説明

決済管理システム、決済管理方法及び決済管理プログラム

【課題】配送と決済とを効率的に連動させるための決済管理システム、決済管理方法及び決済管理プログラムを提供する。
【解決手段】決済管理システム30の制御部31は、販売者システム20から受信した決済受付依頼の受付管理識別子、購入者端末識別子、注文内容及び支払総額を、決済管理データ記憶部32の決済管理レコードに記録する。制御部31は、販売者システム識別子に対応する販売者識別子を、この決済管理レコードに記録する。制御部31は、購入者端末10から受信したカード情報を用いてオーソリ要求を与信処理センタサーバ40に行なってオーソリ回答を取得する。制御部31は、「与信可能」のオーソリ回答の場合にのみ、この回答と送り状番号を販売者システム20に送信する。制御部31は、販売者システム20から取得した発送予定情報の送り状番号を含む配達済情報を取得した場合には、売上確定処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文された商品が発送されて購入者に届いた後に、与信処理によって決済を行なう決済管理システム、決済管理方法及び決済管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用した商品取引においては、商品受取のタイミングと商品代金の支払のタイミングとがずれることが多く、トラブルが生じる場合がある。そこで、荷物の配送情報と与信処理とを連動させて決済を行なうシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この文献に記載の決済仲介システムは、決済総額情報と、各注文案件を識別する取引識別情報とを含む注文情報を販売者システムから取得すると、取引情報を蓄積し、与信処理開始の依頼を購入者システムに行なう。購入者システムから、クレジットカード情報など与信処理に必要な情報の提供を受けると、決済仲介システムは、購入者のオーソリ要求(与信照会処理)を行なって、与信処理結果を取得し、販売者システムに送信する。販売者システムは、発送予定日と荷物追跡情報とを含む発送予定情報と取引識別情報とを決済仲介システムに送信する。決済仲介システムは、取引識別情報に関連付けられている取引情報のレコードに発送予定情報を記録し、荷物追跡情報を関連付けて集荷確認待ちとする。決済仲介システムは、新たに集荷済となった荷物追跡情報を含む取引情報のレコードを更新して、売上確定処理を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−352170号公報(第1頁、図3、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この特許文献1に記載の決済仲介システムにおいては、集荷済となったタイミングで売上確定処理を行なっているため、集荷された荷物が、購入者に届かない場合においても、売上確定のステータスになってしまうという課題がある。このため、購入者は受け取っていない荷物について支払いを行なうことになるので、不利益を受ける。
【0005】
また、この決済仲介システムにおいては、与信処理結果をこのまま販売者システムに送信することになる。そして、与信処理結果に基づいて、販売者システムにおいて、荷物発送の可否を判定することになる。このため、荷物の発送に用いる荷物識別子を、販売者に対して、予め付与しておき、販売者システムが、予め付与された荷物識別子を用いて発送依頼を行なうことになる。この場合、販売者が保有する荷物識別子が枯渇しないように十分な数を提供する必要があり、荷物識別子の活用の観点から効率的ではないという課題がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、配送と決済とを効率的に連動させるための決済管理システム、決済管理方法及び決済管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、商品の購入者を特定するための購入者特定情報、商品を販売する販売者を特定するための販売者特定情報、注文された商品を特定するための注文情報、及び支払代金を関連付けて記憶した決済記憶手段と、前記購入者の購入者端末と、前記販売者の販売者システムとに接続された制御手段を備え、
前記購入者と前記販売者との間の決済処理を行なう決済管理システムであって、前記制御手段は、前記販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、前記決済記憶手段に記録する手段と、前記購入者端末から、前記注文情報の決済のために、前記購入者のカード情報を取得する手段と、前記カード情報を用いて、前記購入者の信用情報を取得する手段と、前記信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を追跡するための荷物識別子を、前記販売者システムに送信する手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の決済管理システムにおいて、前記制御手段は、注文情報を特定する注文識別子と、この注文の商品を配送する荷物に貼付される荷物識別子とを、前記販売者システムから取得して、前記決済記憶手段に記憶する手段と、前記荷物識別子が付与された荷物の配達済情報を取得した場合には、前記荷物識別子に関連付けられた注文識別子を介して、前記購入者特定情報及び支払代金を特定して、前記与信情報に基づく決済処理を行なう手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の決済管理システムにおいて、前記制御手段は、前記注文情報に含まれる商品の個数を特定し、この個数に応じた数の荷物識別子を前記販売者システムに送信することを要旨とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の決済管理システムにおいて、前記制御手段は、前記販売者システムから商品の発送拠点数に基づく荷物数を取得し、この発送拠点数に応じた数の荷物識別子を、前記販売者システムに送信することを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、商品の購入者を特定するための購入者特定情報、商品を販売する販売者を特定するための販売者特定情報、注文された商品を特定するための注文情報と、支払代金とを関連付けて記憶した決済記憶手段と、前記購入者の購入者端末と、前記販売者の販売者システムとに接続された制御手段を備えた決済管理システムを用いて、前記購入者と前記販売者との間の決済処理を行なう方法であって、前記制御手段は、前記販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、前記決済記憶手段に記録する段階と、前記購入者端末から、前記注文情報についての決済のために、前記購入者のカード