中に操縦席の前側で巻き上がる塵埃を効果的に除去して作業者の運転操作を容易化し、刈取作業の能率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、機体の前側に刈取装置(16)と掻込オーガ(20)を備えた刈取前処理装置(13)を設け、該刈取前処理装置(13)の後側には、左右一側に操縦席(3)を設け、左右他側には刈取装置(16)で刈り取った穀稈を掻込オーガ(20)から引き継いで脱穀装置(4)へ供給するフィーダー(21)を内装したフィーダーケース(5)を設けた汎用コンバインにおいて、前記フィーダーケース(5)の外側面に該フィーダーケース(5)内の塵埃を吸引する吸引ファン(7)を設けると共に、フィーダーケース(5)の操縦席(3)側の面に吸塵口(6)を設けたことを特徴とする汎用コンバインとする。
【0007】
この構成によって、吸引ファン(7)によってフィーダーケース(5)内の塵埃が吸引されると共にフィーダーケース(5)の吸塵口(6)から操縦席(3)側の周囲に巻き上がる塵埃が吸引される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記吸引ファン(7)の一部をフィーダーケース(5)の上面から上方へ突出させ、吸引ファン(7)を覆うダクト(24)に操縦席(3)側に向けて開口する第二吸塵口(8)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバインとする。
【0009】
この構成によって、フィーダーケース(5)の上面に巻き上がる塵埃が第二吸塵口(8)から吸引ファン(7)で吸引され、操縦席(3)近くのフィーダーケース(5)上方の視界が良くなる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記吸塵口(6)に穀粒の通過を阻む目抜き鉄板或いは金網を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汎用コンバインとする。
この構成で、フィーダーケース5内の穀稈が吸塵口6から飛び出しにくくなる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、前記吸引ファン(7)を電動モータ(9)で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバインとする。
【0012】
この構成で、吸引ファン7の駆動構成が簡略化する。
請求項5に記載の発明は、前記フィーダーケース(5)の吸引ファン(7)側の部位に穀稈投入用の開閉口(10)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバインとする。
【0013】
この構成で、枕刈で刈った穀稈を穀稈投入用開閉口10からフィーダーケース5に投入して安全に脱穀出来る。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、吸引ファン(7)によってフィーダーケース(5)内の塵埃を吸引すると共にフィーダーケース(5)の吸塵口(6)から操縦席(3)側の周囲に巻き上がる塵埃を吸引することができ、操縦席(3)の作業者が機体の前方周りを視認しやすくなり、操作の容易化によって刈取作業の能率を高めることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、上記請求項1に記載の発明の効果に加え、フィーダーケース(5)の上面に巻き上がる塵埃を第二吸塵口(8)から吸引ファン(7)で吸引することができ、操縦席(3)近くのフィーダーケース(5)上方の視界が良くなり、視認性の向上によって刈取作業の能率を更に高めることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、上記請求項1または請求項2に記載の発明の効果を奏するうえに、フィーダーケース(5)内の穀粒が吸塵口(6)から飛び出しにくくなり、穀粒の収穫損失を低減することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、上記請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、吸引ファン(7)の駆動構成が簡素化でき、安価に提供することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、作業者が手刈りした穀稈を脱穀装置(4)に供給することが容易になり、手扱ぎ作業の能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】汎用コンバインの全体左側面図である。
【図2】汎用コンバインの全体平面図である。
【図3】汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図4】図3のS−S断面図である。
【図5】第一実施例の汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図6】図5のS1−S1断面図である。
