説明

決済システム、認証決済装置および携帯端末

【課題】ユーザが安心して携帯電話を用いてクレジットカードによる決済が可能な決済システムを提供する。
【解決手段】ユーザが携帯電話10でネットワーク上のショップにおいて、クレジットカードで決済するときは、ショップから認証決済装置に、ショップの名前、携帯電話10の固体識別番号、決済金額が通知される(S11)。認証モジュール31は、ショップデータベース32を用いてショップの確認を行い(S12)、顧客データベース33を用いて、固体識別番号の登録の有無を確認する(S13)。問題がなければ、ユーザに暗証番号を入力させ、クレジットカードの選択をさせて、クレジットカードによる決済を行う(S14〜S19)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯端末を用いた決済システム、認証決済装置および携帯端末に関し、特に、クレジットカードを用いた決済が可能な、決済システム、認証決済装置および携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクレジットカードを用いて決済を行う通信販売方法が、たとえば、特開2004−29972号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によれば、商品販売業者の商品を掲載した媒体に記載されている取り扱い商品の番号を、携帯電話のデータ通信機能を利用して携帯電話の端末番号およびユーザの暗証番号とともに管理サーバに送信し、管理サーバで商品の購入手続きを受付け、受付けた商品の代金をサーバに予め登録してある携帯電話の端末番号に対応したクレジットカード番号で決済を行っている。
【特許文献1】特開2004−29972号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のクレジットカードを用いた決済方法は上記のように行われていた。従来においては、サーバに予め登録してある携帯電話の端末番号は、ユーザの名前、電話番号、Eメールアドレス等であった。
【0004】
しかしながら、ユーザの携帯電話の特定に、このような、ユーザの名前、電話番号、Eメールアドレスを用いると、ユーザのなりすましが可能になり、ユーザが安心して携帯電話を介してクレジットカードを用いて決済ができない、という問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題を解消するためになされたもので、ユーザが安心して携帯端末を用いてクレジットカードによる決済が可能な決済システム、認証決済装置および携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る決済システムは、携帯端末と携帯端末によってアクセス可能な認証決済装置を含み、携帯端末を介してクレジットカードを用いて決済を行う決済システムである。携帯端末は固有の固体識別番号を有し、携帯端末は、入力された暗証番号および固体識別番号を送信する送信手段を含み、認証決済装置は、携帯端末から暗証番号および固体識別番号を受信する受信手段と、暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を格納したデータベースと、データベースに基づいて、受信手段で受信した暗証番号および固体識別番号とに基づいて、携帯端末の持主の本人認証を行う認証手段と、認証手段が本人認証を行った後、暗証番号および固体識別番号に関連付けられたクレジットカードに関する情報を用いて決済を行う決済手段とを含む。
【0007】
暗証番号および携帯端末に固有の固体識別番号に基づいて、携帯端末の持主の本人認証を行い、予め登録された、携帯端末に関連したクレジットカードを用いて決済を行う。携帯端末に固有の固体識別番号を使用するため、第三者のなりすましは不可能である。
【0008】
その結果、ユーザが安心して携帯端末を用いてクレジットカードによる決済が可能な決済システムを提供できる。
【0009】
好ましくは、固体識別番号は、携帯端末の製造番号を含む。
【0010】
この発明の他の局面は、携帯端末によってアクセス可能であり、クレジットカードを用いて決済を行う認証決済装置に関する。携帯端末は固有の固体識別番号を有し、認証決済装置は、携帯端末から暗証番号および固体識別番号を受信する受信手段と、暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を格納したデータベースと、データベースに基づいて、受信手段で受信した暗証番号および固体識別番号とに基づいて、携帯端末の持主の本人認証を行う認証手段と、認証手段が本人認証を行った後、暗証番号および固体識別番号に関連付けられたクレジットカードに関する情報を用いて決済を行う決済手段とを含む。
【0011】