情報を取得する段階と、前記カード情報を用いて、前記購入者の信用情報を取得する段階と、前記信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を追跡するための荷物識別子を、前記販売者システムに送信する段階とを実行することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、商品の購入者を特定するための購入者特定情報、商品を販売する販売者を特定するための販売者特定情報、注文された商品を特定するための注文情報と、支払代金とを関連付けて記憶した決済記憶手段と、前記購入者の購入者端末と、前記販売者の販売者システムとに接続された制御手段を備えた決済管理システムを用いて、前記購入者と前記販売者との間の決済処理を行なうプログラムであって、前記制御手段を、前記販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、前記決済記憶手段に記録する手段、前記購入者端末から、前記注文情報についての決済のために、前記購入者のカード情報を取得する手段、前記カード情報を用いて、前記購入者の信用情報を取得する手段、及び前記信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を特定するための荷物識別子を、前記販売者システムに送信する手段として機能させることを要旨とする。
【0013】
(作用)
本発明によれば、制御手段は、販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、決済記憶手段に記録する。制御手段は、購入者端末
から、注文情報についての決済のために、購入者のカード情報を取得し、カード情報を用いて、購入者の信用情報を取得する。制御手段は、信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を追跡するための荷物識別子を、販売者のシステムに送信する。このため、制御手段は、与信不可の場合には、送り状番号を販売者に送信せず、与信可能な場合にのみ送り状番号を販売者に送信するので、各配送物に付与される荷物識別子を有効活用することができる。
【0014】
本発明によれば、制御手段は、注文情報を特定する注文識別子と、この注文の商品を配送する荷物に貼付される荷物識別子とを、前記販売者システムから取得して、決済記憶手段に記憶する。制御手段は、荷物識別子が付与された荷物の配達済情報を取得した場合には、荷物識別子に関連付けられた注文識別子を介して、購入者特定情報及び支払代金を特定して、前記与信情報に基づく決済処理を行なう。このため、制御手段は、荷物の配送済情報を取得した場合には、迅速に、決済処理を行なうことができる。
【0015】
本発明によれば、制御手段は、注文情報に含まれる商品の個数を特定し、この個数に応じた数の荷物識別子を販売者システムに送信する。このため、注文された商品をすべて発送するために必要となる最大数の荷物分の荷物識別子を販売者に提供することができる。
【0016】
本発明によれば、制御手段は、前記販売者システムから商品の発送拠点数に基づく荷物数を取得し、この発送拠点数に応じた数の荷物識別子を、前記販売者システムに送信する。このため、注文された商品が異なる発送拠点から発送される場合には、各発送拠点から荷物を発送するための荷物識別子を販売者に提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、配送と決済とを効率的に連動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態の決済管理システムの全体構成を説明する概略構成図。
【図2】実施形態のデータ記憶部のデータ構成を説明する図であり、(a)は注文管理データ記憶部、(b)は発送管理データ記憶部、(c)は決済管理データ記憶部。
【図3】実施形態の決済処理の処理手順を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。本実施形態では、インターネットを利用して行なわれた商品販売の決済を支援するための決済管理システムとして説明する。本実施形態では、図1に示す決済管理システム30は、クレジットカードを用いた決済支援をするととともに、商品の配送管理も行なう。
【0020】
本実施形態においては、商品を販売する販売者の販売者システム20と、この販売者から商品を購入する購入者端末10とがインターネットを介して接続されている。
購入者端末10は、購入者が利用するコンピュータ端末であり、ディスプレイ等からなる表示手段と、キーボードやポインティングデバイス等からなる入力手段とを備えている。
【0021】
販売者システム20は、インターネットを介して商品販売を行なう販売者が利用するコンピュータシステムである。この販売者システム20は、商品データ記憶部22、注文管理データ記憶部23及び発送管理データ記憶部24を備えている。この販売者システム20は、これらデータ記憶部(22〜24)を用いて、購入者端末10からの指示に応じて、商品情報の提供、注文の受け付け及び受注した商品の発送の管理を行なう。
【0022】
商品データ記憶部22には、販売者が販売している商品に関するレコードが記憶されている。この商品レコードは、販売される商品が新たに登録された場合に記録される。この商品レコードには、商品識別子、商品名及び価格に関するデータが含まれる。
【0023】
商品識別子データ領域には、各商品を特定するための識別子(商品識別子)に関するデータが記録されている。
商品名データ領域、価格データ領域には、この商品の名称、価格に関するデータが記録されている。
【0024】
注文管理データ記憶部23には、図2(a)に示すように、購入者から受けた注文に関する注文管理レコード230が記録されている。この注文管理レコード230は、商品の購入申込を受けた場合に記録される。この注文管理レコード230には、注文管理識別子、購入者端末識別子、購入者情報、商品配送先、注文内容、支払総額及び送り状番号に関するデータが含まれる。
【0025】
注文管理識別子データ領域には、各注文を特定するための識別子(注文識別子)に関するデータが記録される。
購入者端末識別子データ領域には、この注文をした購入者の購入者端末10を特定するための購入者端末識別子に関するデータが記録される。この購入者端末識別子として、例えば、購入者端末10のIPアドレスが用いられる。
【0026】
購入者情報データ領域には、この注文をした購入者に関するデータが記録される。この購入者情報データには、購入者の氏名、住所、電話番号及び郵便番号に関するデータが含まれる。
【0027】
商品配送先データ領域には、注文された商品の配送先に関するデータが記録される。この商品配送先データには、商品を配送する住所、宛先、電話番号等に関するデータが含まれる。例えば、この商品配送先には、購入者自身の居所や贈答先等を設定することができる。