【図7】第二実施例の汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図8】図7のS2−S2断面図である。
【図9】第三実施例の汎用コンバインの機体前部の平面図である。
【図10】第三実施例の汎用コンバインの機体前部の右側面図である。
【図11】二番縦ラセンの平面図である。
【図12】繋ぎラセンの平面図である。
【図13】跳出板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
汎用コンバインは、図1と図2に示すように、左右に一対のクロ−ラ11,11を装備した車体12上に穀稈供給口を前側にして脱穀装置4を搭載し、その前方に刈取前処理装置13を設けて、一連の刈取脱穀作業ができる構成としている。そして、脱穀装置4は、刈り取った穀稈の全部を扱室に投入する全稈投入式の構成であって、上側に扱室を、下側に選別室をそれぞれ配置した汎用コンバイン用脱穀装置に構成されている。
【0021】
次に、刈取前処理装置13は、図面に示すように、取付けのベースとなるテーブル14を低位置に横向きにして延長し、その左右両端に、上方に立ち上がった支持枠15,15を設け、該支持枠15,15と前記テーブル14とに刈取装置16と掻込みリール18を取り付けて支持した構成となっている。
【0022】
刈取装置16は、図3に示すように、前記支持枠15,15の前部両側から前方に向けて延長して設けた分草杆17,17の間において、前記テーブル14の前縁に沿わせて設けた構成としている。そして、掻込みリール18は、前記左右両側の支持枠15,15の後部上側に、基部を上下自在に枢着して取付けたリール支持アーム19,19を油圧シリンダによって昇降自由に支持し、このリール支持アーム19,19を前方側に延長して先端部分に軸架して設けた構成としている。
【0023】
掻込オーガ20は、図面に示すように、前記刈取装置16の刈幅と同等の長さに形成して横向きに設け、その両端を左右の支持枠15,15に横軸で軸受支持し、フィーダーケース5の取り込み口に向けて搬送作用するラセン36と左右適宜間隔で設ける掻込フィンガー35を有し、掻込フィンガー35が刈取装置16先端とメインフレーム34を結ぶ直線S(図10参照)よりも前に突き出して穀稈を引き込み、回転に伴って刈取穀稈をラセン36と掻込フィンガー35で掻き込みながら機体の右側に集める構成としている。
【0024】
掻込オーガ20によって穀稈を集める位置に穀稈を脱穀装置4へ搬送するフィーダー21を設けて、このフィーダー21の搬送始端部を掻込オーガ20の背後に臨ませて、搬送終端部を前記脱穀装置4の穀稈供給口に連通させて設け、前記掻込オーガ20が集めた刈取穀稈を脱穀装置4まで搬送して供給する構成としている。
【0025】
このフィーダー21は、断面四角形状のフィーダーケース5で囲って、前後略中間の左側面に電動モータ9で駆動する吸引ファン7を設け、目抜き鉄板で構成したフィーダーケース5の吸引口26から塵埃を吸引する。吸引ファン7はダクト24で覆い、その下部に側方へ向いて開口した排出口25から塵埃と共に排風する。
【0026】
後述する操縦席3側のフィーダーケース5の側面には、目抜き鉄板或いは金網で構成した吸塵口6を設けて、この周囲に発生する塵埃をフィーダーケース5内へ吸い込むようにしている。
【0027】
従って、フィーダーケース5内の塵埃とフィーダーケース5の外側で操作席3側の塵埃を吸引ファン7で吸引し、操縦席3からの視界を良好にすることができる。また、吸引口26及び吸塵口6には目抜き鉄板によって穀粒の飛び出しを防ぐので、塵埃のみを機体の外側方に排出することができる。
【0028】
フィーダーケース5と脱穀装置4に対して、機体の右側に作業者が搭乗するキャビン22と収穫した穀粒を一時的に貯留するグレンタンク23を車体12上に搭載している。
キャビン22は、作業者が座る操縦席3と操縦装置とを設けている。
【0029】
図5と図6に示す実施例では、吸引ファン7をフィーダーケース5の高い位置に取り付け、この吸引ファン7を囲うダクト24のフィーダーケース5上面側に第二吸塵口8を開口し、この第二吸塵口8からフィーダーケース5の上面に漂う塵埃を吸引するようにしている。フィーダーケース5の上面よりも上方の塵埃を吸引できるので、更に視認性が高まる。
【0030】
図7と図8に示す実施例では、吸引ファン7の位置に穀稈投入用の開閉口10をフィーダーケース5に開口し、この穀稈投入用の開閉口10を閉じる投入蓋27を下部のヒンジ28で取り付け、上部をノブボルト29で閉じている。この投入蓋27を開いて斜め下方に向かって支持し、作業者が手刈りした穀稈をフィーダーケース5内へ投入できる。
【0031】
なお、図示を省略するが、穀稈投入用の開閉口10に隣接して吸引ファン7を設ける構成すると好適である。
図9と図10に示す実施例では、掻込オーガ20上のキャビン22前方で左右支持枠15を連結するメインフレーム34より前上方に穀稈送りラセン30を設けて、メインフレーム34に倒れかかる長い穀稈の穂先側をフィーダーケース5の取り込み口に向けて送るようにしている。この穀稈送りラセン30は、駆動軸32から掻込みリール18の支持軸33と共にチェン31で駆動され、掻込みリール18の回転と同期している。