この発明のさらに他の局面は、クレジットカードを用いて決済を行う認証決済装置にアクセス可能な携帯端末に関する。携帯端末は、固有の固体識別番号を有し、暗証番号を入力させる入力手段と、入力された暗証番号および固体識別番号を送信する送信手段と、暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を格納したデータベースを有する認証決済装置から、前記送信手段で送信した暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を受信する受信手段と、認証決済装置に対して、クレジットカードによる決済を行うように指示する指示手段とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1はこの発明の一実施の形態に係る決済システムを示すブロック図である。図1を参照して、決済システムは、ユーザが使用する携帯電話10のような携帯端末と、携帯電話10によってアクセス可能な、インターネットのようなネットワーク上のショップ20と、認証決済装置30と、決済サーバ40とを含む。認証決済装置30は、携帯電話10からのクレジットカードによる決済の指示に基づいて本人認証を行う。決済サーバ40は、最終的なクレジットカードの決済を行う。
【0013】
図2は、ネットワーク上のショップ20の構成を示すブロック図である。図2を参照して、ショップ20は、ショップ自体を表示するプログラムであるショップモジュール21と、携帯電話10との交信において、アクセス先をショップ20から認証決済装置30に自動的に切替えるプログラムであるリダイレクトモジュール22とを含む。
【0014】
図3は、認証決済装置30および認証決済装置30に接続され、クレジットカードの決済を行う決済サーバ40の構成を示すブロック図である。図3を参照して、認証決済装置30は、携帯電話10と交信して本人認証を行う、認証手段として作動する、認証モジュール31と、取引ログ格納データベース32と、顧客データベース33と、ショップデータベース34と、決済モジュール35とを含む。
【0015】
取引ログデータベース32は、顧客およびショップとの交信履歴を格納する。顧客データベース33は、携帯電話10を有している顧客の顧客データを格納している。ショップデータベース34は、ショップのデータを格納している。なお、ここでは、予め、顧客であるユーザのデータや、ショップのデータは、それぞれのデータベース33,34に格納されているものとする。決済モジュールは、認証モジュールで認証された顧客の指示に応じて、実際にクレジットカードで決済を行う決済サーバ40へデータを送信するモジュールである。
【0016】
また、ネットワーク上のショップ20や、認証決済装置30や、決済サーバ40は、基本的には、コンピュータであり、装置全体を制御するCPUや、入出力装置を有している。また、各モジュールはCPUで動作するプログラムである。
【0017】
顧客データは、氏名、暗証番号、携帯電話10の電話番号、電話番号とは異なる固有の番号(以下、「固体識別番号」という)を含む。この固体識別番号としては、携帯電話10のキャリア会社によって異なるが、NTTドコモであれば携帯ID(製造番号)、auであればサブクライバID、ソフトバンクであればユーザID等に対応する。また、顧客データは、暗証番号および固体識別番号に関連付けられた、顧客の有するクレジットカードに関する情報を有している。複数のクレジットカードを有していれば、複数のクレジットカードに関する情報も格納している。
【0018】
また、ショップデータとしては、ショップの名前、暗証番号等を含む。
次に、この決済システムで携帯電話10を用いて、クレジットカードで決済する場合について説明する。図4は、この場合の処理手順を示す図であり、携帯電話10と、認証決済装置30との交信内容を示している。図4に示すように、携帯電話10と、認証決済装置30とはそれぞれが送受信手段を有して、以下に示す必要な情報を交信している。また、携帯電話10は、携帯電話10のユーザに対して、暗証番号等を入力させるキーのような入力手段を有する。この入力手段は、クレジットカードによる決済を行うように指示する指示手段としても機能する。
【0019】

図4を参照して、ユーザが携帯電話10でネットワーク上のショップ20にアクセスし、ある商品を購入し、その決済をクレジットカードで行う旨を入力する。すると、図2に示したショップ20のショップモジュール21からリダイレクトモジュール22に処理が移され、携帯電話10のアクセスは自動的に認証決済装置30の認証モジュール31に移行される。そして、認証モジュール31に、ショップの名前、携帯電話10の固体識別番号、決済金額が通知される(ステップS11、以下、ステップを省略する)。
【0020】
認証モジュール31は、ショップデータベース34を用いて通知のあったショップが、予め、ショップデータベース34に登録されているか否かを判断する(S12)。登録されていれば、次に、携帯電話10の固体識別番号が顧客データベース33に登録されているか否かを判断する(S13)。登録されていれば、ユーザに携帯電話10から暗証番号を入力させる(S14)。これは、携帯電話10の図示のない画面に、入力を促す表示を行うことによって行う。携帯電話10から暗証番号の入力があったときは(S15)、認証モジュール31は、顧客データベース33に格納されたデータに基づいてこの暗証番号をチェックする(S16)。
【0021】
以上のように、この実施の形態においては、携帯電話10からのクレジットカードによる決済の指示に基づいて、携帯電話10の固体識別番号および暗証番号を用いて本人認証を行う。したがって、確実に本人認証が可能になる。
【0022】
暗証番号に問題がなければ、次に、ユーザにクレジットカードを選択させる(S17)。ユーザは携帯電話10からクレジットカードを選択する(S18)。顧客データベース33に、顧客のクレジットカードが複数登録されているときは、登録された複数のクレジットカードの会社名を携帯電話10の図示のない画面に表示してユーザに選択させる(S18)。