【0028】
注文内容データ領域には、この注文において販売する商品の内容に関するデータが記録される。本実施形態では、注文された商品の商品識別子、商品名及び個数に関するデータが含まれる。
【0029】
支払総額データ領域には、この注文によって購入者が支払う代金の総額に関するデータが記録される。
送り状番号データ領域には、この注文の商品発送用に割振られた送り状番号(荷物識別子)に関するデータが記録される。この送り状番号は、配送ラベルに記載される。この送り状番号により、商品を梱包した荷物の配送状況を特定することができる。本実施形態では、この送り状番号データ領域に記録された送り状番号が使用された場合には、このデータ領域から消去される。
【0030】
発送管理データ記憶部24には、図2(b)に示すように、商品の発送状況を管理するための発送管理レコード240が記録されている。この発送管理レコード240は、発送する商品が登録された場合に記録される。この発送管理レコード240には、注文管理識別子、送り状番号、発送内容、発送予定日及び集荷日に関するデータが含まれる。
【0031】
注文管理識別子データ領域には、発送される荷物に梱包された商品の注文を特定するための注文識別子に関するデータが記録される。この注文識別子を介して、発送管理レコード240と注文管理レコード230とが関連付けられる。
【0032】
送り状番号データ領域には、発送される荷物の配送状況を特定するための送り状番号に関するデータが記録される。
発送内容データ領域には、この発送の荷物に梱包された商品の内容に関するデータが記録される。本実施形態では、発送の内容として、商品識別子、商品名及び個数に関するデータが含まれる。
発送予定日データ領域、集荷日データ領域には、この荷物の集荷予定年月日、実際に配送者によって集荷された年月日に関するデータが記録される。
【0033】
更に、販売者システム20には、操作端末25及びプリンタ26が接続されている。操作端末25は、販売者において、発送担当者が注文商品に関する情報を入力するために用いられる。プリンタ26は、配送ラベルを印刷するために用いられる。
【0034】
図1に示すように、上述した購入者端末10及び販売者システム20に、インターネットを介して、決済処理を行なう決済管理システム30が接続されている。この決済管理システム30は、クレジット決済サービスにおける「アクワイアラ」が管理するコンピュータシステムである。ここで、「アクワイアラ」とは、クレジットカードの加盟店獲得及び管理業務を行なっている会社のことである。
【0035】
この決済管理システム30は、オーソリ識別システム35に接続されている。このオーソリ識別システム35は、アクワイアラ業務を行なうためのシステムであり、金融ネットワークを介して与信処理センタサーバ40に接続されている。このオーソリ識別システム35は、与信処理センタサーバ40と送受信を行なって、クレジットカードを利用する利用者の信用情報とその対象となった取引識別子との紐付けを行ない、取引が次のステータスへ移行される準備を行なう。具体的には、オーソリ識別システム35は、与信処理センタサーバ40に対して、カード情報と支払総額とを含むオーソリ要求を行ない、この要求に対応する回答を与信処理センタサーバ40から取得する。
【0036】
与信処理センタサーバ40は、クレジットカードについて、公知の与信処理及び売上確定処理を実行する。この与信処理センタサーバ40は、クレジットカードの利用者情報を記憶した利用者管理データ記憶部と、オーソリ管理データ記憶部とを備えている。利用者管理データ記憶部には、クレジットカード番号、カード期限、暗証番号、利用者情報、引落口座識別子、利用可能額、利用可能残高及び締め日を含む利用者管理レコードが記憶されている。オーソリ管理データ記憶部には、クレジットカード番号、支払金額、オーソリ処理日、承認番号及び決済日を含むオーソリ管理レコードが記憶されている。
【0037】
与信処理センタサーバ40は、オーソリ識別システム35からオーソリ要求を受信した場合には、これに含まれるカード情報から利用者を特定し、この利用者の利用可能残高を取得する。そして、オーソリ要求に含まれる支払金額が利用可能残高以下か否かを判断する。与信処理センタサーバ40は、支払金額が利用可能残高以下の場合には、利用可能残額から支払金額を差し引いて残高更新を行なうとともに、取引を承認するため承認番号を付与する。そして、承認番号を設定したオーソリ管理レコードを記録し、この承認番号を含めた「与信可能」の回答をオーソリ識別システム35に返信する。また、与信処理センタサーバ40は、支払金額が利用可能残高を超えた場合には、オーソリ識別システム35に「与信不可」の回答を送信する。
【0038】
また、与信処理センタサーバ40は、承認番号を含む売上確定指示を受信した場合には、オーソリ管理レコードの支払金額を、利用者管理レコードの引落口座識別子によって特定される口座から、次回の締め日に引き落とす処理を実行する。
【0039】
更に、決済管理システム30は、ネットワークを介して配送状況管理システム50に接続されている。この配送状況管理システム50は、配送状況データ記憶部52を備えている。配送状況データ記憶部52には、配送状況に関する配送状況管理レコードが記録される。この配送状況管理レコードには、送り状番号と、配送ステータス(例えば、「発送予定」、「集荷待ち」、「集荷済」又は「配達済」等)、取扱拠点識別子及びステータス登録時刻に関するデータが含まれる。この配送状況管理システム50は、図示しない取扱拠点に設置された取扱拠点端末に接続されている。そして、配送状況管理システム50は、取扱拠点端末から、取扱拠点識別子と、取扱拠点において読み取られた荷物の送り状番号とを受信すると、このときの時刻を含めて配送状況データ記憶部52に登録する。
【0040】
配送状況管理システム50は、決済管理システム30からの送り状番号要求に応じて送り状番号(荷物識別子)を発行して、決済管理システム30に送信する。更に、配送状況管理システム50は、配送状況管理レコードを生成して、配送状況データ記憶部52に記録する。この場合、配送状況管理システム50は、配送状況管理レコードに、送り状番号と、「発送予定」のステータスと、現在日時とを記録する。また、配送状況管理システム50は、決済管理システム30からの問い合わせ依頼を受信すると、この依頼に含まれる送り状番号に関連付けられた配送状況データを配送状況データ記憶部52から抽出して決済管理システム30に返信する。
【0041】
決済管理システム30は、制御手段としての制御部31、決済記憶手段としての決済管理データ記憶部32、及び販売者管理データ記憶部33を備える。
制御部31は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理を行なう。このための決済管理プログラムを実行することにより、制御部31は、決済受付手段311及び支払実行管理手段312等として機能する。