【0032】
なお、穀稈送りラセン30の駆動を電動モータで行って、車速センサの検出する走行速度に応じて回転速度を変化するようにしても良い。
図11,12,13は、二番縦ラセン37を示し、縦ラセン軸37aに巻きつけるラセン37b、37cを中間部で離して分割し、この中間部に繋ぎラセン38や跳出板39を着脱可能にし、ラセン筒に設ける掃除口から交換作業を行えるようにして、棚還元や胴還元が行えるようにしている。縦ラセン軸37aの中間部は、径が小さく、繋ぎラセン38や跳出板39を取り付けると全体の軸径が同じになるようにしている。
【0033】
図12は、繋ぎラセン38を示し、軸部38aよりもラセン部38bを長くして本体部のラセン37b、37cと繋ぎ易くしている。
【符号の説明】
【0034】
3 操縦席
4 脱穀装置
5 フィーダーケース
6 吸塵口
7 吸引ファン
8 第二吸塵口
9 電動モータ
10 開閉口
16 刈取装置
20 掻込オーガ
24 ダクト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前側に刈取装置(16)と掻込オーガ(20)を備えた刈取前処理装置(13)を設け、該刈取前処理装置(13)の後側には、左右一側に操縦席(3)を設け、左右他側には刈取装置(16)で刈り取った穀稈を掻込オーガ(20)から引き継いで脱穀装置(4)へ供給するフィーダー(21)を内装したフィーダーケース(5)を設けた汎用コンバインにおいて、前記フィーダーケース(5)の外側面に該フィーダーケース(5)内の塵埃を吸引する吸引ファン(7)を設けると共に、フィーダーケース(5)の操縦席(3)側の面に吸塵口(6)を設けたことを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項2】
前記吸引ファン(7)の一部をフィーダーケース(5)の上面から上方へ突出させ、吸引ファン(7)を覆うダクト(24)に操縦席(3)側に向けて開口する第二吸塵口(8)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバイン。
【請求項3】
前記吸塵口(6)に穀粒の通過を阻む目抜き鉄板或いは金網を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汎用コンバイン。
【請求項4】
前記吸引ファン(7)を電動モータ(9)で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバイン。
【請求項5】
前記フィーダーケース(5)の吸引ファン(7)側の部位に穀稈投入用の開閉口(10)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバイン。
【請求項1】
機体の前側に刈取装置(16)と掻込オーガ(20)を備えた刈取前処理装置(13)を設け、該刈取前処理装置(13)の後側には、左右一側に操縦席(3)を設け、左右他側には刈取装置(16)で刈り取った穀稈を掻込オーガ(20)から引き継いで脱穀装置(4)へ供給するフィーダー(21)を内装したフィーダーケース(5)を設けた汎用コンバインにおいて、前記フィーダーケース(5)の外側面に該フィーダーケース(5)内の塵埃を吸引する吸引ファン(7)を設けると共に、フィーダーケース(5)の操縦席(3)側の面に吸塵口(6)を設けたことを特徴とする汎用コンバイン。
【請求項2】
前記吸引ファン(7)の一部をフィーダーケース(5)の上面から上方へ突出させ、吸引ファン(7)を覆うダクト(24)に操縦席(3)側に向けて開口する第二吸塵口(8)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の汎用コンバイン。
【請求項3】
前記吸塵口(6)に穀粒の通過を阻む目抜き鉄板或いは金網を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の汎用コンバイン。
【請求項4】
前記吸引ファン(7)を電動モータ(9)で駆動する構成としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバイン。
【請求項5】
前記フィーダーケース(5)の吸引ファン(7)側の部位に穀稈投入用の開閉口(10)を設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の汎用コンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−115161(P2012−115161A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265317(P2010−265317)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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