【0023】
ユーザからクレジットカードが選択されたときは、決済モジュール35に選択されたクレジットカードが通知される。決済モジュール35は、選択されたクレジットカードの決済サーバ40にアクセスして、決済を行う。決済サーバ40は、決済手段として作動する。
【0024】
なお、上記実施の形態においては、携帯電話10において、ネットワーク上のショップにアクセスし、ネットワーク上のショップにおいて、クレジットカードで決済する場合について説明したが、これに限らず、現実の店舗においてクレジットカードで決済する場合にも認証決済装置で決済するようにしてもよい。また、携帯電話からアクセスしたインターネット上のショップではなく、別のパソコンや、PDA(Personal Data Assistant)等を用いてインターネット上のショップへアクセスし、クレジットカードで決済する場合に適用してもよい。なお、この場合は、顧客データベース33には、携帯電話だけでなく、パソコンやPDA等の識別情報も予め連動して格納されているものとする。
【0025】
また、上記実施の形態においては、認証決済装置と決済サーバとが別である場合について説明したが、これに限らず、これらが一体であってもよい。
【0026】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施の形態に係る決済システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】この実施の形態に係るショップの概略を示すブロック図である。
【図3】認証決済装置の構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の一実施の形態に係る決済システムの動作手順を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
10 携帯電話、20 ショップ、21 ショップモジュール、22 リダイレクトモジュール、30 認証決済装置、31 認証モジュール、32 取引ログ、33 顧客データベース、34 ショップデータベース、40 決済サーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、前記携帯端末によってアクセス可能な認証決済装置を含み、前記携帯端末を介してクレジットカードを用いて決済を行う決済システムであって、
前記携帯端末は固有の固体識別番号を有し、
前記携帯端末は、入力された暗証番号および前記固体識別番号を送信する送信手段を含み、
前記認証決済装置は、
前記携帯端末から前記暗証番号および前記固体識別番号を受信する受信手段と、
前記暗証番号および前記固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を格納したデータベースと、
前記データベースに基づいて、前記受信手段で受信した暗証番号および固体識別番号とに基づいて、前記携帯端末の持主の本人認証を行う認証手段と、
前記認証手段が本人認証を行った後、前記暗証番号および前記固体識別番号に関連付けられたクレジットカードに関する情報を用いて決済を行う決済手段とを含む、決済システム。
【請求項2】
前記固体識別番号は、前記携帯端末の製造番号を含む、請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
携帯端末によってアクセス可能であり、クレジットカードを用いて決済を行う認証決済装置であって、
前記携帯端末は固有の固体識別番号を有し、
前記携帯端末から暗証番号および前記固体識別番号を受信する受信手段と、
前記暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を格納したデータベースと、
前記データベースに基づいて、前記受信手段で受信した暗証番号および固体識別番号とに基づいて、前記携帯端末の持主の本人認証を行う認証手段と、
前記認証手段が本人認証を行った後、前記暗証番号および前記固体識別番号に関連付けられたクレジットカードに関する情報を用いて決済を行う決済手段とを含む、認証決済装置。
【請求項4】
クレジットカードを用いて決済を行う認証決済装置にアクセス可能な携帯端末であって、
固有の固体識別番号を有し、
暗証番号を入力させる入力手段と、
入力された前記暗証番号および前記固体識別番号を送信する送信手段と、
前記暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を格納したデータベースを有する決済装置から、前記送信手段で送信した暗証番号および固体識別番号と関連付けられたクレジットカードに関する情報を受信する受信手段と、
前記決済装置に対して、前記クレジットカードによる決済を行うように指示する指示手段とを含む、携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−134935(P2008−134935A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322024(P2006−322024)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(500329434)ファーストサーバ株式会社 (4)