【0042】
決済受付手段311は、販売者システム20からの決済受付依頼を受信し、オーソリ識別システム35に対してオーソリ要求(信用照会)を行なう。決済受付手段311は、オーソリ識別システム35から取得したオーソリ回答(信用情報)と、採番した送り状番号とを販売者システム20に送信する。
【0043】
支払実行管理手段312は、販売者システム20から取得した発送予定情報を記録する。支払実行管理手段312は、この発送予定情報から発送された荷物の配送状況を管理し、配送完了した場合に売上確定処理を行なう。
【0044】
決済管理データ記憶部32には、図2(c)に示すように、決済に関する決済管理レコード321と、支払実行のタイミングを管理する支払管理レコード322とが記憶されている。決済管理レコード321は、販売者システム20から決済依頼を受信した場合に記録される。支払管理レコード322は、販売者システム20から発送予定情報を取得した場合に記録される。
【0045】
決済管理レコード321には、決済管理識別子、販売者識別子、注文管理識別子、購入者端末識別子、注文内容、支払総額、カード番号、オーソリ回答結果、送り状番号及び決済ステータスに関するデータが含まれる。
【0046】
決済管理識別子データ領域には、各決済を特定するための識別子(決済管理識別子)に関するデータが記録される。
販売者識別子データ領域には、この決済の依頼をした販売者を特定するための識別子(販売者識別子)に関するデータが記録される。
【0047】
注文管理識別子データ領域には、この決済を行なう注文を特定するための注文管理識別
子に関するデータが記録される。この注文管理識別子を介して、決済管理レコード321と注文管理レコード230とが対応付けられる。
【0048】
購入者端末識別子データ領域には、この決済を行なう購入者の購入者端末10を特定するための購入者端末識別子に関するデータが記録される。
注文内容データ領域には、この決済によって注文された内容に関するデータが記録される。
【0049】
支払総額データ領域には、この決済によって支払われる代金の総額に関するデータが記録される。
カード番号データ領域には、決済に用いる購入者のカード番号に関するデータが記録される。
【0050】
オーソリ回答結果データ領域には、この決済におけるオーソリ回答結果に関するデータが記録される。「与信可能」のオーソリ回答の場合には、承認番号が記録される。
送り状番号データ領域には、この決済の対象となる注文された商品の荷物の配送状況を特定するための送り状番号に関するデータが記録される。この注文において複数の送り状番号を取得した場合には、複数の送り状番号が記録される。
【0051】
決済ステータスデータ領域には、この決済のステータスを特定するためのフラグに関するデータが記録される。本実施形態では、このデータ領域には、「発送待ち」、「発送開始」、「配送完了」及び「決済完了済」のいずれかのステータスを示すフラグが記録される。ここで、「発送待ち」フラグは、注文に対応する送り状番号の割り振りが終了し、商品の発送を待っている状態を示す。「発送開始」フラグは、発送処理を開始した状態を示す。「配送完了」フラグは、注文された商品のすべてが配達された状態を示す。「決済完了済」フラグは、商品配送が完了し、決済が完了した状態を示す。
【0052】
支払管理レコード322には、送り状番号、注文管理識別子、決済管理識別子、発送内容、配送方法、発送予定日、集荷日及び配達完了日に関するデータが含まれる。
送り状番号データ領域には、商品の発送状況を特定するための送り状番号に関するデータが記録される。
【0053】
注文管理識別子データ領域には、各注文を特定するための識別子(注文管理識別子)に関するデータが記録される。この注文管理識別子を介して、注文管理レコード230と発送管理レコード240とが関連付けられる。
【0054】
決済管理識別子データ領域には、決済を特定するための識別子(決済管理識別子)に関するデータが記録される。この決済管理識別子を介して、決済管理レコード321と支払管理レコード322とが関連付けられる。
【0055】
発送内容データ領域には、この送り状番号の配送ラベルを用いて発送する内容(商品識別子及び個数)に関するデータが記録される。
配送方法データ領域には、1つの注文で配送される荷物に続く荷物があるか否かに関するデータが記録される。本実施形態では、後続する荷物がある場合の「後続荷物あり」フラグ、又は、後続する荷物がない場合の「後続荷物なし」フラグが記録される。注文された商品が1つの荷物で発送される場合や、注文された商品が複数の荷物で配送される場合の最後の荷物の発送の場合には、「後続荷物なし」フラグが記録される。注文された商品が複数の荷物で配送される場合の最後以外の荷物の発送の場合には、「後続荷物あり」フラグが記録される。
【0056】
発送予定日データ領域、集荷日データ領域、配達完了日データ領域には、この配送ラベルを用いて発送する商品の発送予定の年月日、この商品が実際に集荷された年月日、この商品が宛先に到着することにより配送が完了した年月日に関するデータが記録される。
【0057】
一方、販売者管理データ記憶部33には、この決済管理システム30に決済管理を申請した販売者に関する販売者管理レコードが記憶されている。この販売者管理レコードは、新たに決済管理の依頼を受けた販売者の情報を取得した場合に記録される。この販売者管理レコードには、販売者識別子、販売者情報、販売者システム識別子及び振込口座識別子に関するデータが含まれる。
【0058】
販売者識別子データ領域には、各販売者を特定するための識別子(販売者識別子)に関するデータが記録されている。この販売者識別子によって、販売者システム20の販売者を特定することができる。
販売者情報データ領域には、この販売者に関するデータが記録されている。この販売者情報データには、販売者の住所、氏名、電話番号及び郵便番号等に関するデータが含まれる。
【0059】
販売者システム識別子データ領域には、この販売者が使用するシステムを特定するための識別子に関するデータが記録されている。
振込口座識別子データ領域には、決済において支払金額を振り込むための販売者の口座を特定するための識別子(振込口座識別子)に関するデータが記録されている。
【0060】
次に、上述した決済管理システム30を用いて、購入者と販売者との間で商品取引が行なわれた場合の決済処理について図3を用いて説明する。
【0061】
まず、購入者は、購入者端末10を用いて、販売者システム20にアクセスして、購入依頼を行なう。具体的には、購入者端末10は、購入者の操作に応じて、販売者システム20において所望の商品を検索する。そして、購入者端末10は、購入者が購入を希望する商品の商品識別子、個数及び支払総額を含む購入依頼を、販売者システム20に送信する。この場合、購入者端末10は、購入者情報(購入者の氏名、住所及び電話番号等)、商品配送先情報(配送先の住所、氏名及び電話番号等)、及び購入者端末識別子を送信する。
【0062】
販売者システム20は、受信した購入依頼に対して注文管理識別子を付与し、この注文管理識別子を含む注文管理レコード230を生成して、注文管理データ記憶部23に記憶する。販売者システム20は、この注文管理レコード230に、受信した購入者端末識別子、購入者情報、商品配送先情報、注文内容及び支払総額を記録する。この場合、注文管理レコード230の決済ステータスデータ領域及び送り状番号データ領域を空欄にしておく。
【0063】
そして、販売者システム20は、決済受付依頼の送信処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、販売者システム20は、決済受付依頼を決済管理システム30に送信する。この決済受付依頼には、販売者システム識別子とともに、注文管理レコード230の注文管理識別子、購入者端末識別子、注文内容及び支払総額を含める。
【0064】
決済管理システム30の制御部31は、決済受付依頼の登録処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部31の決済受付手段311は、販売者システム20から受信した決済受付依頼に対して決済管理識別子を付与し、この決済管理識別子を含む決済管理レコード321を生成して、決済管理データ記憶部32に記憶する。決済受付手段311は、この決済管理レコード321に、受信した注文管理識別子、購入者端末識別子、
注文内容及び支払総額を記録する。決済受付手段311は、販売者システム識別子に対応する販売者識別子を、販売者管理データ記憶部33から特定して、決済管理レコード321に記録する。
【0065】
次に、決済管理システム30の制御部31は、与信処理開始の依頼処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部31の決済受付手段311は、購入者端末識別子に、与信処理開始画面データを送信する。決済受付手段311は、この与信処理開始画面データに、決済管理システム30にアクセスするためのデータ(例えば、URL及び決済管理識別子)を含めておく。
【0066】
購入者端末10は、アクセス開始処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、購入者端末10は、決済管理システム30から受信した与信処理開始画面をディスプレイに表示する。そして、購入者が与信処理開始画面においてアクセス指示を入力した場合、購入者端末10は、決済管理システム30にアクセス要求を送信する。この場合、購入者端末10は、決済管理識別子を決済管理システム30に送信する。
【0067】
アクセス要求を受信した決済管理システム30の制御部31は、注文情報、カード情報の要求処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部31の決済受付手段311は、受信した決済管理識別子を含む決済管理レコード321を決済管理データ記憶部32から抽出する。決済受付手段311は、カード情報入力画面データを購入者端末10に送信する。このカード情報入力画面データには、決済管理識別子、抽出した決済管理レコード321の注文内容及び支払総額と、カード情報(例えば、クレジットカードの番号、カード期限及び暗証番号)を入力する入力欄と、送信ボタンとが含まれる。
【0068】
購入者端末10は、カード情報の送信処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、購入者端末10は、受信した画面データに基づいてカード情報入力画面をディスプレイに表示する。購入者は、画面に表示されている注文内容及び支払総額を確認する。そして、このカード情報入力画面の入力欄に、使用するクレジットカードのカード情報を入力し、送信ボタンを選択する。この場合、購入者端末10は、決済管理識別子と、カード情報入力画面に入力されたカード情報とを決済管理システム30に送信する。
【0069】
決済管理システム30の制御部31は、オーソリ要求処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部31の決済受付手段311は、購入者端末10から受信した決済管理識別子が記録された決済管理レコード321の支払総額を取得する。次に、受信したカード情報及び支払総額を含む信用照会要求をオーソリ識別システム35に送信する。オーソリ識別システム35は、受信したカード情報及び支払総額を含む信用照会要求を、与信処理センタサーバ40に送信する。
【0070】
与信処理センタサーバ40は、オーソリ回答処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、与信処理センタサーバ40は、受信したカード情報に対応する利用可能残高を特定し、このオーソリ要求に含まれる支払総額が利用可能残高を超えないか否かを判断する。ここで、支払総額が利用可能残高を超えない場合には、与信処理センタサーバ40は、承認番号を付与し、これを含めたオーソリ管理レコードを記録する。そして、与信処理センタサーバ40は、承認番号を含めた与信可能の回答をオーソリ識別システム35に送信する。また、支払総額が利用可能残高を超えている場合には、与信処理センタサーバ40は、与信不可の回答をオーソリ識別システム35に送信する。
【0071】
オーソリ識別システム35は、受信したオーソリ回答を決済管理システム30に送信する。決済管理システム30の制御部31は、「与信不可」のオーソリを受信した場合には、エラーメッセージを購入者端末10に送信する。そして、制御部31は、送り状番号の
採番処理を実行しないで、オーソリ回答のみを販売者システム20に送信する。
【0072】
一方、決済管理システム30の制御部31は、「与信可能」のオーソリ回答を受信した場合には、受信した承認番号を、この決済管理レコード321のオーソリ回答結果データ領域に記録する。
【0073】
そして、決済管理システム30の制御部31は、送り状番号の採番処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部31の決済受付手段311は、この決済管理レコード321の注文内容の合計商品数を、最大荷物数として算出する。次に、決済受付手段311は、送り状番号要求を配送状況管理システム50に送信する。この場合、決済受付手段311は、算出した最大荷物数分の送り状番号の発行を要求する。
【0074】
そして、制御部31の決済受付手段311は、配送状況管理システム50から受信した送り状番号を、この決済管理レコード321に記録する。ここで、配送状況管理システム50から複数の送り状番号を取得した場合には、すべての送り状番号を記録する。
【0075】
次に、決済管理システム30の制御部31は、オーソリ回答、送り状番号の送付処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部31の決済受付手段311は、この決済管理レコード321の販売者識別子に対応する販売者システム識別子を販売者管理データ記憶部33から特定する。次に、決済受付手段311は、販売者システム識別子によって特定される販売者システム20に対して、決済管理レコード321の注文管理識別子、「与信可能」のオーソリ回答及び送り状番号を送信する。そして、決済受付手段311は、この決済管理レコード321に「発送待ち」ステータスを記録する。
【0076】
販売者システム20は、送り状番号の登録処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、販売者システム20は、決済管理システム30から取得した注文管理識別子を含む注文管理レコード230を注文管理データ記憶部23から抽出し、このレコードに、受信した送り状番号を記録する。
【0077】
次に、販売者システム20は、取得した送り状番号を用いてラベル印刷処理を実行する(ステップS1−12)。ここで、発送担当者は、発送作業を行なう。具体的には、発送担当者の操作に応じて、販売者システム20の操作端末25のディスプレイに、注文内容一覧表示画面を表示する。この注文内容一覧表示画面には、各注文内容の表示欄と終了ボタンとが表示されている。注文内容の表示欄においては、注文管理識別子と、注文内容と、発送商品入力欄と、「後続荷物あり」選択ボタンと、配送依頼ボタンと、発送予定日入力欄とが表示されている。ここで、発送担当者は、表示された注文内容の未発送の商品をピックアップして梱包する。そして、発送担当者は、ピックアップした商品の商品識別子及び個数を発送商品入力欄に入力し、発送予定日を発送予定入力欄に入力する。更に、発送担当者は、注文商品のうち、後から発送する商品がある場合には、「後続荷物あり」ボタンを選択する。そして、発送担当者は、配送依頼ボタンを選択する。
【0078】
この場合、販売者システム20は、未使用の送り状番号の1つを特定して、これを含む配送ラベルを印刷する。具体的には、販売者システム20は、配送依頼ボタンに対応する注文管理識別子を含む注文管理レコード230を注文管理データ記憶部23から抽出し、このレコードに記録されている送り状番号の1つを特定する。
【0079】
そして、販売者システム20は、発送管理レコード240を生成して、発送管理データ記憶部24に記録する。この発送管理レコード240には、特定した送り状番号と、注文管理識別子と、入力された発送内容と、発送予定日とを含める。更に、販売者システム20は、この送り状番号を、注文管理レコード230から消去する。
【0080】
販売者システム20は、注文管理レコード230の商品配送先を含む配送ラベルの印刷データを生成して、プリンタ26に送信する。プリンタ26は、受信した印刷データを用いて配送ラベルを印刷する。発送担当者は、この配送ラベルを、商品を梱包した荷物に貼付する。
【0081】
次に、販売者システム20は、発送予定情報の送信処理を実行する(ステップS1−13)。具体的には、販売者システム20は、発送予定情報を決済管理システム30に送信する。この発送予定情報には、注文管理識別子、送り状番号、発送予定日、発送内容及び販売者システム識別子が含まれる。更に、販売者システム20は、この発送予定情報に、「後続荷物あり」ボタンが選択された場合には、これに対応する「後続荷物あり」のフラグを含め、選択されなかった場合には、「後続荷物なし」フラグを含める。
【0082】
決済管理システム30の制御部31は、発送予定情報の追加処理を実行する(ステップS1−14)。具体的には、制御部31の支払実行管理手段312は、支払管理レコード322を生成して、決済管理データ記憶部32に記録する。この支払管理レコード322には、受信した発送予定情報の送り状番号、注文管理識別子、発送予定日、発送内容及び荷物状況フラグを含める。支払実行管理手段312は、受信した販売者システム識別子に対応する販売者識別子と、受信した注文管理識別子とを含む決済管理レコード321を検索する。そして、該当する決済管理レコード321を抽出した場合には、支払実行管理手段312は、このレコードの決済管理識別子を、支払管理レコード322に記録する。
【0083】
そして、決済管理システム30の制御部31は、定期的に(例えば毎日の予め定めた時刻に)、配送状況管理システム50にアクセスして、送り状番号を含む配送状況の問い合わせ依頼を行なう。この場合、制御部31は、「発送待ち」又は「発送開始」の決済ステータスを含む決済管理レコード321の決済管理識別子が記録された支払管理レコード322を決済管理データ記憶部32において検索する。抽出した支払管理レコード322の送り状番号を抽出した場合、制御部31の支払実行管理手段312は、抽出した送り状番号を含む問い合わせ依頼を配送状況管理システム50に送信する。
【0084】
ここで、問い合わせした送り状番号の荷物について出荷済のステータスとなっている場合、配送状況管理システム50は、出荷済情報を送信する(ステップS1−15)。この場合、決済管理システム30の制御部31は、取得した集荷済情報の登録処理を実行する(ステップS1−16)。具体的には、制御部31の支払実行管理手段312は、問い合わせた送り状番号と、出荷済ステータスと、集荷日とを、配送状況管理システム50から取得する。支払実行管理手段312は、取得した送り状番号を含む支払管理レコード322を決済管理データ記憶部32から抽出し、この支払管理レコード322の集荷日データ領域に、集荷済情報に含まれる集荷日を記録する。そして、この決済管理識別子を含む決済管理レコード321に「発送待ち」ステータスが記録されている場合には、支払実行管理手段312は、「発送開始」ステータスを記録することにより更新する。
【0085】
また、問い合わせした送り状番号の荷物について配達済のステータスとなっている場合、配送状況管理システム50は、配達済情報を送信する(ステップS1−17)。この場合、決済管理システム30の制御部31は、取得した配達済情報の登録処理を実行する(ステップS1−18)。具体的には、制御部31の支払実行管理手段312は、問い合わせた送り状番号と、配達済ステータスと、配達完了日とを、配送状況管理システム50から取得する。支払実行管理手段312は、取得した送り状番号を含む支払管理レコード322を決済管理データ記憶部32から抽出し、この支払管理レコード322の配達完了日データ領域に、配達済情報に含まれる配達完了日を記録する。
【0086】
配達完了日を記録した決済管理システム30の制御部31は、売上確定処理を実行する(ステップS1−19)。具体的には、制御部31の支払実行管理手段312は、配達完了日を記録した支払管理レコード322の決済管理識別子が記録されている支払管理レコード322を抽出する。支払実行管理手段312は、抽出した支払管理レコード322のうち、「後続荷物なし」フラグが記録されているレコードがあるか否かを判断する。ここで、「後続荷物なし」フラグが記録されているレコードがある場合には、抽出したすべての支払管理レコード322に配達完了日が記録されているか否かを判断する。ここで、すべての支払管理レコード322に配達完了日が記録されていない場合、又は「後続荷物あり」フラグが記録されているレコードしか抽出できない場合には、待機する。
【0087】
一方、「後続荷物なし」フラグが記録されているレコードがあり、抽出したすべての支払管理レコード322に配達完了日が記録されている場合には、支払実行管理手段312は、オーソリ識別システム35に売上確定依頼を行なう。具体的には、支払実行管理手段312は、この決済管理識別子が記録された決済管理レコード321を抽出し、このレコードの承認番号を取得して、オーソリ識別システム35に送信して、公知の売上確定処理を実行させる。そして、支払実行管理手段312は、この決済管理レコード321の決済ステータスデータ領域に、「配送完了」ステータスを記録する。
【0088】
次に、決済管理システム30の制御部31は、販売者への商品代金の支払処理を実行する(ステップS1−20)。具体的には、制御部31の支払実行管理手段312は、クレジット決済サービスにおけるイシュア(クレジットカードの発行会社)から、承認番号に関連付けられた代金の振込が完了したデータを取得する。この場合、支払実行管理手段312は、この承認番号が記録された決済管理レコード321を抽出する。支払実行管理手段312は、この決済管理レコード321の販売者識別子に対応する振込口座識別子を、販売者管理データ記憶部33において特定する。支払実行管理手段312は、この振込口座識別子に対して、決済管理レコード321の支払総額を振り込む。以上により、決済処理が終了する。
【0089】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、決済管理システム30の制御部31は、販売者システム20から受信した決済受付依頼の受付管理識別子、購入者端末識別子、注文内容及び支払総額を、決済管理レコード321に記録する。制御部31は、販売者システム識別子に対応する販売者識別子を、決済管理レコード321に記録する。制御部31は、購入者端末10から受信したカード情報を用いてオーソリ要求を与信処理センタサーバ40に行なってオーソリ回答を取得する。「与信可能」のオーソリ回答の場合には、この回答と送り状番号を販売者システム20に送信する。一方、「与信不可」のオーソリ回答の場合には、制御部31は、送り状番号の採番処理を実行しないで、オーソリ回答のみを販売者システム20に送信する。このため、制御部31は、与信不可の場合には、送り状番号を販売者に送信せず、与信可能な場合にのみ送り状番号を販売者に送信するので、各配送物に付与される荷物識別子を有効活用することができる。
【0090】
(2)本実施形態では、決済管理システム30の制御部31は、販売者システム20から、注文管理識別子、送り状番号、発送予定日、発送内容及び販売者システム識別子を含む発送予定情報を取得し、決済管理データ記憶部32に記憶する。制御部31は、配達済情報を取得した場合には、配達済情報の登録処理を実行し(ステップS1−18)、売上を確定して決済処理を実行する(ステップS1−19)。このため、商品の到着を客観的に把握しながら決済処理を行なうことができる。
【0091】
(3)本実施形態では、決済管理システム30は、アクワイアラが管理しているシステムであり、決済管理レコード及び販売者管理レコードを保持している。このため、イシュ
アからアクワイアラに代金が支払われると、決済管理システム30は、決済管理レコード及び販売者管理レコードを用いて、この代金の支払先となる販売者を特定し、速やかに商品の代金を支払うことができる。従って、販売者は代金を迅速に回収することができる。
【0092】
(4)本実施形態では、決済管理システム30の制御部31は、「与信可能」のオーソリ回答の場合には、注文内容の合計商品数を、最大荷物数として算出し、この最大荷物数分の送り状番号を取得して、販売者システムに送信する(ステップS1−9〜S1−11)。このため、すべての注文商品を発送するために必要な送り状番号を販売者に提供することができる。
【0093】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、決済管理システム30の制御部31は、注文内容の合計商品数を最大荷物数として算出し、この最大荷物数の送り状番号を取得して販売者システム20に送信した(ステップS1−9,S1−10)。取得する送り状番号の数は、制御部31が特定する場合に限られない。例えば、決済管理システム30の制御部31は、販売者システム20から取得した荷物数分の送り状番号を取得してもよい。この場合、販売者システム20は、注文された商品の発送拠点数を荷物数としてもよい。具体的には、販売者システム20は、商品データ記憶部22の各商品レコードに、この商品の発送拠点を特定する発送拠点識別子を含める。販売者システム20は、決済受付依頼の送信処理(ステップS1−1)において、注文内容に含まれる各商品の発送拠点識別子を、商品レコードを用いて特定し、発送拠点識別子の数をカウントする。そして、販売者システム20は、決済受付依頼に、この発送拠点識別子の数を含めて、決済管理システム30に送信する。決済管理システム30の制御部31は、送り状番号の採番処理(ステップS1−9)において、注文内容の合計商品数の代わりに決済受付依頼に含まれる商品の発送拠点識別子の数を用いて、この個数分の送り状番号を取得する。これにより、注文された商品が異なる発送拠点から発送される場合には、各発送拠点から荷物を発送するための荷物識別子を、決済に関連付けて販売者に渡すことができる。
【0094】
更に、販売者システム20は、商品のサイズ及び個数に応じて取得する送り状番号の数を決定してもよい。この場合、販売者システム20は、商品データ記憶部22の各商品レコードに商品のサイズ分類識別子を含める。更に、販売者システム20は、この商品のサイズ分類識別子と個数とから決定される荷物数データテーブルを備える。販売者システム20は、商品レコードを用いて、発送拠点識別子毎の商品のサイズ分類識別子及び個数を特定する。販売者システム20は、各発送拠点における商品のサイズ分類識別子と個数と荷物数データテーブルとを用いて、必要となる荷物数をそれぞれ特定し、合計する。販売者システム20は、合計した荷物数を決済管理システム30に送信する。この場合には、商品のサイズを考慮した荷物数に応じた荷物識別子を決済管理システム30から取得することができる。
【0095】
・ 上記実施形態の売上確定処理(ステップS1−19)において、決済管理システム30の制御部31は、注文された商品を複数の荷物で配送した場合には、すべての荷物が配達完了した場合に、売上確定処理を行なった。注文された商品を複数の荷物で配送する場合には、すべての荷物が配達完了してから売上確定処理を行なう場合限らず、分割決済を行なってもよい。この場合、販売者システム20は、「後続荷物あり」又は「後続荷物なし」のフラグの代わりに、支払代金を発送予定情報に含めて決済管理システム30に送信する。決済管理システム30は、支払管理レコード322の荷物状況フラグの代わりに、分割請求する金額を記録する。そして、この支払管理レコード322の送り状番号を含む配達済情報を取得した場合には、この分割請求する金額に基づいて請求を行なってもよい。これにより、注文された商品をすべて配送するには時間がかかる場合等においても、販売者は、それ以外の商品について代金を迅速に回収することができる。
【0096】
・ 上記実施形態においては、決済管理システム30は、販売者管理データ記憶部33を備えた。売上確定処理を行なうために必要となる販売者の振込口座識別子を特定するための情報を蓄積したデータ記憶部は、決済管理システム30が有していなくてもよい。例えば、オーソリ識別システム35が販売者管理データ記憶部33を備えている場合には、決済管理システム30は、オーソリ識別システム35に、この販売者の口座識別子の特定情報を要求し、これに応じて取得した口座識別子に支払総額を振り込むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
10…購入者端末、20…販売者システム、22…商品データ記憶部、23…注文管理データ記憶部、24…発送管理データ記憶部、25…操作端末、26…プリンタ、30…決済管理システム、31…制御部、32…決済管理データ記憶部、33…販売者管理データ記憶部、35…オーソリ識別システム、40…与信処理センタサーバ、50…配送状況管理システム、52…配送状況データ記憶部、311…決済受付手段、312…支払実行管理手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入者を特定するための購入者特定情報、商品を販売する販売者を特定するための販売者特定情報、注文された商品を特定するための注文情報、及び支払代金を関連付けて記憶した決済記憶手段と、
前記購入者の購入者端末と、
前記販売者の販売者システムとに接続された制御手段を備え、前記購入者と前記販売者との間の決済処理を行なう決済管理システムであって、
前記制御手段は、
前記販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、前記決済記憶手段に記録する手段と、
前記購入者端末から、前記注文情報の決済のために、前記購入者のカード情報を取得する手段と、
前記カード情報を用いて、前記購入者の信用情報を取得する手段と、
前記信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を追跡するための荷物識別子を、前記販売者システムに送信する手段と
を備えたことを特徴とする決済管理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
注文情報を特定する注文識別子と、この注文の商品を配送する荷物に貼付される荷物識別子とを、前記販売者システムから取得して、前記決済記憶手段に記憶する手段と、
前記荷物識別子が付与された荷物の配達済情報を取得した場合には、前記荷物識別子に関連付けられた注文識別子を介して、前記購入者特定情報及び支払代金を特定して、前記与信情報に基づく決済処理を行なう手段と
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の決済管理システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記注文情報に含まれる商品の個数を特定し、この個数に応じた数の荷物識別子を前記販売者システムに送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の決済管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記販売者システムから商品の発送拠点数に基づく荷物数を取得し、この発送拠点数に応じた数の荷物識別子を、前記販売者システムに送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の決済管理システム。
【請求項5】
商品の購入者を特定するための購入者特定情報、商品を販売する販売者を特定するための販売者特定情報、注文された商品を特定するための注文情報と、支払代金とを関連付けて記憶した決済記憶手段と、
前記購入者の購入者端末と、
前記販売者の販売者システムとに接続された制御手段を備えた決済管理システムを用いて、前記購入者と前記販売者との間の決済処理を行なう方法であって、
前記制御手段は、
前記販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、前記決済記憶手段に記録する段階と、
前記購入者端末から、前記注文情報についての決済のために、前記購入者のカード情報を取得する段階と、
前記カード情報を用いて、前記購入者の信用情報を取得する段階と、
前記信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を追跡するための荷物識別子を、前記販売者システムに送信する段階と
を実行することを特徴とする決済管理方法。
【請求項6】
商品の購入者を特定するための購入者特定情報、商品を販売する販売者を特定するための販売者特定情報、注文された商品を特定するための注文情報と、支払代金とを関連付けて記憶した決済記憶手段と、
前記購入者の購入者端末と、
前記販売者の販売者システムとに接続された制御手段を備えた決済管理システムを用いて、前記購入者と前記販売者との間の決済処理を行なうプログラムであって、
前記制御手段を、
前記販売者システムから、購入者特定情報、販売者特定情報、注文情報及び支払代金を取得して、前記決済記憶手段に記録する手段、
前記購入者端末から、前記注文情報についての決済のために、前記購入者のカード情報を取得する手段、
前記カード情報を用いて、前記購入者の信用情報を取得する手段、及び
前記信用情報に基づいて与信可能と判断した場合には、与信可能の結果とともに、荷物の配送状況を特定するための荷物識別子を、前記販売者システムに送信する手段
として機能させることを特徴とする決済管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−123754(P2012−123754A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276283(P2010−276283)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(307044390)郵便事業株式会社 (42)